図2には本出願人が開発中の給湯風呂装置のシステム構成が示されている。同図において、燃焼器具1の燃焼室2内には給湯熱交換器と追い焚き熱交換器12とが配置されている。給湯熱交換器はメイン熱交換器3と潜熱熱交換器4とから成る。メイン熱交換器3の下方側には1つ以上(図では3個)の給湯バーナ5が配置されており、追い焚き熱交換器12の下方側には追い焚きバーナ13が配置されている。
これら、給湯バーナ5と追い焚きバーナ13はそれぞれ分岐ガス管8に連通接続されており、各分岐ガス管8は基幹ガス管7に統合されている。各分岐ガス管8にはガス弁11が介設されており、基幹ガス管7には元ガス弁9と比例弁10が設けられている。比例弁10は給湯バーナ5や、追い焚きバーナ13に供給するガス量を開弁量によって調整するものであり、その開弁量の制御は制御装置によって行われている。燃焼室2の下部側に設けられている燃焼ファン6はファン回転によって給湯バーナ5および追い焚きバーナ13へ給排気の空気を供給する。ファン回転数は制御装置によって制御されている。制御装置はバーナ5、13の燃焼量にマッチングした風量を対応するバーナ5、13に供給すべく燃焼ファン6のファン回転数を制御する。
前記潜熱熱交換器4はメイン熱交換器3よりも上方側(燃焼ガスの流れの下流側)に配置されている。潜熱熱交換器4の入水口には給水管14が接続され、潜熱熱交換器4の出口はメイン熱交換器3の入水口に連通接続され、メイン熱交換器3の出口には給湯管15が接続されている。メイン熱交換器3は給湯バーナ5による燃焼ガスの顕熱を吸熱し、潜熱熱交換器4は主に燃焼ガスの潜熱を吸熱して給水管14から供給される水を加熱して設定温度(リモコン等により設定される給湯の設定温度)の湯を作り出し、給湯管15を通してその湯を給湯の要求先に供給する。
潜熱熱交換器4の下部側には燃焼ガスの潜熱回収時に発生するドレンを受けるドレン受16が配置されており、このドレン受16に受け止められたドレンはドレン管17を通して中和器18に入り込む。中和器18には炭酸カルシウム等の中和剤が充填されており、酸性を有するドレン水が中和される。この中和されたドレン水は下側のドレンタンク19に貯留される。
前記追い焚き熱交換器12の入水口には管路29の一端側が接続されており、管路29の他端側は循環ポンプ47のポンプ吐出口26に接続されている。追い焚き熱交換器12の出口は往管30の一端側に接続され、往管30の他端側はアダプタ31を介して浴槽32に接続されている。この往管30には循環系と排水系の通路(流路)を切り替える流路切り替え弁としての第3の切り替え弁35が介設されており、第3の切り替え弁35は追い焚き熱交換器12側から往管30を通して流れてくる流水を浴槽32側への通路(循環系の通路)と排水通路48への通路(排水系の通路)との一方側へ選択的に切り替えるもので、排水通路48は浴室内に配置されており、排水通路48から排出された流水は浴室の洗い場の排水口に入り、外部へ排水される構成と成している。図2の例では、第3の切り替え弁35は流路切り替えユニット36としてユニットの形態で構成されて、往管30に組み込まれている。
前記循環ポンプ47のポンプ吸い込み口25は注湯・注水流路切り替え弁としての第2の切り替え弁34を介して戻り管28に連通接続されており、浴槽32、戻り管28、その戻り管28の分岐通路28a、28bのうちの一方側の分岐通路28b、循環ポンプ47、管路29、追い焚き熱交換器12、往管30、第3の切り替え弁35を順に介して浴槽32に戻る通路は追い焚き循環通路27を形成している。
前記給湯管15には湯・水供給通路20の一端側が接続され、湯・水供給通路20の他端側は注湯・注水電磁弁44を介して第1の切り替え弁33に接続されている。第1の切り替え弁33にはドレンタンク排出路23の出口とポンプ連通用通路24の入口側が接続されており、ドレンタンク排出路23の入口側は逆止弁22を介してドレンタンク19の底部に連通接続されている。また、ポンプ連通用通路24の出口は第2の切り替え弁34に接続されている。第1の切り替え弁33は湯・水供給通路20とドレンタンク排出路23との一方側を選択的にポンプ連通用通路24へ切り替えるものである。なお、第1の切り替え弁33によって湯・水供給通路20がポンプ連通用通路24に連通状態にあるときにはポンプ連通用通路24は湯・水供給通路20として機能し、第1の切り替え弁33によってドレンタンク排出路23がポンプ連通用通路24に連通されている状態にある時には、ポンプ連通用通路24はドレンタンク排出路23として機能する。
また、前記第2の切り替え弁34は四方弁として機能し、戻り管28の分岐通路28bを循環ポンプ47のポンプ吸い込み口25に接続する動作と、ポンプ連通用通路24を循環ポンプ47のポンプ吸い込み口25に接続する動作と、戻り管28の分岐通路28bを循環ポンプ47のポンプ吸い込み口25に接続し、かつ、戻り管28の分岐通路28aをポンプ連通用通路24に接続する動作とを制御装置からの指令に応じ選択的に行うものである。
上記第1の切り替え弁33、第2の切り替え弁34、第3の切り替え弁35はそれぞれモータを備え、モータの駆動によって通路(流路)を切り替える構成と成している。このようなモータ駆動によって通路(流路)を切り替える弁は周知であるので、この弁の具体的な構成や、その作用の説明は省略する。
なお、図2中、37は湯水温を検出するサーミスタ、38は水量センサ、39はバイパス通路、40は流水流量を調節する水量サーボ、41はバイパス通路39に流れる給水の水量を調節するバイパスサーボ、42は大気開放弁、43は逆止弁、49はドレンタンク19からのオーバーフロー水や、大気開放弁42から出る水を外部へ排出する排水管、21はドレンタンク19内に貯留されているドレン水の水位レベルを検出するための複数の水位電極、をそれぞれ示している。
この給湯風呂装置は、制御装置によって、給湯運転と、追い焚き運転と、湯張り運転と、ドレン排水運転と、ドレン洗浄運転との各運転動作が制御されており、以下、これらの各運転動作の一例を簡単に説明する。
給湯運転は給湯管15の先方に設けられている給湯栓(図示せず)等が開かれることによって開始する。給湯栓が開かれると給水管14に給水が導入される。この給水管14に流れる流量が水量センサ38によって検出されて作動流量以上に達すると、給湯バーナ5へ通じる分岐ガス管8のガス弁11が開けられるとともに燃焼ファン6のファン回転が行われて、要求燃焼量に応じて選択された個数の給湯バーナ5の燃焼が行われ、潜熱熱交換器4およびメイン熱交換器3を通る水が加熱されて湯が作り出され、この湯が給湯管15を通して開状態の給湯栓に供給されて出湯される。
追い焚き運転はリモコンによって追い焚き運転が指令されたときや、保温機能を有する器具においては浴槽湯水の温度が設定温度よりも許容範囲を越えて低下したとき等に行われる。この追い焚き運転は第2の切り替え弁34によって戻り管28の分岐通路28bが循環ポンプ47のポンプ吸い込み口25に連通され、第3の切り替え弁35によって追い焚き熱交換器12から第3の切り替え弁35までの往管30の一部の通路30bが第3の切り替え弁35から浴槽32に至る往管30の残りの通路30aに連通された状態で循環ポンプ47を駆動することにより行われる。循環ポンプ47の駆動によって、浴槽32内の湯水が追い焚き循環通路27を通して循環し、循環水が流水スイッチ45によって検出されたときに燃焼ファン6の回転駆動と追い焚きバーナ13の燃焼が開始され、循環水が追い焚き熱交換器12を通るときに追い焚きバーナ13の燃焼熱によって加熱され、浴槽湯水の温度が上昇する。追い焚き循環通路27に設けたサーミスタ37によって検出される浴槽湯水の温度がリモコンによって設定された風呂の設定温度に達した時等に循環ポンプ47の動作が停止され、追い焚きバーナ13の燃焼停止および燃焼ファン6の回転停止が行なわれて追い焚き運転が終了となる。
湯張り運転は、リモコン等により湯張り運転(自動運転)が指令されることによって開始する。湯張り運転(自動運転)が指令されると、第1の切り替え弁33により湯・水供給通路20をポンプ連通用通路24に連通する動作と、第2の切り替え弁34により戻り管28の分岐通路28bを循環ポンプ47のポンプ吸い込み口25に連通すると共に、戻り管28の分岐通路28aをポンプ連通用通路24に連通する動作と、第3の切り替え弁35により往管30の追い焚き熱交換器12から第3の切り替え弁35までの通路部分30bを往管30の第3の切り替え弁35から浴槽32に至る通路部分30aに連通させる動作とが行われ、この流路の切り替え状態で、注湯・注水電磁弁44が開けられる。
そうすると、給水管14から給湯熱交換器(潜熱熱交換器4およびメイン熱交換器3)に給水が導入されることにより、前記の給湯運転の動作と同様に動作して給湯熱交換器で湯張り設定温度の湯が作り出され、その湯はメイン熱交換器3から給湯管15、湯・水供給通路20、第1の切り替え弁33、ポンプ連通用通路24、第2の切り替え弁34へと順に流れる。そして、ポンプ連通用通路24から第2の切り替え弁34に供給されてきた湯は、分岐通路28a、戻り管28を順に経て浴槽32に至る流れと、分岐通路28a、分岐通路28b、ポンプ吸い込み口25、循環ポンプ47、ポンプ吐出口26、管路29、追い焚き熱交換器12、往管30(30b)、第3の切り替え弁35、往管30(30a)を順に経て浴槽32に至る流れとによって、浴槽32に落とし込まれ、浴槽32内の湯の水位が時間の経過にともない上昇していく。そして、水位センサ46によって水圧により検出された浴槽水位がリモコンによって設定された湯張り設定水位に達したときに注湯・注水電磁弁44が閉じられ、湯張りの動作が終了する。
なお、湯張りが完了した後に保温動作や保水動作を行う機能を有する器具においては湯張りの後にそれらの運転モードに移行する。
ドレン排水運転は予め定められたドレン排水開始条件が満たされたとき(例えば、水位電極21によってドレンタンク19内のドレン水の水位が予め定めた排水レベルに達したとき等)に運転が開始する。この運転開始に際しては、第2の切り替え弁34によりポンプ連通用通路24を循環ポンプ47のポンプ吸い込み口25に連通接続し、次に、第3の切り替え弁35により追い焚き熱交換器12から第3の切り替え弁35までの往管30bの通路を排水通路48に連通接続し、次に、第1の切り替え弁33によりドレンタンク排出路23をポンプ連通用通路24に連通接続した状態で、循環ポンプ47を駆動する。
循環ポンプ47の駆動により、ドレンタンク19内のドレン水はドレンタンク排出路23、ポンプ吸い込み口25、循環ポンプ47、ポンプ吐出口26、管路29、追い焚き熱交換器12、往管30b、第3の切り替え弁35を順に経て排水通路48から浴室(具体的には浴室の洗い場)に排出される。
そして、予め定めたドレン排水終了条件に達したとき(例えば、ドレンタンク19内のドレン水の水位が予め定めたドレン排水終了レベルに達したとき等)に循環ポンプ47の駆動を停止し、ドレン排水運転を終了する。
ドレン洗浄運転はドレン排水運転によって通路に付着したドレン水を洗浄するものであり、ドレン排水運転の後に行うもので、ドレン洗浄運転の開始に際しては、第1の切り替え弁33によりポンプ連通用通路24を湯・水供給通路20に連通接続し、次に、注湯・注水電磁弁44を開動作させることにより開始する。このとき、第2の切り替え弁34、第3の切り替え弁35はドレン排水運転の切り替え位置であり、往管30bは排水通路48に連通接続された状態になっている。
注湯・注水電磁弁44を開動作させることにより給水管14から給水が給湯熱交換器(潜熱熱交換器4およびメイン熱交換器3)に入り、給湯運転時と同様に給湯バーナ5の燃焼が行われ、給湯熱交換器により湯が作り出される。この湯は、給湯管15から湯・水供給通路20、第1の切り替え弁33、ポンプ連通用通路24、循環ポンプ47、追い焚き熱交換器12、往管30b、第3の切り替え弁35を順に経て排水通路48から浴室内に排水される。注水量が予め定めた設定流量に達したとき、或いは、注水時間が予め定めた時間に達したとき等の、洗浄終了条件が満たされたときに注湯・注水電磁弁44が閉動作され、注湯によるドレン洗浄運転が終了する。なお、給湯バーナ5を燃焼させずにドレン洗浄運転を同様に行えば、非加熱の水によってドレン洗浄運転が行われることになる。
このドレン洗浄運転の終了時には、第3の切り替え弁35により往管30bは往管30aに連通接続され、第2の切り替え弁34により分岐通路28bがポンプ吸い込み口25に連通接続されるという如く、第2の切り替え弁34と第3の切り替え弁35は定位置となる追い焚き運転位置に通路の切り替えを行う。
ドレンタンク19のドレン水を外部へ排出する場合に、通常屋外に設置される燃焼器具1から直接的に外部へ垂れ流しするのは避けなければならない。そのため、燃焼器具1で生じたドレン水を常設の排水トラップへ排水する排水経路を設けることも考えられるが、そのような排水経路をドレン水の排水のためのみに設けるのは不経済である上に、その排水通路の形成には難工事を伴うことが多い。
その点、浴室には洗い場で使用した湯水を排水する排水装備が常備されており、また、浴室には浴槽と燃焼器具1を連通する追い焚き循環通路27が配管されている。それ故、燃焼器具1で発生したドレン水の排水経路として、追い焚き循環通路27の一部の経路(通路)を兼用して浴室内に排水すれば、上記の難工事を伴うことなく、ドレン水の排水経路を容易に形成することが可能となる。
この点に鑑み、本発明者は、ドレンタンク19からのドレン水を追い焚き循環通路27の往管30bを通して浴室内に設けた排水通路48から浴室に排出している。このように、ドレン水は浴室内に設けた排水通路48を通して浴室の洗い場に排出されることから流路切り替えユニット36も浴室内に設置することが望ましく、その流路切り替えユニット36の設置場所として浴室空間の有効利用を効果的に図る観点から、浴槽32と浴室壁面間のデッドスペースに設置するのが最適と考えた。
そこで、給湯風呂装置の開発の初期段階においては、流路切り替えユニット36を浴槽32と浴室壁面間のデッドスペースに配置して、流路切り替えユニット36を直接的に浴室壁面に固定することを試みた。
しかし、そのようにすると、次のような不具合が発生するおそれがあることに気付いた。すなわち、給湯風呂装置の利用者の中には幼児を含む家族が想定される。幼児が玩具を手に持って遊んでいるときや、入浴中等に、玩具やタオルを、浴槽32と浴室壁面との狭いデッドスペースに落とすことが考えられる。そのような場合、落とした玩具やタオルを幼児が狭いデッドスペースから取り出すのはできないので、父親等にその取出しをせがむことになる。
落とした玩具やタオルを取り出すためだけの仕事を工事業者に依頼するのはあまりにも大げさであるので、父親等は自分で取り出す羽目となる。しかし、狭いデッドスペースの空間に落ち込んだ玩具等を、その狭い空間に手を差し込んで取り出すのは非常に困難であり、浴槽32を退かさなければならなくなる。一般的に、追い焚き循環通路27はゴム管、架橋ポリエチレン管等で形成されており、多少の伸縮変形や撓曲変形は可能であるが、浴室壁面に固定されている流路切り替えユニット36と浴槽32間に配管されている追い焚き循環通路27の短い管路部分は大きく変形できないので、玩具等を取り出すために必要な移動量だけ浴槽32を退かすことができず、玩具等を取り出すために必要な移動量だけ浴槽32を退かすためには、流路切り替えユニット36と浴槽32を接続している配管の一端側の接続を取り外さなければならない。
しかし、その配管の取り外し作業は浴槽32と浴室壁面間の狭いデッドスペース内で行わなければならないので、素人の父親等にとっては、非常に大変な大仕事になってしまうという問題が生じてしまう。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、流路切り替えユニットを浴槽と浴室壁面間のデッドスペースに配置するにも拘らず、必要なときには浴槽を容易に退かし、また、退かした後に容易に元通りにすることが可能な、流路切り替えユニットの配置構造及びその流路切り替えユニットとユニット取り付け具並びに流路切り替えユニットを備えた給湯風呂装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次に示す構成をもって課題を解決する手段と成している。すなわち、第1の発明は、循環ポンプの駆動により、浴槽から戻り管、循環ポンプ、追い焚き熱交換器、往管を順に通して浴槽に戻る経路で浴槽水を循環する追い焚き循環通路の前記往管に介設される流路切り替えユニットを、浴室に設置される浴槽と該浴槽近傍の浴室壁面との間のデッドスペースに配置する流路切り替えユニットの配置構造であって、前記流路切り替えユニットはそのユニットボディー内に流路切り替え弁を構築した構成と成し、前記流路切り替え弁は、前記追い焚き熱交換器から前記流路切り替え弁に至る往管の一部の通路を、前記流路切り替え弁から浴槽に至る往管の残りの一部の通路と排水通路との一方へ選択的に切り替える三方弁の構成形態と成して、前記ユニットボディーの外面には前記往管の一部の通路と前記往管の残りの一部の通路と前記排水通路とにそれぞれ接続する接続部位が設けられており、前記浴室壁面にはユニット取り付け具が固定されており、該ユニット取り付け具には前記流路切り替えユニットがスライド移動可能なスライド移動面が形成されており、前記流路切り替えユニットは前記ユニット取り付け具の前記スライド移動面にスライド移動自在に載置されて、前記ユニット取り付け具に着脱自在にねじ固定される構成と成し、当該ねじ固定のねじの螺合進退方向は前記デッドスペース間の浴室壁面及び浴槽壁面に沿う方向と成している構成をもって課題を解決する手段と成している。
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成を備えたものにおいて、前記流路切り替えユニットがユニット取り付け具に1箇所の位置でねじ固定されている構成をもって課題を解決する手段と成している。
さらに、第3の発明は前記第1又は第2の発明の流路切り替えユニットの配置構造を構成する流路切り替えユニットであって、該流路切り替えユニットを構成するユニットボディーの内壁面には凹部が形成され、該凹部の開口面は弾性を有する弾性部材によって気密に閉鎖されて該弾性部材と凹部の壁面とによって圧力緩和室が形成され、前記凹部の壁面には前記圧力緩和室を外気に連通する通気孔が形成されている構成をもって課題を解決する手段と成している。
さらに、第4の発明は前記第1又は第2の発明の流路切り替えユニットの配置構造を構成するユニット取り付け具であって、該ユニット取り付け具は間隔を介して互いに対向状態に配置されて連接された対を成す立設板を有し、該対を成す一方の立設板にはねじ挿通孔と、該ねじ挿通孔よりも大径でねじ回しの工具が挿入可能な工具挿入孔とが複数形成され、前記対を成す他方の立設板には前記一方の立設板のねじ挿通孔に対向する位置に工具挿入孔が形成されると共に、前記一方の立設板の工具挿入孔に対向する位置にねじ挿通孔が形成されており、前記対を成す立設板の上端部間の板面にスライド移動面が形成されている構成をもって課題を解決する手段と成している。
さらに、第5の発明は、バーナの燃焼ガスの顕熱を吸熱するメイン熱交換器と該メイン熱交換器よりも燃焼ガスの流れの下流側に配置されて前記燃焼ガスの潜熱を吸熱する潜熱熱交換器を有して構成され、前記潜熱熱交換器からメイン熱交換器の順に通水する水を加熱して湯を作成し、当該湯を給湯管を通して給湯先に供給する給湯熱交換器と、浴槽水を戻り管を通して循環ポンプのポンプ吸い込み口に導き、該循環ポンプのポンプ吐出口から送出される浴槽水を追い焚き熱交換器を経由して該追い焚き熱交換器から往管を通して浴槽に戻す追い焚き循環通路と、前記往管に連通接続された排水通路と、該排水通路と往管の連通接続部に設けられ前記追い焚き熱交換器から前記排水通路の連通接続部に至る往管の一部の通路を該排水通路の連通接続部から浴槽に至る往管の残りの一部の通路と前記排水通路との一方側へ選択的に切り替える流路切り替え弁を内蔵した流路切り替えユニットと、前記潜熱熱交換器で生じるドレン水を貯留するドレンタンクとを備え、該ドレンタンク内のドレン水を排水するドレン水排水運転においては、前記循環ポンプを駆動してドレンタンク内のドレン水を前記循環ポンプを経由し前記追い焚き熱交換器、往管を順に通して前記流路切り替えユニットから前記排水通路を通して外部へ排出する給湯風呂装置であって、前記流路切り替えユニットの配置構造は前記第1又は第2の発明の配置構造とした構成をもって課題を解決する手段と成している。
本発明によれば、流路切り替えユニットをユニット取り付け具に取り付け固定するねじはデッドスペースで互いに対向している浴室壁面と浴槽壁面に沿う方向に螺合進退させる構成と成しているので、ねじを螺合進退させるねじ回しの工具(例えば、ドライバー)を、浴室壁面や、浴槽壁面に邪魔にならずにデッドスペース内に差し込んでねじ回しできることになり、ねじの着脱操作がしやすい方向となるので、浴槽を退かしたいときには、流路切り替えユニットをユニット取り付け具に取り付け固定しているねじを容易に取り外すことができる。特に、1箇所の位置で流路切り替えユニットをユニット取り付け具に取り付け固定している構成のものにあっては1本のねじを外せばよいので、その作業は素人にとっても容易である。
そして、その固定ねじを外した状態にあっては、流路切り替えユニットは往管に支持されて宙に浮いた態様でユニット取り付け具にフリーな状態(ねじ固定の拘束から開放されたフリーな状態)で載っているだけなので、浴槽を退かすために移動させると、流路切り替えユニットもユニット取り付け具のスライド移動面上でスライド移動して浴槽と同じ方向に追従して移動するので、浴槽と浴室壁面間のデッドスペースに幼児が玩具等を誤って落としてしまった場合には、浴槽設置施工の工事に詳しくない父親等の素人の大人であっても、その落とした玩具を取り出すために充分な移動量だけ浴槽を退かすことができるので、幼児が落とした玩具等の落し物を容易に浴槽と浴室壁面間のデッドスペースから取り出すことができる。
また、落し物を取り出した後に、退かした浴槽を元の位置に戻して流路切り替えユニットをユニット取り付け具にねじ固定する作業も容易に行うことができる。この場合、ねじ固定する作業をし忘れたとしても、流路切り替えユニットはユニット取り付け具のスライド移動面に載置された状態にあるので、往管に支持されて宙に浮いた状態の流路切り替えユニットの重量が往管に掛かって往管を傷めるということもなく、何ら支障なくそのままの状態で給湯風呂装置を使用し続けることができる。
さらに、流路切り替えユニットを構成する流路切り替えユニットを構成するユニットボディーの内壁面には凹部が形成され、該凹部の開口面は弾性を有する弾性部材によって気密に閉鎖されて該弾性部材と凹部の壁面とによって圧力緩和室が形成され、前記凹部の壁面には前記圧力緩和室を外気に連通する通気孔が形成されている内壁面に凹部を形成して圧力緩和室を形成した発明においては、該ユニットボディー内の密封空間が温度変化を受けて圧力変動を起しても、その圧力変動に応答して圧力緩和室を構成している弾性部材が変形してユニットボディー内の密封空間の圧力変動を吸収緩和するので、前記ユニットボディーがその内部の密封空間の圧力変動を受けて破損したり、ユニットボディー内に収容されている電気回路(ユニットボディー内に収容されている流路切り替え弁のモータ等を動作するための電気回路)がその圧力変動を受けて水が侵入し、劣化(電気特性や機械的強度の劣化)する不具合の発生を防止できる。
さらに、本発明のユニット取り付け具は、対を成す一方の立設板にはねじ挿通孔と、該ねじ挿通孔よりも大径でねじ回しの工具が挿入可能な工具挿入孔とが複数形成され、前記対を成す他方の立設板には前記一方の立設板のねじ挿通孔に対向する位置に工具挿入孔が形成されると共に、前記一方の立設板の工具挿入孔に対向する位置にねじ挿通孔が形成されている構成としたので、対を成す2枚の立設板の何れを浴室壁面への固定側にしても、浴室壁面への固定側の立設板のねじ挿通孔にねじを通して反対側の立設板の対応する工具挿入孔からねじ回し工具(ドライバー等)を差し込んで浴室壁面にねじ固定することができる。
したがって、浴槽の配置位置を浴室の例えば右隅にした場合と左隅にした場合等の異なる配置位置に応じて、2枚の立設板のうちの何れを浴室壁面への固定側の立設板にするかを適宜選択対応できるので、浴室内での浴槽の配置位置が異なる場合においても共通のユニット取り付け具を使用して適切な位置に流路切り替えユニットを配置できる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基き説明する。なお、本発明における給湯風呂装置のシステム構成の実施形態は既述した図2および「背景技術」の欄で説明した内容と同じであるので、その重複説明は省略する。
本発明の特徴は流路切り替えユニット36の配置構造を特有な構成としたことである。図1、図3〜図5は流路切り替えユニット36の配置構造に関連する実施形態を示すもので、流路切り替えユニット36は浴室内に設置された浴槽32と浴室壁面間の狭いデッドスペース65(図1参照)に配置される。図1に示す例では、浴槽32は浴室の隅に設置され、浴槽32のアダプタ31が設けられる短辺側側面32aと奥側となる長辺側側面32bがそれぞれ図示されていない隅部の浴室壁面と狭い間隔を介して対向してデッドスペース65を形成している。
流路切り替えユニット36はユニットボディー66内に、往管30bを往管30aと排水通路48のいずれか一方へ選択的に切り替えるための流路と、その流路を切り替えるためのモータを含む三方弁の形態の第3の切り替え弁35の機構と、該第3の切り替え弁35の流路切り替え用のモータを駆動するための電気回路(モータの駆動制御回路)が形成された回路基板とを気密に封止収容してなるもので、ユニットボディー66の外面には追い焚き循環通路27の往管30aを接続する接続部(接続部位)67aと、往管30bを接続する接続部(接続部位)67bと、排水通路48を接続する接続部(接続部位)67cとが設けられており、各接続部67a、67b、67cに対応する管路(通路)30a、30b、48が接続されている。また、ユニットボディー66からは内部の回路基板の電気回路をリモコンの回路に接続するためのリモコン線68が導出されており、このリモコン線68を導出するためのユニットボディー66に設けられる穴もパッキン等により気密封止されている。
ユニットボディー66は一端側の面が開口されたボディー本体66aと該ボディー本体66aの開口を塞ぐ蓋体66bによって構成されており、容器本体66aと蓋体66bは溶着(例えば、溶着線を用いた溶着)等によって気密固定されている。なお、前記往管30bを往管30aと排水通路48のいずれか一方へ選択的に切り替えるための流路と、その流路を切り替えるためのモータを含む三方弁の形態の第3の切り替え弁35の機構と、該第3の切り替え弁35の流路切り替え用のモータを駆動するための電気回路(モータの駆動制御回路)はボディー本体66a側に設けられている。
図6に示されるように、ユニットボディー66の内壁面(図3等に示す例では蓋体66bの内壁面)には凹部70が形成され、この凹部70の開口は弾性を有するゴム板等の弾性部材71によって気密に閉鎖されており、凹部70と弾性部材71によって応力緩和室72が形成され、その応力緩和室72のユニットボディー66側の壁部には応力緩和室72を外気に連通するための通気孔73が形成されている。
流路切り替えユニット36(ユニットボディー66)を浴槽壁面に取り付けるためのユニット取り付け具75は、図5に示されるように、互いに間隔を介して対向する1対の立設板77a、77bを有し、これらの立設板77a、77bの互いの片端側の上端部間は頂壁81によって連接されており、立設板77a、77bはその下方部側で連結板85によって連結されている。頂壁81は流路切り替えユニット36の載置面として機能すると共に流路切り替えユニット36がスライドするスライド移動面76としての機能をもち、中央側の面よりも両端側の面(立設板77a、77bの上端の端縁部の面)が低位となる段差が形成されている。そして、頂壁81の両サイドには立設板77a、77bに沿って先端側から基端側に切り込まれたスリット80が形成されている。
一対の両側のスリット80で挟まれる頂壁81の部位は、流路切り替えユニット36のユニットボディー66が嵌め込まれてスライドするためのスライドガイド片81aと成している。頂壁81の基端部位に設けられている起立板部86は流路切り替えユニット36(ユニットボディー66)の載置状態の定位置を規定する位置決め部として機能している。
頂壁81には下方に突き出す舌片82が形成されており、この舌片82には流路切り替えユニット36(ユニットボディー66)をねじ固定するためのねじ孔(孔の周面に雌ねじが刻設されている孔)83が形成されている。この舌片82は両立設板77a、77b間の中心を長手方向(スライドA方向)に通る中心線に対し、立設板77a寄り又は立設板77b寄り(図5例では立設板77b寄り)にオフセットした位置に設けられている。
両立設板77a、77bにはそれぞれ複数のねじ挿通孔78と複数の工具挿通孔79が設けられている。ねじ挿通孔78はねじを通す小径の孔であり、工具挿通孔79はねじ回し工具(ドライバー等)を挿通可能なねじ挿通孔78よりも大径の孔である。各立設板77a、77bにおいて、ねじ挿通孔78と工具挿通孔79は間隔を介して交互に設けられており、立設板77aのねじ挿通孔78は立設板77bの工具挿通孔79に対向し、立設板77aの工具挿通孔79は立設板77bのねじ挿通孔78に対向している。
このユニット取り付け具75は浴槽32と浴室壁面間のデッドスペースとなる浴室壁面に取り付けられるもので、図1、図4に示す例では、ユニット取り付け具75は浴槽32のアダプタ31が設けられている短辺側側面32aに対向する浴室壁面に取り付けられている。このユニット取り付け具75の取り付けは、頂壁81を上側にして1対の立設板77a、77bのうちの一方側の立設板を浴室壁面にあてがい、その浴室壁面にあてがっている方の立設板のねじ挿通孔78にねじ(図示せず)を通し、反対側(手前側)の立設板の対向(対応)する工具挿通孔79からねじ回し工具を挿入して、ねじ挿通孔78に挿入されているねじを浴室壁面側に設けたねじ孔に螺合回転することにより、ユニット取り付け具75は浴室壁面に螺合締結される。
本実施形態のユニット取り付け具75は、このように、一方側の立設板の工具挿通孔79が他方側の立設板のねじ挿通孔78に対向(対応)し、一方側のねじ挿通孔78が他方側の立設板の工具挿通孔79に対向(対応)する構成と成しているので、1対の立設板77a、77bのうちの何れを浴室壁面への固定側の立設板にしてもよいので、例えば、浴槽32が浴室の右隅に設置する場合と左隅に設置する場合とで、浴室壁面への固定側となる立設板を使い分けることが可能と成している。例えば、図5(a)では立設板77bが浴室壁面への固定側の立設板であり、図5(b)では立設板77aが浴室壁面への固定側の立設板である。図1、図4の例では、立設板77aが浴室壁面への固定側の立設板と成している。
なお、ユニット取り付け具75の浴室壁面への取り付け位置は、図1、図4に示されるように、浴槽32を浴室に設置した状態で、浴槽32の短辺側側面32aの手前側となる位置にすれば、後述の、浴槽32を退かす際に、ねじ84の取り外し作業を容易に行えるので都合がよい。
流路切り替えユニット36(ユニットボディー66)のユニット取り付け具75への取り付けは、図5に示されるように、流路切り替えユニット36をユニット取り付け具75へスライドA方向へ挿入することにより行われる。図7、図8図9に示されるように、ユニットボディー66の底壁からは下方へ向けてガイド枠部88が突き出されており、このガイド枠部88にA方向に貫通した偏平なガイド穴89(図9参照)が形成されている。
そして、ガイド枠部88の底面からは取り付け板部64a、64bが下方へ向けて突き出されており、各取り付け板部64a、64bにはねじ挿通孔63が設けられている。取り付け板部64aと取り付け板部64bはA方向に間隔を介して、底壁のA方向の中心線に対し互いに反対方向に同じ量だけオフセットした位置にそれぞれねじ挿通孔63が設けられている。
流路切り替えユニット36をA方向に差し込みながらガイド枠部88のガイド穴89をユニット取り付け具75のスライドガイド片81aへ挿入して起立板部86側へ向けてスライド移動することにより流路切り替えユニット36はユニット取り付け具75の頂壁81に載置し、流路切り替えユニット36のユニットボディー66の底壁から突き出し形成されている取り付け板部66a、66bの一方が舌片82に当接し、取り付け板部に設けたねじ挿通孔63が舌片82に設けたねじ孔83に一致する。この状態で、図5に示されるように、ねじ84を取り付け板部のねじ挿通孔63に通して該ねじ84をねじ孔83に螺合回転することにより、流路切り替えユニット36(ユニットボディー66)はユニット取り付け具75へ1本のねじ84によって締結固定される。
因みに、図5(a)に示す向きで流路切り替えユニット36をユニット取り付け具75に取り付ける場合には、取り付け板部64aが舌片82に当接してねじ固定され、図5(b)に示す向きで流路切り替えユニット36をユニット取り付け具75に取り付ける場合には、取り付け板部64bが舌片82に当接してねじ固定される。
図3は流路切り替えユニット36がユニット取り付け具75に取り付けられている状態を示し、ユニットボディー66の底面は起立板部86(図5参照)側となる頂壁81の面上に載置された状態でユニット取り付け具75に固定されている。
なお、本実施形態においては、図5(a)、(b)に示されるように、1対の立設板77a、77bのうちのいずれを浴槽壁面への固定側にするかによって流路切り替えユニット36の方向が180度異なり、舌片82が前述したように中心線からオフセットされているので、流路切り替えユニット36の方向が180度異なるごとに、ユニット取り付け具75への固定用に使用する取り付け板部64a、64bを選択的に使い分けしている。
上記のようにして、ユニット取り付け具75は浴室壁面に取り付けられ、流路切り替えユニット36はユニット取り付け具75に取り付けられることで、流路切り替えユニット36は浴槽32と浴室壁面間のデッドスペースに配置される。
本実施形態においては、ねじ84を舌片82のねじ孔83から取り外せば、流路切り替えユニット36はユニット取り付け具75との締結固定状態から開放されるので、ユニット取り付け具75のスライド移動面76に沿って、例えば、図3のA方向にスライド移動が可能となる。
それ故、幼児が誤って玩具や、タオル等を浴槽32と浴室壁面間の狭いデッドスペースに落としてしまった場合には、そのデッドスペースにねじ回し工具(ドライバー)を差し込んで、1本のねじ84を取り外すだけで流路切り替えユニット36のユニット取り付け具75に対する固定状態を解除できる。本実施形態では、図5に示されるように、ねじ84がねじ孔83に螺合進退する方向は流路切り替えユニット36がユニット取り付け具75のスライド移動面76をスライド移動するA方向と同じなので、ねじ回し工具をデッドスペース間で対向している浴槽壁面および浴槽32の短辺側側面32aに沿う方向に差し込めばよいので、ねじ回し工具を浴槽壁面や、短辺側側面32aが邪魔になることなくデッドスペース間にスムーズに差し込んでねじ回しできるので、ねじ84の取り外し作業を容易に行うことができる。
特に、本実施形態では、ユニット取り付け具75の浴室壁面への取り付け位置がデッドスペースの奥側ではなく手前側(短辺側側面32aの手前側)であるので、デッドスペースの手前側でねじ84の取り外し作業ができるので、その作業を容易に行うことができる。
そして、ねじ84を取り外した後に、浴槽32を浴槽壁面から離れるA方向に退かすことにより、流路切り替えユニット36はユニット取り付け具75のスライド移動面76に沿って同じA方向にスライド移動でき、流路切り替えユニット36に接続されている往管30a、30bも流路切り替えユニット36と一緒に動き易くなるので、浴槽32の退かしの移動量を大きくでき、浴槽32の設置状態において、特に奥側となって手が差し込み難い浴槽32の長辺側側面32bと浴槽壁面間のデッドスペースに玩具等を落としてしまった場合であっても、往管30a、30bの接続を外すことなく、落とした玩具等を容易に取り出すことができる。
落とした玩具等を取り出した後には、退かした浴槽32を元の位置に戻すとともに、流路切り替えユニット36をユニット取り付け具75に再びねじ84によってねじ固定すればよい。このとき、流路切り替えユニット36をユニット取り付け具75にねじ固定する作業を忘れて怠ったとしても、流路切り替えユニット36は往管30a、30bに宙吊りされた状態ではなく、ユニット取り付け具75の頂壁81上に安定した載置状態にあるので、そのまま給湯風呂装置の使用を継続しても支障はない。
また、本実施形態においては、ユニットボディー66の内部に応力緩和室72を設けているので、ユニットボディー66の内部の圧力変動に起因する悪影響を回避できる。すなわち、ユニットボディー66内には第3の切り替え弁35が構築されているので、第3の切り替え弁35の流路切り替え動作によるエネルギーの熱(モータや回路の発熱)や、第3の切り替え弁35を通過する湯水温度の変化や、環境温度変化等によって密封状態のユニットボディー66内の温度が変化し、これによってユニットボディー66内の圧力が変動する。また、前記デッドスペースに落とした玩具を取り出すために、浴槽32を退かす場合には浴槽32に嵌めこみ装着されているエプロン87(図4参照)を外して浴槽32を移動することとなるので、浴槽32を退かしている最中に浴槽32内の湯が浴槽外にこぼれて流路切り替えユニット36に掛かる場合があり、このときにもその湯がユニットボディー66に掛かることにより、ユニットボディー66内の温度が変化して圧力が変動する。
このように、ユニットボディー66の圧力が変動し、特に、ユニットボディー66内の温度が高くなる方向に変化すると、ユニットボディー66の壁面に大きな膨張圧力が作用し、ボディー本体66aと蓋体66bを溶着している溶着面が剥がれて破壊するという問題が生じる。そのような破壊に至らない場合であっても、膨張や収縮を繰り返す圧力変化を受けてユニットボディー66の溶着面が疲労により細孔やすきまが空くと、水蒸気や水分が内部に入り込み、内部に収容されている回路基板の電気回路(第2の切り替え弁34の流路切り替えの駆動制御回路等)が特性劣化等の悪影響を受ける。
この点、本実施形態においては、ユニットボディー66内の圧力が変動したときには応力緩和室72の弾性部材71がその圧力変動を受けて変位して、応力緩和室72内の空気が通気孔73を通して大気に流通するので、ユニットボディー66内の圧力変動が吸収緩和され、上記のようなユニットボディー66内の圧力変動に起因する問題発生を解消できる。
なお、本発明は上記実施形態例に限定されず、本発明の技術思想(技術的範囲)を逸脱しない範囲で様々な実施の形態をとり得る。たとえば、上記実施形態ではねじ84をねじ孔83に螺合進退する方向は流路切り替えユニット36のスライド方向と同方向(A方向)としたが、必ずしもA方向と同方向でなくてもよい。この場合においても、ねじ84の螺合進退方向をデッドスペースにおいて互いに対向する浴槽壁面と浴室壁面に沿う方向にすれば、ねじ回し工具を浴室壁面や浴槽壁面が邪魔にならずにデッドスペース内にスムーズに差し込めてねじ84の着脱作業を容易にできる。
また、実施形態では、流路切り替えユニット36をユニット取り付け具75に1本のねじ84によって固定しているが、これを複数のねじを用いて固定するようにしてもよい。ただ、流路切り替えユニット36はユニット取り付け具75の頂壁81上に載置されて支持されているので、必ずしも強固に固定する必要はなく、ねじの着脱作業性を高めるうえでは1本のねじ(ねじ84)を用いて固定する方が好ましい。
さらに、本実施形態では、1対の立設板77a、77bの両方にねじ挿通孔78と工具挿通孔79を共に設けたが、1対の立設板77a、77bの一方にはねじ挿通孔78のみを設け、他方には工具挿通孔79のみを設ける構成としてもよい。この場合には、浴槽32を浴室の右隅に設置する場合と左隅に設置する場合等とで、立設板77aにねじ挿通孔78を設けたユニット取り付け具75と立設板77bにねじ挿通孔78を設けたユニット取り付け具75とを使い分ければよい。
さらに、本実施形態では、ユニット取り付け具75に設ける舌片82や、ユニットボディー66に設ける取り付け板部(ねじ挿通孔が設けられている取り付け板部)は中心線に対してオフセットして設けたがこれに限定されることはなく、ユニット取り付け具75とユニットボディー66とがねじ結合できる形態であれば、他の構成でもよい。要するに、ユニットボディー66をユニット取り付け具75に、デッドスペースにおいて対向する浴室壁面と浴槽壁面に沿う方向に螺合進退させるねじで着脱できる構成であれば実施形態以外の他の取り付け構成を採用できる。
さらに、ユニット取り付け具75に形成する頂壁81(スライドガイド片81a)やガイド枠部88の構成(形態)も本実施形態のものに限定されることは無く、ユニットボディー66がユニット取り付け具75の上面に載置されてスライド可能な構成であれば他の構成のものでもよい。