JP5035267B2 - クランク角検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のクランク軸の位置(クランク角)を検出するクランク角検出装置に関すものであり、内燃機関のアイドリング運転を自動停止させる機構(いわゆる、アイドルストップ機構)を備える車両に適用して有効である。
アイドルストップ機構とは、信号待ち等の車両が短期的に停止しているときに、内燃機関を自動的に停止させるとともに、走行開始指令がされたとき(例えば、アクセルペダルが踏み込まれた場合やブレーキが解除された場合)に、内燃機関を自動的に再始動することにより無駄な燃料の消費を抑制する機構である。そして、アイドルストップ機構において、運転者に違和感を与えることなく車両を走行させるには、内燃機関の再始動に要する時間をできるだけ短くすることが望ましい。
ところで、例えば、4サイクルのレシプロ型ディーゼルエンジンでは、クランク軸の位置(ピストンの位置)に基づいて燃料をシリンダ(燃焼室)内に噴射供給しているので、通常の始動時においては、クランク軸を2回転(720度)以上回転させてクランク軸の基準位置を検出(気筒判別)した後、その検出された基準位置を基準として、燃料噴射タイミング制御が開始される。
しかし、上記した通常の始動制御では、気筒判別が完了した後、エンジンを始動させるための燃料噴射制御が開始されるので、この始動制御をそのままアイドルストップ機構に採用すると、再始動に要する時間を短縮することが難しい。
そこで、発明者は、シリンダへの燃料供給を停止した後、現実にクランク軸の回転が停止した時のクランク軸の停止位置(停止クランク角)を記憶し、再始動時には、その記憶していた停止位置に基づいて燃料を噴射するタイミングを制御することにより、気筒判別を実行することなく、燃料噴射制御を開始することにより、再始動時に要する時間の短縮を図ったアイドルストップ機構を試作・検討した。
しかし、内燃機関は、作動流体である空気等の気体を圧縮する必要があるため、シリンダへの燃料供給を停止した後、現実にクランク軸の回転が停止するまでの間に、圧縮反力により、クランク軸が従前の回転方向と逆向きに回転する現象(逆転現象)が生じ場合がある。
そして、逆転現象が生じると、クランク軸の停止位置を正確に把握することができなくなり、正確なタイミングで燃料噴射制御を実行することができなくなるので、逆転現象も含めて正確にクランク軸の位置を把握する必要がある。
ところで、逆転現象が発生したか否かを判定する手段として、例えば特許文献1に記載の発明では、角度検出用クランク角センサによって検出されるパルスの間隔(「立ち上がりパルスから立ち下りパルスまでの間隔」と「立ち下がりパルスから立ち上がりパルスまでの間隔」)の変化に基づいて逆転現象を検出している。
特開2008−14287号公報
しかし、内燃機関では、前述したように、空気等の気体を圧縮する必要があるため、圧縮反力により、逆転現象には至らないものの、クランク軸の回転速度が急激に小さくなる又は一時的に停止する等して、検出されるパルス間隔が従前に比べて長くなる可能性が非常に高い。
このため、特許文献1に記載の発明のごとく、パルスの間隔に基づいて逆転現象の有無を検出すると、逆転現象が生じていないのにも拘わらず、逆転現象が発生したものと誤検出してしまう可能性が高く、逆転現象も含めて正確にクランク軸の位置を把握することができない。
また、特許文献1に記載の発明の発明では、パルス間隔と閾値とを比較することにより逆転現象の有無を検出しているが、この閾値は、内燃機関毎の個体差により大きく影響するとともに、経年変化(摩耗や変形等)によっても大きく変動する。したがって、閾値として、予め決定された固定値を用いると、逆転現象の有無を正確に判断することが難しい。
本発明は、上記点に鑑み、逆転現象も含めて正確にクランク軸の位置を把握することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、内燃機関のクランク軸の回転と同期してパルス信号を出力する第1パルス発生手段(10)と、第1パルス発生手段(10)から出力されたパルス信号の計数値に基づいて、クランク軸の位置を算出するクランク角算出手段(S35)と、第1パルス発生手段(10)から出力されたパルス信号のパルス間隔に基づく値(以下、この値をパルス間隔値という。)と閾値とを比較することにより、クランク軸(3)の回転方向を検出する第1回転方向検出手段(13)と、クランク軸(3)の基準位置を検出するためのパルス信号をクランク軸(3)の回転と同期して回転するカムシャフト(4)と同期して出力する第2パルス発生手段(16)と、第1パルス発生手段(10)から出力されるパルス信号の出力タイミング、及び第2パルス発生手段(16)から出力されるパルス信号の出力タイミングに基づいて、クランク軸(3)の回転方向を検出する第2回転方向検出手段(13)と、第1回転方向検出手段(13)により検出された回転方向(以下、第1検出回転方向という。)と第2回転方向検出手段(13)により検出された回転方向(以下、第2検出回転方向という。)とが相違しているか否かを判定する判定手段(S63)と、判定手段(S63)により第1検出回転方向と第2検出回転方向とが相違していると判定された場合に、第2検出回転方向を正しい回転方向として、閾値を補正する第1補正手段(S41)とを備えることを特徴とする。
そして、請求項1に記載の発明では、第2回転方向検出手段(13)は、第1パルス発生手段(10)から出力されるパルス信号の出力タイミング、及び第2パルス発生手段(16)から出力されるパルス信号の出力タイミングに基づいてクランク軸(3)の回転方向を検出するので、パルス間隔値と閾値とを比較することによりクランク軸(3)の回転方向を検出する第1回転方向検出手段(13)に比べて、正確に逆転現象を検出することができる。
このとき、第1検出回転方向と第2検出回転方向とが相違していると判定された場合には、第2検出回転方向を正しい回転方向として閾値を補正するので、内燃機関毎の個体差や経年変化(摩耗や変形等)により閾値が不適切な値となった場合であっても、閾値が適切な値に補正(修正)されることとなる。
そして、クランク角算出手段(S35)は、第1回転方向検出手段(13)により検出された回転方向を考慮してクランク軸の位置を算出するので、請求項1に記載の発明では、逆転現象も含めて正確にクランク軸の位置を把握することができる。
ところで、請求項1に記載の発明は、閾値が補正されると同時に補正後の内容が反映される場合、及び次回から補正後の内容が反映される場合を含むものである。
これに対して、請求項2に記載の発明では、判定手段(S63)により第1検出回転方向と第2検出回転方向とが相違していると判定された場合に、第2検出回転方向を正しい回転方向として、クランク角算出手段(S35)が算出したクランク軸の位置を補正する第2補正手段(S43)を備えることを特徴としているので、請求項2に記載の発明では、閾値が補正されると同時に補正後の内容が反映されることとなり、より正確にクランク軸の位置を把握することができる。
また、請求項3に記載の発明では、判定手段(S63)は、クランク軸(3)の基準位置が検出されるタイミングで第1検出回転方向と第2検出回転方向とが相違しているか否かを判定することを特徴とする。
これにより、請求項3に記載の発明では、判定手段(S63)による判定が周期的に実行されることとなるので、経年変化により閾値が不適切な値となるような場合であっても、長期間に亘って安定的に閾値を適切な値に維持(保持)することができる。
また、請求項4に記載の発明では、第1回転方向検出手段(13)は、その検出結果として、クランク軸が従前と同一方向に回転しているとする第1検出結果、クランク軸が従前と逆向きに回転しているとする第2検出結果、及びいずれの方向に回転しているか検出不能とする第3検出結果のいずれかを検出し、さらに、判定手段(S63)は、第3検出結果が検出された場合も判定を実行することを特徴とする。
これにより、請求項4に記載の発明では、経年変化により閾値が不適切な値となり、いずれの方向に回転しているか検出不能となった場合であっても、長期間に亘って安定的に閾値を適切な値に維持することができる。
また、請求項5に記載の発明では、第3検出結果が検出されたときであって第2回転方向検出手段(13)によりクランク軸が従前と同一方向に回転していると検出された場合には、第1補正手段(S41)は、その第3検出結果の検出に用いられたパルス間隔値を用いて閾値を補正することを特徴とするので、閾値を適正な値に修正することができる。
同様に、請求項6に記載の発明では、第1回転方向検出手段(13)によりクランク軸が従前と逆向きに回転しているとする第1検出結果が検出されたときであって、第2回転方向検出手段(13)によりクランク軸が従前と同一方向に回転していると検出された場合には、第1補正手段(S41)は、その第1検出結果の検出に用いられたパルス間隔値を用いて閾値を補正することを特徴とするので、閾値を適正な値に修正することができる。
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
(a)は内燃機関の模式図であり、(b)はクランク角検出装置の模式図である。 クランクシャフトの位置を示すカウント値等と時間との関係を示すグラフである。 第1パルス発生装置10から出力されるパルス信号の一例を示す図である。 逆転検出手法1等の作動を示すフローチャートである。 パルス間隔Dic及びパルス間隔Dipと逆転検出手法1による検出結果との関係を示す図である。 NEパルスやGパルス等のタイミングを示すチャートである。 エンジン停止時制御を示すフローチャートである。 クランク位置処理制御を示すフローチャートである。 閾値補正制御を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は閾値を補正したときのパルス間隔Dic及びパルス間隔Dipと逆転検出手法1による検出結果との関係を示す図である。 クランクシャフトの位置を示すカウント値等と時間との関係を示すグラフである。 ECU認識絶対角・正転逆転補正状態遷移図表である。 再始動時制御を示すフローチャートである。
本実施形態は、本発明に係るクランク角検出装置を4気筒のディーゼル式内燃機関用のアイドルストップ機構に適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
1.内燃機関の概要(図1参照)
内燃機関1は、ピストン2の往復運動を回転運動に変換するクランクシャフト3、燃焼室2Aに設けられた吸気弁(図示せず。)及び排気弁(図示せず。)を開閉するカム4Aが設けられたカムシャフト4、クランクシャフト3の回転をカムシャフト4に伝達するタイミングベルト5、及び燃焼室2A内に燃焼を噴射供給するインジェクタ(図示せず。)等から構成されている。
なお、カムシャフト4は、タイミングベルト5及びプーリ5A、5Bにより減速されて、クランクシャフト3の角速度の1/2角速度でクランクシャフト3の回転と同期して回転する。
そして、本実施形態に係る内燃機関1は、吸気行程→圧縮行程→爆発行程→排気行程の順で各行程を繰り返す4サイクル方式であり、かつ、各気筒(燃焼室2A)は、クランクシャフト3の回転角(以下、この回転角をクランク角又はCAと記す。)に換算して180度間隔で等間隔爆発する。
2.クランク角の検出について
2.1.クランク角の検出の概要(図1(b)参照)
クランク角検出用パルス発生装置(以下、第1パルス発生装置と略す。)10は、クランクシャフト3と同一の角速度でクランクシャフト3の回転と同期して回転する歯車状の第1回転体11、及び第1回転体11の外周部に形成された多数個の歯部11Aを検出して矩形波状のパルス信号を出力するピックアップ12等から構成されている。
そして、本実施形態に係るピックアップ12は、例えばピックアップ12に最も歯部11Aが近接したときにON信号を出力し、歯部11Aがピックアップ12から離間したときにOFF信号を出力することにより矩形波状のパルス信号(図3参照)を出力し、このパルス信号は、電子制御装置(以下、ECUと記す。)13に入力される。
因みに、ECU13は、CPU、ROM及びRAM等からなる周知のマイクロコンピュータにて構成されたものであり、ECU13は、ROM等の不揮発性記憶手段に記憶されたプログラムに従って後述する制御フロー等を実行する。
また、第1回転体11の外周には、ほぼ全域に渡って等間隔で歯部11Aが設けられているが、一部、歯部11Aが設けられていない欠歯部11Bが設定されている。因みに、本実施形態では、第1回転体11の外周を60等分して、56個の歯部11Aと4歯分の欠歯部11Bとを設けている。
このため、等間隔で歯部11Aが設けられた領域においては、ON信号又はOFF信号が所定の回転角(以下、この角を基準ステップ角という。)毎に出力されるのに対して、欠歯部11Bでは、OFF信号が出力される時間が基準ステップ角の4倍分相当の時間となる。したがって、本実施形態では、上記の比較的長いOFF信号が検出された後、ON信号が検出された時に、第1回転体11(クランクシャフト3)が1回転したこととなる。
また、第1回転体11(クランクシャフト3)が1回転する間に出力されるON信号又はOFF信号の個数は既知であるので、パルス信号が、OFF信号からON信号に変化した時又はON信号からOFF信号に変化した時を計数(カウント)するとともに、その計数(カウント)を実行したタイミングで、第1回転体11の回転方向を考慮して基準ステップ角を積算していくことにより、クランクシャフト3が回転し始めた時からクランクシャフト3の総回転角度を検出することができる(図2の実線で示すグラフ参照)。
ここで、「回転方向を考慮して基準ステップ角を積算する」とは、計数した時に第1回転体11(クランクシャフト3)正転していると判断されている場合には、現在の総回転角度に基準ステップ角を加算し、一方、逆転していると判断されている場合には、現在の総回転角度から基準ステップ角を減算することをいう。つまり、正転時は符号を「プラス(+)」として加算し、一方、逆転時には符号を「マイナス(−)」として加算することをいう。
2.2.第1パルス発生装置の出力結果を用いた正転及び逆転の判断
<正転及び逆転の判断制御の概要>
第1パルス発生装置10からは、前述したように、ピックアップ12に最も歯部11Aが近接したときにON信号が出力され、歯部11Aがピックアップ12から離間したときにOFF信号が出力されるので、その出力信号は、図3に示すように、矩形波状のパルス信号となる。
そこで、本実施形態では、OFF信号からON信号に変化した時にカウントするとともに、そのカウントした時刻(以下、この時刻をカウント時刻という。)に基づいて現在のパルス間隔Dicと前回のパルス間隔Dipに基づく値(以下、この値をパルス間隔値という。)と閾値とを比較することにより、第1回転体11(クランクシャフト3)正転しているか逆転しているかを判断している。
ここで、現在のパルス間隔Dicとは、現在のカウント時刻Tcと1つ前のカウント時刻Tp1との時刻差であり、前回のパルス間隔Dipとは、1つ前のカウント時刻Tp1と2つ前のカウント時刻Tp2の時刻差である。
また、パルス間隔値として、本実施形態では、パルス間隔比及びパルス間隔差の2種類を採用しており、パルス間隔比は、(現在のパルス間隔Dic)/(前回のパルス間隔Dip)で定義され、パルス間隔値差は、(現在のパルス間隔Dic)−(前回のパルス間隔Dip)で定義される。
そして、パルス間隔比用の閾値は、逆転判定用閾値Krp及び同方向判定用閾値Kspの2種類があり、同様に、パルス間隔差用も、逆転判定用閾値Krd及び同方向判定用閾値ksdの2種類がある。
<正転及び逆転の判断制御作動の詳細(図4及び図5参照)>
図4に示す正転及び逆転の判断制御(以下、この制御を第1回転方向検出制御という。)は、後述する停止時制御(図7参照)において実行され、この第1回転方向検出制御を実行するためのプログラムは、ECU13のROM等に記憶されており、停止時制御の実行時に読み込まれ、ECU13(CPU)にて実行される。
そして、第1回転方向検出制御が起動されると、先ず、クランクシャフト3(第1回転体11)の回転方向を示すフラグ(以下、このフラグを第1回転フラグFlrと記す。)の値が「2」であるか否かが判定される(S1)。
ここで、第1回転フラグFlrの値が「1」とは、クランクシャフト3が正転の向きに回転していることを意味し、第1回転フラグFlrが「0」とは、クランクシャフト3が逆転の向きに回転していることを意味し、第1回転フラグFlrの値が「2」とは、パルス間隔値と閾値との比較(第1回転方向検出制御)ではクランクシャフト3の回転方向を判別(検出)することができなかったことを意味している。
そして、S1にて第1回転フラグFlrの値が2であると判定された場合には(S1:YES)、本制御が終了し、一方、第1回転フラグFlrの値が2ではないと判定された場合には(S1:NO)、現在の「現在のパルス間隔Dic」の値が「前回のパルス間隔Dip」の値として代入されるとともに、「現在のカウント時刻Tc」と「1つ前のカウント時刻Tp1」との時刻差から新たに「現在のパルス間隔Dic」が算出される(S3)。
次に、パルス間隔比(Dic/Dip)の値が逆転判定用閾値Krpより大きいか否かが判定され(S5)、パルス間隔比が逆転判定用閾値Krpより大きいと判定された場合には(S5:YES)、パルス間隔値差(Dic−Dip)の値が逆転判定用閾値Krdより大きいか否かが判定される(S7)。
このとき、パルス間隔値差(Dic−Dip)の値が逆転判定用閾値Krdより大きいと判定された場合には(S7:YES)、前回の第1回転方向検出制御の起動時に判断された回転方向と反対向きにクランクシャフト3が回転しているものと判断される。
このため、現在の第1回転フラグFlrの値が1であるか否か判定され(S9)、現在の第1回転フラグFlrの値が1であると判定された場合には(S9:YES)、これと反対向きにクランクシャフト3が回転していることを示す「0」が第1回転フラグFlrに代入された後(S11)、現在のパルス間隔Dic及び前回のパルス間隔DipがROM又はRAMに記憶され(S13)、本制御が終了する。
なお、S13にて記憶された現在のパルス間隔Dic及び前回のパルス間隔Dipは、後述する閾値の補正に用いるための値であるので、これらの値は、現在のパルス間隔Dic及び前回のパルス間隔Dipを記憶(代入)するための記憶領域と異なる記憶領域(以下、この情報記憶領域を補正用記憶領域という。)に記憶される。
一方、現在の第1回転フラグFlrの値が1でないと判定された場合には(S9:NO)、現在の第1回転フラグFlrの値は0であるので、これと反対向きにクランクシャフト3が回転していることを示す「1」が第1回転フラグFlrに代入された後(S15)、本制御が終了する。
また、S7にてパルス間隔値差の値が逆転判定用閾値Krd以下であると判定された場合には(S7:NO)、クランクシャフト3がいずれの方向に回転しているか検出不能であると判断され、第1回転フラグFlrの値として「2」が代入された後(S17)、現在のパルス間隔Dic及び前回のパルス間隔Dipが補正用記憶領域に記憶され(S19)、本制御が終了する。
また、S5にてパルス間隔比が逆転判定用閾値Krp以下であると判定された場合には(S5:NO)、パルス間隔比が同方向判定用閾値Kspより小さいか否かが判定され(S21)、パルス間隔比が同方向判定用閾値Kspより小さいと判定された場合には(S21:YES)、パルス間隔差が同方向判定用閾値ksdより小さいか否かが判定される(S23)。
そして、パルス間隔差が同方向判定用閾値ksdより小さいと判定された場合には(S23:YES)、前回の第1回転方向検出制御の起動時に判断された回転方向と同一の向きにクランクシャフト3が回転しているものと判断され、第1回転フラグFlrが変更されることなく、本制御が終了する。
一方、パルス間隔比が同方向判定用閾値Ksp以上であると判定された場合(S21:NO)、又はパルス間隔差が同方向判定用閾値ksd以上であると判定された場合には(S23:NO)、クランクシャフト3がいずれの方向に回転しているか検出不能であると判断され、第1回転フラグFlrの値として「2」が代入された後(S25)、現在のパルス間隔Dic及び前回のパルス間隔Dipが補正用記憶領域に記憶され(S27)、本制御が終了する。
なお、S5〜S27までの説明からも明らかなように、第1回転方向検出制御では、図5に示すように、パルス間隔値(パルス間隔比及びパルス間隔差)と閾値との比較により得られる検出結果は、クランクシャフト3が従前と同一方向に回転しているとする第1検出結果(図5の領域A)、クランクシャフト3が従前と逆向きに回転しているとする第2検出結果(図5の領域B)、及びいずれの方向に回転しているか検出不能とする第3検出結果(図5の領域C)のいずれかの3種類である。
つまり、第1回転方向検出制御では、前回のパルス間隔Dipを横軸の座標値とし、現在のパルス間隔Dicを縦軸の座標値とした場合に、その座標が領域A〜Cのうちいずれの領域に属するかを判断するための制御を示すものである。
3.気筒判別について(図1(b)参照)
ディーゼル式の内燃機関1において、燃料を燃焼室2Aに噴射するタイミングは、圧縮行程時においてピストン2が上死点(燃焼室2Aの体積が最も小さくなるタイミング)を基準に決定されるが、4サイクル方式の内燃機関では、吸気行程→圧縮行程→爆発行程→排気行程の順で各行程がクランク角に換算して180度単位で繰り返されるので、クランク角のみでは、各気筒のピストン2が圧縮行程時であるのか排気行程時であるのかが判別できない。
そこで、本実施形態では、カムシャフト4と同一の角速度でカムシャフト4の回転と同期して回転する歯車状の第2回転体14、及びピックアップ12と同様に第2回転体14の外周部に形成された複数の歯部14Aを検出して矩形波状のパルス信号を出力するピックアップ15等から気筒判別用パルス発生装置(以下、第2パルス発生装置と略す。)16を構成するともに、第2パルス発生装置16から出力されるパルス信号をECU13にて解析することより、いずれの気筒が圧縮行程時であるのか判別している。
すなわち、第2回転体14には、気筒数(ピストン2の個数)と同数の歯部14Aが気筒間の爆発間隔と合致するように設けられているとともに、基準となる気筒(例えば、1番気筒)又は基準となるクランク角に対応する歯部14Aの近傍には、他の歯部14B(以下、この歯部14Bを余分歯14Bという。)が設けられている。
ここで、「気筒間の爆発間隔と合致するように歯部14Aが設けられている」とは、例えば、等間隔爆発の4気筒エンジンの場合には、4つの歯部14Aが等間隔(90度間隔)で設けられていることをいう。
また、余分歯14Bは、歯部14Aにより出力されるON信号と区別可能となるように設定されている。具体的には、本実施形態では、4つの歯部14Aが90度間隔で設けられているので、余分歯14Bは、基準となる歯部14Aに対して45度より小さい角度だけ正転側又は逆転側(本実施形態では、逆転側)にずれて設けられている。このため、ECU13は、比較的に短い間隔でON信号を連続して検出した時に、クランク角が基準となる位置になったものと判断する。
そして、ECU13は、第1パルス発生装置10から出力されるパルス信号(以下、このパルス信号をNEパルスという。)の出力タイミング、及び第2パルス発生装置16から出力されるパルス信号の出力タイミングに基づいてクランクシャフト3の回転方向を検出し、クランクシャフト3の回転方向を示すフラグFgr(以下、このフラグを第2回転フラグFgrと記す。)を設定している。
すなわち、本実施形態に係る内燃機関1の各気筒(ピストン2)は、図6のTDC(上死点)タイミングチャートで示されるように、等間隔(180度間隔)で圧縮行程の上死点となり、NEパルスは、図6のNEパルスタイミングチャートで示されるように、歯部11Aが等間隔で設けられた領域においては、ON信号又はOFF信号が基準ステップ角毎に出力されるのに対して、欠歯部11Bでは、OFF信号が出力される時間(以下、この時間を欠歯部時間という。)が基準ステップ角の4倍分相当の時間となる。
また、本実施形態では、余分歯14Bは、図1(b)に示すように、基準となる歯部14Aに対して逆転側にずれて設けられているので、図6のGパルスタイミングチャートで示されるように、余分歯14Bにより出力されるON信号(以下、このON信号を余分歯パルスという。)の後に、歯部14Aにより出力されるON信号(以下、このON信号をGパルスという。)が検出された場合には、第2回転体14(クランクシャフト3)は正転していることとなる。
このため、クランクシャフト3が正転している場合には、図6に示すように、余分歯パルスg4が検出された後、最初にGパルスg0が検出された時(To)には欠歯時間が検出され、次のGパルスg1が検出された時(T1)には欠歯時間が検出されず通常のNEパルスが検出される。
さらに、次のGパルスg2が検出された時(T2)には欠歯時間が検出され、次のGパルスg3が検出された時(T3)には欠歯時間が検出されず通常のNEパルスが検出され、次の余分歯パルスg4が検出された時(T4)には欠歯時間が検出されず通常のNEパルスが検出される。
このとき、第1回転体11及び第2回転体14は、クランクシャフト3に同期して回転し、かつ、それらの回転タイミングは機械的構造により決定されるので、クランクシャフト3が正転している場合には、Gパルスg3が検出された時から余分歯パルスg4が検出された時までに検出されるNEパルスの個数(以下、この個数をNEFGTGと記す。)は一定(固定値)となる。
因みに、NEFGTGは機械的構造により決定されるので、原則として固定値であるが、現実には、各部品の寸法バラツキや組立寸法バラツキ等により、内燃機関1毎の個体差があるため、現実のNEFGTGは、一定の範囲の個数(本実施形態では、26〜29個)となる。
そこで、本実施形態では、ECU13は、余分歯パルスg4が検出された後、最初に検出されたGパルスg0を基準として、Gパルスが検出されたタイミング及びその順序と、NEパルス(欠歯時間も含む。)及びNEFGTGとの関係が上記した関係(図6に示すタイミング)を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合には、第2回転フラグFgrに、クランクシャフト3が正転していることを示す「1」を代入し、逆に、上記関係を満たさないと判定した場合には、第2回転フラグFgrにクランクシャフト3が逆転していることを示す「0」を代入する。
4.アイドルストップ機構
4.1.アイドルストップ機構の概要
本実施形態に係るアイドルストップ機構は、無駄な燃料の消費を抑制すべく、信号待ち等の車両が短期的に停止しているときに、内燃機関1を自動的に停止させるとともに、走行開始指令がされたとき(例えば、アクセルペダルが踏み込まれた場合やブレーキが解除された場合)に、内燃機関1を自動的に再始動する。
そして、アイドルストップ機構では、燃焼室2Aへの燃料供給を停止した後、現実にクランクシャフト3の回転が停止した時のクランクシャフト3の停止位置を記憶し、再始動時には、その記憶していた停止位置に基づいて燃料を噴射するタイミングを制御することにより、気筒判別を実行することなく、燃料噴射制御を開始する。
このため、アイドルストップ機構の制御として、「燃料供給を停止した後、現実にクランクシャフト3の回転が停止した時のクランクシャフト3の停止位置を検出するための制御(以下、この制御をエンジン停止時制御という。)」、及び「再始動時制御」を必要とする。以下、エンジン停止時制御及び再始動時制御の詳細を説明する。
4.2.エンジン停止時制御
4.2.1.エンジン停止時制御の概要
Gパルスが検出されたタイミング及びその順序とNEパルス(欠歯時間も含む。)及びNEFGTGを用いたクランクシャフト3の回転方向判断(以下、この判断手法を逆転検出手法2という。)は、複数種類のパルス信号の検出タイミング等に基づいてクランクシャフト3の回転方向を判断するので、パルス間隔値と閾値とを比較することによりクランクシャフト3の回転方向を判断する手法(以下、この判断手法を逆転検出手法1という。)に比べて正確に回転方向を判断することができる。
そこで、本実施形態では、逆転検出手法1により検出された回転方向を考慮して基準ステップ角を積算することよってクランク角(クランクシャフト3の位置)を検出するとともに、Gパルスが検出された時に逆転検出手法2を実行することにより、第1回転フラグFlrと第2回転フラグFgrとを比較する。
そして、第1回転フラグFlrと第2回転フラグFgrとが相違している場合には、逆転判定用閾値Krp、同方向判定用閾値Ksp、逆転判定用閾値Krd及び同方向判定用閾値ksdのうち少なくとも1つを補正した後、Gパルスの検出タイミングに基づいてクランク角を補正する。
4.2.2.エンジン停止時制御の詳細
<メイン制御(図7参照)>
図7に示すエンジン停止時制御のメイン制御は、燃焼室2Aへの燃料供給を停止する停止指令がインジェクタ等の燃料噴射装置に発せられた時に起動され、再始動時制御が起動された時に停止する。なお、メイン制御を実施するためのプログラムは、ROM等の不揮発性記憶手段に記憶されており、起動時にROMからRAMに読み込まれてCPU(ECU13)にて実行される。
そして、メイン制御が起動されると、先ず、Gパルスが検出されたか否かが判定され(S31)、Gパルスが検出された判定されたと場合には(S31:YES)、逆転検出手法1(図4に示す制御)が実行された後(S33)、クランク位置(クランク角)を認識するための処理(クランク位置処理制御)が実行される(S35)。なお、この処理の詳細は後述する。
次に、再び、Gパルスが検出されたか否かが判定され(S37)、Gパルスが検出されなかったと判定されたと場合には(S37:NO)、再びS31が実行され、一方、Gパルスが検出された判定されたと場合には(S37:YES)、逆転検出手法2にてクランクシャフト3の回転方向が検出された後(S39)、閾値を補正するための処理(閾値補正制御)及びクランク角を補正するための処理(ECU認識角度補正制御)が実行され(S41、S43)、その後、再びS31が実行される。なお、閾値補正制御及びECU認識角度補正制御の詳細は、後述する。
<クランク位置処理制御(図8参照)>
クランク位置処理制御を実行するためのプログラムは、ROM等の不揮発性記憶手段に記憶されており、起動時にROMからRAMに読み込まれてCPU(ECU13)にて実行される。
そして、クランク位置処理制御が起動されると、図8に示すように、先ず、第1回転フラグFlrの値が0でないか否かが判定され(S51)、第1回転フラグFlrの値が0でない、つまり第1回転フラグFlrの値が1又は2であると判定された場合には(S51:YES)、クランク角を示す指標(CrankPos)を増加させるように積算され(S53)、一方、第1回転フラグFlrの値が0であると判定された場合には(S51:NO)、クランク角を示す指標(CrankPos)を減算するように積算される(S55)。
これにより、「2.1.クランク角の検出の概要」で述べたように、クランクシャフト3が回転し始めた時からクランクシャフト3の総回転角度が検出される(図2の実線で示すグラフ参照)。
なお、クランク角を示す指標(CrankPos)とは、NEパルスの計数値(カウント値)であり、この計数値がn個だけ増加すると、基準ステップ角×nだけクランク角が増大し、計数値がn個だけ減少すると、基準ステップ角×nだけクランク角が減少することを意味するが、積算された計数値は、この計数値を記憶するための記憶領域の制限上、必ずしも現実のクランク角と1対1に対応するものではない。
つまり、クランク角を示す指標(CrankPos)は、NEパルスの計数を開始した時を基準とするクランクシャフト3の総回転角度に比例した計数値であるが、積算された計数値と現実のクランク角と1対1に対応しないので、ECU13は、NEパルスの計数を開始した時又は特定の時(以下、これらの時を総称して基準時という。)における現実のクランク角(ECU認識絶対角)、及び第1回転フラグFlrを考慮して基準時とから積算したNEパルスの計数値に基づいて現実のクランク角を認識する。
<閾値補正制御>
閾値補正制御を実行するためのプログラムは、ROM等の不揮発性記憶手段に記憶されており、起動時にROMからRAMに読み込まれてCPU(ECU13)にて実行される。
そして、閾値補正制御が起動されると、図9に示すように、先ず、第1回転フラグFlrの値が2であるか否かが判定され(S61)、第1回転フラグFlrの値が2でない、つまり第1回転フラグFlrの値が1又は0であると判定された場合には(S61:NO)、第1回転フラグFlrの値と第2回転フラグFgrの値とが相違しているか否かが判定される(S63)。
このとき、第1回転フラグFlrの値と第2回転フラグFgrの値とが相違していない、つまり第1回転フラグFlrの値と第2回転フラグFgrの値とが一致していると判定された場合には(S63:NO)、閾値が補正されることなく、本制御が終了し、一方、第1回転フラグFlrの値と第2回転フラグFgrの値とが相違していると判定された場合には(S63:YES)、第2回転フラグFgrの値が1であるか否かが判定される(S65)。
そして、第2回転フラグFgrの値が1であると判定された場合には(S65:YES)、逆転検出手法1にてクランクシャフト3が逆転していると判断されたが逆転検出手法2では正転していると判断された場合となり、前述したように、逆転検出手法2の判断結果は逆転検出手法1の判断結果より正確であるので、逆転判定用閾値Krp、同方向判定用閾値Ksp、逆転判定用閾値Krd及び同方向判定用閾値ksdの値が大きくなるように、これらの閾値が補正される(S67)。なお、補正方法の詳細は後述する。
また、第2回転フラグFgrの値が1でないと判定された場合には(S65:NO)、逆転検出手法1にてクランクシャフト3が正転していると判断されたが逆転検出手法2では逆転していると判断された場合であり、この場合も逆転検出手法2の判断結果が優先され、逆転判定用閾値Krp、同方向判定用閾値Ksp、逆転判定用閾値Krd及び同方向判定用閾値ksdの値が小さくなるように、これらの閾値が補正される(S69)。なお、補正方法の詳細は後述する。
また、S61にて第1回転フラグFlrの値が2であると判定された場合には(S61:YES)、第2回転フラグFgrの値が0であるか否かが判定され(S71)、第2回転フラグFgrの値が0であると判定された場合には(S71:YES)、逆転判定用閾値Krp、Krdの値が小さくなるように、これらの閾値が補正される(S73)。なお、補正方法の詳細は後述する。
一方、第2回転フラグFgrの値が0でない、つまり第2回転フラグFgrが1であるあると判定された場合には(S71:NO)、同方向判定用閾値Ksp、ksdの値が大きくなるように、これらの閾値が補正される(S75)。なお、補正方法の詳細は後述する。
<S67について>
S67は、逆転検出手法1にてクランクシャフト3が逆転していると判断された場合であって、逆転検出手法2では正転していると判断されたときの閾値の補正であり、具体的には、S13(図4参照)にて記憶した現在のパルス間隔Dic及び前回のパルス間隔Dipを用いて以下の数式に従って各閾値が補正される。
Krp2=Krp1+(Krp1−Dic/Dip)×k1…数式1
但し、Krp2:補正後のKrp
Krp1:現在(補正前)のKrp
k1:補正係数(0<k1≦1 本実施形態では1未満)
Ksp2=Ksp1+(Ksp1−Dic/Dip)×k2…数式2
但し、Ksp2:補正後のKsp
Ksp1:現在(補正前)のKsp
k2:補正係数(0<k2≦1 本実施形態では1未満)
Krd2=Krd1+{Krd1−(Dic−Dip)}×k3…数式3
但し、Krd2:補正後のKrd
Krd1:現在(補正前)のKrd
k3:補正係数(0<k3≦1 本実施形態では1未満)
Ksd2=Ksd1+{Ksd1−(Dic−Dip)}×k4…数式4
但し、Ksd2:補正後のKsd
Ksd1:現在(補正前)のKsd
k4:補正係数(0<k4≦1 本実施形態では1未満)
なお、補正係数k1〜k4は、全て同一の値、又は各々異なる値のいずれでもよく、補正係数k1〜k4の値を小さい値とすると、補正後の各閾値は、除々に特定の値に収束し、逆に、補正係数k1〜k4の値を大きい値とすると、補正後の各閾値は速やかに特定の値に収束する。
そして、各閾値の補正が行われると、第1検出結果(図10(a)の領域A)、第2検出結果(図10(a)の領域B)、及び第3検出結果(図10(a)の領域C)は、図10(a)の破線で仕切られるように変化する。
<S69について>
S69は、逆転検出手法1にてクランクシャフト3が正転していると判断された場合であって、逆転検出手法2では逆転していると判断されたときの閾値の補正であり、具体的には、以下の数式に従って各閾値が補正される。
Krp2=Krp1−k5…数式5
Ksp2=Ksp1−k6…数式6
Krd2=Krd1−k7…数式7
Ksd2=Ksd1−k8…数式8
但し、補正係数k5〜k7は0より大きい定数であり、これらは全て同一の値、又は各々異なる値のいずれでもよい、
なお、上記数式5〜8に代えて、以下の数式を用いて補正してもよい。
Krp2=Krp1×k9…数式9
Ksp2=Ksp1×k10…数式10
Krd2=Krd1×k11…数式11
Ksd2=Ksd1×k12…数式12
但し、補正係数k9〜k12は0より大きく、かつ、1より小さい定数であり、これらは全て同一の値、又は各々異なる値のいずれでもよい。
そして、各閾値の補正が行われると、第1検出結果(図10(b)の領域A)、第2検出結果(図10(b)の領域B)、及び第3検出結果(図10(b)の領域C)は、図10(b)の破線で仕切られるように変化する。
<S73について>
S73は、逆転検出手法1にて検出不能であると判断された場合であって、逆転検出手法2では逆転していると判断されたときの閾値の補正であり、具体的には、以下の数式に従って各閾値が補正される。
Krp2=Krp1−k13…数式13
Krd2=Krd1−k14…数式14
但し、補正係数k13、k14は0より大きい定数であり、これらは全て同一の値、又は各々異なる値のいずれでもよい、
なお、上記数式13、14に代えて、以下の数式を用いて補正してもよい。
Krp2=Krp1×k15…数式15
Krd2=Krd1×k16…数式16
但し、補正係数k15、k16は0より大きく、かつ、1より小さい定数であり、これらは全て同一の値、又は各々異なる値のいずれでもよい。
そして、各閾値の補正が行われると、第2検出結果(図10(c)の領域B)及び第3検出結果(図10(c)の領域C)は、図10(c)の破線で仕切られるように変化する。
<S75について>
S75は、逆転検出手法1にて検出不能であると判断された場合であって、逆転検出手法2では正転していると判断されたときの閾値の補正であり、具体的には、S19(図4参照)又はS27(図4参照)にて記憶した現在のパルス間隔Dic及び前回のパルス間隔Dipを用いて以下の数式に従って各閾値が補正される。
Ksp2=Ksp1+(Ksp1−Dic/Dip)×k17…数式17
但し、k17:補正係数(0<k17≦1 本実施形態では1未満)
Ksd2=Ksd1+{Ksd1−(Dic−Dip)}×k18…数式18
但し、k18:補正係数(0<k18≦1 本実施形態では1未満)
なお、補正係数k17、k18は、全て同一の値、又は各々異なる値のいずれでもよく、補正係数k17、k18の値を小さい値とすると、補正後の各閾値は、除々に特定の値に収束し、逆に、補正係数k17、k18の値を大きい値とすると、補正後の各閾値は速やかに特定の値に収束する。
そして、各閾値の補正が行われると、第1検出結果(図10(d)の領域A)及び第3検出結果(図10(d)の領域C)は、図10(d)の破線で仕切られるように変化する。
なお、本実施形態では、「逆転検出手法1にてクランクシャフト3が正転していると判断された場合であって、逆転検出手法2では逆転していると判断されたとき」及び「逆転検出手法1にて検出不能であると判断された場合であって、逆転検出手法2では逆転していると判断されたとき」、つまり逆転検出手法2により逆転していると判断されたときは、記憶されているパルス間隔Dic及びパルス間隔Dipを用いることなく、現在の閾値に所定の定数分だけ減算する、又は一定の比率で小さくするといった手法で閾値を補正している。
これは、逆転検出手法2による回転方向の判断は、Gパルスが検出されたとき、つまりクランク角換算で180度回転したときであるので、現実に、どのタイミングで逆転したかは不明であり、この不明な状態のパルス間隔Dic及びパルス間隔Dipを用いて閾値を補正しても十分な精度の補正結果を得ることが難しいと考えられるからである。
ところで、上記のように、十分な精度の補正結果を得ることが難しい場合であっても、本実施形態では、以下のECU認識角度補正制御が実行されるため、得られるクランク角は十分に正確な値となる。
<ECU認識角度補正制御>
前述したように、積算された計数値は現実のクランク角と1対1に対応するものではないので、ECU13は、クランク位置処理制御により積算された計数値(図2の実線で示すグラフ)に基づいて現実のクランク角を認識(把握)する必要があり、このECU13が現実のクランク角を認識するための制御をECU認識角度補正制御という。
ところで、Gパルスは、クランクシャフト3と機械的に同期して回転する第2回転体14の回転角に応じて検出されるので、Gパルスを検出した時の各クランク角は、各Gパルスg0〜g3(図6参照)に対して一義的に決定される。
したがって、検出したGパルスが、Gパルスg0〜g3のうちいずれのGパルスであるかが特定されれば、そのGパルスが検出された時の現実のクランク角が特定できるので、この特定されたクランク角(以下、このクランク角をECU認識絶対角という。)を基準時における現実のクランク角として、Gパルスが検出された時以降のクランク角を示す指標(CrankPos)を第2回転フラグFgrの値に従って再度積算すれば、クランク角を(十分に)正確な値に補正することができる。
また、逆転検出手法1の検出結果と逆転検出手法2の検出結果とが相違する場合には、逆転検出手法1の検出結果(第1回転フラグFlrの値)に基づいて積算されたクランク角(クランク角を示す指標)が現実とクランク角と相違しているとみなすことができるので、ECU認識角度補正制御では、逆転検出手法1の検出結果と逆転検出手法2の検出結果とが相違する場合には、ECU認識絶対角に基づいてクランク角が補正される(図11のA部参照)。
ところで、本制御(ECU認識角度補正制御)は、Gパルスが検出されたときに実行されるので(図7のS37〜S43参照)、仮に、本制御の実行時において第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが一致している場合であっても、Gパルスが検出されていないときに、第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが相違している可能性がある(図11のB1部参照)。
そして、このような場合には、本制御の実行時において第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが一致している場合であっても、Gパルスが検出された時における現実のクランク角を正確にECU13が認識できないおそれがある(図11のB2部参照)。
そこで、本実施形態では、第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが一致しているか否かを問わず、Gパルスが検出された時における現実のクランク角をECU認識絶対角とする補正を行うことにより、基準時における現実のクランク角を正確な値としている。
これにより、基準時以前に第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが相違していた場合であっても、基準時以降は、正確なクランク角に対してNEパルスの計数値が積算されていくので、正確なクランク角を認識することが可能となる。
つまり、本実施形態では、Gパルスが検出された場合には、第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが一致しているか否かを問わず、Gパルスが検出された時における現実のクランク角をECU認識絶対角とする補正が実行されるとともに、第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが相違しているときには、ECU認識絶対角に基づいてNEパルスの計数値が再積算されてクランク角が補正される。
因みに、図11のクランク位置カウント値を示す階段状のグラフは、前述したように、第1回転フラグFlrを考慮して基準時とから積算したNEパルスの計数値(基準時からの回転角度)を示しており、現実のクランク角を示すものではない。
このため、図11に示すグラフでは、Gパルスが検出される前に、第1回転フラグFlrと第1回転フラグFlrとが相違している状態(図11のB1部)が発生している場合であっても、Gパルスが検出された時(基準時)以降のみ(図11のA部)が補正されることとなる。
<ECU認識絶対角の決定>
前述したように、検出したGパルスが、Gパルスg0〜g3のうちいずれのGパルスであるかが特定されれば、そのGパルスが検出された時の現実のクランク角が特定できるが、本実施形態では、Gパルスg0〜g3毎に異なるパルス信号ではないので、Gパルスそれ自体からいずれのGパルスであるかを特定することはできない。
そこで、本実施形態では、図12に示す図表に基づいて、Gパルスを特定してECU認識絶対角を決定している。以下、図12に基づいてECU認識絶対角方法について説明する。
なお、図12にて「state」とは、Gパルス及び余分歯パルスの検出タイミングに基づいて決定されるものであり、具体的には、図6に示すように、第2回転フラグFgrの値が「1」の場合におけるstate0〜state4、及び第2回転フラグFgrの値が「0」の場合におけるstate0〜state4である。
因みに、第2回転フラグFgrの値が「1」の場合におけるstate0〜state4と第2回転フラグFgrの値が「0」の場合におけるstate0〜state4とは、各stateの開始タイミングと終了タイミングとが、Gパルス又は欠歯時間だけ正転方向又は逆転方向にずれているのみである。
そして、state0はGパルスg0とGパルスg1との間を示し、state1はGパルスg1とGパルスg2との間を示し、state2はGパルスg2とGパルスg3との間を示し、state3はGパルスg3と余分歯パルスg4との間を示し、state4はGパルスg3とGパルスg0との間を示している。
以上において、例えば現在(更新前)のstateがstate0であって、第2回転フラグFgrの値が1の場合に、Gパルスが検出され、かつ、そのGパルスが検出されるまでに欠歯時間が検出されたかったとき(図12のA)には、図6から明らかなように、その検出されたGパルスは、Gパルスg1となる。
このため、ECU13は、図12のAに示すように、Gパルスが検出された時(基準時)における現実のクランク角を108度として認識するとともに、現在、クランクシャフト3は正転したことによりstateがstate0からstete1に移行したものとして、stateをstate1に更新し、第2回転フラグFgrの値を1に更新する。
また、例えば現在(更新前)のstateがstate0であって、第2回転フラグFgrの値が1の場合に、Gパルスが検出され、かつ、そのGパルスが検出されるまでに欠歯時間が検出されたとき(図12のB)には、図6から明らかなように、その検出されたGパルスは、Gパルスg0となる。
このため、ECU13は、図12のBに示すように、Gパルスが検出された時(基準時)における現実のクランク角を630度として認識するとともに、現在、クランクシャフト3は逆転し、かつ、stateがstate0から第2回転フラグFgrの値が「0」のときのstete1に移行したものとして、stateをstate0に更新し、第2回転フラグFgrの値を0に更新する。
なお、state0とstate4との間でのstateの移行時、及びstate3とstate4との間でのstateの移行時には、余分歯パルスg4が検出されるので(図6参照)、これらの移行時では、図12に示すように、上記した2例とは異なる判断基準にてECU認識絶対角を決定している。
すなわち、例えば例えば現在(更新前)のstateがstate3であって、第2回転フラグFgrの値が1の場合に、Gパルスが検出され、かつ、そのGパルスが検出されるまでに欠歯時間が検出されたとき(図12のC)には、state及びECU認識絶対角は更新されず、現在のstate及びECU認識絶対角が維持される。
また、例えば現在(更新前)のstateがstate3であり、第2回転フラグFgrの値が1の場合に、Gパルスが検出され、かつ、そのGパルスが検出されるまでに欠歯時間が検出されなかったときであって(図12のD)、NEFGTGの値が21以下のときには、ECU13は、stateをstate3に保持し、第2回転フラグFgrの値を0に更新し、ECU認識絶対角を462度として認識する。
一方、例えば現在(更新前)のstateがstate3であり、第2回転フラグFgrの値が1の場合に、Gパルスが検出され、かつ、そのGパルスが検出されるまでに欠歯時間が検出されなかったときであって(図12のD)、NEFGTGの値が21より大きいときは、ECU13は、stateをstate4に更新し、第2回転フラグFgr及びECU認識絶対角は更新せず、現状の値を保持する。
4.3.再始動時制御
「アイドルストップ機構の概要」で説明したように、本実施形態に係るアイドルストップ機構では、再始動時には、その記憶していた停止位置に基づいて燃料を噴射するタイミングを制御することにより、気筒判別を実行することなく、燃料噴射制御を開始することを特徴としている。そこで、再始動時制御は、図13に示すフローチャートに従って実行される。
なお、再始動時制御を実施するためのプログラムは、ROM等の不揮発性記憶手段に記憶されており、再始動指令がECU13よりされた時にROMからRAMに読み込まれてCPU(ECU13)にて実行される。
すなわち、再始動時制御が起動されると、図13に示すように、先ず、第1回転フラグFlrの値が「2」ではないか否かが判定され(S81)、第1回転フラグFlrの値が「2」ではない、つまり第1回転フラグFlrの値が「1」又は「0」であると判定された場合には(S81:YES)、記憶されているピストン2の停止位置(クランク角)に基づいて燃料噴射制御が開始される(S83)。
一方、第1回転フラグFlrの値が「2」であると判定された場合には(S81:NO)、記憶されているクランク角は不正確であると考えられるので、気筒判別が実行された後、燃料噴射制御が開始される(S85)。
5.本実施形態に係るアイドルストップ機構(クランク角検出装置)の特徴
本実施形態では、逆転検出手法2は、第1パルス発生装置10から出力されるパルス信号の出力タイミング、及び第2パルス発生装置16から出力されるパルス信号の出力タイミングに基づいてクランクシャフト3の回転方向を検出するので、パルス間隔値と閾値とを比較することによりクランクシャフト3の回転方向を検出する逆転検出手法1に比べて、正確に逆転現象を検出することができる。
このとき、第1回転フラグFlrと第2回転フラグFgrとが相違していると判定された場合には、逆転検出手法2により検出された回転方向を正しい回転方向として閾値を補正するので、内燃機関毎の個体差や経年変化(摩耗や変形等)により閾値が不適切な値となった場合であっても、閾値が適切な値に補正(修正)されることとなる。
そして、クランク位置処理制御(S35)では、逆転検出手法1により検出された回転方向(第1回転フラグFlr)を考慮してクランクシャフト3の位置を算出するので、本実施形態では、逆転現象も含めて正確にクランクシャフト3の位置を把握することができる。
また、本実施形態では、第1回転フラグFlrと第2回転フラグFgrとが相違していると判定された場合に、逆転検出手法2により検出された回転方向を正しい回転方向として、クランク位置処理制御(S35)が算出したクランクシャフト3の位置を補正するので(S43)、本実施形態では、閾値が補正されると同時に補正後の内容が反映されることとなり、より正確にクランクシャフト3の位置を把握することができる。
また、本実施形態では、クランクシャフト3の基準位置が検出されるタイミング、つまりGパルスが検出されたタイミングで第1回転フラグFlrと第2回転フラグFgrとが相違しているか否かが判定されるので、閾値の補正及びECU認識絶対角の補正が周期的に実行されることとなる。したがって、経年変化により閾値が不適切な値となるような場合であっても、長期間に亘って安定的に閾値を適切な値に維持(保持)することができる。
また、本実施形態では、いずれの方向に回転しているか検出不能とする第3検出結果が検出された場合も閾値の補正が実行されるので、経年変化により閾値が不適切な値となり、いずれの方向に回転しているか検出不能となった場合であっても、長期間に亘って安定的に閾値を適切な値に維持することができる。
また、本実施形態では、逆転検出手法1により検出不能と判断されたときであって逆転検出手法2によりクランクシャフト3が従前と同一方向に回転していると検出された場合には、その逆転検出手法1の判断に用いられたパルス間隔値を用いて閾値を補正するので、閾値を確実に適正な値に修正することができる。
同様に、本実施形態では、逆転検出手法1によりクランクシャフト3が従前と逆向きに回転していると判断されたときであって、逆転検出手法2によりクランクシャフト3が従前と同一方向に回転していると判断された場合には、逆転検出手法1の判断に用いられたパルス間隔値を用いて閾値を補正するので、閾値を確実に適正な値に修正することができる。
(その他の実施形態)
第1パルス発生装置10や第2パルス発生装置16、第1パルス発生装置10を用いたクランクシャフト3の回転方向の検出方法(逆転検出手法1)、並びに第1パルス発生装置10及び第2パルス発生装置16を用いたクランクシャフト3の回転方向の検出方法(逆転検出手法2)は、上述の実施形態に示された手法に限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、ディーゼル式内燃機関に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、ガソリンエンジン(オットーサイクルを用いた内燃機関)等にも適用できる。
また、上述の実施形態では、閾値が補正されると同時にクランク角(ECU認識絶対角)も補正されたが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、パルス間隔値として、(パルス間隔Dic/パルス間隔Dip)、及び(パルス間隔Dic−パルス間隔Dip)の2種類を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方の値又はこれらと異なる定義によるパルス間隔値を用いてもよい。なお、1種類のパルス間隔値を用いた場合には、閾値は2種類以下となる。
また、上述の実施形態では、逆転検出手法1の検出結果として、検出不能とする第3検出結果が設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3検出結果を廃止し、第1検出結果又は第2検出結果のいずれかの判断をするように構成してもよい。
また、上述の実施形態では、逆転検出手法2により逆転が判断されたときには、従前の閾値に対して固定値を加減乗除する方法にて補正したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態に係るクランク位置処理制御では、第1回転フラグFlrの値が2であると判定された場合であってもクランク角を示す指標(CrankPos)を増加させるように積算したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
1…内燃機関、2…ピストン、3…クランクシャフト、4…カムシャフト、
5…タイミングベルト、10…第1パルス発生装置、11…第1回転体、
11A…歯部、11B…欠歯部、12…ピックアップ、13…ECU、
14…第2回転体、14A…歯部、14B…余分歯、
15…ピックアップ、16…第2パルス発生装置。

Claims (6)

  1. 内燃機関のクランク軸の回転と同期してパルス信号を出力する第1パルス発生手段と、
    前記第1パルス発生手段から出力されたパルス信号の計数値に基づいて、前記クランク軸の位置を算出するクランク角算出手段と、
    前記第1パルス発生手段から出力されたパルス信号のパルス間隔に基づく値(以下、この値をパルス間隔値という。)と閾値とを比較することにより、前記クランク軸の回転方向を検出する第1回転方向検出手段と、
    前記クランク軸の基準位置を検出するためのパルス信号を前記クランク軸と同期して回転するカムシャフトと同期して出力する第2パルス発生手段と、
    前記第1パルス発生手段から出力されるパルス信号の出力タイミング、及び前記第2パルス発生手段から出力されるパルス信号の出力タイミングに基づいて、前記クランク軸の回転方向を検出する第2回転方向検出手段と、
    前記第1回転方向検出手段により検出された回転方向(以下、第1検出回転方向という。)と前記第2回転方向検出手段により検出された回転方向(以下、第2検出回転方向という。)とが相違しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記第1検出回転方向と前記第2検出回転方向とが相違していると判定された場合に、前記第2検出回転方向を正しい回転方向として、前記閾値を補正する第1補正手段と
    を備えることを特徴とするクランク角検出装置。
  2. 前記判定手段により前記第1検出回転方向と前記第2検出回転方向とが相違していると判定された場合に、前記第2検出回転方向を正しい回転方向として、前記クランク角算出手段が算出した前記クランク軸の位置を補正する第2補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のクランク角検出装置。
  3. 前記判定手段は、前記クランク軸の基準位置が検出されるタイミングで前記第1検出回転方向と前記第2検出回転方向とが相違しているか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のクランク角検出装置。
  4. 前記第1回転方向検出手段は、その検出結果として、前記クランク軸が従前と同一方向に回転しているとする第1検出結果、前記クランク軸が従前と逆向きに回転しているとする第2検出結果、及びいずれの方向に回転しているか検出不能とする第3検出結果のいずれかを検出し、
    さらに、前記判定手段は、前記第3検出結果が検出された場合も判定を実行することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のクランク角検出装置。
  5. 前記第3検出結果が検出されたときであって前記第2回転方向検出手段により前記クランク軸が従前と同一方向に回転していると検出された場合には、前記第1補正手段は、その第3検出結果の検出に用いられた前記パルス間隔値を用いて前記閾値を補正することを特徴とする請求項4に記載のクランク角検出装置。
  6. 前記第1回転方向検出手段により前記クランク軸が従前と逆向きに回転しているとする第1検出結果が検出されたときであって、前記第2回転方向検出手段により前記クランク軸が従前と同一方向に回転していると検出された場合には、前記第1補正手段は、その第1検出結果の検出に用いられた前記パルス間隔値を用いて前記閾値を補正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のクランク角検出装置。
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