JP5573376B2 - 反射板付きアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、例えばUHF帯の放送電波を送信する反射板付きアンテナに関する。
従来、放送電波を送信するアンテナとして、双ループアンテナやダイポールアンテナ等が知られている。一般にこれらのアンテナは、指向性利得を高めるためにループ素子やダイポール素子等のアンテナ素子を反射板に取り付けて使用される(例えば特許文献1及び2参照)。
特開2003−152424号公報 特開2003−318635号公報
しかし、上記の反射板付きアンテナでは、その単体指向性においてメインローブの裾部分の広がりを抑制することができないため、サービスエリアの干渉が起こるという問題があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、単体指向性におけるメインローブの裾部分の広がりを抑制することができる反射板付きアンテナを提供することを目的としている。
(1)本発明の反射板付きアンテナは、アンテナ素子が反射板の前方に所定間隔をあけて配置された反射板付きアンテナであって、前記反射板は、所定の幅を有する主反射板と、前記主反射板の幅方向両端部において当該主反射板に垂直な面に対して所定の傾斜角度で互いに離反するように斜め前方へ延びる一対の副反射板とを有し、前記主反射板の幅が、設計中心周波数の波長λに対して1.44λ〜1.88λの長さ範囲に設定され、前記副反射板の傾斜角度が、30〜45°の角度範囲に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、主反射板の幅を周波数帯域の設計周波数の波長λに対して1.44λ〜1.88λの長さ範囲に設定するとともに、副反射板の傾斜角度を30〜45°の角度範囲に設定したので、反射板付きアンテナの単体指向性においてメインローブの裾部分の広がりを抑制することができる。
(2)また、前記主反射板の幅は、1.44λ〜1.61λの長さ範囲に設定されていることが好ましい。この場合は、反射板付きアンテナの単体指向性において、サービスエリアを狭くすることなくメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりを抑制することができる。
(3)また、前記副反射板の傾斜角度は、31〜41°の角度範囲に設定されていることが好ましい。この場合は、反射板付きアンテナの単体指向性において、ループアンテナの取付位置が制限されることなくメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりを抑制することができる。
(4)また、前記主反射板の幅は、1.75λ〜1.88λの長さ範囲に設定されていることが好ましい。この場合は、反射板付きアンテナの4面合成指向性のリップルを抑制することができる。また、反射板付きアンテナを増加することなく前記リップルを抑制することができるため、反射板付きアンテナの製造コストを抑制することができるとともに、鉄塔等の反射板付きアンテナの取り付け部において荷重負荷が増大するのを抑制することができる。
(5)また、前記副反射板の前方側端部は、前記アンテナ素子よりも前方に突出していることが好ましい。この場合は、反射板付きアンテナの単体指向性において、メインローブの裾部分の広がりを効果的に抑制することができる。
本発明によれば、反射板付きアンテナの単体指向性においてメインローブの裾部分の広がりを抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係るループアンテナが搭載された鉄塔の正面図である。 ループアンテナの正面図である。 図2のA−A断面図である。 ループ素子から放射される放射ビームを示す概略説明図である。 上記ループアンテナと主反射板の幅を1.40λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと主反射板の幅を1.44λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと主反射板の幅を1.61λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと主反射板の幅を1.74λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと副反射板の傾斜角度を29°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと副反射板の傾斜角度を31°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと副反射板の傾斜角度を41°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと、副反射板の傾斜角度を43°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ループアンテナと副反射板の前方側端部をループ素子よりも後方に位置させたループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るダイポールアンテナの正面図である。 図14のB−B断面図である。 上記ダイポールアンテナと主反射板の幅を1.88λに設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと主反射板の幅を1.94λに設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の傾斜角度を30°に設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の傾斜角度を45°に設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の傾斜角度を52°に設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の前方側端部をダイポール素子よりも後方に位置させたダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと主反射板の幅を1.68λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと主反射板の幅を1.75λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと主反射板の幅を1.88λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと主反射板の幅を1.94λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の傾斜角度を22°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の傾斜角度を30°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の傾斜角度を45°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の傾斜角度を52°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。 上記ダイポールアンテナと副反射板の前方側端部をダイポール素子よりも後方に位置させたダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係る反射板付きアンテナが搭載された鉄塔1の正面図である。図1に示すように、この鉄塔1は、鉄骨製のトラス構造物であり、例えば、給電設備を有する建物2の天井部分に立設されている。この鉄塔1は、下から順に、第1トラス部3、第2トラス部4、第3トラス部5、及び支柱6を備えている。第3トラス部5には、反射板付きアンテナであるループアンテナ10が取り付けられている。また、支柱6には、ターンスタイルアンテナ3等の無指向性の送信アンテナ7が取り付けられている。
ループアンテナ10は、UHF帯(40ch)の放送電波を送信する4L双ループアンテナであり、第3トラス部5の周囲において90°間隔で4面配置されている。図2はループアンテナの正面図であり、図3は図2のA−A断面図である。図2及び図3において、ループアンテナ10は、アンテナ素子であるループ素子11と、ループ素子11に電力を供給する給電部12と、給電部12からループ素子11側に向けて延びる給電線路13と、ループ素子11が前方(図3の上方)に所定間隔をあけて配置された反射板14と、この反射板14にループ素子11を支持する支持器15と、ループ素子11を覆うカバー16とを備えている。
ループ素子11は、金属板によりループ状に形成されている。給電部12は、金属棒からなり、一端部は反射板14に固定され、他端部は給電線路13に接続されている。各給電線路13は、一対の金属板からなり、ループ素子11に接続されている。これにより、給電部12は、給電線路13を介してループ素子11に電力を供給することができる。
図3において、反射板14は、所定の幅Wを有する主反射板14aと、この主反射板14aの幅方向両端部において斜め前方に延びる副反射板14bとによって構成されている。主反射板14aは金属板により形成されており、その幅Wは設計中心周波数の波長λに対して1.44λ〜1.61λの長さ範囲に設定されている。本実施形態では、設計中心周波数は635MHz、波長λは472mmであり、上記幅Wは708mm(=1.50λ)に設定されている。主反射板14aの前面の幅方向両端部にはそれぞれ一対の調整板14cが立設されている。
一対の副反射板14bは、主反射板14aに垂直な面である仮想垂直面Sに対して所定の傾斜角度φで、互いに離反するように斜め前方へ延びている。この傾斜角度φは、31〜41°の角度範囲に設定されており、本実施形態では35°に設定されている。また、各副反射板14bの前方側端部14b1は、ループ素子11よりも前方に突出している。本実施形態では、各副反射板14bの長さLは210mmに設定されており、前記前方側端部14b1はループ素子11よりも前方に30mm突出している。
図4はループ素子11から放射される放射ビームを示す概略説明図である。図4において、ループ素子11から所定の方位角θの方向へ放射される放射ビームには、ループ素子11から前方へ直接放射される第1ビームB1と、ループ素子11から後方に放射されて主反射板14aにより反射される第2ビームB2と、ループ素子11から後方に放射されて副反射板14bにより反射される第3ビームB3とがある。
第1ビームB1〜第3ビームB3を合成した合成レベルは、第1ビームB1と第2ビームB2との光路差、及び第1ビームB1と第3ビームB3との光路差等から演算により求めることができる。このうち、第1ビームB1と第3ビームB3との光路差は、主反射板14aの幅Wと副反射板14bの傾斜角度φをパラメータとして算出することができる(図3参照)。したがって、上記幅W及び傾斜角度φを適宜設定することにより、ループアンテナ10の指向性を調整することができる。
[ループアンテナの指向性]
図5〜図13は、本実施形態のループアンテナと、主反射板の幅W又は副反射板の傾斜角度φ若しくは長さLを変更したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。以下、各図について詳しく説明する。
図5は、本実施形態のループアンテナと、比較例として主反射板の幅Wを1.40λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。この比較例のループアンテナは、本実施形態のループアンテナよりもメインローブの左右60〜90°(60〜90°及び270〜300°)方向の裾部分が広がっている。
図6は、本実施形態のループアンテナと、本発明の変形例として主反射板の幅Wを1.44λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図6の変形例のループアンテナは、図5の比較例のループアンテナよりも前記裾部分の広がりが抑制されている。具体的には、図6の変形例のループアンテナはメインローブの左右70°(70°及び290°)方向のレベルが−20dB未満であるのに対して、図5の比較例のループアンテナはメインローブの左右70°方向のレベルが−20dB以上であり、図6の変形例のループアンテナは、図5の比較例のループアンテナよりも前記裾部分の広がりが抑制されている。図5及び図6より、本実施形態のループアンテナは、主反射板の幅Wが1.44λ以上であれば、メインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図7は、本実施形態のループアンテナと、本発明の変形例として主反射板の幅Wを1.61λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。この変形例のループアンテナは、本実施形態のループアンテナよりもメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりが抑制されている。
図8は、本実施形態のループアンテナと、本発明の変形例として主反射板の幅Wを1.74λに設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図8の変形例と図7の変形例とを比較すると、図7の変形例のループアンテナはメインローブの左右45°(45°及び315°)方向のレベルが−7dB以上であるのに対して、図8の変形例のループアンテナはメインローブの左右45°方向のレベルが−7dB未満となっている。メインローブの左右45°方向のレベルが−7dB未満になった場合、単体のループアンテナではメインローブが細くなり、サービスエリアが狭くなるという問題が生じる。したがって、図7及び図8より、本実施形態のループアンテナは、主反射板の幅Wが1.66λ以下であれば、サービスエリアを狭くすることなくメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図9は、本実施形態のループアンテナと、比較例として副反射板の傾斜角度φを29°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。この比較例のループアンテナは、本実施形態のループアンテナよりもメインローブの左右60〜90°方向の裾部分が広がっている。
図10は、本実施形態のループアンテナと、本発明の変形例として副反射板の傾斜角度φを31°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図10の変形例のループアンテナは、図9の比較例のループアンテナよりも前記裾部分の広がりが抑制されている。具体的には、図10の変形例のループアンテナはメインローブの左右70°方向のレベルが−20dB未満であるのに対して、図9の比較例のループアンテナはメインローブの左右70°方向のレベルが−20dB以上であり、図10の変形例のループアンテナは、図9の比較例のループアンテナよりも前記裾部分の広がりが抑制されている。図9及び図10より、本実施形態のループアンテナは、副反射板の傾斜角度φが31°以上であれば、メインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図11は、本実施形態のループアンテナと、本発明の変形例として副反射板の傾斜角度φを41°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。この変形例のループアンテナは、本実施形態のループアンテナよりもメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりが抑制されている。
図12は、本実施形態のループアンテナと、本発明の変形例として副反射板の傾斜角度φを43°に設定したループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図12の変形例のループアンテナは、図11の変形例のループアンテナと同程度の性能を有しているが、副反射板の傾斜角度φが大きくなるため、ループアンテナを鉄塔に4面配置する際に、隣接するループアンテナの副反射板同士が干渉し易くなり、ループアンテナの取り付け位置が制限されるという問題が生じる。したがって、図11及び図12より、本実施形態のループアンテナは、副反射板の傾斜角度φが41°以下であれば、その取付位置が制限されることなくメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図13は、本実施形態のループアンテナと、比較例として副反射板の長さLを120mmに設定し、その前方側端部をループ素子よりも40mm後方に位置させたループアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。本実施形態のループアンテナは、比較例のループアンテナよりもメインローブの左右70°方向のレベルが−20dB以上であり、裾部分の広がりが抑制されている。これにより、副反射板の前方側端部をループ素子よりも前方に突出させたループアンテナは、ループ素子よりも後方に位置するループアンテナよりも前記裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
〔第2の実施形態〕
図14は本発明の第2の実施形態に係る反射板付きアンテナであるダイポールアンテナを示す正面図であり、図15は図14のB−B断面図である。このダイポールアンテナ20は、UHF帯(14ch)の放送電波を送信する4ダイポールアンテナであり、ループアンテナ10と同様に、鉄塔1の第3トラス部5の周囲において90°間隔で4面配置されている。ダイポールアンテナ20は、アンテナ素子である2対のダイポール素子21と、ダイポール素子21に電力を供給する給電部22と、給電部22からダイポール素子21側に向けて延びる給電線路23と、ダイポール素子21が前方(図15の上方)に所定間隔をあけて配置された反射板24と、この反射板24にダイポール素子21を支持する支持器25と、ダイポール素子21を覆うカバー26とを備えている。
図15において、反射板24は、所定の幅Wを有する主反射板24aと、この主反射板24aの幅方向両端部において斜め前方に延びる副反射板24bとによって構成されている。主反射板24aは金属板により形成されており、その幅Wは設計中心周波数の波長λに対して1.75λ〜1.88λの長さ範囲に設定されている。本実施形態では、設計中心周波数は479MHz、波長λは626mmであり、上記幅Wは1139mm(≒1.82λ)に設定されている。主反射板24aの前面の幅方向両端部には一対の調整板24cが立設されている。
一対の副反射板24bは、主反射板24aに垂直な面である仮想垂直面Sに対して所定の傾斜角度φで、互いに離反するように斜め前方へ延びている。この傾斜角度φは、30〜45°の角度範囲に設定されており、本実施形態では37°に設定されている。また、各副反射板24bの前方側端部24b1は、ダイポール素子21よりも前方に突出している。本実施形態では、各副反射板24bの長さLは300mmに設定されており、前記前方側端部24b1はダイポール素子21よりも前方に94mm突出している。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、上記幅W及び傾斜角度φを適宜設定することにより、ダイポールアンテナ20の指向性を調整することができる。
[ダイポールアンテナの指向性]
図16〜図24は、本実施形態のダイポールアンテナと、主反射板の幅W又は副反射板の傾斜角度φ若しくは長さLを変更したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。以下、各図について詳しく説明する。
図16は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として主反射板の幅Wを1.88λに設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図17は、本実施形態のダイポールアンテナと、比較例として主反射板の幅Wを1.94λに設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図16の変形例と図17の比較例とを比較すると、図16の変形例のダイポールアンテナは、図17の比較例のダイポールアンテナよりもメインローブの裾部分の広がりが抑制されている。図16及び図17より、本発明の反射板付きアンテナは、主反射板の幅Wが1.88λ以下であれば、メインローブの裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図18は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として副反射板の傾斜角度φを30°に設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。変形例のダイポールアンテナは、本実施形態のダイポールアンテナよりもメインローブの裾部分の広がりが抑制されている。上述の図9及び図18より、本発明の反射板付きアンテナは、副反射板の傾斜角度φが30°以上であれば、メインローブの裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図19は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として副反射板の傾斜角度φを45°に設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図20は、本実施形態のダイポールアンテナと、比較例として副反射板の傾斜角度φを52°に設定したダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。図19の変形例と図20の比較例とを比較すると、図19の変形例のダイポールアンテナは、図20の比較例のダイポールアンテナよりもメインローブの裾部分の広がりが抑制されている。図19及び図20より、本発明の反射板付きアンテナは、副反射板の傾斜角度φが45°以下であれば、メインローブの裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図5、図6、図9、図16〜図20より、本発明の反射板付きアンテナは、主反射板の幅Wを1.44λ〜1.88λの長さ範囲に設定するとともに、副反射板の傾斜角度φを30〜45°の角度範囲に設定することにより、反射板付きアンテナの単体指向性において、メインローブの裾部分の広がりが効果的に抑制されることが分かる。
図21は、本実施形態のダイポールアンテナと、比較例として副反射板の長さLを133mmに設定し、その前方側端部をダイポール素子よりも30mm後方に位置させたダイポールアンテナとを比較した単体指向性を示す図である。本実施形態のダイポールアンテナは、比較例のダイポールアンテナよりもメインローブの裾部分の広がりが抑制されている。これにより、副反射板の前方側端部をダイポール素子よりも前方に突出させたダイポールアンテナは、ダイポール素子よりも後方に位置するダイポールアンテナよりもメインローブの裾部分の広がりが抑制されることが分かる。
図22〜図30は、本実施形態のダイポールアンテナと、主反射板の幅W又は副反射板の傾斜角度φ若しくは長さLを変更したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。以下、各図について詳しく説明する。
図22は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として主反射板の幅Wを1.68λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。本実施形態のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップル(落ち込み)は−2dB以上に抑制されているのに対して、変形例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−3dB付近まで落ち込んでいる。
図23は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として主反射板の幅Wを1.75λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。この変形例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−2dB以上に抑制されている。図22及び図23より、本実施形態のダイポールアンテナは、主反射板の幅Wが1.75λ以上であれば、4面合成指向性のリップルが抑制されることが分かる。
図24は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として主反射板の幅Wを1.88λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。この変形例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−2dB以上に抑制されている。
図25は、本実施形態のダイポールアンテナと、比較例として主反射板の幅Wを1.94λに設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。この比較例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−3dB付近まで落ち込んでいる。図24及び図25より、本実施形態のダイポールアンテナは、主反射板の幅Wが1.88λ以下であれば、4面合成指向性のリップルが抑制されることが分かる。
図26は、本実施形態のダイポールアンテナと、比較例として副反射板の傾斜角度φを22°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。この比較例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−3dB付近まで落ち込んでいる。
図27は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として副反射板の傾斜角度φを30°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。この変形例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−2dB以上に抑制されている。図26及び図27より、本実施形態のダイポールアンテナは、副反射板の傾斜角度φが30°以上であれば、4面合成指向性のリップルが抑制されることが分かる。
図28は、本実施形態のダイポールアンテナと、本発明の変形例として副反射板の傾斜角度φを45°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。この変形例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−2dB以上に抑制されている。
図29は、本実施形態のダイポールアンテナと、比較例として副反射板の傾斜角度φを52°に設定したダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。比較例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−3dB付近まで落ち込んでいる。図28及び図29より、本実施形態のダイポールアンテナは、副反射板の傾斜角度φが45°以下であれば、4面合成指向性のリップルが抑制されることが分かる。
図30は、本実施形態のダイポールアンテナと、比較例として副反射板の長さLを133mmに設定し、その前方側端部をダイポール素子よりも30mm後方に位置させたダイポールアンテナとを比較した4面合成指向性を示す図である。本実施形態のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−2dB以上に抑制されているのに対して、比較例のダイポールアンテナの4面合成指向性のリップルは−4dB付近まで落ち込んでいる。これにより、副反射板の前方側端部をダイポール素子よりも前方に突出させたダイポールアンテナは、ダイポール素子よりも後方に位置するダイポールアンテナよりも4面合成指向性のリップルが抑制されることが分かる。
以上、本発明の反射板付きアンテナによれば、主反射板14a,24aの幅Wを1.44λ〜1.88λの長さ範囲に設定するとともに、副反射板14b,24bの傾斜角度φを30〜45°の角度範囲に設定したので、反射板付きアンテナの単体指向性において、メインローブの裾部分の広がりを抑制することができる。
また、副反射板14b,24bの前方側端部14b1,24b1をアンテナ素子(ループ素子11,ダイポール素子21)よりも前方に突出させているため、反射板付きアンテナの単体指向性において、メインローブの裾部分の広がりを効果的に抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係るループアンテナ10によれば、主反射板14aの幅Wを1.44λ〜1.61λの長さ範囲に設定したので、ループアンテナ10の単体指向性において、サービスエリアを狭くすることなくメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりを抑制することができる。
また、副反射板14bの傾斜角度φを31〜41°の角度範囲に設定したので、ループアンテナ10の単体指向性において、ループアンテナ10の取付位置が制限されることなくメインローブの左右60〜90°方向の裾部分の広がりを抑制することができる。
本発明の第2の実施形態に係るダイポールアンテナ20によれば、主反射板24aの幅Wを1.75λ〜1.88λの長さ範囲に設定するとともに、副反射板24bの傾斜角度φを30〜45°の角度範囲に設定したので、ダイポールアンテナ20の4面合成指向性のリップルを抑制することができる。
また、本実施形態のようにダイポールアンテナ20を第3トラス部5に取り付ける場合、第3トラス部5は鉄塔1の鉛直方向に延びる中心軸に対して水平方向外側に大きく張り出しているため、従来は、多面アンテナ等を構成することにより、前記リップルが大きくなるのを抑制していた。これに対して本実施形態では、ダイポールアンテナ20の前記幅Wや前記傾斜角度φを適宜設定することにより、ダイポールアンテナ20を増加することなく前記リップルを抑制することができる。したがって、本実施形態に係るダイポールアンテナ20によれば、従来に比べてその製造コストを抑制することができるとともに、鉄塔1においてダイポールアンテナ20の荷重負荷が増大するのを抑制することができる。
また、副反射板24bの前方側端部24b1をダイポール素子21よりも前方に突出させているため、ダイポールアンテナ20の4面合成指向性のリップルを効果的に抑制することができる。
[その他の変形例]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記第1の実施形態では、ループアンテナを用いているが、ダイポールアンテナや他の反射板付きアンテナを用いてもよい。また、上記第2の実施形態では、ダイポールアンテナを用いているが、ループアンテナや他の反射板付きアンテナを用いてもよい。
また、ループアンテナ及びダイポールアンテナの設計中心周波数は、それぞれ635MHz及び479MHzに設定されているが、その他の周波数に設定されていてもよい。さらに、ループアンテナ及びダイポールアンテナは、UHF帯の放送電波を送信しているが、VHF帯の放送電波を送信するものであってもよい。
さらに、副反射板の前方側端部を、アンテナ素子よりも前方に突出させているが、主反射板の幅や副反射板の傾斜角度を適宜設定することによってメインローブの裾部分の広がりを抑制することができれば、必ずしも前方に突出させる必要はない。
10 ループアンテナ(反射板付きアンテナ)
11 ループ素子(アンテナ素子)
14 反射板
14a 主反射板
14b 副反射板
14b1 前方側端部
20 ダイポールアンテナ(反射板付きアンテナ)
21 ダイポール素子(アンテナ素子)
24 反射板
24a 主反射板
24b 副反射板
24b1 前方側端部
S 仮想垂直面
W 幅
λ 波長
φ 傾斜角度

Claims (5)

  1. アンテナ素子が反射板の前方に所定間隔をあけて配置された反射板付きアンテナであって、
    前記反射板は、所定の幅を有する主反射板と、前記主反射板の幅方向両端部において当該主反射板に垂直な面に対して所定の傾斜角度で互いに離反するように斜め前方へ延びる一対の副反射板とを有し、
    前記主反射板の幅が、設計中心周波数の波長λに対して1.44λ〜1.88λの長さ範囲に設定され、
    前記副反射板の傾斜角度が、30〜45°の角度範囲に設定されていることを特徴とする反射板付きアンテナ。
  2. 前記主反射板の幅が、1.44λ〜1.61λの長さ範囲に設定されている請求項1に記載の反射板付きアンテナ。
  3. 前記副反射板の傾斜角度が、31〜41°の角度範囲に設定されている請求項2に記載の反射板付きアンテナ。
  4. 前記主反射板の幅が、1.75λ〜1.88λの長さ範囲に設定されている請求項1に記載の反射板付きアンテナ。
  5. 前記副反射板の前方側端部が、前記アンテナ素子よりも前方に突出している請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射板付きアンテナ。
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