JP5572550B2 - 水性乳化重合によるフルオロポリマー調製方法 - Google Patents

水性乳化重合によるフルオロポリマー調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、フルオロポリマー、すなわち部分的に又は完全にフッ素化された主鎖を有するポリマーを作るための、フッ素化モノマーの水性乳化重合に関する。特に、本発明は、乳化剤と、大きな粒径のポリマーが短い稼動時間で生じる有機フッ素化液体とを使用する、水性乳化重合プロセスに関する。
広く知られている又は商業的に利用されているフルオロポリマーには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー(FEPポリマー)、ペルフルオロアルコキシコポリマー(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)コポリマー、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びフッ化ビニリデンのターポリマー(THV)、並びにポリフッ化ビニリデンポリマー(PVDF)が挙げられる。商業的に利用されているフルオロポリマーにはまた、フルオロエラストマーが挙げられる。フルオロポリマー及びこれらの適用形態は更に、「現代のフルオロポリマー(Modern Fluoropolymers)」(ジョン・シェアーズ(John Scheirs)編、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons Ltd.)、1997年)又は「フルオロプラスチックス(Fluoroplastics)」(サイナ・エブネサジャッド(Ebnesajjad, Sina)、プラスチックス・デザイン・ライブラリー(Plastics Design Library)、米国ニューヨーク州ノーリッチ(Norwich)、2003年)に記載されている。このようなフルオロポリマーの調製は一般に、ガス状モノマー、すなわち温度及び圧力の周囲条件下で気体として存在するモノマーの重合を伴う。フルオロポリマーを製造するのに、いくつかの方法が既知である。このような方法には、懸濁重合(例えば米国特許3,855,191号、同第4,439,385号及び欧州特許第649 863号に開示されている)、水性乳化重合(例えば米国特許3,635,926号及び同第4,262,101号に開示されている)、溶液重合(例えば米国特許3,642,742号、同第4,588,796号及び同第5,663,255号)、超臨界液体を使用する重合(例えば日本特許第46011031号及び欧州特許第964 009号に開示されている)及び気相における重合(例えば米国特許第4,861,845号に開示されている)が挙げられる。
現在、フルオロポリマーのために最も広く利用されている重合方法には、懸濁重合と特に水性乳化重合が挙げられる。水性乳化重合では、反応速度を加速するために及び形成されたポリマー粒子を安定化させるために一般に使用されるフッ素化乳化剤の存在下で、重合が遂行される。
しかしながら、フッ素化乳化剤は高価な物質であり、これらの使用を低減すべく様々な試みが行われてきている。特定の非乳化フッ素化化合物、いわゆる「ドーピング剤」が反応混合物に添加されており、この反応混合物は、乳化剤の量の低減を可能にしながら反応速度も増加させる。しかしながら、ドーピング剤の存在はまた、欧州特許第1 245 596号に示されるように、形成されるフルオロポリマーの粒径の低減を導く。例えば、所与の固体含量でのフルオロポリマーの粒子は、ドーピング剤が使用される時の方が、ドーピング剤なしで遂行される同一の反応と比較して、小さい。例えば、米国特許第5,895,799号では、ドーピング剤として使用される脂肪族又は芳香族の完全フッ素化炭化水素は、乳化剤に対しておよそ1:1の重量比で使用される時に80nm以下の粒径を有するフルオロポリマーを導くことが報告されている。ペルフルオロポリエーテルの形態のドーピング剤は、約70nm未満の粒子を導くことが報告されている(欧州特許第250 767号)。
小さなフルオロポリマー粒子の生成は、多くの適用形態において望ましいことがあり、ドーピング剤は、粒径を低減するというその既知の効果により、この目的のために利用されている。
しかしながら、いくつかの適用形態では、より小さなフルオロポリマー粒子よりもむしろより大きなフルオロポリマー粒子の形成が所望される。このような適用形態には、例えば、厚いフルオロポリマーコーティングが必要とされる適用形態が挙げられる。厚いコーティングは、大きな粒径を有するフルオロポリマーを使用すると、より少ないコーティング工程で調製できる。他の適用形態では、二峰性粒径分布、例えば1つのポリマー母集団が小さな粒径を有し、別のポリマー母集団が大きな粒径を有するフルオロポリマー組成が望ましいが、それはこのような分散体が特に緻密なコーティングを導くことができるからである。
したがって、所与の反応時間又は固体含量でより大きなポリマー粒子を形成できるドーピング剤を使用する水性乳化重合によるフルオロポリマーの調製プロセスを提供することが望ましいであろう。このプロセスを、広く利用されるフッ素化乳化剤で実行できることが更に望ましい。
以下では、フッ素化乳化剤の存在下で、水相における1つ以上のフッ素化モノマーの乳化重合を介してのフルオロポリマーの製造方法が提供される。
特に、1つ以上のフッ素化モノマーの乳化重合における所与の反応でのフルオロポリマーの粒径の増加方法が提供される。
また、水性乳化重合におけるフルオロポリマーの粒径の制御方法も提供される。
したがって、フッ素化乳化剤の存在下で水相における1つ以上のフッ素化モノマーの乳化重合によるフルオロポリマーの製造方法が提供され、この方法は、乳化剤に対して約1:2〜約1:20の重量比でドーピング剤を添加する工程を含み、このドーピング剤は、30℃以下の融点及び少なくとも約100℃の沸点を有し、
(i)フッ素化環式炭化水素、
(ii)式:
CF=CF−(CF−O(R O)(R O) (I)
のフッ素化ポリオキシアルケン、
(iii)式:
C−C(R )=C(R )(R ) (II)
のフッ素化アルケン、
(iv)式:
−O−R −O−R (III)
のフッ素化ポリオキシアルカン、
(式中、
及びR は、3〜6個のC原子の異なるペルフルオロアルキル基であり、
lは、0又は1であり、m及びnは、独立して0〜10であり、かつn+mは、>2又は>3であり、
は、1〜6個のC原子のペルフルオロアルキル基であり、
及びR は、独立して1〜6個のC原子のフッ素化アルキル基であり、
は、F又は1〜6個のC原子のフッ素化アルキル基であり、
及びR は、独立して2〜5個のC原子のフッ素化アルキル基であり、
は、2〜4個のC原子の分枝鎖完全フッ素化アルキル基である)
からなる群から選択される。
ドーピング剤
ドーピング剤は、重合条件下で液体であるフッ素化化合物である。典型的には、ドーピング剤は、30℃以下、好ましくは25℃以下の融点、及び少なくとも約100℃、好ましくは少なくとも約150℃、より好ましくは少なくとも約160℃の沸点を有する。ドーピング剤は、好ましくは350℃未満、300℃未満、より好ましくは260℃未満の沸点を有する。本明細書で表現する融点及び沸点は、周囲気圧(101kPa(1気圧))におけるものである。ドーピング剤は、少なくとも6個の、及び最大30個の又は最大20個の炭素原子を含んでもよい。ドーピング剤は、フッ素化環式炭化水素、フッ素化非環式炭化水素、フッ素化ポリオキシアルケン及びフッ素化ポリオキシアルカンからなる群から選択してもよい。
ドーピング剤は、置換されなくてもよく、あるいは1つ以上の、同一の又は異なる、部分フッ素化若しくは完全フッ素化アルキル、アルコキシ又はポリオキシアルキル残基で置換されてもよい。好ましくは、ドーピング剤は、テロゲン性ではない。
「完全フッ素化」又は「完全フッ素化化合物」により、対応する脂肪族又は芳香族炭化水素中の炭素に結合した全ての水素原子がフッ素原子により置換されていることが意味され、一方で、「部分フッ素化」は、一部の水素原子のみがフッ素に置換されていることを意味する。例えば、本明細書で使用される時、「完全フッ素化エチレン」は、式:F2C=CF2を指し、これは本明細書で使用される時の意味では「完全フッ素化炭化水素」の部類に属する。
本明細書で使用される時、接頭辞「ペルフルオロ」を有する化合物は、完全フッ素化化合物を指し、例えば、「ペルフルオロメチル残基」は、−CFを表す。
「部分フッ素化エチレン」は、FHC=CF、CFH=CFH、FHC=CHを表す。これらの化合物は、「部分フッ素化」炭化水素の部類に属する。
「フッ素化」により、化合物がフッ素を含有するが、完全フッ素化であっても又は部分フッ素化であってもよいことが意味される。
特に言及がない限り、本明細書で使用する時、用語「完全フッ素化」、「フッ素化」又は「部分フッ素化」「炭化水素」は、C、F及びH以外の原子の存在を除外する。
種々の置換又は非置換フッ素化化合物の調製は、例えばドイツ特許出願DE 2 000 830号、米国特許第4,777,304号及び欧州特許出願第0 253 529号及び同0 190 393号に、並びにテトラヒドロン(Tetrahedron)、19巻、1893頁(1963年)に記載されている。完全フッ素化液体はまた、例えば、3M(米国ミネソタ州セントポール(St. Paul))から市販されている。
環式ドーピング剤
ドーピング剤は、部分的にフッ素化若しくは完全にフッ素化されたシクロアルカン又はアレーンであってもよく、これらは上記のように非置換であっても又は置換であってもよい。シクロアルカンは飽和であっても又は不飽和であってもよい。好ましくは、ドーピング剤は、完全フッ素化シクロアルカン又は完全フッ素化アレーンであり、これらは一環式、二環式、三環式又は多環式であってもよく、及び上記のように非置換であっても又は置換であってもよい。
好適な完全フッ素化アレーンの例には、オクタフルオロナフタレン、オクタフルオロトルエン、ヘキサフルオロベンゼンが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なフッ素化三環式アルカンの具体例には、ペルフルオロペルヒドロフェナントレン(C14F24)、ペルフルオロペルヒドロフルオレン(C13F22)が挙げられるが、これらに限定されない。
好適なフッ素化二環式炭化水素の具体例には、ペルフルオロペルヒドロナフタリン(perfluoroperhydronapththalines)、例えばペルフルオロデカリン(C10F18)、ペルフルオロメチルデカリン(C11F20)、ペルフルオロブチルデカリン(C14F26)が挙げられるが、これらに限定されない。
好適な一環式炭化水素の具体例には、ペルフルオロジメチルシクロヘキサン(C8F16)、ペルフルオロメチルシクロヘキサン(C7F14)、ペルフルオロジメチルシクロブタン(C6F12)が挙げられるが、これらに限定されない。
環式ドーピング剤は、約1000g/mol未満、又は約500〜約800g/molの分子量を有してもよい。
非環式不飽和ドーピング剤
ドーピング剤はまた、一般式:
CF=CF−(CF−O(R O)(R O)
(式中、R 及びR は、3〜6個の炭素原子の異なる直鎖又は分枝状ペルフルオロアルキレン基であり、
lは、0又は1のいずれかであり、
m及びnは、独立して0〜10であり、かつnとmの和は、2を超えるか又は3を超え、
は、1〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝状ペルフルオロアルキル基である)
を有する不飽和ペルフルオロエーテル又はペルフルオロポリエーテルであってもよい。
具体例には、
CF3−CF2−CF2−(O−CF(−CF3)−CF2)2−O−CF=CF2(PPVE−3)、
CF3−CF2−CF2−(O−CF(−CF3)−CF2)3−O−CF=CF2(PPVE−4)、
CHF2−CF2−CF2−(O−CF(−CF3)−CF2)1−O−CF=CF2 (HPPVE−2)、
CHF2−CF2−CF2−(O−CF(−CF3)−CF2)2−O−CF=CF2(HPPVE−3)
が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましくは、不飽和ペルフルオロエーテルが、ポリマー内に組み入れられないか、又は少なくとも最大300分の稼動時間にポリマー内に組み入れられない。
ドーピング剤はまた、一般式:
C−C(R )=C(R )(R
(式中、
及びR は、互いに独立してフッ素若しくは完全フッ素化又は部分フッ素化の、直鎖又は分枝状アルキル基を表し、好ましくは1つの基は1〜6個の、好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、
は、1〜6個の炭素原子の、好ましくはメチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基の、完全フッ素化の、直鎖又は分枝状アルキル基を表す)に対応する完全フッ素化分枝状アルケンであってもよい。
具体例には、
C(−CF3)(−CF3)=CF−CF2−CF3(HFP−二量体)、
C(−CF3)2=C(−CF2−CF3)(−CF(−CF3)2)(HFP−三量体)
が挙げられるが、これらに限定されない。
直鎖不飽和ドーピング剤は、1000g/mol未満又は約500g/mol未満又は約450g/mol未満の分子量を有してもよい。
非環式飽和ドーピング剤
ドーピング剤は更に、一般式:
−O−R −OR
(式中、
及びR は、異なっているか又は同一であることができ、かつ2〜5個の炭素原子を含む部分フッ素化若しくは完全フッ素化の直鎖又は分枝状アルキル基を表し、
は、2〜4個の炭素原子を有する分枝状完全フッ素化アルキレン基を表す)を有する飽和フッ素化ポリエーテル、すなわちポリオキシアルカンであってもよい。
具体例には、
CHF2−CF2−CF2−O−CF(−CF3)−CF2−O−CFH−CF3(HTFEE−2)、
CHF2−CF2−CF2−O−CF(−CF3)−CF(−CF3)−O−CF2−CF2−CHF2、
CF3−CF2−CF2−O−CF(−CF3)−CF(−CF3)−O−CF2−CF2−CF3
が挙げられるが、これらに限定されない。
飽和ドーピング剤は、1000g/mol未満又は約500g/mol未満又は約450g/mol未満の分子量を有してもよい。
フッ素化乳化剤
本発明のプロセスは、ペルフルオロオクタン酸及びそれらの塩並びにペルフルオロオクタンスルホン酸及びそれらの塩などの広く利用されているフッ素化界面活性剤と適合性があるという利点を有する。その上、このプロセスは、少量の乳化剤で稼動することができ、それでも依然として凝塊を低減した高分散安定性を示す望ましいポリマー固体を生産する。
一般に、このプロセスは、分散体の水相に基づいて5重量%未満又は1重量%未満のフッ素化乳化剤の量で遂行できる。フッ素化乳化剤の典型的な量は、0.02〜0.9重量%である。
本明細書に提供される方法は、特定のフッ素化乳化剤に制限されない。使用してもよい典型的なフッ素化乳化剤には、式:
Y−Rf−Z−M (IV)
(式中、
Yは、水素、Cl又はFを表し、
Rfは、4〜10個のC原子を有する直鎖又は分枝状完全フッ素化アルキレンを表し、
Zは、COO又はSO3を表し、かつ
Mは、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンなどの一価カチオンを表す)
を有するものが挙げられる。
フルオロポリマーの水性重合に使用してもよい他のフッ素化乳化剤には、一般式:
[Rf’−O−L−COOi+ (V)
(式中、
Lは、部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖のアルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、
f’は、部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖の脂肪族基、又は1個以上の酸素原子に割り込まれた部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖の脂肪族基を表し、
i+は価数iを有するカチオンを表し、iは1、2又は3である)
に対応するフッ素化カルボン酸又はそれらの塩が挙げられる。
カチオンの例には、H、アンモニウム、一価金属カチオン、二価金属カチオン及び三価カチオンが挙げられる。典型的なカチオンは、H、K、Na、及びNH である。
簡便化のために、用語「フッ素化カルボン酸」は本明細書では以後、遊離の酸並びにその塩を示すために使用する。一般に、フッ素化カルボン酸は、低分子量化合物であり、例えば1000g/mol以下の、典型的には600g/mol以下の化合物のアニオン部分に関する分子量を有する化合物であり、特定の実施形態では、フッ素化カルボン酸のアニオンは、500g/mol以下の分子量を有してもよい。
この種のフッ素化乳化剤及びこれらの調製は、ヒンツァー(Hintzer)らによる米国特許公開第2007/0015937号に非常に詳細に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
式(V)による化合物の具体例には、
−O−CHF−COOH:
−O−CHF−COOH、CF−O−CFCF−CF−O−CHF−COOH、CFCFCF−O−CFCF−CF−O−CHF−COOH、CF−O−CF−CF−O−CHF−COOH、CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−COOH、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−COOH、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−COOH;
−O−CHF−CF−COOH:
CF−O−CHF−CF−COOH、CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−COOH、CF−CF−O−CHF−CF−COOH、CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−COOH、CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−COOH、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−COOH、CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−COOH;
−O−CF−CHFCOOH:
CF−O−CF−CHF−COOH、C−O−CF−CHF−COOH、CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−COOH、CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−COOH、CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−COOH、CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−COOH;
−O−CF−CHF−CFCOOH:
CF−O−CF−CHF−CF−COOH、C−O−CF−CHF−CF−COOH、C−O−CF−CHF−CF−COOH、CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−CF−COOH、CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−COOH、CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−COOH、CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−COOH;
−(O)−CHF−CF−O−(CH−COOH、n=1、2又は3、m=0又は1:
CF−O−CHF−CF−O−CH−COOH、CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−O−CH−COOH、C−O−CHF−CF−O−CH−COOH、C−O−CHF−CF−O−CH−CH−COOH、C−O−CF−CF−O−CHF−CF−OCHCOOH、C−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−OCHCOOH、C−O−CF−CHF−CF−OCHCOOH、CF−CHF−CF−O−CHCOOH、C−CF−CHF−CF−OCH−COOH、CF−O−CF−CF−O−CH−COOH、CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CF−O−CH−COOH、C−O−CF−CF−O−CH−COOH、C−O−CF−CF−O−CH−CH−COOH、C−O−CF−CF−O−CF−CF−OCHCOOH、C−O−CF−CF−CF−O−CF−CF−OCHCOOH、C−O−CF−CF−CF−OCHCOOH、C−O−CH−COOH、C−O−CH−CH−COOH、C−O−CHCOOH、C13−OCH−COOH、R−O−CF−CF−COOH、CF−O−CF−CF−COOH、C−O−CF−CF−COOH、C−O−CF−CF−COOH、
−O−CF−CF−COOH、
−(O−CF−O−CF−COOH、uは、1、2、又は3:
CF−(O−CF−O−CF−COOH、CF−(O−CF−O−CF−COOH、CF−(O−CF−O−CF−COOH;
−(O−CF−CF−O−CF−COOH、kは、1、2又は3:
CF−(O−CF−CF−O−CF−COOH、C−(O−CF−CF−O−CF−COOH、C−(O−CF−CF−O−CF−COOH、C−(O−CF−CF−O−CF−COOH、C−(O−CF−CF−O−CF−COOH、CF−(O−CF−CF−O−CF−COOH、C−(O−CF−CF−O−CF−COOH、C−(O−CF−CF−O−CF−COOH;
−O−CF−COOH:
−O−CF−COOH、CF−O−CF−CF−CF−O−CF−COOH;
CF−CHF−O−(CF−COOH、oは、1、2、3、4、5又は6の整数:
CFCFH−O−(CF−COOH、CFCFH−O−(CF−COOH
CF−CF−O−(CF−COOH、oは、上記の通り:
CF−CF−O−(CFCOOH、CF−CF−O−(CFCOOH、
が挙げられる。
上記リストの化合物は酸のみを列挙しているが、対応する塩、特にNH 塩、カリウム塩、ナトリウム塩又はリチウム塩も同様に使用できることが分かる。
重合
水性乳化重合は、ドーピング剤及び乳化剤の存在下で遂行される。
ドーピング剤は、約1:2〜1:20、好ましくは約1:5〜約1:15のドーピング剤と乳化剤の重量比で、存在する。
好ましくは、水性乳化重合で使用されるフッ素化乳化剤の少なくとも一部が(好ましくは水性)混合物の形態において水相に添加される。混合物は、フッ素化乳化剤の(好ましくは水性)溶液をドーピング剤と混合することにより、調製してもよい。好ましくは、混合物は、エマルション、より好ましくは1000nm未満の平均液滴直径を有するエマルションである。このようなエマルションは、乳化装置、例えばマイクロフルーイディックス(Microfluidics)から入手できるもの(マイクロフルーイダイザー(登録商標)高剪断プロセッサ、マイクロフルーイディックス(ドイツ、ランペルトシャイム(Lampertsheim))を使用することにより調製してもよい。好適なエマルションを調製するための別の方法は、乳化剤とドーピング剤との(好ましくは水性)混合物の熱処理により、必要であれば、濾過が続く。
ドーピング剤は、重合の初期段階の間の様々な時点で添加することができる。当業者であれば、添加に最適な時点を容易に決定できる。例えば、ドーピング剤は、反応槽からの排気に先立って、又は反応槽からの排気後に、添加することができる。ドーピング剤はまた、ガス状フッ素化モノマーによる反応槽内の圧力の増加後に添加してもよい。ドーピング剤及び乳化剤は、例えば重合の開始に先立って、すなわち一般に反応開始剤が重合に添加される前に、存在してもよい。あるいは、ドーピング剤及び乳化剤は、反応槽への開始剤の添加と同時に又は直後(例えば、約2分まで)に添加してもよい。好ましくは、ドーピング剤は、反応槽に短時間で、例えば5〜10分間で添加される。
このプロセスは一般に、同一の反応時間(稼動時間)又は同一の固体含量、例えば分散体の総重量に基づいて10重量%の固体含量に到達した時に、ドーピング剤なしで遂行される同一の重合反応と比較して、より大きな粒子の生成を導く。
典型的には、分散体の総量に基づいて10重量%の固体含量において、100nmを超えるか又は130nmを超えるか又は120〜約350nmのポリマー粒径(動的光散乱により測定される平均サイズ)がこのプロセスにより形成され得る。
したがって、比較的大きな粒子は、水性乳化重合により直接形成することができ、すなわち約100nmを超えるか又は約130nmを超える平均サイズを有する粒子を得るためのシード重合又はコア/シェル重合技術に頼る必要がない。
本明細書に提供される方法は、水性乳化重合に関して標準的な条件下で効率的に実行できるが、マイクロエマルション条件下でも遂行できる。
水性乳化重合プロセスは一般に、広く既知のやり方で行われる。好ましい重合温度は、10℃〜100℃、好ましくは20℃〜90℃であり、圧力は、400〜3000kPa(4〜30bar)、特に800〜2000kPa(8〜20bar)である。
水性乳化重合プロセスは、任意の既知のフルオロポリマー、すなわち部分的に又は完全にフッ素化された主鎖を有するポリマーを製造するために、使用することができる。特に、水性乳化重合プロセスは、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びクロロトリフルオロエチレンなどのガス状フッ素化モノマーのホモポリマー及びコポリマーを製造するために、使用することができる。好適なコモノマーにはヘキサフルオロプロペン、ペルフルオロビニルエーテルなどのフッ素化モノマーが挙げられ、ペルフルオロビニルエーテルには、ペルフルオロメチルビニルエーテル及びペルフルオロ−n−プロピルビニルエーテルなどのペルフルオロアルキルビニルエーテル、並びに一般式:CF=CFO(RO)(R’O)R”(式中、R及びR’は、2〜6個の炭素原子の異なる直鎖又は分枝状ペルフルオロアルキレン基であり、m及びnは、独立して0〜10であり、かつnとmの和は、少なくとも1であり、R”は、1〜6個の炭素原子のペルフルオロアルキル基である)に対応するものなどのペルフルオロアルコキシビニルエーテルが挙げられる。コモノマーとして使用できる非フッ素化モノマーには、例えばエチレン及びプロピレンが挙げられる。本発明のプロセスは、ポリテトラフルオロエチレン、フルオロエラストマー並びにフルオロサーモプラストを製造するために使用することができる。
好ましくは、この方法は、ポリテトラフルオロエチレンホモポリマー又はポリテトラフルオロエチレンコポリマーを調製するために使用される。好ましくは、コポリマー量は、モノマーの総量に基づいて15重量%を下回るか又は10重量%を下回る。
重合は一般に、フリーラジカルを発生する反応開始剤を使用することによって開始する。反応開始剤として、TFEの重合に広く利用される任意の既知の反応開始剤を使用できる。例えば過酸化物をフリーラジカル反応開始剤として使用することができる。過酸化物反応開始剤の具体例には、過酸化水素、過酸化ナトリウム又は過酸化バリウム、過酸化ジアシル(過酸化ジアセチル、過酸化ジプロピオニル、過酸化ジブチリル、過酸化ジベンゾイル、ベンゾイルアセチルペルオキシド、ジグルタル酸ペルオキシド及び過酸化ジラウロイル(dilaurylperoxide)など)、並びに更には水溶性過酸及びそれらの水溶性塩(例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩)が挙げられる。過酸の例としては、過酢酸が挙げられる。過酸のエステルも同様に使用することができ、それらの例としては、tert−ブチルペルオキシアセテート、及びtert−ブチルペルオキシピバレートが挙げられる。使用することができる開始剤の更なるクラスは、水溶性アゾ化合物である。反応開始剤としての使用に好適なレドックス系には、例えばペルオキソ二硫酸塩と亜硫酸水素塩又は二亜硫酸水素塩との組み合わせ、チオ硫酸とペルオキソ二硫酸塩との組み合わせ、ペルオキソ二硫酸塩とヒドラジン又はアゾジカルボキサミドとの組み合わせ(それらの塩、好ましくはアルカリ又はアンモニウム塩を含む)が挙げられる。使用できる更なる反応開始剤には、過マンガン酸若しくはマンガン酸又は複数のマンガン酸の、アンモニウム塩、アルカリ塩又はアルカリ土類塩である。用いられる開始剤の量は、重合混合物の全重量を基準にして典型的には0.03〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。反応開始剤の全量を重合開始時に添加してもよく、又は反応開始剤を、70%〜80%の転化率が達成されるまで重合中に連続して重合に添加することも可能である。開始剤の一部を開始時に添加することもでき、残りを重合中に一度に又は別々の追加部分で添加することができる。例えば鉄、銅及び銀の水溶性塩などの促進剤が、特にレドックス系が反応開始剤として使用される時、好ましくは添加されてもよい。
水性乳化重合系は、緩衝剤、及び所望により、錯体形成剤又は連鎖移動剤などの他の物質を更に含んでもよい。
達成可能なポリマー分散体の固形分含有量は通常、大きな凝塊を生じることなく、5%〜40%である。得られた分散体は、高安定性であり、一般に80nmを超えるか又は120nmを超えるか又は更には150nm〜150nm超過の平均粒径を有する。典型的には、140〜350nmの平均粒径を達成することができる。
実験部分
以下の実施例は、本発明を更に例証するが、本発明を制限することを意図しない。特に指示がない限り、部及び百分率は全て重量による。

粒径
ISO/DIS 13321によるマルバーン・ゼータサイザー(Malvern Zetasizer)1000 HASを用いての動的光散乱によって、ラテックス粒径を測定した。測定に先立って、0.001mol/LのKCl溶液でポリマーラテックスを希釈した。測定温度は25℃であった。報告された平均値は、Z平均粒径(中央粒径、d50)である。
液滴直径
マルバーンからのオートサイザー(Autosizer)2Cを使用して、ISO 13321に従う光子相関分光法により、中央液滴直径を測定することができる。
固体含量
30分間にわたって最大250℃の温度にラテックス試料を曝すことにより、固体含量を測定した(ISO 12086を参照)。
一般重合
重合実験は、インペラ撹拌器及びバッフルを備えた40Lのケトル中で行った。ケトルに30Lの脱イオン水を充填し、35℃に設定し、酸素を除去するためにケトルを繰り返し排気し、撹拌速度を165rpmに設定した。無酸素ケトルに、ドーピング剤と乳化剤とを含む、調製したばかりの混合物を充填した。フッ素化乳化剤(表1〜3に特定されている量で)の30重量%水溶液にドーピング剤を撹拌(KPM撹拌器、400rpm)しながら添加し、撹拌しながら8時間にわたって87℃に加熱し、撹拌しながら室温に冷却することにより、混合物を調製した。
以下の材料を反応混合物に添加した:40mgの硫酸銅五水和物を含有する0.5mol溶液と1mgの濃硫酸。次に、反応器をテトラフルオロエチレンで0.2Paに加圧し、その後は47gのHFPであった。次に、TFEを使用してケトルを1.5MPaに設定した。140mgの二亜硫酸ナトリウムを含有する100mLの水性反応開始剤溶液を反応器中にポンプで送り込み、続いて340mgのペルオキソ二硫酸アンモニウムを含有する100mLの水溶液を、送り込んだ。
圧力低下は、重合反応の開始を示す。3.2kgのTFEを重合に連続的に供給し、その結果、1.5MPaの重合圧を維持した。これらの条件下でこの量のTFEを供給するのに必要な時間を測定した(稼動時間)。3.2kgのTFEを供給した後に、モノマーバルブを閉めること及び圧力を開放することにより、重合反応を停止させた。このプロセスにより、8〜10%の固体含量を有するポリマー分散体が得られた。
実験1〜3では、ドーピング剤を添加せずに重合が遂行された。得られたポリマーラテックスの特性は、表1に示されている。
実験4及び5も比較例である。表2において同定されるドーピング剤を表2に示した量で添加して、小さなポリマー粒子の形成を導いた。
実験6〜11では、表3に同定されるドーピング剤を表3に示される量で添加した。得られたポリマーラテックスの特性は、表3に示されている。



乳化剤についてのこれらの量には、30重量%水溶液を与えるために、水を添加した。
**重量%は、ポリマー分散体の総量に基づく。
***稼動時間は、重合の開始から3.2kgのTFE(すなわち反応器に供給したもの、上記実施例の一般重合を参照)が消費されるまで測定された時間である。

本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
フッ素化乳化剤の存在下で水相における1つ以上のフッ素化モノマーの乳化重合によるフルオロポリマーの製造方法であって、
該方法が、該乳化剤に対して約1:2〜約1:20の重量比でドーピング剤を添加する工程を含み、
該ドーピング剤が、30℃以下の融点及び少なくとも約100℃の沸点を有し、
(i)フッ素化環式炭化水素、
(ii)次式:
CF =CF−(CF −O(R O) (R O) (I)
のフッ素化ポリオキシアルケン、
(iii)次式:
C−C(R )=C(R )(R ) (II)
のフッ素化アルケン、
(iv)次式:
−O−R −O−R (III)
のフッ素化ポリオキシアルカン
(式中、
及びR が、3〜6個のC原子の異なるペルフルオロアルキレン基であり、
lが、0又は1であり、m及びnが、独立して0〜10であり、かつn+mが、>2又は>3であり、
が、1〜6個のC原子のペルフルオロアルキル基であり、
及びR が、独立して1〜6個のC原子のフッ素化アルキル基であり、
が、F又は1〜6個のC原子のフッ素化アルキル基であり、
及びR が、独立して2〜5個のC原子のフッ素化アルキル基であり、並びに、
が、2〜4個のC原子の分枝鎖完全フッ素化アルキル基である)
からなる群から選択される、方法。
[2]
前記ドーピング剤が、約100〜約350℃の沸点を有する、上記[1]に記載の方法。
[3]
前記ドーピング剤が、6〜30個のC原子を含む、上記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
前記ドーピング剤が、完全フッ素化シクロアルカン又は完全フッ素化アレーンであり、前記完全フッ素化シクロアルカン又は前記完全フッ素化アレーンが、非置換であるか、あるいは1つ以上の同一の若しくは異なるペルフルオロアルキル又はペルフルオロアルコキシ残基で置換される、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5]
前記フッ素化乳化剤が、以下の一般式:
Y−Rf−Z−M (IV)
(式中、Yは、水素、Cl又はFを表し、Rfは、4〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝状完全フッ素化アルキレンを表し、Zは、COO 又はSO を表し、かつMが、一価カチオンを表す)
に対応する、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]
前記フッ素化乳化剤が、一般式:
[R f’ −O−L−COO i+ (V)
(式中、
Lは、部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖のアルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、
f’ は、部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖の脂肪族基、又は1個以上の酸素原子に割り込まれた部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖の脂肪族基を表し、
i+ は価数iを有するカチオンを表し、
iは1、2又は3である)
に対応する、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7]
前記フッ素化モノマーが、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン及び/又はペルフルオロビニルエーテルを含む、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8]
前記フルオロポリマーが、84重量%を超えるポリテトラフルオロエチレンを含むポリテトラフルオロエチレンコポリマーである、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9]
前記ドーピング剤が水性混合物として添加され、
前記混合物が、前記重合に使用される乳化剤の総重量に基づいて少なくとも10重量%の前記フッ素化乳化剤を含む、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10]
前記混合物が、前記重合の開始に先立って又は開始時に、水相に添加される、上記[9]に記載の方法。

Claims (1)

  1. フッ素化乳化剤の存在下で水相における1つ以上のフッ素化モノマーの乳化重合によるフルオロポリマーの製造方法であって、
    該方法が、該乳化剤に対して1:2〜1:20の重量比でドーピング剤を添加する工程を含み、
    該ドーピング剤が、30℃以下の融点及び少なくとも100℃の沸点を有し、
    (i)フッ素化環式炭化水素、
    (ii)次式:
    CF=CF−(CF−O(R O)(R O) (I)
    のフッ素化ポリオキシアルケン、
    (iii)次式:
    C−C(R )=C(R )(R )(II)
    のフッ素化アルケン、
    (iv)次式:
    −O−R −O−R (III)
    のフッ素化ポリオキシアルカン
    (式中、
    及びR が、3〜6個のC原子の異なるペルフルオロアルキレン基であり、
    lが、0又は1であり、m及びnが、独立して0〜10であり、かつn+mが、>2又は>3であり、
    が、1〜6個のC原子のペルフルオロアルキル基であり、
    及びR が、独立して1〜6個のC原子のフッ素化アルキル基であり、
    が、F又は1〜6個のC原子のフッ素化アルキル基であり、
    及びR が、独立して2〜5個のC原子のフッ素化アルキル基であり、並びに、
    が、2〜4個のC原子の分枝鎖完全フッ素化アルキレン基である)
    からなる群から選択され
    前記フッ素化乳化剤が、一般式:
    [R f’ −O−L−COO i+ (IV)
    (式中、
    Lは、部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖のアルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、
    f’ は、部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖の脂肪族基、又は1個以上の酸素原子に割り込まれた部分的に若しくは完全にフッ素化された直鎖の脂肪族基を表し、
    i+ は価数iを有するカチオンを表し、
    iは1、2又は3である)
    に対応する、方法。
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