JP5580118B2 - 水性塗液用樹脂組成物、それが分散された水性塗液およびそれを塗布した塗布層付複合フィルム - Google Patents

水性塗液用樹脂組成物、それが分散された水性塗液およびそれを塗布した塗布層付複合フィルム Download PDF

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Description

本発明は、水性塗液用樹脂組成物、それが分散された水性塗液およびそれを塗布した塗布層付複合フィルムに関する。
熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれらと小割合の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、二軸延伸後、熱固定したポリエステルフィルムは、機械強度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業上種々の分野で利用されている。しかし、その表面は高度に結晶配向されているので、塗料、接着剤、インキ等の受容性に乏しいという問題がある。
ポリエステルフィルム表面の受容性を高める方法として、予めフィルム表面に合成樹脂によるプライマー層(下塗り層)を設け、ベースフィルムとは異質の表面層を薄く形成する方法がある。プライマー層の形成は、合成樹脂の有機溶媒溶液または水性液(水溶液、水分酸体)を用い、これをフィルム表面に塗設することによって実施される。
このプライマー層形成のための樹脂水性液として、例えば特許文献1、2が挙げられる。特許文献1はそれ以前のポリエステル系ポリマー水性液より形成されたプライマー層と比較して耐熱性、耐水性の点で改善が見られるものの、元のポリマーの固有粘度が十分でなく、プライマー層の役割の1つとして期待される、ベースフィルムのオリゴマー封止性やハンドリング性に課題があった。ポリエステルの固有粘度を上げる方法の1つとして固相重合法が挙げられるが、特許文献1記載のポリエステル樹脂はいずれも非晶性であるため、固相重合が不可能であった。
一方、特許文献2では、プライマー層にカルボジイミド系化合物を添加することで、耐溶剤性、耐ブロッキング性を向上させることが提案されている。しかし、ポリエステルフィルムへの塗付時に、カルボジイミド系化合物が分解、異臭ガスが発生し、作業環境を悪化させるため対策が求められていた。
特開平6−116487号公報 特開平8−332706号公報
本発明者らは、上記従来技術が有する問題を解消し、接着性、耐溶剤性および耐ブロッキング性に優れながらも、プライマー層を形成する際に、異臭ガスの発生がない、すなわち作業環境の悪化を伴わない、易接着性塗膜(プライマー層)を形成しうる水性塗液用樹脂組成物、それが分散された水性塗液およびそれを塗布した塗布層付複合フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するためにポリエステルの末端に反応しても、イソシアネート化合物を遊離しない構造のカルボジイミド化合物について、鋭意検討した。
その結果、環状構造の中にカルボジイミド基を有する化合物は、ポリエステルの末端に反応してもイソシアネート化合物を遊離しないことを見出し、本発明を完成した。
かくして本発明によれば、(A)ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂からなる群より選ばれ、カルボキシル基またはカルボキシル塩基を含有する、少なくとも一種のバインダー樹脂100重量部と(B)カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を有する環状カルボジイミド化合物1〜35重量部とからなる水性塗液用樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、発明の好ましい態様として、環状カルボジイミド化合物が、環状構造を形成する原子数が8〜50で、下記式(1)
Figure 0005580118
(式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2〜4価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。)で表される化合物であること、バインダー樹脂がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることの少なくともいずれか一つを具備する水性塗液用樹脂組成物も提供される。
さらにまた、本発明によれば、本発明の上記水性塗液用樹脂組成物が、水に分散された水性塗液、そして、延伸可能なポリエステルフィルムの少なくとも片面に、上記水性塗液を塗布し、乾燥、延伸した後、熱処理して製膜された塗布層付複合フィルムも提供される。
本発明によれば、イソシアネート化合物を遊離させず、カルボジイミド化合物により、ポリエステルの末端を連結することができる。その結果、接着性、耐溶剤性および耐ブロッキング性に優れるプライマー層を、イソシアネート化合物による作業環境の悪化を伴わずに形成することができる。
本発明の水性塗液用樹脂組成物は、(A)ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂からなる群より選ばれ、カルボキシル基またはカルボキシル塩基を含有する、少なくとも一種のバインダー樹脂100重量部と(B)カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を有する環状カルボジイミド化合物1〜35重量部とからなる。
まず、本発明で使用する上記環状カルボジイミド化合物について、説明する。
<環状構造>
本発明において、カルボジイミド化合物は環状構造を有する(以下、本カルボジイミド化合物を環状カルボジイミド化合物と略記することがある。)。環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。
環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有するが、例えば、スピロ環など、分子中に複数の環状構造を有する場合にはスピロ原子に結合するそれぞれの環状構造中に1個のカルボジイミド基を有していれば、化合物として複数のカルボジイミド基を有していてよいことはいうまでもない。環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に、10〜15が好ましい。
ここで、環状構造中の原子数とは、環状構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる場合があるためである。また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より環状構造中の原子数は好ましくは、10〜30、より好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15の範囲が選択される。
環状構造は、下記式(1)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0005580118
式中、Qは、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2〜4価の結合基である。ヘテロ原子とはこの場合、O、N、S、Pを指す。この結合基の価のうち2つの価は環状構造を形成するために使用される。Qが3価あるいは4価の結合基である場合、単結合、二重結合、原子、原子団を介して、ポリマーあるいは他の環状構造と結合している。
結合基は、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基またはこれらの組み合わせであり、上記で規定される環状構造を形成するための必要炭素数を有する結合基が選択される。組み合わせの例としては、アルキレン基とアリーレン基が結合した、アルキレン−アリーレン基のような構造などが挙げられる。
結合基(Q)は、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005580118
式中、ArおよびArは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基である。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基(2価)として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
およびRは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これら芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
上記式(1−1)、(1−2)においてXおよびXは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
上記式(1−1)、(1−2)においてs、kは0〜10の整数、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0〜1の整数である。s及びkが10を超えると、環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より整数は好ましくは0〜3の範囲が選択される。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX、あるいはXが、他のX、あるいはXと異なっていてもよい。
上記式(1−3)においてXは、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂肪族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂環族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリーレン基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
また、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として、以下(a)〜(c)で表される化合物が挙げられる。
<環状カルボジイミド化合物(a)>
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(2)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(a)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005580118
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(2)の化合物においては、脂肪族基、脂環族基、芳香族基は全て2価である。Qは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005580118
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらは全て2価である。
かかる環状カルボジイミド化合物(a)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
<環状カルボジイミド化合物(b)>
さらに、本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(3)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(b)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005580118
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせである3価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。Yは、環状構造を担持する担体である。脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(3)の化合物においては、Qを構成する基の内一つは3価である。
は、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005580118
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。
Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。Yは結合部であり、複数の環状構造がYを介して結合し、式(3)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(b)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
<環状カルボジイミド化合物(c)>
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として下記式(4)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド化合物(c)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005580118
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである4価の結合基であり、ヘテロ原子を保有していてもよい。ZおよびZは、環状構造を担持する担体である。ZおよびZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(4)の化合物において、Qは4価である。従って、これらの基の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
は、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005580118
Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX は、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。ZおよびZは各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。ZおよびZは結合部であり、複数の環状構造がZおよびZを介して結合し、式(4)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(c)としては、下記化合物を挙げることができる。
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
本発明では、これらの環状カルボジイミド化合物の1種又は2種以上を用いて回収ポリエステルに添加混合して、該ポリエステルの溶融押出時に架橋反応を起こさせ、再生ポリエステルを製造する。なお通常の押出温度と時間は270〜300℃×0.5〜5分である。該化合物の添加量は0.05〜10重量%が好ましく、0.05重量%未満では、目的の架橋反応が十分進まず、IV増大効果が減少して高強度で耐久性に優れたポリエステル含有成型物を得る事が難しくなる。一方10重量%を超えると、架橋反応が激しくなりIVが増大(ゲル化)しすぎて押出機からポリマーが出なくなったり、成形ノズルからの吐出が困難になる。好ましい添加量は0.1〜5重量%である。
<環状カルボジイミド化合物の製造方法>
本発明の環状カルボジイミド化合物の製造方法は特に限定無く、従来公知の方法により製造することができる。例として、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からトリフェニルホスフィン体を経由して製造する方法、アミン体から尿素体を経由して製造する方法、アミン体からチオ尿素体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法、ラクタム体を誘導して製造する方法などが挙げられる。
また、本発明の環状カルボジイミド化合物は、以下の文献に記載された方法により製造することができる。
Tetrahedron Letters,Vol.34,No.32,515−5158,1993.
Medium−and Large−Membered Rings from Bis(iminophosphoranes):An Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.61,No.13,4289−4299,1996.
New Models for the Study of the Racemization Mechanism of Carbodiimides.Synthesis and Structure(X−ray Crystallography and 1H NMR) of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.43,No8,1944−1946,1978.
Macrocyclic Ureas as Masked Isocyanates, Henri Ulrich etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.48,No.10,1694−1700,1983.
Synthesis and Reactions of Cyclic Carbodiimides,
R.Richteretal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.59,No.24,7306−7315,1994.
A New and Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides from Bis(iminophosphoranea)and the System BocO/DMAP,Pedro Molina etal.
製造する化合物に応じて、適切な製法を採用すればよいが、例えば、(1)下記式(a−1)で表されるニトロフェノール類、下記式(a−2)で表されるニトロフェノール類および下記式(b)で表される化合物を反応させ、下記式(c)で表されるニトロ体を得る工程、
Figure 0005580118
Figure 0005580118
(2)得られたニトロ体を還元して下記式(d)で表わされるアミン体を得る工程、
Figure 0005580118
(3)得られたアミン体とトリフェニルホスフィンジブロミドを反応させ下記式(e)で表されるトリフェニルホスフィン体を得る工程、および
Figure 0005580118
(4)得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させることによって製造したものは、本願発明に用いる環状カルボジイミド化合物として好適に用いることができる。
(上記式中、ArおよびArは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい芳香族基である。EおよびEは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基およびメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。Arは、フェニル基である。Xは、下記式(i−1)から(i−3)の結合基である。)
Figure 0005580118
Figure 0005580118
Figure 0005580118
なお、環状カルボジイミド化合物は、高分子化合物の酸性基を有効に封止することができるが、本発明の主旨に反しない範囲において、所望により、例えば、従来公知のポリマーのカルボキシル基封止剤を併用することができる。かかる従来公知のカルボキシル基封止剤としては、特開2005−2174号公報記載の剤、例えば、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、などが例示される。
これらの環状カルボジイミド化合物は任意の時点で添加することができる。エステル交換反応、重縮合反応などポリマー合成過程のほか、樹脂組成物に後から練り込む方法も好ましく用いられる。
カルボジイミドの添加がない従来の樹脂組成物は、重縮合過程においてバインダー樹脂の溶融粘度が高いあるいは生産サイクルの関係などで十分な固有粘度を得られない場合があった。しかし本発明の、環状カルボジイミドを添加した樹脂組成物は、架橋によりバインダー樹脂自体の固有粘度を上げられることに加え、線状カルボジイミドの課題である、ポリエステル吐出時・水分散体加工時・フィルム塗布時の熱分解および分解ガス発生が抑制されるため、フィルム塗布時の樹脂組成物の固有粘度を実質高くすることが可能であり、作業環境性も良好である。
つぎに、バインダー樹脂について、説明する。なお、バインダー樹脂のことを、以下、易接着性樹脂(A)と称することがある。
<易接着性樹脂(A)>
本発明に用いる易接着性樹脂(A)は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびアクリル変性ポリエステル樹脂からなる群から選ばれ、カルボキシル基またはカルボキシル塩基を含有する、少なくとも1種の樹脂である。
ポリエステル樹脂の場合、多価カルボン酸成分と多価ヒドロキシ成分からなる線状ポリエステルであることが好ましい。この多価カルボン酸成分としては、例えばテレルタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4.4´−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、5−Naスルホイソフタル酸等を挙げることができる。また、多価ヒドロキシ成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジメチロールプロピオン酸等を挙げることができる。
かかる多価カルボン酸成分或いは多価ヒドロキシ成分は、分子内に一つ以上の官能基を有するジカルボン酸化合物、或いはグリコール化合物であってもよい。かかるポリエステル樹脂は常法によりつくることができ、平均分子量が7,000以上であることが、易接着性塗膜の延伸性が良好となるため好ましい。
アクリル樹脂の場合、アクリル酸エステル系単量体を重合して得られるアクリル系共重合体であることが好ましい。このアクリル酸エステル系単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、クロトン酸エチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。
このアクリル系共重合体は、上記のアクリル酸エステル系単量体の少なくとも1種とアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ソーダ、メタクリル酸カリ、アクリル酸アンモニウム、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド等のアクリル酸系単量体を重合して得られる共重合体であってもよい。
アクリル系共重合体には、この他に塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、ビニルスルホン酸ソーダ等の単量体を共重合成分として用いることもできる。
尚、アクリル系共重合体には、アクリル酸塩成分、メタクリル酸塩成分、アクリル酸成分、アクリルアミド成分、アクリル酸2−ヒドロキシエチル成分、N−メチロールアクリルアミド成分等の親水性成分が共重合成分として含まれることが、水性塗液中での分散性や溶解性を良好なものとなるため好ましい。また、分子側鎖に官能基を有する共重合体であってもよい。アクリル系共重合体の平均分子量は4、000〜1,000,000であることが好ましい。
アクリル変性ポリエステル樹脂の場合、前記のポリエステル樹脂に前記のアクリル酸エステル系単量体及び/又はアクリル酸系単量体を重合して得られる変性共重合体であることが好ましい。例えば、水性液中のポリエステル樹脂に、前記のアクリル酸エステル系単量体及び/又はアクリル酸系単量体をラジカル開始剤を用いてグラフト重合させることにより得ることができる。この変性共重合体は、分子側鎖に官能基を有するものであってもよい。また、変性共重合体の平均分子量は8,000〜200,000であることが好ましい。
本発明において用いる易接着性樹脂は、上記のポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびアクリル変性ポリエステル樹脂から選ばれる1種の樹脂を単独で用いることが好ましく、2種以上の樹脂を併用してもよい。これらの中でも、特に好ましいのはアクリル変性ポリエステル樹脂である。
<水性塗液用樹脂組成物>
本発明の水性塗液用樹脂組成物は、上述のバインダー樹脂100重量部に対し、上述の環状カルボジイミド化合物1〜35重量部の範囲で含有させたものである。環状カルボジイミド化合物の含有量が下限未満では、環状カルボジイミド化合物を添加したことによる効果が発現されがたく、他方上限を超えると、ゲル等が発生しやすくなる。好ましい環状カルボジイミド化合物の割合は、3〜20重量部、5〜15重量部の範囲である。
<水性塗液>
本発明の水性塗液は、前記本発明の水性塗液用樹脂組成物を、水性塗液の重量を基準として、水に1〜30重量%の範囲で含有させ、分散させたものである。水性塗液の固形分濃度は2〜20重量%が好ましく、特に3〜10重量%が好ましい。固形分濃度がこの範囲にあると水性塗液の粘度が塗布に適したものになる。本発明に用いる水性塗液は、水溶液、水分散液、乳化液等任意の形態で用いることができる。また、水性塗液には少量の溶剤が含まれていてもよい。
このような水性塗液は、以下の方法で製造できる。
まず、本発明の水性塗液用樹脂組成物を、20℃で1リットルの水に対する溶解度が20g以上でかつ沸点が100℃以下、また100℃以下で水と共沸する親水性の有機溶媒に溶解する。この有機溶媒としてはジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等を例示することができる。かかる溶液に更に少量の界面活性剤を添加することもできる。
樹脂組成物を溶解した有機溶媒には次いで、攪拌下好ましくは加温高速攪拌下で水を添加し、青白色から乳白色の分散体とする。また攪拌下の水に前記有機溶液を添加する方法によっても青白色から乳白色の分散体とすることもできる。
得られた分散体を、更に、常圧又は減圧下に蒸留し親水性の有機溶剤を留去すると目的の水性塗液用樹脂組成物を水に分散させた水性塗液が得られる。水性塗液用樹脂組成物を水と共沸する親水性の有機溶媒に溶解した場合には、該有機溶媒留去時に水が共沸するので水の減量分(共沸分)を考慮し、前もって多めの水に分散しておくことが望ましい。加えて、蒸留後の固形分濃度が40重量%を超えると、水に分散する水性塗液用樹脂組成物の微粒子の再凝集が起こり易くなり、水性塗液の安定性が低下するため、蒸留後の固形分濃度は40重量%以下とすることが好ましい。一方、固形分濃度の下限は特にないが、濃度が小さすぎると乾燥に要する時間が長くなるため、0.1重量%以上とするのが好ましい。前記水性塗液用樹脂組成物の水中での平均粒径は、通常1μm以下であり、好ましくは0.8μm以下であることが好ましい。
樹脂組成物の水性塗液は、塗布に際してアニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤を必要量添加して用いることができる。有効な界面活性剤としては、樹脂組成物の表面張力を40dyne/cm以下に降下でき、ポリエステルフィルムへの濡れを促進するものであり、公知の多くの界面活性剤を使用することができる。その一例としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第四級アンモニウムクロライド、アルキルアミン塩酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ塩等を挙げることができる。
本発明の水性塗液には、必要に応じて、さらに帯電防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を添加してもよい。特に、本発明における水性塗液には、得られた複合フィルムの滑り性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.01〜20μm程度の無機や有機の微粒子を、例えば0.001〜5重量%の配合割合で含有させてもよい。かかる微粒子の具体例として、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、カオリン、炭酸カルシウム等の無機微粒子、ポリスチレン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、架橋アクリル樹脂、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子を好ましく挙げることができる。なお、有機微粒子は、塗膜内で微粒子の状態を保つことができる樹脂であれば、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、また目的に応じた架橋度で架橋された樹脂であってもよい。
前記微粒子以外にも界面活性剤、酸化防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、他の架橋剤、有機滑剤(滑り剤)、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を必要に応じて添加することができる。
[ベースフィルム]
本発明におけるポリエステルフィルムは、それ自体公知のものを採用でき、ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる線状ポリエステルが好ましい。
このジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を挙げることができ、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を挙げることができ、特にエチレングリコールが好ましい。
かかるポリエステルの中でも、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン―2,6―ナフタレートの単独重合体もしくはそれらにそれ自体公知の共重合成分を、本発明の効果を損なわない範囲で共重合したものが、高ヤング率である等の機械的特性に優れ、耐熱寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れたフィルムが得られるため好ましい。
かかるポリエステルは常法によりつくることができる。また、ポリエステルの固有粘度が0.45以上であるとフィルムの剛性が大きい等の機械的特性が良好となるため好ましい。
上記のポリエステルには、フィルムの滑り性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.01〜20μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば0.005〜20重量%の配合割合で含有させることが好ましい。かかる微粒子の具体例として、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、カオリン、カーボンブラック等の無機微粒子や、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、架橋アクリル樹脂等の有機微粒子等を好ましく挙げることができる。
前記微粒子以外にも酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、架橋剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて添加することができる。
<塗布層付複合フィルム>
本発明の塗布層付複合フィルムは、前述の本発明の水性塗液を延伸可能な前述のポリエステルフィルムに塗布し、乾燥、延伸した後、熱処理して作ることができる。
具体的には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、前記水性塗液を塗布し、乾燥、延伸した後、熱処理することで製造できる。水性塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用でき、例えばグラビアコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキスコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤーバーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて適用することができる。水性塗液のWET塗布量は走行しているフィルム1m当り1〜40g、特に2〜20gが好ましい。塗布量がこの範囲であると乾燥が容易になり、かつ塗布斑が生じ難いので好ましい。
本発明で水性塗液を塗布するポリエステルフィルムは、延伸可能なポリエステルフィルムであり、例えばポリエステルを熱溶融せしめ、そのままフィルム状とした未延伸フィルム;未延伸フィルムを縦方向(長手方向)または横方向(幅方向)の何れか一方に延伸せしめた一軸延伸フィルム;縦方向或いは横方向の一軸延伸フィルムを横方向或いは縦方向に逐次延伸せしめた(更に延伸可能な)二軸延伸フィルム、または未延伸フィルムを縦方向および横方向の二方向に同時延伸せしめた(更に延伸可能な)二軸延伸フィルムを挙げることができる。
そして、上記延伸可能なポリエステルフィルムに、上記本発明の水性塗液を塗布後、乾燥し、延伸した後、熱処理して塗設することができる。なお、必要であれば、延伸後熱処理までの間に、更に縦方向又は横方向に再延伸してもよい。好ましい上記延伸可能なポリエステルフィルムとしては、一軸延伸フィルムが生産性や得られた塗布層とポリエステルフィルムとの接着性が優れることから好ましい。また、本発明における熱処理の温度は、150〜270℃、特に180〜250℃であることが好ましい。熱処理温度が150℃未満であると、環状カルボジイミド化合物とポリエステル樹脂、アクリル樹脂及び/又はアクリル変性ポリエステル樹脂の分子中のカルボキシル基またはカルボキシル塩基との反応による架橋が不充分となることがあり、270℃を超えるとベースフィルムが熱劣化して、フィルム特性が低下することがある。また、環状構造を有するカルボジイミドを使用する別の効果として、線状カルボジイミドの欠点である遊離イソシアネート基に由来するガスの発生を抑制することができ、添加による作業環境悪化が起こらないという利点が挙げられる。
尚、塗布層の厚さは0.01〜5μm(dry)、更に好ましくは、0.01〜2μm(dry)、特に0.02〜0.6μmであることが好ましい。この塗布層の厚さが0.01μm未満であると接着性が不足することがあり、1μmを超えると塗膜面が粗れたり削れ易くなることがある。
以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を意味する。また、各特性値は下記の方法によって測定した。
尚、例中の平均分子量は数平均分子量を意味する。
(1)接着性(インキ接着性)
フィルムの塗膜塗布面に、末端ビスアクリルポリウレタンオリゴマー、光重合開始剤、光増感剤および着色剤を配合したレジストインキを8μm塗布し、紫外線を照射して硬化させインキ被膜をつくった。次いでこの被膜面にセロテープ(登録商標)を貼付してから剥離し、剥離状況から接着性を下記のとおり評価した。
A:セロテープ(登録商標)とインキ被膜の間で剥離した。(接着性良好)
B:インキ被膜が部分的に凝集破壊した状態で剥離した。(接着性やや良好)
C:フィルムとインキ被膜の間で剥離した。(接着性不良)
(2)耐溶剤性
塗膜を塗設していないポリエステルフィルムの表面(ブランクサンプル)と、塗膜を塗設したフィルムの塗膜塗設面(評価サンプル)を溶剤で湿した綿棒で15秒摩擦し、払拭後塗布面を染色し、着色度を比較観察し、評価サンプルの耐溶剤性を下記のとおり評価した。尚、溶剤にはメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン混合溶剤を用いた。
A:ブランクサンプルとほぼ同等の着色度した。(耐溶剤性良好)
B:ブランクサンプルよりもやや淡色化に着色した。(耐溶剤性やや良好)
C:塗布層が溶解して着色しない。(耐溶剤性不良)
(3)耐ブロッキング性
フィルムの塗膜塗布面と塗膜非塗布面とを合わせて、55℃×荷重50kg/cmの条件下で、13時間保持した後、合わせ面の剥離強度を測定し、下記のとおり評価した。
A: 剥離強度≦7g (耐ブロッキング性良好)
B: 7g<剥離強度≦12g(耐ブロッキング性やや良好)
C:12g<剥離強度 (耐ブロッキング性不良)
(4)作業環境(イソシアネート臭の発生の有無)
水性塗液を塗布し、乾燥・延伸および熱処理を行い、その工程で官能評価により、測定者がイソシアネート臭を感じるかどうかで判定した。イソシアネート臭を感じないとき、作業環境の悪化がないとして、良とした。一方、イソシアネート臭を感じたときは、作業環境が悪化することから否と判断した。
[参考例1]環状カルボジイミド化合物(1)の製造:
o−ニトロフェノール(0.11mol)と1,2−ジブロモエタン(0.05mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)200mlを攪拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物A(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物A(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)200mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物B(アミン体)が得られた。
次に攪拌装置及び加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに中間生成物B(0.05mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下する。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物C(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
次に、攪拌装置及び滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、ジ−tert-ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させた。そこに、25℃で中間生成物C(0.05mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させた。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を精製することで、下記構造式にて示される環状カルボジイミド化合物(MW=252)を得た。この構造はNMR,IRにより確認した。
Figure 0005580118
[参考例2]環状カルボジイミド化合物(2)の製造:
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(2g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)400mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了した。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物E(アミン体)が得られた。
次に攪拌装置及び加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させた。そこに中間生成物E(0.025mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物F(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
次に、攪拌装置及び滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに、25℃で中間生成物F(0.025mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させた。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、下記構造式に示す化合物(MW=516)を得た。構造はNMR、IRにより確認した。
Figure 0005580118
[実施例1]
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートを溶融し、冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムを91℃に加熱し縦方向に3.5倍延伸して一軸延伸フィルムとした。次いでこの一軸延伸フィルムの片面に、2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチル90モル%、イソフタル酸ジメチル6モル%、5―ナトリウムスルホイソフタル酸4モル%、エチレングリコール85モル%及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物30モル%を用いて得られた共重合ポリエステル(平均分子量10,000)38重量部、メタクリル酸メチル成分34モル%、メタクリル酸エチル成分42モル%、アクリル酸エチル成分11モル%、アクリル酸成分1モル%、メタクリル酸グリシジル成分5モル%、アクリル酸2−ヒドロキシエチル成分4モル%及びN−メトキシメチルアクリルアミド成分3モル%の共重合体(平均分子量52,300)41重量部、前記参考例1で得られた環状カルボジイミド系化合物(1)11重量部、並びにエチレンオキシド・プロピレンオキシド・ブロック共重合体(平均分子量:7,330)10重量部からなる組成物の5重量%水性塗液をグラビアコーターで塗布した。次いで102℃で乾燥後、109℃で横方向に3.9倍延伸し、更に232℃で熱処理して総厚さ76μm、塗布層の厚さ0.11μmの塗布層付き複合フィルムをつくった。この塗布層付き複合フィルムの特性および作業環境の結果を表1に示す。
[実施例2〜10]
表1に示すように、カルボジイミド化合物の種類、配合量または塗膜の厚さが表1に示すようになるように塗布量を変更した以外は実施例1と同様にして塗布層付き複合フィルムを得た。これらの塗布層付き複合フィルムの特性および作業環境の結果を表1に示す。
[比較例1〜3]
カルボジイミド化合物を、表1に示すとおり、線状カルボジイミド化合物(D−1)〜(D−6)に変更した以外は、実施例1と同様にしてこの塗布層付き複合フィルムを得た。この塗布層付き複合フィルムの特性および作業環境の結果を表1に示す。
Figure 0005580118
尚、表1のカルボジイミド系化合物の種類で(CC−1)は前記参考例1、(CC−2)は前記参考例2で製造された環状カルボジイミド化合物である。
また、(D−1)〜(D−6)は下記に示した化合物である。
(D−1):CHN=C=NCH……(D−1)
(D−2):CN=C=NC……(D−2)
(D−3):NaOCN=C=NCONa ……(D−3)
(D−4):C11N=C=NC11 ……(D−4)
(D−5):NaOSCN=C=NCSONa…(D−5)
(D−6):NaOCOCN=C=NCCOONa…(D−6)
尚、式(D−2)で−Cはフェニル基を示す。
表1より明らかなように、実施例1〜6の複合フィルムは、作業環境性に優れた易接着性塗膜を有するものであった。
本発明の水性塗液用樹脂組成物およびそれを塗布した易接着性ポリエステルフィルムは、耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性、耐溶剤性、オリゴマー封止性に優れたバインダー塗膜(易接着層)を形成し得る樹脂組成物及びこれを含む水性塗液並びにこれを塗布した、包装材料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料、グラフィック材料、電子材料、メンブレンフィルム、プリンターリボン、工程材料等に有用な易接着性ポリエステルフィルムに関する。

Claims (3)

  1. (A)ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂からなる群より選ばれ、カルボキシル基またはカルボキシル塩基を含有する、少なくとも一種のバインダー樹脂100重量部と(B)カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を有する環状カルボジイミド化合物1〜35重量部とからなる水性塗液用樹脂組成物。
  2. 請求項記載の水性塗液用樹脂組成物が、水に分散されたことを特徴とする水性塗液。
  3. 延伸可能なポリエステルフィルムの少なくとも片面に、請求項2記載の水性塗液を塗布し、乾燥、延伸した後、熱処理して製膜されたことを特徴とする塗布層付複合フィルム。
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