JP5591390B2 - 回転検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の正転・逆転で異なる回転信号に基づいて、回転軸の正転・逆転を判定する回転検出装置に関する。
特許文献1には、エンジンのクランク軸の回転に同期して生成され、クランク軸の回転方向により異なるパルス幅の複数のパルスからなるパルス列であるクランク軸回転信号を出力する信号検出器を備え、前記クランク軸回転信号のパルス列のパルス幅からクランク軸の回転方向を検出する、エンジンの制御装置が開示されている。
特開2009−002193号公報
上記のように、回転方向によって異なる回転信号を出力するように構成し、回転信号のパルス幅や信号レベルと、閾値とを比較することで正転・逆転の判定を行う場合、回転信号の出力回路のばらつきや劣化などによって、正転時及び逆転時のパルス幅・信号レベルがばらつき、前記閾値に基づく正転・逆転の判定精度が低下するという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、内燃機関の出力軸の正転・逆転の判定精度を向上させることを目的とする。
そのため、本願発明では、内燃機関の出力軸の回転に応じて出力される回転信号であって前記出力軸の正転時と逆転時とで異なるパルス幅又は振幅のパルス信号として出力される回転信号を入力し、前記回転信号のパルス幅又は振幅の計測値と閾値との比較に基づいて前記出力軸の回転方向を検出し、前記内燃機関の運転条件が前記出力軸が正転する条件であるときの前記回転信号のパルス幅又は振幅に基づいて前記閾値を設定し、前記閾値が異常であるときに前記回転方向の検出不能に応じた制御を行うようにした。
上記発明によると、内燃機関の出力軸の正転・逆転でパルス幅又は振幅の異なる回転信号に基づく、内燃機関の出力軸の正転・逆転の判定精度を向上させることができる。
実施形態における内燃機関のシステム構成図である。 実施形態における可変バルブタイミング機構を示す断面図である。 実施形態におけるクランク角センサ及びカムセンサの構造を示す図である。 実施形態におけるクランク角センサ及びカムセンサの出力特性を示すタイムチャートである。 実施形態における回転信号POSの正転・逆転によるパルス幅の違いを示すタイムチャートである。 実施形態における正転・逆転の判定処理を示すフローチャートである。 実施形態における閾値の設定処理を示すフローチャートである。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本願発明に係る回転検出装置を適用する車両用内燃機関101の構成図である。尚、本実施形態において、内燃機関101は、直列4気筒機関であるものとする。
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104を介装してある。
そして、内燃機関101は、電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、各気筒の燃焼室106内に空気を吸入する。
各気筒の吸気ポート130に、燃料噴射弁131を設けてあり、燃料噴射弁131は、エンジンコントロールユニット(以下、ECUという。)114からの噴射パルス信号によって開弁動作し、燃料を噴射する。
燃焼室106内の燃料は、図示省略した点火プラグによる火花点火によって着火燃焼する。
燃焼室106内の燃焼ガスは、排気バルブ107を介して排気管111に流出する。排気管111に設けたフロント触媒コンバータ108及びリア触媒コンバータ109は、排気管111を流れる排気を浄化し、浄化後の排気を大気中に放出する。
吸気カムシャフト134,排気カムシャフト110は、一体的にカムを備え、このカムによって吸気バルブ105及び排気バルブ107を動作させる。
吸気カムシャフト134に設けた可変バルブタイミング機構113は、クランクシャフト120(出力軸、回転軸)に対する吸気カムシャフト134の回転位相を連続的に変化させることで、吸気バルブ105のバルブタイミングを連続的に変化させる機構である。
図2は、可変バルブタイミング機構113の構造を示す。
可変バルブタイミング機構113は、クランクシャフト120の回転に同期して回転するスプロケット25に固定され、このスプロケット25と一体的に回転する第1回転体21と、ボルト22aにより吸気カムシャフト134の一端に固定され、吸気カムシャフト134と一体的に回転する第2回転体22と、ヘリカルスプライン26により第1回転体21の内周面と第2回転体22の外周面とに噛合する筒状の中間ギア23と、を有している。
中間ギア23には、3条ネジなどの多条ネジ28を介してドラム27が連結されており、このドラム27と中間ギア23との間にねじりスプリング29を介装してある。
中間ギア23は、ねじりスプリング29によって遅角方向(図2の左方向)へ付勢されており、電磁リターダ24が磁力を発生すると、中間ギア23は、ドラム27及び多条ネジ28を介して進角方向(図2の右方向)へ動く。
この中間ギア23の軸方向の位置に応じて、回転体21,22の相対位相が変化して、クランクシャフト120に対する吸気カムシャフト134の位相が変化する。
ECU114は、内燃機関101の運転状態に応じて電磁リターダ24を制御する。
尚、可変バルブタイミング機構113を、図2に示した構造のものに限定するものではなく、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる公知の機構を適宜採用できる。例えば、特開2003−184516号公報に開示される、渦巻き状ガイドを備えてなる可変バルブタイミング機構や、特開2007−120406号公報に開示される、油圧ベーン式の可変バルブタイミング機構などによって、吸気バルブ105のバルブタイミングを変化させることができる。
また、内燃機関101は、オルタネータ171(発電機)を備える。オルタネータ171には、クランクシャフト120の回転駆動力が伝動機構172によって伝達され、これによって、オルタネータ171が内燃機関101の回転に比例した速度で回転し、発電可能状態になる。
オルタネータ171の出力端子に、バッテリ173のプラス端子を接続すると共に、電気負荷174を接続してあり、オルタネータ171によりバッテリ173の充電が行われると共に、オルタネータ171の発電電流を、燃料噴射弁131や図外の点火コイルなどの恒常的に駆動される電気負荷174に供給し、更に、必要に応じてヘッドランプ、ワイパー、エアコンなどの電気負荷174に供給する。
ECU114は、マイクロコンピュータを内蔵し、予めメモリに記憶したプログラムに従って演算を行い、電子制御スロットル104,可変バルブタイミング機構113,燃料噴射弁131などを制御する。
ECU114は、各種のセンサからの検出信号を入力する。各種のセンサとして、内燃機関101は、アクセルペダル116aに設けられ、アクセル開度ACCを検出するアクセル開度センサ116、内燃機関101の吸入空気量Qを検出するエアフローセンサ115、クランクシャフト120の回転に応じてパルス状の回転信号(単位クランク角信号)POSを出力するクランク角センサ(回転センサ)117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、内燃機関101の冷却水の温度TWを検出する水温センサ119、吸気カムシャフト134の回転に応じてパルス状のカム信号PHASEを出力するカムセンサ133、ブレーキペダル121が踏み込まれた制動時にオンになるブレーキスイッチ122、車両の走行速度VSPを検出する車速センサ123、吸気圧PBを検出する吸気圧センサ126などを備えている。
更に、ECU114には、内燃機関101の運転・停止のメインスイッチであるイグニションスイッチ124のオン・オフ信号や、スタータスイッチ125のオン・オフ信号、更に、バッテリ173の電圧信号VBが入力される。
図3は、クランク角センサ117及びカムセンサ133の構造を示す。
クランク角センサ117は、クランクシャフト120に軸支され、周囲に被検出部としての突起部151を備えるシグナルプレート152と、内燃機関101側に固定され、突起部151を検出して回転信号POSを出力する回転検出装置153とから構成される。
回転検出装置153は、波形発生回路、選択回路などを含む各種の処理回路を、突起部151を検出するピックアップと共に備えており、回転検出装置153が出力する回転信号POSは、通常ローレベルで、前記突起部151を検知したときに一定時間だけハイレベルに変化する。
シグナルプレート152の突起部151は、クランク角で10degのピッチで等間隔に設けられるが、突起部151を2つ連続して欠落させてある部分を、クランクシャフト120の回転中心を挟んで対向する2箇所に設けてある。
尚、突起部151の欠落数は、1個であっても良いし、3つ以上連続して欠落させてもよい。
従って、クランク角センサ117(回転検出装置153)から出力されるパルス状の回転信号POSは、図4に示すように、クランク角で10deg(単位クランク角)毎に16回連続してハイレベルに変化した後、30deg間ローレベルを保持し、再度16回連続してハイレベルに変化する。
そして、30degのローレベル期間後の最初の回転信号POSは、クランク角180deg間隔で出力されることになり、このクランク角180degは、本実施形態の4気筒機関101における気筒間の行程位相差、換言すれば、点火間隔に相当する。
一方、カムセンサ133は、吸気カムシャフト134の端部に軸支され、周囲に被検出部としての突起部157を備えたシグナルプレート158と、内燃機関101側に固定され、突起部157を検出してカム信号PHASEを出力する回転検出装置159とから構成される。
回転検出装置159は、波形整形回路などを含む各種の処理回路を、突起部157を検出するピックアップと共に備えている。
シグナルプレート158の突起部157は、カム角で90deg毎の4箇所それぞれに、1個、3個、4個、2個設けられ、突起部157が複数連続して設けられる部分では、突起部157のピッチを、クランク角で30deg、カム角で15degに設定してある。
そして、カムセンサ133(回転検出装置159)から出力されるパルス信号であるカム信号PHASEは、図4に示すように、通常はローレベルで、前記突起部157を検知することで一定時間だけハイレベルに変化し、カム角で90deg、クランク角で180deg毎に、1個単独、3個連続、4個連続、2個連続にハイレベルに変化する。
尚、1個単独のカム信号PHASE、及び、複数連続して出力されるカム信号PHASEの先頭の信号は、クランク角で180deg間隔に出力される。
カム信号PHASEの連続出力数は、気筒番号を示し、本実施形態の4気筒機関101において、気筒間における行程の位相差がクランク角で180degであり、点火が第1気筒→第3気筒→第4気筒→第2気筒の順で行われることに対応している。
ECU114は、カム信号PHASEの連続出力数を計数することで、次にピストンの位置が上死点TDCなどの既定位置となる気筒を判別し、係る判別の結果に基づいて燃料噴射や点火を行わせるべき気筒を特定し、噴射パルス信号や点火信号を出力する。
例えば、回転信号POSの歯抜け箇所を回転信号POSの周期変化などから判断し、この歯抜け位置を基準に、カム信号PHASEの発生数を計数するクランク角180degの区間を特定し、この計数区間におけるカム信号PHASEの発生数に基づいて、次に上死点となる気筒を検出する。
ここで、回転信号POSとカム信号PHASEとの位相は、可変バルブタイミング機構113によってクランクシャフト120に対する吸気カムシャフト134の回転位相が変更されることによって変化する。
そこで、ECU114は、回転信号POSの欠落部分を基準に、基準クランク角位置REFを検出し、この基準クランク角位置REFから、カム信号PHASEが出力されるまでの角度を、可変バルブタイミング機構113による吸気カムシャフト134の回転位相を示す値として検出する。
そして、可変バルブタイミング機構113の制御において、ECU114は、機関負荷・機関回転速度などの機関運転状態に基づいて目標の回転位相を演算し、実際の回転位相と目標の回転位相との偏差に基づく比例・積分・微分動作によって、電磁リターダ24の操作量を演算し、該操作量に基づいて電磁リターダ24を駆動するフィードバック制御を行う。
回転信号POSは、前述のように、吸気カムシャフト134の回転位相の検出に用いられる他、機関回転速度NEの演算、更に、クランクシャフト120の回転位置の検出に用いられる。
即ち、回転信号POSは、クランクシャフト120の回転位置の測定信号を兼ね、回転信号POSの欠落部分或いは欠落部分を基準に検出される基準クランク角位置REFからの回転信号POSの発生数を計数することで、クランクシャフト120の回転位置を検出することができる。
但し、内燃機関101が停止する直前には、筒内の圧縮圧などによって内燃機関101(クランクシャフト120)が逆方向に回転する場合があり、係る逆転時にも正転時と同様に回転信号POSの発生数を計数すると、クランクシャフト120の停止位置の検出に誤差を生じることになる。
そこで、内燃機関101の正転・逆転を判別できるように、クランク角センサ117(回転検出装置153)が、内燃機関101の出力軸であるクランクシャフト120の正転時と逆転時とでパルス幅の異なる回転信号POS(パルス信号)を出力するようにしてある(図5参照)。
回転軸の回転方向によってパルス幅の異なるパルス信号を発生させるための方法としては、例えば特開2001−165951号公報に開示される方法を用いる。具体的には、シグナルプレート152の突起部151の検出パルス信号として、相互に位相がずれた2つの信号を発生させ、これらの信号を比較することで正転・逆転を判定し、異なるパルス幅WIPOSとして生成される2つのパルス信号のいずれか一方を、正転・逆転の判定結果に基づいて選択して出力させるようにする。
ECU114では、回転信号POSのパルス幅WIPOSを計測し、パルス幅の計測値WIPOSと、正転・逆転の判定閾値である閾値SLとを比較することで、正転時のパルス幅WIPOSであるか、逆転時のパルス幅WIPOSであるかを判断し、内燃機関101の出力軸であるクランクシャフト120が正転しているか逆転しているかを判断する。
尚、本実施形態では、図5に示すように、正転時のパルス幅WIPOSを45μsに設定し、逆転時のパルス幅WIPOSを90μsに設定したが、パルス幅WIPOSを上記の45μs,90μsに限定するものではない。また、正転時の方が逆転時よりもパルス幅WIPOSが大きくなるように設定してもよい。
更に、図5に示した例では、回転信号POSを、通常ローレベルで既定の角度位置になったときに一定時間だけハイレベルに変化するパルス信号としたが、通常ハイレベルで既定の角度位置になったときに一定時間だけローレベルに変化するパルス信号であってもよく、この場合、ローレベル期間が回転方向で異なるように設定し、ローレベル期間の長さをパルス幅WIPOSとして計測して回転方向を判別する構成とすることができる。
正転・逆転の判別に用いる閾値SLは、正転時のパルス幅WIPOSと逆転時のパルス幅WIPOSとの中間値に設定され、例えば、計測したパルス幅WIPOSが前記閾値SL以上であれば、逆転状態であると判断し、計測したパルス幅WIPOSが前記閾値SL未満であれば、正転状態であると判断する。
そして、クランクシャフト120の正転時であれば、回転信号POSの出力時点で、前回よりも回転信号POSの発生間隔に相当するクランク角だけ、クランクシャフト120が正転方向に回転したと判断する。また、クランクシャフト120の逆転時であれば、回転信号POSの出力時点で、前回よりも回転信号POSの発生間隔に相当するクランク角だけ、逆転方向に回転したと判断する(停止位置検出手段)。
上記のように、正転・逆転を判別してクランクシャフト120の停止位置の検出を行えば、内燃機関101の停止直前にクランクシャフト120が逆転することがあっても、クランクシャフト120の停止位置、換言すれば、停止時における各気筒のピストン位置を精度よく判断することができ、再始動時に早期に燃料噴射・点火を開始させることができる。
例えば、内燃機関101の停止直前にクランクシャフト120が逆転し、クランクシャフト120の停止位置が不明になると、再始動時には、例えば、回転信号POSの欠落部分の検出を待ってクランクシャフト120の回転位置の検出を再開させる必要が生じ、燃料噴射・点火の開始が遅れる。
本実施形態では、ECU114が、内燃機関101のアイドル運転状態で自動停止条件が成立すると内燃機関101を自動停止させ、内燃機関101を自動停止させた後に再始動条件が成立すると、内燃機関101を自動的に再始動させるアイドルストップ制御機能を有しており、内燃機関101を自動的に再始動させる際に、燃料噴射・点火の開始を早期に行えれば、内燃機関101の再始動性を向上させることができる。
アイドルストップ制御においては、例えば、車速VSPが0km/h、機関回転速度NEが所定回転速度以下、アクセル開度ACCが全閉、ブレーキスイッチ122がON(制動状態)、冷却水温度TWが所定温度以上などの条件が全て成立しているときに、アイドルストップ条件(自動停止条件)が成立していると判断し、燃料噴射・点火を停止させ、内燃機関101を停止させる。
前記所定回転速度は、アイドル回転状態を判断するための値であり、目標アイドル回転速度よりも僅かに高く設定され、また、前記所定温度は、機関101の完暖状態(暖機後の状態)を判断するための値である。
一方、内燃機関101を自動停止させている状態で、例えば、ブレーキスイッチ122がOFF(非制動状態)に切り替わったり、アクセルペダルが踏み込まれたり、自動停止状態の継続時間が基準時間よりも長くなったり、バッテリ電圧の低下を判断したりすると、再始動条件が成立したと判断して、内燃機関101に対する燃料噴射・点火を再開させる。
尚、再始動時には、スタータモータを用いて内燃機関101を回転させ始めることができ、また、燃焼室内での燃料の燃焼によって内燃機関101を回転させ始めることができる。
ところで、前述のように、クランクシャフト120の正転・逆転の判断は、回転信号POSのパルス幅WIPOSと閾値SLとを比較することで行われるが、回転信号POSのパルス幅WIPOSは、クランク角センサ117(回転検出装置153)のばらつきや、パルス幅WIPOSを計測するECU114のばらつきなどによって変動する。
このため、閾値SLを固定値として予め与えた場合、クランクシャフト120の正転・逆転を正しく判定することができなくなる可能性がある。
そこで、ECU114は、閾値SLを実際のパルス幅WIPOSの計測結果に基づいて設定して記憶し、記憶した閾値SLに基づいて正転・逆転の判定を行う、閾値SLの学習機能を備えている。
以下では、ECU114による閾値SLの学習機能を、図6及び図7のフローチャートに従って説明する。
図6のフローチャートは、ECU114において回転信号POSの発生毎に実行されるルーチンを示す。
ステップS1001では、回転信号POSのパルス幅WIPOSを計測する。
具体的には、例えば、回転信号POSの立ち上がり及び立ち下がりを検出し、立ち上がりから立ち下りまでの時間を計測し、この計測した時間をパルス幅WIPOSとする。
次のステップS1002では、ステップS1001で計測したパルス幅WIPOSと閾値SLとを比較する。そして、パルス幅WIPOSが閾値SL未満であれば、クランクシャフト120が正転していると判定し、ステップS1003へ進み、フラグfHANTENに零を設定する。
一方、ステップS1002でパルス幅WIPOSが閾値SL以上であると判断した場合には、クランクシャフト120が逆転していると判定し、ステップS1004へ進み、フラグfHANTENに1を設定する。
即ち、フラグfHANTENに1が設定されている状態が、クランクシャフト120の逆転状態を示し、前記フラグfHANTENに零が設定されている状態が、クランクシャフト120の正転状態を示す。
従って、ステップS1001〜ステップS1004の機能が、正転・逆転判定手段に相当する。
ステップS1005では、回転信号POSの発生毎に行われる、正転・逆転判定以外の割り込み処理を実行する。
前記割り込み処理には、回転信号POSのカウントアップによるクランクシャフト120の回転位置の検出や、回転信号POSの欠落部分の検出などが含まれる。
一方、図7のフローチャートは、ECU114において一定時間(例えば10ms)毎に割り込み実行されるルーチンを示す。
ステップS2001では、機関回転速度NEや、スタータスイッチ125のオン・オフ信号や、エアフローセンサ115が検出した吸入空気量Qなどの内燃機関101の運転状態を示す情報を読み込む。
次のステップS2002(回転条件判定手段)では、ステップS2001で読み込んだ情報(機関運転条件)から、クランクシャフト120が正転する条件であるか否かを判断する。
具体的には、以下の条件(1)〜(6)のうちの少なくとも1つが成立している場合に、クランクシャフト120が正転する条件であると判断する。
尚、以下の条件(1)〜(6)のうちの複数が成立していることに基づいて正転を判断させれば、正転・逆転の判定精度を高めることが可能である。
(1)機関回転速度NEが所定回転速度NES以上
(2)カム信号PHASEによって判別される気筒が、正転方向に沿って切り替わっている
(3)機関負荷TPが所定負荷TPS以上
(4)スタータスイッチ125のオン状態
(5)吸気圧PBが大気圧から所定以上に増大又は低下した状態
(6)バッテリ電圧VBが所定電圧VBS以上
条件(1)は、機関回転速度NE、換言すれば、クランクシャフト120の回転速度が上昇した状態であるか否かを判断するものである。所定回転速度NESは、クランクシャフト120の逆転時には到達することがない回転速度に設定し、例えば、所定回転速度NESを500rpmとする。
即ち、内燃機関101の逆転時における機関回転速度NEの最大値は、内燃機関101の正転時における機関回転速度NEの最大値に比べて低いので、逆転時の機関回転速度NEの最大値を越える機関回転速度NEに達している場合には、クランクシャフト120(内燃機関101)が正転していると判断できる。
条件(2)は、ECU114が、カム信号PHASEに基づき判別した、ピストンが既定位置にある気筒が、内燃機関101の正転時に対応する順で更新されているか否かを判断するものである。前述のように、内燃機関101の点火順は、第1気筒→第3気筒→第4気筒→第2気筒であるから、この点火順が、内燃機関101の正転時に対応する更新順となり、この順に従って、既定のピストン位置であると判別された気筒が更新されていれば、内燃機関101(クランクシャフト120)が正転していることになる。
換言すれば、回転信号POS及びカム信号PHASEのECU114に対する入力パターンが、正常なパターンであるか否かを判断することで、内燃機関101(クランクシャフト120)の正転・逆転を判別する。
前記条件(3)は、内燃機関101の正転状態においてのみ実現可能な機関負荷で機関101が運転されているか否かを判別するものである。従って、所定負荷TPSは、内燃機関101の停止直前の正転から逆転に反転するような低負荷状態よりも高い機関負荷に設定され、所定負荷TPS以上の機関負荷TPで内燃機関101が運転されていれば、正転状態であると判断する。
換言すれば、内燃機関101が逆転している場合には、所定負荷TPSを超える機関負荷で内燃機関101が運転されることはなく、機関負荷が所定負荷TPS以上であれば、内燃機関101(クランクシャフト120)は正転していると判断する。
機関負荷を表す状態量としては、エアフローセンサ115で検出される吸入空気量Qや、吸入空気量Qに基づいて算出される燃料噴射量など、内燃機関101に吸引される空気量の大小を示す状態量を用いることが好ましい。
ここで、所定負荷TPSを高く設定するほど、正転状態の判定精度は高くなるが、例えば、内燃機関101のアイドル運転時に条件(4)の成立が判断される程度に、所定負荷TPSを設定しても、必要充分な判定精度を得られる。
前記条件(4)は、内燃機関101の始動操作状態であるか否かを判断するものである。スタータスイッチ125がオン状態で、スタータモータによって内燃機関101を回転させるクランキング状態である場合は、スタータモータの回転方向、即ち、正転方向にクランクシャフト120が回転することになる。従って、スタータスイッチ125のオン状態、換言すれば、内燃機関101の始動操作状態であれば、クランクシャフト120が正転していると判断できる。
条件(5)は、吸気管102内の圧力である吸気圧PBの発達状態、換言すれば、吸気圧PBが大気圧から所定以上に変化しているか否かを判断するものである。
クランクシャフト120の逆転は、内燃機関101の停止直前に発生し、その場合、吸気圧PBは大気圧付近である。換言すれば、吸気圧PBが大気圧から所定以上に変化している場合には、内燃機関101(クランクシャフト120)の正転状態であると判断でき、吸気圧PBが大気圧から所定以上に変化しているか否かは、吸気圧PBと所定圧PBSとを比較することで判断できる。
前述のように、逆転時には吸気圧PBが大気圧付近であるから、大気圧から所定以上に離れた圧力であって、クランクシャフト120の逆転時に達することのない吸気圧PBを前記所定圧PBSに設定し、この所定圧PBSよりも大気圧から離れている場合に正転状態であると判断できる。
ここで、内燃機関101が自然吸気機関であれば、全開運転状態で吸気圧PBが大気圧付近になるので、所定圧PBSを負圧に設定し、吸気圧PBが所定圧PBS以上に大きな負圧になっている場合、換言すれば、内燃機関101が吸気負圧の大きな低負荷で運転されている場合に、内燃機関101(クランクシャフト120)の正転を判断する。
また、内燃機関101が過給機を備える場合には、過給によって吸気圧PBは大気圧よりも高くなるので、所定圧PBSを正圧に設定し、吸気圧PBが所定圧PBS以上に大きな正圧になっている機関負荷の上昇状態において、内燃機関101(クランクシャフト120)の正転を判断することができる。
条件(6)は、内燃機関101によって駆動されるオルタネータ171の発電中であることを、バッテリ電圧VBに基づいて判断するものである。
内燃機関101が正転することでオルタネータ171が発電し、オルタネータ171の発電によってバッテリ電圧VBが高くなるので、オルタネータ171が発電することで達するバッテリ電圧VBを、所定電圧VBSに設定する。
これにより、バッテリ電圧VBが所定電圧VBS以上であれば、オルタネータ171が発電中であると判断でき、更に、オルタネータ171が発電していれば、内燃機関101(クランクシャフト120)は正転しているものと判断できる。
尚、内燃機関101が自然吸気機関である場合、機関負荷の増大によって吸気圧PBが負圧から大気圧に近づくことになり、また、前述のように、逆転状態においても吸気圧PBは大気圧付近となるので、吸気圧PBに基づいて機関負荷の判断を行わせる場合には、大気圧付近を正転判定領域から除外し、負圧発生状態である場合に、内燃機関101が正転していると判断することができる。
一方、過給機を備えた内燃機関101の場合、機関負荷の増大によって吸気圧PBが大気圧からより高い正圧になるので、吸気圧PBに基づいて機関負荷の判断を行わせる場合には、吸気圧PBが大気圧よりも所定以上に高い場合に、内燃機関101が正転していると判断することができる。
ステップS2002で、機関回転速度NEや機関負荷TPなどが、内燃機関101(クランクシャフト120)が正転する条件ではないと判断された場合、換言すれば、内燃機関101(クランクシャフト120)が逆転している可能性がある場合には、ステップS2003へ進む。
ステップS2003では、パルス幅WIPOSのサンプル数を計数するカウンタCNTNEを零にリセットすると共に、パルス幅WIPOSの平均値AVWIPOSを初期値にリセットする。
前記初期値としては、正転時のパルス幅WIPOSの設計値(設計値=45μs)を用いる。
一方、ステップS2002で、機関回転速度NEや機関負荷TPなどが、内燃機関101(クランクシャフト120)が正転する条件であると判断された場合、換言すれば、内燃機関101(クランクシャフト120)が正転していると推定される場合には、ステップS2004へ進む。
ステップS2004では、カウンタCNTNEを、前回値CNTNEzよりも1だけ増大させる。
次のステップS2005では、最近に計測されたパルス幅WIPOSと、前回の平均値AVWIPOSzとを加重平均し、この加重平均値を、今回の平均値AVWIPOSとする。
AVWIPOS=AVWIPOSz×0.9+WIPOS×0.1
尚、パルス幅WIPOSの平滑化処理(移動平均処理)を、前述の加重平均演算に限定するものではなく、単純平均演算などであっても良い。また、加重平均演算に用いる係数を、上式に示した値に限定するものではない。
ステップS2006では、カウンタCNTNEが判定値以上になっているか否かを判断する。
前記判定値は例えば100であり、正転時の回転信号POSのパルス幅WIPOSの平均値を求めるのに充分なサンプル数に基づき設定される。
ステップS2006で、カウンタCNTNEが判定値未満であると判断されると、平均値AVWIPOSの信頼性が不十分であると判断し、ステップS2007〜ステップS2009を迂回してステップS2010へ進む。
ステップS2010では、今回ステップS2004で増大させたカウンタCNTNEの値を前回値CNTNEzに設定し、今回ステップS2005で更新した平均値AVWIPOSを前回値AVWIPOSzに設定する。
一方、ステップS2006で、カウンタCNTNEが判定値以上になっていると判断された場合には、ステップS2007へ進む。
ステップS2007では、今回ステップS2005で更新した平均値AVWIPOSに、予め記憶されている余裕分MAを加算し、該加算結果を、ステップS1002で正転・逆転の判定に用いる閾値SLに設定し、この新たな閾値SLを記憶する。
閾値SL=AVWIPOS+余裕分MA
前記余裕分MAは、正転時のパルス幅WIPOSが45μsに設定され、逆転時のパルス幅WIPOSが90μsに設定される本実施形態の場合、例えば、10μs程度に設定する。
即ち、パルス幅WIPOSが、正転時のパルス幅の平均値AVWIPOSに余裕分MAを加算した時間以上になったときに、内燃機関101(クランクシャフト120)の逆回転を判定する。
前記余裕分MAは、正転時の標準パルス幅WIPOSと逆転時の標準パルス幅WIPOSとの差や、パルス幅WIPOSのばらつき幅などを加味して予め適合して記憶させておく。但し、正転時のパルス幅WIPOSが標準値に対して短くなったか長くなったかによって、余裕分MAとして異なる値を設定したり、余裕分MAに基づいて設定した閾値SLに基づいて逆転時のパルス幅として判断したパルス幅WIPOSに基づいて、余裕分MAを補正することができる。
尚、正転時のパルス幅WIPOSが、逆転時のパルス幅WIPOSよりも長い設定では、前記平均値AVWIPOSから余裕分MAを減算した結果を、閾値SLとすればよい。
前記ステップS2004〜ステップS2007の処理が、閾値設定手段としての機能に相当する。
上記のように、実際に内燃機関101(クランクシャフト120)が正転している状態で計測したパルス幅WIPOSに基づいて、正転・逆転の判定に用いる閾値SLを学習させれば、正転・逆転時のパルス幅WIPOSが、各種の要因によって設計値に対してばらついたときに、これに対応して閾値SLを変更させることができるので、正転・逆転の判定精度を向上させることができる。
そして、正転・逆転の判定精度が向上すれば、内燃機関101の停止位置の判定精度が向上し、アイドルストップ状態からの再始動時における燃料噴射・点火を速やかにかつ高精度に制御でき、内燃機関101の再始動性を向上させることができる。
ステップS2008(診断手段)では、ステップS2007で更新した閾値SLが最大値以上、又は、最小値以下であるかを判断する。
正転時のパルス幅WIPOSが45μsに設定され、逆転時のパルス幅WIPOSが90μsに設定される本実施形態の場合、前記最大値を例えば150μsに設定し、前記最小値を例えば20μsに設定する。
前記最大値・最小値は、パルス幅WIPOSのばらつき範囲に基づき設定され、許容されるパルス幅WIPOSのばらつきでは、閾値SLが超えることがない値に設定される。
換言すれば、許容されるパルス幅WIPOSのばらつきに対し、閾値SLは、最大値と最小値とで挟まれる範囲内で変化し、クランク角センサ117(回転検出装置153)の異常によってパルス幅WIPOSが許容されるばらつきを超えて変化すると、前記閾値SLが前記最大値と最小値とで挟まれる範囲外の値に演算されるように設定されている。
従って、ステップS2008において、閾値SLが最大値以上、又は、最小値以下であると判断された場合には、クランク角センサ117(回転検出装置153)の異常によって、回転信号POSのパルス幅WIPOSが許容されるばらつきを超えて変化したものと推定できる。
回転信号POSのパルス幅WIPOSに異常が生じた場合には、パルス幅WIPOSの判別による正転・逆転の判定が不能になり、これによって、内燃機関101の再始動性が低下するので、ステップS2009へ進み、アイドルストップ制御を禁止する。
即ち、回転信号POSのパルス幅WIPOSに基づく正転・逆転の判定が不能になると、内燃機関101が停止直前に逆転した場合、内燃機関101の停止位置が正しく検出されないから、停止位置に基づいて再始動時の燃料噴射タイミング・点火時期を設定することができなくなる。
このため、再始動時に、回転信号POSの欠落位置を検出し、かつ、既定のピストン位置の気筒が判別されるまで、燃料噴射・点火を開始させることができず、始動時間が長くなって再始動性が低下する。
そこで、ステップS2009(無効手段)では、アイドルストップ制御を禁止することで、再始動性が低下した状態でアイドルストップが実行されることがないようにした後、ステップS2010へ進む。
但し、再始動時に、回転信号POSの欠落位置を検出し、かつ、既定のピストン位置の気筒が判別されてから、燃料噴射・点火を開始させるようにしても、発進加速性を損ねるほどの始動性の低下が生じない場合、或いは、始動性の低下が許容される場合には、正転・逆転の判定による停止位置の検出を禁止し、又は、停止位置の検出結果を無効とし、アイドルストップ制御の実施を許容することもできる。
一方、ステップS2008において、閾値SLが最大値未満で、かつ、最小値よりも大きいと判断された場合には、回転信号POSのパルス幅WIPOSが許容される範囲内でばらついているものと推定できる。
従って、ステップS2008で、閾値SLが最大値未満で、かつ、最小値よりも大きいと判断された場合には、ステップS2009を迂回してステップS2010へ進むことで、アイドルストップ制御、換言すれば、正転・逆転の判定による停止位置の検出の実施を許可する。
図7のフローチャートに示した実施形態では、内燃機関101(クランクシャフト120)が正転する条件が成立しているときに計測したパルス幅WIPOSが、正転時のパルス幅であると判断して、パルス幅WIPOSから閾値SLを学習させたが、内燃機関101(クランクシャフト120)が逆転する条件で計測したパルス幅WIPOSに基づいて閾値SLを学習させることができる。
逆転時のパルス幅WIPOSを基準に閾値SLを学習させる場合、図7のフローチャートのステップS2002で逆転条件であるか否かを判断させ、かつ、ステップS2007において、「AVWIPOS−余裕分MA」を新たな閾値SLとすればよい。
ステップS2002における逆転条件の判断においては、特開2004−052698号公報に開示されるように、回転信号POSの周期又は周期比から、内燃機関101(クランクシャフト120)が逆転する条件であるか否かを判断させることができる。
具体的には、内燃機関101の停止直前に正転から逆転に切り替わると、回転信号POSの周期TPOSが長くなって、正転時には発生しない周期TPOSになるので、周期TPOSが判定値TSLよりも長くなった場合に、内燃機関101(クランクシャフト120)の逆転条件であると判断できる。前記判定値TSLは、正転状態のまま内燃機関101が停止する場合に、周期TPOSが超えることがない値に設定される。
また、内燃機関101が正転状態から逆転状態に切り替わることで、周期TPOSが急に長くなり、周期TPOSの計測結果の最新値TPOSと前回値TPSOzとの比である周期比RT(RT=TPOS/TPSOz)が、正転時には発生しないほどに大きくなるので、周期比RTが判定値RTSよりも大きくなった場合に、内燃機関101(クランクシャフト120)の逆転条件であると判断できる。前記判定値RTSは、正転状態のまま内燃機関101が停止する場合に、周期比RTが超えることがない値に設定される。
尚、本実施形態では、回転信号POSの周期TPOSが、本来の10deg周期よりも長くなる歯抜け箇所が設けられているため、上記のように、周期TPOSから逆転条件を判定する場合には、周期TPOSが歯抜け部分を計測した結果であるか否かを判別し、歯抜け部分の周期TPOSを用いる場合には、判定値TSL,RTSを、歯抜け部分に適合させた値に切り替えるとよい。
逆転条件の成立を判断すると、パルス幅WIPOSの平均値AVWIPOSを求め、この平均値AVWIPOSに基づいて、閾値SLを更新する。
本実施形態では、正転時のパルス幅WIPOSを45μs、逆転時のパルス幅WIPOSを90μsに設定し、逆転時のパルス幅WIPOSがより長いので、逆転時に計測したパルス幅WIPOSの平均値AVWIPOSから余裕分MAを減算した値を、閾値SLに設定する。前記余裕分MAは、正転時と同様に、10μs程度とする。
また、内燃機関101(クランクシャフト120)が継続的に逆転する期間は短いので、パルス幅WIPOSの平均値AVWIPOSを求める場合の要求サンプル数を、正転時に比べて少なくしても良い。
また、正転条件の成立時と、逆転条件成立時との双方で、パルス幅WIPOSの平均値AVWIPOS又は該平均値AVWIPOSと余裕分MAとに基づく閾値SLを、それぞれに算出する場合、最終的に正転・逆転の判定に用いる閾値SLとして、正転条件の成立時に求めた平均値AVWIPOS又は閾値SLと、逆転条件の成立時に求めた平均値AVWIPOS又は閾値SLとの中間値とすることができる。
ここで、中間値は、正転時の値と逆転時の値とで挟まれる領域の中央値とすることができる。
また、平均値AVWIPOSを求めたときのパルス幅WIPOSのサンプル数や、学習機会(学習頻度)などによる信頼性の違いに応じて、正転時の値と逆転時の値とに重み付けを行って、最終的な閾値SLを設定することができる。
内燃機関101(クランクシャフト120)においては、正転時の方がパルス幅WIPOSのサンプル数をより多く確保して平均値AVWIPOSを求めることができ、また、正転状態で運転されることの方が圧倒的に多いので、平均値AVWIPOSの信頼性は、一般的に正転時の方が高い。
そこで、例えば、正転時に求めた平均値AVWIPOS又は該平均値AVWIPOSに基づいて設定した閾値SLと、逆転時に求めた平均値AVWIPOS又は該平均値AVWIPOSに基づいて設定した閾値SLとで挟まれる領域の中央値よりも、領域幅の所定割合だけ正転時の値に近い値を最終的な閾値SLとすることができる。
また、正転時に求めた平均値AVWIPOS又は該平均値AVWIPOSに基づいて設定した閾値SLと、逆転時に求めた平均値AVWIPOS又は該平均値AVWIPOSに基づいて設定した閾値SLとの加重平均値を最終的な閾値SLとし、かつ、加重平均演算における正転時に求めた値に対する重み付けを、逆転時に求めた値に対する重み付けよりも大きく設定することができる。
更に、逆転時の学習頻度が正転時の学習頻度に比べて低く、また、学習してからの経過時間が長くなるほど学習結果の信頼性が低下するので、逆転条件の成立によって逆転時の平均値AVWIPOSを求めた時点からの経過時間が長くなるほど、逆転時に求めた値に対する重み付けをより小さくし、相対的に、正転時に求めた値に対する重み付けをより大きくすることができる。
尚、上記実施形態では、クランクシャフト120(回転軸・出力軸)の正転・逆転で異なる回転信号POSとして、正転・逆転でパルス幅WIPOSの異なる回転信号POSを発生させる構成としたが、例えば、正転・逆転でパルス状の回転信号POSの振幅(信号レベル)が異なるように構成することができる。
例えば、回転信号POSを、通常ローレベルで、既定角度位置になったときに一定時間だけハイレベルに変化するパルス信号とする場合、前記ハイレベルの高さが正転と逆転との異なるように構成することができる。
この場合も、内燃機関101が正転する条件及び/又は逆転する条件であるときの回転信号POSの振幅(信号レベル)に基づいて、振幅(信号レベル)が正転時に対応するか逆転時に対応するかを判別するための閾値SLを設定することで、前記実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
更に、回転信号POSのパルス幅WIPOS及び振幅の双方が、正転・逆転で異なるように構成し、例えば、パルス幅WIPOSに基づく正転・逆転の判定結果と、振幅に基づく正転・逆転の判定結果とが一致する場合に、正転・逆転の判定結果を出力し、両者の判定結果が一致しない場合に、回転方向不明とする判定結果を出力することができる。
また、上記実施形態では、正転・逆転で異なる回転信号POSが、クランクシャフト120の回転位置の測定信号を兼ねるようにしたが、クランクシャフト120の正転・逆転を検出するための回転信号と、クランクシャフト120の回転位置(角度)の測定信号とを個別に発生させることができる。
但し、クランクシャフト120の正転・逆転で異なる回転信号が、クランクシャフト120の回転位置の測定信号を兼ねるようにすれば、回転検出器の数を削減でき、また、信号の処理回路を簡略化することができる。
また、上記実施形態では、閾値SLと、最大値・最小値との比較に基づいて、クランク角センサ117(回転検出装置153)の異常を判断したが、平均値AVWIPOSと該平均値AVWIPOSの許容変化領域との比較に基づいて異常診断を行わせたり、前記閾値SL又は平均値AVWIPOSの前回値と今回値との偏差(変化速度)に基づいて異常診断を行わせたりすることができる。
また、回転軸が正転する条件又は逆転する条件を判定し、正転する条件又は逆転する条件であることが判定されたときの回転信号に基づいて閾値を設定する構成とした回転検出装置は、内燃機関の出力軸の回転検出に限定されず、逆転する可能性のある回転軸の回転検出に適用できる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
)請求項1から3のいずれか1つに記載の回転検出装置において、
前記回転信号が、内燃機関の出力軸の単位回転角毎に発生し、
前記回転信号の発生周期に基づいて内燃機関が逆転する条件を判定する回転検出装置。
上記発明によると、内燃機関の停止時に、出力軸(クランクシャフト)が正転状態から逆転して停止する場合、回転方向の反転に伴って回転信号の発生周期が長くなることから、回転信号の発生周期に基づいて内燃機関の出力軸が逆転する条件を判定する。
)請求項1から3のいずれか1つに記載の回転検出装置において、
内燃機関の出力軸が正転する条件と逆転する条件との双方で閾値をそれぞれに設定し、これら閾値の中間値を最終的な閾値として設定する回転検出装置。
上記発明によると、正転状態での回転信号に基づいて設定した閾値と、逆転状態での回転信号に基づいて設定した閾値との中間値を最終的な閾値とすることで、正転・逆転の判定精度をより向上させることができる。
)請求項()記載の回転検出装置において、
正転状態での回転信号に基づいて設定した閾値に対してより大きな重み付けを行って最終的な閾値を設定する回転検出装置。
上記発明によると、内燃機関の場合、逆転状態での運転は停止直前に限定的に行われるため、逆転状態での閾値の学習は、正転状態での閾値の学習に比べて、頻度が少なく信頼性が低いため、正転時及び逆転時の双方での求めた閾値から最終的な閾値を設定する場合に、正転状態で求めた閾値をより重んじることで、逆転状態での回転信号の特性を考慮しつつ、高い精度で閾値を設定できる。
)請求項1から3のいずれか1つに記載の回転検出装置において、
前記回転信号のパルス幅又は振幅を計測すると共に、前記計測値の移動平均値に基づいて前記閾値を設定する、回転検出装置。
上記発明によると、回転信号のパルス幅又は振幅の計測結果を移動平均することで、計測結果の微小な変動に影響されることなく、閾値を安定的に設定することができる。
101…内燃機関、114…エンジンコントロールユニット(ECU)、115…エアフローセンサ、117…クランク角センサ、120…クランクシャフト(回転軸、出力軸)、125…スタータスイッチ、126…吸気圧センサ、133…カムセンサ、134…カムシャフト、173…バッテリ、POS…回転信号

Claims (3)

  1. 内燃機関の出力軸の回転に応じて出力される回転信号であって前記出力軸の正転時と逆転時とで異なるパルス幅又は振幅のパルス信号として出力される回転信号を入力し、
    前記回転信号のパルス幅又は振幅の計測値と閾値との比較に基づいて前記出力軸の回転方向を検出し、
    前記内燃機関の運転条件が前記出力軸が正転する条件であるときの前記回転信号のパルス幅又は振幅に基づいて前記閾値を設定し、
    前記閾値が異常であるときに前記回転方向の検出不能に応じた制御を行う、回転検出装置。
  2. 前記回転方向の検出結果に基づいて前記内燃機関の停止位置を検出し、
    前記閾値が異常であるときに前記停止位置の検出結果を無効とする、請求項1記載の回転検出装置。
  3. 前記閾値が異常であるときに前記内燃機関のアイドルストップ制御が実行されないようにする、請求項1記載の回転検出装置。
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