JP5572914B2 - 直接接合ウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2枚のウェーハを直接接合した構造を有する半導体デバイス用に利用可能な直接接合ウェーハの製造方法に関する。
直接接合ウェーハは、2枚のウェーハを酸化膜層を介さないで貼り合わせた構造を有するものである。これによって、例えば異なる特性を持つ2層でのデバイスの製造が可能になり、デバイス性能の向上、設計の自由度の向上が期待される。例えば方位などが異なる異種のウェーハを貼り合わせた直接接合ウェーハは、2枚の単結晶ウェーハを接着し、必要に応じて数十nm〜数十μmまで片方のウェーハを薄膜化することによって作られる。薄膜化するには機械的研削、化学的機械的研磨、エッチングなどが用いられる。
しかし、ウェーハを厚さ700〜800μmから上記方法で上記厚さまで薄膜化すると、膜厚の均一性が著しく損なわれるという問題がある。
また厚さ500nm以下のシリコン単結晶から成る極薄膜層を有する直接接合ウェーハを製造する際には、そのような極薄膜SOI(Silicon On Insulator)層を有するSOIウェーハのSOI層とウェーハとを直接接合し、元のSOIウェーハのベースウェーハ及びBOX(Buried Oxide、埋め込み酸化膜)層を機械的、化学的に除去する方法もある(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は、高価なSOIウェーハを出発原料として使うことで製造コストが非常に高くなる。
また、薄膜化を行うウェーハであるボンドウェーハの接合面側に水素イオンを注入してからボンドウェーハとベースウェーハとを貼り合わせ、熱処理によって水素注入位置でウェーハを剥離するイオン注入剥離法によって薄膜化する方法もある。
このような直接接合ウェーハの製造において、ボイドやブリスターと呼ばれる接合界面の不良が発生しやすい。ウェーハを接合する際、接合面の少なくとも一方に十分な厚さ(100nm以上)の酸化膜が存在すれば、有機物などに起因した脱ガスがその酸化膜中に取り込まれるため、高温熱処理によるボイドやブリスターの発生は抑制されるが、実質的に酸化膜を介在させない直接接合の場合、このような接合界面の不良が発生しやすく、製造歩留が低下し大きな問題となる。
この欠陥を低減するために、水素イオンの打ち込み深さを深くするという方法があるが、酸化膜が薄いとその効果は十分ではない。
このような欠陥発生の一因として、酸化膜上にある結合子となる水分が知られている。これに対し、シリコン基板どうしの接合工程において、膜はがれやボイドの発生を防止するため、接合するシリコンの表面を疎水化処理して貼り合わせ、加圧下で接触させて接合した後、加熱処理して接合を強化するシリコン基板の接合方法が開示されている(特許文献2参照)。
また、ボイドの少ない強固な貼り合わせを行うため、2枚の鏡面シリコンウェーハを希HF溶液で洗浄し乾燥させることによって表面を水素で終端させ、その表面のH基被覆率θ=60%以上にし、ドライ酸素雰囲気、1200〜1280℃、60分間で熱処理する張り合わせ基板の製造方法が開示されている(特許文献3参照)。
特開平7−58304号公報 特開平8−195334号公報 特開2000−315635号公報
直接接合ウェーハを製造する場合、BOX層を成長させずに貼り合わせを行う必要があり、この場合、ウェーハ表面の自然酸化膜上にある水分がブリスターやボイドなどの欠陥の原因となり得るが、自然酸化膜の有無に関わらず、ブリスターやボイドなどが多発する傾向にあった。すなわち、自然酸化膜では欠陥の発生を抑止するには不十分であり、例えば、前記したようなHF処理を行い、自然酸化膜および水分を除去してから接合した場合においても欠陥の発生を抑止するには不十分である。
その一因としてシリコンウェーハ表面および自然酸化膜上にある結合子とはならない水素が挙げられる。HF処理後のウェーハは水素終端しているので結合力が非常に弱く、それに起因してボイドに代表される欠陥が数多く発生する。特に、ウェーハ表面および自然酸化膜上に水分及び水素が共存する場合にブリスターやボイドなどの界面欠陥が発生しやすい。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない直接接合ウェーハが製造できる製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、ボンドウェーハとベースウェーハとが絶縁膜を介さずに直接貼り合された構造を有する直接接合ウェーハの製造方法であって、少なくとも、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの貼り合わせを行う表面にHF処理を行い、前記表面を水素で終端させる工程と、該水素で終端させる工程の後に、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを不活性ガス中で熱処理して前記終端している水素を前記貼り合わせを行う表面から離脱させる工程と、該水素を離脱させる工程の後に、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを貼り合わせる工程と、ボンドウェーハを薄膜化する工程とを含み、前記ボンドウェーハとベースウェーハとしてシリコンウェーハを用いることを特徴とする直接接合ウェーハの製造方法を提供する(請求項1)。
このように、ボンドウェーハとベースウェーハとが絶縁膜を介さずに直接貼り合された構造を有する直接接合ウェーハの製造方法であって、少なくとも、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの貼り合わせを行う表面にHF処理を行い、前記表面を水素で終端させる工程と、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを不活性ガス中で熱処理して前記終端している水素を前記貼り合わせを行う表面から離脱させる工程と、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを貼り合わせる工程とを含めば、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない直接接合ウェーハを製造することができる。
このとき、前記表面を水素で終端させる工程の前に、前記ボンドウェーハの貼り合わせを行う表面から水素イオンまたは希ガスイオンの少なくとも一方をイオン注入してイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハの薄膜化工程において、前記ボンドウェーハの一部を前記イオン注入層で剥離することができる(請求項2)。
このように、前記表面を水素で終端させる工程の前に、前記ボンドウェーハの貼り合わせを行う表面から水素イオンまたは希ガスイオンの少なくとも一方をイオン注入してイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハの薄膜化工程において、前記ボンドウェーハの一部を前記イオン注入層で剥離すれば、イオンの打ち込み深さを高精度に制御してイオン注入層を形成し、貼り合わせ後のボンドウェーハをそのイオン注入層で剥離して薄膜化することで、残存するボンドウェーハの厚さを高精度に調整して膜厚の均一性を損なうことなく薄膜化することができる。
またこのとき、前記水素を離脱させる工程の後に、水分が注入された雰囲気中で前記水素を離脱させた前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの表面に水分を吸着させ、その後、前記貼り合わせの工程を行うことができる(請求項3)。
このように、前記水素を離脱させる工程の後に、水分が注入された雰囲気中で前記水素を離脱させた前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの表面に水分を吸着させ、その後、前記貼り合わせの工程を行うことで、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの接合強度を高めつつ、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない直接接合ウェーハを製造することができる。
またこのとき、前記ボンドウェーハの薄膜化工程の後の貼り合わせウェーハを不活性ガス雰囲気中で熱処理することができる(請求項4)。
このように、前記ボンドウェーハの薄膜化工程の後の貼り合わせウェーハを不活性ガス雰囲気中で熱処理することで、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの表面に水分を吸着させる工程において、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの表面に酸化膜が成長したとしても、熱処理によって前記酸化膜を除去することができ、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハとが絶縁膜を介さずに直接貼り合された構造を有する直接接合ウェーハを製造することができる。また、薄膜化後の直接接合ウェーハの接合強度を高めることができる。
またこのとき、前記HF処理をHF含有水溶液で行うことができる(請求項5)。
このように、前記HF処理をHF含有水溶液で行えば、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの貼り合わせを行う表面を容易に効率良く水素終端とすることができる。
またこのとき、前記水素を離脱させる工程で使用する不活性ガスとして、露点が−110℃以下の100%アルゴンガスを用いることができる(請求項6)。
このように、前記水素を離脱させる工程で使用する不活性ガスとして、露点が−110℃以下の100%アルゴンガスという、水分や有機物等の不純物成分が含まれるのが極めて抑制された不活性ガスを使用すれば、熱処理による面粗れを十分に防いで面粗れによる界面欠陥の発生を抑制する効果を奏しつつ、前記終端している水素を前記貼り合わせを行う表面から離脱させることができる。
本発明のように、ボンドウェーハとベースウェーハとが絶縁膜を介さずに直接貼り合された構造を有する直接接合ウェーハの製造方法であって、少なくとも、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの貼り合わせを行う表面にHF処理を行い、前記表面を水素で終端させる工程と、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを不活性ガス中で熱処理して前記終端している水素を前記貼り合わせを行う表面から離脱させる工程と、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを貼り合わせる工程と、ボンドウェーハを薄膜化する工程とを含めば、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない直接接合ウェーハを製造することができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
2枚のウェーハを直接接合してなる直接接合ウェーハの製造において、ウェーハ表面の自然酸化膜上にある結合子となる水分および結合子とはならない水素が原因でウェーハにボイド、ブリスターと言われている欠陥が発生してしまうことがあった。特に、ウェーハ表面および自然酸化膜上に水分及び水素が共存する場合にブリスターやボイドなどの界面欠陥が発生しやすい。
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、界面欠陥の発生の一因となるウェーハ表面またはウェーハ表面の酸化膜上にある水分および水素をウェーハの貼り合わせ前に除去すれば、界面欠陥が少ない直接接合ウェーハが製造できることに想到した。すなわち、ウェーハ表面をHF処理して水素終端とし、その後、ウェーハ表面の水素を離脱させてから水分吸着させてウェーハを貼り合わせれば、水分によって接合強度を高めつつ、界面欠陥が少ない直接接合ウェーハが製造できることを見出し、本発明を完成させた。
図1(a)〜(e)は、本発明の第一の実施形態に従った直接接合ウェーハの製造工
程の一例を示すフロー図である。
本発明の直接接合ウェーハの製造方法では、まず、図1(a)のように、ボンドウェーハ1およびベースウェーハ2となる2枚のウェーハを用意する。例えば、シリコン層を有する直接接合ウェーハを製造するためには、ボンドウェーハ1としてシリコンウェーハを用いる。また、ベースウェーハ2としては、ボンドウェーハ1と同様のシリコンウェーハとすることができるが、例えば、シリコンウェーハとは異種のウェーハ、またはボンドウェーハ1と方位が違うシリコンウェーハなどを用いてもよい。シリコンウェーハと異種のウェーハとしては、シリコン−ゲルマニウム混晶ウェーハを挙げることができるが、これに限定されない。方位の違うシリコンウェーハとしては、例えばボンドウェーハを面方位(110)とし、ベースウェーハ2を(100)とすることで、デバイス作製をする薄膜層の面方位が(110)であるので、高速デバイスとすることが可能であり、ベースウェーハ2は(100)を用いることで高温熱処理による反りの発生を防止することができる。このようなシリコンウェーハの表面には、自然酸化膜6が形成されている。
次に、ボンドウェーハ1とベースウェーハ2の少なくとも貼り合わせを行う表面3にHF処理を行う(図1(b))。このHF処理によって、両ウェーハの表面3から自然酸化膜等が除去され、水素終端される。
ここで、HF処理はHF含有水溶液中にウェーハを浸漬させ洗浄することで貼り合わせを行う表面3を含む全面の自然酸化膜を除去することができる。
このように、HF処理をHF含有水溶液を用いて行えば、ボンドウェーハ1とベースウェーハ2の貼り合わせを行う表面3を容易に効率良く水素終端とすることができる。
次に、表面3を水素終端したボンドウェーハ1とベースウェーハ2を不活性ガス中でアニールすることによって、水素を表面3から離脱させてウェーハの活性面を露出させる(図1(c))。
このとき、アニールする際に使用する不活性ガスとして、露点が−110℃以下の100%アルゴンガスを用いることができる。
このように、水分等の不純物成分が含まれるのが極めて抑制されたアルゴンガスを使用すれば、熱処理による面粗れを十分に防いで面粗れによる界面欠陥の発生を抑制する効果を奏しつつ、貼り合わせを行う表面から終端している水素を離脱させることができる。
ここで、アニール温度は、特に限定されないが、例えば400℃程度とすることができる。
次に、ボンドウェーハ1とベースウェーハ2の貼り合わせを行う(図1(d))。貼り合わせは、例えば前工程の不活性ガス雰囲気中で行うことができる。
このように、本発明では、ブリスターやボイドなどの界面欠陥の原因となる水分および水素がウェーハの表面3にほとんどない状態で貼り合わせを行うので、界面欠陥が少ない高品質の直接接合ウェーハを製造することができる。
その後、貼り合わせたボンドウェーハ1を必要に応じて所定の厚さまで、例えば機械的研削、化学的機械的研磨、エッチングなどを用いて、薄膜化することができる(図1(e))。
本発明では、この薄膜化を、後述する第二の実施形態で示すような、少なくともイオン注入剥離法を含む工程により行うこともできる。
図2(a)〜(g)は、本発明の第二の実施形態に従った直接接合ウェーハの製造工程の一例を示すフロー図である。
まず、前記の実施形態と同様に、ボンドウェーハ1とベースウェーハ2となる2枚のウェーハを用意する(図2(a))。
次に、ボンドウェーハ1の貼り合わせを行う表面3から水素イオンまたは希ガスイオンの少なくとも一方をボンドウェーハ1の所定の深さにイオンを注入してイオン注入層5を形成する。ここで、イオン注入を行う前に、ボンドウェーハ1の貼り合わせを行う表面3上に予め熱酸化膜7を形成させておき、その酸化膜を介してイオン注入することもできる(図2(b))。
次に、ボンドウェーハ1およびベースウェーハ2の表面3をHF処理して水素で終端させ(図2(c))、その後、その表面3から水素を離脱させる(図2(d))。ここで、HF処理、水素離脱処理は図1の態様と、それぞれ同様の工程で行うことができる。
このとき、水分が注入された雰囲気中で水素を離脱させたボンドウェーハ1とベースウェーハ2の表面に水分を吸着させてから、後述するウェーハの貼り合わせの工程を行うことができる(図2(e))。
このように、水分が注入された雰囲気中で水素を離脱させたボンドウェーハ1とベースウェーハ2の表面3に水分を均一に吸着させてから、ウェーハの貼り合わせを行えば、ボンドウェーハ1とベースウェーハ2の接合強度を高めることができる。
次に、図2(d)にてボンドウェーハ1とベースウェーハ2の表面3から水素を離脱した状態、あるいは、図2(e)にて水素が離脱したボンドウェーハ1とベースウェーハ2の表面3に水分を吸着させた状態で、ウェーハの貼り合わせを行う(図2(f))。
このように、ボンドウェーハ1とベースウェーハ2の表面3から水素を離脱した状態で貼り合わせを行えば、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない高品質の直接接合ウェーハを製造することができる。また、水素が離脱したボンドウェーハ1とベースウェーハ2の表面3に水分を吸着させた状態では、界面欠陥が発生し易い水分と水素が共存した状態と比較して、同程度の接合強度を保ちつつ、界面欠陥を十分に抑制することができる。すなわち、界面欠陥が少ない高品質の直接接合ウェーハを製造することができる。
このとき、水分吸着後貼り合わせた場合は、貼り合わせ界面に自然酸化膜6が形成されていることになる。
次に、貼り合わせを行ったウェーハ4を、例えば500℃程度にて熱処理を行い、ボンドウェーハ1の一部をイオン注入層で剥離して、薄膜化する(図2(g))。
このように、イオン注入剥離法により薄膜化を行えば、極めて均一な厚さ分布を有する薄膜を得ることができる。
このとき、図2(h)にてボンドウェーハ1の一部を剥離して薄膜化した後の貼り合わせウェーハ4を高温の不活性ガス雰囲気中で熱処理することができる(図2(g))。
図2(e)にて、ボンドウェーハ1とベースウェーハ2の表面3に水分を吸着させた場合には、そのウェーハの表面3に酸化膜6が成長し、この酸化膜6が貼り合わせウェーハ4の界面に残存してしまうことがある。本発明では、このような場合に、貼り合わせウェーハ4を高温の不活性ガス雰囲気中で熱処理することによって、界面の酸化膜6を除去し、直接接合ウェーハを製造することができる。また、これによって貼り合わせウェーハ4、すなわち、直接接合ウェーハの接合強度を高めることができる。
以上説明したように、本発明では、ボンドウェーハとベースウェーハとが絶縁膜を介さずに直接貼り合された構造を有する直接接合ウェーハの製造方法であって、少なくとも、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの貼り合わせを行う表面にHF処理を行い、前記表面を水素で終端させる工程と、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを不活性ガス中で熱処理して前記終端している水素を前記貼り合わせを行う表面から離脱させる工程と、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを貼り合わせる工程と、ボンドウェーハを薄膜化する工程とを含むので、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない直接接合ウェーハが製造できる。
本発明において上記のようになる詳細な作用は明確ではないが、ウェーハ表面をHF処理することにより、不均一に形成されている自然酸化膜を完全に除去し、ウェーハ最表面のシリコン原子を均一に水素終端させて一旦表面を疎水性にした後、不活性ガス中でウェーハを加熱することで、ウェーハ最表面に終端された水素を離脱することができ、かつ、その最表面を他の元素に覆われることなく活性化することができる。
従って、その様に活性化された表面状態でウェーハ同士を貼り合せることで欠陥の少ない直接接合ウェーハの作製が可能になると考えられる。また、活性化された状態の最表面に水分を供給すれば、結合子となる水分が最表面に均一に吸着した表面状態となるので、同様に、欠陥の少ない直接接合ウェーハの作製が可能になると考えられる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
直接接合ウェーハを製作するためのウェーハとして、直径300mmの面方位(110)と面方位(100)ウェーハを用意し、薄膜化が行われるボンドウェーハに面方位(110)を、支持基板となるベースウェーハに(100)を用いた。
次に、予めボンドウェーハの表面に熱酸化により酸化膜を50nm成長させ、その後、ボンドウェーハの表面から酸化膜を介して、水素イオンの打ち込みを行った。ここで、水素イオンの注入条件はドーズ量7×1016atoms/cm、加速エネルギーは35keVとした。
次に、これらのウェーハを5%希フッ酸で50nmの酸化膜及び自然酸化膜を除去して水素終端した。その後、これらのウェーハを熱処理及び貼り合わせを行うチャンバー内へ投入し、露点が−110℃以下のアルゴンガス中でアニールを行い、ウェーハ表面の水素を離脱させた。ここで、アニール温度は400℃とした。
次に、それらのウェーハを引き続きアルゴンガス中で貼り合わせを行った。
次に、貼り合わせたウェーハを剥離熱処理し薄膜化を行った。ここで、熱処理条件は500℃で30分間とした。
その結果、得られた直接接合ウェーハの表面を目視及び光学顕微鏡により観察したが、ボイドやブリスター等の界面欠陥は観察されなかった。
このようにして、本発明の直接接合ウェーハの製造方法は、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない直接接合ウェーハを製造することができることが確認できた。
(実施例2)
実施例1と同一仕様の2つのウェーハを用い、露点が−110℃以下のアルゴンガス中でアニールしてウェーハ表面の水素を離脱する工程までは実施例1と同一の工程を行った後、チャンバー内の温度を200℃以下に降温した状態でスチームを注入してウェーハ表面に水分を吸着させた。この際、両ウェーハの表面に薄い酸化膜が形成された状態となった。
次に、それらのウェーハを引き続きアルゴンガス中で貼り合わせを行った。
次に、貼り合わせたウェーハを剥離熱処理を行った。ここで、熱処理条件は500℃で30分間とした。
その結果、得られた貼り合わせウェーハの表面を目視及び光学顕微鏡により観察したが、ボイドやブリスター等の界面欠陥は観察されなかった。
次に、貼り合わせウェーハは貼り合わせ界面に薄い酸化膜を有するので、それを除去して直接接合ウェーハを得るため、アルゴンガス雰囲気中で、1200℃、2時間の熱処理を行った。
熱処理後の直接接合ウェーハの表面を再び目視及び光学顕微鏡により観察したが、ボイドやブリスター等の界面欠陥は発生していなかった。また、界面を透過型電子顕微鏡で観察した結果、酸化膜は完全に除去されており、直接接合ウェーハが形成されていることが確認された。
このようにして、本発明の直接接合ウェーハの製造方法は、ボイドやブリスターなどの界面欠陥が少ない直接接合ウェーハを製造することができることが確認できた。
(比較例)
実施例1と同一仕様の2つのウェーハを用い、露点が−110℃以下のアルゴンガス中でアニールしてウェーハ表面の水素を離脱する工程を除いた実施例1と同一の工程を行って直接接合ウェーハを作製した。そして、その結果得られた直接接合ウェーハの界面欠陥の状態を観察を行ったところ、この直接接合ウェーハにはブリスター及びボイドが多発していることが確認できた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の直接接合ウェーハの製造工程の一例を示すフロー図である。 本発明の直接接合ウェーハの製造工程の別の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1…ボンドウェーハ、2…ベースウェーハ、3…貼り合わせ表面、
4…貼り合わせウェーハ、5…イオン注入層、6…自然酸化膜、
7…熱酸化膜。

Claims (6)

  1. ボンドウェーハとベースウェーハとが絶縁膜を介さずに直接貼り合された構造を有する直接接合ウェーハの製造方法であって、少なくとも、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの貼り合わせを行う表面にHF処理を行い、前記表面を水素で終端させる工程と、該水素で終端させる工程の後に、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを不活性ガス中で熱処理して前記終端している水素を前記貼り合わせを行う表面から離脱させる工程と、該水素を離脱させる工程の後に、前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハを貼り合わせる工程と、ボンドウェーハを薄膜化する工程とを含み、前記ボンドウェーハとベースウェーハとしてシリコンウェーハを用いることを特徴とする直接接合ウェーハの製造方法。
  2. 前記表面を水素で終端させる工程の前に、前記ボンドウェーハの貼り合わせを行う表面から水素イオンまたは希ガスイオンの少なくとも一方をイオン注入してイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハの薄膜化工程において、前記ボンドウェーハの一部を前記イオン注入層で剥離することを特徴とする請求項1に記載の直接接合ウェーハの製造方法。
  3. 前記水素を離脱させる工程の後に、水分が注入された雰囲気中で前記水素を離脱させた前記ボンドウェーハと前記ベースウェーハの表面に水分を吸着させ、その後、前記貼り合わせの工程を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直接接合ウェーハの製造方法。
  4. 前記ボンドウェーハの薄膜化工程の後の貼り合わせウェーハを不活性ガス雰囲気中で熱処理することを特徴とする請求項3に記載の直接接合ウェーハの製造方法。
  5. 前記HF処理をHF含有水溶液で行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の直接接合ウェーハの製造方法。
  6. 前記水素を離脱させる工程で使用する不活性ガスとして、露点が−110℃以下の100%アルゴンガスを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の直接接合ウェーハの製造方法。
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