JP4075205B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランク軸とカム軸との間の回転位相を調整する回転位相調整機構を備えた内燃機関に適用され、初回気筒のクランク角判別を良好に行い、内燃機関の制御性を向上させるための内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術として、特開平7−150989号公報の装置が知られている。同公報の装置では、クランク軸とカム軸との間の回転位相を調整する回転位相調整機構(VVT機構)を備え、クランク軸及びカム軸の回転位置をクランク角センサ及びカム角センサにより各々検出する。また、上記VVT機構の作用角(最大調整量)よりも広くクランク角の判別区間を設定し、この判別区間に同期したカム角センサのパルス信号出力の有無に基づいて気筒判別を行う。同装置によれば、VVT機構の作用角に関係なく正常な気筒判別が実施できるようになっていた。
【0003】
しかしながら、上記装置では、VVT機構を持たない装置に比べクランク角の判別区間がより広く設定されるため、機関停止時には同判別区間の途中でクランク軸の回転が停止し、同判別区間内の停止位置から内燃機関が始動される可能性が高くなる。従って、始動直後において初回気筒のクランク角判別(気筒判別)が実施できずに燃料噴射や点火時期の制御開始が遅れてしまい、結果として始動性が悪化するという問題を招く。
【0004】
またその他の従来技術として、特開平7−109948号公報には、クランク角センサの信号出力の不等間隔部を使って気筒判別を行うクランク角判別装置が開示されている。すなわち、同公報の装置では、クランク角に応じて異なる回数連続した不等間隔部を有するパルス信号を、クランク角センサが出力し、該パルス信号の不等間隔部の連続回数とカム角センサの信号出力(カム信号)とに基づいて気筒判別を行うこととしていた。かかる装置では、上記特開平7−150989号公報の装置とは異なりクランク角の判別区間が狭くて済むため、同判別区間の途中から機関始動が開始される可能性は低く、機関始動性は良好に保たれるようになっていた。
【0005】
しかしながら、上記特開平7−109948号公報の装置の場合、VVT機構との組み合せにおいて、以下の問題がある。つまり、VVT機構の動作位置が進角側にずれた状態で内燃機関が始動された時、判別区間からカム信号が外れているため正確なカム信号が計測できず、内燃機関の気筒を誤判別してしまう。内燃機関の気筒を誤判別すると、正規以外の気筒に対し燃料噴射や点火が実施されることになり、始動性悪化等の事態を招く。
【0006】
また、内燃機関の始動時以外にも、ECU(電子制御装置)の電源ライン瞬断により同ECU内のCPUが初期化される場合など、VVT進角状態のまま、改めて初回気筒のクランク角判別が行われる場合、上記各公報の装置ではクランク角判別を速やかに且つ正確に行うことができず、気筒別の燃料噴射や点火時期の制御開始が遅れるという問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、回転位相調整機構の進角状態に関係なく、初回のクランク角判別を好適に行い、ひいては気筒判別を正しく実施して内燃機関の制御性を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、カム軸上の所定の基準回転位置に対応するカムパルス信号を発生させるカム角センサと、所定角度範囲でクランク角の判別区間を設定し、該判別区間に同期したカムパルス信号に基づいて内燃機関のクランク角を判別するクランク角判別手段と、前記判別区間とカムパルス信号との相対位置から初回気筒のクランク角判別時における回転位相調整機構の進角量を推測し、その進角量が所定量以上であれば、クランク角の判別を遅らせる判別遅延手段と、を備える。
【0009】
本構成によれば、例えばVVT機構が進角状態となったままで内燃機関が始動され、カム軸の回転に伴い発生するカムパルス信号がクランク角の判別区間から外れる場合に、初回気筒のクランク角判別が禁じられる。そして、カムパルス信号が正確に検出された後、クランク角判別が開始される。かかる場合、一時的にクランク角判別が待たされるものの、判別開始の当初から正確な処理が実施され、気筒の誤判別が防止できる。従って、気筒の誤判別に起因して内燃機関の始動性が低下する等の不都合が解消される。また、VVT機構の作用角を見込んで判別区間を広く設定せざるを得ず、結果的にクランク角判別(気筒判別)が遅れるといった不都合も生じない。その結果、VVT機構の進角状態に関係なく、機関始動時など、初回のクランク角判別を好適に行い、ひいては気筒判別を正しく実施して内燃機関の制御性を向上させることができる。
【0010】
上記請求項1の発明では、請求項2に記載したように、初回気筒のクランク角判別時に推測されるVVT機構の進角量が所定量以上となる場合、気筒別の燃料噴射や点火時期の制御開始を遅らせるとよい。これにより、機関始動時やECUへの電源瞬断直後において、正規以外の気筒に対し燃料噴射制御や点火時期制御が実施されるといった不都合が解消される。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記判別遅延手段は、カムパルス信号の発生時から判別区間の終了までの間で回転パルス信号をカウントする手段と、前記カウントされる回転パルス信号のパルス数が予め設定される所定値を越える時、クランク角の判別を禁じる手段とを備える。
【0012】
上記構成によれば、回転パルス信号のパルス数によりクランク角判別の可否が判定できる。そのため、VVT進角量の推測に際し、その推測が簡易に実施できる。また、VVT機構とクランク角センサとを併せ持つ既存の装置において、構成上の変更がなくとも本発明が容易に適用できる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記判別遅延手段は、前記カウントされる回転パルス信号のパルス数が、VVT機構の最遅角状態でのパルス数と異なる場合に、クランク角の判別を禁じる。
【0014】
VVT機構は一般に、機関始動時には最遅角状態で保持され、その状態であれば良好なるクランク角判別が実施できる。それ故、上記発明の如く、VVT機構の最遅角状態を基準にクランク角判別を禁じる構成とすることで、クランク角判別の実施適否が正しく判断され、機関始動時など、初回時のクランク角判別がより一層適切に実施できる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記判別遅延手段は、前記カウントされる回転パルス信号のパルス数が、VVT機構の最遅角状態でのパルス数に、カムパルス信号に影響を与える要素のバラツキを考慮した見込み分を加えたものよりも大きく異なる場合に、クランク角の判別を禁じる。
【0016】
カムパルス信号に影響を与える要素の一つとして、カムパルス信号を生成するための回転円板(パルス誘起体)が内燃機関のクランク角度に対して数パルス相当分の組み付け公差を持つことが挙げられる。上記請求項5の発明によれば、こうしたカムパルス信号のバラツキが存在する場合にも、センサ組み付け公差分を考慮しつつVVT機構の進角状態が推測できる。従って、機関始動時など、初回時のクランク角判別がより一層適切且つ確実に実施できる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明では、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記判別遅延手段によりクランク角判別が遅らされる時、内燃機関が少なくとも1気筒分だけクランキングし、カムパルス信号が正規に検出された後にクランク角判別を開始する。
【0018】
要するに、クランキング開始時のある気筒でカムパルス信号が正しく検出されず、クランク角判別が禁止されても、それに続いて判別対象となる次の気筒でカムパルス信号が正しく検出されれば、当該気筒での正確なクランク角判別が可能となる。すなわち、例えば気筒毎にカムパルス信号が出力される構成の場合、1気筒分だけクランキングすることで、正確なクランク角判別が開始できるようになる。それ故、請求項6の発明によれば、クランク角判別が一時的に遅らされても、その後、速やかにクランク角判別を開始することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
本実施の形態における内燃機関の制御装置は、第1〜第4気筒(以下、#1〜#4気筒と記載)を有する4気筒4サイクル内燃機関に適用され、各気筒の特定のクランク角を判別し、且つ該判別したクランク角に応じて気筒別に燃料噴射や点火時期の制御を実施するものである。なお、各気筒の点火順序は#1→#3→#4→#2であり、#1及び#4気筒、#2及び#3気筒が、それぞれのピストンが同じ位相で摺動する、いわゆる気筒グループを形成している。従って、例えば同一気筒グループの一方の気筒が爆発行程にあるとき他方の気筒が吸気行程にあることとなる。
【0020】
はじめに、図1に示す本制御装置についてその概要を説明する。同図1において、クランク軸1の回転は伝達機構2により吸気カム軸3及び排気カム軸4に伝達される。伝達機構2は、クランク軸1に係合されたクランクプーリ5、タイミングベルト6、吸気カム軸3に係合された吸気カムプーリ7、及び排気カム軸4に係合された排気カムプーリ8等によって形成されている。該伝達機構2は通常、これらクランクプーリ5、タイミングベルト6、吸気カムプーリ7及び排気カムプーリ8等を通じて、クランク軸1とカム軸3及び4とが2対1の回転角度に維持されるよう、その伝達係数が設定されている。なお、吸気カム軸3に設けられているカム3aは、同カム軸3の回転に基づいて吸気バルブ11を開閉駆動し、排気カム軸4に設けられているカム4aは、同カム軸4の回転に基づいて排気バルブ12を開閉駆動する。
【0021】
吸気カムプーリ7には、該カムプーリ7と吸気カム軸3とを相対回動せしめてクランク軸1とカム軸3との間の回転位相を調整する油圧駆動式のVVT機構(回転位相調整機構)10が組み込まれている。VVT機構10は、外部から与えられるVVT駆動信号に基づき、クランク軸1に対する吸気カム軸3の進角量を制御する。但し、該VVT機構10としてのこのような構成は既に周知であり、同機構10についての改めての説明は割愛する。
【0022】
またこの図1の装置では、クランク軸1のクランク角度位置を検出するためのクランク角センサ20と、吸気カム軸3の基準回転位置を検出するためのカム角センサ30とが設けられ、これら各センサにより検出されるクランク軸1と吸気カム軸3との相対回転角度を基準として、上記各バルブの開閉タイミング制御や各気筒のクランク角判別が実行されるようになっている。
【0023】
すなわち、クランク角センサ20の構成を拡大して示す図2(a)において、クランク軸1には、そのクランク軸1と一体に回転するパルス誘起体としてのクランク側円板21が同軸上に固定されており、同円板21の周囲には等間隔で多数の突起22が設けられている。また、それら突起22に対向するよう電磁ピックアップ式のパルス発生器23がクランク軸1近傍に配設されている。そして、パルス発生器23は、突起22の個々が対向位置に達する毎に1つのパルス(便宜上、以下これをNE信号という)を発生する。
【0024】
突起22は、その多くが10°CA毎に等間隔で設けられている。但し、クランク軸1が#1又は#4気筒の圧縮上死点(以下、#1TDC,#4TDCと記載、他の気筒についても同様)に対応するクランク角まで回転した時にパルス発生器23と対向する突起を「22a」とした場合、クランク軸1の回転方向を基準にこの突起22aよりも3歯分の間をおいて進角側には、突起を2歯分欠落させた欠歯部24aが形成されている。また、#2TDC,#3TDCにてパルス発生器23と対向する突起を「22b」とした場合、この突起22bの直前には、突起を2歯分ずつ欠落させた2つの欠歯部24b,24cが形成されている。
【0025】
すなわち、#1,#4気筒に関しては各TDCの30°CA進角側で欠歯部24aにより単一の欠歯が検出されるのに対し、#2,#3気筒に関しては各TDC直前で欠歯部24b,24cにより2つ連続する欠歯が検出されるようになっている。
【0026】
一方、カム角センサ30の構成を拡大して示す図2(b)において、吸気カム軸3には、そのカム軸3と一体に回転するパルス誘起体としてのカム側円板31が同軸上に固定されており、同円板31の周囲には計6個の突起32a,32b,32c,32d,32e,32fが設けられている。また、それら突起32a〜32fに対向するよう電磁ピックアップ式のパルス発生器33がカム軸3近傍に配設されている。そして、パルス発生器33は、突起32a〜32fの個々が対向位置に達する毎に1つのパルス(便宜上、以下これをG信号という)を発生する。
【0027】
より詳細には、計6個の突起のうち、4つの突起32a,32c,32e,32fは各々90°間隔(180°CA間隔)で設けられ、それ以外の2つの突起32b,32dは、突起32c,32eの各々15°(30°CA)だけ進角側に設けられている。ここで、180°CA間隔の4つの突起32a,32c,32e,32fは、各気筒(#1〜#4)のTDCよりも25°CAだけ進角側の所定位置(BTDC25°CA)にカム軸3の回転が達した時にパルス発生器33と対向するよう、各々設けられる。
【0028】
図1のECU40において、CPU41には、上記カム角センサ30(パルス発生器33)からのG信号が入力バッファ42を介して入力されると共に、上記クランク角センサ20(パルス発生器23)からのNE信号が入力バッファ43を介して入力される。そして、CPU41は、これらG信号及びNE信号に基づいて、基準位置検出、各気筒のクランク角判別、回転数算出等の演算処理を行う。
【0029】
CPU41にはその他にも、始動状態を検出するスタータスイッチ、アイドル状態を検出するアイドルスイッチ等、機関運転状態を検出するためのスイッチ群51のデジタル信号が入力バッファ44を介して入力されると共に、吸入空気量を検出するエアフロメータ、冷却水温を検出する水温センサ、バッテリ計等、機関運転状態を検出するためのセンサ群52のアナログ検出信号がA/D変換器45を介して入力される。
【0030】
CPU41は、各スイッチ群51及びセンサ群52からの運転状態情報と、前述のG信号及びNE信号とに基づいて、最適な点火時期、燃料噴射量及びVVT進角量を演算する。そして、CPU41は、出力バッファ46を介してイグナイタ53に点火信号を出力し、所定の気筒の点火コイル54に通電すると共に、演算された点火時期に通電を遮断することにより、通電遮断時に発生する高電圧を各気筒の点火プラグ(図示せず)に導き各気筒の混合気を点火燃焼させる。また、CPU41は、出力バッファ46を介して噴射信号を各気筒毎のインジェクタ55に出力し、当該インジェクタ55より吸気マニホールドに燃料を噴射させる。
【0031】
更に、CPU41は、出力バッファ46を介してVVT駆動回路56にVVT駆動信号を出力し、VVT機構10を駆動させて吸気カム軸3の進角量を制御する。因みに、当該VVT機構10は、機関始動時には最遅角側(進角量=0)に制御され、始動後に機関運転状態に応じて所望の進角量に制御されるようになっている。
【0032】
次に、カム角センサ30によるG信号及びクランク角センサ20によるNE信号を用い、本実施の形態におけるクランク角判別の実施過程を図3,4のタイムチャートを参照して説明する。ここで、図3は、最遅角状態での各信号のタイムチャートであり、図4は、VVT進角量=60°CAでの各信号のタイムチャートである。
【0033】
最遅角状態を示す図3において、G信号は、#1〜#4の全気筒のBTDC25°CAと、#3,#4気筒のBTDC55°CAとで各々出力され、ECU40に入力される。
【0034】
また、#1〜#4の各気筒においては、複数個分のNE信号によりクランク角判別区間が設定されており、本実施の形態では同判別区間が「BTDC70°CA〜TDC」の70°CA区間にて設定される。これら各気筒のクランク角判別区間内には、個々に1つの欠歯(以下、「単一欠歯」という)、又は2つ連続する欠歯(以下、「連続欠歯」という)が設けられている。ここで、一方の気筒グループをなす#1,#4気筒では、同判別区間内において「単一欠歯」が検出され、他方の気筒グループをなす#2,#3気筒では、同判別区間内において「連続欠歯」が検出されることとなる。
【0035】
なお図中、「KC」は欠歯カウンタであり、同カウンタは欠歯位置の到来に伴い1ずつカウントアップされる。「GC」はG信号カウンタであり、同カウンタはG信号の入力毎に1ずつカウントアップされる。「SETC」はG信号セットカウンタであり、同カウンタはG信号の入力時に所定値(本実施の形態では、10)がセットされ、その後、NE信号の入力毎に1ずつカウントダウンされる。但し、これらカウンタKC,GC,SETCは、クランク角判別区間の終了時に何れも0にクリアされるようになっている。
【0036】
クランク角判別に際しては、欠歯カウンタKCの値からNE信号の欠歯の種類(単一又は連続)が認識されると共に、G信号カウンタGCの値からクランク角判別区間内におけるG信号の数が認識され、これら認識された両結果に従い#1〜#4気筒の各TDC位置が各々判別される。
【0037】
例えば#1,#4気筒については、単一欠歯の検出に伴い判別区間の終了時に欠歯カウンタKCが1になるのに対し、#2,#3気筒については、連続欠歯の検出に伴い判別区間の終了時に欠歯カウンタKCが2になる。また一方で、#1,#2気筒は、判別区間内に1つのG信号が入力されてG信号カウンタGCが1となるのに対し、#3,#4気筒は、判別区間内に2つのG信号が入力されてG信号カウンタGCが2となる。
【0038】
従って、クランク角判別区間の終了時における各カウンタ値を参照し、
(a)KC=1,GC=1であれば、#1TDCである、
(b)KC=2,GC=2であれば、#3TDCである、
(c)KC=1,GC=2であれば、#4TDCである、
(d)KC=2,GC=1であれば、#2TDCである、
といった具合に各々のクランク角判別が可能となる。
【0039】
また、G信号セットカウンタSETCに着目すると、例えば#1気筒では、BTDC25°CAでのG信号入力後、NE信号毎にG信号セットカウンタSETCが1ずつカウントダウンされ、クランク角判別区間内において「10→9→8」と推移する。これに対し、#3気筒では、SETC値が同判別区間内で「10→9→10」と推移し、#4気筒では、SETC値が同判別区間内で「10→9→10→9→8」と推移し、#2気筒ではSETC値が同判別区間内で「10」のままとなる。つまり、図3に示すVVT最遅角状態では、各気筒の判別区間終了時(各気筒のTDC)において、#1,#4気筒はSETC=8となり、#2,#3気筒はSETC=10となる。
【0040】
一方、60°CA進角状態を示す図4において、G信号は、#1〜#4の全気筒のBTDC85°CAと、#3,#4気筒のBTDC115°CAとで各々出力され、ECU40に入力される。
【0041】
かかる場合、気筒毎のG信号がクランク角判別区間から外れるが、基本的には上記VVT最遅角時における(a)〜(d)と同様に、判別区間終了時における各カウンタ値を参照し、
(a)KC=1,GC=1であれば、#1TDCである、
(b)KC=2,GC=2であれば、#3TDCである、
(c)KC=1,GC=2であれば、#4TDCである、
(d)KC=2,GC=1であれば、#2TDCである、
といった具合に各々のクランク角判別が可能となる。すなわち、内燃機関の運転途中において図4の如くVVT進角が実施されていても、各G信号の数(GC値)が正しく検出できれば、上記(a)〜(d)の通りクランク角が判別できる。
【0042】
ところが、VVT機構10が進角側に動作した状態で機関始動が開始される場合、或いはECU40の電源ライン瞬断によりCPU41が初期化される場合など、図4の如くVVT進角状態のまま、改めて初回のクランク角判別が実施される際には、実際のピストンの停止位置を考慮すると、気筒毎のG信号の数(GC値)が正しく認識されず、気筒を誤判別する可能性が生じる。具体的には、VVT進角に起因して、例えば#3,#4気筒での2つのG信号のうち、一方のみが認識される場合、#3TDC,#4TDCではGC=1と誤認識され、気筒の誤判別を招くおそれが生じる。また、#1,#2気筒で1つのG信号が認識されたとしても、本来、その信号が1つでよいのか又は2つあるのかが特定できなければ、正確に気筒を判別することができない。
【0043】
そこで本実施の形態では、こうした機関始動時やECUの電源瞬断時における気筒の誤判別を未然に防止すべく、G信号とクランク角判別区間との間の相対位置からVVT進角量を推測し、そのVVT進角量が所定量以上であれば初回のクランク角判別の実施を遅らせ、G信号が正確に検出された後にクランク角判別を開始するように構成する。
【0044】
つまり、各気筒のTDC(判別区間終了時)におけるG信号セットカウンタSETCの値に着目し、機関始動時やECUの電源瞬断時において、初回のクランク角判別時におけるSETC値がVVT最遅角時と比べて大きく相違する場合、G信号が判別区間から外れているとみなし、クランク角判別を一時的に禁止する。
【0045】
例えば、カム角センサ30のカム側円板31(パルス誘起体)はクランク角度に対してNE信号数個分の組み付け公差を持つため、この組み付け公差がG信号に影響を与える要素となる。それ故、G信号に影響を与える要素のバラツキを考慮し、初回のクランク角判別時におけるSETC値が、VVT最遅角時のSETC値にセンサ組み付け公差の見込み分を加えたものよりも大きく異なる場合に、クランク角判別を禁じる。
【0046】
本実施の形態では、センサ組み付け公差の見込み分(G信号バラツキの影響分)をNE信号1個分とし、VVT最遅角時のSETC値を基準に、#1,#4気筒についてはSETC値の判定値を「8−1=7」とし、#2,#3気筒についてはSETC値の判定値を「10−1=9」とする。従って、
・#1TDC,#4TDCの検出時にSETC<7、
・#2TDC,#3TDCの検出時にSETC<9、
であれば、VVT進角量が所定の許容量を超えると推測し、クランク角判別を禁止する。
【0047】
換言すると、CPU起動後、初回のクランク角判別時において、
・#1TDC,#4TDCの検出時にSETC≧7、
・#2TDC,#3TDCの検出時にSETC≧9、
である場合にのみ、VVT進角量が所定の許容量よりも小さいと推測し、最初のG信号情報を用いてクランク角判別を実施する。
【0048】
クランク角判別が禁止される場合には、気筒別の燃料噴射や点火時期の制御を直ちに開始せず、気筒毎のG信号の数を正しく検出した後、クランク角判別の実施と共に上記制御を開始する。
【0049】
因みに、図4において例えば#1気筒でのTDC判別が禁止された後、続く#3気筒では、相変わらずG信号が判別区間外となるが、その時点では2つのG信号が検出されてG信号カウンタGCが正しくカウントされ、#3TDCが正確に判別できる。以後も同様に、G信号が判別区間外となってもG信号カウンタGCが正しくカウントされるので、正確なクランク角判別が可能となる。すなわち、4気筒内燃機関の場合、最大で約180°CA(1気筒分)だけクランク角判別が遅れ、その後、クランク角判別が開始されることとなる。
【0050】
図5は、CPU41により実行されるG信号の割込み処理を示すフローチャートであり、G信号の割込みに伴い同図の処理が起動されると、先ずステップ101では、G信号カウンタGCを1インクリメントする。続くステップ102では、G信号セットカウンタSETCに「10」をセットし、その後本処理を一旦終了する。
【0051】
また、図6〜図8は、CPU41により実行されるNE信号の割込み処理を示すフローチャートであり、同処理により気筒毎のクランク角判別が実施される。先ず図6のステップ201では、NE信号のパルス間隔tcrを計測し、続くステップ202では、前記計測したパルス間隔の今回値tcr(i)と前回値tcr(i−1)とからパルス間隔比率tratioを、
tratio=tcr(i)/tcr(i−1)
として算出する。その後、ステップ203では、欠歯カウンタKCが1であるか否かを判別し、当初はKCの初期値が0のため、ステップ204に進む。
【0052】
その後、ステップ204では、前記算出したパルス間隔比率tratioと所定値Kh(1<Kh<3)とを比較し、tratio≧Khであるか否かによって、クランク角センサ20が欠歯位置を検出したか否かを判別する。
【0053】
今回が欠歯位置でなくステップ204が否定判別されると、そのままステップ206に進む。また、クランク角センサ20が欠歯位置を検出してステップ204が肯定判別されると、ステップ205で欠歯カウンタKCに1をセットした後、ステップ206に進む。ステップ206,207では、G信号カウンタGCが1以上であることを条件に、G信号セットカウンタSETCを1デクリメントし、その後本処理を一旦終了する。つまり、今回のNE信号割込みよりも先に前記図5のG信号割込みによりGC値が1又は2に操作されていれば、SETC値が1デクリメントされる。
【0054】
次のNE割込み処理ではKC=1であるため、ステップ203からステップ208に進む。ステップ208では、NE信号カウンタNCが0であるか否かを判別する。はじめてステップ208に進んだ時はNC=0であるので、当該ステップ208を肯定判別してステップ209に進む。
【0055】
ステップ209では、NE信号のパルス間隔比率tratioと所定値Kj(0.3<Kj<1)とを比較し、tratio≧Kjであれば、ステップ400に進んで連続欠歯の検出処理を実行する。すなわち、ステップ209が肯定判別されることは、連続欠歯が検出されたことを意味し、ステップ400では後述する図8の連続欠歯検出処理を実行する。具体的には、#2TDC,#3TDCでは、上記ステップ209が肯定判別される。
【0056】
また、NC≠0又はtratio<Kjの場合には、ステップ210に進んでNE信号カウンタNCを1インクリメントし、続くステップ211では、NC=3であるか否かを判別する。当初はNC≠3であるため、ステップ206に進み、GC値に応じてSETC値の減算処理を実施し、その後本処理を一旦終了する。
【0057】
その後、NE信号毎にステップ210が繰り返されてNC=3になると、ステップ211を肯定判別してステップ300に進む。ステップ211が肯定判別されることは、単一欠歯が検出されたことを意味し、ステップ300では後述する図7の単一欠歯検出処理を実行する。例えば#1気筒や#4気筒において、単一欠歯の検出後にNE信号が3回入力される時、すなわち#1,#4TDCに達した時、ステップ211が肯定判別されることとなる(図3,4参照)。
【0058】
次に、単一欠歯検出処理について、図7のフローチャートに従い説明する。
図7のステップ301では、機関始動時など、初回のクランク角判別時にVVT機構10が進角状態にあることを表すVVT進角フラグXADVが1であるか否かを判別する。例えば機関始動当初にはXADV=0であるためステップ302に進み、その時のSETC値が7以上かどうかにより、VVT進角状態でなくG信号の数が正しく検出できるか否か(判別区間内にG信号が位置しているか否か)を判別する。
【0059】
そして、SETC≧7であれば、G信号の数が正しく認識できると判断し、ステップ304〜307において、その時のGC値を基に#1TDC又は#4TDCを判別する。すなわち、GC=1であれば(ステップ304がYES)、ステップ306で#1TDCである旨を判別し、GC=2であれば(ステップ305がYES)、ステップ307で#4TDCである旨を判別する。
【0060】
図7でのTDC判別後、図6に戻ってステップ212→213へ順次進み、各カウンタNC,KC,SETC,GCをそれぞれ0にクリアして本処理を終了する。なお、例えばノイズ等の影響によりGC≠1,2となる場合には、図7のステップ306,307のTDC判別を行わずそのまま図6のステップ212に進む。
【0061】
また、ステップ302で、SETC<7であると判別される場合、VVT進角状態にありG信号の数が正しく認識できない可能性があると判断し、ステップ303に進んでVVT進角フラグXADVに1をセットする。その後、図6に戻りステップ212,213を順次実行する。すなわちこの時、気筒の誤判別の可能性があるため、クランク角判別が実施されない。
【0062】
XADV=1が一旦セットされると、次回からはステップ301を肯定判別してステップ302を読み飛ばし、直接ステップ304に進む。そして、ステップ304〜307において、GC値に基づいて#1TDC又は#4TDCを判別する。
【0063】
上述した図3の場合、#1,#4TDCの判別に際し、SETC=8となるのでステップ302がYESとなり、直ちにクランク角判別の実施が許可されるのに対し、図4の場合、SETC=4となるのでステップ302がNOとなり、その時のクランク角判別が一時的に禁じられることとなる。
【0064】
次に、連続欠歯検出処理について、図8のフローチャートに従い説明する。
図8のステップ401では、VVT進角フラグXADVが1であるか否かを判別する。例えば機関始動当初にはXADV=0であるためステップ402に進み、その時のSETC値が9以上かどうかにより、VVT進角状態でなくG信号の数が正しく検出できるか否か(判別区間内にG信号が位置しているか否か)を判別する。
【0065】
そして、SETC≧9であれば、G信号の数が正しく認識できると判断し、ステップ404〜407において、その時のGC値を基に#2TDC又は#3TDCを判別する。すなわち、GC=1であれば(ステップ404がYES)、ステップ406で#2TDCである旨を判別し、GC=2であれば(ステップ405がYES)、ステップ407で#3TDCである旨を判別する。
【0066】
図8でのTDC判別後、図6に戻ってステップ213へ進み、各カウンタKC,SETC,GCをそれぞれ0にクリアして本処理を終了する。なお、例えばノイズ等の影響によりGC≠1,2となる場合には、図8のステップ406,407のクランク角判別を行わずそのまま図6のステップ213に進む。
【0067】
また、ステップ402で、SETC<9であると判別される場合、VVT進角状態にありG信号の数が正しく認識できない可能性があると判断し、ステップ403に進んでVVT進角フラグXADVに1をセットする。その後、図6に戻りステップ213を実行する。すなわちこの時、気筒の誤判別の可能性があるため、クランク角判別が実施されない。
【0068】
XADV=1が一旦セットされると、次回からはステップ401を肯定判別してステップ402を読み飛ばし、直接ステップ404に進む。そして、ステップ404〜407において、GC値に基づいて#2TDC又は#3TDCを判別する。
【0069】
上述した図3の場合、#2,#3TDCの判別に際し、SETC=10となるのでステップ402がYESとなり、直ちにクランク角判別の実施が許可されるのに対し、図4の場合、SETC=6となるのでステップ402がNOとなり、その時のクランク角判別が一時的に禁じられることとなる。
【0070】
上記ステップ306,307,406,407の何れかで初回のクランク角判別が完了する迄は、気筒別の燃料噴射や点火時期の制御開始が待たされ、同クランク角判別が完了すると、それを受けて気筒別の燃料噴射や点火時期の制御が順次開始される。
【0071】
上記図6〜8の処理によれば、初回のクランク角判別時にVVT進角状態にあると判断されてステップ302又は402の何れかが否定判別される場合、その時のNE信号割込みではクランク角判別が禁止されるが、その後、約180°CA(1気筒分)だけクランキングすると、次気筒のTDCでのNE信号割込み時には、SETC値に関係なくクランク角判別が開始される。
【0072】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)クランク角判別区間とG信号(カムパルス信号)との相対位置から初回気筒のクランク角判別時におけるVVT機構10の進角量を推測し、その進角量が所定量以上であれば、クランク角の判別を遅らせることとしたので、一時的にクランク角判別が待たされるものの、判別開始の当初から正確な処理が実施され、気筒の誤判別が防止できる。従って、気筒の誤判別に起因して内燃機関の始動性が低下する等の不都合が解消される。また、VVT機構10の作用角を見込んで判別区間を広く設定せざるを得ず、結果的にクランク角判別(気筒判別)が遅れ、始動性が悪化する、といった不都合も生じない。その結果、VVT機構10の進角状態に関係なく、機関始動時など、初回のクランク角判別を好適に行い、ひいては気筒判別を正しく実施して機関始動性や始動後の制御性を向上させることができる。
【0073】
(2)初回気筒のクランク角判別時に推測されるVVT機構10の進角量が所定量以上となる場合、気筒別の燃料噴射や点火時期の制御開始を遅らせるので、機関始動時やECUの電源瞬断直後において、正規以外の気筒に対し燃料噴射制御や点火時期制御が実施されるといった不都合が解消される。
【0074】
(3)G信号の発生時から判別区間の終了までの間でNE信号(回転パルス信号)をカウントし、該NE信号のパルス数が予め設定される所定値を越える時、クランク角の判別を禁じるので、VVT進角量の推測に際し、その推測が簡易に実施できる。また、VVT機構とクランク角センサとを併せ持つ既存の装置において、構成上の変更がなくとも本実施形態の処理が容易に適用できる。
【0075】
(4)初回気筒のクランク角判別時において、カム角センサ30の組み付け公差(G信号バラツキ)を見込んだ判定値で、その時々のSETC値が判定されるので、その公差分を考慮しつつVVT進角状態が正確に把握でき、ひいては機関始動時などにおけるクランク角判別がより一層適切且つ確実に実施できる。
【0076】
(5)クランク角判別が遅らされる時、内燃機関が1気筒分だけクランキングした後にクランク角判別が開始されるので、仮にクランク角判別が一時的に遅らされても、その後、速やかにクランク角判別を開始することができる。
【0077】
なお本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
上記実施の形態では、初回のクランク角判別時におけるSETC値の判定値を、カム角センサ30の組み付け公差(G信号バラツキ)を見込んで#1,#4気筒は「7」、#2,#3気筒は「9」としていた。かかる場合、このG信号バラツキ分を除けば、VVT進角の許容量はNE信号の1間隔(10°CA)未満であった。これに対し、VVT進角の許容量を例えばNE信号の1,2個分程度(10〜20°CA程度)とし、その許容範囲内ではVVT進角状態であっても初回のクランク角判別の実施を許可するようにしてもよい。具体的には、SETC値の判定値を、#1,#4気筒は「5(又は6)」とし、#2,#3気筒は「7(又は8)」とする。この場合、
・#1TDC,#4TDCの検出時にSETC<5、
・#2TDC,#3TDCの検出時にSETC<7、
であれば、VVT進角量が所定の許容量を超えると推測し、クランク角判別を禁止する。
【0078】
また、カム角センサ30の組み付け公差(G信号バラツキ)を考慮せずに前記SETC値の判定値を設定する構成でもよい。例えば、初回のクランク角判別時におけるSETC値が、「VVT最遅角状態」でのSETC値と異なる場合、或いは「VVT最遅角状態+VVT進角の許容量」でのSETC値よりも小さい場合に、クランク角判別を禁じることとする。
【0079】
上記実施の形態では、G信号割込み(図5の処理)を実施し、同割込みにてG信号カウンタGCの加算処理やG信号セットカウンタSETCのセット処理を行ったが、これを変更する。例えば、G信号入力をそれに続くNE信号入力時までラッチしておき、当該NE信号の割込みにてGC値の加算処理やSETC値のセット処理を行う(図5の処理を図6に盛り込む)。かかる場合、G信号直後のNE信号ではSETC値が減算されないため、SETC値が前記図3,4中の数値とは異なるが、その分VVT進角状態を判定する際のSETC値の判定値を変更すればよい。
【0080】
こうしてNE信号の割込みにてGC値の加算処理やSETC値のセット処理を行う場合、実際には、VVT最遅角状態を表す図3において、#1,#4気筒の判別区間内でSETC値が「10→9」と推移する。それ故、前記図7のステップ302の処理を「SETC≧8か?」の処理に変更し、SETC<8の場合に、VVT進角状態にありG信号の数が正しく認識できない可能性があると判断し、VVT進角フラグXADVに1をセットしてその割込み時におけるクランク角判別を禁止する。上記の通り、各カウンタの操作を何れもNE信号割込みにて実施すれば、G信号とNE信号との間の時間間隔が非常に短くても、各カウンタの動作が確実に実施できる。
【0081】
上記実施の形態では、G信号入力時に「SETC=10」をセットし、以降NE信号入力毎にSETC値を減算したが、この構成を変更する。例えばG信号入力後のNE信号入力毎に0から1ずつカウントアップするカウンタを用い、同カウンタの値に基づきVVT進角量を推測する構成としてもよい。
【0082】
上記実施の形態では、クランク角判別に際し、各気筒のTDC位置を判別したが、これに限らず、他のクランク角度を判別する構成としてもよい。その判別されるクランク角度が変更される場合、それに合わせてクランク角判別区間が変更される。
【0083】
上記実施の形態では、4気筒内燃機関についてその実施具体例を記載したが、4気筒以外の多気筒内燃機関についても勿論適用できる。4気筒以外の多気筒内燃機関で実施する際には、クランク角センサやカム角センサのパルス出力位置や基準位置(欠歯位置)を適宜変更して具体化すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における内燃機関の制御装置の概要を示す構成図。
【図2】クランク角センサとカム角センサとを拡大して示す構成図。
【図3】VVT機構が最遅角状態にある時の信号出力形態を示すタイムチャート。
【図4】VVT機構が60°CA進角状態にある時の信号出力形態を示すタイムチャート。
【図5】G信号の割込み処理を示すフローチャート。
【図6】クランク角判別のためのNE信号の割込み処理を示すフローチャート。
【図7】単一欠歯の検出処理を示すフローチャート。
【図8】連続欠歯の検出処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…クランク軸、2…伝達機構、3…吸気カム軸、10…VVT機構(回転位相調整機構)、20…クランク角センサ、30…カム角センサ、40…ECU、41…クランク角判別手段,判別遅延手段を構成するCPU。
Claims (6)
- 内燃機関のクランク軸とそれに駆動連結されたカム軸との間の回転位相を調整する回転位相調整機構を備え、機関運転状態に応じて回転位相調整機構の進角量を制御する内燃機関の制御装置において、
カム軸上の所定の基準回転位置に対応するカムパルス信号を発生させるカム角センサと、
所定角度範囲でクランク角の判別区間を設定し、該判別区間に同期したカムパルス信号に基づいて内燃機関のクランク角を判別するクランク角判別手段と、
前記判別区間とカムパルス信号との相対位置から初回気筒のクランク角判別時における回転位相調整機構の進角量を推測し、その進角量が所定量以上であれば、クランク角の判別を遅らせる判別遅延手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 初回気筒のクランク角判別時に推測される回転位相調整機構の進角量が所定量以上となる場合、気筒別の燃料噴射や点火時期の制御開始を遅らせる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- クランク軸の回転に伴い等回転角度毎に回転パルス信号を発生させるクランク角センサを備え、該センサによる複数個分の回転パルス信号にて前記判別区間が設定される内燃機関の制御装置において、
前記判別遅延手段は、
カムパルス信号の発生時から判別区間の終了までの間で回転パルス信号をカウントする手段と、
前記カウントされる回転パルス信号のパルス数が予め設定される所定値を越える時、クランク角の判別を禁じる手段とを備える請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。 - 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
前記判別遅延手段は、前記カウントされる回転パルス信号のパルス数が、回転位相調整機構の最遅角状態でのパルス数と異なる場合に、クランク角の判別を禁じる内燃機関の制御装置。 - 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
前記判別遅延手段は、前記カウントされる回転パルス信号のパルス数が、回転位相調整機構の最遅角状態でのパルス数に、カムパルス信号に影響を与える要素のバラツキを考慮した見込み分を加えたものよりも大きく異なる場合に、クランク角の判別を禁じる内燃機関の制御装置。 - 前記判別遅延手段によりクランク角判別が遅らされる時、内燃機関が少なくとも1気筒分だけクランキングし、カムパルス信号が正規に検出された後にクランク角判別を開始する請求項1〜5の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
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