以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態に先行する形態ですでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略す場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。またそれぞれの実施形態は、本発明に係る技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明に係る技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。以下の説明は、インターホン装置10およびこれを用いる来訪者12への応答方法の説明を含む。
図1は、本発明の一実施形態であるインターホン装置10の構成を表すブロック図である。図2は、住居内検知手段11を設置した住居18の平面図である。インターホン装置10は、来訪者12に対して自動または手動によって応答する装置である。住居18は、一戸建てまたはマンションの居住空間などとして用いられる。居住者は、住居18に居住する人物である。在宅者は、住居18に在宅している居住者である。
インターホン装置10は、住居内検知手段11と、応答情報記憶部13と、出力手段16と、制御手段17とを含んで構成される。住居内検知手段11は、住居18の内部における人物の存在を検知する。応答情報記憶手段である応答情報記憶部13は、住居18を来訪する来訪者12に対する、互いに異なる複数の応答内容を表す複数の応答情報21を記憶する。応答内容出力手段である出力手段16は、来訪者12に対し複数の応答情報21のうちの1または複数の応答情報21が表す1または複数の応答内容を住居18の外部に出力する。制御手段17は、住居内検知手段11による検知結果に基づいて、応答情報記憶部13に記憶される複数の応答情報21から、1または複数の応答情報21を選択し、選択された応答情報21が表す応答内容を出力手段16に出力させる。前記制御手段17は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称「CPU」)を含んで実現される。
住居内検知手段11が取得する予め定める種類の情報は、画像情報を含む。住居内検知手段11は、1または複数の屋内撮像部22と、人物存在判定部24とを有する。1または複数の屋内撮像部22は、住居18の内部の複数の位置において撮像を行い、屋内画像を取得する。人物存在判定部24は、屋内画像を解析し、住居18の内部の各位置において人物が撮像されているか否かを判定する。住居内検知手段11は、浴室36に人物が存在しているか否かを判定するとともに、便所34に人物が存在しているか否かを判定する。
具体的には、住居内検知手段11は、住居18内における人物の存在位置または状況を検出する。住居内検知手段11は、画像情報を取得することによって人物の存在位置を把握するけれども、これに限定するものではない。たとえば、台所の流し台38における上水または排水の流量を測定することによって、在宅者が流し台において活動しているという状況を検出してもよいし、燃料ガスの使用量、予め定める電気製品の消費電力などを検出することによって、住居18内における人物の存在位置および状況の少なくともいずれか一方を検出する構成とすることもできる。
住居18内における人物の状況を検出する手法の具体例としては、たとえば台所であれば、コンロ、加熱用の電磁調理器具(IH)、給湯器の使用を気体の流量計、電流計などによって検出してもよい。また寝室において、夜具にかかる人物の体重、人物の温度などを検出することによって検出してもよい。また居間において、テレビジョンを視聴する人物の顔を撮像し、人物の視線がテレビジョンに向かっているという条件とテレビジョンのスイッチがオン状態であるという条件とが両立したときに、人物がテレビジョンを視聴していると判定してもよい。
インターホン装置10は、来訪者撮像手段26と、来訪者識別手段27とをさらに含んで構成される。来訪者撮像手段26は、来訪者12を撮像し、来訪者画像を取得する。来訪者識別手段27は、来訪者画像を解析することによって、来訪者12を識別する。制御手段17は、来訪者識別手段27による識別結果に基づいて、出力手段16に出力させる1または複数の応答情報21を選択する。
図2に示すように、住居18は、複数の部屋28を有し、屋内撮像部22は、各部屋28に1つずつ配置される。屋内撮像部22は、時系列に沿って変化する映像を撮像可能なカメラ32を含んで実現される。たとえば電荷結合素子(Charge Coupled Device;略称「CCD」)を受像部に含むカメラ32などを含む。屋内撮像部22は、廊下33、便所34および浴室36にも、配置される。屋内撮像部22によって撮像される画像は、人物の有無が確認できる程度の解像度であれば、足りる。たとえば便所34および浴室36において、特に解像度を低く設定したカメラ32を設置する構成としてもよい。
各部屋28において屋内撮像部22は、部屋28の中の予め定める範囲を撮像する。撮像される範囲は、必ずしも部屋28の中のすべての領域である必要はなく、その部屋28に人物が居るときには、大きな確率で人物を撮像できる位置の領域として定められる。各部屋28の中央部を含む領域を、撮像範囲として定める。台所においては、流し台38の近傍を、撮像範囲に含む。
人物存在判定部24は、屋内撮像部22が撮像することによって取得された画像の解析を行う。画像の解析手法については、人物の存在の有無が判定できれば、どのような手法であってもよい。たとえば、予め定める方向に並ぶ複数の画素における色相または濃淡を微分法によって解析して輪郭抽出を行い、抽出される輪郭の画像内での位置が時系列に沿って変化するか否かを検出し、動くものが撮像されているか否かを判定する工程を含む手法であってもよい。
また動くものの大きさを検出することによって、人物であるかペットであるかを判定する工程をさらに含んでいてもよい。また他の画像解析の手法としては、パターンマッチングによって人物の顔が撮像されているか否かを検出することによって、人物が撮像されているか否かを判定してもよい。
図3は、インターホン屋外機39の構成を表すブロック図である。インターホン装置10は、インターホン屋外機39を含み、来訪者撮像手段26は、屋外カメラ42を含んで実現される。インターホン屋外機39には、屋外カメラ42と、屋外マイク44と、屋外スピーカ46と、屋外表示部48とを含み、たとえば住居18の敷地の内外を隔てる門扉の近傍または玄関51の近傍に設置される。
またインターホン屋外機39は、インターフェースとしての送受信部47を含み、送受信部47は、屋外カメラ42、屋外スピーカ46、屋外表示部48、屋外マイク44、および押しボタン54とインターホン屋内機(以下「屋内機」という)65との信号の伝送に関して、信号伝送経路の選択、切換え、信号電圧の調整、プロトコル変換などを行う。
来訪者撮像手段26は、少なくとも来訪者12が来訪したときに、インターホン屋外機39近傍を撮像することによって、来訪者12の映像を取得する。来訪者12は複数であってもよいけれども、来訪者がインターホン装置10を介して在宅者に連絡を取ろうとするときには、複数の来訪者のうちの1人がインターホン装置10に近づくことがほとんどであるので、来訪者が1人であることを前提としても、問題はなく来訪者についての情報を取得することができる。
来訪者12がインターホン屋外機39付近に来訪したことは、たとえば出射した赤外線の反射光の有無を検出する光センサなどを用いた来訪者検出手段52によって自動的に検出してもよいけれども、来訪者12がインターホン屋外機39に備えられる押しボタン54を押すことによる信号変化に応答して、制御手段17が来訪者の有無を判定するものとする。来訪者撮像手段26は、屋外カメラ42とその姿勢および稼働状態を制御する屋外カメラ制御部56などを含み、屋外カメラ42は、たとえばCCDカメラなどによって実現される。押しボタン54は、来訪者検知手段である。
屋外マイク44は、インターホン屋外機39近傍の音声の情報を取得する。屋外スピーカ46は、応答情報記憶部13に記憶された応答情報21を出力可能であり、また住居18に在宅している在宅者の操作によって在宅者が入力した音声を屋外において出力する。屋外表示部48は、たとえば液晶パネルなどを含み、来訪者12に対して画像情報を表示する。画像情報は、文字表示を含んでもよく、また時系列に沿って変化する映像情報であってもよい。
インターホン装置10は、照明制御部57と、来訪者記憶部58とをさらに含む。インターホン屋外機39近傍には、少なくとも来訪者12が位置すると予測される付近を照らす照明器具62が設置され、照明制御部57は、照明器具62の点灯消灯の切換えを制御する。照明器具62は、インターホン屋外機39の外部に設けられる構成としてもよく、またインターホン屋外機39に含まれる構成とすることも可能である。
来訪者記憶部58は、来訪者12に関して予め定められる複数の類型を記憶する。来訪者識別手段27は、来訪者撮像手段26の撮像によって取得された画像を解析することによって、来訪者12が、来訪者記憶部58に記憶される複数の類型のうちのいずれの類型に該当するかを判別する。来訪者記憶部58は、過去に来訪した来訪者12についての来訪者情報63を記憶しておいてもよい。来訪者情報63は、たとえば来訪者12の氏名、所属、映像または静止画像、およびこれらの対応関係についての情報を含む。
たとえば、来訪者12が着ている服の、形状および色の少なくともいずれか一方を、来訪者12を撮像した画像情報から判断し、制服であるか否かを判別する。また来訪者の服装がスカートを含むと判断されれば女性であると判別したり、来訪者が短髪であれば男性、長髪であれば女性などと判断する。来訪者12に対する判断の手法は、どのような手法であってもよい。たとえば、顔を判別することによって来訪者12の識別を行ってもよく、また制服に記載されている紋章などのマークを読取ることによって来訪者12の識別を行ってもよい。
これによって、警察など特定の組織の人物である場合、および配達業者、営業による訪問者など特定の企業の人物である場合を識別することができる。来訪者記憶部58に記憶される複数の類型、およびそれらの類型に基づいて来訪者識別手段27によってなされる識別の結果が、実際の来訪者12の所属などとずれる場合があっても構わない。
後述する来訪者応答情報20は、応答情報21および来訪者情報63を含み、業者関係と友人知人関係とに分類されて、記憶手段79に記憶されている。応答情報21は、応答情報記憶部13にも記憶され、来訪者情報63は、来訪者記憶部58にも記憶されている。業者関係は、警察など特定の組織、および配達業者、営業による訪問者など特定の企業などの関係であり、友人知人関係は、業者関係以外の関係、たとえば友人、知人、親戚、先輩、後輩など個人的な関係である。来訪者応答情報20は、来訪者居住者関連情報である。記憶手段79は、関連情報記憶手段である。
照明制御部57は、来訪者12が来訪したときに、すなわち押しボタン54が押されたときに、照明器具62を点灯させ、これに伴って、来訪者撮像手段26および来訪者識別手段27が稼働を開始する。照明制御部57を介した照明器具62の制御、来訪者撮像手段26の制御、および来訪者識別手段27の制御は、制御手段17が、統括的に行う。
インターホン装置10のうち、屋内に設置される屋内機65は、マイク66およびネットワーク通信部68を含む。マイク66は、住居18に在宅している在宅者がインターホン装置10を介して来訪者12に対して音声を伝達するときに、音声の入力のために用いられる。ネットワーク通信部68は、マイク66によって入力された音声の情報を、在宅者の操作および予め定められる設定に応じてインターホン屋外機39または屋内機65のスピーカ69に、選択的に伝送する。屋内機65が、複数の屋内端末72を含み、各屋内端末72が、マイク66、操作部74およびスピーカ69を含む場合には、複数の屋内端末72を屋内において離れた複数の位置に配置すれば、ネットワーク通信部68による制御によって、屋内において離れた複数の位置における互いの通信も可能となる。
インターホン装置10は、音声制御部76および設定記憶部78をさらに含む。応答情報記憶部13、来訪者記憶部58および設定記憶部78は、記憶手段79に含まれ、インターホン装置10は、記憶手段79を含む。記憶手段79は、たとえばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory;略称「RAM」)、ハードディスクドライブ(略称「HDD」)、フラッシュメモリを用いるSSD(Solid State Drive)などのいずれか1つを含んで実現される。記憶手段79の構成については、特にこれらのいずれかに限定するものではなく、いずれの種類の記憶装置によって実現されてもよい。応答情報記憶部13、来訪者記憶部58および設定記憶部78は、一体的に形成されてもよい。記憶手段79は、制御手段17によって制御される。
音声制御部76は、在宅者がマイク66を介して入力した音声情報、および来訪者12が屋外マイク44を介して入力した音声情報を予め定める通信端末81に伝送する制御を行う。予め定める通信端末81は、たとえば携帯電話などである。したがって、この場合には、音声制御部76は、電話回線80を介して通信端末81に音声情報を伝送する。設定記憶部78は、音声制御部76による音声情報の伝送先となる通信端末81などについての情報を記憶し、音声制御部76は、設定記憶部78に記憶される設定に沿って制御を行う。設定記憶部78に記憶される設定は、操作部74を介して入力された内容を記憶し、たとえば、ネットワーク通信部68による通信の形式などをさらに記憶してもよい。
インターホン装置10が複数の屋内端末72を含み、複数の屋内端末72における互いの通信が無線による通信を行う場合には、インターホン装置10は、データ通信無線制御部82を含んで構成される。データ通信無線制御部82は、いわゆるインターフェースを含み、送信する信号の変調、受信した信号の復調などを行う。またインターホン装置10においてインターホン屋外機39と屋内機65との間で無線通信が行われる場合にも、これらの間の無線通信について、データ通信無線制御部82が同様の制御を行う。
インターホン装置10は、ROM(Read Only Memory)84およびスピーカ69、表示部86、および操作部74をさらに含む。ROM84には、インターホン装置10が起動されたときに制御手段17が読み込むべきプログラムが記録されている。またROM84には、さらに初期状態において各部に定められる設定も記録されている。
図4は、表示部86の表示画面の一例を表す図である。インターホン装置10は、来訪者撮像手段26による撮像と屋外マイク44による音声情報の取得とを同時に行い、在宅者による操作部74の操作に応じて、来訪者撮像手段26からの映像を表示部86に表示し、屋外マイク44からの音声情報をスピーカ69に出力する。これらの操作部74による操作に対する応答、映像と音声との同期および伝送に関する制御などは、制御手段17が行う。
スピーカ69は、住居18内の1箇所に設けられる。また、スピーカ69は、屋内端末72が複数設けられるときには、各屋内端末72に設けられ、インターホン屋外機39からの音声情報、自身の屋内端末72を除く他の屋内端末72からの音声情報を出力する。またスピーカ69は、単に来訪者12が来訪したことを屋内において報知するための予め定める音声を出力する場合もある。
表示部86は、液晶パネル87aおよびバックライト87bなどを含んで構成され、来訪者撮像手段26によって撮像された映像を表示する。また来訪者記憶部58に記憶されている来訪者情報63の少なくとも一部を表示することも可能である。操作部74は、キーボタン75a、キーボタン75aを制御するキー制御部75b、タッチパネル75c、タッチパネル75cを制御するタッチパネル制御部75dなどを含み、在宅者は、操作部74を用いて操作内容を入力する。タッチパネル75cは、表示部86の表示画面に重ねて配置される。
インターホン装置10は、さらにメモリカードドライバ88、USBドライバ92、ソーラ情報受信部93などを含んで構成されてもよい。メモリカードドライバ88は、メモリカード94に対する情報の書込みおよび読込みを行うためのハードウェアおよびソフトウェアである。USBドライバ92は、USBメモリ95に対する情報の書込みおよび読込みを行うためのハードウェアおよびソフトウェアである。このような外部の記録媒体との間で情報の伝送を可能とすることによって、たとえば画像情報、データベースなどをインターホン装置10以外のパーソナルコンピュータで取り扱ったり、また自身のインターホン装置10を除く他のインターホン装置10との間で情報を共有したりすることができる。
ソーラ情報受信部93は、電力供給制御部96bを介して電力情報取得部96aに接続される。電力情報取得部96aは、インターホン装置10の消費電力を監視する。また電力情報取得部96aは、電力供給制御部96bに接続され、電力供給制御部96bは、インターホン装置10の消費電力を制御する。電力情報取得部96aおよび電力供給制御部96bに複数の電気機器が接続される場合には、電力情報取得部96aおよび電力供給制御部96bは、複数の電気機器の消費電力を統括的に監視または制御する。電力情報取得部96aには、たとえば太陽光発電装置97およびこれによって発電される電力を表示するソーラ情報表示部98などが接続される。これによって、インターホン装置10は、住居18に設けられるインターホン装置10以外の他の電気機器とともに、電力供給についての統括的な制御を受けることができる。
図5は、記憶手段79に記憶される業者関係来訪者応答情報20aを示す図である。第1の来訪者居住者関連情報である業者関係来訪者応答情報20aは、来訪者応答情報20に含まれる。業者関係来訪者応答情報20aは、業者関係の応答情報21、居住者情報25および来訪者情報63を含む。来訪者情報63は、来訪者12またはその所属の名前、名前の読み、来訪者12の電話番号、過去に来訪者撮像手段26によって撮像した画像、過去に屋外マイク44を介して入力された来訪者12の声を含む音声情報を含む。名前は、来訪者12の氏名であってもよいけれども、図5に示す業者関係来訪者応答情報20aでは、来訪者識別手段27によって分類されて定められる類型の名称である。来訪者識別手段27によって、来訪者12を予め定める複数の類型のうちに分類ができないときには、来訪者識別手段27は「その他」に分類し、名前は、操作部74を操作する在宅者によって修正されてもよい。
居住者情報25は、住居18に居住する居住者を表す情報であり、たとえば、居住者A〜Eの5人の居住者が示されている。居住者は、たとえば居住者Aが祖父であり、居住者Bが父であり、居住者Cが母であり、居住者Dが長男であり、居住者Eが長女である。各居住者に付されている黒い丸印は、同じ行に示される来訪者12に関連付けられている居住者であることを示し、応答情報21で示される応答内容が適用されることを示している。したがって、黒い丸印が付されている居住者に対しては、応答情報21で示される応答内容で応答し、黒い丸印が付されていない居住者に対しては、なにも応答しないことを示している。
応答情報21は、応答内容の情報を示し、予め定める複数の場合と、来訪者12の各類型に応じて定められる。図5に示す業者関係来訪者応答情報20aでは、類型のうち少なくとも3つを例示しており、各類型を類型T1〜T3とする。予め定める複数の場合とは、次の3つの状況(a)〜(c)であって、状況(a)は、「在宅者のすべてが便所34および浴室36の少なくともいずれか一方に所在している状況」であり、状況(b)は、「在宅者が来訪者12に対してすぐに応答可能な状況」であって、状況(c)は、「居住者のすべてが外出し、在宅者が居ない状況」である。状況(b)は、具体的には、「在宅者が住居18内のうち便所34および浴室36を除く他の部分に存在が認められる状況」であり、居住者が応答可能な場所にいる状況である。
状況(a)には、3つの類型のいずれの来訪者12に対しても、対応Aの内容で応答する。対応Aは、「只今どうしても手がはなせません。暫くお待ちいただくか、もしくは30分後にお越しくださいますようお願いいたします。」という音声情報および文字情報を含む応答情報21での対応である。したがって状況(a)には、この音声情報を屋外スピーカ46から出力し、またこの文字情報を屋外表示部48において表示する。この応答内容は、一例であって、他の文言であってもよく、また複数の選択肢のうちから選択によって設定する構成としてもよく、在宅者が操作部74を介して入力することによって設定してもよく、また操作した人物の声を録音することによって応答内容を記憶させておくことも可能である。
状況(b)には、複数の類型のいずれの場合であっても来訪者12に対して対応Bの内容で応答する。対応Bは、屋外スピーカ46からの音声の出力も、屋外表示部48による表示も何も行わないという応答情報21での対応である。在宅者が来訪者12に対してすぐに応答可能である場合には、在宅者が来訪者12に応答するまで来訪者12を待たせておくことに問題は生じない。
状況(c)には、類型T1の来訪者12に対しては、対応C1の内容で対応し、類型T2の来訪者12に対しては対応C2の内容で対応し、類型T3の来訪者12に対しては、対応C3の内容で対応する。対応C1は、「後ほどお電話させていただきます」という音声情報および文字情報を含む応答情報21での対応である。この音声情報を屋外スピーカ46から出力し、またこの文字情報を屋外表示部48において表示する。この応答内容も一例であって、複数の選択肢のうちから選択する構成としてもよく、入力によって応答内容が記憶される構成としてもよい。
対応C2は、「ZZコンビニに預けておいて下さい」という音声情報および文字情報を含む応答情報21での対応である。「ZZ」は一例であり、コンビニエンスストアの固有名詞に置換えられる。この音声情報を屋外スピーカ46から出力し、またこの文字情報を屋外表示部48において表示する。対応C3は、「20時にもう一度来てください」という音声情報および文字情報を含む応答情報21での対応である。対応C2およびC3も、応答内容の一例であって、複数の選択肢のうちから選択する構成としてもよく、入力によって応答内容が記憶される構成としてもよい。
図6は、記憶手段79に記憶される友人知人関係来訪者応答情報20bを示す図である。第2の来訪者居住者関連情報である友人知人関係来訪者応答情報20bは、来訪者応答情報20に含まれる。業者関係来訪者応答情報20aは、応答情報21、居住者情報25および来訪者情報63を含む。図6に示す友人知人関係来訪者応答情報20bでは、来訪者12の類型は、来訪者12の個人に対応し、来訪者情報63は、来訪者12の情報を含む。図6に示す来訪者情報63には、7人の来訪者12の情報を示しているが、来訪者12の数は、7人に限定されるものではなく、必要な人数の来訪者12を登録することができる。また図6に示す友人知人関係来訪者応答情報20bの来訪者情報63に、屋外マイク44を介して取得した来訪者12の音声情報を含んでいてもよい。図6に示す友人知人関係来訪者応答情報20bでは、各来訪者12は、居住者のいずれか1人に関連付けられているけれども、複数の居住はまたはすべての居住者に関連付けて、記憶されていてもよい。
状況(a)における対応Aおよび状況(b)における対応Bは、図5に示す業者関係来訪者応答情報20aにおける対応AおよびBと同様である。図6に示す友人知人関係来訪者応答情報20bにおける対応Cでは、来訪者12が来訪したことを携帯電話に連絡するという対応を含んでいる。応答情報記憶部13に記憶される応答情報21は、携帯電話に連絡する手順についての情報を含む。具体的には、来訪者12が来訪したことを表す情報を、電子メールによって携帯電話に送信してもよいけれども、図6に示す友人知人関係来訪者応答情報20bにおいて対応Cは、屋外マイク44を介して取得した音声情報を、携帯電話によって通話可能に、携帯電話に転送するという対応を含んでいる。対応Cは、複数の具体的な対応C1,C2,・・・,Cn(nは自然数)を含んでおり、各具体的な対応Ci(iは自然数;1≦i≦n)は、各来訪者12の情報に関連付けられている。複数の来訪者12に対して同一の対応Ciが関連付けられていてもよい。図5および図6には示していないが、対応Dとして「只今留守にしております。ご用件がございましたら、ピーという発信音の後にお名前とご用件をお話しください。」という音声情報および文字情報を含む応答情報21での対応も可能である。
図7は、居住者が1人である場合の来訪者12への応答方法の工程を表すフローチャートである。処理開始後、ステップa1に移行し、住居18内の予め定める領域に人物が存在するか否かを判断する。予め定める領域は、カメラ32によって撮像される範囲である。在宅していると判断されるときには、ステップa2に移行し、人物の存在位置が便所34であるか否かを判定する。ステップa1において居住者が在宅していないと判定されると、後述するステップa6に移行する。
ステップa2において人物の存在位置が便所34でないと判定されると、ステップa3に移行し、浴室36であるか否かを判定する。ステップa2において人物の存在位置が便所34であると判定された場合、およびステップa3において人物の存在位置が浴室36であると判定された場合は、状況(a)に該当し、ステップa4に移行し、対応Aを行う。ステップa3において人物の存在位置が浴室36ではないと判定された場合は、状況(b)に該当し、ステップa5に移行し、対応Bを行う。ステップa1において居住者が在宅していないと判定されると、ステップa6に移行し、来訪者12の類型を判定する。
この工程を来訪者類型判定工程と称すると、来訪者類型判定工程において来訪者12の類型が類型T1であると判定されると、ステップa7に移行し、対応C1を行う。来訪者類型判定工程において来訪者12の類型が類型T2であると判定されると、ステップa8に移行し、対応C2を行う。来訪者類型判定工程において来訪者12の類型が類型T3であると判定されると、ステップa9に移行し、対応C3を行う。対応A,B,C1〜C3を行った後に、本処理を終了する。再び来訪者12があれば、本処理を再度、開始する。
対応A,B,C1〜C3を除くその他の対応としては、来訪者12が来訪したことを携帯電話に連絡するという対応を含んでいてもよい。この場合、応答情報21は、携帯電話に連絡する手順についての情報を含む。具体的には、来訪者12が来訪したことを表す情報を、電子メールによって携帯電話に送信してもよい。また、屋外マイク44を介して取得した音声情報を、携帯電話に通話として転送するという対応を含んでいてもよい。
これによって携帯電話を所持して外出している居住者は、携帯電話およびインターホン装置10を介して来訪者12と会話することが可能となる。またステップa6のような来訪者類型判定工程を行わず、居住者が在宅していない状況(c)に、すべての来訪者12に対して共通した対応を行う構成としてもよい。
来訪者12が来たことを表す情報は、来訪が検知された直後、住居18内において予め定める音声を出力することによって、在宅者に対して報知される。この報知は、電子的に記憶手段79に記憶された呼び鈴やチャイムを表す音声情報をスピーカ69から出力することによる報知であってもよい。
来訪者12が来訪し、来訪が検知されると、屋外撮像手段、たとえば屋外カメラ42によって撮像が実行され、時間に関して予め定める長さの映像が、一時的に来訪者記憶部58に録画される。この一時的な録画は、1回の来訪に関して1回、行われる。来訪者情報63は、複数回の来訪があっても、1つの類型について1つ記憶する。1つの来訪者情報63としては、映像を動画像として記憶しても構わないけれども、本実施形態では、動画像よりも1つの静止画像を記憶する方が、記憶手段79の容量を有効利用できるので、1つの来訪者情報63は、1つの静止画像を含む。他の実施形態では、1つの来訪者情報63が、複数の、たとえば2つまたは3つの静止画像を含む構成としてもよい。
図8は、応答情報21を記憶手段79に入力するときに、表示部86に表示される入力画面の一例を表す図である。図8に示すように、一時的に録画された映像は、在宅者に対して表示され、かつこの映像を表す映像情報に基づいて、来訪者情報63が在宅者によって確定される。在宅者による来訪者情報63の確定は、来訪者12への自動的なまたは手動による応答が終了した後に行われ、来訪者12が来訪を終えて帰ってから行われてもよい。在宅者は、操作部74を操作し、映像情報に含まれる画像情報のうちから1または複数の画像を表す画像情報を選択し、来訪者情報63に含める。来訪者情報63は、前述のように、その他名前、読み方、電話番号、および関連する内容を文字で表したメモ情報が含まれてもよい。また各類型の来訪者12が、住居18に居住する居住者のうちの、誰への来訪者12であったのか、という情報をも含む。このことが不明な場合には、当然に来訪者情報63から除外されてもよい。また来訪者情報63は、居住者全員に対する来訪であったという情報を含んでもよい。
図9は、過去に記憶手段79に記憶された来訪者情報63を表示するときの、表示部86の表示画面の一例を表す図である。図9に示すように、来訪者情報63は、操作部74の操作によって読出すことが可能である。これは、操作部74による操作を受けて、制御手段17が来訪者記憶部58に記憶される情報を読出し、表示部86に表示させることによって行われ、これによって在宅者は、来訪者情報63を随時確認することができる。表示部86に表示される情報は、来訪者情報63の一部であってもよく、すべてであってもよい。また表示部86には、各類型の来訪者12に対して関連付けられる複数の応答内容も表示させることが可能であり、この関連付けられる各応答内容は、操作部74の操作によって変更可能である。
図10は、来訪履歴情報110の一例を表す図である。図11は、表示部86が来訪履歴情報110を表示するときの表示画面の一例を表す図である。来訪者記憶部58は、来訪者12が来訪したことと、各回の来訪における来訪者識別手段27による識別結果とを記憶することができ、表示部86は、来訪者12の来訪を、履歴として視認可能に表示することができる。
来訪の履歴を表す来訪履歴情報110は、屋外撮像手段、たとえば屋外カメラ42によって撮像された映像および来訪者識別手段27による識別結果を含むものとして設定される。表示部86は、図11に示すように、来訪履歴情報110とともに、ソーラ情報受信部93を介して取得した太陽光発電によって得られた電力量の情報を表示してもよい。さらには、消費電力の情報を表示する構成としてもよい。
上述したように、住居内検知手段11は、住居18の内部において人物の存在位置および状況の少なくとも一方を検知する。制御手段17は、住居内検知手段11による検知結果に基づいて、応答情報記憶部13に記憶される複数の応答情報21から、1または複数の応答情報21を選択し、選択された応答情報21が表す応答内容を出力手段16に出力させる。
これによって、住居18の内部における人物の位置に応じて、来訪者12への応答内容を変更することが可能となる。たとえば、住居18内における人物の存在位置が、便所34および浴室36の少なくともいずれか一方のみに限定されるとき、または便所34および浴室36の少なくともいずれか一方のみにおいて人物の活動が検出されるときに、来訪者12への即座の対応が不可能であることと、住居18内にいる人物に、来訪者12が来たことが報知されていることの両方の情報を、来訪者12への応答内容に反映させることも可能となる。したがって、来訪者12への応答内容を、在宅している在宅者の状況に応じた応答内容とすることができる。
またインターホン装置10は、来訪者撮像手段26と、来訪者識別手段27とをさらに含んで構成される。来訪者撮像手段26は、来訪者12を撮像し、撮像した来訪者の画像を表す来訪者画像を取得する。来訪者識別手段27は、来訪者12の来訪者画像を解析することによって、来訪者12を識別する。制御手段17は、来訪者識別手段27による識別結果に基づいて、出力手段16に出力させる1または複数の応答情報21を選択する。これによって、来訪者12による差異に応じて、応答内容を変更することが可能となる。たとえば来訪者12の人数、性別、制服、および人物などのいずれか1つ以上の種別に応じて応答内容を変更することが可能となるので、応答内容を、来訪者12の役割または目的に即したものとすることができる。
また住居内検知手段11は、人物の存在位置を検出する。これによって、たとえば浴室36など、来訪者に対して即座に対応することが困難な場所において、人物が存在しているか否かの情報を取得することができる。したがって、浴室36など来訪者への即座の対応が困難な場所が人物の存在位置である場合に、来訪者12への即座の対応が不可能であることと、住居18内にいる人物に、来訪者12が来たことが報知されていることの両方の情報を、来訪者12への応答内容に反映させることができる。したがって、来訪者12への応答内容を、在宅している在宅者の状況に応じた応答内容とすることができる。
また、住居内検知手段11は、便所34が人物の存在位置であるか否かを判定する。これによって、便所34において、人物が存在しているか否かの情報を取得することができる。したがって、便所34が人物の存在位置である場合に、来訪者12への即座の対応が不可能であることと、住居18内にいる人物に、来訪者12が来たことが報知されていることの両方の情報を、来訪者12への応答内容に反映させることができる。
インターホン装置10は、居住者識別手段111をさらに含み、居住者識別手段111は居住者情報記憶部112を有する。居住者情報記憶部112は、住居18に居住する居住者の個人属性情報113を列挙して記憶する。居住者の個人属性情報113は、各居住者の性別、生年月日、身長、および体重などの少なくとも一部の情報である。また、居住者の個人属性情報113は、居住者情報25を含む。居住者情報25は、記憶手段79に記憶される来訪者応答情報20にも含まれる。また、居住者の個人属性情報113は、各居住者が撮像された画像の解析結果を含むものであってもよい。
居住者識別手段111は、検知された人物について住居内検知手段11が取得した予め定める種類の情報を解析することによって、検知された人物を識別する。制御手段17は、居住者識別手段111の識別結果に基づいて、出力手段16に出力させる1または複数の応答情報21を選択する。居住者情報記憶部112は、記憶手段79のうちに設けられ、RAM、HDD、SSDなどのいずれか1つの装置構成を含んで実現される。
住居内検知手段11が取得する予め定める種類の情報は、画像情報を含む。居住者情報記憶部112は、住居18に居住する居住者の画像に関する情報を記憶する。居住者識別手段111は、人物存在判定部24によって人物が撮像されていると判定されたときに、人物が撮像されている屋内画像と、居住者情報記憶部112に記憶される居住者の画像に関する情報とを比較し類比判断する。
来訪者記憶部58は、来訪者撮像手段26によって撮像された来訪者画像を記憶し、また来訪者記憶部58は、来訪者識別手段27による来訪者画像の識別結果を、居住者情報記憶部112に記憶される居住者のうちの少なくとも一部の人物の情報に関連付けて記憶する。
インターホン装置10は、複数の報知手段114をさらに含んで構成される。複数の報知手段114は、制御手段17によって制御され、住居18の内部における各人物に対し、各人物の存在位置に応じて報知を行う。来訪者12が来訪し、来訪者識別手段27による識別結果が、居住者の一部の人物に関連付けられることを表したときに、制御手段17は、関連付けられた居住者の一部の人物の存在位置に対応する報知手段114による報知を、他の報知手段114による報知よりも早く行わせる制御を行う。
居住者識別手段111は、屋内画像に含まれる在宅者の顔を人物の顔であると判定するとともに、居住者のうちの誰であるかということを識別する。カメラ32は、たとえば台所であれば、流し台38に立つ人物の顔を撮像しやすい位置に設置する。また部屋28であれば、入室する人物の顔を撮像しやすい位置に設置する。人物の顔であるか否かの判定および居住者のうちの誰であるかの識別には、来訪者識別手段27による識別と同様の手法を用いることができる。カメラ32によって撮像された屋内画像に顔が写っていない場合、および居住者以外の人物が撮像された場合など、居住者のうちの誰であるかを識別できないときには、「識別不能」または「その他の人物である」との判定を行ってもよい。
来訪者識別手段27は、来訪者12が来たときには、来訪者12を来訪者記憶部58に記憶されている来訪者情報63に基づいて判定する。すなわち来訪者12の類型を、居住者のうちの誰を訪問した来訪者12であるかという情報に基づいて判定する。この判定結果に基づいて、訪問を受けた居住者が在宅していれば、訪問を受けていない他の居住者への報知よりも、訪問を受けた居住者への報知を優先して行う。来訪者識別手段27は、来訪者12が居住者のうちの誰を訪問したのかを、来訪者応答情報20に基づいて判断する。
またインターホン装置10は、屋外カメラ42によって撮像した映像情報および屋外マイク44によって取得した音声情報を、録画、録音する。このために、図11に示すように、インターホン装置10は、映像コーデック部116および音声コーデック部118をさらに含んで構成される。映像コーデック部116は、映像を録画および再生するときに必要なプロトコルである映像コーデックを記憶している。音声コーデック部118は、音声を録画および再生するときに必要なプロトコルである音声コーデックを記憶している。
図12は、居住者が1人とは限らない場合の来訪者12への応答方法の工程を表すフローチャートである。本処理開始後、ステップb1に移行し、来訪者12の検出を行う。来訪者12の検出は、赤外線を利用した物体の近接を感知するセンサをインターホン屋外機39の近傍の設置し、このセンサによって検出してもよいけれども、インターホン屋外機39に設けられた押しボタン54が押下されたか否かを検出することによって行われる。来訪が検出されなければ、検出されるまで検出を試みる。
次にステップb2に移行し、在宅者の有無の判定および特定を行う。これは、カメラ32によって撮像された屋内画像を居住者識別手段111によって識別することによって行う。他の実施形態においては、他の方法で識別を行ってもよい。ステップb2では、在宅者がいれば、在宅者の特定が不可能であっても、「在宅者あり」と判断して次の工程に移行する。
ステップb2において在宅者がいる場合には、ステップb3に移行し、在宅者の存在位置が、応答可能な位置であるか否かの判定を行う。在宅者の存在位置が、便所34および浴室36の少なくともいずれか一方または両方のみであり、それ以外の場所が在宅者の存在位置ではない場合には、応答が不可能であると判断する。在宅者の存在位置が、住居18内のうち、便所34および浴室36を除く他の位置である場合には、応答可能な位置であると判断する。在宅者の存在位置が応答可能な位置であるとは、住居の内部において存在が検知された人物が応対可能な場所にいることである。
ステップb3で、在宅者の存在位置が応答可能な位置であると判断されると、ステップb4に移行し、来訪者12の類型を判断する。図12に示す具体例では、まず業者であるか否かを判定し、判定されれば、さらに来訪者12がいずれの類型であるかの判定を行う。業者は、業者関係の来訪者である。判定不可能な場合には、たとえば特定の業者の類型と同等であるとの判定を行うように設定されていてもよい。この場合、在宅者の存在位置が応答可能な位置であるので、図7に関連して説明した「状況(b)」に該当する。
ステップb4において業者であると判定されると、ステップb5に移行し、来訪者12の類型に応じた対応の決定を行う。次にステップb6に移行し、ステップb5における決定内容に応じた対応を行う。具体的には、屋内に設けられる複数の報知手段114のすべてによって報知を行う。この場合には、在宅者はすぐに応答可能であるので、来訪者12に対しては、屋外スピーカ46および屋外表示部48による動作は、行わない。
ステップb4で、来訪者12が業者ではないと判定された場合には、ステップb7に移行し、来訪者12の類型に応じた対応の決定を行う。次にステップb8に移行し、ステップb7における決定内容に応じた対応を行う。来訪者12が、居住者のうちの一部の人物への来訪者12である場合には、訪問を受けた居住者がいる場所に設置された報知手段114によって呼び鈴としての音声を鳴動させ、訪問を受けていない他の居住者に優先して報知を行う。訪問を受けた居住者には、訪問を受けていない居住者よりも早く、報知を行うことによって優先する構成としたけれども、他の実施形態では、大きな音声を鳴動させることによって訪問を受けた居住者に、訪問を受けていることを知らせる構成としてもよい。
ステップb3において、在宅者は居るけれども在宅者の存在位置が、応答が不可能な場所であると判定された場合には、ステップb9に移行し、来訪者12の類型判定を行う。ステップb9では、まず来訪者12が業者であるか否かを判定し、さらに細分化された複数の類型に、来訪者12を分類する。来訪者12が業者である場合には、ステップb10に移行し、来訪者12の類型に応じた対応の決定を行う。具体的には、屋内に設けられる複数の報知手段114のすべてによって報知を行う。この場合、在宅者の存在位置が応答の不可能な位置であるので、図7に関連して説明した「状況(a)」に該当する。来訪者12である業者に対しては、状況(a)においてその業者の類型に定められる対応を選択する。次にステップb11に移行し、ステップb10における決定内容に応じた対応を行う。
ステップb9において、来訪者12が業者ではないと判定された場合には、ステップb12に移行し、来訪者12の類型に応じた対応の決定を行う。来訪者12が、居住者のうちの一部の人物への来訪者12である場合には、訪問を受けた居住者がいる場所に設置された報知手段114によって呼び鈴としての音声を鳴動させ、訪問を受けていない他の居住者に優先して報知を行う。次にステップb13に移行し、ステップb12における決定内容に応じた対応を行う。
ステップb2において在宅者がいないと判定された場合にも、屋内での報知手段114による音声の鳴動は行う。これによって、在宅者が居てその存在位置を特定することができない場合にも、在宅者が来訪者12の来訪に気付くことができる。ステップb2において在宅者がいないと判定されると、ステップb14に移行し、来訪者12の類型判定を行う。ステップb14では、まず来訪者12が業者であるか否かを判定し、さらに細分化された複数の類型に、来訪者12を分類する。
ステップb14で、来訪者12が業者であると判定された場合には、ステップb15に移行し、来訪者12の類型に応じた対応の決定を行う。具体的には、屋内に設けられる複数の報知手段114の全てによって報知を行う。この場合、在宅者が存在しないので、図7に関連して説明した「状況(c)」に該当する。来訪者12である業者に対しては、状況(c)においてその業者の類型に定められる対応を選択する。次にステップb16に移行し、ステップb15における決定内容に応じた対応を行う。
ステップb14において来訪者12が業者ではないと判定された場合には、ステップb17に移行し、来訪者12の類型に応じた対応の決定を行う。来訪者12が、居住者のうちの一部の人物への来訪者12である場合には、訪問を受けた居住者がいる場所に設置された報知手段114によって呼び鈴としての音声を鳴動させ、訪問を受けていない他の居住者に優先して報知を行う。次にステップb18に移行し、ステップb17における決定内容に応じた対応を行う。その後、ステップb1に移行し、再び来訪者12があるか否かの判定を行う。
図13は、来訪者12への応答方法において、来訪者12に関して行う工程を表すフローチャートである。図13は、図12のステップb4,b9,b14において来訪者12の識別が行われる工程およびこれ以降の工程を、来訪者12への対応について、さらに詳細に説明する図である。
まず、ステップc1において、来訪者12の検出を行う。来訪が検出されなければ、検出されるまで検出を試みる。この工程は、図12に関連して説明したステップb1と同一である。次にステップc2に移行し、来訪者12の撮像を開始する。来訪者12の撮像は、制御手段17によって制御される屋外カメラ42によって行われる。次にステップc3に移行し、撮像して得られた映像の保存を開始する。映像の保存は、制御手段17によって、来訪者記憶部58に記憶される。
次にステップc4に移行し、来訪者12の認識を行う。これは、屋外カメラ42による撮像によって得られた映像を来訪者識別手段27によって解析することによって行われる。次にステップc5に移行し、来訪者識別手段27による識別結果に該当する来訪者情報63があるか否かを判定する。これは、来訪者記憶部58に記憶される来訪者情報63に基づいて、制御手段17によって行われる。
ステップc5において該当する来訪者情報63があると判定されると、ステップc6に移行し、友人または知人であるか否かの判定を行う。これは、制御手段17によって行われる。友人または知人は、業者以外の来訪者であり、業者とは区別される。友人または知人であると判定されると、ステップc7に移行し、来訪者12が訪問する訪問相手を特定する。これは、制御手段17が、来訪者情報63においてその来訪者12に関連付けられる居住者の個人属性情報113を抽出することによって行われる。次にステップc8に移行し、屋内での対応を行う。屋内での対応については、前述のように、来訪者12の訪問相手である居住者に対して優先的に報知を行う。
次にステップc9に移行し、来訪者12への対応を行う。このときの来訪者12への対応は、図12を参照して説明したように、来訪者12の類型、在宅者の有無および在宅者の存在位置に応じた対応を行う。次にステップc10に移行し、撮像および映像保存を終了する。その後、ステップc1に移行し、再び来訪者12があるか否かの判定を行う。
ステップc6において友人または知人ではないと判定されると、業者であると判定され、ステップc11に移行し、業者の類型が判定される。次に、ステップc12に移行し、屋内への対応を行う。このときは、在宅者の有無に関わらず屋内において報知を行い、在宅者が複数人居た場合にも、在宅者の一部に優先的な報知を行うことなく、全ての在宅者に等しく報知を行う。次にステップc13に移行し、来訪者12への対応を行う。このときの来訪者12への対応は、図12を参照して説明したように、業者の類型、在宅者の有無および在宅者の存在位置に応じた対応を行う。次にステップc10に移行し、撮像および映像保存を終了する。
ステップc5において、来訪者記憶部58に記憶される来訪者情報63のうちで、来訪者12の識別結果に該当する来訪者情報63がないと判断されると、ステップc14に移行し、来訪者12が指名手配犯であるか否かの判定を行う。指名手配犯についての情報は、記憶手段79に予め記憶されていてもよく、たとえばインターネット120を介して外部のデータベース121から提供されてもよい。この判断は、取得した指名手配犯についての情報に基づいて、制御手段17が行う。
ステップc14において指名手配犯であると判断されると、ステップc15に移行し、警察への通報が行われる。次にステップc16に移行し、予め定める応答を行う。これは、指名手配犯に対応して予め定められ、たとえば自動応答によっていくつかの質問をする、撮像における解像度を高くして撮像を続ける、などの対応を行う。この予め定める応答を行っている間は、撮像、撮像によって取得した映像の保存、および音声の録音を継続して行う。これによって、たとえば、後に声紋分析などを行うことが可能となる。その後、ステップc10に移行し、撮像および映像保存を終了する。
ステップc14において指名手配犯でないと判断されると、ステップc17に移行し、予め定める来訪者12への質問を自動的に音声出力する。次にステップc18に移行し、音声出力によって質問した内容に対する来訪者12の回答内容を、録音によって記憶する。これは屋外マイク44を介して制御手段17の制御によって行われ、来訪者記憶部58に録音される。次にステップc19に移行し、屋内への対応を行う。これは、単にスピーカ69を介して音声の鳴動を行うのみでもよく、また来訪者の声による録音情報を、スピーカ69を介して出力する構成であってもよい。その後、ステップc10に移行し、撮像および映像保存を終了する。ステップc10の後には、ステップc1に移行する。
上述したように、住居内検知手段11は、住居18の内部において存在位置が検知された人物についての予め定める種類の情報を取得する。インターホン装置10は、居住者識別手段111をさらに含み、居住者識別手段111は居住者情報記憶部112を有する。居住者情報記憶部112は、住居18に居住する居住者の個人属性情報113を列挙して記憶する。居住者識別手段111は、検知された人物について住居内検知手段11が取得した予め定める種類の情報を解析することによって、検知された人物を識別する。制御手段17は、居住者識別手段111の識別結果に基づいて、出力手段16に出力させる1または複数の応答情報21を選択する。
これによって、住居内に居る人物を識別することができ、識別された在宅者の状況に応じて来訪者12への応答内容を変更することができる。たとえば、居住者識別手段111によって識別された人物が、住居18に居住する居住者であるか否か、および居住者のうちの誰であるかに基づいて、来訪者12への応答内容を変更することができる。これによって、住居18に設定される安全性の水準を、住居18内に居る人物が必要とする安全性の水準に合わせることが可能となる。
また、インターホン装置10は、来訪者記憶部58を含んで構成される。来訪者記憶部58は、来訪者撮像手段26によって撮像された来訪者画像を記憶する。また来訪者記憶部58は、来訪者識別手段27による来訪者画像の識別結果を、居住者情報記憶部112に記憶される居住者のうちの少なくとも一部の人物の情報に関連付けて記憶する。
これによって、すでに画像情報および来訪者識別手段27による識別結果が、来訪者記憶部58に記憶される来訪者12が来訪したときに、来訪者12が、居住者のうちの誰を訪問する来訪者12であるか否かを判定することができる。したがって、来訪を受けた居住者が在宅しているか否かに応じて来訪者12への応答内容を変更することができ、また来訪を受けた居住者が在宅している場合には、在宅している居住者の状況に応じて、来訪者12への応答内容を変更することができる。さらに来訪者12に応じて、在宅者に優先順位を設定することが可能となり、その優先順位に応じた報知を行うことが可能となる。
また、インターホン装置10は、複数の報知手段114をさらに含んで構成される。複数の報知手段114は、制御手段17によって制御され、住居18の内部における各人物に対し、各人物の存在位置に応じて報知を行う。来訪者12が来訪し、来訪者識別手段27による識別結果が、居住者の一部の人物に関連付けられることを表したときに、制御手段17は、関連付けられた居住者の一部の人物の存在位置に対応する報知手段114による報知を、他の報知手段114による報知よりも早く行わせる制御を行う。
これによって、来訪を受けた在宅者への報知を、複数の在宅者のうち来訪を受けた在宅者を除く他の在宅者への報知よりも優先して早く行うことができる。したがって、来訪者12に対する応答内容を、来訪者12および来訪を受けた在宅者両方に好ましい応答内容とすることができる。
またさらに、住居内検知手段11が取得する予め定める種類の情報は、画像情報を含む。住居内検知手段11は、1または複数の屋内撮像部22と、人物存在判定部24とを有する。1または複数の屋内撮像部22は、住居18の内部の複数の位置において撮像を行い、屋内画像を取得する。人物存在判定部24は、屋内画像を解析し、住居18の内部の各位置において人物が撮像されているか否かを判定する。居住者情報記憶部112は、住居18に居住する居住者の画像に関する情報を記憶する。居住者識別手段111は、人物存在判定部24によって人物が撮像されていると判定されたときに、人物が撮像されている屋内画像と、居住者情報記憶部112に記憶される居住者の画像に関する情報とを比較し類比判断する。
これによって、住居18内において異なる複数の位置で人物が存在するか否かを判定し、撮像された人物を、居住者情報記憶部112に記憶される情報に基づいて、識別することができる。したがって、来訪者12が来訪したときに、在宅者の状況に応じて即座に応答内容を選択することができる。
また、住居内検知手段11が取得する予め定める種類の情報は、体重についての計数情報を含む。住居内検知手段11は、重量計測部を含み、重量計測部は、住居18の内部の1または複数の位置において重量測定を行い、重量情報を取得する。居住者情報記憶部112は、住居18に居住する居住者の体重に関する情報を記憶する。居住者識別手段111は、重量計測部によって取得された重量情報と、居住者情報記憶部112に記憶される情報とを比較し、類比判断する。
これによって、人物の存在位置に関する情報を、高い精度で取得することが可能となる。たとえば台所および便所34など、人物が位置する可能性の高い場所が局所的である場合には、住居内検知手段11によって検地される範囲を、人物が位置する可能性の高い場所に、局所的に配置することが可能となる。また便所34など、人物が存在しているか否かの情報を、画像を撮像することによって取得することが好ましくない場所においては、住居内検知手段11による検知方法に多様性を付与し、汎用性の高いインターホン装置10を実現することができる。
したがって、居住者が複数であり、複数の居住者の体重がそれぞれに異なる場合に特に有効である。同一人物の体重も、食事、運動および入浴などによって増減するけれども、本実施形態は、居住者毎の体重の差異は、同一人物の日々の体重変化による差異よりも大きい場合に、適用可能である。
体重を測定する重量計測部は、たとえば台所であれば、流し台38の付近に立つことによって、人間の体重を検出できる位置、すなわち流し台38に立つ人物の足元に位置する床に設ける。たとえば和式の便所34であれば、便器の横の床に設け、洋式の便所34であれば、便座に座ることによって体重を検出できるように、便座下などの位置に設置する。
また、住居内検知手段11が、浴室36が人物の存在位置であるか、または活動場所であるか否かを判定するときには、上水道または下水道の流量に基づいて判定を行う。住居内検知手段11は、流量測定部と、流量判定部とを有する。流量判定部は、浴室36での上水道または排水流路における流量を測定する。流量判定部は、流量測定部の測定結果に応じて、浴室36が人物の存在位置または活動場所であるか否かを判定する。具体的には、流量判定部は、たとえば数分〜数十分の時間単位で流量測定部の測定結果を参照する。これによって、浴室36では、数分以下の時間に流量がほぼ零L/minとなったとしても、人物が存在するのにも関わらず人物が浴室36に居ないと誤った判定がなされることを防止することができる。
住居内検知手段11は、流量測定部と、流量判定部とをさらに有し、流量判定部は、流量測定部の測定結果に応じて、浴室36が人物の存在位置または活動場所であるか否かを判定するので、浴室36において、人物が活動しているか否かの情報を取得することができる。浴室36では、人物が存在しているか否かの情報を、たとえば画像を撮像することによって取得することが好ましくない場合もあり得るので、住居内検知手段11による検知方法に多様性を付与し、汎用性の高いインターホン装置10を実現することができる。
図7および図12において、住居内検知手段11は、住居18内における人物の存在位置が浴室36および便所34である場合を、即座の対応が不可能な場合として例示したけれども、住居18内に人物が存在しても即座の対応が不可能な場合は、人物の存在位置が浴室36および便所34である場合に限定するものではない。たとえば人物の状況が睡眠中であったり、勉強部屋で勉強中であったりする場合を、検出することによって、「即座の対応が不可能な状況」だと判定してもよい。
具体的には、たとえば夜具にかかる人物の体重の分布、およびその経時変化を検出することによって、在宅している人物、すなわち居住者の状況を判定する構成としてもよい。また「即座の対応が不可能な場合」として、これらの条件を在宅者が操作部74を介して追加可能なインターホン装置10としてもよい。また予め定められる複数の設定条件から、「即座の対応が不可能な場合」として居住者が設定しておきたい1または複数の条件を選択して設定可能に構成してもよい。これによって、たとえば居住者のうちに受験を控えた人物がいる場合、住居18内であっても移動が困難な人物がいる場合などにも対応可能なインターホン装置10とすることができる。したがって居住者の多様な要望を満たすことができ、汎用性の高いインターホン装置10を実現することができる。
他の実施形態では、人物の有無についての検出、すなわち来訪者12および在宅者の存在を検出する手法は、赤外線センサ、熱センサ、超音波センサ、カメラ32、重量測定、などのいずれか1つでもよく、またいずれか2つ以上を併用する構成とすることもできる。
また個人を識別するための手法は、たとえば指紋認証、静脈形状認証、虹彩パターンの認証、人物が所持するカードであって、電子キーとしての情報が記録されたカード、または人物が所持するタグであって、無線通信によって個人を識別可能なタグなどを利用することもできる。これによって、一戸建てまたはマンションの居住空間など、住居として用いられる家屋のみならず、数名程度の社員が勤務する職場を成す建物においても、適用することができる。
図14は、インターホン装置10が接続されるネットワーク接続中継機器89の接続構成を示す図である。中継装置であるネットワーク接続中継機器89は、たとえばルータによって構成され、ネットワーク、たとえばインターネット120に接続される。ネットワーク接続中継機器89には、インターホン装置10、有線接続ネットワーク対応機器90および無線接続ネットワーク対応機器91が接続される。
インターホン装置10、有線接続ネットワーク対応機器90および無線接続ネットワーク対応機器91は、住居18内に存在する情報端末装置である。ネットワーク接続中継機器89は、情報端末装置間、および情報端末装置とネットワークとの間での情報の送受信を可能とする。インターホン装置10は、ネットワーク接続中継機器89を介してインターネット120に接続される。
有線接続ネットワーク対応機器90は、有線通信によるローカルエリアネットワーク(以下「有線LAN」という)に接続されるネットワーク対応機器である。無線接続ネットワーク対応機器91は、無線通信によるローカルエリアネットワーク(以下「無線LAN」という)に接続されるネットワーク対応機器である。以下、有線接続ネットワーク対応機器90および無線接続ネットワーク対応機器91を総称して、ネットワーク対応機器という。ネットワーク対応機器は、たとえばパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)、テレビジョン装置、ゲーム機、携帯電話機および携帯端末装置などの機器である。ネットワーク接続中継機器89に接続されるネットワーク対応機器は、1台であってもよいし、2台以上であってもよい。
有線接続ネットワーク対応機器90および無線接続ネットワーク対応機器91などのネットワーク対応機器には、インターホン装置10と情報を送受信するための専用のアプリケーションプログラム(以下「専用アプリ」という)が搭載される。制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89を介して、この専用アプリと情報を送受信する。この専用アプリは、その専用アプリがネットワーク対応機器で起動されているときに、インターホン装置10と通信可能である。
図15は、居住者登録データベース31の一例を示す図である。居住者登録データベース31は、操作部74の操作によって予め設定記憶部78に設定されるデータベースである。居住者登録データベース31は、「No」欄311、「識別名」欄312、「名前」欄313、「読み」欄314、「登録ポート」欄315および「登録機器」欄316の項目を含む。居住者登録データベース31は、居住者端末装置関連情報である。
「No」欄311は、登録される居住者に付与される番号を示す欄である。「識別名」欄312は、居住者を識別するための識別情報である識別名を示す欄である。「名前」欄313は、居住者の氏名を示す欄である。「読み」欄314は、氏名の読み方をカタカナで示す欄である。「登録ポート」欄315は、ネットワーク接続中継機器89の有線LAN用のポートのうち、「識別名」欄312に示される識別名の居住者に関連付けられたネットワーク対応機器が接続されるポートのポート番号を示す欄である。「登録機器」欄316は、「識別名」欄312に示される識別名の居住者に関連付けられたネットワーク対応機器の機器名称およびMAC(Media Access Control)アドレスを示す欄である。ポート番号またはMACアドレスは、各ネットワーク対応機器を識別するための機器識別情報である。
図15に示した例では、たとえばNo.1の居住者Aは、名前が「佐藤英樹」であり、読みが「サトウヒデキ」であり、登録ポートが「−」であり、登録機器が「−」である。登録ポートおよび登録機器が「−」で示されているのは、その居住者には、ネットワーク対応機器が関連付けられていないことを示している。すなわち、その居住者は、個別に使用するネットワーク対応機器を所有していないことを示している。
No.2の居住者Bは、名前が「佐藤幸一」であり、読みが「サトウコウイチ」であり、登録ポートが「1」であり、登録機器が「携帯端末Z 12−23−45−67−78−89」である。これは、登録機器の機器名称が「携帯端末Z」であり、MACアドレスが「12−23−45−67−78−89」であることを示している。
同様に、No.3の居住者Cは、名前が「佐藤良子」であり、読みが「サトウリョウコ」であり、登録ポートが「2」であり、登録機器が「携帯端末X AB−CD−EF−GH−IJ−KS」である。No.4の居住者Dは、名前が「佐藤圭介」であり、読みが「サトウケイスケ」であり、登録ポートが「3」であり、登録機器が「携帯端末W 12−G6−77−JD−H4−35」である。No.5の居住者Eは、名前が「佐藤絵里」であり、読みが「サトウエリ」であり、登録ポートが「4」であり、登録機器が「携帯端末Y 98−HR−56−KE−3J−6Y」である。
図16は、ネットワーク対応機器に表示される来訪中表示画面の例を示す図である。図16(a)は、携帯電話機910に表示される来訪中表示画面911の一例を示す図である。携帯電話機910は、無線接続ネットワーク対応機器91の一例である。携帯電話機910は、インターホン装置10から受け取った来訪中情報を来訪中表示画面911に表示する。
来訪中情報は、来訪者12が来訪していることを表す情報である。来訪中情報は、来訪者撮像手段26によって撮像された来訪者12の来訪者画像912、および来訪者12が来訪していることを報知するためのメッセージ913を含む。メッセージ913は、たとえば「10:00 斎藤順子さんが来られています。応対してください。」というメッセージである。来訪中表示画面911には、「通話する」ボタン914、および「切断する」ボタン915が設けられる。
「通話する」ボタン914は、ネットワーク接続中継機器89、屋内機65およびインターホン屋外機39を介して、来訪者12との通話を開始することを、インターホン装置10に指示するための操作ボタンである。「切断する」ボタン915は、開始した通話を切断することを、インターホン装置10に指示するための操作ボタンである。操作ボタンの操作は、画面がタッチパネルであるときは、目的の操作ボタンにタッチすることによって行われる。画面がタッチパネルでないときは、たとえば携帯電話機910の操作部に設けられるカーソルキーを操作して、来訪中表示画面911に表示されるカーソルを操作ボタンの位置に移動し、その操作部に設けられる決定ボタンなどを押下することによって操作する。
図16(b)は、パソコン900に表示される来訪中表示画面901の一例を示す図である。パソコン900は、有線接続ネットワーク対応機器90の一例である。パソコン900は、インターホン装置10から受け取った来訪中情報を来訪中表示画面901に表示する。来訪中表示画面901は、図16(a)に示した来訪中表示画面911と同じ内容が表示されるので、同じ参照符を付して、説明を省略する。
図17は、友人知人関係の対応動作B処理後の報知強化処理の処理手順を示すフローチャートである。報知強化処理は、来訪者12があることを居住者により確実に報知するための処理である。友人知人関係の対応動作B処理後の報知強化処理は、図12に示したステップb8の対応動作B処理実行が行われた後に実行される処理である。図12に示したステップb8で説明した処理が実行された後、ステップd1に移る。図17には、図12に示したステップb8をステップd1として示している。
図17に示す報知強化処理の場合、図12に示したステップb2では、制御手段17は、来訪者識別手段27によって識別された来訪者12に関連付けられた居住者を、図6に示した友人知人関係来訪者応答情報20bに基づいて特定し、特定した居住者が住居18内に存在するか否かを判定する。友人知人関係の来訪者12の場合、来訪者12に関連付けられる居住者はいずれか1人である。特定した居住者が住居18内に存在するとき、ステップb3に進み、特定した居住者が住居18内に存在しないとき、ステップb14に進む。図12に示したステップb3では、制御手段17は、特定した居住者の存在位置が応答可能な位置であるか否かの判定を行う。特定した居住者の存在位置が応答可能な位置であるとき、特定した居住者を、対象の居住者として、ステップb4に進み、特定した居住者の存在位置が応答可能な位置でないとき、ステップb9に進む。
ステップd1では、制御手段17は、図12に示したステップb8の対応動作B処理実行が行われる。すなわち、来訪者12の類型に応じた対応が行われる。ステップd2では、制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89を使用中であるか否かを判定する。具体的には、制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89から通信中端末情報を取得する。通信中端末情報は、ネットワーク接続中継機器89を介してネットワーク、たとえばインターネット120と情報の送受信を行っているネットワーク対応機器があるか否かを示す情報、およびネットワーク接続中継機器89を介してネットワークと情報の送受信を行っているネットワーク対応機器があるときは、そのネットワーク対応機器の機器識別情報を含む。
制御手段17は、取得した通信中端末情報が、ネットワーク接続中継機器89を介してネットワークと情報の送受信を行っているネットワーク対応機器があることを示しているとき、ネットワーク接続中継機器89を使用中であると判定し、ステップd3に進む。取得した通信中端末情報が、ネットワーク接続中継機器89を介してネットワークと情報の送受信を行っているネットワーク対応機器があることを示していないとき、ネットワーク接続中継機器89を使用中でないと判定し、友人知人関係の対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。以下、ネットワーク接続中継機器89を介してネットワークと情報の送受信を行っているネットワーク対応機器を、「通信中のネットワーク対応機器」という。
ステップd3では、制御手段17は、対象の居住者が使用中であるか否かを判定する。対象の居住者は、ステップd1に来た時点で、来訪者12に関連付けられ、かつ対応可能な場所にいる居住者とされている。したがって、ここでは、制御手段17は、通信中のネットワーク対応機器が対象の居住者と関連付けられているか否かを、居住者登録データベース31に基づいて判断する。通信中のネットワーク対応機器が対象の居住者と関連付けられているとき、対象の居住者が使用中であると判定し、ステップd4に進む。通信中のネットワーク対応機器が対象の居住者と関連付けられていないとき、対象の居住者が使用中でないと判定し、友人知人関係の対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。
ステップd4では、制御手段17は、機器内にて情報受信アプリが起動中であるか否かを判定する。情報受信アプリは、専用アプリのことである。制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89を介して、通信中のネットワーク対応機器に搭載される専用アプリと情報の送受信が可能であるか否かを試行する。通信中のネットワーク対応機器に搭載される専用アプリと情報の送受信ができたとき、機器内にて情報受信アプリが起動中であると判定し、ステップd5に進む。通信中のネットワーク対応機器に搭載される専用アプリと情報の送受信ができなかったとき、機器内にて情報受信アプリが起動中でないと判定し、友人知人関係の対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。
ステップd5では、制御手段17は、対象の居住者の機器へ情報を送信する。具体的には、制御手段17は、来訪中情報を、ネットワーク接続中継機器89を介して、ステップd4で起動中であると判定された専用アプリに送信する。
ステップd6では、機器内アプリが情報を受信し、友人知人関係の対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。機器内アプリは、専用アプリのことである。具体的には、ステップd4で起動中であると判定された専用アプリは、インターホン装置10から送信された来訪中情報を受信し、受信した来訪中情報を表示画面に、たとえば図16に示した例のように表示して、友人知人関係の対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。
図18は、業者関係の業者用対応動作B処理後の報知強化処理の処理手順を示すフローチャートである。業者関係の業者用対応動作B処理後の報知強化処理は、図12に示したステップb6の業者用対応動作B処理実行が行われた後に実行される処理である。図12に示したステップb6で説明した処理が実行された後、ステップe1に移る。図18には、図12に示したステップb6をステップe1として示している。
図18に示す報知強化処理の場合、図12に示したステップb2では、制御手段17は、来訪者識別手段27によって識別された来訪者12に関連付けられた居住者を、図5に示した業者関係来訪者応答情報20aに基づいて特定し、特定した居住者が住居18内に存在するか否かを判定する。業者関係の来訪者12の場合、来訪者12に関連付けられる居住者は1人とは限らない。特定した居住者の少なくとも1人が住居18内に存在するとき、ステップb3に進み、特定した居住者のすべてが住居18内に存在しないとき、ステップb14に進む。図12に示したステップb3では、制御手段17は、特定した居住者のうち在宅する居住者の存在位置が応答可能な位置であるか否かの判定を行う。以下、特定した居住者のうち在宅する居住者を、特定した在宅者という。特定した在宅者のうち少なくとも1人の存在位置が応答可能な位置であるとき、特定した在宅者のうち応対可能な位置である在宅者を、対象の居住者として、ステップb4に進む。特定した在宅者のすべての存在位置が応答可能な位置でないとき、ステップb9に進む。
ステップe1では、制御手段17は、図12に示したステップb6の業者用対応動作B処理実行が行われる。すなわち、来訪者12の類型に応じた対応が行われる。ステップe2では、制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89を使用中であるか否かを判定する。具体的には、制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89から通信中端末情報を取得する。取得した通信中端末情報がネットワーク接続中継機器89を介してネットワークと情報の送受信を行っているネットワーク対応機器があることを示しているとき、ネットワーク接続中継機器89を使用中であると判定し、ステップe3に進む。取得した通信中端末情報がネットワーク接続中継機器89を介してネットワークと情報の送受信を行っているネットワーク対応機器があることを示していないとき、ネットワーク接続中継機器89を使用中でないと判定し、業者関係の業者用対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。
ステップe3では、制御手段17は、機器内にて情報受信アプリが起動中であるか否かを判定する。制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89を介して、通信中のネットワーク対応機器に搭載される専用アプリと情報の送受信が可能であるか否かを試行する。通信中のネットワーク対応機器に搭載される専用アプリと情報の送受信ができたとき、機器内にて情報受信アプリが起動中であると判定し、ステップe4に進む。通信中のネットワーク対応機器に搭載される専用アプリと情報の送受信ができなかったとき、機器内にて情報受信アプリが起動中でないと判定し、業者関係の業者用対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。
ステップe4では、制御手段17は、接続中のすべての機器へ情報を送信する。接続中の機器とは、ステップe3で、機器内にて情報受信アプリが起動中であるか否かを確認するために、情報の送受信が可能であるか否かを試行し、情報の送受信ができた専用アプリが搭載されるネットワーク対応機器である。具体的には、制御手段17は、来訪中情報を、ネットワーク接続中継機器89を介して、ステップe3で起動中であると判定された専用アプリに送信する。
ステップe5では、機器内アプリが情報を受信し、業者関係の業者用対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。具体的には、ステップe3で起動中であると判定された専用アプリは、インターホン装置10から来訪中情報を受信し、受信した来訪中情報を表示画面に、たとえば図16に示した例のように表示して、業者関係の業者用対応動作B処理後の報知強化処理を終了する。
このように、住居18内に存在する情報端末装置間、および前記情報端末装置とネットワークとの間での情報の送受信を可能とするネットワーク接続中継機器89に接続されるインターホン装置では、住居内検知手段11は、住居18の内部における人物の存在を検知する。応答情報記憶部13は、住居18を来訪する来訪者12に対する、互いに異なる複数の応答内容を表す複数の応答情報21を記憶する。出力手段16は、来訪者12に対し前記複数の応答情報21のうちの1または複数の応答情報21が表す1または複数の応答内容を住居18の外部に出力する。押しボタン54は、来訪者12が来訪したことを検知する。そして、制御手段17は、押しボタン54によって来訪者12が来訪したことが検知されたとき、住居内検知手段11による検知結果に基づいて、応答情報記憶部13に記憶される複数の応答情報21から1または複数の応答情報21を選択し、選択された応答情報21が表す応答内容を出力手段16に出力させ、さらに、前記通信中端末情報が示す情報端末装置に、来訪者12が来訪していることを表す来訪中情報を、ネットワーク接続中継機器89を介して送信する。したがって、来訪者12への応答内容を在宅している在宅者の状況に応じた応答内容とすることができ、さらに、来訪者12があることをより確実に居住者に知らせることができる。
さらに、制御手段17は、ネットワーク接続中継機器89を介してネットワークと情報の送受信を行っている情報端末装置を表す通信中端末情報をネットワーク接続中継機器89から取得し、取得した通信中端末情報が示す情報端末装置に、来訪者が来訪していることを表す来訪中情報を、ネットワーク接続中継機器89を介して送信する。したがって、来訪中情報を、ネットワークと情報の送受信を行っている情報端末装置に表示することができ、より確実に居住者に知らせることができる。
さらに、来訪者撮像手段26は、来訪者12を撮像し、撮像した来訪者12の画像を表す来訪者画像を取得する。来訪者識別手段27は、来訪者撮像手段26によって取得された来訪者画像を解析することによって、来訪者12を識別する。記憶手段79は、各来訪者12に関連付けられる居住者を来訪者12ごとに表わす来訪者応答情報20、および各居住者に関連付けられる情報端末装置を居住者ごとに表わす居住者登録データベース31を記憶する。そして、制御手段17は、来訪者識別手段27によって識別された来訪者12に関連付けられた居住者を、記憶手段79に記憶される来訪者応答情報20に基づいて特定し、特定した居住者が、住居内検知手段11によって存在が検知された居住者であるとき、前記特定された居住者に関連付けられた情報端末装置を、記憶手段79に記憶される居住者登録データベース31に基づいて特定し、特定した情報端末装置に、前記来訪中情報を、ネットワーク接続中継機器89を介して送信する。したがって、来訪者12があることをその来訪者12に関連付けられた居住者に、より確実に知らせることができる。
さらに、記憶手段79に記憶される来訪者応答情報20は、業者関係の来訪者12と居住者のうちの少なくとも1人とを関連付ける業者関係来訪者応答情報20aと、業者関係以外の来訪者12と居住者のいずれか1人とを関連付ける友人知人関係来訪者応答情報20bとを含む。したがって、来訪者12が業者である場合、業者に関連する少なくとも1人の在宅者に、来訪者12が友人知人である場合、その友人または知人に関連する1人の在宅者に、来訪者12があることをより確実に居住者に知らせることができる。
さらに、前記情報端末装置は、自インターホン装置10と情報を送受信するためのアプリケーションプログラムを搭載する。そして、制御手段17は、前記情報端末装置に搭載されるアプリケーションプログラムが起動されているときに、前記来訪中情報を、ネットワーク接続中継機器89を介して送信する。したがって、専用アプリが搭載され、かつその専用アプリが起動されている情報端末装置に、来訪中情報を通知することができる。