以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施の形態としての制御回路を使用した一例としてのスイッチング電源の回路図である。図1に示すスイッチング電源1は、AC入力電源を整流する一次整流部60と、直流整流して出力する二次整流部90と、スイッチング電源1の一次側と二次側とを絶縁し電力変換するトランスT20と、スイッチング素子としての半導体スイッチQ10と、半導体スイッチQ10に対して並列に設けられるコンデンサC15と、半導体スイッチQ10をスイッチング制御する制御回路10と、制御回路10によるスイッチング制御に必要な電力源としての制御電源部70と、二次側の直流電圧出力をフィードバック制御する出力電圧制御部80と、抵抗R10、R11と、コンデンサC12と、を備えている。
一次整流部60は、ブリッジダイオードD10およびコンデンサC10を備え、AC入力電源を一次側で全波整流するものである。二次整流部90は、ダイオードD12およびコンデンサC13を備え、トランスT20の二次側出力を整流するものである。トランスT20は、一次巻線L10と、制御巻線L11と、二次巻線L12と、図示しない磁性コア部材と、で組み立てられている。半導体スイッチQ10は、例えば、NチャネルのMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)で構成される。制御電源部70は、トランスT20の制御巻線L11と、ダイオードD11と、コンデンサC11と、を備える。
上記トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とは、LC共振回路を構成する。このLC共振回路は、スイッチング電源1がスイッチングしている際において、半導体スイッチQ10がターンオフし二次整流部90のダイオードD12が電流を流し終えた時点から半導体スイッチQ10がターンオンするまでの間、共振動作するものである。すなわち、スイッチング電源1は、いわゆる電圧共振型のリンギングチョークコンバータと称されるものであり、上記共振動作によって、電圧共振の電圧最下点で半導体スイッチQ10がターンオンすることにより、ターンオン時のスイッチング損失が低減される。なお、スイッチング電源1のような電圧共振型スイッチング電源は、上記共振動作が一部でなされることから、部分共振方式、或いは、擬似共振方式とも称される。
ここで、スイッチング電源1の回路接続関係について図1を参照して説明する。ブリッジダイオードD10の4つの各端子は、AC入力電源のLIVE、NEUTRAL、コンデンサC10のプラス端子およびコンデンサC10のマイナス端子にそれぞれ接続されている。コンデンサC10のプラス端子は、一次巻線L10の一端と制御回路10のVin端子とに接続されている。一方、コンデンサC10のマイナス端子は、抵抗R10の一端、制御回路10のGND端子、コンデンサC11のマイナス端子、コンデンサC12の他端、および制御巻線L11の一端に接続されている。抵抗R10の他端と、制御回路10のOCL端子と、コンデンサC15の一端と、半導体スイッチQ10のソース端子とは、互いに接続されている。
半導体スイッチQ10のドレイン端子は、一次巻線L10の他端に接続されるとともに、コンデンサC15を介してソース端子に接続されている。半導体スイッチQ10のゲート端子は、制御回路10のVG端子に接続されている。制御巻線L11の他端は、制御電源部70のダイオードD11を介して、コンデンサC11のプラス端子、および制御回路10のVcc端子に接続されている。このVcc端子は、制御回路10の電源供給の入力部となっている。また、制御巻線L11の他端は、抵抗R11を介して、コンデンサC12の一端および制御回路10のZC端子に接続されている。このZC端子には、制御巻線L11に発生する、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の波形が発振波形信号として入力されようになっている。
トランスT20の二次巻線L12の一端は、コンデンサC13のマイナス端子およびGND2に接続されている。トランスT20の二次巻線L12の他端は、ダイオードD12のアノードに接続されている。ダイオードD12のカソードは、コンデンサC13のプラス端子、出力電圧制御部80の一端および出力端子OUTに接続されている。出力電圧制御部80は、出力電圧を検出してスイッチング電源1の一次側にフィードバックし、一次側の半導体スイッチQ10に流れるスイッチング電流のオン時間幅を制御するものである。出力電圧制御部80は、スイッチング電源1の一次側と二次側とを電気的に絶縁するフォトカプラなどの部品を介して、制御回路10のFB端子に接続されている。
次に、本発明の一実施の形態としての制御回路の構成について説明する。図2は、本発明の一実施の形態としての制御回路のブロック図である。図2に示す制御回路10は、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の電圧最下点の回数を最下点回数情報としてカウントし、予め設定された固定回数目の最下点までの時間をカウント時間として検出する最下点検出カウント部100を備えている。
また、制御回路10は、上記カウント時間の時間的長短を判断する基準として、第1基準時間、または、第1基準時間よりも長い時間である第2基準時間を設定する基準時間設定部200を備えている。
更に、制御回路10は、セット状態またはリセット状態を示すセット信号またはリセット信号が入力され、セット状態またはリセット状態を論理的に保持する論理保持回路部300を備えている。また、制御回路10は、基準時間設定部200により設定された第1基準時間または第2基準時間と、最下点検出カウント部100により検出されたカウント時間と、を長短比較し、長短比較した結果情報と、論理保持回路部300により保持されているセット状態またはリセット状態の情報と、に基づいて、論理保持回路部300により保持されている状態をリセット状態またはセット状態に切り替える状態切替部400を備えている。
これらに加え、制御回路10は、論理保持回路部300により保持されている状態がリセット状態またはセット状態からセット状態またはリセット状態に切り替わった場合に、最下点検出カウント部100によりカウントされた最下点回数情報に基づいて、半導体スイッチQ10をオンさせるまでの最下点スキップ回数を決定する最下点スキップ回数決定部500と、最下点スキップ回数決定部500により決定された最下点スキップ回数情報に基づいて、半導体スイッチQ10をオンさせるオントリガ部600と、を備えている。
状態切替部400は、基準時間設定部200により第1基準時間が設定されている場合には、第1基準時間とカウント時間とを長短比較し、カウント時間が第1基準時間よりも短く、かつ、論理保持回路部300によりリセット状態またはセット状態が保持されている条件では、論理保持回路部300により保持されている状態をセット状態またはリセット状態に切り替えるようになっている。
また、状態切替部400は、基準時間設定部により第2基準時間が設定されている場合には、第2基準時間とカウント時間とを長短比較し、カウント時間が第2基準時間よりも長く、かつ、論理保持回路部300によりセット状態またはリセット状態が保持されている条件では、論理保持回路部300により保持されている状態をリセット状態またはセット状態に切り替えるようになっている。
また、最下点検出カウント部100は、制御巻線L11に発生する信号に基づいて、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の電圧最下点の回数を最下点回数情報としてカウントし、この最下点回数情報を最下点カウント信号として生成するカウンタ101(後述の図3参照)を有している。この最下点スキップ回数決定部500は、上記最下点カウント信号に基づいて上記の最下点スキップ回数を決定するようになっている。
上記最下点スキップ回数決定部500により決定される最下点スキップ回数は、例えば、最下点検出カウント部100のカウンタ101に接続される端子、パッド、およびメタル配線のいずれか一つを少なくとも含む回路配線パターンを、短絡または開放させることにより設定されるようになっている。
また、上記最下点スキップ回数決定部500が決定する上記最下点スキップ回数は、例えば、0回、1回または2回となるように最下点検出カウント部100のカウンタ101の配線パターンを短絡または開放させることにより設定されている。
上記基準時間設定部200により設定される第1基準時間または第2基準時間のうち少なくともいずれか一方の始期は、半導体スイッチQ10の駆動制御端としてのゲート端子の電位状態に基づいて設定される。
また、基準時間設定部200により設定される第1基準時間または第2基準時間のうち少なくともいずれか一方の終期は、論理保持回路部300から基準時間設定部200に入力されるセット状態またはリセット状態の状態信号に基づいて設定される。例えば、論理保持回路部300からセット状態の状態信号が基準時間設定部200に入力され続けている場合の終期は、第2基準時間に相当する終期となる。
最下点スキップ回数決定部500により最下点スキップ回数情報が決定される毎に、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100によりカウントされた上記最下点回数と、最下点検出カウント部100により検出された上記カウント時間と、を最下点検出カウント部100をリセットするようになっている。これに応じて、最下点検出カウント部100は、リセットする直前にカウントしていた最下点回数とカウント時間とを、リセットするようになっている。
上記カウント時間、第1基準時間および第2基準時間は、容量素子としてのコンデンサC202(後述の図4参照)を充電することにより、電圧値に変換されるようになっている。
次に、本発明の一実施の形態としての制御回路の構成に関し、接続関係を含めて詳細について説明する。図2に示す制御回路10は、例えば図1に示すスイッチング電源1に用いられ、半導体スイッチQ10をオンオフさせてスイッチング発振させるものであり、最下点検出カウント部100と、基準時間設定部200と、論理保持回路部300と、状態切替部400と、最下点スキップ回数決定部500と、オントリガ部600と、を備えている。
最下点検出カウント部100は、制御回路10のZC端子および抵抗R11を介して、トランスT20の制御巻線L11の他端(ダイオードD11のアノード側)に接続され、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の発振波形信号が入力されるようになっている。この発振波形信号に基づいて、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の電圧最下点の回数を最下点回数情報としてカウントし、予め設定された固定回数目の最下点までの時間をカウント時間として検出するようになっている。すなわち、トランスT20の制御巻線L11は、一次巻線L10および二次巻線L12と磁気結合しており、制御巻線L11には一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の電圧が発生している。そのため、最下点検出カウント部100は、上記発振波形信号に基づいて、電圧共振の波形の電圧最下点の回数を最下点回数情報としてカウントし、予め設定された固定回数目の最下点までの時間をカウント時間として検出しうるのである。
最下点検出カウント部100は、カウンタ101(後述の図3参照)を有しており、このカウンタ101によって電圧最下点の回数を電圧パルスに変換し、最下点スキップ回数決定部500に対しては最下点カウント信号として出力し、状態切替部400に対してはカウント時間信号として出力するようになっている。例えば、ZC端子から入力された発振波形信号が、電圧共振の3回目の電圧最下点で半導体スイッチQ10がオンする波形である場合、カウンタ101は最下点カウント信号として、電圧最下点の1回目に対応する第1最下点パルスと、電圧最下点の3回目に対応する第3最下点パルスと、を最下点スキップ回数決定部500に対して出力するようになっている。また、カウンタ101は状態切替部400に対しても第1最下点パルスを出力するようになっている。このように、本実施の形態では、カウント時間信号を上記第1最下点パルスと同一の信号とすることで、制御回路10の構成を簡易化している。
また、最下点検出カウント部100は、後述する最下点スキップ回数決定部500から出力される最下点検出リセット信号が入力されるようになっている。最下点検出カウント部100は、最下点検出リセット信号が入力されると、最下点検出リセット信号が入力される直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットし、このリセットした以降に入力される発振波形信号に基づいて、最下点回数情報およびカウント時間を検出するようになっている。
図3は、最下点検出カウント部100の内部回路図である。最下点検出カウント部100は、カウンタ101と、比較器CMP101と、論理積AND101、AND102と、インバータINV101〜INV105と、バッファBUF101と、抵抗R101〜R105と、コンデンサC101、C102と、を備えている。比較器CMP101の出力と、抵抗R101の一端と、インバータINV101の入力と、インバータINV103の入力と、は接続されている。比較器CMP101の非反転入力端子は、制御回路10のZC端子に接続されている。比較器CMP101の反転入力端子は、抵抗R104を介して基準電圧源Vrefに接続されるとともに、抵抗R105を介して基準電位源GNDに接続されている。抵抗R101の他端は、基準電圧源VDDに接続されている。インバータINV101の出力は、抵抗R102を介してコンデンサC101の一端と、インバータINV102の入力と、に接続されている。コンデンサC101の他端は、基準電位源GNDに接続されている。論理積AND101の2つの入力のうち、一方は、インバータINV102の出力に、他方は、インバータINV103の出力に接続されている。論理積AND101の出力は、カウンタ101のCLK端子に接続されている。カウンタ101の第1の出力と、インバータINV104の入力と、論理積AND102の2つの入力のうち他方と、は接続されている。インバータINV104の出力は、抵抗R103を介して、コンデンサC102の一端と、バッファBUF101の入力と、に接続されている。コンデンサC102の他端は、基準電位源GNDに接続されている。バッファBUF101の出力は、論理積AND102の2つの入力のうち一方に接続されている。論理積AND102の出力は、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND501の2つの入力のうち一方(後述の図8参照)と、状態切替部400内の否定論理積NAND401の2つの入力のうち一方および否定論理積NAND402の2つの入力のうち一方(後述の図7参照)と、に接続されている。カウンタ101の第2の出力は、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND502の2つの入力のうち一方に接続されている。カウンタ101のRESET端子は、インバータINV105の出力に接続されている。インバータINV105の入力は、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND503の出力に接続されている。
図2に戻って、基準時間設定部200は、制御回路10のVG端子を介して、半導体スイッチQ10の駆動制御端としてのゲート端子に接続され、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位情報がゲート波形信号として入力されるようになっている。また、基準時間設定部200は、論理保持回路部300に接続され、論理保持回路部300が出力する状態信号が入力されるようになっている。基準時間設定部200は、上記ゲート波形信号および上記状態信号に基づいて、上記カウント時間の時間的長短を判断する基準としての第1基準時間または第1基準時間よりも長い時間である第2基準時間を設定するようになっている。基準時間設定部200により設定される第1基準時間または第2基準時間のうち少なくともいずれか一方の始期は、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位状態に基づいて設定されるようになっている。また、基準時間設定部200は、設定した第1基準時間または第2基準時間のうち少なくともいずれか一方を電圧変換し、比較基準信号として状態切替部400に出力するようになっている。
この基準時間設定部200は、第1基準時間および第2基準時間の設定を、半導体スイッチQ10のターンオフを始期とし、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の第1回目の電圧最下点を終期とする時間幅に対応させるようにした例である。基準時間設定部200は、第1基準時間および第2基準時間の始期を、例えば、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位状態がハイレベルからゼロレベルになるタイミングと略同期して設定するようにしている。基準時間設定部200は、第1基準時間または第2基準時間を設定すると、比較基準信号を生成し、状態切替部400へ出力するようになっている。上記比較基準信号は、ゲート信号波形の立ち上りを始期とし、第1基準時間信号または第2基準時間信号の立ち下がりを終期とする信号として、生成されるようになっている。上記基準時間設定部200は、例えば、論理保持回路部300から状態信号としてリセット信号が入力された場合には、第1基準時間を設定し、論理保持回路部300から状態信号としてセット信号が入力された場合には、第2基準時間を設定するようになっている。この設定について、スイッチング電源1の状態との関係では、例えば、スイッチング電源1の出力電流が重負荷から軽負荷に変化する場合には、基準時間設定部200は第1基準時間から第2基準時間に切り替わり、スイッチング電源1の出力電流が軽負荷から重負荷に変化する場合には、基準時間設定部200は第2基準時間から第1基準時間に切り替わるようになっている。
なお、上記第1基準時間または第2基準時間の設定においては、第1基準時間または第2基準時間のうち少なくともいずれか一方の始期を、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位状態がオフになるタイミングに基づいて設定する。そのため、スイッチング電源1の入力電圧変動の影響を受けるオン時間を含まずに、第1基準時間または第2基準時間を設定できるので、スイッチング電源1の発振モードが切り替わる負荷が入力電圧によって変動することを抑制できるようになっている。スイッチング電源1においては、第1基準時間と第2基準時間との差がヒステリシスになるので、入力電圧が変動する条件においても、最小オフ期間でオン信号を禁止するか否かの境界点タイミングに電圧共振最下点が一致してオン信号の禁止と解除が繰り返されて発振が不安定となることが防止され、オン信号の禁止と解除の切り替わりの境界点でトランスの音鳴りが発生してしまうことが防止されるようになっている。
また、上記のように第1基準時間または第2基準時間を設定すると、スイッチング電源1の出力電流変動に対してもヒステリシスが十分確保された切替条件でスイッチング発振モードを制御できるため、非常に安定したスイッチング動作を実現される点で好適である。第1基準時間または第2基準時間の設定においては、例えば、第1基準時間を5μsと設定し、第2基準時間を8μsと設定すれば、第1基準時間および第2基準時間に十分なヒステリシスが設けられるため、より好適である。そのため、スイッチング電源1の動作として、出力電流が重負荷から軽負荷に変化する場合、または、出力電流が軽負荷から重負荷に変化する場合、いずれの場合においても基準時間に十分なヒステリシスが設けられ、半導体スイッチQ10がオンするタイミングとしての最下点スキップ回数が安定的に決定されるようになっている。なお、本実施の形態においては、第1基準時間および第2基準時間は、例えば、それぞれ設定された時間幅に対応した電圧信号として、状態切替部400に出力されるようになっている。
図4は、基準時間設定部200の内部回路図である。基準時間設定部200は、比較器CMP201と、スイッチ素子Q201、Q202と、電流源I201と、インバータINV201と、抵抗R202〜R205と、コンデンサC202と、を備えている。スイッチ素子Q201のゲート端子は、制御回路10のVG端子に接続されている。スイッチ素子Q201のドレイン端子は、電流源I201を介して基準電圧源VDDに接続されるとともに、コンデンサC202の一端と、比較器CMP201の反転入力端子と、に接続されている。比較器CMP201の非反転入力端子は、抵抗R203を介して基準電圧源Vrefに接続され、抵抗R205を介してスイッチ素子Q202のドレイン端子に接続されるとともに、抵抗R204の一端に接続されている。比較器CMP201の出力端子は、抵抗R202を介して基準電圧源VDDに接続されるとともに、状態切替部400内のインバータINV401の入力(後述の図7参照)および論理和OR402の2つの入力のうち一方と、に接続されている。スイッチ素子Q202のゲート端子は、インバータINV201の出力に接続されている。インバータINV201の入力は、状態切替部400内の否定論理積NAND402の2つの入力のうち他方(後述の図7参照)と、論理保持回路部300内の否定論理積NAND301の出力および否定論理積NAND302の2つの入力のうち一方(後述の図6参照)と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND502の2つの入力のうち他方(後述の図8参照)と、に接続されている。スイッチ素子Q201のソース端子と、コンデンサC202の他端と、抵抗R204の他端と、スイッチ素子Q202のソース端子と、は基準電位源GNDに接続されている。
なお、図4に示した基準時間設定部200を、図5に示す基準時間設定部250に置換しても良い。この基準時間設定部250は、上記基準時間設定部200とは異なり、第1基準時間および第2基準時間の設定を、半導体スイッチQ10のターンオンを始期とするようにした例である。すなわち、基準時間設定部250は、第1基準時間および第2基準時間を、半導体スイッチQ10のターンオンを始期とし、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の第1回目の電圧最下点を終期とする時間幅に、対応させるように設定している。この基準時間設定部250は、第1基準時間および第2基準時間の始期を、例えば、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位状態がゼロレベルからハイレベルになるタイミングと略同期して設定するようにしている。このように、第1基準時間または第2基準時間のうち少なくともいずれか一方の始期を、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位状態がオンになるタイミングに基づいて設定した場合には、スイッチング電源1の入力電圧変動の影響を受けるオン時間を含めて、第1基準時間または第2基準時間を設定できるので、スイッチング電源1の発振周波数を監視することとなり、自励式スイッチング電源において軽負荷時の発振周波数の上昇を確実に抑制できるようになる。
また、上記のように第1基準時間または第2基準時間を設定すると、基準時間設定部200と同様に、スイッチング電源1の出力電流変動に対してもヒステリシスが十分確保された切替条件でスイッチング発振モードを制御できるため、非常に安定したスイッチング動作を実現される点で好適である。第1基準時間または第2基準時間の設定においては、例えば、第1基準時間を8μsと設定し、第2基準時間を12μsと設定すれば、第1基準時間および第2基準時間に十分なヒステリシスが設けられるため、より好適である。なお、基準時間設定部250を使用した場合も、スイッチング電源1の動作としては、基準時間設定部200を使用した場合と同様に、出力電流が重負荷から軽負荷に変化する場合、または、出力電流が軽負荷から重負荷に変化する場合、いずれの場合においても基準時間に十分なヒステリシスが設けられ、半導体スイッチQ10がオンするタイミングとしての最下点スキップ回数が安定的に決定されるようになる。
図5は、基準時間設定部250の内部回路図である。基準時間設定部250は、比較器CMP251と、スイッチ素子Q251、Q252と、電流源I251と、論理積AND251と、インバータINV251、INV252と、バッファBUF251と、抵抗R251〜R255と、コンデンサC251、C252と、を備えている。制御回路10のVG端子は、論理積AND251の2つの入力のうち他方に接続されるとともに、インバータINV252を介して抵抗R251の一端に接続されている。抵抗R251の他端は、コンデンサC251を介して基準電位源GNDに接続されるとともに、バッファBUF251を介して論理積AND251の2つの入力のうち一方に接続されている。論理積AND251の出力は、スイッチ素子Q251のゲート端子に接続されている。スイッチ素子Q251のドレイン端子は、電流源I251を介して基準電圧源VDDに接続されるとともに、コンデンサC252の一端と、比較器CMP251の反転入力端子と、に接続されている。比較器CMP251の非反転入力端子は、抵抗R253を介して基準電圧源Vrefに接続され、抵抗R255を介してスイッチ素子Q252のドレイン端子に接続されるとともに、抵抗R254の一端に接続されている。比較器CMP251の出力端子は、抵抗R252を介して基準電圧源VDDに接続されるとともに、状態切替部400内のインバータINV401の入力および論理和OR402の2つの入力のうち一方(後述の図7参照)と、に接続されている。スイッチ素子Q252のゲート端子は、インバータINV251の出力に接続されている。インバータINV251の入力は、状態切替部400内の否定論理積NAND402の2つの入力のうち他方(後述の図7参照)と、論理保持回路部300内の否定論理積NAND301の出力および否定論理積NAND302の2つの入力のうち一方(後述の図6参照)と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND502の2つの入力のうち他方と、に接続されている。スイッチ素子Q251のソース端子と、コンデンサC252の他端と、抵抗R254の他端と、スイッチ素子Q252のソース端子と、は基準電位源GNDに接続されている。
図2に戻って、論理保持回路部300は、状態切替部400に接続され、上述した通りセット状態またはリセット状態を示すセット信号またはリセット信号が状態切替部400から入力され、セット状態またはリセット状態を論理的に保持するものである。また、論理保持回路部300は、基準時間設定部200および最下点スキップ回数決定部500にも接続されており、論理的に保持したセット状態またはリセット状態を表す状態信号を、例えば、2ビット信号として、状態切替部400、基準時間設定部200および最下点スキップ回数決定部500に対し出力するようになっている。
図6は、論理保持回路部300の内部回路図である。論理保持回路部300は、否定論理積NAND301、NAND302を備えている。否定論理積NAND301の2つの入力のうち一方は、状態切替部400内の論理和OR401の出力(後述の図7参照)に接続されている。否定論理積NAND301の2つの入力のうち他方と、否定論理積NAND302の出力と、状態切替部400内の否定論理積NAND401の2つの入力のうち他方(後述の図7参照)と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND501の2つの入力のうち他方(後述の図8参照)と、は接続されている。否定論理積NAND302の2つの入力のうち他方は、状態切替部400内の論理和OR402の出力(後述の図7参照)に接続されている。否定論理積NAND301の出力と、否定論理積NAND302の2つの入力のうち一方と、基準時間設定部200内のインバータINV201の入力と、状態切替部400内の否定論理積NAND402の2つの入力のうち他方(後述の図7参照)と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND502の2つの入力のうち他方と、は接続されている。
図2に戻って、状態切替部400は、最下点検出カウント部100、基準時間設定部200および論理保持回路部300に接続されている。状態切替部400は、最下点検出カウント部100からカウント時間信号が入力されるようになっている。また、状態切替部400は、基準時間設定部200から第1基準時間および第2基準時間それぞれに設定された時間に対応する時間幅の比較基準信号(例えば、第1基準時間または第2基準時間に対応するHIGH電圧信号)が入力されるようになっている。更に、状態切替部400は、論理保持回路部300からセット状態またはリセット状態を表す状態信号が入力されるようになっている。状態切替部400は、最下点検出カウント部100が出力したカウント時間信号と、基準時間設定部200が設定した第1基準時間または第2基準時間と、を長短比較するようになっている。この長短比較においては、基準時間設定部200が出力した比較基準信号を基準とし、基準時間設定部200が第1基準時間を設定している場合には、カウント時間信号の終期が上記比較基準信号のHIGH時間内であれば、カウント時間信号の方が第1基準時間より短いと判断するようになっている。一方、基準時間設定部200が第2基準時間を設定している場合には、カウント時間信号の終期が上記比較基準信号のHIGH時間外であれば、カウント時間信号の方が第2基準時間より長いと判断するようになっている。そして、状態切替部400は、長短比較した結果情報と、論理保持回路部300により保持されているセット状態またはリセット状態の情報と、に基づいて、論理保持回路部300をリセット状態またはセット状態に切り替えるセット信号またはリセット信号を論理保持回路部300に出力するようになっている。
状態切替部400は、基準時間設定部200により第1基準時間が設定されている場合において、カウント時間が第1基準時間よりも短く、かつ、論理保持回路部300によりリセット状態が保持されている条件では、論理保持回路部300をセット状態に切り替えるようになっている。状態切替部400は、基準時間設定部200により第1基準時間が設定されている場合において、カウント時間が第1基準時間よりも短く、かつ、論理保持回路部300によりリセット状態が保持されている条件を充足していなければ、論理保持回路部300の状態を切り替えずに、直前の状態を維持するようになっている。
また、状態切替部400は、基準時間設定部200により第2基準時間が設定されている場合において、カウント時間が第2基準時間よりも長く、かつ、論理保持回路部300によりセット状態が保持されている条件では、論理保持回路部300をリセット状態に切り替えるようになっている。状態切替部400は、基準時間設定部200により第2基準時間が設定されている場合において、カウント時間が第2基準時間よりも長く、かつ、論理保持回路部300によりセット状態が保持されている条件を充足していなければ、論理保持回路部300の状態を切り替えずに、直前の状態を維持するようになっている。
図7は、状態切替部400の内部回路図である。状態切替部400は、否定論理積NAND401、NAND402と、論理和OR401、OR402と、インバータINV401と、を備えている。インバータINV401の入力と、論理和OR402の2つの入力のうち一方と、基準時間設定部200内の比較器CMP201の出力および抵抗R202と、は接続されている。インバータINV401の出力は、論理和OR401の2つの入力のうち一方に接続されている。論理和OR401の出力は、論理保持回路部300内の否定論理積NAND301の2つの入力のうち一方に接続されている。否定論理積NAND401の2つの入力のうち一方と、否定論理積NAND402の2つの入力のうち一方と、最下点検出カウント部100内の論理積AND102の出力と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND501の2つの入力のうち一方(後述の図8参照)と、は接続されている。否定論理積NAND401の2つの入力のうち他方と、論理保持回路部300内の否定論理積NAND302の出力および否定論理積NAND301の2つの入力のうち他方と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND501の2つの入力のうち他方(後述の図8参照)と、は接続されている。否定論理積NAND401の出力は、論理和OR401の2つの入力のうち他方に接続されている。否定論理積NAND402の出力は、論理和OR402の2つの入力のうち他方に接続されている。論理和OR402の出力は、論理保持回路部300内の否定論理積NAND302の2つの入力のうち他方に接続されている。否定論理積NAND402の2つの入力のうち他方と、基準時間設定部200内のインバータINV201の入力と、論理保持回路部300内の否定論理積NAND301の出力および否定論理積NAND302の2つの入力のうち一方と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND502の2つの入力のうち他方(後述の図8参照)と、は接続されている。
図2に戻って、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100、論理保持回路部300およびオントリガ部600に接続されている。最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100が出力する最下点カウント信号が入力されるようになっている。また、最下点スキップ回数決定部500は、論理保持回路部300がセット状態にあるかリセット状態にあるかを表す状態信号が論理保持回路部300から入力されるようになっている。最下点スキップ回数決定部500は、論理保持回路部300がリセット状態からセット状態へ切り替わった場合、または、セット状態からリセット状態に切り替わった場合に、最下点検出カウント部100がカウントした最下点回数情報に基づいて半導体スイッチQ10がオンするまでの最下点スキップ回数を決定するようになっている。この最下点スキップ回数の決定では、例えば、最下点スキップ回数決定部500に、セット状態を表す信号が論理保持回路部300から入力されると、最下点スキップ回数決定部500は、最下点スキップ回数を2回と決定し、第3最下点パルスの最下点カウント信号が入力されるタイミングで、この2回に対応する最下点スキップ回数信号としての電圧パルスをオントリガ部600に出力するようになっている。また、最下点スキップ回数決定部500に、リセット状態を表す信号が論理保持回路部300から入力されると、最下点スキップ回数決定部500は、最下点スキップ回数を0回と決定し、第1最下点パルスの最下点カウント信号が入力されるタイミングで、この0回に対応する最下点スキップ回数信号としての電圧パルスをオントリガ部600に出力するようになっている。また、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100に対して、直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットする、最下点検出リセット信号を出力するようになっている。
図8は、最下点スキップ回数決定部500の内部回路図である。最下点スキップ回数決定部500は、否定論理積NAND501〜NAND503を備えている。否定論理積NAND501の2つの入力のうち一方と、最下点検出カウント部100内の論理積AND102の出力と、状態切替部400内の否定論理積NAND401の2つの入力のうち一方および否定論理積NAND402の2つの入力のうち一方と、は接続されている。否定論理積NAND501の2つの入力のうち他方と、状態切替部400内の否定論理積NAND401の2つの入力のうち他方と、論理保持回路部300内の否定論理積NAND302の出力および否定論理積NAND301の2つの入力のうち他方と、は接続されている。否定論理積NAND502の2つの入力のうち一方は、最下点検出カウント部100内のカウンタ101の第2の出力に接続されている。否定論理積NAND502の2つの入力のうち他方と、基準時間設定部200内のインバータINV201の入力と、状態切替部400内の否定論理積NAND402の2つの入力のうち他方と、論理保持回路部300内の否定論理積NAND301の出力および否定論理積NAND302の2つの入力のうち一方と、は接続されている。否定論理積NAND503の2つの入力のうち、一方は、否定論理積NAND501の出力に接続され、他方は、否定論理積NAND502の出力に接続されている。否定論理積NAND503の出力と、オントリガ部600内の論理和OR601の2つの入力のうち一方と、最下点検出カウント部100内のインバータINV105の入力と、は接続されている。
図2に戻って、オントリガ部600は、最下点スキップ回数決定部500およびドライバに接続されている。オントリガ部600は、最下点スキップ回数決定部500から、最下点スキップ回数信号が入力されるようになっている。オントリガ部600は、最下点スキップ回数信号が入力されると、オントリガ信号をドライバに出力するようになっている。オントリガ部600は、リスタート部(後述の図9参照)を有している。オントリガ部600内のリスタート部は、一定期間、最下点スキップ回数決定部500からの最下点スキップ回数信号の入力が無い場合は、ドライバにオントリガ信号を出力するようになっている。
図9は、オントリガ部600の内部回路図である。オントリガ部600は、リスタート部と、論理和OR601と、を備えている。リスタート部は、論理和OR601の2つの入力のうち他方に接続されている。論理和OR601の2つの入力のうち一方と、リスタート部と、最下点スキップ回数決定部500内の否定論理積NAND503の出力と、最下点検出カウント部100内のインバータINV105の入力と、は接続されている。論理和OR601は、オントリガを出力する。
なお、上記制御回路10、スイッチング電源1、半導体スイッチQ10、コンデンサC15、トランスT20、最下点検出カウント部100、基準時間設定部200、論理保持回路部300、状態切替部400、最下点スキップ回数決定部500およびオントリガ部600は、それぞれ、本発明に係る制御回路、スイッチング電源、半導体スイッチ、コンデンサ、トランス、最下点検出カウント部、基準時間設定部、論理保持回路部、状態切替部、最下点スキップ回数決定部およびオントリガ部に相当する。
続いて、スイッチング電源1および制御回路10の各構成部の作用について、図10を用いて説明する。図10における時刻t1では、スイッチング電源1の出力端子OUTとGNDとの間に接続されている負荷が重負荷の状態であり、半導体スイッチQ10のドレイン・ソース間電圧としては、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の第1回目の電圧最下点で半導体スイッチQ10がオンする波形となっている。時刻t1より前の時刻にて、状態切替部400は、リセット信号を論理保持回路部300に出力しており、時刻t1では、論理保持回路部300は、リセット状態となっている。このとき、論理保持回路部300は、基準時間設定部200、状態切替部400および最下点スキップ回数決定部500に対して、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号を出力し続けている。
論理保持回路部300からリセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号が入力され続けている基準時間設定部200には、一方では、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位情報がゲート波形信号として入力される。基準時間設定部200は、上記ゲート波形信号および上記状態信号に基づいて、最下点検出カウント部100から状態切替部400に出力されるカウント時間信号の時間的長短を判断する基準として、第1基準時間を設定する。第1基準時間は、半導体スイッチQ10のターンオフを始期とし、基準時間設定部200内の比較器CMP201の反転入力端子の電圧が第1基準電圧に達する点を終期とする時間幅に対応して設定される。基準時間設定部200は、状態切替部400に対して、第1基準時間に対応する時間幅のHIGH電圧信号として比較基準信号を出力する。
一方、図10の時刻t1において、最下点スキップ回数決定部500には、最下点検出カウント部100から、最下点カウント信号として、上記電圧共振の第1回目の電圧最下点で半導体スイッチQ10がオンする波形に対応する第1最下点パルスが入力される。最下点スキップ回数決定部500は、上記リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号と、最下点カウント信号(第1最下点パルス)と、に基づいて、最下点スキップ回数を0回と決定する。この最下点スキップ回数0回に相当する最下点スキップ回数信号をオントリガ部600に出力する。なお、この最下点スキップ回数信号は、本実施の形態では、上記第1最下点パルスと同期した信号とされている。また、最下点スキップ回数決定部500は、図10の時刻t1において、最下点検出カウント部100に対して、直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットする、最下点検出リセット信号を出力する。
最下点スキップ回数決定部500から最下点検出リセット信号が入力された最下点検出カウント部100は、最下点検出リセット信号が入力される直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットし、このリセットした以降に入力される発振波形信号に基づいて、最下点回数情報およびカウント時間を検出する。
最下点スキップ回数0回に相当する最下点スキップ回数信号が入力されたオントリガ部600は、図示しないドライバに対して、この最下点スキップ回数信号に同期したオントリガ信号を出力する。このオントリガ信号に基づいて、ドライバは、半導体スイッチQ10をターンオンさせる。
次に、図10の時刻t2における動作について説明する。図10の時刻t2では、スイッチング電源1の出力端子OUTとGNDとの間に接続されている負荷が重負荷から軽負荷に移行する状態にある。図10の時刻t2では、論理保持回路部300は依然としてリセット状態を保持し、基準時間設定部200、状態切替部400および最下点スキップ回数決定部500に対して、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号を出力し続けている。一方、基準時間設定部200には、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位情報がゲート波形信号として入力される。このゲート波形信号は、図10の時刻t2において、ゼロレベルからハイレベルに切り替わるタイミングとなっている。上記ゲート波形信号および上記状態信号が入力された基準時間設定部200は、上記ゲート波形信号および上記状態信号に基づいて、最下点検出カウント部100から状態切替部400に出力されるカウント時間信号の時間的長短を判断する基準として、第1基準時間を設定する。この第1基準時間は、半導体スイッチQ10のターンオフを始期とし、基準時間設定部200内の比較器CMP201の反転入力端子の電圧が第1基準電圧に達する点を終期とする時間幅に対応して設定される。図10の時刻t2においては、基準時間設定部200内の比較器CMP201の反転入力端子の電圧が第1基準電圧に達する前に、オントリガ信号が出るため、比較基準信号はHIGHのままとなっている。基準時間設定部200は、状態切替部400に対して第1基準時間に対応する時間幅のHIGH電圧信号を比較基準信号として出力する。
一方、最下点検出カウント部100には、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振に相当する発振波形信号が、制御回路10のZC端子から入力される。最下点検出カウント部100は、この発振波形信号に基づいて、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の電圧最下点の回数を最下点回数情報としてカウントし、この最下点回数をカウントした時間をカウント時間として検出する。具体的には、最下点検出カウント部100のカウンタ101は、発振波形信号を電圧最下点の1回目に相当する電圧パルスに変換し、最下点スキップ回数決定部500に対しては最下点カウント信号として出力し、状態切替部400に対してはカウント時間信号として出力する。
最下点検出カウント部100から、電圧最下点の1回目に対応するカウント時間信号を入力された状態切替部400には、基準時間設定部200からは、第1基準時間に対応する時間幅のHIGH電圧信号である比較基準信号が入力される。更に、状態切替部400には、論理保持回路部300から、リセット状態を表す状態信号が入力され続けている。状態切替部400は、最下点検出カウント部100が出力した電圧最下点の1回目に対応するカウント時間信号と、基準時間設定部200が出力した第1基準時間と、を長短比較する。そして、状態切替部400は、カウント時間信号が短いという結果情報と、論理保持回路部300が保持しているリセット状態の情報と、に基づいて、論理保持回路部300をセット状態に切り替えるセット信号を論理保持回路部300に出力する。
状態切替部400から、セット状態を示すセット信号が入力された論理保持回路部300は、セット状態となり、セット状態を論理的に保持する。論理保持回路部300は、基準時間設定部200、状態切替部400および最下点スキップ回数決定部500に対して、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号を、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号に切り替えて出力し続ける。
論理保持回路部300から、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号を、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号に切り替えて入力され続ける基準時間設定部200は、第2基準時間を設定する。第2基準時間は、半導体スイッチQ10のターンオフを始期とし、基準時間設定部200内の比較器CMP201の反転入力端子の電圧が第2基準電圧に達する点を終期とする時間幅に対応して設定される。基準時間設定部200は、状態切替部400に対して、第2基準時間に対応する時間幅のHIGH電圧信号の比較基準信号を出力する。
一方、論理保持回路部300から、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号から、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号に切り替えて入力され続ける、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100からは、電圧最下点の1回目に相当する最下点カウント信号が入力される。最下点スキップ回数決定部500は、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号に基づいて、電圧最下点の3回目に相当する最下点スキップ回数信号を決定する。最下点スキップ回数決定部500は、図10における時刻t3において、最下点検出カウント部100から電圧最下点の3回目に相当する最下点カウント信号が入力されたタイミングで、電圧最下点の3回目に相当する最下点スキップ回数信号を、オントリガ部600に対して出力する。また、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100に対して、直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットする、最下点検出リセット信号を出力する。
最下点スキップ回数決定部500から、最下点検出リセット信号が入力される最下点検出カウント部100は、最下点検出リセット信号が入力されると、最下点検出リセット信号が入力される直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットし、このリセットした以降に入力される発振波形信号に基づいて、最下点回数情報およびカウント時間を検出する。
最下点スキップ回数決定部500から、電圧最下点の3回目に相当する最下点スキップ回数信号を入力されたオントリガ部600は、オントリガ信号を、ドライバに対して出力する。ドライバは、電圧最下点の3回目に相当するタイミングで、半導体スイッチQ10をターンオンさせる。
次に、図10の時刻t4における動作について説明する。図10における時刻t4では、スイッチング電源1の出力端子OUTとGNDとの間に接続されている負荷が軽負荷から重負荷に移行する状態にある。
論理保持回路部300は依然セットの状態を保持し、基準時間設定部200、状態切替部400および最下点スキップ回数決定部500に対して、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号を出力し続けている。論理保持回路部300からセット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号が入力され続けている基準時間設定部200には、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位情報がゲート波形信号として入力される。基準時間設定部200は、上記ゲート波形信号および上記状態信号に基づいて、最下点検出カウント部100から状態切替部400に出力されるカウント時間信号の時間的長短を判断する基準としての第2基準時間を設定する。第2基準時間は、半導体スイッチQ10のターンオフを始期とし、基準時間設定部200内の比較器CMP201の反転入力端子の電圧が第2基準電圧に達する点を終期とする時間幅に対応して設定されている。基準時間設定部200は、状態切替部400に対して第2基準時間に対応する時間幅のHIGH電圧信号として比較基準信号を出力する。
一方、最下点検出カウント部100には、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振に相当する発振波形信号が、制御回路10のZC端子から入力される。最下点検出カウント部100は、この発振波形信号に基づいて、トランスT20の一次巻線L10とコンデンサC15とによる電圧共振の電圧最下点の回数を最下点回数情報としてカウントし、予め設定された固定回数目の最下点までの時間をカウント時間として検出する。具体的には、最下点検出カウント部100のカウンタ101は、発振波形信号を電圧最下点の1回目と3回目に相当する電圧パルスに変換し、最下点スキップ回数決定部500に対しては1回目と3回目に相当する最下点カウント信号として出力し、状態切替部400に対しては1回目に相当するカウント時間信号として出力する。
最下点検出カウント部100から、電圧最下点の1回目に対応するカウント時間信号を入力された状態切替部400には、基準時間設定部200からは、第2基準時間に対応する時間幅のHIGH電圧信号である比較基準信号が入力される。更に、状態切替部400には、論理保持回路部300から、セット状態を表す状態信号が入力され続けている。状態切替部400は、最下点検出カウント部100が出力した電圧最下点の1回目に対応するカウント時間信号と、基準時間設定部200が出力した第2基準時間と、を長短比較する。そして、状態切替部400は、カウント時間信号が長いという結果情報と、論理保持回路部300が保持しているセット状態の情報と、に基づいて、論理保持回路部300をリセット状態に切り替えるリセット信号を論理保持回路部300に出力する。
状態切替部400から、リセット状態を示すリセット信号が入力された論理保持回路部300は、リセット状態となり、リセット状態を論理的に保持する。論理保持回路部300は、基準時間設定部200、状態切替部400および最下点スキップ回数決定部500に対して、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号を、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号に切り替えて出力し続ける。
論理保持回路部300から、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号から、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号に切り替えて入力され続ける基準時間設定部200には、一方では、制御回路10のゲート端子からは、ゲート波形信号が入力される。基準時間設定部200は、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号と、ゲート波形信号とに基づいて、第1基準時間に相当する比較基準信号を設定する。この第1基準時間は、半導体スイッチQ10のターンオフを始期とし、基準時間設定部200内の比較器CMP201の反転入力端子の電圧が第1基準電圧に達する点を終期とする時間幅に対応して設定される。基準時間設定部200は、状態切替部400に対して、第1基準時間に対応する時間幅のHIGH電圧信号の比較基準信号を出力する。
一方、論理保持回路部300から、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号から、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号に切り替えて入力され続ける、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100からは、電圧最下点の1回目に相当する最下点カウント信号が入力される。最下点スキップ回数決定部500は、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号に基づいて、電圧最下点の1回目に相当する最下点スキップ回数信号を決定する。最下点スキップ回数決定部500は、図10における時刻t4において、最下点検出カウント部100から電圧最下点の1回目に相当する最下点カウント信号が入力されたタイミングで、電圧最下点の1回目に相当する最下点スキップ回数信号を、オントリガ部600に対して出力する。また、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100に対して、直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットする、最下点検出リセット信号を出力する。
最下点スキップ回数決定部500から、最下点検出リセット信号が入力される最下点検出カウント部100は、最下点検出リセット信号が入力されると、最下点検出リセット信号が入力される直前に検出した最下点回数情報およびカウント時間をリセットし、このリセットした以降に入力される発振波形信号に基づいて、最下点回数情報およびカウント時間を検出する。
最下点スキップ回数決定部500から、電圧最下点の1回目に相当する最下点スキップ回数信号を入力されたオントリガ部600は、オントリガ信号を、ドライバに対して出力する。ドライバは、電圧最下点の1回目に相当するタイミングで、半導体スイッチQ10をターンオンさせる。
以上のように、最下点スキップ回数決定部500の最下点スキップ回数の決定は、例えば、スイッチング電源1の出力電流について、出力電流が大きい重負荷から小さい軽負荷の状態に切り替わる場合には、次のようになされる。ZC端子から入力された発振波形信号が、電圧共振の1回目の電圧最下点で半導体スイッチQ10がオンする波形であったとする。この場合、状態切替部400には、最下点検出カウント部100から最下点1回目に相当するカウント時間信号が入力される。また、基準時間設定部200からは第1基準時間が入力される。状態切替部400では、第1基準時間と、最下点1回目に相当するカウント時間信号と、を比較してカウント時間信号が短いと判断する。状態切替部400から論理保持回路部300に、論理保持回路部300をセット状態に切り替えるセット信号が入力される。論理保持回路部300から最下点スキップ回数決定部500には、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号を、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号に切り替えて出力し続ける。最下点スキップ回数決定部500は、最下点スキップ回数について、例えば電圧最下点の3回目に相当する最下点スキップ回数信号をオントリガ部600に出力する。オントリガ部600は、ドライバを介して半導体スイッチQ10に、電圧最下点の3回目に相当するオントリガ信号を出力する。これにより、スイッチング電源1は、電圧最下点の3回目に相当する最下点スキップ発振を行う。ZC端子から入力される発振波形信号が、例えば、電圧共振の3回目の電圧最下点で半導体スイッチQ10がオンする波形に変化する。
また、最下点スキップ回数決定部500の最下点スキップ回数の決定は、例えば、スイッチング電源1の出力電流について、出力電流が小さい軽負荷から大きい重負荷の状態に切り替わる場合には、次のようになされる。ZC端子から入力された発振波形信号が、電圧共振の3回目の電圧最下点で半導体スイッチQ10がオンする波形であったとする。この場合、状態切替部400には、最下点検出カウント部100から最下点1回目に相当するカウント時間信号が入力される。また、基準時間設定部200からは第2基準時間が入力される。状態切替部400では、第2基準時間と、最下点1回目に相当するカウント時間信号と、を比較してカウント時間信号が長いと判断する。状態切替部400から論理保持回路部300に、論理保持回路部300をリセット状態に切り替えるリセット信号が入力される。論理保持回路部300から最下点スキップ回数決定部500には、セット状態に相当するHIGH電圧信号の状態信号を、リセット状態に相当するLOW電圧信号の状態信号に切り替えて出力し続ける。最下点スキップ回数決定部500は、最下点スキップ回数について、電圧最下点の1回目に相当する最下点スキップ回数信号をオントリガ部600に出力する。オントリガ部600は、ドライバを介して半導体スイッチQ10に、電圧最下点の1回目に相当するオントリガ信号を出力する。これにより、スイッチング電源1は、電圧最下点の1回目に相当するため、最下点をスキップしない発振を行う。ZC端子から入力される発振波形信号が、電圧共振の1回目の電圧最下点で半導体スイッチQ10がオンする波形に変化する。
なお、図10では、上述のように、図4に示した基準時間設定部200を採用した場合の例、すなわち比較基準信号の始期を半導体スイッチQ10のターンオフとした例を示した。これに対して、図11では、図5に示した基準時間設定部250を採用した場合の例、すなわち比較基準信号の始期を半導体スイッチQ10のターンオンとした例を示している。
本実施の形態の制御回路10によれば、最下点検出カウント部100により、トランスの一次巻線L10とコンデンサC10とによる電圧共振の電圧最下点の回数が最下点カウント信号としてカウントされ、予め設定された固定回数目の最下点までの時間がカウント時間信号として検出され、基準時間設定部200によりカウント時間の時間的長短を判断する基準としての第1基準時間、または、第1基準時間よりも長い時間である第2基準時間が設定される。そして、論理保持回路部300にセット状態またはリセット状態を示すセット信号またはリセット信号が入力され、論理保持回路部300によりセット状態またはリセット状態が論理的に保持される。更に、基準時間設定部200によって設定された第1基準時間または第2基準時間と最下点検出カウント部100が検出したカウント時間とが状態切替部400で長短比較され、長短比較した結果情報と論理保持回路部が保持しているセット状態またはリセット状態との情報に基づいて、論理保持回路部300がリセット状態またはセット状態に切り替えられる。そして、論理保持回路部300がリセット状態またはセット状態からセット状態またはリセット状態に切り替わった場合に、最下点スキップ回数決定部500により、最下点検出カウント部100がカウントした最下点カウント信号に基づいて半導体スイッチQ10がターンオンするまでの最下点スキップ回数が決定され、最下点スキップ回数決定部500が決定した最下点スキップ回数信号に基づいて、オントリガ部600によりドライバを介して、半導体スイッチQ10がオンされる。以上のような制御により、検出する発振波形信号の電圧共振時間を1/2周期と、極力少なくすることが可能となっている。これにより、トランスT20の一次巻線L10のインダクタンスと半導体スイッチQ10に並列に存在するコンデンサC15との共振による共振時間の影響を少なくでき、重負荷時と軽負荷時との発振モード動作を最適な条件で自動的に切り替えることができ、トランスT20の一次巻線L10のインダクタンスと半導体スイッチQ10に並列に存在するコンデンサC15とを独立に設計でき、スイッチング電源1の設計制約を少なくすることができ、更に、論理保持回路部300の状態切替において、誤動作がない安定した切り替えの自動制御が可能となり、極めて安定的に軽負荷効率の改善をなすことができる。
特に、状態切替部400が、基準時間設定部200が設定した第1基準時間または第2基準時間と最下点検出カウント部100が検出したカウント時間とを長短比較し、長短比較した結果情報と、論理保持回路部300が保持しているセット状態またはリセット状態の情報と、に基づいて、論理保持回路部300をリセット状態またはセット状態に切り替える。すなわち、論理保持回路部300は、第1基準時間または第2基準時間と、カウント時間の情報と、論理保持回路部300の状態情報と、に基づいて状態切替を行う。したがって、本発明の制御回路10をスイッチング電源1に適用した場合には、最下点スキップ回数決定部500が決定した最下点スキップ回数信号に基づいて、オントリガ部600により半導体スイッチQ10がターンオンされる制御がなされ、最小オフ期間でオン信号を禁止する制御方式で生じるような、最小オフ期間でオン信号を禁止するか否かの境界点タイミングに電圧共振最下点が一致してオン信号の禁止と解除を繰り返してしまい発振が不安定となることが生じない。そのため、オン信号の禁止と解除の切り替わりの境界点でトランスT20の音鳴りが発生してしまうことを防止できる。また、スイッチング電源1の出力電流変動に対してもヒステリシスが十分確保された切替条件でスイッチング発振モードを制御できるため、非常に安定したスイッチング動作を実現できる。
更に、本実施の形態の制御回路10によれば、最下点検出カウント部100、基準時間設定部200、論理保持回路部300、状態切替部400、最下点スキップ回数決定部500およびオントリガ部600によって、スイッチング電源1の発振モード動作が最適な条件で自動的に切替制御されるため、スイッチングのパルス毎のスイッチング電流ピーク値が大きくなりすぎることを防止でき、また、重負荷条件において、スイッチング電源1の半導体スイッチQ10に発生するサージ電圧の増加や、スイッチング電流の実効値が大きくなることによる効率低下などを防止することができる。
特に、制御回路10を自励式フライバックコンバータに用いた場合には、最下点検出カウント部100、基準時間設定部200、論理保持回路部300、状態切替部400、最下点スキップ回数決定部500およびオントリガ部600によって、スイッチング電源1の発振モード動作が最適な条件で自動的に切替制御されるため、スイッチング電源1の重負荷時と軽負荷時との発振モード動作切替が最適な条件で自動的に制御されることとなり、固定回数目の共振電圧最下点でオンすることがなく、軽負荷条件での発振周波数の上昇を抑制し易い。その結果、特に入力電圧が高い軽負荷条件でスイッチング周波数が高くなり易い自励式フライバックコンバータにおいては、軽負荷条件でのスイッチング損失を抑制でき、待機電力を極めて低くすることができる。
特に、本実施の形態の制御回路10によれば、制御巻線L11に発生する信号に基づいて、最下点検出カウント部100により電圧最下点の回数が最下点回数情報としてカウントされ、カウンタにより最下点回数情報が最下点カウント信号として生成され、最下点カウント信号に基づいて、最下点スキップ回数決定部500により最下点スキップ回数が決定されるので、スイッチング電源1においては、スイッチングのオフ時間幅のうち、1回目の最下点までを監視して切り替えられることとなり、この時間幅は、入力電圧による変動の大きいオン時間幅を含んでいないため、発振モードが切り替わる負荷が入力電圧によって変動することを抑制できる。また、スイッチング電源1の入力電圧が変動したとしても、スイッチングのオフ時間幅のうち、1回目の最下点までを監視して切り替えられる制御がなされるので、最大入力電圧時に垂下点まで最下点とびしてしまうというモードを回避できる。
これらに加え、特に、本実施の形態の制御回路10によれば、基準時間設定部が設定する第1基準時間または第2基準時間のうち少なくともいずれか一方を設定するための要素である、比較器CMP201の反転入力端子の電圧の始期が、図5の基準時間設定部250においては、半導体スイッチQ10のゲート端子の電位状態がゼロレベルからハイレベルになるタイミングと同期して設定されているので、スイッチング電源1のスイッチング周期を監視して切り替えられ、軽負荷時の発振周波数の上昇を確実に防止できる。
更に、本実施の形態の制御回路10は、最下点スキップ回数決定部500が最下点スキップ回数情報を決定した毎に、最下点スキップ回数決定部500は、最下点検出カウント部100がカウントした最下点カウント信号と、最下点検出カウント部が検出100したカウント時間信号と、を最下点検出カウント部100にリセットさせるので、スイッチング電源1の発振周期毎に最適な電圧最下点でターンオンする状態切替がなされるため、スイッチング電源1の発振安定性を確保することができる。
以上のように、本実施の形態の制御回路10によれば、比較的簡単な構成で軽負荷効率を改善し、かつ、広範囲の入出力条件で安定的にスイッチング電源1の発振状態を制御することができる。
なお、図1に示すスイッチング電源1はフライバック方式の構成を一例としたものであるが、本発明に係る制御回路10は、PFC方式のスイッチング電源に適用しても良い。
本実施形態の制御回路10は、1チップに制御回路を搭載した集積回路として、そのまま適用しても良い。また、本実施形態の制御回路10および半導体スイッチQ10などを単一のパッケージに搭載したモジュールや、制御回路10および半導体スイッチQ10などを1チップに搭載して単一のパッケージに搭載したモジュールにしても良い。これらのような構成にすることで、更なる低コスト化、省スペース化および設計容易化を図ることができる。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値などによる限定は受けない。