JP5578659B2 - ロングノズル - Google Patents

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Description

本発明は、溶鋼を取鍋からタンディッシュに排出するロングノズルに関する。
溶鋼の連続鋳造において取鍋からタンディッシュに溶鋼を排出するにあたっては、溶鋼の酸化やタンディッシュ内上面に存在するスラグの溶鋼内への巻き込み等を抑制するために、ロングノズルを使用することが一般的である。
また、取鍋交換時の注湯開始時には、タンディッシュ溶鋼面上のスラグが溶鋼中に多量に巻き込まれることを防止するために、また溶鋼の酸化を抑制するために、ロングノズルを溶鋼中に浸漬したままで取鍋からの注湯を開始する、いわゆる浸漬開孔が多く行われている。
この浸漬開孔の場合には、ロングノズルの上方に配置されている取鍋の溶鋼排出制御用ノズル(スライディングノズル、スライドゲート等と称されるノズル)内に充填されていた詰砂が、溶鋼排出開始時にロングノズル内孔の空間内に流下する。ロングノズル内孔の空間内に流下した詰砂は溶鋼及びスラグ層の上部に止まって、ロングノズル内の溶鋼流下を阻害することがある。そうすると、ロングノズル上方に設置した取鍋側のノズル下端との接合部から溶鋼漏出を生じることがある。
この対策として、例えば特許文献1には、「タンディッシュ内溶鋼中に浸漬せしめる連続鋳造用ロングノズルにおいて、内断面を適宜大きさに形成してなる直筒状上体部と、該上体部に連続して形成される下体部であって、溶鋼湯面相当部位の断面内径が、取鍋に設けた摺動式溶鋼開閉装置の溶鋼流路内径の1.5〜5倍の内径寸法に形成せしめた下体部とからなる連続鋳造用ロングノズル」が開示されている。
これは、ロングノズルの溶鋼湯面相当部位の内孔径を溶鋼排出制御用ノズル(摺動式溶鋼開閉装置)の溶鋼流路内径よりも大きくすることで、詰砂がロングノズル内孔内の溶鋼浴上面全体で固化層を形成することを抑制しようとするものである。しかしながら、この場合、詰砂はロングノズル内孔内に残留して、ロングノズル内孔から外に排除されることは殆どない。すなわち、ロングノズルの溶鋼湯面相当部位の内孔径が溶鋼流の流下時の内孔径よりも拡大していることで、ロングノズル内孔の中央付近にのみ溶鋼流が形成され、詰砂等はロングノズル内孔面付近に移動し、滞留する。
一方、タンディッシュ内の溶鋼浴上にはスラグ層があるので、ロングノズルをタンディッシュ溶鋼中に浸漬すると、スラグ層中にも浸漬することになる。ロングノズルは取鍋交換又はタンディッシュ交換時に溶鋼浴及びスラグ層から引き上げるので、引き上げる際に内孔面及び外周面には、スラグ、詰砂、さらには溶鋼の凝固物(以下「地金」という。)等(以下、これらを総称して「スラグ等」という。)が付着する。スラグ等の付着物は引き上げ直後には下方に流下するが、急速な温度降下によりロングノズル表面で硬化し、残留する。とくに流下方向である下端付近に多く付着物層を形成する。
このようなスラグ等の付着に対し、特許文献1には、ロングノズルの下体部をテーパー状に拡径させる例が示されているものの、依然としてスラグ等が付着しやすいという問題がある。さらに特許文献1のようにロングノズルの下体部を拡径させると、前述のように詰砂のほとんどが内孔内に残留するので、この詰砂も内孔面に付着する。すなわち、付着の対象となるスラグ等が相対的に多くなるので、ますますロングノズル内孔面の付着の増大を惹き起こす。
また、このようなスラグ等の付着物は、取鍋交換数(連続鋳造数)が増えるにしたがって残留と付着が繰り返されることで、その厚みが増大する。さらに、スラグ等の付着物は、通常の管状形状のロングノズルでは、下端付近で一体的な構造となっていて除去することが困難である。内孔が下方向に漸次拡径する構造とした特許文献1の場合であっても、下端付近で一体的な構造となっていて除去することが困難である。
スラグ等の付着物は、ロングノズル内孔内の溶鋼及びスラグ等のスムーズな流出を阻害する。その結果、とくに浸漬開孔時にロングノズル内孔内での溶鋼の詰まりやロングノズルと取鍋側ノズルとの接合部からの漏鋼等を生じやすくなる。
特開昭57−139456号公報
本発明が解決しようとする課題は、ロングノズル下端付近におけるスラグ等の付着量増大を抑制することにあり、一次的には付着したスラグ等の除去を容易にすること、さらには付着自体をも抑制することにあり、ひいては浸漬開孔において溶鋼がロングノズルとその上方にある取鍋ノズルとの接合部から漏出することを抑制することにある。
本発明をまとめると以下のとおりである。
[請求項1]
取鍋から溶鋼をタンディッシュに排出するロングノズルであって、前記ロングノズルの下端から、少なくとも浸漬部(前記ロングノズルをタンディッシュ内溶融物中へ浸漬する際の、溶融物層の上面までの領域をいう。)上端位置よりも上方の領域に亘って、前記ロングノズルの横方向断面上の内孔径は下端方向に拡大し、外径は下端方向に縮小しているロングノズル。
[請求項2]
前記ロングノズルの下端面と内孔面とのエッジ部及び下端面と外周面とのエッジ部が、前記ロングノズルの縦方向断面においてカット形状又は曲面形状である請求項1に記載のロングノズル。
[請求項3]
前記ロングノズルの下端面が、前記ロングノズルの縦方向断面において曲面形状である請求項1又は請求項2に記載のロングノズル。
以下、本発明を詳述する。
ロングノズルを溶鋼及びスラグ層(本発明では詰砂等の浮遊物も含む概念である。)から引き上げる際、スラグ等は、その溶融状態にある部分の流動性及び重力により、ロングノズルの下方向に流下する。これらは直ちに大気又はタンディッシュやロングノズルのガス雰囲気に曝されるので、温度降下により粘性が上昇し、固化する。これが繰り返されることから、ロングノズル下端付近ではスラグ等が固化した付着物の層が次第に厚くなっていく(図9(a)、(b)の符号40部分がロングノズル下端付近の付着物を模式的に示したものである。)。
このようにロングノズル内孔の下方に固化した付着物が存在する状態で浸漬開孔を行うと、ロングノズル内孔の下方からの詰砂及び溶鋼のスムーズな流出が阻害される。すると、図10に示すようにロングノズル内孔内に詰砂60等が滞留して溶鋼がロングノズル内孔に充満し(図10の符号30L)、取鍋の下部ノズル51との接合部15から溶鋼が漏出する(図10の符号30S)ことがある。
本発明は、このような現象をもたらす直接の原因となるスラグ等の固化した付着物をロングノズル下端付近に存在させないか、又は減少させるために有効なロングノズルの形状を提供する。
すなわち、本願発明のロングノズルは、その下端部分が、内孔側は下端方向に拡大し、外周側は下端方向に縮小した形状を有する。
このようにロングノズルの下端部分の形状をいわゆるオーバーハング状態、言い換えれば先細り形状とすることで、ロングノズル壁面に付着したスラグ等は下方向への機械的な外力を加えられた際にロングノズル壁面から容易に離脱するようになる。
したがって、バー等を使用した人力等による除去作業による外力、さらには操業中に溶鋼等がロングノズル内孔を通過する際のその溶鋼等の下方向への流下によりもたらされる外力によっても、付着したスラグ等が除去されやすくなる。これは、前述のようなロングノズルの下端部分の形状であれば、下方向に外力を加えた際に、付着したスラグ等とロングノズルの下端部分との間に僅かな隙間が直ちに生じ、相互の摩擦抵抗が瞬時に消滅するからである。この作用は、ロングノズルの下端部分が、外周側では必ずその上方よりも相対的に小径で、内孔側では必ずその上方よりも相対的に大径でありさえすれば得られる。すなわち、ロングノズルの下端部分の縦方向の壁面が直線であれば、その縦方向の角度(縦方向の中心軸と直角を成す面に対する角度)、曲線状であればその任意の位置における接線の角度(縦方向の中心軸と直角を成す面に対する角度)が、90度未満でさえあればよい。なお、ロングノズルの下端部分の縦方向の壁面、すなわちロングノズルの内孔側の下端方向に拡大した部分及び外周側の下端方向に縮小した部分の縦方向断面形状は、直線又は曲線のいずれであってもよい。
これに対して前述の特許文献1のように、内孔側のみを下端方向に拡大した形状としても、外周側が下端方向に縮小した形状になっていないと、すなわち先細り形状になっていないと、十分な効果が得られない。これは、連続鋳造の操業に供したロングノズルの多くは、内孔側の付着物層と外周側の付着物層とは下端部分を覆うように連続的に一体化していることによる。このような一体物に下方向の外力を加えても、外周側の壁面が下端方向に縮小する形状でない場合(下端方向に拡大する場合はもちろん鉛直の方向でも)、外周側の付着物層が外周側の壁面から容易に離脱することができず、ほぼ密着に近い状態を保って、一体化した付着物層との間の摩擦抵抗を、付着物層の除去が容易になる程度には減少させることができない。
したがって本発明では、ロングノズルの下端部分を、内孔側は下端方向に拡大し、かつ、外周側は下端方向に縮小する形状とする。
この内孔側の下端方向に拡大した部分及び外周側の下端方向に縮小した部分は、ロングノズルの下端から、少なくとも浸漬部の上端位置よりも上方の領域に亘って形成する。ここで、浸漬部とは、ロングノズルをタンディッシュ内溶融物中へ浸漬する際の、溶融物層の上面までの領域をいい、溶融物層とは、タンディッシュ内の溶鋼及びその上方にあるスラグ層を総称するものである。
ロングノズル内孔では、スラグ層の上方の領域にもスプラッシュ等によるスラグ等の飛散及び付着はある。しかし、溶鋼が通過している間は溶鋼流によって流されること、溶鋼流と内孔面との間に空間がある場合にも内孔面は高温度に保たれているので、非浸漬部の内孔面に飛散したスラグ等は容易に流下すること、及びロングノズルをスラグ層から引き上げる際に付着物は前述のとおり下端付近に流下(移動)しながら固化すること等の現象により、付着物層が増大するのは、スラグ層よりも下方のロングノズル下端付近の領域である。具体的には、個別の設備や操業の条件によって変化するが、多くは下端から100ないし500mm程度までの領域である。
ただし、スラグ等の粘性や温度降下の速度等、また溶融状態のスラグ等の飛散とその飛散物の壁面での付着現象が生じやすい条件等の操業時の変動要因によっては、さらに高い位置から付着物層が厚くなることがある。そのような場合にも本発明の効果を得るために、本発明では、内孔側の下端方向に拡大した部分及び外周側の下端方向に縮小した部分は、ロングノズル内孔内のスラグ層の上端面位置、すなわち浸漬部の上端位置より上方の位置を基点として形成する。
浸漬したロングノズルを溶鋼、スラグ層から引き上げる際には、溶融状態のスラグ等はロングノズルの壁面を流下する。この流下の際に、経路となるロングノズル壁面が鉛直方向の平面ではなく、本発明のようにいわゆるオーバーハング(先細り形状)の傾斜状態になっている場合には、溶融状態のスラグ等は空間である下方向に重力を受ける。このため流下するスラグ等は、ロングノズル壁面との接触面積が小さくなり、また摩擦(接触)抵抗が、鉛直方向又は下端方向への傾斜が本発明とは逆方向の壁面を流下する場合よりも小さくなって、流下しやすくなる。また、その流下の途中で滴となって落下するものもある。このように、スラグ等の流下経路となるロングノズルの下端部分の壁面に本発明の傾斜形状を付加することで、さらに付着量を抑制する効果が得られる。
前述のように、本発明のロングノズルはその下端部分が内孔側は下端方向に拡大し、外周側は下端方向に縮小している(直線又は曲線である)ことで、付着したスラグ等の除去を容易にすることができる。
さらにこの本発明の効果を高めるためには、本発明のロングノズルの下端面付近の形状についても、固化した付着物(付着したスラグ等の冷却による固化物)を下方に下げると共に左右方向に揺動させる(図7参照)ことが容易な形状であることが好ましい。すなわち、ロングノズル下端面と内孔面とのエッジ部及び前記下端面と外周面とのエッジ部(これらのエッジ部を以下単に「エッジ部」ともいう。)が、ロングノズルの縦方向断面においてカット形状又は曲面形状であることが好ましい。なお、ロングノズルの縦方向断面とはロングノズルの通鋼方向の中心軸に沿った断面であり、ロングノズルの横方向断面とは、前記中心軸に直交する方向に沿った断面である。
固化した付着物がロングノズルの内孔面又は外周面から離脱してロングノズルとの間に隙間を生じた際に、その隙間を可動範囲とする左右方向の揺動を行うと、固化した付着物の除去を加速することができる。このときにロングノズル下端面と内孔面とのエッジ部及び前記下端面と外周面とのエッジ部が、ロングノズルの縦方向断面においてカット形状又は曲面形状であること、すなわちロングノズルの縦方向断面において下端面のエッジ部が、下端面(図7中横方向の線)より上方に欠けた形状にすることで、付着物が揺動するときの付着物とエッジ部(両方)との引っかかりを解消して、相互の相対的な動きをより滑らかにすることが可能になる。
また、エッジ部がこのようなカット形状又は曲面形状ではない場合は、固化した付着物を除去する(ロングノズルから少しでも離脱させる)際、又は左右の揺動等の際に、固化した付着物の動きがもたらす下端面エッジ部との衝突(機械的外力)によって、エッジ部を局部的に、また不規則に破壊し(図8の符号70部分)、ロングノズルの亀裂や破損の基点になる危険性がある。下端面のエッジ部をカット形状又は曲面形状にすることでこのような危険性をも解消できる。
なお、エッジ部がカット形状又は曲面形状でありさえすれば、その大きさに関わらずその破壊防止の効果及び固着した付着物の左右の揺動ないし除去の効果は得られる。より好ましい形状と大きさは、下端面全面(ロングノズルの縦方向断面の横方向の線の全長)が、直線を含まない曲面形状、さらには、中央を最下端とするなだらかな円弧に近い形状である(固化した付着物が左右方向に最も滑らかに接することができるからである)。
本発明により、ロングノズル下端付近に付着したスラグ等が容易にロングノズルから離脱する。また、付着したスラグ等を、一部は溶鋼流で除去することも可能となり、人力又は機械等により除去する際も、容易に除去することが可能となる。さらに、その付着自体を抑制することも可能になり、付着物層の増大を抑制することが可能となる。また、ロングノズルに局部的に不規則な欠け等(亀裂、割れ、局部欠け等)が発生することを抑制する効果も得られる。
これらの結果、
(1)ロングノズル内孔内の溶鋼流及び詰砂を含むスラグ等の流動性を阻害する付着物が減少し、又は無くなることで、ロングノズル上端の取鍋側ノズルとの接合部からの溶鋼の漏れ事故を防止することが可能となり、また溶鋼飛散の危険性も減少させることができる。
(2)ロングノズル下端付近の付着物の除去が容易になることで、無理な作業によるロングノズルの破壊や損傷を減少させ又は防止することが可能となる。
(3)ロングノズルのメンテナンス作業量及び負荷が減少することで、生産性の向上及び労働環境改善の改善が可能になる。
(4)スムーズな溶鋼流により、タンディッシュ内の溶鋼流動ないし介在物減少等の管理がしやすくなり、鋼の品質の向上が可能になる。
本発明のロングノズルの一例を示す縦方向断面図である。 図1のA部を詳細に示す縦方向断面図である。 図1のA部の他の例を示す縦方向断面図である。 本発明のロングノズルの下端面のエッジ部のイメージを示す縦方向断面図である。 本発明の他の例を示す縦方向断面図である。 本発明の一例のロングノズルをタンディッシュ内の溶融物中に浸漬した状態のイメージを示す縦方向断面図である。 本発明のロングノズルの下端付近の固化した付着物を左右に揺動させる際のイメージを示す縦方向断面図である。 (a)はロングノズルの下端面のエッジ部が局部的、不規則に破損する場合のイメージを示す縦方向断面図で、(b)は(a)のA−A視のイメージを示す縦方向断面図である。 従来のロングノズルの一例及び付着物の付着状態のイメージを示す縦方向断面図である。 従来のロングノズルの内孔内に詰砂が滞留し、溶鋼が充満して、取鍋側ノズルとロングノズルとの接合部から溶鋼が漏出する状態のイメージを示す縦方向断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明のロングノズルの一例を示す縦方向断面図である。同図に示すロングノズル10は、その上端及び下端付近を除き、内孔11側及び外周12側がそれぞれ縦方向にほぼ同じ径であって、その下端部分が、内孔11側は下端方向に漸次拡大し(DIU<DIL)、また、外周12側は下端方向に漸次縮小した(DOU>DOL)形状を有する。
図2は、図1のA部を詳細に示す縦方向断面図である。内孔11側の下端方向に拡大した部分13が水平線となす角度θ、及び外周12側の下端方向に縮小した部分14が水平線となす角度θは、それぞれ90度未満であれば本発明の効果は得られる。
この角度θ、θは、ロングノズルの径、浸漬深さ、長さ、厚み等、あるいは操業設備や操業条件によって個別に最適化すべき、いわゆる設計事項であるので、角度θ、θはそれらの変数となる相対的な値である。
なお、角度θ、θの最小値は、本発明の直接の効果への影響の観点からはとくに限定されない。しかし、実用上、ロングノズル下端付近の肉厚が過度に小さくなると、破壊しやすくなり、また溶損等により実用上の必要条件を満たさないことにもなる。したがって、この角度θ、θの最小値は、個別の操業条件等に応じた肉厚等を確保するように決定すればよい。
ロングノズルの下端面は、図3に示すように、縦方向断面上、先細り形状となるような直線又は曲線、あるいは図4に示すように下端面と内孔面、下端面と外周面とのエッジ部は、カット形状(図4(a)のC部)又は曲面形状(図4(b)のR部)とすることが好ましい。とくに、ロングノズルの下端面全体が、下に凸のなだらかな円弧(図4(c)のR部,図4(d)のR部)であることが好ましい。
この理由は、第一に、このような下端面形状によりロングノズル下端の肉厚中央に溶融スラグ等が集中して滴化を促してその滴が落下しやすくなって付着するスラグ等との強固な構造体を形成し難くなり、第二に、このような下端面形状であれば、付着したスラグ等を除去する際に揺動可能範囲が拡がると共に、縦方向断面上の回転方向に障害となるエッジ部が無くなることで下端を破損し難くなり、第三に、このような下端面形状であればロングノズル下端における熱応力が肉厚方向になだらかに分散するので、熱衝撃に対して破損し難くなるからである。
図5(a)、(b)は、本発明の他の例を示す縦方向断面図である。図5の例も、ロングノズル10の下端部分に、内孔11側の下端方向に拡大した部分13と外周12側の下端方向に縮小した部分14を設けているが、これらの高さH、Hは、図5に示すようにロングノズル10の形状等によって適宜変更される。
図6は、本発明の一例のロングノズルをタンディッシュ内の溶融物中に浸漬した状態のイメージを示す縦方向断面図である。本発明のロングノズル10において、内孔11側の下端方向に拡大した部分13の高さH及び外周12側の下端方向に縮小した部分14の高さHは、ロングノズルの浸漬部、すなわちロングノズル10をタンディッシュ内の溶融物(溶鋼30及びスラグ層20)に浸漬したときの、溶融物層の上端面高さ(具体的にはスラグ層10の上端面高さ)を上回るようにする。すなわち、内孔11側の下端方向に拡大した部分13及び外周12側の下端方向に縮小した部分14は、ロングノズル10をタンディッシュに浸漬したときの、タンディッシュ内の溶融物層(スラグ層20)の上端面位置よりも上方の位置を基点として、ロングノズル10の下端までの領域に形成する。
以上説明した本発明のロングノズルの製造方法は、一般に行われている連続鋳造用ノズルの製造方法に準じればよい。例えば、CIP成形時に下端部分に拡大部及び縮小部を形成するような型を用いて、成形時から一体として製造することが可能である。また、下端部分に拡大部及び縮小部のない通常の製造方法によって製造したロングノズルの内孔側及び外周側を加工して拡大部及び縮小部を形成することもできる。また、ロングノズルの下端面の形状も、CIP成形時又はCIP成形後の加工によって適宜調整することができる。
10 ロングノズル
11 ロングノズルの内孔
12 ロングノズルの外周
13 内孔側の下端方向に拡大した部分(拡大部)
14 外周側の下端方向に縮小した部分(縮小部)
15 取鍋の下部ノズルとの接合部
20 スラグ層
30、30L、30S 溶鋼
40 ロングノズル下端付近の付着物
50 取鍋の溶鋼注湯制御用ノズル
51 取鍋の下部ノズル(ロングノズルと接合するノズル)
60 ロングノズル内孔に滞留した詰砂
70 不規則な欠け

Claims (3)

  1. 取鍋から溶鋼をタンディッシュに排出するロングノズルであって、前記ロングノズルの下端から、少なくとも浸漬部(前記ロングノズルをタンディッシュ内溶融物中へ浸漬する際の、溶融物層の上面までの領域をいう。)上端位置よりも上方の領域に亘って、前記ロングノズルの横方向断面上の内孔径は下端方向に拡大し、外径は下端方向に縮小しているロングノズル。
  2. 前記ロングノズルの下端面と内孔面とのエッジ部及び下端面と外周面とのエッジ部が、前記ロングノズルの縦方向断面においてカット形状又は曲面形状である請求項1に記載のロングノズル。
  3. 前記ロングノズルの下端面が、前記ロングノズルの縦方向断面において曲面形状である請求項1又は請求項2に記載のロングノズル。
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