JP5576659B2 - Trkレセプター調節因子の使用方法 - Google Patents

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Description

(関連出願)
本出願は、2006年12月5日に出願された米国特許出願第60/873,042号の恩典を主張する。上述の出願の全教示は参照により本明細書に援用される。
(政府資金提供)
本発明は、一部、米国立衛生研究所からの助成金CA82642、NS38569およびCA74289ならびに一部、カナダ国立衛生研究所(Institutes of Health Research)からの助成金MTI3265、MOP57690およびCI-CFA-41478により援助された。政府は、本発明において一定の権利を有する。
(発明の背景)
緑内障による視力障害は、世界中で数百万人が罹患しており、米国では、毎年、数十万人が新たな症例の緑内障と診断されている。該疾患の最も多く見られる形態である開放隅角緑内障では、眼内圧(IOP)上昇に伴う進行性の視神経線維減少によって視野喪失が引き起こされる。房水蓄積による高IOPは緑内障の主なリスクファクターであり、慢性で進行性の網膜神経節細胞(RGC)死を誘導すると考えられている。RGCは、高眼圧症に連続曝露中、1週間におよそ4%の一定速度でのアポトーシスによって死に、神経損傷がもたらされると推定されている。治療は、しばしば、高IOPの正常化において成功しているが、進行性のRGC死および視野喪失は、一般的に持続する。
ニューロトロフィン(NTF)として知られる成長因子のファミリーによる栄養補助の欠如は、緑内障におけるRGC死の要素と示唆されている。NTFは、ニューロンの発達、生長、生存、分化、ニューロン細胞の表現型および機能の維持を制御する。NTFとしては、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)およびニューロトロフィン-4(NT-4)が挙げられ、これらのNTFは、2種類の膜貫通レセプター、高親和性レセプターファミリーチロシンキナーゼ(Trk)(TrkA、Trk BおよびTrk C)(Kd=10〜100pM)ならびにp75レセプター(Kd=1nM)に結合する。Trkファミリーレセプターリガンドはかなり選択的であるが(例えば、NGFは、TrkAに結合する、BDNFはTrkBに結合する;およびNT-3は主にTrkCに結合する)、p75レセプターは、すべてのNTFによって非選択的に結合され、その活性化はかなり無差別的となる。該2種類のレセプターは反対の作用を有すると考えられており、Trkファミリーレセプターは、細胞の生存および分化、維持ならびに修復の「陽性」シグナルに関連するシグナル伝達を媒介する。P75レセプターは、Trkレセプターへのリガンド親和性を制御し、その結果、いくつかの細胞型、例えば網膜ニューロンでは、P75レセプター自身のアポトーシス促進活性に加えてリガンド依存性Trk活性化および随伴するチロシンキナーゼ活性を制御すると考えられている。
依然として、緑内障におけるRGCアポトーシスに関与すると考えられているレセプターリガンドの治療剤としての使用は、制限されているようである。Trkおよびp75レセプターへのリガンド結合に関連する複雑でしばしば反対の機能ならびに複合的および多面的な経路の活性化により、インビボNTF薬理学は予測することが困難となっている。実際、緑内障を治療するための組換えNTFポリペプチドを用いた臨床試験は、おおむね期待はずれであった。さらに、医療における使用のための組換えタンパク質(例えば、NGFおよび他のレセプターリガンド)は、製造が困難であり作製するのが高価である傾向にある。必要なのは、RGCアポトーシスを止め、そうして視野喪失の継続による疾患進行を止める緑内障のための治療剤であり、眼内圧正常化薬単独とは異なり、RGC死の原因となる分子機構を標的化する治療剤、および有効であるのに充分特異的な治療剤である。
発明の概要
本発明は、ニューロトロフィンレセプターの活性を制御する化合物および/またはペプチドを使用する、網膜神経節細胞(RGC)死、特に、緑内障と関連するRGC死の治療または予防方法に関する。具体的に、一態様において、本発明は、選択的TrkAレセプターアゴニストおよび適当な医薬担体を含む組成物ならびに少なくとも1つの眼内圧正常化薬の有効量を投与することによる、被検体におけるRGC死または緑内障の治療または予防方法に関する。一態様において、TrkAレセプターアゴニストは、炭素数13〜17の大環状環を有するβターンペプチド模倣環状化合物を含む。さらなる態様において、βターンペプチド模倣環状化合物は、式(I):

式中、R1およびR3は水素、天然もしくは非天然アミノ酸中に見られるC1〜C6アルキルまたはアリール置換基から選択され;R2およびR4は水素またはC1〜C6アルキルであり;R5およびR6は水素であり;R1およびR2、またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を形成し;Yは水素または1もしくは2個の芳香族置換基であり;XはO、N、S、P、Se、C、炭素数1〜6のアルキレン、SO、SO2またはNHから選択され;nは0、1、2、3、4または5であり;LINKERは、ホモ2官能性化合物と反応して式(I)の化合物のダイマーを形成するのに有効な結合基である、
を有する。適当なLINKER基としては、限定されないが、NH2、OH、SH、COOH、CH3COおよびCHOが挙げられる。別の適当なLINKER基はNH-CH2-COOHである。
本発明の別の態様において、XはO、SまたはNHであり、R1、R3、R5およびR6がそれぞれ水素原子であり、大環状環が14、15または16個の環原子を有する。
別の態様において、R1およびR3は、天然および合成アミノ酸から選択される一連の種々のアミノ酸側鎖由来である。
本発明の別の態様において、Xは、-0-、-S-または-NH-である。
特定の態様において、βターンペプチド模倣環状化合物は、式:

を有する。
眼内圧正常化薬は、副交感神経作用剤、コリン作用剤、交感神経作用剤、交感神経遮断剤、カルボニックアンヒドラーゼインヒビター、プロスタグランジンアナログ、ドコサノイドおよび浸透圧剤からなる群より選択され得る。
また別の態様において、該方法は、さらに、p75レセプターのアンタゴニストを含む組成物または、別の態様において、1つ以上の眼内圧制御初期遺伝子(IPREG)の発現もしくは活性を制御する組成物の有効量を投与する工程を含む。
本発明はまた、被検体に、炭素数13〜17の大環状環を有するβターンペプチド模倣環状化合物を含む選択的TrkAレセプターアゴニストおよび適当な医薬担体を含む組成物の有効量を投与することによる、被検体におけるRGC死または緑内障の治療または予防方法に関する。特定の態様において、このβターンペプチド模倣環状化合物は、

式中、R1およびR3は水素、天然もしくは非天然アミノ酸中に見られるC1〜C6アルキルまたはアリール置換基から選択され;R2およびR4は水素またはC1〜C6アルキルであり;R5およびR6は水素であり;R1およびR2、またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を形成し;Yは水素または1もしくは2個の芳香族置換基であり;XはO、N、S、P、Se、C、炭素数1〜6のアルキレン、SO、SO2またはNHから選択され;nは0、1、2、3、4または5であり;LINKERは、ホモ2官能性化合物と反応して式(I)の化合物のダイマーを形成するのに有効な結合基である、
の式を有する。適当なLINKER基としては、限定されないが、NH2、OH、SH、COOH、CH3COおよびCHOが挙げられる。別の適当なLINKER基はNH-CH2-COOHである。最も具体的には、該化合物は、式:

を有するD3である。
一態様において、該方法は、さらに、眼内圧正常化薬を投与する工程を含み得る。別の態様において、該方法は、さらに、p75レセプターアンタゴニストを含む組成物、または1つ以上のIPREGの発現もしくは活性を制御するものの有効量を投与する工程を含む。
また、被検体に、Trk Cレセプターアゴニストおよび適当な医薬担体を含む組成物の有効量を投与する工程を含む、被検体におけるRGC死または緑内障の治療のための方法が提供される。一態様において、眼内圧正常化薬はまた、TrkCレセプターアゴニストとともに投与される。また別の態様において、TrkCレセプターアゴニストはまた、














からなる群より選択されるβターン環状化合物である。
本発明はまた、被検体に、TrkAレセプターアゴニスト、TrkCレセプターアゴニスト、p75レセプターアンタゴニストである少なくとも1つの分子または前述のものの組合せ(例えば、2つ以上のニューロトロフィンレセプターのアゴニストもしくはアンタゴニスト(例えば、TrkAおよびTrkCのアゴニスト))である化合物、ならびに適当な医薬担体を含むニューロトロフィンレセプター制御組成物の有効量を投与することによる、被検体におけるRGC死および/または緑内障の治療または予防方法に関する。特定の態様において、TrkAレセプターアゴニスト、TrkCレセプターアゴニストおよびp75レセプターアンタゴニストは、上記のβターン環状化合物である。他の態様において、該方法は、さらに、少なくとも1つの眼内圧正常化薬および/またはIPREG制御組成物を、ニューロトロフィンレセプター制御組成物とともに投与する工程を含む。
本発明の方法は、本明細書に記載の薬剤が特異的であり、Trkレセプターおよび/またはp75レセプターを選択的に標的化し、そうすることでより有効であるという点で、現在の緑内障治療の不都合点を克服する。さらに、RGC死および/または緑内障の治療における使用のための化合物および/または分子は、比較的安定であり、投与が容易である。
図1Aは、1、2および3の番号で示したTrkCレセプターアゴニストのβターン主鎖のコードである。 図1Bは、A、B、CおよびDの文字で示したTrkCレセプターアゴニストの主鎖のX-置換基のコードである。 図1Cは、TrkCレセプターアゴニストの主鎖のジペプチドR1およびR2置換基のコードである。 図1Dは、主鎖(1、2または3)、X-置換基(A、B、CまたはD)およびジペプチドアミノ酸(R1およびR2)を含むTrkCレセプターアゴニスト化合物の全文字コードを示す。 図2は、高眼内圧(IOP)の低下におけるベタキソロールの効果を示すグラフである。 図3は、RGC死に対する種々の薬理学的治療の有効性を試験するために使用される実験手順を示す。 図4は、ベタキソロールおよび/またはTrkAアゴニストD3に応答した高IOPの誘導後の網膜RGCの一連の顕微鏡写真である。
(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、網膜神経節細胞(RGC)死および/または緑内障を治療および/または予防するためのニューロトロフィンレセプター(例えば、TrkA、TrkC、p75)の調節因子(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト)の使用に関する。緑内障進行およびそれに付随する失明の原因は、このRGC死である。Trkレセプター(例えば、TrkA、TrkC)アゴニストは、RGCに必要な栄養補助を提供し、RGCの死を予防する機能を果たし得る。さらに、p75レセプターの拮抗作用 (例えば、p75レセプター自体またはTrkCの拮抗作用により)は、緑内障において推定されるp75レセプター媒介RGC死を抑制する。
特許請求の範囲に示した方法における使用のためのニューロトロフィンレセプター調節因子は、特定の神経栄養レセプターの1つ以上の活性を選択的に誘導する(例えば、アゴニスト)か、または1つ以上の活性を抑制する任意の分子および/または薬理剤であり得る。これらのレセプター活性としては、例えば、リガンド(例えば、NGF、NT-3もしくはBDNF)媒介レセプター応答の増強、レセプターチロシンリン酸化、ニューロトロフィンレセプターの相互作用性/下流シグナル伝達分子のレセプターシグナル伝達および/または活性化/リン酸化、細胞の成長および生存(栄養活性)または分化(神経形成活性)の促進が挙げられる。該方法に使用される化合物/分子(例えば、化合物、ペプチド)は、好ましくは、ヒト/哺乳動物の治療に有効(例えば、血液脳関門を通過してCNS標的に達し得、容易に送達される)であり、副作用が最小限(例えば、非免疫原性、非多形質発現性、許容され得る薬物動態)であり、妥当な安定性および/または半減期を有するものである。したがって、ニューロトロフィンレセプター調節因子は、抗体、ペプチド、タンパク質、遺伝子、分子、化合物、抗体模倣物、模倣ペプチドおよび/またはペプチド模倣物であり得る。特定の態様において、ニューロトロフィンレセプター調節因子は、模倣ペプチドまたはペプチド模倣化合物、具体的には、設計によって、ニューロトロフィンレセプターリガンド(例えば、NGFまたはNT-3)のβターン領域を模倣する環状化合物である。有利には、これらの環状βターン分子は、小さく、安定であり(例えば、タンパク質分解に抵抗性)、そのため、標的化されたニューロトロフィンレセプター(1つまたは複数)に容易に送達され、容易に接触し得る。
例えば、そのシグナル伝達が細胞の生存を促進するTrkAレセプターの選択的な活性化は、特に、眼内圧正常化薬の使用と合わせるとRGCアポトーシスを有効に予防することがわかっている。TrkAレセプターアゴニストは、視神経損傷および緑内障などの種々の目の傷害により生じるアポトーシスからRGCを保護し得る。したがって、本発明は、被検体に、TrkAレセプターアゴニストおよび適当な医薬担体を含む組成物、また、少なくとも1つの眼内圧正常化薬の有効量を投与することによる、被検体におけるRGC死または緑内障の治療または予防方法に関する。本明細書で使用する場合、該方法における使用のための組成物が投与される「被検体」は、RGCアポトーシスおよび/または緑内障を有するか、または苦しむ可能性を有する任意の動物である。被検体は好ましくは哺乳動物であり、最も好ましくはヒトである。一態様において、TrkAレセプターアゴニストは、該レセプターへのNGFの結合を阻害する抗体(例えば、モノクローナル抗体(mAb)5C3(LaSauteur L. et al.,J Neuroscience 16:1308-1316、1996)参照)である。特定の態様において、環状化合物は、約13〜17個の原子を有する大環状環を有するβターンペプチド模倣環状化合物である。さらなる態様において、大環状環は、主に炭素と窒素の主鎖で形成されており、この主鎖から伸びた1つ以上のアミノ酸側鎖を有する。これらの側鎖が、NGFのβターンに天然に見られる残基に相当するため、βターンペプチド模倣環状化合物にNGFを模倣する能力が付与される。TrkAレセプター(例えば、D3、D53b-d、D21、P23およびP58)のアゴニストとしての作用に有効なβターンペプチド模倣環状化合物がいくつかあり、これらのアゴニストは米国特許第6,881,719号に詳細に記載されており、これは、参照により本明細書に援用される。
本発明の特定の態様において、該化合物は、式(I):

式中、R1およびR3は水素、天然もしくは非天然アミノ酸中に見られるC1〜C6アルキルまたはアリール置換基から選択され;R2およびR4は水素またはアルキルであり;R5およびR6は水素であり;R1およびR2、またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を形成し;Yは水素または1もしくは2個の芳香族置換基であり;XはO、N、S、P、Se、C、炭素数1〜6のアルキレン、SO、SO2またはNHから選択され;nは0、1、2、3、4または5であり;LINKERは、ホモ2官能性化合物と反応して式(I)の化合物のダイマーを形成するのに有効な結合基である、
のβターンペプチド模倣環状化合物である。適当なLINKER基としては、限定されないが、NH2、OH、SH、COOH、CH3COおよびCHOが挙げられる。別の適当なLINKER基はNH-CH2-COOHである。
別の態様において、XはO、SまたはNHであり、R1、R3、R5およびR6がそれぞれ水素原子であり、大環状環が14、15または16個の環原子を有する。
本発明の別の態様において、R1およびR3は、天然および合成アミノ酸から選択される一連の種々のアミノ酸側鎖由来である。
本発明のまた別の態様において、XはO、SまたはNHである。
好ましい態様において、TrkAレセプターアゴニストは、「D3」(Maliartchouk et al.,Mol Pharmcol 57(2):385-391,2000およびUS6,881,719参照) として知られる式:

のβターンペプチド模倣環状化合物、またはD3の誘導体である。D3のいくつかの誘導体が本発明の方法における使用に構想され、ビオチン化形態および2つのかかる単位がダイマーによって結合された分子などの単純な修飾形態を含む。他のD3の誘導体としては、天然および非天然アミノ酸中に見られる任意のアルキルまたはアリール置換基を有する側鎖R1〜R6が挙げられる。
タンパク質のアミノ酸(例えば、Arg、Trp、His)の典型的な側鎖は、容易に生成されるD3の誘導体である種々の構造の形成/設計を可能にし、多くの型の官能基を含み得る。構成アミノ酸は、N-アルキル、N-アリール、α,α-ジアルキル、およびシクロプロパンアミノ酸から形成され得るものなどの環状誘導体であり得る。
置換基(1または複数)Yは、水素または1もしくは2個の芳香族置換基、例えば、ニトロ、アミノ、ハロ、アルキル、例えば、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル、およびアリール、例えば、フェニルまたはナフチルであり得る。アルキルおよびアリール置換基Yは、置換されていなくても置換されていてもよく、適当な置換基はニトロおよび炭素数1〜6のアルキルである。
また、Yは官能基、例えばビオチンで誘導されてもよい。X基は、O、N、S、P、Seなどの任意の求核性原子だけでなくCなどの他のものであり得るか、または典型的に炭素数1〜6のアルキレン基、例えばメチレン;もしくはNHであり得る。その結合点は、ベンゾイルカルボニルに対してオルト-またはメタ-であり得る。「n」の許容される値は0、1、2、3、4および5である。Xが組み込まれた側鎖は、構造(I)において示したように脂肪族か、芳香族または複素環式芳香族であり得る。
側鎖アルキル基R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、これらの物質の生物学的活性が増強されるように多くの様式で変更され得る。典型的に、R1、R2、R3およびR4は、20種類のタンパク質アミノ酸に見られるアミノ酸側鎖置換基、またはこれらに非常に類似した側鎖、例えば、いずれかのエナンチオマー配置のグルタミン酸、リシン、オルニチンおよびトレオニンの側鎖である。R1置換基がアミノ酸側鎖である場合、その炭素上の他方の置換基R2は、典型的に水素であるが、メチル、エチルまたはベンジルであってもよい。あるいはまた、R1およびR2は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンおよびシクロヘキサン残基としてつながり得る。R3およびR4は上記のR1およびR2と同様の関係である。すなわち、その一方は、アミノ酸側鎖または非常に類似したものである。これらの2つの置換基のうち他方は、ほとんどの場合、水素であるが、メチル、エチル、プロピル、ベンジルまたは上記のようないくつかの単純なアルキル系であってもよい。
R5およびR6のバリエーションは広範であるが、これらの位置の最も一般的な置換基は水素である。また、該置換基は、20種類のタンパク質-アミノ酸の側鎖の1つ、特にメチルに相当するように設計され得る。
化合物(I)は、より具体的には、20種類のタンパク質アミノ酸またはこれらの単純なアナログ、例えば、そのエナンチオマー、N-アルキル、N-アリール、α,α-ジアルキル、および環状アミノ酸から調製された化合物である。生物学的活性に特に助けとなることがわかっている側鎖は、R1およびR3としてリシン、グルタミン酸、チロシン、イソロイシン、アスパラギンおよびトレオニンの側鎖、R2、R4、R5およびR6として水素である。側鎖の1つ以上は、特にNGFのターン領域内の側鎖に相当するように選択される。
一般に、大環状化合物は、X置換基がO、N、S、SOまたはSO2である13〜16員環を有する。
本発明はまた、上記のTrkAアゴニスト化合物でのRGC死または緑内障の治療または予防方法に関する。したがって、該方法は、被検体に、炭素数13〜17の大環状環を有するβターンペプチド模倣環状化合物を含むTrkAレセプターアゴニストおよび適当な医薬担体の有効量を投与することにより、RGC死または緑内障を治療する工程を含む。上記のように、大環状環は、一態様においてNGFのβターンに相当する主鎖環原子から伸びた1つ以上の側鎖を有し得る。特定の態様において、βターンペプチド模倣環状化合物は、式:

式中、R1およびR3は水素、天然もしくは非天然アミノ酸中に見られるC1〜C6アルキルまたはアリール置換基から選択され;R2およびR4は水素またはアルキルであり;R5およびR6は水素であり;R1およびR2、またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を形成し;Yは水素または1もしくは2個の芳香族置換基であり;XはO、N、S、P、Se、C、炭素数1〜6のアルキレン、SO、SO2またはNHから選択され;nは0、1、2、3、4または5であり;LINKERは、ホモ2官能性化合物と反応して式(I)の化合物のダイマーを形成するのに有効な結合基である、
を有する。適当なLINKER基としては、限定されないが、NH2、OH、SH、COOH、CH3COおよびCHOが挙げられる。別の適当なLINKER基はNH-CH2-COOHである。さらに、XはO、SまたはNHであり得、R1、R3、R5およびR6がそれぞれ水素原子であり、大環状環が14、15または16個の環原子を有し、R1およびR3は、天然および合成アミノ酸から選択される一連の種々のアミノ酸側鎖由来であり得、より具体的には、XはO、SまたはNHである。
好ましい態様において、該方法における使用のためのTrk Aレセプターアゴニストは、式:

を有する化合物D3およびその誘導体である。
TrkCは、緑内障およびRGC死と関連するまた別のTrkレセプターファミリー構成員である。高眼圧症の網膜神経膠細胞(ミュラー細胞)において、TrkC発現、特にTrkCの切断形アイソフォームの発現の早期および持続的増大がある(Rudinski et al.,J. Neurobiol 58:341-354、2004参照)。これらのミュラー細胞の末端の突起は、硝子体の環境を感知し、RGCを維持するようにパラクリン様式で作用する。選択的スプライシングによって作製されるTrkCの切断形アイソフォームはTrkC キナーゼドメインを欠き、その結果、完全長TrkCレセプターのキナーゼ活性および付随する触媒活性を欠く(例えば、Tsoulfas P et al.,Neuron 10:975-990、1993およびValenzuela DM et al.,Neuron 10:963-974、1993参照)。非触媒性の切断形TrkCレセプターは、ニューロトロフィンを封じ込め、さらに活性な触媒性TrkCレセプターのシグナル伝達を阻害すると考えられる(例えば、Palko ME et al.,J Neuroscience 19:775-782、1999参照)。
したがって、TrkCアゴニストおよびアンタゴニストは、緑内障およびRGC死の治療または予防方法において使用され得る。TrkCアゴニストを用いて完全長TrkCレセプターを活性化し、生存および/または高眼圧症によって誘導されるアポトーシスからRGCを救済し得る保護因子を誘導し得る。対照的に、ミュラー細胞におけるキナーゼドメインを欠く切断形TrkCの上方制御は、RGC死の寄与因子であり得る。これらの触媒的に不活性なTrkCレセプターは、なおNT-3に結合可能であるが、RGCに対するNT-3の効用を減少させ得るので、成長因子の不充分な逆行性輸送のために既に栄養補助が枯渇したRGCには有害であり得る。したがって、TrkCアンタゴニストは、TrkCレセプターの切断形態へのニューロトロフィン(例えば、NT-3)結合を阻害し、RGCに対するニューロトロフィン効用を増大させるための方法に使用され得る。また、TrkCは、p75機能を制御し得(Hapner SJ et al.,Dev Biol 201 :90-100、1998)、高眼圧症の状況下では、完全長TrkCは、p75レセプター媒介RGCアポトーシスを増強および/または活性化し得る。TrkCアンタゴニストは、p75レセプターのこのTrkC媒介アポトーシス活性化を阻害するために使用され得る。
したがって、本発明はまた、被検体に、TrkCレセプターアゴニストまたはTrkCレセプターアンタゴニストおよび適当な医薬担体を含む組成物の有効量を投与することによる、被検体におけるRGC死および/または緑内障の治療または予防方法に関する。特定の態様において、TrkCレセプターアゴニストは、完全長TrkCの1つ以上の活性を刺激および/または完全長TrkCとのニューロトロフィン相互作用を増強し得るが、TrkCレセプターアンタゴニストは、完全長および/または切断形TrkCの1つ以上の活性を阻害するか、またはニューロトロフィンとの相互作用を妨げ得る。該方法に使用されるTrkCレセプターアゴニストまたはアンタゴニストは、上記のような遺伝子、タンパク質、ポリペプチド、抗体、ペプチド模倣物などであり得る。一態様において、TrkCレセプターアゴニストは抗体である(例えば、mAb 2B7(Pattarawarapan M et al.,J Med Chem 45:4387-4390、2002)参照)。別の態様において、TrkCレセプターアゴニストはβターン環状化合物である。また別の態様において、TrkCレセプターアゴニストは、種々の置換基(例えば、アミン、グアニジンまたはMeSO2NH)(図1B参照)ならびにジペプチドアミノ酸断片(図1C参照)を含むR1およびR2基を有する環状アミノ、エーテルまたはスルフィド骨格を含む化合物である(図1A参照)。(図1Dも参照のこと)。該方法の特定の局面によれば、TrkCレセプターアゴニストは、














からなる群より選択されるβターン環状化合物である。
本発明の方法によれば、TrkAレセプターアゴニストおよび/またはTrkCレセプターアゴニストまたはTrkCレセプターアンタゴニストを含む組成物の有効量が、被検体に適切な経路によって投与され、単独または別の薬物(例えば、眼内圧正常化薬)もしくは他の適切な分子/化合物との組合せのいずれかで投与され得る。組成物の有効量は、投与条件下で所望の治療効果または予防効果が達成されるのに充分な量である。例えば、投与される組成物の量は、RGCアポトーシス、結果的に、緑内障進行が低減および/または停止されるような量である。この量は、例えば、ヒト被検体の治療について、約0.1〜100mg/kg患者体重のβターン環状化合物(例えば、ニューロトロフィンレセプター制御化合物)であり得る。この濃度の該化合物(1種類または複数)の投与には、一般的に、約100〜200ミリグラムのβターン環状化合物が組成物中に存在することが必要とされ得る。該組成物は濃縮されており、使用のために希釈に適したもので希釈され得、典型的に約90重量%以上の該化合物を含有する。
Trkレセプター調節因子(例えば、ペプチド模倣物、遺伝子、抗体)を含むこれらの組成物は、さらに適当な医薬担体を含み、該製剤は、選択される投与経路によって異なり、この投与経路は、該化合物の可溶性、安定性および半減期に影響され、またはこれらに基づいて選択される。また、適当な医薬担体は、組成物中の制御/活性物質と相互作用しない不活性成分を含み得る。Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PAに記載のものなどの標準的な医薬製剤化技術が使用され得る。非経口投与に適した医薬担体としては、例えば、滅菌水、生理食塩水、静菌食塩水(約0.9%mg/mlのベンジルアルコールを含有する食塩水)、リン酸緩衝食塩水、ハンクス溶液、リンゲル乳酸化液、デキストロース、エタノール、グリセロールなどの界面活性剤、または賦形剤が挙げられる。
該組成物は、好ましくは、適当な医薬担体にて、眼内注射、結膜局所適用、角膜局所適用または機械的送達デバイスの使用などの任意の有効または簡便な様式で投与される。該組成物は、治療計画中、患者が治療的に有意なレベルの該組成物を持続することを確実にする単回用量または反復用量で投与され得る。投薬量は、当該技術分野で公知の方法を用いて、経験のある医師によって決定され得、組成物に選択される具体的な化合物(1つまたは複数)、被検体の年齢、体重、環境、遺伝要因、薬物に対する感受性および耐性ならびに全体的な健康状態に依存する。治療において、または予防薬として、活性剤は、被検体に注射用組成物として、例えば、好ましくは等張性の滅菌水性分散液として、またはリポソームもしくはマイクロスフィアとして「封入」されて投与され得る。したがって、注射用組成物が望ましい場合、Trkレセプター調節因子は、例えば、水性または非水性溶媒、例えば、植物油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸またはプロピレングリコールのエステルに溶解、懸濁または乳化することにより、注射用調製物に製剤化され得、所望により、従来の添加剤、例えば、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤および保存剤と共に製剤化される。また、活性成分は、投与前に適当なビヒクルで還元するための粉末形態であり得る。一態様において、該組成物が目で局所使用される場合、製剤は、その投与型に適したもの(例えば、滅菌、非刺激性/非毒性)であり得る。
該組成物はまた、局所適用のため、例えば、軟膏、クリーム、ローション、眼用軟膏の形態、最も好ましくは点眼薬または眼用ゲルの形態で製剤化され得、適切な従来の添加剤、例えば、保存剤、薬物浸透を補助する溶媒、ならびに軟膏およびクリーム中の皮膚軟化薬などを含有し得る。かかる局所製剤はまた、適合性の従来の担体、例えば、クリームまたは軟膏基剤、およびローション用エタノールまたはオレイルアルコール含み得る。あるいは、充分な送達手段があれば、TrkAレセプターアゴニストを含む組成物は薬学的に許容され得る錠剤化賦形剤を用いて経口投与のために製剤化され得、所望により、かかる投薬形態を作製するために、例えば、ラクトース、微晶質セルロース、コーンスターチ、ステアリン酸などが使用され得る。また、経口投与は、水、グリコール、油、アルコールなどで製剤化される液体組成物を含み得る。
本明細書に開示した所見は、選択的Trkレセプター調節因子(例えば、TrkAアゴニスト、TrkCアゴニスト)と眼内圧低下薬を組み合わせることがRGC喪失の予防に非常に有効であることを示す。したがって、本発明の方法はまた、いくつかの眼内圧正常化薬の少なくとも1種類の投与を含む。眼内圧正常化薬としては、副交感神経作用剤/コリン作用剤(例えば、ピロカルピン、アセクリジン、カルバコール)、交感神経作用剤(例えば、エピネフリン、ジピベフリン、α-選択的アドレナリン作用性アゴニスト)、交感神経遮断剤(例えば、β遮断薬(例えば、チモロール、ベタキソロール、レボブノロール、カルテオロール、メチプラノロール))、カルボニックアンヒドラーゼインヒビター(例えば、アセタゾラミド、メタゾラミド、ジクロルフェナミド、ドルゾラミド、ブリンゾラミド)、プロスタグランジンアナログ(例えば、ラタノプロスト、トラボプロスト ビマトプロスト)、ドコサノイド(例えば、ウノプロストン)および浸透圧剤が挙げられる。少なくとも1種類の眼内圧正常化薬が本発明の方法 (単独療法)において投与され得、所望により/必要により、1種類より多くの薬剤が与えられ得る。1種類より多くの眼内圧正常化薬が使用される場合、種々の種類の薬物の組合せが、一般的に投与される(例えば、チモロールとドルゾラミドまたはチモロールとラタノプロスト)。投与される眼内圧正常化薬の量は、被検体(例えば、ヒトまたは他の動物)の体格、年齢、体重、一般健康状態、性別、および食事、投与期間、具体的な薬物の生物学的半減期、高眼圧症の重症度のレベル、ならびに使用される/必要なβターンペプチド模倣環状化合物の量に応じて異なる。確立された用量範囲の調整および操作は、充分当業者の能力の範囲であり、好ましくは、投薬量は、副作用および毒性を最小限にする。例えば、特定の態様において、眼内圧正常化薬はベタキソロールであり、これは、例えば、ヒト被検体に0.25%の眼用懸濁液(例えば、ベタキソロールHCl)で投与され得る。
眼内圧正常化薬およびTrkレセプター制御組成物は、いくつかの要因、例えば、緑内障のレベルおよび/または病期に応じて時々投与され得、この投薬スケジュールは、当業者により特定の患者にとって最良に評価される。一態様において、有効量の眼内圧正常化薬は、1日(すなわち、24時間で)1回または2回投与される。使用される化合物または分子のための医薬担体、同様に投与経路に応じて、該化合物を、独立した医薬賦形剤または1つの一緒になった組成物のいずれかと同時に(すなわち、併用して)投与することが望ましいおよび/または必要であり得る。例えば、該薬物および化合物は、局所投与または眼内注射され得る(例えば、非ヒト動物)。あるいは、選択された眼内圧正常化薬およびTrkレセプター制御化合物は、逐次投与、すなわち、独立した組成物として相次いで投与され得る。各組成物の投与期間は、化合物に対する患者の耐性および治療上の必要事項(1つまたは複数)に応じて異なる。一般的に、眼内圧正常化薬は、患者に定期的に(例えば、毎日)投与され得、ニューロトロフィンレセプター制御化合物は、最適な治療応答/結果のために設計されたスケジュールで(例えば、化合物の半減期および患者症状の重症度のレベルに基づいて)投与され得る。経験のある医師は、患者が最も有効に治療されるように投与順またはスケジュールを調整および/または変更することができる。
RGC死および/または緑内障を治療または予防するための本発明の方法はまた、さらに、有効量のp75レセプターアンタゴニストを投与することを含み得る。P75レセプターは、RGCアポトーシスにある役割を有すると考えられている(例えば、Khursigara et al. J Biol Chem 274:2597-2600参照)。本明細書において、選択的p75レセプターアンタゴニストは単独ではRGCアポトーシスに対してなにも効果がないことが見出されたが、Trkレセプター(1種類または複数)の特異的活性化はp75レセプターの阻害とともに、RGC死の予防および/または緑内障の治療において相加的(combinatorial)または相乗的であり得るようである。該方法における使用のためのP75レセプターアンタゴニストは、ニューロトロフィンレセプター調節因子について先に記載のようなp75レセプターシグナル伝達/活性を特異的に阻害する任意の組成物(例えば、化合物、分子、タンパク質、ペプチドまたはペプチド模倣物)、例えば、抗体(例えば、mAb NGF30(Saragovi et al.,J Biol Chem 273:34933-34940、1998)参照)などであり得る。その有効性および全体的に投与が容易なことから、特定の態様において、投与されるp75レセプターアンタゴニストはまた、表1に示す1つ以上のβターン環状化合物である。
これらのp75レセプターアンタゴニストは、NGFのA-A”ループを模倣する。ペプチド中のシステイン(Cys)残基の酸化により、Cys-Cysジスルフィド結合の形成がもたらされ、分子の環化が引きこされる(LeSauteur et al.,J Biol Chem 270(12):6564-6569、1995参照)。P75レセプターアンタゴニストは、上記のような適当な医薬担体(例えば、滅菌水、生理食塩水、静菌食塩水、リン酸緩衝食塩水、ハンクス溶液、リンゲル乳酸化液、デキストロース、エタノール、界面活性剤または賦形剤)中で投与され得、医薬担体の組成に応じて、適当な投与経路のなかでも、局所、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、経皮または皮内投与され得る。好ましくは、p75レセプターアンタゴニストは、最も好ましくは点眼薬、眼用ゲルまたは眼用軟膏の使用によって眼に局所投与される。P75レセプターアンタゴニストは、経験のある医師によって最良に決定された量/用量で、他方のTrkレセプター調節因子(例えば、Trk AおよびTrk C)と同じまたは類似したスケジュールで投与され得、さらに、該化合物/分子は、該アンタゴニスト/アゴニストに対する患者の耐性および治療上の必要事項に応じて、医薬賦形剤とは別々に単独で(例えば、逐次)、または1つの一緒になった組成物として組み合わせて(例えば、連続的もしくは同時に)投与され得る。P75レセプターアンタゴニストは、1つ以上のTrkレセプター調節因子(例えば、TrkAレセプターアゴニスト、TrkCレセプターアゴニスト、TrkCレセプターアンタゴニスト)および1つ以上の眼内圧正常化薬(例えば、ベタキソロール)を伴う治療計画中に投与され得る。
また、前述のニューロトロフィンレセプター調節組成物の1つ以上のを用いて、被検体においてRGC死または緑内障を治療または予防するための方法が提供される。したがって、該方法は、被検体に、TrkAレセプターアゴニスト、TrkCレセプターアゴニスト、TrkCレセプターアンタゴニスト、p75レセプターアンタゴニストおよび/または前述のものの組合せである化合物(例えば、TrkAアゴニストとTrkCアゴニストの両方として作用する化合物)からなる群より選択される1つ以上の化合物/分子ならびに適当な医薬担体を含む組成物の有効量を投与することを含む。該アゴニストおよび/またはアンタゴニストを含む組成物は、先に記載のように医薬担体中に存在し、特定の投与経路に許容され得、有効な製剤である。さらに、該方法において該分子の1種類より多くが使用される場合、該組成物は、1つ以上の経路によって逐次(例えば、TrkAアゴニスト、次いでTrkCアゴニスト、次いでp75 アンタゴニスト)、同時に(例えば、TrkAアゴニスト、TrkCアゴニストおよびp75 アンタゴニストを含む1つの組成物で)または2つの経路の組合せを用いて(例えば、TrkAアゴニスト、次いでTrkCアンタゴニストおよびp75 アンタゴニストを含む1つの組成物)投与され得る。先の方法のように、該方法は、さらに、前述の眼内圧正常化薬の少なくとも1種類の投与を含み得る。TrkAレセプターアゴニスト、TrkCレセプターアゴニストおよびp75レセプターアンタゴニストは、上記のものであり、特定の態様において、前述のβターン環状化合物である。該方法の一局面において、該方法における使用のためのTrkAおよびTrkCレセプターアゴニストの両方として作用し得る化合物としては、βターン環状化合物3Ac、3Ae、3Ak、3Ca、IAa、IAdが挙げられ得る。また、これらの化合物の構造を以下に示す。





緑内障および/またはRGC死を有する被検体はまた、所望であるかまたは必要である場合、RGCアポトーシスおよび緑内障を治療または予防する他の薬物、分子または化合物でさらに治療され得る。例えば、高い眼内圧(IOP)により有意かつ特異的に変化した(高い、低い)発現を有する、眼内圧制御遺伝子(IPREG)と呼ばれ、細胞シグナル伝達および細胞死に関連するおよび/または関与すると考えられるいくつかの遺伝子が同定されている(参照によって本明細書に援用される2006年11月22日に出願された国際特許出願PCT/US2006/045169(代理人整理番号3966.1000-003)および2007年5月31日に出願されたWO 2007/062101 A2公開公報を参照)。これらの遺伝子は高眼圧症のラットモデルを用いて同定され、遺伝子マイクロアレイを使用して改変した遺伝子発現が解明された。IPREGであると決定された遺伝子(例えば、眼球変性に関与し得る遺伝子)は、1つ以上の具体的な基準(例えば、高IOPによる特異的かつ初期の誘導、誘導後のおよび/または高IOPの正常化による持続的な発現ならびに細胞死、生存または関連するシグナル伝達において機能を有すると考えられるもの)を満たした。同定された公知の遺伝子としては、α2マクログロブリン、PSD-95/SAP90-関連タンパク質-4、Reggie1-1、RBCK、Gzα、プロテインホスファターゼ1γ、リボソームタンパク質L23関連産物、グリア(Gial)線維酸性タンパク質、環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル、SPARC、B-2アリールアミンN-アセチルトランスフェラーゼ、アミロイド前駆体様タンパク質2、アンフィフィジン1、Crybb2、Ras関連p23、ヘリカーゼRap30、プロテオソームrPA28サブユニットβ、ATPアーゼα-1サブユニット、βA3/A1クリスタリン、βA4クリスタリン、S-アデノシルメチオニンシンターゼ、アスパラギンシンターゼが挙げられる。従って、例えば、IPREGα2マクログロブリンの発現は高IOPに応答して上方制御され、α2マクログロブリンに対する中和抗体はRGCアポトーシスの有意な低下を生じることが見出された。
従って、高IOPによって上方制御される1つ以上のIPREG(例えば、α2マクログロブリン、PSD-95/SAP90関連タンパク質-4、Reggie1-1、RBCK、Gzα、プロテインホスファターゼ1γ、リボソームタンパク質L23関連産物、グリア線維酸性タンパク質、環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル、SPARCおよびB-2アリールアミンN-アセチルトランスフェラーゼ)の活性および/または発現を阻害する組成物、および/または高IOPによって下方制御される1つ以上のIPREG(例えば、アミロイド前駆体様タンパク質2、アンフィフィジン1、Crybb2、Ras関連p23、ヘリカーゼRap30、プロテオソームrPA28サブユニットβ、ATPアーゼα-1サブユニット、βA3/A1クリスタリン、βA4クリスタリン、S-アデノシルメチオニンシンターゼおよびアスパラギンシンターゼ)の発現および/または活性を増加する組成物を、本発明の方法に使用される(1つまたは複数の)神経栄養レセプター調節因子と共に投与することができる。IPREG制御組成物は、阻害性化合物/分子(例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、中和抗体、低分子、組換え遺伝子発現ベクター、組換え遺伝子ウイルスベクター、合成ペプチド、組換えポリペプチド、ペプチド模倣物および上方制御されるIPREGの制御領域のインヒビター(例えば、ペプチド、遺伝子、ベクター))および/または活性化もしくは発現誘導化合物/分子(例えば、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび下方制御されるIPREGの負の制御因子に対する中和抗体、低分子、組換え遺伝子発現ベクター、組換え遺伝子ウイルスベクター、合成ペプチド、組換えポリペプチド、ペプチド模倣物および下方制御されるIPREGの制御領域のアクチベーター)を含み得る。
被検体への投与のため、IPREG制御物質(例えば、化合物、分子)を含む組成物はまた、前述の適切な医薬担体で構成され得る。IPREG制御組成物は、当業者により決定された用量および計画で投与され、神経栄養レセプター調節組成物および眼内圧正常化薬による患者の治療を補足(相加または相乗)し得る。IPREG制御組成物は、前述の種々の投与経路(例えば、眼内注射、局所結膜適用、局所角膜適用、機械的送達デバイス)により投与することができ、さらに、好ましくは眼に局所的に(例えば、点眼液、軟膏、ゲルまたはクリームにより)投与される。
緑内障またはRGC死の完全/有効な治療のために、専門の臨床医が必要であると考える場合、前述の組成物の任意の組合せを使用することができる。従って、Trkレセプター調節因子と共に、眼内圧正常化薬および/またはp75レセプターアンタゴニストおよび/またはIPREG制御組成物を、投与が必要な被検体(例えば、RGCアポトーシスおよび/または緑内障を有する被検体)に投与することができる。具体的な治療計画は、特定の患者に対して調整され、例えば疾患の状態、重症度、任意の公知の進行中の疾患の機構および2つ以上の前述の組成物の使用についての患者の耐容性によって決定される。
実施例1:高眼圧症の実験モデル
高眼内圧の誘導および制御
ラットの眼で、強膜上静脈焼灼により房水流出を減少させて高IOPを誘導し、反対の眼を擬似手術し対照として使用した(図2)。静脈焼灼後、焼灼した眼のIOPは、対照の反対側の眼よりも有意に高かった(p≦0.01)。正常な眼の約12.6mmHgの平均IOPと比較して、緑内障の眼の平均IOPは約21mmHgであった。焼灼後4日目に開始したベタキソロールによる毎日の局所治療は、3日以内に房水産生を低下させ、高IOPを標準レベルまで減少させたが、焼灼なしの反対側の眼の正常IOPに対して有意な効果はなかった。焼灼して、ベタキソロールで処理した眼のIOP対ベタキソロール処理ありまたはなしの対照の正常IOP眼に有意差はなかった。
高IOPにより誘導される慢性的RGC死およびIOP正常化後の維持
逆行性トレーサーを用いて、生存しているRGCを細胞体で標識し、平面に広げた網膜をRGCの数について解析した(表2)。ラットの眼を焼灼し、未処理のままにしたか、4日目から開始して終点42日目までベタキソロールで毎日処理して高IOPを正常化した。
高眼圧症におけるRGC減少は時間依存的であった。焼灼した眼をベタキソロールで処理しなかった場合、焼灼後21日目および42日目に、それぞれ約16%と約35%の平均RGC減少が見られた。対照的に、ベタキソロールで眼を毎日処理した場合、表2に示すように焼灼後21日目および42日目にそれぞれ、約7%および約20%の平均RGC減少が見られた。
表2. 高眼圧症の減少は緑内障におけるRGC死をわずかに一部予防する。
それぞれのデータ点は、3〜4個の網膜/実験群の平均±標準偏差(sd)を示す。焼灼後の示された日に、局所ベタキソロールを毎日添加した。明確にするために平均IOPは示さないが、ベタキソロールを受けたラットは7日目まで正常なIOPを有し、未処理のラットは約1.7倍高いIOPを有した。逆行的に標識された生存RGCを平面的にマウントされた網膜中で計測した。21日目以降から未処理群に対して、毎日ベタキソロール群において統計的に低いRGC死が見られた(p≦0.01)。>3回の独立した実験でデータを再現した。
ベタキソロールでIOPが正常化された眼のRGC減少のこの低い割合は、未処理の眼に対して統計的に差があった(p≦0.005)。
しかし、IOPの正常化によってRGCの減少は低減したが、予防はされなかった。焼灼してベタキソロールで処理した眼におけるRGCの絶対的な減少は、正常な眼と比較して35日目および42日目で極めて有意であった(p≦0.001)。従って、高IOP誘導の少し後の圧の完全な正常化は、IOPが正常化されなければ死ぬはずであったRGCのわずか半数ほどに保護を提供する。慢性的なRGC減少は非常に遅なるが継続する。実際に、臨床的な実験では、IOPの正常化が成功したにも関わらず、RGC死およびその後の視野の減少は、しばしばヒトにおいても続くことが示された。
実施例2:高眼圧症のTrkAレセプターアゴニスト処理
選択的TrkAアゴニストによるインビボRGC保護
RGCアポトーシスに対するTrkA媒介性の保護を試験するために、D3と称される低分子選択的TrkAアゴニストを眼内に注射した。D3は、以前にCNSにおいて評価されており、空間記憶試験において持続的で、TrkAに結合して活性化し、コリン作用性ニューロンの数、表現型および機能を保護することが示された。C59と称される、類似の構造を有する不活性型ペプチド模倣物を対照として使用した。
実験の範例は、既存の疾患および進行中のRGC損傷を治療するために、緑内障への進行が現実的に模倣されるように設計した(実験フローチャート、図3を参照)。焼灼を行い、約8%のRGC減少が生じる14日間、高IOPを誘導した。
この時点で、TrkAアゴニストD3、NGF、または対照(すなわち、不活性型ペプチド模倣物、食塩水ビヒクル)を注射した(焼灼後14および21日目にそれぞれ1μgの化合物を独立して2回、眼内注射した)。毎日のベタキソロール処理(14日目から42日目の終了まで)と組み合わせてまたは該処理無しでもこれらの処理を行い、IOPを正常化した。このシナリオは、緑内障患者を眼内圧低下薬で治療する臨床設定を良好に反映した。
逆行性標識で同定された生存RGCを、手術42日後に計測した。このプロトコールにおいて、TrkAアゴニストまたは対照は21日〜42日の間には与えず、任意の保護が持続的であり得るかどうかを評価した。データを表3に示す。
表3. TrkAレセプターアゴニストによる緑内障におけるRGCの救出。
それぞれのデータ点は、少なくとも6個の網膜/実験群の平均±sdを示す。明確にするために平均IOPは示さない。ペプチド模倣物D3(TrkAアゴニスト)または対照は、それぞれ1μl中1μgの注射で眼内に注射した。「―」は、処理せずを意味する。眼内注射によって眼圧は影響を受けなかった(緑内障は緑内障のままであり、正常は正常のままである)。焼灼後42日目に、平面上にマウントした網膜中で逆行的に標識された生存RGCを計測した(それ以外では、列3および4は14および28日で終了した)。1人は集団については分からないようにして、2人の観察者がRGCを計測した。42日目に終了した3回の独立した実験および49日目に終了した1回の独立した実験で同様のデータが得られた。
標識されたRGCの代表的な写真を図4に示す。
42日間の高IOP後、正常IOP眼と比較して、36%RGCの有意な減少が見られた(表3、列1対5;p≦0.001)。高IOPにおけるRGC減少は進行性であり時間依存的であった。高IOP、28日目で19%のRGCおよび高IOP、14日目で8%のRGCの減少が見られた(表3、列3および4)。ベタキソロールの毎日の適用(14日〜から42日)によるIOPの正常化で、RGCの減少は36%から21%まで有意に減少した(表3、列5対8;p≦0.005)。しかしながら、およそ17日間の高IOPおよび25日間の正常IOP後で見られた21%のRGCの減少(42日目で終点)は、14日間の高IOPおよび14日目の終点後に見られた8%のRGC減少よりも有意に高かった(表3、列8対3;p≦0.005)。
TrkAアゴニストD3の2回の単独眼球注射(緑内障の14日目および21日目で)により、RGC減少は平均して36%から29%まで減少した(表2、列7対5;p≦0.1)。この事によりRGCの約25%について保護が示された(式(試験減少-14日目減少)/(42日目減少-14日目減少)*100を使用)が、統計的に有意ではなかった。ベタキソロールと併用したTrkAアゴニストD3での処理により、RGC減少は11%まで有意に減少した(表3、列10)。この組合せはいずれか単独の処理よりも有意に良好であり、>90%の保護を示す。実際、D3+ベタキソロールの組合せにおけるRGCの数は、14日の高IOPおよび14日目の終点に供された眼のRGC数と比較して有意差はなかった(表3、列10対3)。
また、NGFは、ベタキソロールと併用してもRGCを死から保護しなかった(表3、列11および12)。不活性型化合物、または食塩水の対照眼内注射も、正常網膜または緑内障42日目由来の網膜におけるRGC数を変化させず(表3、列2および6)、IOP正常化の保護的な効果を変化させなかった(表3、列8および9)。
この緑内障モデルの結果と眼神経軸索切断(眼神経を切断またはすりつぶしてRGC軸索を損傷させる)において公開された結果を比較することが重要である。この二つは、RGC障害において大きく異なるモデルであり、緑内障は慢性かつ進行性で眼内疾患であり、一方で軸索切断は急性で眼外疾患である。従って、眼神経軸索切断においてNTFは良好に適用されている。軸索切断された眼神経の生存はNGF、BDNF、NT-4、CNTF、ならびにbFGF、およびGDNFにより促進された。これらの以前の試験と一致して、D3模倣物も軸索切断RGCにおいて強力な生存促進効果を示した。
実施例3:高眼圧症のp75レセプターアンタゴニスト処理
p75レセプターアンタゴニストによる緑内障の不充分なRGC保護
NGFによる緑内障の不十分なRGC保護は、p75レセプター自身により媒介されるシグナルを含む、多面発現性シグナルの活性化のためであると思われる。従って、同様の実験範例を使用して、内在性神経栄養因子によるp75レセプター活性化の潜在的な効果を試験するためのp75レセプターアンタゴニストC(28〜35)を調べた(表4)。範例は、わずかに変更して終点を49日目とし、TrkAアゴニストを陽性対照として包含した。
表4. p75レセプターアンタゴニストによる緑内障における不充分なRGCの救出。
それぞれのデータ点は4個の網膜/実験群の平均±sdを示す。明確にするために平均IOPは示していない。試験ペプチドおよびペプチド模倣物または対照を眼内注射した。「―」は注射せず、を意味する。逆行的に標識した生存RGCを、平面上にマウントした網膜中で焼灼49日後に計測した。
p75レセプターアンタゴニストC(28〜35)はRGC生存を高めなかった。49日間の高IOP後、正常IOP眼と比較して41%RGCの有意な減少が見られた(表4、列1対2;p≦0.001)。ベタキソロールの毎日適用(14日から49日)によるIOPの正常化は、RGCの減少を41%から27%に有意に減少させた(表4、列2対3;p≦0.01)。さらに、p75レセプターアンタゴニストC(28〜35)の2回の単独眼内注射(緑内障の14日目および21日目)により、RGCの減少は有意に予防されなかった(表4、列8)。C(28〜35)を単独で適用した場合、全ての実験においてRGC生存の高い変動性が見られたが、C(28〜35)とベタキソロール処理を組み合わせた場合に保護の増加は見られず(表4、列9)、RGCの数はベタキソロール単独と比較して差はなかった(表4、列3)。陽性対照として、TrkAアゴニストD3(単独またはベタキソロールと併用)はRGCアポトーシスを著しく減少し(表4、列6および7)、C(28〜35)の無関係なペプチド陰性対照は効果を示さなかった(表4、列4および5)。
全体的に、p75のペプチドC(28〜35)アンタゴニストは実験の時間枠において、緑内障におけるRGC死を予防も減少もしなかった。しかし、p75は、神経栄養因子の外的添加によって活性化され得、このことは、NGFがRGCを保護できなかったことを説明し得る(表2)。さらに、初期の時点におけるp75の拮抗により、検出可能なRGC保護を見ることができる。
以前のインビボの試験により、C(28〜35)はCNSにおいてインビボ安定性および有効性を有したことを示した。他の試験により、C(28〜35)は視神経軸索切断においてインビボで、RGCの短期間保護を付与したことが示された。従って、p75レセプター活性の阻害(例えば、C(28〜35)を使用)は、特にTrkAレセプターアゴニストと協調して、高眼圧症、RGC死および緑内障の治療に効果的であり得る。
実施例4:材料および方法
高IOPの誘導. 全ての動物実験はMcGill Animal Welfare Committeeに承認された。Wistar ラット、雌、8週齢において、麻酔下で強膜上焼灼を行った。結膜切開後、外眼筋を単離して、角膜縁主幹静脈(major limbal draining veins)を位置、相対的な不動度(relative immobility)、大きな管腔直径および分岐パターンに基づいて同定した。右目の3つの強膜上血管の焼灼は、30インチの焼灼チップで行った。それぞれの動物の左目は、擬似手術後正常IOP対照として使用した(焼灼せずに結膜切開)。左右どちらの眼が焼灼されるかどうかでIOPの差はないので、記録および管理の目的で右側を選んだ。平面検眼鏡検査を使用して、高いIOPでの網膜の正常な灌流を確認した。焼灼により約90%のラットにおいて、約1.7倍のIOPの上昇が生じた(約10%のラットは、1.9倍を超える高すぎるIOPのため、または白内障を発症したために廃棄して、実験には用いなかった)。1.7倍の増加は、>2倍の圧の増加を生じる他のモデルよりも、ヒトの開放角緑内障と関連しており、しばしば虚血を生じる。軽い麻酔の下でTonopen XL眼圧計を使用してIOPを測定した(塩酸ケタミン 4mg/kg;キシラジン 0.32mg/kg;およびアセプロマジン 0.4mg/kgの筋肉内注射)。最初は、IOPを毎日測定し(それぞれの時間で3つの連続した測定値を得る)、その後は終了まで毎週測定した。麻酔下であったとしても、他の装置と比較してTonopenの測定値の精度が確認された。ラットの麻酔下の平均正常IOPは12mmHg(10〜14mmHgの範囲)であり、焼灼された眼においてIOPは4ヶ月よりも長く安定して平均21mmHg(18〜24mmHgの範囲)まで増加した。これらの値は以前に公開されたデータと一致した。
高IOPの薬理学的減少. 選択的β遮断薬(ベタキソロール0.5%、Alcon)を点眼液として毎日適用した。示されるように、局所的なベタキソロール投与を開始すると(たとえば、焼灼の4日後)、3日後にIOPの完全な正常化をもたらした。ベタキソロールを投与する限り、IOPは正常なまま持続した。ベタキソロールは正常な眼のIOPには有意な効果を有さなかった。
眼内注射. 眼の上側四分円で結膜切開を行った。30Gの針で眼壁に穿刺を行い眼窩にカニューレを設置した。45°の角度で強膜を通過して針の先端を硝子体に挿入した。この投与経路により眼の構造の損傷を回避した。ガラスカニューレ(10μmの厚さ、直立型微小電極(microlectrode)プラー(Narishige)で作製される、をプラスチックチューブでHamiltonシリンジに連結し、試験または対照物質の溶液を分配した。眼内注射は、正常なIOPを有する擬似手術対照眼および高IOPを有する焼灼した眼において、手術後14および21日目に行った。眼内注射は、全量約1μgの化合物を含み1μlの容量であった。眼内注射の直後はIOPを測定することができなかった。しかし、眼内注射の2日以内には、高IOP眼は高いIOPを維持し、正常IOP眼は正常なIOPを維持した(データは示さず)。従って、慢性的な眼圧は眼内注射には影響を受けないと思われる。
薬剤. ペプチド模倣物D3はTrkAの選択的部分アゴニストである。D3は、p75レセプターが発現されるかどうかに関わらずTrkAに結合して活性化するが、p75には結合しない。NGF C(28〜35)のペプチドアナログはp75-NGF相互作用のアンタゴニストである。C(28〜35)は、インビボにおいて、てんかんのモデルにおけるCNSのp75レセプターアンタゴニストとして使用されている。
逆行性RGC標識. RGCを、3%DIi(1,1-ジオクタデシル-3,3,3,3-テトラメチルインドカルボシアニンパークロライト)または3%フルオロゴールドで標識した。簡潔に、ラットを麻酔して、頭を定位固定装置に固定した。上丘(SC)を露出して、それぞれの半球に、2種類の深さ:第1にブレグマの背部5.8mm、側方1.0mm、深さ4.5mmおよび3.5mmに色素を注射した。
平面上にマウントされた網膜およびRGCの計測. 逆行染色の7日後、リン酸バッファ(PB)、続いてPB中4%PFAの経心臓(transcardial)投与によりラットを灌流し、すぐに眼を摘出した。1時間の固定後、強膜を通る切片を作製し、眼神経の先端で網膜をアイカップ(eyecup)からはがした。網膜をスライドガラス(ガラス状で両側が持ち上がった)上に平坦にマウントして、風乾してマウントメディウム(Molecular Probes)を用いてカバーガラスをかぶせた。蛍光顕微鏡(Zeiss)下で網膜を観察した。それぞれの網膜について、それぞれの四分円(上方、下方、鼻および側頭)の4枚のデジタル画像を20xで撮った。平面上にマウントした網膜中で、逆行性の透過した色素の存在およびRGCの形態によりRGCを確認した。RGC染色の食作用後にDiIまたはフルオロゴールドを取り込んだと思われる小グリア細胞およびマクロファージを、形態に基づいて神経生存の解析から除外した。4つ全ての四分円で計測されたRGC(網膜当たり16枚の画像)をRGC/mm2の数で平均した。RGC生存について、各集団で少なくとも6つの眼を調べ(つまり、±焼灼、±ベタキソロール、±眼内注射)、実験は独立して再現した。試料をコード化して、コードについて知らされていない実験者がRGC計測を行った。
本明細書に引用される全ての参考文献、特許および特許出願の関連のある教示は、その全体において参照によって本明細書中に援用される。
本発明は、その好ましい態様に関して具体的に示され記載されるが、添付の特許請求の範囲により包含される本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細において種々の変更がなされ得ることを当業者は理解しよう。本明細書中で言及および/または引用された全ての学術文献および特許は、参照により本明細中に援用される。

Claims (10)

  1. 被検体において網膜神経節細胞(RGC)死または緑内障を治療または予防するための医薬の製造における、
    a) 式:

    を有するβターンペプチド模倣環状化合物および適当な医薬担体を含む組成物、ならびに
    b) ベタキソロール
    の使用。
  2. RGC死が緑内障と関連する、請求項1記載の使用。
  3. 被検体が、p75レセプターアンタゴニストを含む組成物でさらに治療される、請求項1記載の使用。
  4. p75レセプターアンタゴニストが、抗体、化合物、タンパク質、ペプチドおよびペプチド模倣物からなる群より選択される、請求項記載の使用。
  5. p75レセプターアンタゴニストが、C(30〜35)(配列番号:1)、C(32〜35)(配列番号:2)、C(29〜35)ΔD30A(配列番号:3)、C(31〜35)(配列番号:4)およびC(28〜35)(配列番号:5)からなる群より選択されるβターン環状化合物である、請求項記載の使用。
  6. 被検体が、α2マクログロブリン、PSD-95/SAP90-関連タンパク質-4、Reggie1-1、RBCK、Gzα、プロテインホスファターゼ1γ、リボソームタンパク質L23-関連産物、グリア線維酸性タンパク質、環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル、SPARC、B-2アリールアミンN-アセチルトランスフェラーゼ、アミロイド前駆体様タンパク質2、アンフィフィジン1、Crybb2、Ras関連p23、ヘリカーゼRap30、プロテオソームrPA28サブユニットβ、ATPアーゼα-1サブユニット、βA3/A1クリスタリン、βA4クリスタリン、S-アデノシルメチオニンシンターゼ、およびアスパラギンシンターゼからなる群より選択される1つ以上のIPREGの発現または活性を制御する組成物でさらに治療される、請求項1記載の使用。
  7. 被検体において緑内障を治療するための医薬の製造における、
    a) 式:

    を有するβターンペプチド模倣環状化合物および適当な医薬担体を含む組成物;ならびに
    b) ベタキソロール
    の使用。
  8. 被検体が、p75レセプターアンタゴニストを含む組成物でさらに治療される、請求項記載の使用。
  9. p75レセプターアンタゴニストが、C(30〜35)(配列番号:1)、C(32〜35)(配列番号:2)、C(29〜35)ΔD30A(配列番号:3)、C(31〜35)(配列番号:4)およびC(28〜35)(配列番号:5)からなる群より選択されるβターン環状化合物である、請求項記載の使用。
  10. 被検体が、α2マクログロブリン、PSD-95/SAP90関連タンパク質-4、Reggie1-1、RBCK、Gzα、プロテインホスファターゼ1γ、リボソームタンパク質L23関連産物、グリア線維酸性タンパク質、環状ヌクレオチド感受性カチオンチャネル、SPARC、B-2アリールアミンN-アセチルトランスフェラーゼ、アミロイド前駆体様タンパク質2、アンフィフィジン1、Crybb2、Ras関連p23、ヘリカーゼRap30、プロテオソームrPA28サブユニットβ、ATPアーゼα-1サブユニット、βA3/A1クリスタリン、βA4クリスタリン、S-アデノシルメチオニンシンターゼ、およびアスパラギンシンターゼからなる群より選択される1つ以上の眼内圧制御初期遺伝子(IPREG)の活性または発現を制御する組成物でさらに治療される、請求項記載の使用。
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