JP5579400B2 - 溶融シリカの3圧力水素添加サイクル - Google Patents

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Description

本発明は溶融シリカに関する。より詳しくは、本発明は、水素を含む溶融シリカに関する。さらにより詳しくは、本発明は、溶融シリカに水素を添加する方法に関する。
レンズや他の光学成分などの、193nmのエキシマレーザ照射に曝露される溶融シリカ物品には、レーザ光によるガラスの損傷を緩和するために、通常、曝露前に水素(H2)が添加される。そのような水素添加には、典型的に、ガラス中の全域に少なくとも最小水素濃度を確立すると同時に、平均水素濃度を所定の上限未満に維持することが含まれる。
水素添加は、約500℃未満の温度に維持される炉内においてガラス中に水素を拡散させることによって行われる。ガラス表面でのまたは表面近くの水素濃度は、温度と水素分圧の組合せにより決まる。溶融シリカ塊内の水素濃度は、拡散速度および添加時間により決まる。拡散は遅いので、溶融シリカ中の全域に最小添加濃度を満足させるのに十分な水素をガラスに移行させるのに要する時間は、数日から数ヶ月に及ぶことがある。
溶融シリカに水素を添加する方法の1つでは、平均添加限界に等しいH2濃度を表面に設定するように温度と圧力を組み合わせている。これらの単独の圧力添加条件は、添加最小限を超えるようにその部材の中心に十分な水素が拡散するのに十分に長く維持する必要がある。ガラス表面以外のどこの水素レベルも表面濃度未満であるので、このように添加されたガラスは自動的に、平均添加上限未満に維持される。しかしながら、単独の圧力印加プロセスは、ガラス表面での水素濃度が決してそれほど高くはなく、したがって、ガラス中への拡散速度が比較的遅いので、極めて長くかかり得る。
溶融シリカに水素を添加するのに要する時間を減少させる試みにおいて、二工程添加サイクルが現在用いられている。第1の工程中に上昇した水素分圧を使用することによって、単独圧力添加プロセスにおけるよりも、最初により多くの水素が溶融シリカ部材に進入する。添加の初期段階で部材の中心により多くの水素を拡散させることによって、水素の初期量がより多くなるために添加時間が減少し、それゆえ、全体の添加時間が減少する。しかしながら、最初にずっと多くの水素が部材に進入するので、部材全体を最小濃度まで添加するかなり前に、平均濃度上限を超えてしまうかもしれない。したがって、部材の中心のH2濃度がまだ増加しているときでさえも、表面近くの過剰の水素をある程度除去することによって平均濃度を減少させるための第2の工程中に、水素の圧力が下げられる。単独圧力添加と比較して、そのような二工程サイクルは、50%以上も添加時間を減少させることができる。それにもかかわらず、二工程プロセスを用いて溶融シリカ部材に十分な量の水素を添加するのに要する時間は依然として長い。
製造環境において、異なる厚さを持つ多数の溶融シリカ部材を同じ炉内で一緒に同時添加することがしばしば望ましい。二工程添加プロセスでは、水素添加とその後の溶融シリカ部材からの水素除去に要する期間は部材の厚さに依存するので、同じ炉内で一緒に添加される溶融シリカ部材の厚さの範囲も限られている。
本発明は、少なくとも1種類の溶融シリカ物品に水素を添加する方法を提供する。少なくとも1種類の溶融シリカ物品に、その物品の中心の水素濃度が添加完了の際に最小濃度を超えるように水素を最初に添加する。ある実施の形態において、これは、溶融シリカ物品を約1気圧の純粋な水素の雰囲気に曝露することによって行われる。次いで、溶融シリカ物品が最大平均濃度限界未満の平均水素濃度を有するように、溶融シリカ物品から水素を除去する。ある実施の形態において、これは、溶融シリカ物品を、0.0気圧の水素の分圧を有する雰囲気に曝露することによって行われる。次いで、溶融シリカ物品の表面領域に再添加して、物品全体の水素濃度が所定の濃度範囲内にあることを確実にする。ある実施の形態において、これは、その物品を、0.1気圧から約0.25気圧の範囲にある水素分圧を有する雰囲気に曝露することによって行われる。水素を含む溶融シリカ物品も記載されている。
したがって、本発明のある態様は、少なくとも1種類の溶融シリカ物品にある水素濃度となるように水素を添加する方法を提供することにある。この水素濃度は、最大平均濃度および最小濃度を有する所定の濃度範囲内にある。この方法は、表面領域および中心部分を有する溶融シリカ物品を少なくとも1種類提供する工程;少なくとも1種類の溶融シリカ物品を所定の温度で加熱する工程;少なくとも1種類の溶融シリカ物品に前記所定の温度で、溶融シリカ物品の中心部分が、少なくとも1種類の溶融シリカ物品の添加が完了した際に、最小濃度を超える水素濃度を有するように水素を添加する工程;溶融シリカ物品が、最大平均濃度限界未満の平均水素濃度を有するように、所定の温度で溶融シリカ物品の表面領域から十分な水素を除去する工程;および溶融シリカ物品全体に渡る水素濃度が所定の濃度範囲内にあるように、表面領域に所定の温度で水素を再添加する工程を有してなる。
本発明の第2の態様は、少なくとも1種類の溶融シリカ物品に所定の水素濃度となるように水素を添加する方法を提供することにある。この方法は、少なくとも1種類の溶融シリカ物品を提供する工程;および少なくとも1種類の溶融シリカ物品を所定のサイクル時間に亘りある雰囲気下で所定の温度で加熱する工程を有してなる。少なくとも1種類の溶融シリカ物品を加熱する工程は、少なくとも1種類の溶融シリカ物品を、サイクル時間の第1の期間に亘り、水素から実質的になる雰囲気下で加熱する工程であって、第1の期間がサイクル時間の少なくとも50%である工程;少なくとも1種類の溶融シリカ物品を、サイクル時間の第2の期間に亘り、水素を含まない雰囲気下で加熱する工程;および少なくとも1種類の溶融シリカ物品を、周囲圧力未満の水素分圧を含む雰囲気下で加熱する工程であって、溶融シリカ物品の水素の濃度が所定の濃度範囲内にある工程を含む。
本発明の第3の態様は、溶融シリカ物品を提供することにある。溶融シリカ物品は、中心、外縁、中心部分、および表面領域を有する。溶融シリカ物品は水素も含有し、その水素濃度は、中心と外縁との間に極大値と極小値を有する。溶融シリカ物品は、最大平均水素濃度および最小水素濃度を有する。中心部分と表面領域の各々は、最小水素濃度から最大平均濃度までの範囲内の水素濃度を有する。
本発明のこれらと他の態様、利点および顕著な特徴は、以下の詳細な説明、添付の図面、および添付の特許請求の範囲から明らかになる。
溶融シリカ物品の概略図 一工程定圧プロセスを用いて添加された様々な厚さの溶融シリカ物品に関する反応拡散モデル化により予測される水素濃度プロファイルのプロット 二工程プロセスを用いて添加された溶融シリカ物品に関する反応拡散モデル化により予測される水素濃度プロファイルのプロット 1)単一圧力添加、および2)二工程可変圧力添加に関する、様々な厚さを有する溶融シリカ物品の中心部分を0.4×1017分子/cm3の最小水素濃度まで添加するのに要した時間を示すプロット 様々な厚さを有する溶融シリカ物品に関する、溶融シリカ物品の中心での最小と最大のH2添加レベルを満たすのに要する添加時間のプロット 25日間の三工程水素添加サイクルに関する数値のモデル化から得た水素濃度プロファイルのプロット 40日間の三工程水素添加サイクルに関する数値のモデル化から得た水素濃度プロファイルのプロット
以下の記載において、同種の参照文字は、図面に示されたいくつかの図を通じて、同種の部品または対応する部品を指す。別記しない限り、「上部」「底部」、「外部へ」、「内部へ」などの用語は、便宜上の単語であり、制限する用語として解釈すべきではない。その上、群が、要素とその組合せの群の内の少なくとも1つを含むものとして記載されているときはいつも、その群は、個別または互いの組合せのいずれかで、それら列記されたいくつの要素を含む、それらから実質的になる、またはそれらからなるものであってよいことが理解されよう。同様に、群が、要素とその組合せの群の内の少なくとも1つからなるものとして記載されているときはいつも、その群は、個別または互いの組合せのいずれかで、それら列記されたいくつの要素からなるものであってよいことが理解されよう。別記しない限り、ある値の範囲が、列記されたときに、その範囲の上限と下限の両方が含まれる。
図面全般と、特に図1を参照すると、それらの例示は、本発明の特定の実施の形態を説明する目的のためのものであり、本発明をそれに制限することを意図したものではないことが理解されよう。図1に戻ると、溶融シリカ物品100が概略的に示されている。半径rを有する溶融シリカ物品が、より大きな溶融シリカブール105から切断される。溶融シリカ物品は一般に、溶融シリカブール105の中心部分から切断される。溶融シリカブール105は、当該技術分野において公知の方法によって、形成し、加工してよい。例えば、溶融シリカブール105は、外付け法、気相軸付け法、内側気相成長法、平面スート堆積、ゾル/ゲル法などによって形成されたスートブランクの固結または焼結によって形成してよい。一度形成されたら、スートブランクに、乾燥(ヒドロキシル基の除去)、焼結/固結、および溶融シリカブール105を製造するための当該技術分野において公知の再加工工程を行ってよい。
溶融シリカ物品100は、幾何学中心c、厚さt、および外縁115を有する。溶融シリカ物品100は、表面領域110および中心部分120も有する。表面領域110は、一般に、厚さtの約2.5%の厚さを有し、外縁115から溶融シリカ物品100の塊中に延在する。中心部分120は、溶融シリカ物品100の残りを包含する。
中心c、外縁115、中心部分120、および表面領域110を有する溶融シリカ物品100が提供される。溶融シリカ物品100は水素を含有する。溶融シリカ物品100内の水素濃度は、中心cと外縁115との間に極大および極小を有する。溶融シリカ物品100は、最大平均水素濃度および最小水素濃度も有し、ここで、中心部分120および表面領域110の各々は、前記最大平均水素濃度より小さく、かつ前記最小水素濃度以上の水素濃度を有する。ある実施の形態において、最大平均水素濃度は1×1017分子/cm3未満であり、最小水素濃度は約0.4×1017分子/cm3である。別の実施の形態において、最小水素濃度は約0.8×1017分子/cm3である。
溶融シリカ物品に水素を添加する多段階方法も提供される。ここに用いるように、溶融シリカ物品に水素を「添加する(loading)」とは、溶融シリカ内で水素分子の所望の濃度を達成するために、ガス状H2の溶融シリカ中への拡散により、水素分子(H2)を溶融シリカ体に加えること(addition)を称する。ここに用いたように、別記しないかぎり、「水素分子」、「水素」および「H2」という用語は、水素同位体(プロチウム、デューテリウム、およびトリチウム)の任意の組合せを含み、2原子水素を称することが理解されよう。溶融シリカに水素を添加するのに用いられるそれらのサイクルおよび方法は一般に2つの工程を含むが、ここに記載された添加方法は3つの工程を含む。ここに記載された三工程添加サイクルは、三工程添加サイクルでは、二工程方法により必要とされる時間よりも短い時間で同じレベルの水素添加を成し遂げられるという点で、二工程添加サイクルよりも優れているのが分かる。その上、ここに記載された三工程添加方法により、単一の炉内での同一条件下で、異なる(すなわち、様々な厚さを有する)溶融シリカ物品の所望の水素濃度レベルへの同時添加が可能になる。
ここに記載された水素方法において、少なくとも1種類の溶融シリカ物品が最初に提供される。ある実施の形態において、少なくとも1種類の溶融シリカ物品は、異なる厚さを有する溶融シリカ物品を含む。特定の実施の形態において、第1の溶融シリカ物品は第1の厚さを有し、第2の溶融シリカ物品は第2の厚さを有し、ここで、第1の厚さは、第2の厚さより小さく、第2の厚さの所定の百分率よりも大きい。
193nmのレーザ照射への曝露による溶融シリカ物品100への損傷を緩和するために、溶融シリカ物品100に水素分子を添加することが望ましい。溶融シリカ物品中に添加される水素の量は、溶融シリカ物品100中に渡るある平均濃度を達成するのに十分であるべきである。その上、中心部分120および表面領域110中の水素濃度は、各々、所定の濃度範囲内にあるべきである。ある実施の形態において、溶融シリカ物品100内の平均水素濃度は1.0×1017分子/cm3未満であり、所定の濃度範囲は約0.4×1017分子/cm3の下限および1×1017分子/cm3未満の上限を有する。別の実施の形態において、所定の濃度範囲は、約0.8×1017分子/cm3の下限および1×1017分子/cm3未満の上限を有する。
溶融シリカ物品100は、溶融シリカに水素を添加するために当該技術分野において公知で用いられているものなどの炉内に溶融シリカ物品100を配置することによって、所定の温度で加熱される。この炉は、周囲圧力(約1気圧、または1.01バール)と実質的に等しい絶対圧力を有する制御雰囲気下で溶融シリカ物品100を加熱することができる。ある実施の形態において、所定の温度は、約400℃から約500℃の範囲にある。
所定の温度で、溶融シリカ物品100は、三工程からなり、総サイクル時間を有するサイクルを用いて水素(H2)が添加される。別記しない限り、添加サイクルの全工程は所定の温度で行われる。このサイクルの第1の添加工程において、溶融シリカ物品100に水素が添加される。第1の添加工程は、加圧炉(すなわち、周囲圧力よりも大きい内部圧力で動作できる炉)を使用する必要なく達成できるだけ多くの水素を溶融シリカ物品100中に「押し入れる」または添加する。第1の添加工程において溶融シリカ物品100に添加することによって、より多くの水素が、溶融シリカ物品100に最初に入り、表面領域110から中心部分120中に拡散し始める。第1の添加工程は、溶融シリカ物品の中心cを、所定の濃度範囲の下限よりも大きい水素濃度まで添加するのに十分な期間のものである。
ある実施の形態において、溶融シリカ物品100に水素を添加する第1の添加工程は、総サイクル時間の第1の期間に渡り、約1気圧の圧力で、純粋な水素の雰囲気、すなわち、H2から実質的になる雰囲気に溶融シリカ物品100を曝露する工程を含む。純粋な水素雰囲気下で、溶融シリカ物品100は、一工程の一定の添加プロセスにおいて一般に行われるような、減少した水素分圧に曝露されたときにそうなるであろうよりも多くの水素に曝露される。その結果、より多くの水素が中心部分120中と中心cへと拡散する。ある実施の形態において、サイクル時間の第1の期間は、総サイクル時間の少なくとも50%の期間を有する。ある実施の形態において、第1の期間は、総サイクル時間の50%から65%までの期間を有する。サイクル時間の第1の期間は、溶融シリカ物品100に平均水素濃度を添加するのに十分であってよい、あるいは、中心に所定の濃度範囲の最小濃度よりも大きい所定の水素濃度を添加するのに十分であってよい。
第2の添加工程において、水素は、ある実施の形態において、1×1017分子/cm3未満である最大平均濃度未満の平均水素濃度を達成するように、できるだけ速く表面領域110から除去される。
ある実施の形態において、表面領域110から水素を除去する工程は、溶融シリカ物品100を所定の温度で、水素を含有しない雰囲気、すなわち、H2を実質的に含まない雰囲気に曝露する工程を含む。その雰囲気は、以下に制限されないが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを少なくとも1種類含み、1気圧の全圧を有する。溶融シリカ物品100は、総サイクル時間の第2の期間に渡りこの水素を含まない雰囲気に曝露される。この第2の期間は、所望の最大水素濃度未満の平均水素濃度を達成するのに十分である。ある実施の形態において、添加サイクルの第2の期間は、総サイクル時間の約10%から約40%までの範囲にある。
第3の添加工程において、溶融シリカ物品100の表面領域110に、所定の温度で水素が再添加されて、溶融シリカ物品100全体に渡る水素濃度が所定の範囲内に確実にあるようにする。ある実施の形態において、再添加表面領域110の工程は、総サイクル時間の第3のすなわち残りの期間に渡り、ゼロではなく周囲圧力未満の水素分圧および少なくとも1種類の不活性ガスを含む雰囲気に溶融シリカ物品100を曝露する工程を含む。この第3の期間は、総サイクル時間の約10%から約35%までに及ぶ期間を有する。ある実施の形態において、再添加工程中の水素の分圧は、約0.1気圧から約0.25気圧までの範囲にある。特別な実施の形態において、水素の分圧は約0.2気圧(0.202バール)である。
当該技術分野において現在用いられている水素添加スケジュールは、小片の全てが同じ厚さを有するという条件で、溶融シリカの多数の小片に実質的に同じ炉内で水素を添加できる。異なる厚さの溶融シリカ物品に同じ条件下で水素を同時に添加する場合、各物品は、添加されるときに、異なる水素濃度プロファイルを有することになる。しかしながら、製造環境において、資源をより効率的に使用するために、水素添加のために、1つの炉内に異なる厚さを有する多数の溶融シリカ物品を配置することがしばしば望ましい。
数値のモデル化を使用して、得られる水素濃度プロファイルおよび可能なサイクルの範囲に渡り最大平均濃度を超えずに、最小濃度の水素を溶融シリカに添加するのに要する時間を予測することが可能である。拡散−反応モデルでは、時間の関数として1、2または3次元数値格子について水素濃度を計算するために有限差分法を使用する。このモデルへの入力は、関心のある幾何学並びに一連の温度および圧力工程を含む。このモデルでは、ガラス中の水素拡散および水素溶解度に関して経験的に定義された関係を使用する。拡散以外に、このモデルは、ガラス中に生じるかもしれない水素に基づく任意の反応も計算する。
溶融シリカ物品に水素を添加するのに現在用いられているプロセスの1つは、水素濃度の平均上限に等しい表面濃度を設定するために、一工程で温度と一定の水素圧力を組み合わせる。そのような一工程圧力サイクルを有する水素添加プロセスにおいて、任意の厚さ範囲の複数の溶融シリカ物品は、最も厚い物品に添加するのに要する時間に亘り、全ての物品を水素に曝露することによつて、1つの炉内で同時に添加されるであろう。このプロセス中に添加される、より薄い物品は、より均一に添加されるであろう。
同じ一工程の定圧添加時間に曝された、3、4、5および6cmの厚さを有する溶融シリカ物品について、先に記載した拡散−反応モデルにより予測される水素濃度プロファイルが図2にプロットされている。この添加サイクルは、全ての物品の平均水素添加を1.0×1017分子/cm3未満に維持しており、6cm厚の部品について、少なくとも0.38×1017分子/cm3の最小水素添加を提供している。より薄い部品の全てにおけるH2濃度は、最小水素濃度を超えており、1.0×1017分子/cm3の所望の平均レベル未満である。
溶融シリカ物品が、第1工程において上昇した水素圧力を用いて、第2工程において減少した水素圧力を用いて添加される二工程添加プロセスにおいて、1つの炉内で水素を同時に添加できる溶融シリカ物品の厚さ範囲は、より制限される。何故ならば、溶融シリカ物品に水素を添加し、それから水素を除去するのに要する期間は、一部にはその物品の厚さに依存するからである。
3、4、5および6cmの厚さを有する溶融シリカ物品に関する水素プロファイルは、上述した水素の拡散−反応モデルを用いて予測される。計算は、6cm厚の物品中の平均H2濃度が1.0×1017分子/cm3未満であり、その物品中の最小H2濃度が0.38×1017分子/cm3より大きい仕様に対する450℃での二工程水素添加に基づいた。計算された水素プロファイルが図3にプロットされている。上述した仕様まで6cm厚の物品(図3における4)を添加するのに要した時間は、一工程の定圧添加サイクル(図2)を用いて6cm厚の物品を添加するのに要した時間の半分未満である。しかしながら、6cm厚の物品と同じ炉内で同時に添加した場合、3および4cmの厚さを有する物品(図3おいて、それぞれ、1および2)は、水素が過剰に添加され、したがって、H2添加仕様を満たさないであろう。
一定H2圧力下での一工程添加以外の添加プロセスにおいて、水素添加仕様は、同じ炉内で同時に添加できる溶融シリカ物品の厚さに影響を与える。溶融シリカ物品中の平均H2濃度が1×1017分子/cm3未満でなければならない場合、例えば、最小濃度がより低い(例えば、0.8×1017分子/cm3ではなく、0.4×1017分子/cm3)と、より広い厚さ範囲を有する溶融シリカ物品を一緒に添加することができるであろう。
モデル化結果に基づいて、一工程の定圧添加(図4における1)および二工程添加サイクル(図4における2)に関する、様々な厚さを有する溶融シリカ物品の中心部分に0.4×1017分子/cm3の最小水素濃度を添加するのに要する時間が、図4に、プロットされ、比較されている。このモデルでは、溶融シリカ物品中の平均水素濃度が1.0×1017分子/cm3未満に留まることも前提とする。時間の単位がy軸に与えられている。グラフに示された線上または線より上の任意の時間が、図に示された厚さのいずれについての上記添加要件を満たすはずである。図4に示されるように、二工程の可変圧力サイクルにおいて要するよりも、一工程の定圧サイクルにおけるほうが、溶融シリカ物品の中心における最小濃度に到達するのに、より長いサイクル時間を要する。
到達するのにたった1つの時間の制約を有する一工程の定圧添加サイクルと比較して、二工程添加サイクルは2つの制約を有する。各部品は、最小濃度に到達するのに十分に長く添加されなければならないだけでなく、各部品は、長すぎるほど添加することはできず、そうしなければ、部品における所望の平均水素濃度を超えてしまう。様々な厚さを有する溶融シリカ物品に関して、溶融シリカ物品の中心で最小H2添加を満たすのに要する時間(図5の2)および所望の平均H2濃度を超える前の最大の許容時間(図5の1)が、図5にプロットされている。この場合、平均H2濃度が1×1017分子/cm3未満のままであることが前提とされる。二工程サイクルを用いて溶融シリカ物品を適切に添加するためには、添加時間は、図5における2つの線の間、したがって、許容されるプロセス窓の内側(図5の3)になければならない。
このプロセス窓は、どの部品厚さが一緒に添加できるかを最終的に決定する。このプロセス窓内に概略示された時間は厚さにより変動するので、いくつかの厚さだけが、重複するプロセス窓を有する。図5は、40日間に亘り450℃での一緒の、50、55、60、65、および70mmの厚さを有する溶融シリカ物品(図5のa、b、c、d、e)の水素添加の例を示している。モデル化は、圧力が、総サイクル時間の50%に亘り、第1の増加した水素圧力で、総サイクル時間の残りの50%に亘り減少した水素圧力で維持される二工程サイクルについて行った。平均H2濃度(図5の1)は0.995気圧であり、最小H2濃度は0.4気圧である(図5の2)。これらの条件下で、50、55、および60mm厚の部品(図5のa、b、c)は、最小H2濃度に到達するように添加されるであろうが、65および70mmの厚さを有する溶融シリカ物品(図5のd、e)は、要求される最小H2添加要件を満たさないであろう。
できるだ短い添加サイクルとできるだけ大きいプロセス窓を使用することが有利である。これらの目的は、最小添加濃度を達成するの要する時間を減少させ(図5の線2を下方に移動させ)、平均濃度限界を超える前に要する時間を増加させる(図5の線1を上方に移動させる)、またはその両方の組合せによって達成することができる。
ある実施の形態において、ここに記載された方法を用いて、溶融シリカ物品に所望の水素濃度を添加するのに要する時間の量を減少させられる。別の実施の形態において、ここに記載された方法を使用すると、同じ炉内において水素を同時に添加すべき溶融シリカ物品の厚さの範囲を広くすることができる。第3の実施の形態において、ここに記載された方法を使用して、溶融シリカ物品に所望の水素濃度を添加するのに要する時間の量を減少させ、かつ同時に添加すべき溶融シリカ物品の厚さの範囲を広くすることができる。
以下の予測実施例は、本発明の利点と特徴を例証するものであり、本発明をそれに制限することをいかようにも意図するものではない。
ここに先に記載された数値モデル化方法を用いて、1.0気圧、0.0気圧、および0.20気圧の水素分圧による三工程プロセスによって、400℃および500℃の間の温度に関して、現在用いられている二工程可変添加サイクルより優れた改良点が提供されることを示す。第1の圧力は、1気圧を超える圧力まで到達せずに、溶融シリカ物品中にできるだけ多くの水素を押し込める。この第1の工程は、総添加時間の少なくとも50%に亘り続き、その物品の中心(図1の中心部分120に位置する中心c)に水素をできるだけ速く到達させることを担う。
第2の工程において、0.0気圧の水素分圧を用いて、溶融シリカ物品の表面近傍区域(図1の表面領域110)から水素をできるだけ速く除去することによって、平均水素濃度が、最大平均水素濃度未満になることを確実にする。この水素分圧は、炉に、窒素、アルゴンなどのパージガスを流すことによって達成される。ガラス中の水素濃度は、周囲ガス中のH2濃度または分圧よりも高いので、ある程度の水素がガラスから出て周囲雰囲気中に戻るように拡散し、それゆえ、溶融シリカ物品内の水素平均濃度が低下する。
第3の工程において、溶融シリカ物品の表面領域に0.20気圧の水素分圧で再添加を行って、その表面領域中の水素濃度が所定の最小濃度より確実に大きくなるようにする。
様々な三工程圧力添加サイクルに関する数値モデル化結果が表1において比較されている。現行の二工程サイクルについて得られた結果(表1におけるサイクルY)が、計算のベースラインの役割を果たし、表1に含まれている。表1に列記された全ての他のサイクルは、ここに記載されたきた三工程サイクルである。「サイクル比」は、総サイクル時間の第1、第2、および第3の期間の比または百分率を称する。数値モデル化において、水素圧力1.0気圧、0.0気圧、および0.20気圧を、それぞれ、第1、第2、および第3の期間に用いた。三工程添加は、先に記載された水素分圧(第1の工程において1気圧、第2の工程において0気圧、および第3の工程において0.2気圧)を用いて計算されている。総サイクル時間の百分率として表される様々な添加工程の相対長さが、「サイクル比」と表記された欄に列記されている。表1に列記された全ての結果は、450℃で行われた水素添加に基づいており、最大添加濃度が1×1017分子/cm3未満である前提である。最小添加濃度について得られた結果は、0.4×1017分子/cm3および0.8×1017分子/cm3両方の最小添加レベルについて示されている。
Figure 0005579400
表1から分かるように、現行の二工程Yサイクルの代わりにAサイクルを用いた場合、0.4×1017分子/cm3の最小濃度が、約8%速く達成できる。同様に、Aサイクルを用いた場合、0.8×1017分子/cm3の最小濃度が、約14%速く達成できる。しかしながら、Yサイクルの代わりにAサイクルを用いると、溶融シリカ物品に0.4×1017分子/cm3の最小水素濃度を添加したときに34%から7.4%までプロセス窓が減少し、0.8×1017分子/cm3の最小水素濃度まで添加したときに、プロセス窓が負の値まで減少してしまう。負のプロセス窓は、最小H2濃度および最大平均濃度の制限の両方を満たすことができるサイクル時間がない、すなわち、最大平均濃度に到達する前の最大時間が、最小濃度に到達するのに要する時間より短いことを示す。しかしながら、溶融シリカ物品を0.4×1017分子/cm3の最小濃度まで添加するのに要する時間が相当減少することは、ある場合には、このサイクルについてのプロセス窓が減少することより重要なこともある。
同様に、Cサイクルを用いた物品の水素添加でも、Yサイクルと比較して、サイクル時間が減少する。その上、Cサイクルに関連するプロセス窓の減少は、Aサイクルに関する減少よりも少ない。Aサイクルと比較すると、Cサイクルは、ほぼ等しいサイクル時間を提供するが、ずっと大きいプロセス窓の増加を提供する。
表1に列記されたモデル化結果の同様の比較により、E、F、およびGサイクルの各々は、現行の二工程Yサイクルよりも著しく優れた利点を有することが示される。0.4×1017分子/cm3の最小H2濃度まで添加するのに用いた場合、Eサイクルは、最も大きい添加プロセス窓と、明らかなサイクル時間の減少を有する。サイクル時間が7%減少したFサイクルは、Eサイクルよりも速く、溶融シリカ物品を0.4×1017分子/cm3の最小H2濃度まで添加するが、Yサイクルの範囲と同様のプロセス窓範囲を有する。0.4添加について、Gサイクルは、0.4×1017分子/cm3の最小H2濃度までの添加に関してはEサイクルと同様である。
表1に列記された結果は、0.8×1017分子/cm3の最小水素濃度まで添加したときに、Eサイクルを用いたときに要する添加時間が、現行の二工程Yサイクルの時間よりも長くなることも示している。Yサイクルと比較すると、Fサイクルは、同様のプロセスまどサイズと、サイクル時間のほぼ12%の減少を提供する。Gサイクルは、プロセス窓をほぼ三倍にしながら、Yサイクルよりもほぼ3%時間を節約することを示している。
Y、E、FおよびGサイクルに関する数値モデル化から得られた水素濃度プロファイルが、図6において、溶融シリカ物品の中心からの距離の関数としてプロットされている。図6に示された結果を生成するのに用いた数値モデル化は、25日間に亘る450℃での5cm厚の溶融シリカ物品について行った。これらの条件は、溶融シリカ物品に0.4×1017分子/cm3の水素濃度を添加するためにYサイクルに一般に用いられるものに近いので、この条件を選択した。各サイクルについての予測される最終水素濃度分布が、溶融シリカ物品100(図1)の中心cからの距離の関数としてプロットされている。
異なるサイクルについて計算した水素濃度プロファイルの比較により、それらのサイクルでは外縁115(図1)でほぼ同一の濃度が生じることが示される。外縁濃度は主に最終添加条件によって決まるので、このことは予測されることである。調査した三工程サイクルにおける最終水素分圧(0.2気圧のH2分圧)は、二工程Yサイクルに用いたものと同じである。
40日間の添加サイクル期間について計算した水素濃度プロファイルが、図7において、溶融シリカ物品の中心からの距離の関数としてプロットされている。図7に示された結果を生成するために用いた数値モデル化は、450℃での5cm厚の溶融シリカ物品の添加について行った。40日間のサイクル期間は、二工程Yサイクルを用いて0.8×1017分子/cm3の最小濃度まで5cm厚の溶融シリカ物品を添加するのに一般に要する時間に近くなるように選択した。
図7に示されるように、Eサイクルを用いて得られた水素プロファイルは、0.8未満の極小値を有する。したがって、Eサイクルは、この極小値での水素濃度を所定の濃度範囲内の値まで上昇させるために、追加の期間に亘り行わなければならない。40日間の添加サイクルの終わりでは、Fサイクルは、1.0×1017分子/cm3の平均水素濃度上限を超えてしまう。しかしながら、数値モデル化に基づいて、Fサイクルを用いた5cmの物品のこの範囲の濃度への水素添加は、実際には、約34日後には完了するであろう。最後に、Gサイクルに関する水素プロファイルは、溶融シリカ物品の厚さに亘りほぼ均一である。
表1、および図6と7におけるモデル化結果は、三工程Eサイクルは、溶融シリカ物品に0.4×1017分子/cm3の最小水素濃度まで添加したときに、二工程Yサイクルよりもいくぶん短いサイクル時間で、最も広い範囲の物品の厚さを添加できることを示している。0.4または0.8×1017分子/cm3いずれかの最小水素濃度が望ましい場合において、Fサイクルは、現行の二工程Yサイクルと比較して、プロセス窓を減少させずに、Yサイクルよりも速い水素添加を提供する。Gサイクルは、0.4×1017分子/cm3までの水素添加に関して、Eサイクルにより得られたものと同様の結果を生じる。しかしながら、溶融シリカ物品を0.8×1017分子/cm3の最小水素濃度まで添加するのに使用した場合、三工程Gサイクルを使用すると、プロセス窓を三倍にしながら、添加時間が約3%減少する。
425℃、450℃、および475℃の炉の温度での三工程圧力添加サイクルE、F、およびGに関する数値モデル化結果が、表2において、二工程Yサイクルについて得られた結果と比較されている。表2に列記された全ての他のサイクルは、ここに記載してきた三工程サイクルである。これらの結果は、表1に列記された、450℃で得られた結果と似ている。
Figure 0005579400
典型的な実施の形態が例証の目的で述べられてきたが、先の記載は、本発明の範囲についての限定と考えるべきではない。したがって、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、当業者には、様々な改変、適用、および変更が考えられるであろう。
100 溶融シリカ物品
105 溶融シリカブール
110 表面領域
115 外縁
120 中心部分

Claims (3)

  1. 少なくとも1種類の溶融シリカ物品に、最大平均濃度および最小濃度を有する所定の濃度範囲内にある水素濃度となるように水素を添加する方法であって、
    a. 前記少なくとも1種類の溶融シリカ物品を提供する工程であって、該溶融シリカ物品が表面領域および中心部分を有するものである工程、
    b. 前記少なくとも1種類の溶融シリカ物品を、400℃から500℃の範囲にある所定の温度で加熱する工程、
    c. 前記少なくとも1種類の溶融シリカ物品の前記中心部分が該少なくとも1種類の溶融シリカ物品の添加が完了した際に前記最小濃度を超えるように、該少なくとも1種類の溶融シリカ物品を、総サイクル時間の少なくとも50%である第1の期間に亘り1気圧の水素圧力に曝露することにより、前記所定の温度で、前記少なくとも1種類の溶融シリカ物品に水素を添加する工程、
    d. 前記溶融シリカ物品が、前記最大平均濃度の上限未満の平均水素濃度を有するように、該少なくとも1種類の溶融シリカ物品を、不活性ガスを含む雰囲気に曝露することにより、前記所定の温度で、該溶融シリカ物品の前記表面領域から水素を除去する工程であって、前記雰囲気が、総サイクル時間の10%から40%までの範囲にある第2の期間に亘り実質的に水素を含まない工程、および
    e. 前記溶融シリカ物品に亘る水素濃度が前記所定の濃度範囲内にあるように、該少なくとも1種類の溶融シリカ物品を、不活性ガスおよび0.1〜0.25気圧の水素分圧を含み、かつ1気圧の総圧を有する雰囲気に曝露することにより、前記所定の温度で前記表面領域に水素を再添加する工程、
    を有してなる方法。
  2. 前記所定の温度で前記少なくとも1種類の溶融シリカ物品の表面領域から水素を除去する工程が、前記表面領域中の水素濃度が1×1017分子/cm3未満となるように、前記少なくとも1種類の溶融シリカ物品の表面領域から水素を除去することを含む請求項1記載の方法。
  3. 前記所定の濃度範囲が、0.4×1017分子/cm3の下限および1×1017分子/cm3未満の上限を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
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