JP5404946B1 - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気圧を検出するセンサが装着されていないシステムにおいても、スロットル開度学習のロングタイム学習記憶の誤学習を抑制する。
【解決手段】目標吸気量と実吸気量を一致させるためのスロットル開度学習演算において、有効開口面積演算に推定大気圧を用いる場合は、推定大気圧と、大気圧推定後の経過期間とに応じて、スロットル開度学習を記憶するロングタイム学習への分配係数を算出して、ロングタイム学習記憶の誤学習を抑制する。
【選択図】図6

Description

本発明は内燃機関の制御装置および制御方法に関し、特に、目標吸気量が得られるようにスロットル開度を制御可能とした内燃機関の制御装置および制御方法に関する。
近年、運転者や車輌側からの駆動力を要求値として、車輌の制御に直接作用する物理量である内燃機関(エンジン)の出力軸トルクを用いる内燃機関の制御装置が提案されている。このような内燃機関の制御装置では、出力軸トルクをエンジン出力目標値として、エンジン制御量である空気量、燃料量および点火時期を決定することにより良好な走行性能を得ている。
また、エンジン制御量のうち、エンジン出力軸トルクに最も影響の大きい制御量が空気量であることは一般に知られている。
特許文献1では、空気量を高精度に制御するために、目標吸気量と大気圧とインマニ圧と吸気温度とに基づいて、吸気系の目標有効開口面積を算出し、有効開口面積とスロットル開度との対応を予め記憶した対応マップを用いて、目標スロットル開度を求め、スロットル開度を制御する。
それにより得られる実空気流量と大気圧とインマニ圧と吸気温度とに基づいて、吸気系の実有効開口面積を算出し、実有効開口面積とスロットル開度との対応を予め記憶した対応マップを用いて、学習用スロットル開度を求め、スロットル開度との偏差を学習している。
また、特許文献1では、これらの学習値を、リアルタイム更新させるリアルタイム学習値と学習記憶するロングタイム学習値とに分配する方法が提案されている。
特許文献1においては、良好に目標吸気量を得るために、スロットルボディおよび各種センサのばらつきを学習値に反映して実現している。
しかしながら、大気圧検出において大気圧検出センサが装着されていないシステムにおいては、制限された運転状態の場合のみ大気圧が推定できることが一般である。
大気圧推定が更新されない状況で登降坂路を走行すると推定大気圧と大気圧に誤差が生じる。
特許文献1においては、このようなばらつきも含め全て学習にて補うことから、推定大気圧に誤差が生じた場合にはスロットル開度学習が誤学習し、その誤学習値をロングタイム学習値にも記憶することになる。
ロングタイム学習値を多点学習して記憶した場合、誤学習有無のポイントが混在し、誤学習有無の状態でリアルタイム学習値が補正されることで、補正がハンチングし、良好に目標吸気量が得られないという問題点があった。
この問題点に対しては、大気圧推定手段による大気圧の推定が実施されない期間が所定期間以上となると学習値の更新を禁止する方法が、例えば特許文献2に提案されている。
特許第4237214号公報 特開2011−80480号公報
特許文献2においては、大気圧推定手段による大気圧の推定が実施されない期間が所定期間以上となると学習値の更新を禁止することからスロットル開度学習の誤学習は抑制できる。しかしながら、当該所定期間としては、スロットル開度学習が誤学習しない範囲で、出来るだけ長期間に設定する事が望ましいが、その所定期間は運転状況や走行している大気状態で変わるために一意に決まらない。ところが、特許文献2では、一定の所定期間を用いているため、所定期間中に推定大気圧と実大気圧に誤差が生じると、その誤差も含めてロングタイム学習記憶を更新してしまうことから、誤学習が発生し、ロングタイム学習値を多点学習して記憶した場合、誤学習有無のポイントが混在し、誤学習有無の状態でリアルタイム学習値が補正することで、補正がハンチングし、良好に目標吸気量が得られないという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、大気圧を検出するセンサが装着されていないシステムにおいても、スロットル開度学習のロングタイム学習記憶の誤学習を抑制できる内燃機関の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出部と、前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルの前記内燃機関側の圧力を吸気管内圧として検出する吸気管内圧検出部と、前記スロットルの大気側の吸気温を検出する吸気温検出部と、前記スロットルの実スロットル開度を検出する実開度検出部とを含み、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記吸気管内圧に基づいて、前記スロットルの大気側の圧力を推定し、推定大気圧として出力する大気圧推定手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態に基づいて、目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、前記目標吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、予め記憶された有効開口面積とスロットル開度の対応マップを用いて、前記目標有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、目標スロットル開度として出力する目標スロットル開度算出手段と、前記目標スロットル開度に基づいて前記スロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸気量を制御するスロットル開度制御手段とを備え、前記スロットル開度制御手段は、前記吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの実有効開口面積を算出する実有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて、前記実有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、学習用スロットル開度として出力する学習用スロットル開度算出手段と、前記学習用スロットル開度と前記実スロットル開度との偏差を求め、当該偏差を学習基本値として出力する学習基本値算出手段と、前記学習基本値を積分処理する補正後積分処理手段と、前記補正後積分処理手段の演算値に基づいて、スロットル開度学習値を算出するスロットル開度学習値算出手段とを有し、前記スロットル開度学習値算出手段は、前記推定大気圧に応じて前記スロットル開度学習値を分配するための分配係数を算出する分配係数算出手段と、前記分配係数と前記補正後積分処理手段の演算値とに基づいて、前記スロットル開度学習値を分配するスロットル開度学習値分配手段と、前記スロットル開度学習値分配手段で分配された前記スロットル開度学習値をリアルタイムに補正するリアルタイム学習値算出手段と、前記スロットル開度学習値分配手段で分配された前記スロットル開度学習値からロングタイム学習値を算出するロングタイム学習値算出手段と、前記ロングタイム学習値を記憶するロングタイム学習値記憶手段と、前記ロングタイム学習値記憶手段に記憶された前記ロングタイム学習値から前記スロットル開度学習値を算出する補正用開度学習値算出手段とを有し、前記分配係数算出手段は、前記推定大気圧と大気圧推定後の経過時間とに応じてスロットル開度学習値の前記分配係数を変更し、前記分配係数に従って前記リアルタイム学習値算出手段と前記ロングタイム学習値算出手段に前記スロットル開度学習値を分配する、内燃機関の制御装置である。
本発明は、内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出部と、前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルの前記内燃機関側の圧力を吸気管内圧として検出する吸気管内圧検出部と、前記スロットルの大気側の吸気温を検出する吸気温検出部と、前記スロットルの実スロットル開度を検出する実開度検出部とを含み、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記吸気管内圧に基づいて、前記スロットルの大気側の圧力を推定し、推定大気圧として出力する大気圧推定手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態に基づいて、目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、前記目標吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、予め記憶された有効開口面積とスロットル開度の対応マップを用いて、前記目標有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、目標スロットル開度として出力する目標スロットル開度算出手段と、前記目標スロットル開度に基づいて前記スロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸気量を制御するスロットル開度制御手段とを備え、前記スロットル開度制御手段は、前記吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの実有効開口面積を算出する実有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて、前記実有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、学習用スロットル開度として出力する学習用スロットル開度算出手段と、前記学習用スロットル開度と前記実スロットル開度との偏差を求め、当該偏差を学習基本値として出力する学習基本値算出手段と、前記学習基本値を積分処理する補正後積分処理手段と、前記補正後積分処理手段の演算値に基づいて、スロットル開度学習値を算出するスロットル開度学習値算出手段とを有し、前記スロットル開度学習値算出手段は、前記推定大気圧に応じて前記スロットル開度学習値を分配するための分配係数を算出する分配係数算出手段と、前記分配係数と前記補正後積分処理手段の演算値とに基づいて、前記スロットル開度学習値を分配するスロットル開度学習値分配手段と、前記スロットル開度学習値分配手段で分配された前記スロットル開度学習値をリアルタイムに補正するリアルタイム学習値算出手段と、前記スロットル開度学習値分配手段で分配された前記スロットル開度学習値からロングタイム学習値を算出するロングタイム学習値算出手段と、前記ロングタイム学習値を記憶するロングタイム学習値記憶手段と、前記ロングタイム学習値記憶手段に記憶された前記ロングタイム学習値から前記スロットル開度学習値を算出する補正用開度学習値算出手段とを有し、前記分配係数算出手段は、前記推定大気圧と大気圧推定後の経過時間とに応じてスロットル開度学習値の前記分配係数を算出し、前記分配係数に従って前記リアルタイム学習値算出手段と前記ロングタイム学習値算出手段に前記スロットル開度学習値を分配するようにしたので、大気圧を検出するセンサが装着されていないシステムにおいても、スロットル開度学習のロングタイム学習記憶の誤学習を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係るエンジン制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る目標スロットル開度を算出する構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るスロットル開度制御手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るスロットル開度学習値算出手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るスロットル開度学習値算出手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係るスロットル開度学習値算出手段の動作を示すタイムチャートである。 特許文献2の車両用エンジンの制御装置の動作を示すタイムチャートである。
実施の形態1.
以下、本発明の内燃機関の制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関の制御装置を概略的に示す構成図である。本実施の形態における内燃機関の制御装置は、エンジン1、エアフロセンサ2、吸気温センサ3、スロットル4、スロットルポジションセンサ5、サージタンク6、インマニ圧センサ7、EGRバルブ8、電子制御ユニット9(以下「ECU9」という)を備えている。
図1において、エンジン1の吸気系を構成する吸気通路の上流側には、エンジン1への吸気量Qaを測定するエアフロセンサ2(吸気量検出部)と、スロットル4の大気側の吸気温Toを測定する吸気温センサ3(吸気温検出部)とが設けられている。
エンジン1の吸気系において、エアフロセンサ2の下流のエンジン1側には、電気的に吸気通路を開閉制御して、吸気量Qaを調整するためのスロットル4が設けられている。スロットル4には、実スロットル開度TP(以下、「実開度TP」という)を測定するための、スロットルポジションセンサ5(実開度検出部)が設けられている。
また、スロットル4の下流のエンジン1側には、吸気管内の圧力を均一化するサージタンク6と、サージタンク6内の圧力を吸気管内圧(インマニ圧)Peとして測定するインマニ圧センサ7(吸気管内圧検出部)とが設けられている。さらに、サージタンク6には、エンジン1の排気管と連通したEGR管を開閉するためのEGRバルブ8が接続されている。
これらのセンサからの検出信号、および、図示しない他のセンサからの検出信号も含め、各種センサからの検出信号が、エンジン1の運転状態を示す情報として、図1のECU9に入力される。
図2は、本発明の実施の形態1におけるエンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。
ECU9は、各種センサからの検出信号がエンジン1の運転状態を示す情報として入力され、当該運転状態に基づく演算結果に応じて、スロットル4の実開度TPを制御して吸気量Qaを調整する。それとともに、ECU9は、エンジン1の燃料噴射装置(図示省略)および点火装置(図示省略)を所要タイミングで駆動制御し、EGRバルブ8を開閉制御してエンジン1の燃焼状態を改善する。
図2に示すように、ECU9は、入力インターフェース9a(以下、「入力I/F9a」という)と、演算処理部9bと、出力インターフェース9c(以下、「出力I/F9c」という)とを備えている。
入力I/F9aは、上述したセンサ群2,3,5,7と図示しない他のセンサとを含む各種センサ70からの検出信号を取り込む。そして、取り込まれたこれらの信号は、演算処理部9bに入力される。各種センサ70は、エンジン1(内燃機関)の運転状態を検出する運転状態検出手段を構成している。
ECU9内の演算処理部9bは、図4に示すスロットル開度制御手段16を含み、スロットル4の実開度TPを制御することにより、吸気通路の有効開口面積を変化させて、エンジン1への吸気量Qaを可変制御する。
このため、まず、演算処理部9bは、入力された各種センサ70からの検出信号に基づいて、エンジン1の目標トルクを算出し、目標トルクを達成するための目標吸気量Qaを算出する。
続いて、演算処理部9bは、目標吸気量Qaを達成するための目標有効開口面積CAtを算出するとともに、目標有効開口面積CAtを達成するための目標スロットル開度TP(以下、「目標開度TP」という)を算出する。
さらに、演算処理部9bは、EGRバルブ8に対する制御指令値を算出するとともに、各種アクチュエータ80に含まれる他のアクチュエータ(例えば、エンジン1の燃焼室に設けられた燃料噴射装置のインジェクタ、および点火装置の点火コイルなど)に対する制御指令値を算出する。
最後に、ECU9内の出力I/F9cは、ECU9の演算結果に基づく駆動制御信号を、スロットル4およびEGRバルブ8を含む各種アクチュエータ80に出力する。これにより、スロットル4は、実開度TPが目標開度TPと一致するように制御される。
次に、ECU9内の演算処理部9bにより実行される演算処理のうち、目標吸気量Qaを達成するための目標開度TPの算出処理について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における目標スロットル開度を算出する構成を示したブロック図である。図3に示すように、ECU9内の演算処理部9bは、図4に示すスロットル開度制御手段16の前段に、目標吸気量算出手段90、目標有効開口面積算出手段11、音速算出手段12、大気圧推定手段10、圧力比算出手段13、無次元流量算出手段14、および、目標開度算出手段15を備えている。これらの手段90および10〜15は、目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段を構成している。
目標吸気量算出手段90は、入力I/F9aから、各種センサ70からの検出信号が入力され、それらに基づき、エンジン1の運転状態に応じた目標トルクを達成するための目標吸気量Qaを算出し、目標吸気量Qaの算出値を目標有効開口面積算出手段11に入力する。
音速算出手段12は、吸気温センサ3から吸気温Toが入力され、吸気温Toに基づき、吸気温と音速との対応を予め記憶した対応マップを用いて、大気中の音速aを算出し、音速aの算出値を目標有効開口面積算出手段11に入力する。また、それと同時に、音速算出手段12は、後述するスロットル開度制御手段16の実有効開口面積算出手段17に、算出した音速aを入力する。
大気圧推定手段10は、インマニ圧センサ7から、エンジン1の制限された運転状態(例えばエンジン1の始動時や始動以外で吸気量Qaが飽和してシリンダ内に充填された時など)のインマニ圧Peが入力され、インマニ圧Peに基づき、スロットル4の大気側の圧力を推定し、推定大気圧Poとして算出する。また、それと同時に、大気圧推定手段10は、推定大気圧Poを、後述するスロットル開度制御手段16のスロットル開度学習値算出手段21に入力する。なお、大気圧推定手段10は、これに限定するものではない。
圧力比算出手段13は、インマニ圧Peと推定大気圧Poとの圧力比Pe/Poを算出するための除算器からなり、圧力比Pe/Poの算出値を無次元流量算出手段14に入力する。
無次元流量算出手段14は、圧力比Pe/Poに基づき、圧力比と無次元流量との対応を予め記憶した対応マップを用いて、無次元流量σを算出し、無次元流量σの算出値を目標有効開口面積算出手段11に入力する。また、それと同時に、無次元流量算出手段14は、後述するスロットル開度制御手段16の実有効開口面積算出手段17に、算出する無次元流量σを入力する。
目標有効開口面積算出手段11は、目標吸気量算出手段90からの目標吸気量Qa、音速算出手段12からの音速a、および、無次元流量算出手段14からの無次元流量σを入力情報として、スロットル4の目標有効開口面積CAtを算出し、目標有効開口面積CAtの算出値を目標開度算出手段15に入力する。
目標開度算出手段15は、あらかじめ記憶された有効開口面積CAtと実開度TPとの対応マップ(以下、「CAt−TPマップ」という)を用いて、目標有効開口面積CAtに対応した目標開度TPを算出する。目標開度TPの算出値は、後述するスロットル開度制御手段16の学習補正後目標スロットル開度算出手段22(以下、「学習補正後目標開度算出手段22」という)に入力する。
次に、図3の各算出手段11〜15の具体的な算出処理機能について説明する。一般に、絞り式流量計の体積流量算出式は、吸気量Qa(体積流量)、大気中の音速a、流量係数C、スロットル4の開口面積At、インマニ圧Pe、大気圧Po、比熱比κを用いて、下式(1)のように表すことができる。
Figure 0005404946
ここで、無次元流量算出手段14により算出される無次元流量σを、下式(2)のように定義する。
Figure 0005404946
上式(2)を上式(1)に代入すると、吸気量Qaは、下式(3)のように表すことができる。
Figure 0005404946
なお、大気の音速aは、Rをガス定数、Toを吸気温とすると、下式(4)のように表すことができる。
Figure 0005404946
また、上式(3)を変形すると、流量係数Cとスロットル4の開口面積Aとの積で表せる有効開口面積CAは、目標トルク達成するために必要な目標吸気量Qaと、大気の音速aと、無次元流量σとが与えられた場合に、下式(5)のように表すことができる。
Figure 0005404946
よって、ECU9内の目標有効開口面積算出手段11は、目標吸気量Qaと、大気の音速aと、無次元流量σに基づき、上式(5)を用いて、目標吸気量Qaを達成するための目標有効開口面積CAを算出する。
このように、上式(1)で表せる絞り式流量計の体積流量算出式に基づいて、目標有効開口面積CAtを算出することができる。これにより、環境条件やEGR導入(EGRバルブ8開放)などが起因して、エンジン1の運転状態が変化した場合においても、良好に目標吸気量Qaを達成するための目標有効開口面積CAを算出することができる。
なお、目標開度算出手段15は、吸気量Qaの測定値から上式(5)により算出した有効開口面積CAと、実開度TPとの対応関係を、CA−TPマップとして予め記憶している。目標開度算出手段15は、目標有効開口面積算出手段11から目標有効開口面積CAが入力されたときに、CA−TPマップを用いて、目標開度TPを算出する。
音速算出手段12は、上式(4)により、大気中の音速aの理論値を算出して、音速aと、吸気温Toとの対応関係を、To−aマップとして予め記憶する。音速算出手段12は、吸気温センサ3から吸気温Toが入力されたときに、To−aマップを用いて、音速aを算出する。
無次元流量算出手段14は、上式(2)により、無次元流量σの理論値を算出して、無次元流量σと、圧力比Pe/Poとの対応関係を、Pe/Po−σマップとして予め記憶する。ただし、空気の場合、圧力比Pe/Poが約0.528以下では、スロットル4に流れる空気流量が飽和することから、無次元流量σの理論値は、一定値に設定される。無次元流量算出手段14は、圧力比算出手段13から圧力比Pe/Poが入力されたときに、Pe/Po−σマップを用いて、無次元流量σを算出する。
次に、ECU9内の演算処理部9bにより実行される演算処理のうち、スロットル開度制御手段16により目標吸気量Qaを達成するためのスロットル開度学習TPLRNと実開度TPの算出処理について説明する。
図4は、本発明の実施の形態におけるスロットル開度学習値を算出するスロットル開度制御手段16の構成を示すブロック図である。図4に示すように、ECU9内の演算処理部9bのスロットル開度制御手段16は、実有効開口面積算出手段17、学習用開度算出手段18、学習基本値算出手段19、補正後積分処理手段20、スロットル開度学習値算出手段21、および、学習補正後目標開度算出手段22を備えている。
実有効開口面積算出手段17は、目標開度TPに制御した時の吸気量Qaをエアフロセンサ2より取り込み、吸気量Qaに基づいて、スロットル開度制御手段16によるスロットル4の実有効開口面積CAtrを算出する。このとき、実有効開口面積算出手段17は、吸気量Qaと、大気の音速aと、無次元流量σに基づき、上式(5)を用いて、スロットル開度制御手段16の実有効開口面積CAtrを算出して、学習用開度算出手段18に入力する。
学習用開度算出手段18は、あらかじめ記憶された有効開口面積CAと実開度TPとの対応関係を示すCA−TPマップを用いて、実有効開口面積CAtrに対応する実開度TPを求め、それを、学習用スロットル開度(以下、「学習用開度」という)TPiとして、学習基本値算出手段19に入力する。
学習基本値算出手段19は、スロットルポジションセンサ5からの実開度TPと、学習用開度TPiとが入力されて、それらの偏差△TP(=TP−TPi)を学習基本値として求め、補正後積分処理手段20に入力する。
補正後積分処理手段20は、学習基本値ΔTPに補正係数Kc(0<Kc<1)を乗算した値を順次積分することにより、学習基本値△TPから瞬時的なばらつきを除去した値△TPiを求め、スロットル開度学習値算出手段21に入力する。
スロットル開度学習値算出手段21は、大気圧推定手段10で推定した大気圧Poと、補正後積分処理手段20からの△TPiに基づき、スロットル開度学習値TPLRNを算出して学習補正後目標開度算出手段22に入力する。スロットル開度学習値算出手段21の内部構成および算出処理方法については後述する。
学習補正後目標開度算出手段22は、スロットル開度学習値TPLRNと、目標開度算出手段15で算出された目標開度TPとを加算して、学習補正後目標スロットル開度を算出する。
このようにして、スロットル開度制御手段16は、学習基本値に基づいてスロットル開度学習値TPLRNを算出し、それに目標開度TPを加算して、学習補正後目標スロットル開度を求め、それに基づき、スロットル4の実開度TPを制御して、吸気通路の有効開口面積を変化させて、エンジン1への吸気量を調整する。
すなわち、目標吸気量Qaと吸気量Qaが一致するようにスロットル開度学習値TPLRNを算出し、実開度TPを制御するようになっている。
次に、ECU9内の演算処理部9bにより実行される演算処理のうち、スロットル開度学習値算出手段21により、スロットル開度学習TPLRNをリアルタイム学習値とロングタイム学習値に分配する算出処理について説明する。
図5は、本発明の実施の形態におけるスロットル開度学習値算出手段21のブロック図である。
図5に示すように、ECU9内の演算処理部9bのスロットル開度学習値算出手段21は、分配係数算出手段30、スロットル開度学習値分配手段31、ロングタイム学習値算出手段32、ロングタイム学習値記憶手段33、リアルタイム学習値算出手段34、および、補正用開度学習値算出手段35を備えている。
分配係数算出手段30は、大気圧推定手段10から推定大気圧Poが入力され、それに基づき、推定大気圧Poが更新された時点からの、分配係数の初期値を保持するための初期値経過期間(以下、「経過期間」という)を算出する。経過期間の算出方法としては、推定大気圧Poと経過期間との対応関係を示したマップデータを予め記憶しておき、それを用いて、推定大気圧Poに応じた経過期間を索引する。また、当該経過時間が経過した後は、分配係数算出手段30は、スロットル開度学習値分配手段31に入力するための当該経過期間後の分配係数を算出する。分配係数の算出方法としては、前回((n−1)回目)の分配係数から、予め設定した所定の値を順次減算して、漸減する分配係数を求める。漸減は、分配係数が0になるまで行う。
なお、大気圧推定手段10により推定大気圧が更新されると、そのタイミングで、分配係数算出手段30は、分配係数に初期値を設定して初期化するとともに、分配係数の初期値を保持する経過期間を推定大気圧Poに基づいて再度算出して求め初期化する。
また一方で、スロットル開度学習値分配手段31には、補正後積分処理手段20で算出された△TPiが併せて入力される。
スロットル開度学習値分配手段31は、分配係数算出手段30から入力された分配係数と補正後積分処理手段20から入力された△TPiとを乗じてロングタイム学習値算出手段32への入力値を算出する。
ロングタイム学習値算出手段32は、スロットル開度学習値分配手段31からの入力値と前回((n−1)回目)のロングタイム学習値とを加算してロングタイム学習値の更新を行い、ロングタイム学習値記憶手段33に入力する。
ロングタイム学習値記憶手段33は、ロングタイム学習値算出手段32から入力したロングタイム学習値を記憶して、補正用開度学習値算出手段35に入力する。
なお、ロングタイム学習値記憶手段33で記憶したロングタイム学習値はECU9のバックアップメモリに記憶され、特殊な状況とならない限り不揮発のものである(なお、特殊な状況とはECU9を診断する外部診断装置からのバックアップメモリ削除指令などを意味する。)。
一方、スロットル開度学習値分配手段31は、補正後積分処理手段20から入力された△TPiからロングタイム学習値記憶手段33で記憶したロングタイム学習記憶値を減算して、リアルタイム学習値算出手段34に入力する。
リアルタイム学習値算出手段34は、ロングタイム学習値記憶手段33で補正されなかった△TPiをリアルタイム学習値として補正し、補正用開度学習値算出手段35に入力する。
補正用開度学習値算出手段35は、ロングタイム学習値記憶手段33からの入力値と、リアルタイム学習値算出手段34からの入力値とを加算して、スロットル開度学習TPLRNを算出して、学習補正後目標スロットル開度算出手段22に入力する。
このようにスロットル開度学習値算出手段21は、推定された大気圧Poに応じてスロットル開度学習値の分配係数を設定し、分配係数を漸減させることから、経過期間終了後の経過時間と共に分配係数が小さくなる。
ゆえに、経過時間と共に大気圧が変わる可能性が高い環境においてもスロットル開度学習値を記憶するロングタイム学習値の誤学習が抑制できる。
図6は、本発明の実施の形態1におけるスロットル開度学習値算出手段21のフローチャートである。
まず、ステップS1で、大気圧推定手段10から推定大気圧Poの読み込みを行い、ステップS2で、前回の推定大気圧と今回読み込んだ推定大気圧Poとを比較し、推定大気圧の更新の有無を判定する。具体的には、両者が一致すれば更新無しと判定され、両者が一致しなければ更新有りと判定する。
ステップS2の判定で、Yesの場合は、すなわち、推定大気圧が更新されたことを意味し(更新値が同じ推定大気圧も含む)、ステップS3に進む。ステップS3では、スロットル開度学習値の分配係数に予め設定された初期値をセットする。次に、ステップS4で、ステップS1にて読み込んだ推定大気圧Poに応じて、分配係数の初期値を保持するための「経過期間」をセットする。具体的には、推定大気圧を軸とした「経過期間」のマップデータから、ステップS1で読み込んだ推定大気圧Poに対応する「経過期間」を索引してセットする。
一方、ステップS2の判定で、Noの場合は、すなわち、推定大気圧が更新されていないことを意味し、ステップS5に進み、ステップS5にて、前回推定大気圧更新後に、ステップS4でセットした「経過期間」を越えているか否かを判定する。
ステップS5の判定で、Yesの場合は、すなわち、前回推定大気圧更新後から「経過期間」を越えたことを意味し、ステップS6に進む。ステップS6では、前回の分配係数から、予め設定された所定値を減算することにより、分配係数を漸減させ、ステップS7に進む。ここで、漸減の具体的方法として、分配係数=分配係数(n−1)−所定値で漸減を行う例を示したが、その場合に限らず、例えば、1より小さい所定の値(例えば、0.9や、0.8など)を乗算することで漸減させるようにしてもよい。漸減は、分配係数がゼロになるまで実施する。ここで分配係数を漸減させることで、後述するロングタイム学習への1回あたりの分配値が徐々に少なくなっていくことを意味する。なお、分配係数は負値までは減算しないものである。
ステップS5の判定で、Noの場合は、前回推定大気圧更新後からステップS4でセットした「経過期間」を超えていないことを意味し、ステップS7に進む(ロングタイム学習への1回あたりの分配値は変わらない。)。
以上、ステップS1〜S6の処理で、スロットル開度学習が必要な開度を、リアルタイム学習とロングタイム学習に分配するための分配係数が演算できる。
なお、分配係数および分配係数を保持する経過期間、分配係数の漸減については、分配係数をセットしてから1〜2分程度でロングタイム学習への分配を行わない、設定を目安とする。
推定大気圧が低い(例えば、高地の)場合は、車両運転状況により実大気圧に変化が生じる可能性が高いことから、分配係数の初期値を保持する経過期間は上記期間より短く設定する。
以下、リアルタイム学習値とロングタイム学習値の演算方法について説明する。
ステップS7において、補正後積分処理手段20で演算された△TPiを読み込む。
ステップS8において、△TPiと前回((n−1)回目)のロングタイム記憶値(以下、ロングタイム記憶値(n−1)という)との偏差が所定値よりおおきいか否か(すなわち、|△TPi−ロングタイム記憶値(n−1)|>所定値)の判定を行い、△TPiとロングタイム記憶値(n−1)との偏差から、学習の必要性を判断する。
ステップS8の判定でYesの場合は、△TPiとロングタイム記憶値(n−1)の偏差が所定値より大きいことを意味し、ステップS9に進む。
一方、ステップS8でNoの場合は、△TPiとロングタイム記憶値(n−1)の偏差が所定値未満であることを意味し、ステップS12に進む。
ステップS9では、ステップS7で読み込んだ△TPiと、ステップS1〜ステップS6の処理で演算した分配係数とを乗じて、ロングタイム学習値への1回あたりの分配値を演算する。
次に、ステップS10にて、前回記憶したロングタイム記憶値に、ステップS9で演算した分配値を加算して、ロングタイム学習値を演算する。
次に、ステップS11で、ステップS10で演算したロングタイム学習値をロングタイム記憶値として記憶する。
ステップS12では、ステップS7で読み込んだ△TPiから、ステップS11のロングタイム記憶値を減算して、リアルタイム学習値を求め、それを用いて、リアルタイム学習値を更新する。
以上、S7〜S12の範囲で、スロットル開度学習が必要な開度を、リアルタイム学習とロングタイム学習に分配することができる。
最後に、ステップS13において、ステップS12のリアルタイム学習値とステップS11のロングタイム記憶値とを加算して、補正用開度学習値を演算する。
このようにして、ステップS1〜S6の処理で求めた分配係数が0より大きい(すなわち、分配係数>0)の時は、推定大気圧と実大気圧に差が無いことを意味し、スロットル開度学習するための△TPiはロングタイム学習とリアルタイム学習に分配する。
また、ステップS1〜S6の処理で求めた分配係数が0(すなわち、分配係数=0)の時は、推定大気圧と実大気圧に差がある可能性を意味し、△TPiとロングタイム学習値に差がある場合は、その差をリアルタイム学習値に分配する。
以上の動作により、推定大気圧と実大気圧に差がある場合は、ロングタイム学習の誤学習が抑制できる。
なお、図6のフローチャートには記していないが、推定大気圧が更新されてから分配係数を設定するまでは、数secのディレー時間(遅延時間)を設けている。このディレー時間の目的は、推定大気圧が更新されたことにより、△TPiが安定(=リアルタイム学習が安定)するまでの時間である。
図7は、本発明の実施の形態におけるスロットル開度学習値算出手段21のタイムチャートである。図7は、大気圧の推定が1度のみ更新される例を示している。図7の1段目は、実大気圧と推定大気圧の関係を示している。図7の2段目は、大気圧の推定更新状態を示し、図7の3段目は、分配係数を示し、図7の4段目は、リアルタイムで補正するリアルタイム学習値を示し、図7の5段目は、リアルタイム学習値の補正量を学習記憶するロングタイム学習記憶値を示す。
図7において、スロットル開度学習値算出手段21の動作を、複数の時刻ごとに(時刻t1、t1a、t2、t2a、t3ごとに)、説明する。時刻t1は推定大気圧が更新された時間を示し、時刻t1aは、時刻t1で推定大気圧が更新されることで、正確な推定大気圧を用いて演算した△TPiの積分が安定(リアルタイム学習値が安定)するまでの時間を示し、学習の分配係数の初期値を保持する「経過期間」の始点を指す。時刻t2は、学習の分配係数の初期値を保持する「経過期間」の終了時刻を示し、時刻t2aは、漸減する分配係数がゼロとなる時刻を示し、時刻t3は、車両走行状態や環境状態によって推定大気圧と実大気圧に誤差が生じ始める時刻を示す。
まず、時刻t1で、推定大気圧が更新されると、正確な推定大気圧を用いて演算した△TPiの積分が作動し、それに伴って、リアルタイム学習値も作動し、時刻t1aのタイミングでリアルタイム学習値が安定する。
時刻t1aのタイミングでリアルタイム学習値に補正値がある場合は、この補正値はシステムの誤差や、スロットル弁へのデポジットなどの付着による経時誤差が生じていることを意味しており、時刻t1a以降、この誤差をロングタイム学習記憶とリアルタイム学習に分配を行う。
時刻t1a〜t2の期間は、誤差を積極的にロングタイム学習記憶に分配するために分配係数の初期値を保持する。
そして、時刻t2〜t2aの期間で、分配係数を漸減させ、時刻t2aのタイミングで、分配係数を0にし、ロングタイム学習記憶への反映を終了させる。従って、時刻t2a以降は、ロングタイム学習記憶の値はほぼ一定である。
以上の動作により、ロングタイム学習記憶の誤学習を抑制している。
時刻t3以降は、推定大気圧と実大気圧に誤差が生じており、この誤差はリアルタイム学習を更新させて補正し、リアルタイム学習値とロングタイム学習記憶値とを加算して目標流量と実流量を合致させるように作動している。
以上のように、本実施の形態においては、大気圧推定が実施されリアルタイム学習値が安定した時刻t1a後の時刻t2までの間の「経過期間」以内は、分配係数の初期値を保持するようにしたので、システムの誤差やスロットル弁へのデポジットなどの付着による経時誤差などの誤差を積極的にロングタイム学習記憶に分配するようにしたので、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習を招くことなく、ロングタイム学習記憶を促進させることができる。
また、「経過期間」が経過した後は、分配係数を漸減することから、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値への反映は少なくなり、時刻t3で推定大気圧と実大気圧に差が生じ始めた場合においても、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習が抑制できる。
また、「経過期間」は、大気圧推定手段10で推定された推定大気圧Poに応じて決定されるので、スロットル開度学習値の分配係数は、推定大気圧Poと、大気圧推定後の経過時間とに基づいて決定されることになる。そのようにして決定した分配係数によって、リアルタイム学習値算出手段34とロングタイム学習値算出手段32にスロットル開度学習値を分配するようにしたので、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習を抑制することができる。
一方、図7と比較するために、図8に、上述した特許文献2の動作を示す。特許文献2では、大気圧推定手段による大気圧の推定が実施されない期間が所定期間以上となると学習値の更新を禁止する。
なお、図8は、大気圧の推定は1度のみ更新され、それ以降、学習が禁止される所定期間を超えても更新されない場合を例としている。図8の1段目には、実大気圧と推定大気圧の関係を示している。図8の2段目は、大気圧の推定更新状態を示し、図8の3段目は、学習値の更新期間を示し、図8の4段目は、リアルタイムで補正するリアルタイム学習値を示し、図8の5段目は、リアルタイム学習値の補正量を学習記憶するロングタイム学習記憶を示す。
また、図8において、スロットル開度学習値算出手段21の動作を、複数の時刻ごとに(時刻t1、t3、t4ごとに)、説明する。時刻t1は、推定大気圧が更新された時刻を示し、時刻t3は、時刻t1以降、推定大気圧と実大気圧が合致していた時間を示し、時刻t4は、時刻t1を始点とする学習実施の所定期間の終了を示す。
まず、時刻t1のタイミングで推定大気圧が更新され、リアルタイム学習値は正確な推定大気圧に応じて作動し、時刻t1〜t3の期間で、リアルタイム学習値の偏差をロングタイム学習値に反映させる。
時刻t3以降は、実大気圧が変化しているに関わらず、学習を実施する所定期間であるため、学習更新が継続されるため、この部分で生じた推定大気圧と実大気圧との誤差も含め、時刻t3〜t4間においてロングタイム学習記憶を更新することから誤学習が発生する。図8の斜線部分が、ロングタイム学習記憶の誤学習した部分である。
このように、特許文献2では、所定期間中に推定大気圧と実大気圧に誤差が生じるとロングタイム学習記憶は誤学習を招き、ロングタイム学習値を多点学習して記憶した場合、誤学習有無のポイントが混在し、誤学習有無の状態でリアルタイム学習値が補正することで、補正がハンチングし、良好に目標吸気量が得られないという問題点があったが、本実施の形態1では、上述したように、誤学習を抑制できるため、このような問題点は解決されている。
以上のように、本発明の実施の形態においては、推定大気圧Poと大気圧推定後の経過時間からスロットル開度学習値の分配係数を変更し、ロングタイム学習記憶への分配を行うことから、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習が抑制できる。
また、本発明の実施の形態においては、大気圧推定が実施された後の「経過期間」以内は分配係数を保持することにより、システムの誤差やスロットル弁へのデポジットなどの付着による経時誤差などの誤差を積極的にロングタイム学習記憶に分配するようにしたので、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習を招くことなく、ロングタイム学習記憶を促進させることができる。
また、本発明の実施の形態においては、推定大気圧Poが低くなるに連れて分配係数を保持する経過期間を短縮することから、車両の走行環境によって大気圧の変化が発生しやすい場合においても、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習が抑制できる。
また、本発明の実施の形態においては、大気圧推定が実施された後の「経過期間」以降は、分配係数を漸減することから、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値への反映は少なくなり、推定大気圧と実大気圧に差が生じ始めた場合においても、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習が抑制できる。
また、本発明の実施の形態においては、大気圧が推定されたタイミングで、分配係数の初期化と、分配係数の初期値を保持する「経過期間」の初期化を行うことから、スロットル開度学習値を学習記憶するロングタイム学習値の誤学習を招くことなく、ロングタイム学習記憶を促進させることができる。
1 エンジン、2 エアフロセンサ、3 吸気温センサ、4 スロットル、5 スロットルポジションセンサ、6 サージタンク、7 インマニ圧センサ、8 EGRバルブ、9 ECU、9a 入力I/F、9b 演算処理部、9c 出力I/F、10 大気圧推定手段、11 目標有効開口面積算出手段、12 音速算出手段、13 圧力比演算手段、14 無次元流量算出手段、15 目標開度算出手段、16 スロットル開度制御手段、17 実有効開口面積算出手段、18 学習用スロットル開度算出手段、19 学習基本値算出手段、20 補正後積分処理手段、21 スロットル開度学習値算出手段、22 学習補正後目標スロットル開度算出手段、30 分配係数算出手段、31 スロットル開度学習値分配手段、32 ロングタイム学習値算出手段、33 ロングタイム学習値記憶手段、34 リアルタイム学習値算出手段、35 補正用開度学習値算出手段、70 各種センサ、80 各種アクチュエータ、90 目標吸気量算出手段。

Claims (6)

  1. 内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出部と、前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルの前記内燃機関側の圧力を吸気管内圧として検出する吸気管内圧検出部と、前記スロットルの大気側の吸気温を検出する吸気温検出部と、前記スロットルの実スロットル開度を検出する実開度検出部とを含み、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記吸気管内圧に基づいて、前記スロットルの大気側の圧力を推定し、推定大気圧として出力する大気圧推定手段と、
    前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態に基づいて、目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、
    前記目標吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
    予め記憶された有効開口面積とスロットル開度の対応マップを用いて、前記目標有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、目標スロットル開度として出力する目標スロットル開度算出手段と、
    前記目標スロットル開度に基づいて前記スロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸気量を制御するスロットル開度制御手段と
    を備え、
    前記スロットル開度制御手段は、
    前記吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの実有効開口面積を算出する実有効開口面積算出手段と、
    前記対応マップを用いて、前記実有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、学習用スロットル開度として出力する学習用スロットル開度算出手段と、
    前記学習用スロットル開度と前記実スロットル開度との偏差を求め、当該偏差を学習基本値として出力する学習基本値算出手段と、
    前記学習基本値を積分処理する補正後積分処理手段と、
    前記補正後積分処理手段の演算値に基づいて、スロットル開度学習値を算出するスロットル開度学習値算出手段と
    を有し、
    前記スロットル開度学習値算出手段は、
    前記推定大気圧に応じて前記スロットル開度学習値を分配するための分配係数を算出する分配係数算出手段と、
    前記分配係数と前記補正後積分処理手段の演算値とに基づいて、前記スロットル開度学習値を分配するスロットル開度学習値分配手段と、
    前記スロットル開度学習値分配手段で分配された前記スロットル開度学習値をリアルタイムに補正するリアルタイム学習値算出手段と、
    前記スロットル開度学習値分配手段で分配された前記スロットル開度学習値からロングタイム学習値を算出するロングタイム学習値算出手段と、
    前記ロングタイム学習値を記憶するロングタイム学習値記憶手段と、
    前記ロングタイム学習値記憶手段に記憶された前記ロングタイム学習値から前記スロットル開度学習値を算出する補正用開度学習値算出手段と
    を有し、
    前記分配係数算出手段は、前記推定大気圧と大気圧推定後の経過時間とに応じてスロットル開度学習値の前記分配係数を変更し、前記分配係数に従って前記リアルタイム学習値算出手段と前記ロングタイム学習値算出手段に前記スロットル開度学習値を分配する
    内燃機関の制御装置。
  2. 前記分配係数算出手段は、前記分配係数の初期値を保持するための期間を前記推定大気圧に基づいて決定し、当該期間以内は前記分配係数の初期値を保持する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記分配係数算出手段は、前記推定大気圧が低くなるに連れて前記期間を短縮する
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記分配係数算出手段は、前記期間の経過後は、分配係数の値を漸減させる
    請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記分配係数算出手段は、前記大気圧推定手段で大気圧の推定が行われたタイミングで、前記分配係数に前記初期値を設定して初期化するとともに、前記期間を前記推定大気圧に基づいて再度決定し直して初期化する
    請求項2から4までのいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関への吸気量、前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルの前記内燃機関側の圧力としての吸気管内圧、前記スロットルの大気側の吸気温、および、前記スロットルの実スロットル開度を含む、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出ステップと、
    前記吸気管内圧に基づいて、前記スロットルの大気側の圧力を推定し、推定大気圧として出力する大気圧推定ステップと、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、目標吸気量を算出する目標吸気量算出ステップと、
    前記目標吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出ステップと、
    予め記憶された有効開口面積とスロットル開度の対応マップを用いて、前記目標有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、目標スロットル開度として出力する目標スロットル開度算出ステップと、
    前記目標スロットル開度に基づいて前記スロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸気量を制御するスロットル開度制御ステップと
    を備え、
    前記スロットル開度制御ステップは、
    前記吸気量、前記推定大気圧、前記吸気管内圧、および、前記吸気温に基づいて、前記スロットルの実有効開口面積を算出する実有効開口面積算出ステップと、
    前記対応マップを用いて、前記実有効開口面積に対応するスロットル開度を求め、学習用スロットル開度として出力する学習用スロットル開度算出ステップと、
    前記学習用スロットル開度と前記実スロットル開度との偏差を求め、当該偏差を学習基本値として出力する学習基本値算出ステップと、
    前記学習基本値を積分処理する補正後積分処理ステップと、
    前記補正後積分処理ステップの演算値に基づいて、スロットル開度学習値を算出するスロットル開度学習値算出ステップと
    を有し、
    前記スロットル開度学習値算出ステップは、
    前記推定大気圧に応じて前記スロットル開度学習値を分配するための分配係数を算出する分配係数算出ステップと、
    前記分配係数と前記補正後積分処理ステップの演算値とに基づいて、前記スロットル開度学習値を分配するスロットル開度学習値分配ステップと、
    前記スロットル開度学習値分配ステップで分配された前記スロットル開度学習値をリアルタイムに補正するリアルタイム学習値算出ステップと、
    前記スロットル開度学習値分配ステップで分配された前記スロットル開度学習値からロングタイム学習値を算出するロングタイム学習値算出ステップと、
    前記ロングタイム学習値を記憶するロングタイム学習値記憶ステップと、
    前記ロングタイム学習値記憶ステップで記憶された前記ロングタイム学習値から前記スロットル開度学習値を算出する補正用開度学習値算出ステップと
    を有し、
    前記分配係数算出ステップは、前記推定大気圧と大気圧推定後の経過時間とに応じてスロットル開度学習値の前記分配係数を変更し、前記分配係数に従って前記リアルタイム学習値と前記ロングタイム学習値とに前記スロットル開度学習値を分配する
    内燃機関の制御方法。
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