JP5577088B2 - エンジンの制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの制御装置及び制御方法に関し、特に、エンジン始動時におけるクランク軸の逆回転を防止する制御装置及び制御方法に関する。
図9は、エンジンの点火時期を決定するための従来のロータを示しており、該ロータ101はクランク軸100に固着され、点火時期被検出部102として、前記ロータ101の外周端に、周方向の一定の長さを有する突起(長歯)を形成し、磁気ピックアップ103で点火時期被検出部102の回転上流端縁(回転方向R側と反対側の端縁)P0bを検出することにより、点火装置を作動するように構成されている。
ところで、自動二輪車のようにキックペダルでエンジンを始動する方式では、クランク軸の逆転による影響を避けるため、すなわち、キック力不足でピストンが上死点を乗り越えられず、上死点手前で燃焼爆発して逆回転する現象、いわゆるケッチン現象を避けるため、従来、各種対策が講じられている。
そのうちの一つは、点火時期被検出部102の周方向の長さを利用した対策であり、図9において、ピックアップ103により、点火時期被検出部102の回転下流端P0aから回転上流端Pobまでの経過時間を測定し、回転下流端P0aから計測開始後、所定の時間内に回転上流端P0bを検出しない場合には、クランク軸回転速度が上死点を乗り越えられない低速であると判断し、失火させるように制御している。
別の対策としては、特許文献1に記載されているように、点火の可否判断を、クランク軸回転速度の低下に基づく発電機出力の低下を検出することより、失火させる技術がある。たとえば、図9の点火時期被検出部102の回転下流端P0aを検出後、クランク軸回転速度低下による発電機出力の低下を検出すると、点火禁止信号を出力する構成となっている。
特開2005−220866号公報
図9の点火時期被検出部102の周方向の長さを利用する方式では、点火時期被検出部102を検出している途中でクランク軸が逆転した場合には、再度回転下流端P0aを検出することになるが、その時はパルスの立ち下がりを検出することになるので、点火時期被検出部102からの信号は、正常回転時と同様なパルス波形となる。したがって点火作動が行なわれ、ピストン上昇行程で燃焼爆発することによる逆回転する現象、いわゆるケッチン現象が生じることになる。
一方、発電機出力低下を検出する方式では、発電機の極数やクランク軸との相対取り付け位置並びに電流負荷の影響を受けやすく、常時、クランク軸回転速度を正確に検出できるとは限らない。また、発電機の電流の検知回路等が必要となり、部品点数も多くなる。
上記課題を解決するため、本発明によるエンジンの制御装置は、点火時期被検出部を有しクランク軸と比例回転するロータと、前記点火時期被検出部を検出して点火信号を発生する検出手段と、該検出手段の点火信号に基づき点火装置を作動させる制御手段と、を備えているエンジンの制御装置において、前記ロータには、前記点火時期被検出部とは別の複数の瞬時速度被検出部が設けられ、前記複数の瞬時速度検出部は、それぞれ瞬時速度を検出するように構成されており、前記制御手段は、前記検出手段により、ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられる複数の前記瞬時速度被検出部でそれぞれ検出された前記ロータの複数の瞬時速度を用い、これら複数の瞬時速度と前記各瞬時速度被検出部毎に設定された所定の閾値とをそれぞれ比較して、少なくともいずれか一つの前記時速度被検出部の瞬時速度が所定閾値未満の時には前記点火装置を失火させるように点火制御する、ことを特徴としている。
上記構成によると、一つのロータに点火時期被検出部と瞬時速度被検出部とを設け、一つの検出手段により、点火時期及び点火直前のロータ回転速度を検出するようにしているので、構造が簡単で、部品点数が少ない装置により、エンジン始動時の上死点乗り越え不可を検出し、クランク軸逆回転時における燃焼爆発を防止することができる。すなわち、ケッチン現象を防止できる。しかも、図9のように点火時期被検出部のみで点火時期とロータ回転を検出する構造と比べ、点火時期被検出部とは別の瞬時速度被検出部を設けているので、クランク軸の逆回転の検出洩れを無くすることができる。特に、瞬時速度被検出部を、ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けているので、点火直前のロータ回転速度を測定でき、クランク軸の逆回転、いわゆるケッチン現象阻止のための点火制御を行うことができる。
また、発電機出力を利用する構成ではないので、制御手段の回路構成も簡素化できる。
本発明は、前記エンジンの制御装置において、次の構成を採用することができる。
(a)前記制御手段は、前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられる複数の前記瞬時速度被検出部のすべてが、それぞれ所定の閾値以上の瞬時速度を検出した時のみ、前記点火装置を点火させるように点火制御する
(b)上記構成(a)に加え、複数の前記瞬時速度被検出部の所定の前記各閾値は、前記点火時期被検出部に近い側よりも遠い側の瞬時速度被検出部の方が高く設定されている
(c)前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられた複数の前記瞬時速度被検出部の周方向の長さは、いずれも前記点火時期被検出部の周方向の長さよりも短く設定されている。
(d)前記制御手段は、前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられた三つの前記瞬時速度被検出部のすべてが、それぞれ所定の閾値以上の瞬時速度を検出した時のみ、前記点火装置を点火させるように点火制御する。
(e)前記制御手段は、前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられた三つの前記瞬時速度被検出部のうち、いずれか二つが所定の閾値未満の時、または、3つの前記瞬時速度被検出部のすべてが、それぞれ所定の閾値未満の時のみ、前記点火装置を失火させるように点火制御する。
また、本発明は、エンジンの制御方法として、次の制御方法を提供する。
点火時期被検出部を有しクランク軸と比例回転するロータと、前記点火時期被検出部を検出して点火信号を発生する検出手段と、該検出手段の点火信号に基づき点火装置を作動させる制御手段と、を備えているエンジンの制御方法において、前記ロータのピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられると共に前記点火時期被検出部とは別の複数の瞬時速度被検出部を、前記検出手段で検出することにより、ピストン上昇行程における前記ロータの測定位置の異なる複数の瞬時速度を検出し、前記検出手段により複数の前記瞬時速度被検出部で検出された前記ロータの複数の瞬時速度を用い、これら複数の瞬時速度と前記各瞬時速度被検出部毎に設定された所定の閾値とをそれぞれ比較して、少なくともいずれか一つの前記瞬時速度被検出部の瞬時速度が所定閾値未満の時には前記点火装置を失火させるように点火制御する。
要するに本発明によると、構造が簡単で、部品点数が少ない装置により、エンジン始動時の上死点乗り越え不可を検出し、クランク軸逆回転時における燃焼爆発を防止することができ、しかも、クランク軸の逆回転の検出洩れも無くすることができる。
本発明にかかるエンジンの制御装置の一実施形態を示す断面略図である。 図1のエンジンのロータの拡大図である。 点火許可時のクランクパルスの生波形、クランクパルス整形後の整形波形、タイマカウント数、点火許可信号及び点火信号のタイムチャートを示す図である。 点火不許可時のクランクパルスの生波形、クランクパルス整形後の整形波形、タイマカウント数、点火許可信号及び点火信号のタイムチャートを示す図である。 3つの瞬時速度被検出部を利用する場合の各瞬時速度被検出部におけるタイマカウント数の変化を示す図である。 瞬時速度被検出部の変形例を示すロータの拡大図である。 瞬時速度被検出部の別の変形例を示すロータの拡大図である。 瞬時速度被検出部のさらに別の変形例を示すロータの拡大図である。 従来のロータを示す図2と同様の図である。
図1乃至図4は、本発明にかかるエンジンの制御装置の一実施の形態と幾つかの制御方式を示しており、これらの図により、本発明にかかる制御装置の実施形態及び制御方式(制御方法)を説明する。
図1はエンジンの縦断面略図であり、このエンジンは自動二輪車に搭載されており、周知のように、クランク軸1を収納したクランクケース2と、ピストン3を摺動自在に嵌合したシリンダ4と、シリンダヘッド5と、その他の部材と、を備えており、前記クランク軸1は、コンロッド8を介してピストン3に連結している。ピストン3の頂壁とシリンダ4の内壁(ライナ)とシリンダヘッド5の下面とで囲まれた燃焼室10には、吸気通路6及び排気通路7が、それぞれ吸気弁6a及び排気弁7aを介して開閉自在に開口し、燃焼室10の上部には点火プラグ11が設けられている。該点火プラグ11はイグナイタ13に電気的に接続されることにより点火装置を構成しており、前記イグナイタ13は、制御手段としての電子コントロールユニット(ECU)26に電気的に接続され、電子コントロールユニット26から発信される点火信号により、イグナイタ13が昇圧し、点火プラグ11に火花を発生させるようになっている。吸気弁6a及び排気弁7aは、クランク軸1と連動して比例回転するカム軸12、12にそれぞれ連動連結され、所定タイミングで開閉するようになっている。
クランク軸1には、ギヤ機構等の始動力伝達機構を介してキックペダル14が連動連結しており、自動二輪車の搭乗者がキックペダル14を矢印D方向に踏み込むと、そのキック力(踏力)がクランク軸1に伝達され、クランク軸1を矢印R方向の回転するようになっている。なお、矢印Rは、運転時のエンジンの正回転方向である。
吸気通路6には、吸気上流側から順に、スロットルバルブ15及び燃料インジェクター16が設けられており、スロットルバルブ15はハンドル17のスロットルグリップ18に機械的又は電気的に連結している。燃料インジェクター16は電子コントロールユニット26に電気的に接続している。
点火プラグ11による点火時期と、クランク軸回転速度、特に所定のタイミングでのクランク軸1の瞬時速度を検出するために、円板状のロータ19がクランク軸1に固着されると共に、前記ロータ19に対し、径方向の外方から対向する一つの磁気ピックアップ25が検出手段として配置されている。この磁気ピックアップ25は前記電子コントロールユニット26に電気的に接続され、点火信号等の検出信号を電子コントロールユニット26に入力するようになっている。
図2はロータ19の拡大図であり、ロータ19の外周端には、径方向の外方に突出すると共に周方向に一定の長さL0を有する一つの点火時期被検出部20と、該点火時期被検出部20と同様に径方向の外方に突出する共に前記点火時期被検出部20の周方向長さL0よりも短い長さL1を有する三つの瞬時速度被検出部21、22、23とが形成されている。これら三つの瞬時速度被検出部21、22、23は、該実施形態では略同一形状に形成されている。
説明の都合上、ロータ19の回転下流側(回転方向R側)を回転方向Rの前方側と称し、回転上流側(回転方向R側と反対側)を回転方向Rの後方側と称し、また、前記三つの瞬時速度被検出部21、22、23を、回転方向Rの後方側から順に、第1の瞬時速度被検出部21、第2の瞬時速度被検出部22及び第3の瞬時速度被検出部23と称して、以下説明する。
点火時期被検出部20は、回転方向Rの後端縁P0bが点火信号を発信する基準点(基準位置)となっており、該後端縁P0bは、ピストン上死点TDCに対応するクランク角度(θ1)よりやや進角側(回転方向Rの前方側)に位置し、前記磁気ピックアップ25で前記後端縁P0bでの立ち下がりを検出することにより、点火信号を電子コントロールユニット26に発信するようになっている。
三つの瞬時速度被検出部21、22、23は、ピストン上死点に対応する前記クランク角度θ1から、回転方向Rの前方側(進角側)に180°の範囲内に配置され、かつ、互いに周方向に略等間隔に設置している。したがって、第1の瞬時速度被検出部21が点火時期被検出部20の最も近くに位置し、第3の瞬時速度被検出部23が点火時期被検出部20から最も離れて位置していることになる。特に、点火時期被検出部20に最も近い前記第1の瞬時速度被検出部21は、ピストン上死点に対応する前記クランク角度θ1から回転方向Rの前方側(進角側)に90°の範囲内に配置されている。たとえば、略45°の位置に配置されている。なお、点火時期被検出部20の回転方向Rの前端縁P0aと第1の瞬時速度被検出部21の回転方向Rの後端縁P1bとの間隔も、各瞬時速度被検出部21、22、23同士の周方向の間隔と略等しく設定されている。
磁気ピックアップ25は、各瞬時速度被検出部21、22、23に対し、回転方向R側の各前端縁P1a、P2a、P3aの立ち上がりと、回転方向Rの反対側の各後端縁P1b、P2b、P3bの立ち下がりを検出するものであり、前記各前端縁P1a、P2a、P3aの検出時に電子コントロールユニット26内でそれぞれタイマがカウントを開始し、各後端縁P1b、P2b、P3bの検出時にそれぞれタイマカウントを終了する。そして、各瞬時速度被検出部21、22、23が磁気ピックアップ25を通過した時のタイマカウント数A1、A2、A3と、各瞬時速度被検出部21、22、23の周方向の長さL1に基づいて、各瞬時速度被検出部21、22、23におけるロータ19の瞬時速度V1、V2、V3を求めるようになっている。たとえば、式V1=αL1/A1、V2=αL1/A2、V3=αL1/A3により、各瞬時速度V1、V2及びV3が求められる。なお、前記係数αは、実際の各瞬時速度被検出部21、22、23の通過時間をt1、t2、t3とした場合に、α=A1/t1=A2/t2=A3/t3に対応する数値であり、α=1の場合には、A1=t1、A2=t2、A3=t3となる。
電子コントロールユニット26の記憶部には、瞬時速度被検出部21、22、23毎に、点火の可否を判断するための瞬時速度の閾値がそれぞれ設定され、記憶されている。すなわち、第1の瞬時速度被検出部21で検出する瞬時速度V1に対する第1の閾値A1mと、第2の瞬時速度被検出部22で検出する瞬時速度V2に対する第2の閾値A2mと、第3の瞬時速度被検出部23で検出する瞬時速度V3に対する第3の閾値A3mと、がそれぞれ設定され、記憶されている。前記第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mの大小関係は、該実施の形態ではV1m≦V2m≦V3mとなっている。すなわち、点火時期被検出部20から回転方向Rの前方側へ離れるに従い、閾値が高くなるように設定されている。
点火の可否を制御する方式(方法)は、前記三つの瞬時速度被検出部21、22、23の検出結果及び全閾値V1m、V2m、V3mを総て利用する場合、前記三つの瞬時速度被検出部21、22、23の検出結果及び閾値V1m、V2m、V3mの一組だけを利用する場合、あるいは2組を選択して利用する場合等、各種方式を採用することが可能であり、複数の検出結果を利用する場合でも、如何に利用するかで制御方式が異なることになる。以下、幾つかの制御方式を説明する。
[制御方式1]
制御方式1は、図2において、点火時期被検出部20に最も近い位置の第1の瞬時速度被検出部21による瞬時速度V1の検出及び第1の閾値V1mを利用する方式である。
図3は点火許可の場合、図4は点火不許可の場合を示しており、両図において、最上段のグラフは磁気ピックアップ25により発生するクランクパルスの生波形、第2段のグラフは最上段のクランクパルスの生波形を整形した後の整形波形、第3段のグラフは点火時期被検出部20及び第1、第2の瞬時速度被検出部21、22のタイマカウント数A0、A1、A2を示す波形、第4段のグラフは点火許可信号を示す波形、第5段(最下段)のグラフは点火を示す波形である。
キック始動時、図1のキックペダル14に掛かるキック力が十分に大きい場合は、図3に示すように、第1の瞬時速度被検出部21が磁気ピックアップ25を通過するために要するタイマカウント数A1は、第1の閾値V1mに対応するタイマカウント数A1mよりも小さくなっている。これは、第1の瞬時速度被被検出部21の検出時におけるロータ19の瞬時速度V1が第1の閾値V1mより大きくなっていることを意味しているので、十分に上死点を乗り越えられると判別される。したがって、第1の瞬時速度被検出部21の後端縁P1bの立ち下がりを検出した時点で、点火許可信号を発し、続いて、点火時期被検出部20の後端縁P0bの立ち下がりを検出した時点で、点火信号を発し、点火プラグ11の点火作動を行う。
上記点火許可の始動に対し、図1のキックペダル14に掛かるキック力が小さい場合は、図4において、第1の瞬時速度被被検出部21におけるタイマカウント数A1は、第1の閾値V1mに対応するタイマカウント数A1mよりも大きくなっている。これは、第1の瞬時速度被被検出部21の検出時における瞬時速度V1が第1の閾値V1mよりも小さくなっていることを意味しているので、上死点を乗り越えられないと判別される。したがって、第4段のグラフのように点火許可信号は発せられず、続いて第5段のグラフのように、点火信号も発せられない。すなわち、失火させ、これにより、ピストン上昇行程の爆発によるケッチン現象を確実に防止する。
[制御方式2]
制御方式2は、図2の第1、第2の瞬時速度被検出部21、22による瞬時速度V1、V2の検出及び第1、第2の閾値V1m、V2mを利用する方式であり、第1、第2の瞬時速度被検出部21、22により検出された瞬時速度V1、V2のいずれもが対応する第1、第2の閾値V1m、V2mより大きい場合にのみ、点火作動させ、第1、第2の瞬時速度被検出部21、22により検出された瞬時速度V1、V2のすくなくとも一つが対応する第1、第2の閾値V1m、V2mより小さい場合には、失火させる制御である。



すなわち、図3のように、第1、第2の瞬時速度被検出部21、22により検出された瞬時速度V1、V2のいずれもが、第1、第2の閾値V1m、V2mよりそれぞれ大きい場合(A1<A1m、且つ、A2<A2m)に、点火作動させる。一方、図4に示すように、第1、第2の瞬時速度被検出部21、22により検出された瞬時速度V1、V2の少なくとも一方(図4では第1の瞬時速度V1)が、対応する閾値(図4では第1の閾値V1m)小さい場合(A1>A1m、又は、A2>A2m)に、失火させる。
[制御方式3]
制御方式3は、図2の第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23による瞬時速度V1、V2、V3の検出及び第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mを利用する方式であり、第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23により検出された瞬時速度V1、V2、V3のいずれもが、対応する第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mよりそれぞれ大きい場合に、点火作動させ、つまり、第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23により検出された瞬時速度V1、V2、V3のすくなくとも一つが対応する第1、第2、閾値V1m、V2m、V3mより小さい場合には、失火させる制御である。
図5は、複数回キック始動した場合において、第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23により検出された瞬時速度に対応するタイマカウンタ数A1、A2、A3の変化を示す図であり、折れ線グラフEcのように、第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23により検出された瞬時速度V1、V2、V3のいずれもが、対応する第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mよりそれぞれ大きい場合(A1<A1m、A2<A2m、且つ、A3<A3m)に、正常に点火作動させる。
一方、折れ線グラフEb及びEaのように、第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23により検出された瞬時速度V1、V2、V3の少なくとも一つが対応する第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mより小さい場合(A1>A1m、A2>A2m、又は、A3>A3m)に、失火させる。
[その他の制御方式]
上記制御方式1乃至3の他に、次のような制御も採用可能である。
(1)図2の第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23による瞬時速度V1、V2、V3の検出及び第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mを利用する方式において、第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23により検出された瞬時速度V1、V2、V3のうち、いずれか二つが対応する第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mより小さい時に、失火させる。または、第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23により検出された瞬時速度V1、V2、V3の総てが、対応する第1、第2、第3の閾値V1m、V2m、V3mより小さい時のみ、失火させる。
(2)図2のような一つのロータ19に、瞬時速度被検出部を4箇所以上に設けることもできる。この場合でも、前述のように3つの第1、第2、第3の瞬時速度被検出部21、22、23を備えている場合と同様に、全瞬時速度被検出部の検出結果及び全閾値を総て利用して点火制御する場合、4つの瞬時速度被検出部の検出結果及び全閾値の一組だけを利用して点火制御する場合、あるいは2組或いは3組を選択的に利用して点火制御する場合等、各種採用することが可能である。
[制御装置のその他の実施の形態]
(1)図6は、ロータ19の変形例であり、ロータ19の外周端に点火時期被検出部20及び瞬時速度被検出部21、22、23として、切欠きを形成している。実質的な機能は前記図2の突起形状の点火時期被検出部20及び瞬時速度被検出部21、22、23と同じであるが、各瞬時速度被検出部21、22、23の回転方向Rの前端縁P1a、P2a、P3aがパルスの立ち下がりとなり、回転方向Rの後端縁P1b、P2b、P3bがパルスの立ち上がりとなる。
(2)図7は、ロータ19の別の変形例であり、点火時期被検出部20及び瞬時速度被検出部21、22、23として、軸方向に貫通する貫通孔を形成し、検出手段として、磁気ピックアップの代わりに光ピックアップ25aを、ロータ19の側方に配置している。なお、検出手段として、レーザーピックアップ等、各種ピックアップを利用することが可能である。
(3)図8は、ロータ19のさらに別の変形例であり、点火時期被検出部20及び瞬時速度被検出部21、22、23として、軸方向に突出する隆起部を形成し、検出手段として、磁気ピックアップ25を、ロータ19の側方に配置している。
(4)始動装置として、前記図1のようなキックペダル14の他に、紐式のリコイルスタータを備えたエンジンの制御装置にも適用可能である。
(5)本発明は、複数気筒エンジンに適用することも可能であり、その場合は、複数気筒のうち、任意の気筒を一つ特定し、その気筒に対する点火時期を基準として、前記単気筒の場合と同様な構成の制御装置を備え、同様な制御を行うことになる。
(6)前記図2では、三つの瞬時速度被検出部は、ピストン上死点に対応するクランク角度θ1から、回転方向Rの前方側(進角側)に180°の進角範囲内で、3つの瞬時速度被検出部21、22、23を配置すると説明しており、実質的には90°の範囲内で設定し、45°付近に設定しているが、できるだけ点火時期被検出部20に近づけることが好ましい。たとえば、3つの瞬時速度被検出部21、22、23がピストン上死点に対応するクランク角度θ1から、回転方向Rの前方側に45°の進角範囲内に総て収まるように配置したり、さらに好ましくは、クランク角度θ1から、回転方向Rの前方側に20°の進角範囲内に収まるように配置することも可能である。各瞬時速度被検出部21等は、点火時期被検出部20に近づける程、上死点を乗り越えられるか否かの判断が、より正確になされる。
(7)図2の実施形態では、クランク軸1にロータ19を固着し、ロータ19がクランク軸1と同期回転する構造であるが、ロータ19を、クランク軸1と比例回転する回転体、たとえば図2のカム軸12に設けることも可能である。ちなみに、カム軸12の回転速度はクランク軸の1/2であるので、ロータ19もクランク軸の1/2の速度で回転する。
(8)本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
本発明は、自動二輪車用のエンジンには限定されず、各種車輌用エンジン又は汎用エンジンの制御装置又は制御方法としても利用可能である。
1クランク軸
11、13 点火プラグ、イグナイタ(点火装置)
14 キックペダル
19 ロータ
20 点火時期被検出部
21、22、23 第1、第2、第3の瞬時速度被検出部
25 ピックアップ(検出手段の一例)
25a 光ピックアップ(検出手段の一例)
26 電子コントロールユニット(制御手段)

Claims (7)

  1. 点火時期被検出部を有しクランク軸と比例回転するロータと、前記点火時期被検出部を検出して点火信号を発生する検出手段と、該検出手段の点火信号に基づき点火装置を作動させる制御手段と、を備えているエンジンの制御装置において、
    前記ロータには、前記点火時期被検出部とは別の複数の瞬時速度被検出部が設けられ、
    前記複数の瞬時速度検出部は、それぞれ瞬時速度を検出するように構成されており、
    前記制御手段は、前記検出手段により、ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられる複数の前記瞬時速度被検出部でそれぞれ検出された前記ロータの複数の瞬時速度を用い、これら複数の瞬時速度と前記各瞬時速度被検出部毎に設定された所定の閾値とをそれぞれ比較して、少なくともいずれか一つの前記時速度被検出部の瞬時速度が所定閾値未満の時には前記点火装置を失火させるように点火制御する、エンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられる複数の前記瞬時速度被検出部のすべてが、それぞれ所定の閾値以上の瞬時速度を検出した時のみ、前記点火装置を点火させるように点火制御する、エンジンの制御装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの制御装置において、
    複数の前記瞬時速度被検出部の所定の前記各閾値は、前記点火時期被検出部に近い側よりも遠い側の前記瞬時速度被検出部の方が高く設定されている、エンジンの制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置において、
    前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられた複数の前記瞬時速度被検出部の周方向の長さは、いずれも前記点火時期被検出部の周方向の長さよりも短く設定されている、エンジンの制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられた三つの前記瞬時速度被検出部のすべてが、それぞれ所定の閾値以上の瞬時速度を検出した時のみ、前記点火装置を点火させるように点火制御する、エンジンの制御装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、前記ピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられた三つの前記瞬時速度被検出部のうち、いずれか二つが所定の閾値未満の時、または、三つの前記瞬時速度被検出部のすべてが、それぞれ所定の閾値未満の時のみ、前記点火装置を失火させるように点火制御する、エンジンの制御装置。
  7. 点火時期被検出部を有しクランク軸と比例回転するロータと、前記点火時期被検出部を検出して点火信号を発生する検出手段と、該検出手段の点火信号に基づき点火装置を作動させる制御手段と、を備えているエンジンの制御方法において、
    前記ロータのピストンの上死点から180°の範囲内の進角位置に設けられると共に前記点火時期被検出部とは別の複数の瞬時速度被検出部を、前記検出手段で検出することにより、ピストン上昇行程における前記ロータの測定位置の異なる複数の瞬時速度を検出し、
    前記検出手段により複数の前記瞬時速度被検出部で検出された前記ロータの複数の瞬時速度を用い、これら複数の瞬時速度と前記各瞬時速度被検出部毎に設定された所定の閾値とをそれぞれ比較して、少なくともいずれか一つの前記瞬時速度被検出部の瞬時速度が所定閾値未満の時には前記点火装置を失火させるように点火制御する、エンジンの制御方法。
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