JP5578936B2 - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウエーハの裏面を研削してから、ウエーハの裏面からウエーハの表面に形成されたデバイスの電極に接続する貫通電極を形成するウエーハの加工方法に関する。
IC,LSI等の複数のデバイスが格子状の分割予定ラインによって区画されて表面に形成された半導体ウエーハは、ダイシング装置によって個々のデバイスに分割され、分割されたデバイスは携帯電話、パソコン等の各種電気機器に広く利用されている。
近年の半導体デバイス技術においては、複数の半導体チップを積層した積層型の半導体パッケージが、高密度化や小型化・薄型化を達成する上で有効に利用されている。この半導体デバイス技術は、ウエーハの裏面を研削砥石で研削してウエーハの厚みを50μm前後に薄く加工し、その後ウエーハの裏面から表面に形成されたデバイスの電極に接続する貫通電極を形成することから、ウエーハの裏面を研削する前にウエーハの表面にボンド剤を介して補強プレートを貼着している。
しかし、デバイスの電極に接続する貫通電極を形成する際にウエーハは比較的高温な環境に晒されることから、ウエーハの表面に補強プレートを貼着するボンド剤として250℃の高温に耐えられる強度を有するエポキシ系ボンド剤を使用している。
このようにボンド剤が250℃の高温に耐えられる強度を有しているため、従来はウエーハの表面から補強プレートを離脱するには補強プレートを加熱してボンド剤を250℃以上の温度まで上昇させ、ウエーハに負担がかからないように補強プレートをウエーハの表面からスライドさせながら離脱している。
特開2003−249620号公報 特開2004−95849号公報 特開2004−119593号公報
このように、従来のウエーハの加工方法では、補強プレートをウエーハに貼着するボンド剤として250℃の高温に耐えられる強度を有する耐熱性ボンド剤を使用しているため、ウエーハに貫通電極を形成した後、ウエーハの表面から補強プレートを剥離するのが困難であるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、補強プレートをウエーハの表面から容易に剥離可能なウエーハの加工方法を提供することである。
本発明によると、表面に複数のデバイスが形成されたデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを有するウエーハの加工方法であって、ウエーハの表面全面に耐熱性ボンド剤を塗布するとともに外周余剰領域に対応する補強リングを該外周余剰領域に貼着して該耐熱性ボンド剤を固化させて、該耐熱性ボンド剤と該補強リングとで補強プレートを形成する補強プレート形成工程と、該補強プレートを該補強リングの内径よりも小径のチャックテーブルで保持してウエーハの裏面を研削砥石で研削する裏面研削工程と、該裏面研削工程を実施した後、該補強プレートに配設されたウエーハの裏面からウエーハの表面に形成されたデバイスの電極に接続する貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、該貫通電極形成工程を実施した後、該補強プレートに該耐熱性ボンド剤を溶融する溶剤を供給して該耐熱性ボンド剤を溶融するとともに該補強リングを除去する補強プレート除去工程と、を具備したことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
好ましくは、ウエーハの加工方法は、補強プレート除去工程を実施した後、環状フレームに外周部が装着されたダイシングテープにウエーハの裏面を貼着して、ダイシングテープを介してウエーハを該環状フレームで支持するウエーハ支持工程と、該環状フレームに支持されたウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、を更に具備している。
本発明によると、ウエーハの表面に貼着する補強プレートを耐熱性ボンド剤と補強リングとで形成したので、補強リングにより強度を十分に保つことができ、ハンドリング性を阻害することなく貫通電極形成工程を実施できる。
補強プレートを除去する際は、耐熱性ボンド剤を溶融する溶剤を補強プレートに供給するだけで、補強リングとともに耐熱性ボンド剤を容易に除去することができ、生産性が向上する。
耐熱性ボンド剤供給工程を示す図である。 図2(A)は補強リングをウエーハの表面に貼着する様子を示す斜視図、図2(B)は表面に補強リングと耐熱性ボンド剤からなる補強プレートが貼着された状態のウエーハの裏面側斜視図である。 裏面研削工程を実施するのに適したチャックテーブルの縦断面図である。 ウエーハの裏面研削工程の斜視図である。 貫通電極形成工程の説明図である。 補強プレート除去工程の斜視図である。 ウエーハ支持工程を示す斜視図である。 ウエーハ分割工程を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、耐熱性ボンド剤供給工程の斜視図が示されている。本実施形態では、ウエーハ2の表面2aにスピンコート法により耐熱性ボンド剤10を供給する。まず、回転可能なチャックテーブル4上に半導体ウエーハ(以下ウエーハと略称する)2を吸引保持する。
ウエーハ2の表面2aには複数のストリート(分割予定ライン)3が格子状に形成されているとともに、該複数のストリート3によって区画された各領域にIC,LSI等のデバイス5が形成されている。ウエーハ2はその表面2aに複数のデバイス5が形成されたデバイス領域6と、デバイス領域6を囲繞する外周余剰領域7を有している。
耐熱性ボンド剤をウエーハ2の表面2a上にスピンコートするには、チャックテーブル4を矢印A方向に例えば300rpm程度で回転しながら、耐熱性ボンド剤滴下部8から耐熱性ボンド剤10をウエーハ2の表面2a上に滴下する。
チャックテーブル4を少なくとも5秒以上回転させると、滴下された耐熱性ボンド剤10がウエーハ2の表面2a上に均一にスピンコーティングされ、耐熱性ボンド剤層11が形成される。耐熱性ボンド剤10はエポキシ系樹脂から形成され、250℃の高温に耐えられる強度を有している。
ウエーハ2の表面2a上に耐熱性ボンド剤層11を形成後、図2(A)に示すように、外周余剰領域7に対応する補強リング12を耐熱性ボンド剤層11を介してウエーハ2の表面に貼着し、所定温度で所定時間ベーキングすることにより、耐熱性ボンド剤層11と補強リング12とからなる補強プレート13をウエーハ2の表面2a上に形成する。
このように、ウエーハ2の表面2a上に耐熱性ボンド剤層11と補強リング12とからなる補強プレート13を形成後、補強プレート13を保持してウエーハ2の裏面2bを研削する裏面研削工程を実施する。
この裏面供給工程では、図3に示すようなチャックテーブル14を使用するのが好ましい。チャックテーブル14は、補強リング12の内径より僅かばかり小さい直径を有する小径部14aを有しており、この小径部14aに多孔性セラミック等から形成された吸引保持部15が配設されている。吸引保持部15は、吸引路17を介して図示しない負圧吸引源に接続されている。
このように構成されたチャックテーブル14及び図4に示されたような研削ユニット16を使用して、ウエーハ2の裏面研削工程を実施する。図4において、研削装置の研削ユニット16は、図示しないモータにより回転駆動されるスピンドル18と、スピンドル18の先端に固定されたホイールマウント20と、ホイールマウント20に着脱可能に複数のねじ27で締結される研削ホイール26とを含んでいる。
研削ホイール26は、例えば図4に示すように、環状基台22の自由端部に粒径0.3〜1.0μmのダイアモンド砥粒をビトリファイドボンド等で固めた複数の研削砥石24が固着されて構成されている。
ウエーハ2の裏面研削工程では、研削装置のチャックテーブル14で補強プレート13を吸引保持し、図4に示すようにウエーハ2の裏面2bを露出させる。チャックテーブル14を矢印a方向に例えば300rpmで回転しつつ、研削ホイール26をチャックテーブル14と同一方向に、即ち矢印b方向に例えば6000rpmで回転させるとともに、図示しない研削ユニット送り機構を作動して研削砥石24をウエーハ2の裏面2bに接触させる。
そして、研削ホイール26を所定の研削送り速度(例えば3〜5μm/秒)で下方に所定量研削送りして、ウエーハ2の研削を実施する。図示しない接触式の厚み測定ゲージによってウエーハ2の厚みを測定しながらウエーハ2を所望の厚み、例えば50μmに仕上げる。尚、ウエーハ2の研削は、研削水を供給しながら実施する。
研削工程実施後、図5に示すように、補強プレート13に貼着されたウエーハ2の裏面2bからウエーハ2の表面2aに形成されたデバイス5の電極に接続する貫通電極28を形成する貫通電極形成工程を実施する。
この貫通電極形成工程では、まずウエーハ2に例えばレーザビームの照射により複数の貫通孔を形成する。レーザビームは、ウエーハ2に対して吸収性を有する波長(例えば355nm)のレーザビームが利用され、好ましくはYAGレーザ又はYVO4レーザの第3高調波を使用する。
次いで、貫通孔の内部に、ポリマー材料等の絶縁物を充填する。充填する方法としては、好ましくは液相法が用いられる。液相法は、ウエーハ2を高温に加熱する必要が無いため、予めデバイス5が形成されたウエーハであっても使用することが可能である。
次いで、貫通孔の内部に充填された絶縁物に、レーザ加工法或いはリソグラフィプロセスによるエッチングにより更に貫通孔を形成する。更に、貫通孔内部に銅、ニッケル、パラジウム、金、銀等の導電物を埋め込む。
この導電物の埋め込み方法には、ドライメッキ、ウエットメッキ、ジェットペインティング法、導電ペーストや溶融金属の成膜法等を使用することができる。貫通電極28は、ウエーハ2の表裏両面を貫通して形成され、ウエーハ2の表面2aに形成されたデバイス5の電極に電気的に接続している。
貫通電極形成工程実施後、図6に示すように、ウエーハ2をチャックテーブル30で吸引保持し、チャックテーブル30を矢印A方向に回転させながら溶剤供給装置32からメチルエチルケトン等の溶剤34を耐熱性ボンド剤層11及び補強リング12とからなる補強プレート13上に供給する。これにより、耐熱性ボンド剤層11が溶融されるとともに、耐熱性ボンド剤によりウエーハ2に貼着されていた補強リング12も除去される。
このように補強プレート13をウエーハ2の表面から除去した後、図7に示すように外周部が環状フレーム54に貼着されているダイシングテープ52上にウエーハ2の裏面を貼着して、ウエーハ2をダイシングテープ52を介して環状フレーム54で支持するウエーハ支持工程を実施する。
次いで、図8に示すように切削装置のチャックテーブル50でウエーハ2をダイシングテープ52を介して吸引保持し、切削ユニット32の切削ブレード36でウエーハ2を分割予定ライン3に沿ってフルカットして切削溝56を形成し、ウエーハ2を個々のデバイス5に分割するウエーハ分割工程を実施する。
ストリートピッチずつ切削ブレード36をインデックス送りしながら、第1の方向に伸長する全てのストリート3の切削が終了すると、チャックテーブル50を90度回転してから、第1の方向に直交する第2の方向に伸長する全てのストリート3を切削して、ウエーハ2を個々のデバイスDに分割する。
2 半導体ウエーハ
5 デバイス
10 耐熱性ボンド剤
11 耐熱性ボンド剤層
12 補強リング
13 補強プレート
28 貫通電極
34 溶剤
52 ダイシングテープ
54 環状フレーム

Claims (2)

  1. 表面に複数のデバイスが形成されたデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを有するウエーハの加工方法であって、
    ウエーハの表面全面に耐熱性ボンド剤を塗布するとともに外周余剰領域に対応する補強リングを該外周余剰領域に貼着して該耐熱性ボンド剤を固化させて、該耐熱性ボンド剤と該補強リングとで補強プレートを形成する補強プレート形成工程と、
    該補強プレートを該補強リングの内径よりも小径のチャックテーブルで保持してウエーハの裏面を研削砥石で研削する裏面研削工程と、
    該裏面研削工程を実施した後、該補強プレートに配設されたウエーハの裏面からウエーハの表面に形成されたデバイスの電極に接続する貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
    該貫通電極形成工程を実施した後、該補強プレートに該耐熱性ボンド剤を溶融する溶剤を供給して該耐熱性ボンド剤を溶融するとともに該補強リングを除去する補強プレート除去工程と、
    を具備したことを特徴とするウエーハの加工方法。
  2. 該補強プレート除去工程を実施した後、環状フレームに外周部が装着されたダイシングテープにウエーハの裏面を貼着して、ダイシングテープを介してウエーハを該環状フレームで支持するウエーハ支持工程と、
    該環状フレームに支持されたウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、
    を更に具備した請求項1記載のウエーハの加工方法。
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