図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図を示している。
図1において、パチンコ遊技機は、遊技盤1を備え、遊技盤1の盤面(遊技盤面)1aは、遊技者がハンドル2を操作することによって発射された遊技球が転動しながら落下してゆく遊技領域3を有する。
また、遊技盤1には、センター装飾部材4が配設され、センター装飾部材4の内側に、画像表示器5の表示画面5aが配される。表示画面5aには、公知のデモ表示、後述する第1、第2始動口6、7への遊技球の入賞に基づく第1、第2装飾図柄の変動表示など各種演出が行われ、これらの演出表示は、後述するサブ制御基板(演出制御手段)51によって制御される。
センター装飾部材4の下方かつ遊技盤面1aの左右方向略中央部には、第1始動口6が設けられている。第1始動口6は常に開口しており、遊技中、常に遊技球の入球が可能である。第1始動口6には、第1始動口6に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ(SW)31(図2)が配設されている。第1始動口SW31は、遊技盤1の裏面側に配されたメイン制御基板(遊技制御手段)50(図2)と電気的に接続されており、第1始動口SW31がオンしたとき、検出信号がメイン制御基板50に入力され、所定個数(例えば3個)の遊技球が払い出される。第1始動口6に遊技球が入球することは、後述するように、メイン制御基板50において第1の大当たり判定処理を実行する契機となる。そして、第1の大当たり判定処理の判定結果が「大当たり」又は「小当たり」である場合、大入賞口装置8の可動扉8aが開閉動作を行い、大入賞口8bが開閉する。
第1始動口6の下方には、第2始動口7が設けられている。第2始動口7は、第2始動口開閉装置(電動チューリップ)9により開閉される。電動チューリップ(電チューともいう。)9は、メイン制御基板50に電気的に接続されたソレノイド(電チューソレノイド)33(図2)を備え、電チューソレノイド33への通電により開状態となり第2始動口7への遊技球の入球を可能にし、電チューソレノイド33への通電停止により閉状態となり第2始動口7への遊技球の入球が阻止される。第2始動口7には、第2始動口7に入球した遊技球を検出する第2始動口SW32(図2)が配設されている。第2始動口SW32は、メイン制御基板50と電気的に接続されており、第2始動口SW32がオンしたとき、検出信号がメイン制御基板50に入力され、所定個数(例えば3個)の遊技球が払い出される。第2始動口7に遊技球が入球することは、後述するように、メイン制御基板50において第2の大当たり判定処理を実行する契機となる。そして、第2の大当たり判定処理の判定結果が「大当たり」又は「小当たり」である場合、大入賞口装置8の可動扉8aが開閉動作を行い、大入賞口8bが開閉する。
遊技領域3の正面視左部には、遊技球が通過可能なゲート10が設けられている。ゲート10には、ゲート10を通過する遊技球を検出するゲートSW34(図2)が配設されている。ゲートSW34は、メイン制御基板50に電気的に接続されており、ゲートSW34がオンしたとき、検出信号がメイン制御基板50に入力される。遊技球がゲート10を通過することは、後述するように、メイン制御基板50において当たり判定処理を実行する契機となる。そして、当たり判定処理の判定結果が「当たり」である場合に電動チューリップ9が開閉動作を行い、第2始動口7が開閉する。
電動チューリップ9の下方には、大入賞口装置8が設けられている。大入賞口装置8は可動扉8a及び大入賞口8bを備え、大入賞口8bは、可動扉8aの開閉動作によって開閉し、開放時には遊技球の入球が可能となり、閉鎖時には遊技球の入球が阻止される。大入賞口装置8は、メイン制御基板50に電気的に接続されたソレノイド(大入賞口ソレノイド)36(図2)を備え、大入賞口ソレノイド36への通電により可動扉8aは開状態となり、大入賞口8bは開放され、大入賞口8bへの遊技球の入球が可能となり、また、大入賞口ソレノイド36への通電停止により可動扉8aは閉状態となり、大入賞口8bは閉鎖され、大入賞口8bへの遊技球の入球が阻止される。大入賞口装置8には、大入賞口8bに入球した遊技球を検出する大入賞口SW35(図2)が設けられている。大入賞口SW35は、メイン制御基板50と電気的に接続されており、大入賞口SW35がオンしたとき、検出信号がメイン制御基板50に入力され、所定個数(例えば13個)の遊技球が払い出される。
大入賞口装置8の左方及び右方には、遊技中常に遊技球の入球が可能な普通入賞口11が4つ設けられている。各普通入賞口11には、普通入賞口11に入球した遊技球を検出する普通入賞口SW37(図2)が設けられている。普通入賞口SW37は、メイン制御基板50と電気的に接続されており、普通入賞口SW37がオンしたとき、検出信号がメイン制御基板50に入力され、所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
遊技盤面1aの正面視右下端部には、第1特別図柄表示器12と第2特別図柄表示器13と普通図柄表示器14と第1特別図柄保留ランプ15と第2特別図柄保留ランプ16と普通図柄保留ランプ17が設けられている。第1特別図柄表示器12、第2特別図柄表示器13、普通図柄表示器14、第1特別図柄保留ランプ15、第2特別図柄保留ランプ16及び普通図柄保留ランプ17は、それぞれメイン制御基板50と電気的に接続されており、第1特別図柄表示器12は、後述する第1の大当たり判定処理の判定結果に基づき第1特別図柄(例えば7セグメントで表示される図柄)を変動表示し、第2特別図柄表示器13は、後述する第2の大当たり判定処理の判定結果に基づき第2特別図柄(例えば7セグメントで表示される図柄)を変動表示し、普通図柄表示器14は、後述する当たり判定処理の判定結果に基づき普通図柄(例えば○と×)を変動表示し、第1特別図柄保留ランプ15は、第1始動口6に入球した遊技球のうち未だ第1特別図柄表示器12における第1特別図柄の変動表示の対象とされていない遊技球(第1保留球)の個数U1(最大4個まで)を点灯表示し、第2特別図柄保留ランプ16は、第2始動口7に入球した遊技球のうち未だ第2特別図柄表示器13における第2特別図柄の変動表示の対象とされていない遊技球(第2保留球)の個数U2(最大4個まで)を点灯表示し、普通図柄保留ランプ17は、ゲート10を通過した遊技球のうち未だ普通図柄表示器14における普通図柄の変動表示の対象とされていない遊技球(第3保留球)の個数G(最大4個まで)を点灯表示する。
次に、図1に示したパチンコ遊技機の電気系統を図2に基づいて説明する。
図2において、電気系統はメイン制御基板(遊技制御手段)50を中枢部とし、メイン制御基板50にサブ制御基板51及び払出制御基板52が接続される。サブ制御基板(演出制御手段)51は、演出制御基板53、画像制御基板54及びランプ制御基板55からなり、演出制御基板53はメイン制御基板50に接続され、画像制御基板54及びランプ制御基板55はそれぞれ演出制御基板53に接続される。メイン制御基板50、払出制御基板52、演出制御基板53、画像制御基板54及びランプ制御基板55は、それぞれCPU、ROM、RAMを備え、演出制御基板53は、さらに実時間を計測するRTC(リアルタイムクロック)を備える。
メイン制御基板50には、第1始動口6への遊技球の入球を検知する第1始動口SW31、第2始動口7への遊技球の入球を検知する第2始動口SW32、電動チューリップ9を開放駆動する電チューソレノイド33、ゲート10を通過する遊技球を検知するゲートSW34、大入賞口8bに入球した遊技球を検知する大入賞口SW35、「小当たり」及び「大当たり」発生時に可動扉8aを開放駆動する大入賞口ソレノイド36、普通入賞口11への遊技球の入球を検知する普通入賞口SW37、第1特別図柄保留ランプ15、第2特別図柄保留ランプ16、普通図柄保留ランプ17、第1特別図柄表示器12、第2特別図柄表示器13、普通図柄表示器14などが接続される。
メイン制御基板50は、後述するように、第1始動口6への入球に基づく第1の大当たり判定処理と、第1の大当たり判定処理の判定結果に基づいて第1特別図柄表示器12に第1特図変動制御信号を出力する第1特図信号出力処理と、第1特別図柄表示器12における第1特別図柄の変動表示に同期して画像表示器5において第1装飾図柄の変動表示を行わせる第1装図変動コマンドをサブ制御基板51に出力する第1装図コマンド出力処理と、第2始動口7への入球に基づく第2の大当たり判定処理と、第2の大当たり判定処理の判定結果に基づいて第2特別図柄表示器13に第2特図変動制御信号を出力する第2特図信号出力処理と、第2特別図柄表示器13における第2特別図柄の変動表示に同期して画像表示器5において第2装飾図柄の変動表示を行わせる第2装図変動コマンドをサブ制御基板51に出力する第2装図コマンド出力処理と、第1の大当たり判定処理の判定結果又は第2の大当たり判定処理の判定結果が大当たり又は小当たりである場合、大入賞口装置8を所定回数開放する大入賞口制御信号を出力する大入賞口信号出力処理などを実行する。そして、サブ制御基板51は、メイン制御基板50から受信した第1装図コマンド及び第2装図コマンドに基づき画像表示器5における第1装飾図柄及び第2装飾図柄の変動表示を制御する。
画像制御基板54には、画像表示器5、スピーカ40などが接続される。
ランプ制御基板55には、枠ランプ41、盤ランプ42、可動役物43などが接続される。
払出制御基板52には、遊技盤1の裏面側に配され賞球を払出す賞球払出装置(図示せず)の駆動源である払出駆動モータ44が接続される。
A. 当該パチンコ遊技機の遊技内容の概要(図3)
次に、メイン制御基板50が実行する遊技制御方法の概要を図3に基づいて説明する。
1) 通常遊技状態
メイン制御基板50は、遊技開始時、当該パチンコ遊技機の遊技状態を通常遊技状態にセットし、遊技内容の制御を開始する。ここで、通常遊技状態は、(1)後述する第1の大当たり判定処理及び第2の大当たり判定処理による判定結果が「大当たり」となる確率(第1、第2特別図柄当選確率)を低確率(例えば「1/315」)に設定する、(2)後述する当たり判定処理に要する判定時間(普通図柄変動時間)を長時間(例えば4秒)に設定するとともに当たり判定処理による判定結果が「当たり」となる確率(普通図柄当選確率)を低確率(例えば「1/11」)に設定し、かつ、判定結果が「当たり」になると、電動チューリップ9を所定回数(例えば1回)開放するときの開放時間(電チュー開放時間)を短時間(例えば0.15秒)に設定する(図4参照)遊技状態、換言すると、大当たり確率が低確率で電チューサポートの無い遊技状態である。
そして、メイン制御基板50は、通常遊技状態において「大当たり」又は「小当たり」を発生可能に制御する。
2)-1 大当たり遊技状態
大当たり遊技状態は「大当たり」中の遊技状態である。「大当たり」には、「15R通常大当たり」及び「15R確変大当たり」からなる「長当たり」と、「2R突確大当たり」及び「2R潜確大当たり」からなる「短当たり」がある。「15R通常大当たり」及び「15R確変大当たり」は、それぞれ、通常遊技状態と同様に電チューサポートが無いが、15ラウンド(15回)大入賞口8bが開放され、各ラウンドの大入賞口8bの開放時間が長時間(例えば29.5秒)で大入賞口8bに多数の遊技球(各ラウンドごとの設定最大個数が例えば8個)が入球可能な遊技状態である。また、「2R突確大当たり」及び「2R潜確大当たり」は、それぞれ、通常遊技状態と同様に電チューサポートは無く、しかも、2ラウンド大入賞口8bが開放され、各ラウンドの大入賞口8bの開放時間が短時間(例えば0.8秒)で大入賞口8bに遊技球が殆ど入球しない遊技状態である。
2)-2 小当たり
「小当たり」は、大入賞口8bの開閉パターンが「2R突確大当たり」及び「2R潜確大当たり」と略同一で大入賞口8bに遊技球が殆ど入球しない遊技状態である。メイン制御基板50は、「小当たり」を発生させた場合、「小当たり」終了後の遊技状態を「小当たり」発生前の遊技状態のまま維持する制御を行う。従って、「小当たり」は、実質的にはハズレの一種である。
3) 時短遊技状態
「大当たり」が「15R通常大当たり」である場合、メイン制御基板50は、「15R通常大当たり」の終了後の遊技状態を時短遊技状態に制御する。ここで、時短遊技状態は、(1)通常遊技状態と同様に、後述する第1の大当たり判定処理及び第2の大当たり判定処理による判定結果が「大当たり」となる確率(第1、第2特別図柄当選確率)を低確率(例えば「1/315」)に設定する、(2)通常遊技状態とは異なり、後述する当たり判定処理に要する判定時間(普通図柄変動時間)を短時間(例えば1.5秒)に設定するとともに当たり判定処理による判定結果が「当たり」となる確率(普通図柄当選確率)を高確率(例えば「11/11」)に設定し、かつ、判定結果が「当たり」になると、電動チューリップ9を所定回数(例えば3回)開放するときの開放時間(電チュー開放時間)を長時間(例えば1.8秒)に設定する(図4参照)遊技状態、換言すると、大当たり確率が低確率で電チューサポートの有る遊技状態である。
メイン制御基板50は、時短遊技状態において、「15R通常大当たり」、「15R確変大当たり」、「2R突確大当たり」又は「2R潜確大当たり」を発生可能に制御する。
メイン制御基板50は、通常、第1、第2特別図柄の変動回数によって時短遊技状態の継続期間を制限しており、時短遊技状態の開始から第1、第2特別図柄の変動回数が所定値例えば「100」に達するまでの間に大当たり(例えば、「15R通常大当たり」、「15R確変大当たり」又は「2R突確大当たり」)が発生しなかった場合、遊技状態を通常遊技状態に戻す制御を行う。
この時短遊技状態においても、通常遊技状態のときと同様、「小当たり」が発生可能とされており、「小当たり」が発生した場合、「小当たり」終了後の遊技状態は時短遊技状態に維持される。
4) 確変遊技状態
通常遊技状態において「15R確変大当たり」又は「2R突確大当たり」が発生した場合、メイン制御基板50は、「15R確変大当たり」又は「2R突確大当たり」の終了後の遊技状態を確変遊技状態に移行する制御する。ここで、確変遊技状態は、(1)通常遊技状態とは異なり、後述する第1の大当たり判定処理及び第2の大当たり判定処理による判定結果が「大当たり」となる確率(第1、第2特別図柄当選確率)を高確率(例えば1/31.5)に設定する、(2)時短遊技状態と同様に、後述する当たり判定処理に要する判定時間(普通図柄変動時間)を短時間(例えば1.5秒)に設定するとともに当たり判定処理による判定結果が「当たり」となる確率(普通図柄当選確率)を高確率(例えば11/11)に設定し、かつ、判定結果が「当たり」になると、電動チューリップ9を所定回数(例えば3回)開放するときの開放時間(電チュー開放時間)を長時間(例えば1.8秒)に設定する(図4参照)遊技状態、換言すると、大当たり確率が高確率で電チューサポートの有る遊技状態である。
メイン制御基板50は、確変遊技状態の開始から第1、第2特別図柄の変動回数が所定値例えば「10000」に達するまでの間に大当たりが発生しなかった場合(略100%、大当たりが発生する)、あるいは、変動回数が所定値例えば「100」に達した後、遊技状態を通常遊技状態に戻す制御を行う。
メイン制御基板50は、確変遊技状態において、「15R通常大当たり」又は「15R確変大当たり」の「長当たり」を発生可能に制御する。その他に、「2R突確大当たり」又は「2R潜確大当たり」を発生させる場合もある。
この確変遊技状態においても、通常、時短遊技状態のときと同様、「小当たり」が発生可能とされており、「小当たり」が発生した場合、小当たり発生後の遊技状態は確変遊技状態に維持される。
5) 潜確遊技状態
通常遊技状態において「2R潜確大当たり」が発生した場合、メイン制御基板50は、「2R潜確大当たり」の終了後の遊技状態を潜確遊技状態に移行する制御する。ここで、潜確遊技状態は、(1)通常遊技状態とは異なり、後述する第1の大当たり判定処理及び第2の大当たり判定処理による判定結果が「大当たり」となる確率(第1、第2特別図柄当選確率)を高確率(例えば1/31.5)に設定する、(2)通常遊技状態と同様に、後述する当たり判定処理に要する判定時間(普通図柄変動時間)を長時間(例えば4秒)に設定するとともに当たり判定処理による判定結果が「当たり」となる確率(普通図柄当選確率)を低確率(例えば1/11)に設定し、かつ、判定結果が「当たり」になると、電動チューリップ9を所定回数(例えば1回)開放するときの開放時間(電チュー開放時間)を短時間(例えば0.15秒)に設定する(図4参照)遊技状態、換言すると、大当たり確率が高確率で電チューサポートの無い遊技状態である。
この潜確遊技状態においても、通常、時短、確変遊技状態のときと同様、「小当たり」が発生可能とされており、「小当たり」が発生した場合、「小当たり」発生後の遊技状態は潜確遊技状態に維持される。
B. メイン制御基板50による具体的な遊技制御(図6〜18)
次に、メイン制御基板50が実行する遊技制御の内容を図6〜18に基づいて具体的に説明する。
1) メイン側タイマ割込処理(図6〜18)
図6は、メイン側タイマ割込処理を表しており、メイン側タイマ割込処理は所定周期例えば4msec間隔で実行される。
メイン側タイマ割込処理においては、乱数更新処理S1、始動口SW処理S2、ゲートSW処理S3、大入賞口SW処理S4、普通入賞口SW処理S5、特別図柄処理S6、普通図柄処理S7、大入賞口処理S8、電チュー処理S9、賞球処理S10及び出力処理S11が所定周期で繰り返し実行される。
a.乱数更新処理S1
メイン側タイマ割込処理において、メイン制御基板50は、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン乱数など所定の乱数を更新する乱数更新処理S1を実行する。
b.始動口SW処理S2(図7)
次に、始動口SW処理S2を実行する。
始動口SW処理S2においては、図7に示すように、まず、第1始動口SW31がオンか否かを判定し(S21)、第1始動口SW31がオンの場合、第1保留球数U1が「4」未満であることを条件として(S22)、第1保留球数U1を+1する(S23)と共に乱数の取得及び格納を行い(S24)、サブ制御基板51への送信コマンドとして第1保留球数増加コマンドをセットする(S25)。
第1始動口SW31がオンでない場合、又は、第1保留球数が「4」以上である場合には、第2始動口SW32がオンか否かを判定し(S26)、第2始動口SW32がオンの場合、第2保留球数U2が「4」未満であることを条件として(S27)、第2保留球数U2を+1する(S28)と共に乱数の取得及び格納を行い(S29)、サブ制御基板51への送信コマンドとして第2保留球数増加コマンドをセットし(S30)、始動口SW処理S2に後続のゲートSW処理S3へ移行する。一方、第2始動口SW32がオンでない場合、又は、第2保留球数U2が「4」以上である場合には、直接、ゲートSW処理S3へ移行する。
c.ゲートSW処理S3(図8)
次に、ゲートSW処理S3を実行する。
ゲートSW処理S3においては、図8に示すように、ゲートSW34がオンか否かを判定し(S31)、ゲートSW34がオンの場合、第3保留球数Gが「4」未満であることを条件として(S32)、第3保留球数Gを+1する(S33)と共に当たり乱数の取得及び格納を行い(S34)、ゲートSW処理S3に後続の大入賞口SW処理S4へ移行する。
d.大入賞口SW処理S4
次に、大入賞口SW処理S4を実行する。
大入賞口SW処理S4においては、大入賞口SW35がオンしたか否かを判定し、大入賞口SW35がオンしている場合に、当たり遊技中か否かを、後述する当たり遊技フラグがオンしているか否かによって判定し、当たり遊技中であれば、大入賞口8bの1回の開放中における入賞球の個数をカウントする入賞個数カウンタの値Cを+1すると共に、払出制御基板52に送信すべき賞球払出コマンドの内容となる大入賞口カウンタの値を+1する。
e.普通入賞口SW処理S5
次に、普通入賞口SW処理S5を実行する。
普通入賞口SW処理S5においては、普通入賞口SW37がオンしたか否かを判定し、普通入賞口SW37がオンしている場合に、払出制御基板52に送信すべき賞球払出コマンドの内容となる普通入賞口カウンタの値を+1する。
f.特別図柄処理S6(図9〜14)
次に、特別図柄処理S6を実行する。
特別図柄処理S6においては、図9及び図10に示すように、当たり遊技フラグがオンしているか否かを判定し、換言すると、当たり遊技中か否かを判定する(S41)。ここで、当たり遊技フラグは、後述する停止中処理S63においてオンされる小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ又は短当たり遊技フラグであり、当たり遊技フラグは後述するように大入賞口処理S8においてオフされる。
f−a)当たり遊技中でない場合
当たり遊技中でない場合、所定周期で実行されるメイン側タイマ割込処理の各回ごとに、第1特別図柄が変動中か否かを判定する(S42)と共に第2特別図柄が変動中か否かを判定する(S44)。
以下、通常遊技状態又は潜確遊技状態のときと、時短遊技状態又は確変遊技状態のときとに大別して、当たり遊技中でない場合の特別図柄処理の代表例を説明する。
1)通常遊技状態又は潜確遊技状態のとき
通常遊技状態又は潜確遊技状態のときは、上述したように電チューサポートの無い遊技状態となるため、第2始動口7への遊技球の入球は極めて稀である。そこで、第2始動口7への入球は無いものとして以下説明する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態において、第1特別図柄が変動中でなく、しかも第1保留球数U1が「0」である場合、S42,43の各判定結果が「NO」となり、また、第2特別図柄は変動中でなく、しかも第2保留球数U2は「0」であるため、S44,45の各判定結果が「NO」となるため、特別図柄処理S6において、S41,42,43,44,45が繰り返し実行される。
第1特別図柄が変動中でないときに、第1始動口6に遊技球が入球し、S23により第1保留球数U1が「1」になった場合、あるいは、第1特別図柄の変動が停止したときに、第1保留球数U1が「1」以上であった場合、S43の判定結果は「YES」に反転するため、第1保留球数U1を−1し(S46)、大当たり判定処理S47を行い、変動パターン選択処理S48を行い、第1特別図柄の変動を開始させ(S49)、サブ制御基板へのコマンドとして変動開始コマンドをセットし(S50)、第1特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(S51)。
ここで、上記大当たり判定処理S47においては、図11に示すように、大当たり判定用テーブルを用いて、S24で格納した大当たり乱数が所定の大当たり乱数値又は所定の小当たり乱数値と一致するか否かを判定する(S71)。そして、大当たり乱数が所定の大当たり乱数値と一致する場合、大当たり図柄判定用テーブルを用いて、S24で格納した大当たり図柄乱数がいずれの大当たり図柄に該当するか判定し、当該該当する大当たり図柄をセットする(S72,73,74)。また、大当たり乱数が所定の小当たり乱数値と一致する場合、所定の小当たり図柄をセットする(S72,75,76)。また、大当たり乱数が所定の大当たり乱数値、小当たり乱数値のいずれとも一致しない場合、所定のハズレ図柄をセットする(S72,75,77)。S74、S76又はS77でセットされた大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の情報は、後述する出力処理S11により、変動開始コマンドの内容としてサブ制御基板に送信される。
また、上記変動パターン選択処理S48においては、図12に示すように、S24で格納した大当たり乱数が大当たり乱数値と一致する場合には大当たり用変動パターンテーブルをセットし(S81,82)、また、S24で格納した大当たり乱数が大当たり乱数値と一致しない場合には、S24で格納したリーチ乱数が所定のリーチ乱数値と一致するか否かのリーチ乱数判定処理を行い(S81,83)、リーチ乱数が所定のリーチ乱数値と一致する場合にはリーチ用変動パターンテーブルをセットし(S84,85)、一方、リーチ乱数が所定のリーチ乱数値と一致しない場合にはハズレ用変動パターンテーブルをセットする(S84,86)。次に、変動パターン乱数の取得及び格納を行い(S87)、S82、S85又はS86でセットされた大当たり用変動パターンテーブル、リーチ用変動パターンテーブル又はハズレ用変動パターンテーブルを用いて、S87で格納された変動パターン乱数がいずれの変動パターンに該当するか判定し(S88)、変動パターン乱数に該当する変動パターンをセットする(S89)。
また、上記S50でセットされる変動開始コマンドには、現在の遊技状態、大当たり判定処理S47でセットされた大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄、及び、上記変動パターン選択処理S48でセットされた変動パターンを示す情報が含まれる。この変動開始コマンドは、後述する出力処理S11によりサブ制御基板51へ送信される。変動開始コマンドを受信したサブ制御基板51は、画像表示器5において、第1装飾図柄の変動を開始させると共に、変動開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて第1装飾図柄を変動表示させる。
S49で第1特別図柄が変動を開始した後、所定の変動時間が経過する前では、S42の判定結果が「YES」に反転し、かつ、S51の判定結果が「NO」であるため、特別図柄処理においては、S41,42,51,44,45が繰り返し実行される。
その後、第1特別図柄の変動時間が経過すると、S51の判定結果が「YES」に反転するため、第1特別図柄の変動を停止し(S52)、サブ制御基板51に対するコマンドとして変動停止コマンドをセットし(S53)、停止中処理S54を行う。
ここで、S52により変動停止する第1特別図柄つまり停止第1特別図柄は、大当たり判定処理S47でセットされた大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄に対応する図柄である。
また、S53でセットされた変動停止コマンドは、後述する出力処理S11によりサブ制御基板51へ送信される。変動停止コマンドを受信したサブ制御基板51は、既に受信している変動開始コマンドに含まれている大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄に対応する第1装飾図柄つまり停止第1装飾図柄によって、第1装飾図柄の変動を停止させる。
また、上記停止中処理S54においては、図13及び図14に示すように、時短遊技フラグ(後述する大入賞口処理S8の遊技状態設定処理S146でオンされるフラグ)がオンか否かを判定し(S91)、時短遊技フラグがオンの場合、時短回数J(後述する大入賞口処理S8の遊技状態設定処理S146でセットされる変動回数であり、例えば、J=100に設定される。)、即ち、15R通常大当たり終了時にセットされた時短回数Jを「1」だけ減算し(S92)、時短回数Jが「0」に達したとき時短遊技フラグをオフする(S93,94)。一方、S91で時短遊技フラグがオンでないと判定された場合、次に、確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグ(後述する大入賞口処理S8の遊技状態設定処理S146でオンされるフラグ)がオンか否かを判定し(S95)、確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグがオンの場合、高確率変動回数X(後述する大入賞口処理S8の遊技状態設定処理S146で設定される変動回数であり、例えば、X=10000に設定される。)、即ち、確変大当たり(15R確変大当たり又は2R確変大当たり)又は2R潜確大当たりの終了時にセットされた高確率変動回数Xを「1」だけ減算し(S96)、高確率変動回数Xが「0」に達したとき、確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグをオフする(S97,98)。
さらに、停止中処理においては、S24で格納した大当たり乱数が大当たり乱数値か否かを判定する(S99)。大当たり乱数が大当たり乱数値の場合、S24で格納した大当たり図柄乱数が長当たり乱数値と短当たり乱数値のいずれと一致するかを判定し(S100)、長当たり乱数値と一致する場合は長当たり遊技フラグをオンし(S101)、一方、短当たり乱数値と一致する場合は短当たり遊技フラグをオンし(S102)、時短回数J又は高確率変動回数Xを「0」にセットし(S103)、時短遊技フラグ、確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグをオフする(S104)。一方、S99で大当たり乱数が大当たり乱数値でない場合、S24で格納した大当たり図柄乱数が小当たり図柄乱数値と一致するか否かを判定し(S105)、一致しない場合、停止中処理S54に後続するS44へ移行し、一致する場合、小当たり遊技フラグをオンする(S106)。S104又はS106を実行した後は、オープニングを開始し(S107)、サブ制御基板51への送信コマンドとしてオープニングコマンドをセットする(S108)。
2)時短遊技状態又は確変遊技状態のとき
時短遊技状態又は確変遊技状態のときは、上述したように、電チューサポートの有る遊技状態となるため、第2始動口7へ遊技球が比較的頻繁に入球し易くなる。
このため、第1特別図柄の変動停止中や変動中に、S28で第2保留球数U2が「1」〜「4」になる場合が発生する。このような場合、S45の判定結果が「YES」に反転するため、第2保留球数U2を−1し(S55)、大当たり判定処理S56を行い、変動パターン選択処理S57を行い、第2特別図柄の変動を開始させ(S58)、サブ制御基板51への送信コマンドとして変動開始コマンドをセットする(S59)。ここで、大当たり判定処理S56及び変動パターン選択処理S57は、それぞれ、上述した第1保留球数U1が「1」以上である場合の大当たり判定処理S47及び変動パターン選択処理S48と同様な処理内容である。次に、第2特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S60)、変動時間経過前においては特別図柄処理S6に後続する普通図柄処理S7へ移行し、変動時間が経過すると、S60の判定結果が「YES」に反転するため、第2特別図柄の変動を停止し(S61)、サブ制御基板51への送信コマンドとして変動停止コマンドをセットし(S62)、停止中処理S63を行う。ここで、S61により変動停止する第2特別図柄つまり停止第2特別図柄は、上述した停止第1特別図柄と同様、大当たり判定処理S56でセットされた大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄に対応する図柄であり、また、S62でセットされた変動停止コマンドは、S53でセットされた変動停止コマンドと同様、後述する出力処理S11によりサブ制御基板51へ送信され、変動停止コマンドを受信したサブ制御基板51は、既に受信している変動開始コマンドに含まれている大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄に対応する第2装飾図柄つまり停止第2装飾図柄によって、第2装飾図柄の変動を停止させる。また、停止中処理S63の処理内容は、上述した停止中処理S54と同様である。
f−b)当たり遊技中である場合
前回以前に実行したメイン側タイマ割込処理における停止中処理S54又はS63のS101、S102又はS106により長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグがオンされたことにより、今回のメイン側タイマ割込処理のS41で当たり遊技フラグがオンしていると判定した場合、次に、当該S64の判定対象とされる遊技フラグが前々回のメイン側タイマ割込処理の当該判定時にはオフされていたものか否か、換言すると、前々回までのメイン側タイマ割込処理においては遊技フラグがオフされており、前回のメイン側タイマ割込処理において始めて遊技フラグがオンされたか否かを判定する(S64)。
前回のメイン側タイマ割込処理において始めて遊技フラグがオンされた場合、第1特別図柄が変動中か否かを判定し(S65)、第1特別図柄が変動中の場合、第1特別図柄の変動を停止させ(S66)、サブ制御基板51への送信コマンドとして早期変動停止コマンドをセットする(S67)。換言すると、S61で第2特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄で変動停止された場合、第2特別図柄の変動停止に同期させて第1特別図柄の変動を強制的に停止させる。また、S67でセットされた早期変動停止コマンドは後述する出力処理S11でサブ制御基板51へ送信され、サブ制御基板51は、画像表示器5において第1装飾図柄の変動を強制的に停止させる。このとき停止させる第1装飾図柄つまり停止第1装飾図柄は、既にS50でセットされサブ制御基板51に送信された変動開始コマンドに含まれている大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄とは異なる所定の図柄に設定される。この所定の第1装飾図柄は、大入賞口8bが開口しても遊技者にとって不自然とならない所定の図柄である。以下、所定の第1装飾図柄の具体例を説明する。
i. 所定の第1装飾図柄の第1実施形態(図22〜図24)
第1実施形態においては、図23に示すように、画像表示器5は、表示画面5a中の主表示部分Xの複数列の各列(左列XL、中列XC、右列XR)において第1装飾図柄を変動表示するよう構成され、変動表示される第1装飾図柄として、図22に示すように、左列XL、中列XC、右列XRの各列ごとに「1」〜「9」の数字図柄と「チェリー」の図柄とを設定する。そして、「チェリー」の図柄CBが所定の第1装飾図柄として設定される。
「チェリー」の図柄CBは、強制停止時には、図23に示すように、左列XL、中列XC、右列XRの各列において停止表示され、かつ、左列XL、中列XC、右列XRの全列において揃った配置パターン(図23では上列XUで3つの「チェリー」の図柄CBが揃っている。)で停止表示される。一方、強制停止時以外の変動停止時には、「チェリー」の図柄CBは、図24(A)に示すように、左列XL、中列XC、右列XRのうちのいずれかの列に停止表示されるが、左列XL、中列XC、右列XRの全体としては揃った配置パターンにならないように設定され、あるいは、図24(B)に示すように、左列XL、中列XC、右列XRのいずれの列にも停止表示されないように設定される。換言すると、「チェリー」の図柄CBは、第1装飾図柄の変動表示中に変動表示される図柄であり、強制停止時以外の変動停止時にも停止図柄となり得る図柄であるが、強制停止時に限り、左列XL、中列XC、右列XRの全列において揃った配置パターンで停止表示される。
このように、変動表示される第1装飾図柄、換言すると、第1装飾図柄の変動図柄群に、予め所定の第1装飾図柄を含めておき、所定の第1装飾図柄を強制停止時以外の変動停止時にも停止図柄として表示させると共に、強制停止時のみ、所定の第1装飾図柄を揃った配置パターンで停止表示させることにより、大当たりとなる第1装飾図柄の配置パターンが複数ある場合(例えば、第1装飾図柄の表示部が横3列、縦3列のマトリクスで構成され、縦の中央列と右上がり斜列と右下がり斜列とが大当たりの配置パターンとして設定されているような場合)に、所定の第1装飾図柄が最初に変動停止する列に停止表示されても、当該列に変動停止した他の第1装飾図柄(大当たりに関与する第1装飾図柄)によって大当たりが発生するかもしれないという期待感を遊技者に残すことができ、また、所定の第1装飾図柄が全体として揃って停止表示された場合には、他の第1装飾図柄が揃って停止表示された場合に大当たりが発生するのと同様に、パチンコ遊技機において何らかの現象が発生しても不思議でないと遊技者は認識すると考えられる。
なお、図23において、表示画面5aの右下端部に示す符号Yは、副表示部分を表し、副表示部分Yは第2装飾図柄の表示領域に対応する。図23に示す表示画面5aの表示形態は、第1装飾図柄の変動表示を主表示し、第2装飾図柄の変動表示を副表示している例に対応する。
ii. 所定の第1装飾図柄の第2実施形態(図22、図25)
第2実施形態においては、第1実施形態と同様、画像表示器5は、複数列の各列(左列XL、中列XC、右列XR)において第1装飾図柄を変動表示するよう構成され、変動表示される第1装飾図柄として、図22に示すように、左列XL、中列XC、右列XRの各列ごとに「1」〜「9」の数字図柄と「チェリー」の図柄CBとを設定する。そして、「チェリー」の図柄CBが所定の第1装飾図柄として設定される。
「チェリー」の図柄CBは、強制停止時には、図25に示すように、左列XL、中列XC、右列XRのうちのいずれかの列(図25では左列XL)において停止表示され、強制停止時以外の停止時には左列XL、中列XC、右列XRのいずれの列にも停止表示されないように設定される。換言すると、「チェリー」の図柄CBは、第1装飾図柄の変動表示中に変動表示される図柄であるが、強制停止時以外の変動停止時には停止図柄となり得ず、強制停止時に限り停止図柄となり得る図柄である。
このように、変動表示される第1装飾図柄、換言すると、第1装飾図柄の変動図柄群に、予め所定の第1装飾図柄を含めておき、所定の第1装飾図柄を強制停止時以外の変動停止時には停止図柄として表示させず、強制停止時のみ、所定の第1装飾図柄を停止表示させることにより、強制停止時以外の変動停止時にも所定の第1装飾図柄を停止表示させるようにした場合(「比較対象」という。)と比べ、比較対象の場合には、強制停止時以外の変動停止時であっても、所定の第1装飾図柄が停止表示された時点で、もはや遊技者は大当たりの発生に対する期待感をもてなくなってしまうのに対し、強制停止時以外の変動停止時には所定の第1装飾図柄が停止表示されないため、遊技者は大当たりの発生に対する期待感をもちながら遊技を続行することができる。
iii. 所定の第1装飾図柄の第3実施形態(図26〜図28)
第3実施形態においては、画像表示器は、複数列の各列(左列、中列、右列)において第1装飾図柄を変動表示するよう構成され、通常変動表示される第1装飾図柄として、図26(A)に示すように、左列、中列、右列の各列ごとに「1」〜「9」の数字図柄を設定し、強制停止時に限り、「1」〜「9」の数字図柄以外に停止図柄に追加される第1装飾図柄として、図26(B)に示すような「チェリー」の図柄を設定する。この「チェリー」の図柄が所定の第1装飾図柄である。
「チェリー」の図柄は、強制停止時には、図27に示すように、左列、中列、右列のうちのいずれかの列(図27では左列)において停止表示され、強制停止時以外の停止時には、図28に示すように、左列、中列、右列のいずれの列にも停止表示されないように設定される。換言すると、「チェリー」の図柄は、強制停止時以外の変動停止時には、第1装飾図柄の変動表示中に変動表示されない図柄(変動図柄群に含まれていない図柄であり、変動表示中は第1装飾図柄としての地位を有していない図柄)であり、強制停止時に限り停止図柄となり得る図柄(第1装飾図柄としての地位を有するようになる図柄)である。ここで、「チェリー」の図柄は、強制停止時の変動表示中に変動表示される図柄(変動図柄群に含まれる図柄)とし、強制停止前に変動表示されるようにしてもよい。
このように、所定の第1装飾図柄は、強制停止時以外の変動停止時には変動図柄群に含まれない図柄であり、強制停止時に限り変動図柄群に包含可能で停止図柄となる図柄であるため、所定の第1装飾図柄が強制停止時以外の変動停止時にも変動図柄群に含ませた場合には、遊技者にとって大当たりの発生に繋がらない所定の第1装飾図柄が変動表示されることに対して目障りな感情を抱くようになるのに対し、強制停止時以外の変動停止時には所定の第1装飾図柄が変動表示されることが無いことにより、遊技者に対して上記のような感情を起こさせなくなる。なお、所定の第1装飾図柄を変動図柄群に包含させた場合には、所定の第1装飾図柄が強制停止時に突然現れて停止表示されることにはならず、強制停止する前の変動表示中から現れるようになる。
図9図示の特別図柄処理S6に説明を戻すと、第1特別図柄が変動中でない場合、S65の判定結果は「NO」となり、第2特別図柄が変動中か否かを判定し(S68)、第2特別図柄が変動中である場合、第2特別図柄の変動を停止させ(S69)、サブ制御基板51への送信コマンドとして早期変動停止コマンドをセットする(S70)。換言すると、S52で第1特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄で変動停止された場合、第1特別図柄の変動停止に同期させて第2特別図柄の変動を強制的に停止させる。また、S70でセットされた早期変動停止コマンドはサブ制御基板51へ送信され、サブ制御基板51は、画像表示器5において第2装飾図柄の変動を強制的に停止させる。このとき停止させる第2装飾図柄つまり停止第2装飾図柄は、既にS59でセットされサブ制御基板51に送信された変動開始コマンドに含まれている大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄とは異なる所定の図柄に設定される。この所定図柄は、大入賞口8bが開口しても遊技者にとって不自然とならない所定の停止第2装飾図柄であり、上述したような所定の停止第1装飾図柄と同様に構成される。なお、この場合、画像表示器5の表示画面5aにおいては、上述した第1装飾図柄を強制停止させる場合とは異なり、第2装飾図柄を主表示し、第1装飾図柄を副表示する。
g.普通図柄処理S7(図15)
次に、普通図柄処理S7を実行する。
普通図柄処理S7においては、図15に示すように、補助遊技フラグがオンか否かを判定し(S111)、補助遊技フラグがオンの場合、普通図柄処理S7に後続の大入賞口処理S8へ移行し、補助遊技フラグがオンでない場合、普通図柄が変動中か否かを判定する(S112)。普通図柄が変動中の場合、第3保留球数Gが「1」以上であるか否かを判定し(S113)、第3保留球数Gが「0」である場合、大入賞口処理S8へ移行し、第3保留球数Gが「1」以上の場合、第3保留球数Gを−1し(S114)、S34で格納した当たり乱数に基づいて当たり乱数判定処理S115を行い、当たり乱数判定処理S115の判定結果に基づいて停止図柄選択処理S116を行い、現在の遊技状態に基づいて変動時間選択処理S117を行い、普通図柄の変動を開始させる(S118)。普通図柄の変動が開始され、S117で選択された変動時間が経過すると、普通図柄の変動をS116で選択した普通図柄で停止させる(S119,120)。そして、S115で当たりと判定された場合、補助遊技フラグをオンする(S121,122)。
h.大入賞口処理S8(図16,17)
次に、大入賞口処理S8を実行する。
大入賞口処理S8においては、図16,17に示すように、当たり遊技フラグがオンか否かを判定し(S131)、当たり遊技フラグがオンでない場合、大入賞口処理S8に後続の電チュー処理S9へ移行し、当たり遊技フラグがオンの場合、オープニング中か否かを判定する(S132)。ここで、オープニング中とは、大当たり又は小当たりが発生してから大当たり又は小当たりの第1ラウンド(小当たりの場合、一般に「ラウンド」と称されず、「回」と称されるが、本明細書においては、便宜上「ラウンド」と称する。)が開始されるまでの期間をいう。
オープニング中である場合、オープニング時間が経過したか否かを判定し(ステップS133)、オープニング時間経過前は、大入賞口処理S8に後続の電チュー処理S9へ移行し、オープニング時間が経過すると、長当たり、短当たり又は小当たりに応じた最大R数(ラウンド数)及び大入賞口8bの作動パターン(開閉パターン)を設定する(S134)。次に、大入賞口8bの入賞球カウント値Cを「0」にリセットし(S135)、ラウンド数カウント値Rを+1し(S136)、大入賞口8bの作動を開始し、大入賞口8bを開放する(S137)。
次に、大入賞口8bの作動時間(開放時間)が経過する前に入賞球カウント値Cが規定値に達したか否か、及び、入賞球カウント値Cが規定値に達する前に作動時間が経過したか否かを判定する(S138,139)。ここで、大入賞口8bの作動時間は、15R通常大当たり又は15確変大当たりの場合、例えば29.5秒に設定され、2R突確大当たり、2R潜確大当たり又は小当たりの場合、例えば0.8秒に設定される。また、入賞球カウント値Cの規定値は、例えば「8」に設定される。大入賞口8bの作動時間が経過する前でしかも入賞球カウント値Cが規定値に達する前においては、オープニング中でなく、また、エンディング中でもなく、さらに、大入賞口8bが作動中であることから、S132の判定結果は「NO」、S148の判定結果は「NO」、S149の判定結果は「YES」となり、大入賞口処理S8においては、S131,132,148,149,138,139が繰り返し実行される。その後、大入賞口8bの作動時間(開放時間)が経過する前に入賞球カウント値Cが規定値に達し、又は、入賞球カウント値Cが規定値に達する前に作動時間が経過すると、大入賞口8bの作動を終了し、大入賞口8bを閉鎖する(S140)。
次に、ラウンド数カウント値Rが最大値に達したか否かを判定する(S141)。この最大値は、15R通常大当たり又は15確変大当たりの場合、「15」であり、2R突確大当たり、2R潜確大当たり又は小当たりの場合、「2」である。ラウンド数カウント値Rが最大値に達する前においては、上述したような第1ラウンドと同様の処理が実行される。
ラウンド数カウント値Rが最大値に達すると、エンディングを開始し(S142)、サブ制御基板51への送信コマンドとしてエンディングコマンドをセットし(S143)、ラウンド数カウント値Rを「0」にリセットする(S144)。そして、エンディング時間が経過すると、遊技状態設定処理S146を行い、当たり遊技フラグをオフする(S147)。
上記遊技状態設定処理S146は、図17に示すように、当該当たりが小当たり、通常大当たり、確変大当たり、潜確大当たりのうちのいずれの当たりであるかを判定し(S151,152,153)、小当たりである場合、遊技状態設定処理S146に後続のS147へ移行し、通常大当たりである場合、時短遊技フラグをオンし(S154)、時短回数Jに「100」をセットし(S155)、確変大当たりである場合、確変遊技フラグをオンし(S156)、高確率変動回数Xに「10000」をセットし(S157)、潜確大当たりである場合、潜確遊技フラグをオンし(S158)、高確率変動回数Xに「10000」をセットする(S158)。
i.電チュー処理S9(図18)
次に、電チュー処理S9を実行する。
電チュー処理S9においては、図18に示すように、補助遊技フラグ(普通図柄処理S7のS122によりオンされるフラグ)がオンか否かを判定し(S161)、補助遊技フラグがオンでない場合、電チュー処理S9に後続の賞球処理S10へ移行し、補助遊技フラグがオンの場合、電チュー9が作動中か否かを判定し(S162)、電チュー9が作動中でない場合、電チュー9の作動パターン設定処理S163を行い、電チュー9の作動を開始する(S164)。電チュー9が作動開始した後は、電チュー9が作動中であるためS162の判定結果は「YES」となり、作動時間が経過したか否かの判定が行われ(S165)、作動時間の経過前においては、電チュー処理S9においてS161,162,165が繰り返し実行され、作動時間が経過すると、S165の判定結果が「YES」となり、補助遊技フラグがオフされる(S166)。ここで、上記電チュー9の作動パターンは、通常遊技状態、大当たり遊技状態又は潜確遊技状態のときは、電動チュー9を、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンに設定され、時短遊技状態又は確変遊技状態のときは、電動チュー9を、1.8秒の開放時間で3回開放する作動パターンに設定される。
j.賞球処理S10
次に、賞球処理S10を実行する。
賞球処理S10においては、大入賞口カウンタの値が「1」のとき、払出制御基板52に送信すべき賞球払出コマンドをセットし、大入賞口カウンタの値をクリアする。
k.出力処理S11
次に、出力処理S11を実行する。
出力処理S11においては、始動口SW処理S2のS25及びS30でそれぞれセットされた第1保留球数増加コマンド及び第2保留球数増加コマンド、特別図柄処理S6のS50及びS59でセットされた変動開始コマンド、特別図柄処理S6のS53及びS62でセットされた変動停止コマンド、特別図柄処理S6のS67及びS70でセットされた早期変動停止コマンドなどをサブ制御基板51に対して送信するとともに、賞球処理S10でセットされた賞球払出コマンドを払出制御基板52に送信する。
C. サブ制御基板51による具体的な遊技制御(図19〜22)
次に、サブ制御基板51が実行する遊技制御の内容を図19〜22に基づいて具体的に説明する。
1) サブ側タイマ割込処理(図19〜21)
図19は、サブ側タイマ割込処理を表しており、サブ側タイマ割込処理は短い所定周期間隔で実行される。
サブ側タイマ割込処理においては、コマンド受信処理S171及びコマンド送信処理S172が所定周期で繰り返し実行される。
a.コマンド受信処理S171(図20,21)
コマンド受信処理においては、図20に示すように、メイン制御基板50から保留数増加コマンド(第1保留球数増加コマンド又は第2保留球数増加コマンド)を受信したか否かを判定し(S181)、受信した場合、保留数(第1保留球数又は第2保留球数)を「1」だけ加算し(S182)、画像制御基板54への送信コマンドとして保留数コマンドをセットし(S183)、S184へ移行し、一方、受信しない場合、直接、S184へ移行する。S184では、メイン制御基板50から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信した場合、演出選択処理S185を行い、S186へ移行し、受信しない場合、直接、S186へ移行する。
上記演出選択処理S185においては、図21に示すように、変動開始コマンドを解析する(S201)。ここで、変動開始コマンドには、上述したように、現在の遊技状態、大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄、及び、変動パターンを示す情報が含まれている。次に、モードフラグを参照する(S202)。ここで、モードフラグは、遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態等)に応じて予め設定された演出モードを指定するフラグである。次に、保留数を「1」だけ減算し(S203)、変動演出パターン選択処理S204を行い、画像表示器5への送信コマンドとして変動演出開始コマンドをセットする(S205)。ここで、変動演出パターン選択処理S204においては、参照された演出モードにおいて、変動開始コマンドに含まれる変動パターン情報に基づいて、装飾図柄(第1装飾図柄又は第2装飾図柄)の演出変動パターンを選択する。ここで、演出変動パターンは、装飾図柄の変動パターンのみに限らず、その背景画となる画像の変動パターンを含んでおり、予告演出、リーチ演出、擬似連演出、再変動演出、キャラクタ演出、実写演出など各種演出が含まれる。さらに、変動演出パターン選択処理S204においては、画像表示器5において第1装飾図柄の変動表示を表示画面5aの大部分(図23中のXで示す領域)を使用して行い、第1装飾図柄の変動表示中に第2装飾図柄の変動表示を開始する場合に、表示画面5aの一部例えば右下隅(図23中のYで示す領域)を使用して第2装飾図柄の変動表示を行う演出モード(第1装飾図柄主表示演出モード)が選択可能であり、また、上記第1装飾図柄主表示演出モードとは反対に第2装飾図柄を主表示する演出モード(第2装飾図柄主表示演出モード)も選択可能である。
S186では、メイン制御基板50において特別図柄処理S6のS67又はS70でセットされ送信されてくる早期変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S186)、受信しない場合、メイン制御基板50において特別図柄処理S6のS53又はS62でセットされ送信されてくる変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S187)、受信しない場合、メイン制御基板50において特別図柄処理S6のS108でセットされ送信されてくるオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S188)、受信しない場合、メイン制御基板50において大入賞口処理S8のS143でセットされ送信されてくるエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S189)、受信しない場合、コマンド受信処理S171に後続のコマンド送信処理S172へ移行する。
特別図柄処理S6のS53又はS62でセットされ送信されてくる変動停止コマンドを受信した場合、S187の判定結果は「YES」に反転し、変動演出終了中処理S190を行う。また、特別図柄処理S6のS67でセットされ送信されてくる早期変動停止コマンドを受信した場合、又は、特別図柄処理S6のS70でセットされ送信されてくる早期変動停止コマンドを受信した場合、S186の判定結果は「YES」に反転し、S194へ移行する。S194では、当該早期変動停止が、「小当たり」以上の当たりつまり「小当たり」又は「大当たり」が発生したことによる早期変動停止か否かを判定し、その判定結果が「YES」の場合、停止装飾図柄の変更を行う(S194)。具体的には、第2装飾図柄についての早期変動停止コマンドを受信した場合には、第1特別図柄の変動停止後、「小当たり」又は「大当たり」が発生するとき、第2装飾図柄の停止装飾図柄つまり停止第2装飾図柄の変更を行い、また、第1装飾図柄についての早期変動停止コマンドを受信した場合には、第2特別図柄の変動停止後、「小当たり」又は「大当たり」が発生するとき、第1装飾図柄の停止装飾図柄つまり停止第1装飾図柄の変更を行う。ここで、変更後の停止装飾図柄は、上述したように、「チェリー」の図柄CBを含んでいる。
S190では、変動停止コマンドを受信した場合には、変動開始コマンドで指定された停止装飾図柄で装飾図柄の変動を停止させるコマンドをセットし、一方、強制変動停止コマンドを受信した場合には、S194で変更された停止装飾図柄で装飾図柄の変動を停止させるコマンドをセットする。
また、コマンド受信処理S171では、オープニングコマンドを受信したとき(S188)、当たり演出選択処理S191を行い、エンディングコマンドを受信したとき(S189)、エンディング演出選択処理S192を行う。
b.コマンド送信処理S172
コマンド送信処理S172においては、変動停止コマンドを受信した場合の停止装飾図柄、又は、早期変動停止コマンドを受信した場合の変更された特定の停止装飾図柄を指定するコマンドなどを画像制御基板54へ送信するとともに、ランプ装飾による演出のためのコマンドをランプ制御基板55へ送信する。
以上説明したように、本実施形態では、メイン制御基板50は、第1特図信号出力処理と第2特図信号出力処理とを並列的に行い得るよう構成され、メイン制御基板50は、第1特図信号出力処理と第2特図信号出力処理とを並列的に行っている場合において、例えば、第2の大当たり判定処理による判定結果が大当たり又は小当たりである場合、大入賞口8bが開閉動作を行うようになるが、第2装飾図柄の変動停止に同期させて、第1装飾図柄の変動表示を強制的に停止させるようにした。そして、強制的に変動停止される第1装飾図柄の停止図柄(停止第1装飾図柄)は、大入賞口8bが開放しても不自然にならない所定の停止図柄に設定したため、遊技者は、大入賞口8bの開放を違和感無く受け入れられるようになる。特に、停止第1装飾図柄が、第1装飾図柄の変動表示中に変動表示されない図柄であり、強制停止時に限り停止図柄となり得る図柄に設定した場合、当該停止第1装飾図柄が停止表示されることは遊技者に対して強烈な印象を与えることとなり、大入賞口8bの開放は極めて自然なものとして遊技者に受け入れられるようになる。