JP4066955B2 - 内燃機関のクランク角判別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のクランク角を判別するクランク角判別装置に関する。
従来、この種の装置として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。この装置では、クランク軸に同軸状に固定されそのクランク軸と一体に回転する円板を設け、更に、その円板のほぼ全周に渡って等間隔で多数の突起を形成し、点火時期に対応する所定部分では突起の間隔を他の部分より広く形成している。そして、センサによって突起の間隔を検出し、間隔の広い部分(不等間隔部)を検出したとき所定のタイミングで点火を実行するのである。
また、近年多気筒の内燃機関では、どの気筒グループ(ピストンが同じ位相で摺動する気筒の組)の点火時期対応するかに応じて不等間隔部の間隔を異ならせることもが考えられている。例えば、4気筒の内燃機関では、第一または第二気筒グループの内いずれの点火時期に対応するかによって、突起間隔を等間隔部の2倍または3倍に形成したものが考えられる。
ところが、この種の装置では、気筒数が大きくなるにつれて不等間隔部の気筒グループによる相対的な相違が小さくなり、これに加減速によるエンジン回転数の変化などが加わったとき、気筒グループの判別が困難になることがあった。
そこで、例えば、特許文献2に記載のように、カム軸の回転に応じて等間隔で回転信号を出力するセンサと、クランク軸が点火時期に対応するクランク角まで回転したとき、気筒グループに応じて幅の異なる矩形パルスを出力するセンサとを備え、矩形パルスの出力と回転信号の出力との対応関係によって気筒グループを判別する装置が提案されている。
特開昭56−87860号公報 特開平3−172558号公報
ところが、この装置では、センサを2種類使用するため構成が複雑化し、生産コストも上昇してしまう。また、点火気筒の判別装置以外の分野でも、簡単な構成にして多数のクランク角を正確に判別することのできる装置は、未だ開発されていない。そこで、本発明は、簡単な構成にしてクランク角を正確に判別することのできるクランク角判別装置を提供することを目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた本発明は、図12に例示するように、クランク軸の回転に応じて、所定のクランク角では間隔を異にし他のクランク角では等間隔なパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、該パルス信号の発生間隔に基づいて圧縮上死点のクランク角を判別するクランク角判別手段とを備えた内燃機関のクランク角判別装置において、上記パルス信号発生手段が、対応する圧縮上死点のクランク角に応じて異なる回数連続した不等間隔部を有するパルス信号を発生する手段を含み、上記不等間隔部は、上記パルス信号の等間隔な発生間隔よりも大きく、上記全ての不等間隔部は、その不等間隔部が対応する圧縮上死点のクランク角よりも手前側に配設され、更に、上記不等間隔部の連続回数が最も多い圧縮上死点に対応する最も手前側の上記不等間隔部の位置と、他の圧縮上死点に対応する最も手前側の上記不等間隔部の位置とが、それぞれが対応する圧縮上死点のクランク角に対して同一の位置に配設されており、上記クランク角判別手段が、上記パルス信号の不等間隔部の連続回数に基づいてクランク角を判別する手段を含むことを特徴とする内燃機関のクランク角判別装置を要旨としている。
このように構成された本発明では、パルス発生手段は、クランク角に応じて異なる回数連続した不等間隔部を有するパルス信号を発生し、クランク角判別手段は、そのパルス信号の不等間隔部の連続回数に基づいてクランク角を判別する。不等間隔部の連続回数はエンジン回転数の変化などに関わらず比較的正確に計数可能である。例えば、不等間隔部の大きさを計数する場合に比べてエンジン回転数の影響を受け難い。また、本発明は、パルス信号の発生様式およびクランク角の判別方法を変更するだけでよく、従来装置にセンサなどを新たに設ける必要がない。従って、本発明では、簡単な構成にして正確にクランク角を判別することが可能となる。
なお、多数のクランク角を判別する場合、不等間隔部を多数連続させる必要が生じる。このような場合、クランク軸の回転に応じて変動する運転状態の変動を検出する運転状態変動検出手段を新たに設け、その運転状態変動検出手段が上記パルス信号の等間隔部で所定の運転状態の変動を内燃機関の回転数の変動に基づいて検出したとき、上記クランク角判別手段が、上記クランク角とは異なるもう一つの所定クランク角を判別するようにするとよい。このように構成した場合、パルス信号の等間隔部でも一つの所定クランク角を判別することができるので、他の所定クランク角に対応する不等間隔部の連続回数を低減することが可能となる。
更に、このような運転状態の変動に基づくクランク角の判別は、内燃機関の回転数が所定値以上のとき、バッテリ電圧が所定値以上のとき、または、内燃機関がクランキング状態のときのみ行うようにしてもよい。内燃機関の回転数が低いときやバッテリ電圧の低いときはクランク軸の回転に応じて変動する運転状態の変動が不規則になる。そこで、上記運転状態の変動に基づくクランク角の判別をこれらの場合に禁止することによりクランク角の誤判別を一層良好に防止することが可能となる。また、クランク軸がスタータの駆動力によって回転するクランキング状態では、上記運転状態の変動とクランク角との対応がより良好になる。そこで、クランキング状態のときにのみ運転状態の変動に基づくクランク角の判別を行うことによっても一層正確にクランク角を判別することが可能となる。
また、このように構成した場合も、本発明は、パルス信号の発生様式およびクランク角の判別方法を変更するだけでよく、従来装置にセンサなどを新たに設ける必要がない。なお、多数のクランク角を判別する場合、不等間隔部を多数連続させる必要が生じる。このような場合、クランク軸の回転に応じて変動する運転状態の変動を検出する運転状態変動検出手段を新たに設け、その運転状態変動検出手段が上記パルス信号の等間隔部で所定の運転状態の変動をバッテリ電圧の変動に基づいて検出したとき、上記クランク角判別手段が、上記クランク角とは異なるもう一つの所定クランク角を判別するようにするとよい。このように構成した場合、パルス信号の等間隔部でも一つの所定クランク角を判別することができるので、他の所定クランク角に対応する不等間隔部の連続回数を低減することが可能となる。
以上詳述したように、本発明の内燃機関のクランク角判別装置では、クランク角判別手段は不等間隔部の連続回数に基づいてクランク角を判別しているので、エンジン回転数の変化などに関わらず正確にクランク角を判別することができる。また、本発明は、パルス信号の発生様式およびクランク角の判別方法のみを変更するだけで実施することができる。従って、本発明では、簡単な構成にして正確にクランク角を判別することができる。
また、クランク軸の回転に応じて変動する運転状態の変動を検出する運転状態変動検出手段を新たに設け、その運転状態変動検出手段が上記パルス信号の等間隔部で所定の運転状態の変動を内燃機関の回転数の変動に基づいて検出したとき、上記クランク角判別手段が、上記クランク角とは異なるもう一つの所定クランク角を判別するようにしてもよく、この場合次のような新たな効果が得られる。このように構成した場合、パルス信号の等間隔部でも一つの所定クランク角を判別することができるので、不等間隔部の連続回数を低減し、多数のクランク角を良好に判別することが可能となる。
更に、このような運転状態の変動に基づくクランク角の判別を、内燃機関の回転数が所定値以上のとき、バッテリ電圧が所定値以上のとき、または、内燃機関がクランキング状態のときのみ行うようにすれば、より一層正確にクランク角を判別することができる。また、クランク軸の回転に応じて変動する運転状態の変動をバッテリ電圧の変動に基づいて検出する運転状態変動検出手段を新たに設け、その運転状態変動検出手段が上記パルス信号の等間隔部で所定の運転状態の変動をバッテリ電圧の変動に基づいて検出したとき、上記クランク角判別手段が、上記クランク角とは異なるもう一つの所定クランク角を判別するようにしてもよく、この場合次のような新たな効果が得られる。このように構成した場合、パルス信号の等間隔部でも一つの所定クランク角を判別することができるので、不等間隔部の連続回数を低減し、多数のクランク角を良好に判別することが可能となる。
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。図2は実施例の構成を概略的に表すブロック図である。なお、本実施例の内燃機関のクランク角判別装置は、図示しない第1〜第6気筒(以下、気筒1〜6と記載)を有する6気筒の内燃機関に装着され、各気筒1〜6の点火時期を内燃機関のクランク角に基づいて判別するものである。また、本実施例の内燃機関では、気筒1および6,気筒2および5,気筒3および4が、それぞれのピストンが同じ位相で摺動する所謂気筒グループを形成しており、例えば、気筒グループの一方の気筒が爆発行程にあるとき他方の気筒が吸気行程にある。
内燃機関のクランク軸20近傍には図1に示すクランク軸センサ21が装着されている。クランク軸20には、そのクランク軸20と一体に回転するクランク側円板23が同軸状に固定され、クランク軸センサ21は、そのクランク側円板23の周囲に等間隔で形成された突起25を検出する電磁ピックアップ式の検出器である。
突起25は、クランク軸20が気筒1または6の圧縮上死点(以下、TDC1,TDC6と記載、他の気筒についても同様)に対応するクランク角まで回転したときクランク軸センサ21と対向する突起25aよりも、クランク軸20の回転方向に4歯分および5歯分手前の部分が欠落しており、この部分に欠歯部29aが形成されている。また、TDC2,TDC5にてクランク軸センサ21と対向する突起25bよりも、1歯分,2歯分,4歯分,および5歯分手前の部分で突起25が欠落しており、この部分に欠歯部29b,29cが形成されている。なお、TDC3,TDC4にてクランク軸センサ21と対向する突起25cの近傍には欠歯部が形成さていない。
一方、内燃機関のカム軸30近傍には図3に示すカム軸センサ31が装着されている。カム軸30には、そのカム軸30と一体に回転するカム側円板33が同軸状に固定され、カム軸センサ31は、カム側円板33の周囲に形成された突起35a,35b,35cを検出する電磁ピックアップ式の検出器である。なお、突起35a,35b,35cは、カム軸30がTDC2,TDC4,およびTDC6に対応する位置まで回転したときカム軸センサ31と対向するカム側円板33の外周33a,33b,および33cよりも、カム軸30の回転方向に30°手前の部分にそれぞれ形成されている。また、カム軸30がTDC1,TDC3,およびTDC5に対応する位置まで回転したときカム軸センサ31と対向するカム側円板33の外周33d,33e,および33f近傍には突起は形成されていない。
図2に戻って、クランク軸センサ21およびカム軸センサ31による突起25,突起35の検出信号(以下、NE信号,G信号と記載)は、波形整形部を含む入力バッファ110を経てCPU150に入力される。CPU150はNE信号,G信号に基づいて、気筒判別、基準位置、回転数等の演算処理を行う。
CPU150にはその他にも、始動状態を検出するスタータスイッチ、アイドル状態を検出するアイドルスイッチ等の機関の運転状態検出スイッチ41〜43の出力がデジタル入力バッファ130を介して入力される。また、吸入空気量を検出するエアフロメータ51、バッテリ52の出力電圧、冷却水温を検出する水温センサ53などの内燃機関の運転状態に関する情報が、A/D変換器140を介してCPU150に入力される。
CPU150は、各運転状態センサ41〜43,51〜53からの運転状態情報と、前述のNE信号,G信号とに基づいて、最適な点火時期、および燃料噴射量を演算する。そして、出力バッファ160を介して点火信号を出力し、イグナイタ200を駆動し、所定の気筒の点火コイル210〜260に通電し、演算された点火時期に通電を遮断することにより、通電遮断時に発生する高電圧を各気筒の点火プラグ(図示せず)に導き、各気筒の混合気を点火燃焼させる。
また、CPU150は出力バッファ160を介して噴射信号を出力し、各気筒の燃料噴射弁310〜360より燃料を吸気マニホールドに噴射する。このように、本実施例では、CPU150と出力バッファ160等により制御信号を出力する制御回路を構成している。
次に、CPU150が図5以下に示す処理を実行し、各気筒の点火制御を行う。先ず、図5,図6は、欠歯部29a〜29cに対応する気筒1,2,5,6のTDCを判別する第一点火制御処理を表すフローチャートである。なお、この処理は、NE信号の入力毎に実行される。
処理を開始すると、先ず、ステップ100aにてGラッチカウンタGCが0であるか否かを判断する。始動直後にはGC=0に初期設定されるので、肯定判断して続くステップ100bへ移行する。ステップ100bでは、前回の処理が終了してから今回の処理が開始されるまでの間に、G信号の入力があったか否かを判断する。G信号の入力がなかった場合は(ステップ100b:NO)、そのままステップ101へ移行し、有った場合は(ステップ100b:YES)、ステップ100cにてGラッチカウンタGCを6にセットした後ステップ101へ移行する。
なお、ステップ100cにてGC=6とすると、次回処理を開始したときにはステップ100aにて否定判断し、ステップ100dにてGラッチカウンタGCをデクリメントしてステップ101へ移行する。従って、ステップ100a〜100dの一連の処理により、G信号が入力されると、最初のNE信号入力時から7回目のNE信号入力時までの間、GC>0に保持することができる。
次に、ステップ101へ移行すると、図4に例示するように、NE信号の時間間隔の今回値Tnと、前々回処理時の値Tn-2とを比較し、その比が所定値Kh(2<Kh<3)より大きいか否か、すなわち、Tn/Tn-2>Khであるか否かによって、クランク軸センサ21が欠歯部29と対向したか否かを判断する。対向していない場合は、否定判断してステップ103へ移行し、欠歯部29の連続回数を計数する欠歯カウンタKCが1であるか否かを判断する。始動直後にはKCは0に初期設定されるので、否定判断して一旦処理を終了する。
クランク軸センサ21がいずれかの欠歯部29と対向すると(ステップ101:YES)、ステップ105へ移行して欠歯カウンタKCをインクリメントし、続くステップ107にてKC=2であるか否かを判断する。はじめてステップ107へ移行したときはKC=1であるので、否定判断して一旦処理を終了する。
クランク軸センサ21が欠歯部29aに対向したときは、ステップ101では一回だけ肯定判断し、その次の処理(次のNE信号入力時)ではステップ101にて否定判断してステップ103へ移行する。このときKC=1であるので(ステップ103:YES)、ステップ111へ移行して、0に初期設定されているNE信号カウンタNCをインクリメントする。続くステップ113では、NC=3であるか否かを判断する。はじめてステップ113移行したときはNC=1であるので、否定判断して一旦処理を終了する。続いて、同様にステップ101,103,111,113の処理を繰り返し、NC=3となると(ステップ113:YES)、すなわち、クランク軸センサ21が突起25a(TDC1,TDC6に対応)と対向すると、ステップ115へ移行する。ステップ115では、Gラッチが有るか否かをGC>0であるか否かにより判断し、有りの場合は肯定判断してステップ117へ、無しの場合は否定判断してステップ119へ、それぞれ移行する。
ここで、Gラッチとは、図7に示すように、G信号が入力されるとその直後のNE信号入力から7番目のNE信号入力に至るまでの間、連続して出力される矩形パルスである。このため、TDC2,TDC4,TDC6はこのGラッチのある間に配設される。
従って、Gラッチが有るときは(ステップ115:YES)、ステップ117にてTDC6であると判断し、Gラッチが無いときは(ステップ115:NO)、ステップ119にてTDC1であると判断する。ステップ117,119の次はステップ121,123へ順次移行し、NE信号カウンタNC,欠歯カウンタKCを順次リセットした後処理を終了する。
また、クランク軸センサ21が突起25b(TDC2,TDC5に対応)と対向するときは、欠歯部29c,29bに応じて2回連続してステップ105へ移行する。すると、KC=2となってステップ107にて肯定判断し、ステップ125へ移行する。ステップ125ではGラッチが有るか否かをGC>0であるか否かによって判断し、有りの場合(ステップ125:YES)はステップ127にてTDC2と、無しの場合(ステップ125:NO)はステップ129にてTDC5と、それぞれ判断する。ステップ127,129の次は、前述のステップ123へ移行する。
以上の処理により、気筒1,2,5,6のTDC(TDC1,TDC2,TDC5,TDC6)を判別することができる。また、図示しない他のルーチンにより、TDC1,TDC2,TDC5,およびTDC6の判別時には点火信号IGtをONとし、対応する点火コイル(210〜260のいずれか)に通電を開始する。そして、次のNE信号入力時に点火信号IGtをOFFとして、その点火コイル210〜260に蓄積された電力を放出し、該当気筒に点火を行う(図7参照)。
次に、図8,図9は、欠歯部が形成されていない気筒3,4のTDCを判別する第二点火制御処理を表すタイムチャートおよびフローチャートである。始動からのクランキング角度と、各クランキング角度における瞬時的なエンジン回転数Tとの間には、図8に例示するような関係がある。すなわち、本実施例の内燃機関は6気筒であるので、60°BTDC(上死点前60°CA)の近傍で最もエンジン回転数Tが大きく、TDCの近傍で最もエンジン回転数Tが小さくなる。そこで、10°CA毎に検出したエンジン回転数Tの変化量Ts(=Tn-1−Tn)の変化を見ると、60°BTDCから50°BTDCに至る間でTsは負から正に変化し、TDCから10°ATDC(上死点後10°CA)に至る間でTsは正から負に変化する。また、エンジン回転数Tおよびその変化量Tsは、クランキング時に限らず内燃機関の運転中もほぼ同様の変化を示す。そこで、本ルーチンでは、欠歯部が形成されていない気筒3,4のTDCを、Tsの符号の変化に基づいて次のように判別している。なお、エンジン回転数Tは、図示しない他のルーチンにより、NE信号の間隔に基づいて算出される。
CPU150は、図9の第二点火制御処理をNE信号が入力される毎に実行する。処理を開始すると、先ず、ステップ201にてTsの符号が変化したか否かを判断する。変化していないときは否定判断してステップ203へ移行する。ステップ203では、KC=0であるか否かを判断する。欠歯部29が検出されておらず、KC=0であるときは、カウンタIが1以下であるか否かを判断する。カウンタIは0に初期設定されるので、はじめてステップ205へ移行したときは肯定判断してステップ207へ移行する。ステップ207ではI=1であるか否かを判断し、I≠1のときはそのまま一旦処理を終了する。
次に、50°BTDCにてTsが負から正に変化すると、ステップ201にて肯定判断する。続くステップ211では、Tsが正に変化したか否かを判断し、ここでも肯定判断してステップ212,213,215へ移行する。ステップ212,213,215では、スタータスイッチがオンで(STA=ON)、バッテリ電圧Bが所定値B0 以上で、かつ、エンジン回転数Tが所定値T0 以上であるか否かを判断する。ステップ212,213または215のいずれかで否定判断するとそのまま一旦処理を終了し、ステップ212,213,215で共に肯定判断すると続くステップ217へ移行する。ステップ217ではカウンタIを4にセットした後一旦処理を終了する。
次に処理を実行すると(40°BTDC)、再びステップ201にて否定判断するが、I=4であるのでステップ205にて否定判断する。すると、ステップ221にてカウンタIをデクリメントして一旦処理を終了する。以下、ステップ201,203,205,221の処理を繰り返しながら、NE信号の入力毎(TDC3,TDC4近傍では10°CA毎)にカウンタIをデクリメントする。
そして、I=1となると(10°BTDC)ステップ205,207にて肯定判断し、ステップ223へ移行する。ステップ223では、点火信号IGtをONにし、続くステップ225にてカウンタIをリセットした後一旦処理を終了する。また、カウンタIをデクリメントする途中で欠歯部29を検出すると、KC≠0となり、ステップ203から直接ステップ225へ移行してカウンタIをリセットする。すなわち、TDC1,TDC2,TDC5,TDC6に関する点火信号IGtは、前述の第一点火制御処理によって制御されるので、本ルーチンによる点火信号IGtの制御を禁止するのである。
更に、10°ATDCにてTsが負に変化すると(ステップ201:YES,ステップ211:NO)ステップ229へ移行し、点火信号IGtをOFFにした後一旦処理を終了する。すると、図示しない他のルーチンにより、Gラッチ有りのときは気筒4に、Gラッチ無しのときは気筒3に、それぞれ点火を行う。
なお、本ルーチンでは、B<B0 またはT<T0 のとき(ステップ213:NO,またはステップ215:NO)カウンタIをセットしない。このため、次にステップ207へ移行したとき否定判断して気筒3,4の点火も行わないが、これは次の理由によるものである。すなわち、図10に○で例示するように、バッテリ電圧Bが低いときはエンジン回転数Tおよびその変化量Tsの波形が、●で例示する通常時の波形に対して進角する傾向にある。このため、上記第二点火制御処理によっては正確な点火時期を判別できないので該当気筒への点火を中止するのである。また、エンジン回転数Tが低い場合も同様に正確な判別ができないので該当気筒への点火を中止するのである。
このように、本実施例のクランク角判別装置では気筒1,2,5,6の点火時期を、欠歯部29の連続回数によって判別している。このため、欠歯部の長さなどによって判別する従来の装置に比べ、エンジン回転数の変化などに関わらず正確に判別することができる。また、本実施例は、従来装置に対して、クランク側円板23と、電子制御回路内のプログラムとの構成を変更するだけで実施することができる。従って、本実施例では、簡単な構成にして正確に点火気筒を判別することができる。
また、本実施例では気筒3,4の点火時期をエンジン回転数Tの変化に基づいて判別している。このため、突起25の等間隔部でも気筒判別が可能となり、欠歯部29を三つ設けるだけで多数の気筒1〜6の点火時期を判別することができる。このため、欠歯部29を長くして、より正確に点火気筒を判別することができる。
また、ここで上記実施例において、クランク側円板23およびクランク軸センサ21がパルス信号発生手段に該当し、CPU150がクランク角判別手段に該当する。更に、エンジン回転数Tの変化量Tsを算出する処理が運転状態変動検出手段に、エンジン回転数Tを算出する処理が回転数検出手段に、バッテリ電圧Bを読み込む処理がバッテリ電圧検出手段に該当する。
なお、上記実施例では、各気筒1〜6のTDC延いては点火時期を判別しているが、本発明は、その他種々のクランク角を判別する装置に適用することができる。また、8気筒,10気筒など種々の気筒数の内燃機関に適用することもできる。更に、上記実施例ではクランク側円板23に欠歯部29a〜29cを設けているが、欠歯部29a〜29cを設ける代わりに、突起25の間隔を密にしてもよい。また更に、着磁されたドラムとホール素子となどによってNE信号を発生してもよい。
また、上記実施例の第二点火制御処理では、エンジン回転数Tの変動に基づいてクランク角(TDC3,TDC4)を判別しているが、クランク角はこの他種々の運転状態に基づいて判別することができる。例えば、図11に例示するように、バッテリ電圧Bもクランク角に応じて変動する。そこで、バッテリ電圧Bの変動に基づいてクランク角を判別してもよい。この場合も、図11に○で例示するように、バッテリ電圧Bが低いとその変動波形が通常時の波形に比べて進角する。そこで、B<B0 のときは判別を禁止するのが望ましい。
また、エンジン回転数Tやバッテリ電圧Bの変動は、内燃機関のクランキング時にはクランク角と一層良好に対応したものとなる。そこで、上記実施例では、スタータスイッチがONとなり、クランキングが行われているときのみ、エンジン回転数Tなどの変動に基づくクランク角の判別を行うようにしている。このため、一層正確にクランク角を判別することができるが、図9のステップ212の処理は省略してもよい。更に、上記実施例では、B<B0 またはT<T0 のとき点火制御を禁止しているが、図1に示すように、突起25b(TDC2,TDC5に対応)と突起25c(TDC3,TDC4に対応)とは突起25の12個分離れている。そこで、第一点火制御処理にてTDC2またはTDC5を判別した後、NE信号を12個計数し、そのときをTDC4またはTDC3と判断することにより点火制御を行ってもよい。
また、上記実施例では、クランク側円板23に欠歯部29a〜29cを形成することによりセンサ個数を少なくしているが、他のセンサ構造、例えば、特開昭62−87649号公報に記載のように、クランク軸センサを二つ有するものに上記第二点火制御処理を行ってもよい。この場合も、センサ構造を殆ど変化させることなく他気筒まで気筒判別可能である。
実施例のクランク軸センサ周辺の構成を表す説明図である。 実施例の構成を概略的に表すブロック図である。 実施例のカム軸センサ周辺の構成を表す説明図である。 実施例のクランク軸センサ検出信号の挙動を表すタイムチャートである。 実施例の第一点火制御処理を表すフローチャートである。 実施例の第一点火制御処理を表すフローチャートである。 実施例の電子制御回路におけるGラッチの動作を表すタイムチャートである。 実施例の第二点火制御処理を表すタイムチャートである。 実施例の第二点火制御処理を表すフローチャートである。 バッテリ電圧によるエンジン回転数変動の相違を表すタイムチャートである。 クランク角に応じたバッテリ電圧の変動を表すタイムチャートである。 本発明の構成例示図である。
符号の説明
1,2,3,4,5,6…気筒 10…内燃機関 21…クランク軸センサ
23…クランク側円板 25…突起 29a,29b,29c…欠歯部
31…カム軸センサ 33…カム側円板 35a,35b,35c…突起
52…バッテリ 150…CPU

Claims (7)

  1. クランク軸の回転に応じて、所定のクランク角では間隔を異にし他のクランク角では等間隔なパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、
    該パルス信号の発生間隔に基づいて圧縮上死点のクランク角を判別するクランク角判別手段と、
    を備えた内燃機関のクランク角判別装置において、
    上記パルス信号発生手段が、対応する圧縮上死点のクランク角に応じて異なる回数連続した不等間隔部を有するパルス信号を発生する手段を含み、
    上記不等間隔部は、上記パルス信号の等間隔な発生間隔よりも大きく、上記全ての不等間隔部は、その不等間隔部が対応する圧縮上死点のクランク角よりも手前側に配設され、更に、上記不等間隔部の連続回数が最も多い圧縮上死点に対応する最も手前側の上記不等間隔部の位置と、他の圧縮上死点に対応する最も手前側の上記不等間隔部の位置とが、それぞれが対応する圧縮上死点のクランク角に対して同一の位置に配設されており、
    上記クランク角判別手段が、上記パルス信号の不等間隔部の連続回数に基づいてクランク角を判別する手段を含む
    ことを特徴とする内燃機関のクランク角判別装置。
  2. クランク軸の回転に応じて、所定のクランク角では間隔を異にし他のクランク角では等間隔なパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、
    該パルス信号の発生間隔に基づいて圧縮上死点のクランク角を判別するクランク角判別手段と、
    を備えた内燃機関のクランク角判別装置において、
    上記パルス信号発生手段が、対応する圧縮上死点のクランク角に応じて異なる回数連続した欠歯による不等間隔部を有するパルス信号を発生する手段を含み、
    上記クランク角判別手段が、上記パルス信号の欠歯による不等間隔部の連続回数が1回であるか2回であるかに基づいてクランク角を判別する手段を含み、
    上記欠歯による不等間隔部は、不等間隔部の連続回数が2回のクランク角では対応する圧縮上死点のクランク角より1,2,4,5歯分手前の歯が欠落することによって構成され、不等間隔部の連続回数が1回のクランク角では、対応する圧縮上死点のクランク角より4,5歯分手前の歯が欠落することによって構成されたことを特徴とする内燃機関のクランク角判別装置。
  3. クランク軸の回転に応じて、所定のクランク角では間隔を異にし他のクランク角では等間隔なパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、
    該パルス信号の発生間隔に基づいてクランク角を判別するクランク角判別手段と、
    を備えた内燃機関のクランク角判別装置において、
    上記クランク軸の回転に応じて変動する運転状態の変動を上記内燃機関の回転数の変動に基づいて検出する運転状態変動検出手段を備え、
    上記パルス信号発生手段が、クランク角に応じて異なる回数連続した不等間隔部を有するパルス信号を発生する手段を含み、
    上記クランク角判別手段が、上記パルス信号の不等間隔部の連続回数に基づいてクランク角を判別する手段と、運転状態変動検出手段が上記パルス信号の等間隔部で所定の運転状態の変動を検出したとき上記所定のクランク角とは異なるもう一つの所定のクランク角を判別する手段と、を含むことを特徴とする内燃機関のクランク角判別装置。
  4. 上記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を備え、
    上記クランク角判別手段が、該検出された回転数が所定値以上のときのみ、上記運転状態の変動に基づくクランク角判別を行う手段を含むことを特徴とする請求項3記載の内燃機関のクランク角判別装置。
  5. 上記内燃機関のバッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を備え、
    上記クランク角判別手段が、該検出されたバッテリ電圧が所定値以上のときのみ、上記運転状態の変動に基づくクランク角判別を行う手段を含むことを特徴とする請求項3記載の内燃機関のクランク角判別装置。
  6. 上記内燃機関のクランキング状態を検出するクランキング検出手段を備え、
    上記クランク角判別手段が、該クランキング状態が検出されたときのみ、上記運転状態の変動に基づくクランク角判別を行う手段を含むことを特徴とする請求項3記載の内燃機関のクランク角判別装置。
  7. クランク軸の回転に応じて、所定のクランク角では間隔を異にし他のクランク角では等間隔なパルス信号を発生するパルス信号発生手段と、
    該パルス信号の発生間隔に基づいてクランク角を判別するクランク角判別手段と、
    を備えた内燃機関のクランク角判別装置において、
    上記クランク軸の回転に応じて変動する運転状態の変動をバッテリ電圧の変動に基づいて検出する運転状態変動検出手段を備え、
    上記パルス信号発生手段が、クランク角に応じて異なる回数連続した不等間隔部を有するパルス信号を発生する手段を含み、
    上記クランク角判別手段が、上記パルス信号の不等間隔部の連続回数に基づいてクランク角を判別する手段と、運転状態変動検出手段が上記パルス信号の等間隔部で所定の運転状態の変動を検出したとき上記所定のクランク角とは異なるもう一つの所定のクランク角を判別する手段と、を含むことを特徴とする内燃機関のクランク角判別装置。
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