以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図4Cを用いて、本発明の第1実施形態である排水システムについて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態である排水システム12を備えた浴室システム10が概略構成図にて示されている。図1に示されるように、浴室システム10は、湯水を加熱する熱源機14と、熱源機14に接続される追焚用の循環配管16と、循環配管16が接続されると共に熱源機14との間で湯水が循環される浴槽18と、を備えている。
循環配管16は、熱源機14に接続されて熱源機14から浴槽18に湯水を流す追焚往路管16Aと、熱源機14に接続されて浴槽18から熱源機14に湯水を流す追焚復路管16Bと、を備えている。浴槽18の内壁には、循環口20が設けられており、循環口20に追焚往路管16Aと追焚復路管16Bとがそれぞれ接続されている。より詳細には、循環口20は、追焚往路管16Aが接続されると共に湯水が浴槽18内に吐出される吐出口20Aと、追焚復路管16Bが接続されると共に浴槽18内から湯水が吸入される吸入口20Bと、を備えている。また、熱源機14には、追焚復路管16Bと追焚往路管16Aとに湯水を循環させる後述の循環ポンプ42が設けられている。
浴槽18は、浴室22に設けられている。浴槽18の側部には、エプロン24が着脱可能に取り付けられており、エプロン24の内部に追焚往路管16A及び追焚復路管16Bの一部が配置されている。浴室システム10には、追焚往路管16Aから分岐された排水配管26が設けられており、排水配管26は、追焚往路管16Aとの分岐部(接続部)から上下方向下方側に延びている。排水配管26の上下方向下方側の端部には、湯水が排出される排水口28が設けられている。排水口28は、循環口20の吐出口20Aの下部よりも上下方向下側に配置されている。
追焚往路管16Aと排水配管26との分岐部(接続部)には、湯水の流動経路を切り替える経路切替弁としての電磁式の三方弁30が設けられている。排水配管26は、エプロン24の内部で追焚往路管16Aから分岐されており、三方弁30は、エプロン24の内部に配置されている。三方弁30は、湯水が追焚往路管16Aから浴槽18の循環口20に流れる通常の流動経路と、浴槽18内の湯水が循環口20及び追焚往路管16Aを介して排水配管26に流れる排水経路としての第1排水経路とに切り替える構成とされている。さらに、三方弁30は、ドレン排水時に、通常の流動経路から、後述のドレンタンク48の水が追焚往路管16Aを介して排水配管26に流れるドレン排水経路に切り替える構成とされている。三方弁30については、後に説明する。
本実施形態の排水システム12は、追焚往路管16A及び追焚復路管16Bを備えた循環配管16と、熱源機14と、循環口20と、循環ポンプ42と、排水配管26と、三方弁30と、を主要な構成要素として有している。
浴槽18の底部には、排水口34が設けられており、この排水口34を塞ぐ排水栓36が設けられている。排水栓36は、浴槽18に設けられた図示しない開閉ボタンによって開閉されるようになっている。
熱源機14は、屋外に配置されている。熱源機14は、筐体40の内部に、循環ポンプ42と、追焚部44と、給湯部46とを備えている。また、熱源機14は、省エネルギー化のために潜熱を回収する構成とされており、潜熱回収により発生した酸性水を中和した水を貯留するドレンタンク48を備えている。筐体40の底部には、図示しない排気口を介してファン50が設けられている。
追焚部44は、熱交換器52と、ガスバーナ54とを備えている。図示を省略するが、追焚復路管16Bの湯水流動方向の下流端は、追焚部44内に配置された熱交換器52の入口に接続されており、追焚往路管16Aの湯水流動方向の上流端は、熱交換器52の出口に接続されている。熱源機14の内部には、追焚復路管16Bにおける熱交換器52よりも湯水流動方向の上流側に循環ポンプ42が設けられている。ガスバーナ54には、ガス(都市ガス)を供給する配管(図示省略)が接続されると共に、点火装置(図示省略)が設けられている。追焚部44では、追焚復路管16Bから追焚往路管16Aに流れる湯水が、ガスバーナ54の熱を利用して加熱されるようになっている。なお、図示を省略するが、熱源機14では、ガス燃焼で暖房配管を流れる熱媒を加熱し、暖房配管から追焚用の循環配管16に液−液熱交換器で熱を伝える間接熱交換方式も採用されている。
給湯部46は、一次熱交換器56と、二次熱交換器58と、ガスバーナ60と、を備えている。給湯部46には、追焚復路管16Bから分岐された湯張り配管62が接続されている。湯張り配管62は、追焚復路管16Bに設けられた循環ポンプ42よりも湯水流動方向の上流側で、追焚復路管16Bから分岐されている。図示を省略するが、給湯部46には、二次熱交換器58に水を供給する給水管が接続されている。さらに、給水管には、給水管から供給される水を二次熱交換器58に通した後に一次熱交換器56に通すように配置された配管が接続されている。配管は、一次熱交換器56の出口で湯張り配管62の湯水流動方向の上流側に接続されている。なお、図示を省略するが、湯張り配管62から給湯のための給湯配管が分岐されている。給湯部46では、二次熱交換器58から一次熱交換器56に流れる水がガスバーナ60の熱を利用して加熱され、湯張り配管62に湯水が流れるようになっている。
追焚復路管16Bにおける湯張り配管62の接続部よりも湯水流動方向の上流側には、追焚復路管16Bからドレン配管66が分岐されている。追焚復路管16Bとドレン配管66との分岐部(接続部)には、電磁式の三方弁68が設けられている。ドレン配管66は、ドレンタンク48に接続されている。図示を省略するが、熱源機14は、二次熱交換器58とドレンタンク48との間を繋ぐ回収管と、回収管に設けられたドレン中和器と、を備えている。これにより、二次熱交換器58にて潜熱を回収する際に発生した酸性水がドレン中和器によって中和され、中和された水が回収管を通じてドレンタンク48に貯留されるようになっている。
三方弁68は、循環口20から追焚復路管16Bを介して追焚部44に湯水を流動させる通常の流動経路と、ドレンタンク48の水がドレン配管66を通って追焚復路管16Bの追焚部44の側に流れるドレン経路と、に切り替える構成とされている。ドレン排水時には、三方弁68をドレン経路に切り替えることで、ドレンタンク48の水がドレン配管66を通って追焚復路管16Bの追焚部44の側に流れるようになっている。
本実施形態の排水システム12を備えた浴室システム10は、リモートコントローラ72(以下、リモコン72と略称する)と、制御ユニット74と、を備えている。リモコン72は、浴室22の側壁に設けられている。制御ユニット74は、一例として熱源機14の内部に設けられている。リモコン72と制御ユニット74とはケーブルによって接続されている。
図2には、本実施形態の排水システム12を備えた浴室システム10がブロック図にて示されている。図2に示されるように、リモコン72は、浴室システム10の運転状況等を表示する表示部76と、浴室システム10の所定の運転等を選択する複数のボタン(図3参照)を有する操作部78と、を備えている。また、リモコン72は、表示部76及び操作部78とそれぞれ電気的に接続されると共にリモコン72を制御する制御部80と、制御部80に電気的に接続されると共に制御ユニット74との通信を行う通信部82と、を備えている。さらに、リモコン72は、制御部80と電気的に接続されると共に運転状況等の情報を音声として出力する報知手段としてのスピーカ100を備えている。さらに、リモコン72は、入浴者の生体情報を検出する生体情報センサ94を備えている。生体情報センサ94としては、例えば、浴室22内にいる者(入浴しているとは限らない)の位置を検出する人体検出手段としての人感センサ、入浴者の心拍数を検出する心拍数検出手段としての心拍数センサ、入浴者の血圧を検出する血圧検出手段としての血圧センサ等の少なくとも1つ以上が設けられている。そして、排水システム12では、人感センサ、心拍数センサ、血圧センサ等の少なくとも1つ以上で検出された生体情報による入浴者の入浴状態に基づき、三方弁30を切り替える構成とされている。本実施形態では、生体情報センサ94として、人感センサ、心拍数センサ、及び血圧センサが設けられている。心拍数センサは、入浴者と非接触の状態で入浴者の心拍数を検出する構成とされている。また、血圧センサも同様に、入浴者と非接触の状態で入浴者の血圧を検出する構成とされている。
生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴室22内にいる者の位置情報は、制御部80に伝達される。制御部80は、浴室22内にいる者の位置情報に対応する信号を通信部82から制御ユニット74に出力する。また、生体情報センサ94の例としての心拍数センサで検出された入浴者の心拍数の情報は、制御部80に伝達される。さらに、生体情報センサ94の例としての血圧センサで検出された入浴者の血圧の情報は、制御部80に伝達される。制御部80では、人感センサから出力された位置検出信号が処理されることで、浴室22内にいる者の位置が特定される。制御部80では、心拍数センサから出力された心拍数検出信号が処理されることで、入浴者の心拍数が計測される。同様に、制御部80では、血圧センサから出力された血圧検出信号が処理されることで、入浴者の血圧が計測される。制御部80は、入浴者の位置情報、入浴者の心拍数の情報、及び入浴者の血圧の情報に対応する信号をそれぞれ通信部82から制御ユニット74に出力する。また、制御部80は、操作部78で各ボタン等の操作が行われたときに、各ボタン等の操作に対応する信号を通信部82から制御ユニット74に出力する。
制御ユニット74は、追焚部44及び給湯部46の構成機器を動作させる燃焼ユニット84と、燃焼ユニット84と電気的に接続されると共に浴室システム10の全体を制御する制御部86と、制御部86と電気的に接続されると共にリモコン72等との通信を行う通信部88と、を備えている。制御ユニット74の通信部88とリモコン72の通信部82とは電気的に接続されている。また、制御ユニット74は、時間を計測するタイマ90を備えており、タイマ90は、制御部86に電気的に接続されている。タイマ90は、例えば、入浴時間、三方弁30が通常の流動経路から第1流動経路に切り替えられたときからの経過時間などを計測する。通信部88は、循環ポンプ42、三方弁68とそれぞれ電気的に接続されており、制御部86は、通信部88を介して信号を送信することで、循環ポンプ42、三方弁68の動作を制御する。さらに、通信部88は、浴槽18の側方に配置された三方弁30と電気的に接続されており、制御部86は、通信部88を介して信号を送信することで、三方弁30の動作を制御する。
制御部86は、各運転を行うためのプログラムなどを記憶したROM(読み出し専用メモリ)、リモコン72や各センサ等から出力された信号に基づくデータを一時的に記憶するRAM(書き換え可能メモリ)、及び、各プログラムを実行するCPU(中央演算素子)等を有している。
リモコン72から出力された浴室22内にいる者の位置情報、入浴者の心拍数の情報、及び入浴者の血圧の情報に対応する信号は、それぞれ制御ユニット74の制御部86に入力されるようになっている。浴室22内にいる者の位置情報、入浴者の心拍数の情報、及び入浴者の血圧の情報に対応する信号に基づく制御部86の三方弁30の切り替えの制御については、後に説明する。
制御ユニット74の通信部88は、計測装置92と電気的に接続されている。計測装置92は、浴槽18の側方に配置されている(図1参照)。図示を省略するが、計測装置92は、制御ユニット74との通信を行う通信部と、各種信号の処理等を行う制御部と、を備えている。
また、浴槽18の側部には、浴槽18内の湯水の水位を検出する水位センサ96が設けられている(図1参照)。水位センサ96は、計測装置92と電気的に接続されており、水位センサ96から出力された水位検出信号が計測装置92で処理されることで、浴槽18内の湯水の水位が計測される。そして、計測装置92から水位のデータが制御ユニット74の制御部86に伝達されるようになっている。
追焚復路管16Bには、浴槽18から追焚復路管16Bを通じて熱源機14に戻される湯水の温度を検出する湯水温度検出手段としての湯水温度センサ98が設けられている。湯水温度センサ98は、計測装置92と電気的に接続されており、湯水温度センサ98から出力された温度検出信号が計測装置92で処理されることで、湯水の温度が計測される。そして、計測装置92から湯水の温度のデータが制御ユニット74の制御部86に伝達されるようになっている。
図3には、リモコン72が正面図にて示されている。図3に示されるように、リモコン72は、ON/OFF状態とする運転スイッチ102と、浴槽18に自動で湯張りを行う風呂自動ボタン104と、追焚を行う追焚ボタン106と、浴室22の外部の者の呼び出しを行う呼び出しボタン110と、を備えている。これらのスイッチ及び複数のボタンで操作部78(図2参照)が構成されている。また、前述のようにリモコン72は、表示部76と、スピーカ100と、生体情報センサ94と、を備えている。なお、図示を省略するが、リモコン72には、浴槽18内の湯水の温度を設定する設定ボタンなど、他のボタンが設けられていてもよい。
排水システム12では、前述のように、三方弁30は、熱源機14から追焚往路管16Aに流れる湯水が浴槽18の循環口20(本実施形態では、吐出口20A)に流れる通常の流動経路と、浴槽18内の湯水が循環口20(本実施形態では、吸入口20B)及び追焚復路管16Bを介して追焚往路管16Aから排水配管26に流れる排水経路としての第1排水経路とに切り替える構成とされている。前述のように、制御ユニット74の制御部86は、三方弁30の切替動作を制御する。
三方弁30は、通常の流路経路に切り替えた状態で、排水配管26を封止して追焚往路管16Aを全体に亘って連通させる構成とされており、追焚往路管16Aにおける熱源機14との接続部が、循環口20の吐出口20Aと連通される。言い換えると、三方弁30を排水口28の側から熱源機14の側に切り替える構成とされている。これにより、熱源機14から追焚往路管16Aに流れる湯水が浴槽18の循環口20の吐出口20Aから浴槽18内に吐出されるようになっている。
また、三方弁30は、通常の流路経路から第1排水経路に切り替えることで、三方弁30が追焚往路管16Aの上流側を封止して追焚往路管16Aの下流側を排水配管26と連通させる構成とされており、循環口20の吐出口20Aが、排水配管26の排水口28と連通される。言い換えると、三方弁30を熱源機14の側から排水口28の側に切り替える構成とされている。これにより、浴槽18内の湯水が循環口20の吐出口20Aから追焚往路管16Aの下流側を介して排水配管26に流れ、排水口28から排出されるようになっている。
本実施形態では、生体情報センサ94は、浴槽18内の入浴者が異常となり得る所定の入浴状態を検出する入浴状態検出手段として機能している。例えば、制御部86は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、三方弁30を通常の流路経路から第1排水経路に切り替える。本実施形態では、入浴者の心拍数の絶対値が、第1の閾値以上となったときに、三方弁30を切り替えるが、入浴者の心拍数の変化分(上昇分)が、所定の心拍数の変化値(上昇値)以上となったときに、三方弁30を切り替えるようにしてもよい。同様に、本実施形態では、入浴者の血圧の絶対値が、第2の閾値以上となったときに、三方弁30を切り替えるが、入浴者の血圧の変化分(上昇分)が、所定の血圧の変化値(上昇値)以上となったときに、三方弁30を切り替えるようにしてもよい。
ドレン排水時には、三方弁30は、熱源機14から追焚往路管16Aに流れる湯水が浴槽18の循環口20の吐出口20Aに流れる通常の流動経路から、熱源機14から追焚往路管16Aに流れる湯水が排水配管26に流れるドレン排水経路に切り替える構成とされている。三方弁30は、通常の流路経路からドレン排水経路に切り替えることで、三方弁30が追焚往路管16Aの下流側を封止して追焚往路管16Aの上流側を排水配管26と連通させる構成とされている。すなわち、追焚往路管16Aにおける熱源機14との接続部が、排水配管26の排水口28と連通される構成とされている。言い換えると、三方弁30を循環口20の吐出口20Aの側から排水口28の側に切り替える構成とされている。また、ドレン排水時には、三方弁68は、循環口20から追焚復路管16Bを介して追焚部44に湯水を流動させる通常の流動経路から、ドレンタンク48の水がドレン配管66を通って追焚復路管16Bの追焚部44の側に流れるドレン経路に切り替える構成とされている。そして、循環ポンプ42を作動させることで、ドレンタンク48からドレン配管66及び追焚復路管16Bを通じて追焚往路管16Aに流れる水が、排水配管26に流れて排水口28から排出されるようになっている。
制御部86は、三方弁30が第1排水経路に切り替えられた状態で、所定の条件を満たした場合に、三方弁30を第1排水経路から通常の流動経路に切り替える(通常の流動経路に戻す)。本実施形態では、制御部86は、(1)三方弁30が第1排水経路に切り替えられてから所定時間(例えば、12時間)を経過したとき、(2)リモコン72の運転スイッチ102のOFF状態とON状態の両方の操作が行われたとき、(3)自動湯張りを行うためにリモコン72の風呂自動ボタン104が押されたとき、のいずれか1つの条件を満たしたときに、三方弁30を第1排水経路から通常の流動経路に切り替える。
浴室システム10では、ドレンタンク48の水を追焚往路管16Aを介して排水するために、追焚往路管16Aから分岐された排水配管26と、追焚往路管16Aと排水配管26との接続部の三方弁30とが元々設けられている。本実施形態の排水システム12では、ドレンタンク48の水を排水するための排水配管26及び三方弁30を、浴槽18内の湯水を排水するための排水配管26及び三方弁30と兼用する構成とされている。本実施形態の排水システム12を後付で設置する場合には、制御ユニット74のプログラムを変更すればよい。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
<追焚運転>
浴槽18に湯水が張られた(溜められた)状態で、図3に示されるリモコン72の追焚ボタン106が押されると、図2に示されるリモコン72の制御部80から通信部88を介して制御ユニット74に追焚指令信号が出力される。制御ユニット74の制御部86は、追焚指令信号を検出すると、追焚モードになる。
図4Aに示されるように、制御ユニット74の制御部86は、三方弁30が通常の流動経路に切り替えられている状態、及び熱源機14内の三方弁68が追焚時の流動経路に切り替えられている状態で、追焚運転を開始する。追焚運転では、ガスバーナ54にガスを供給すると共に点火装置を起動させてガスをガスバーナ54にて燃焼させる(ガスバーナ54を作動させる)。さらに、制御部86は、循環ポンプ42を作動させる。
循環ポンプ42が作動すると、矢印Aに示されるように、浴槽18内の湯水が循環口20の吸入口20Bから吸入され、この吸入された湯水が追焚復路管16Bを通じて熱源機14の追焚部44の熱交換器52に戻される。さらに、熱交換器52に戻された湯水は、ガスバーナ54で加熱され、この加熱された湯水は、矢印Aに示されるように、追焚往路管16Aを通じて循環口20の吐出口20Aから浴槽18内に吐出される。
追焚復路管16Bに設けられた湯水温度センサ98からは、追焚復路管16Bを流れる湯水の温度に応じた温度検出信号が出力される。そして、追焚運転時には、制御ユニット74の制御部86において、湯水温度センサ98からの温度検出信号に基づく温度検出値が所定の追焚温度として設定された設定値に達したと判断されるまで(湯水の温度が設定追焚温度になるまで)、上記動作が繰り返される。これにより、浴槽18内の湯水が追焚される。
<ドレン排水>
制御ユニット74の制御部86は、所定の条件を満たしたときにドレン排水モードとなる。所定の条件として、例えば、一定の運動時間毎に、又はドレンタンク48に貯留された水が所定の水位以上となったときに、ドレン排水モードとなる。図4Bに示されるように、制御部86は、熱源機14内の三方弁68を追焚時の流動経路からドレン経路に切り替える。また、制御部86は、浴槽18の側部の三方弁30を、通常の流動経路から、熱源機14から追焚往路管16Aに流れる湯水が排水配管26に流れるドレン排水経路に切り替える。さらに、制御部86は、循環ポンプ42を作動させる。
三方弁68が切り替えられることで、矢印Bに示されるように、ドレンタンク48に貯留された水がドレン配管66を通って追焚復路管16Bの追焚部44の側に流れる。さらに、三方弁30が切り替えられることで、矢印Bに示されるように、水は追焚部44から追焚往路管16Aに流れ、さらに排水配管26を通じて排水口28から排水される。
<異常検出時>
制御部86は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、異常検出と判定し、排水モードとなる。図4Cに示されるように、制御部86は、三方弁30を通常の流路経路から第1排水経路に切り替える。三方弁30が第1排水経路に切り替えられることで、矢印Cに示されるように、浴槽18内の湯水が循環口20の吐出口20Aから追焚往路管16Aの下流側を通って排水配管26に流れる。さらに、湯水は、矢印Cに示されるように、排水配管26の排水口28から排出される。すなわち、浴槽18内の湯水は、循環口20の吐出口20Aから追焚往路管16Aを通じて排水配管26の排水口28から自然排出される。その際、浴槽18内の吐出口20Aより上の湯水が排出される。
制御部86は、(1)三方弁30が第1排水経路に切り替えられてから所定時間(例えば、12時間)を経過したとき、(2)リモコン72の運転スイッチ102のOFF状態とON状態の両方の操作が行われたとき、(3)リモコン72の風呂自動ボタン104が押されたとき、のいずれか1つの条件を満たしたときに、三方弁30を第1排水経路から通常の流動経路に切り替える。
このような排水システム12では、三方弁30を通常の流動経路から第1排水経路に切り替えることで、浴槽18内の湯水が、循環口20の吐出口20A及び追焚往路管16Aを介して排水配管26に流れ、排水口28から排出される。したがって、追焚用の循環配管16を利用して浴槽18内の湯水を排出することができる。
浴槽18内の入浴者の心拍数が第1の閾値以上となったとき、又は、入浴者の血圧が第2の閾値以上となったときは、例えば、入浴者がヒートショックにより意識を失うなどの異常が発生する可能性がある。また、浴槽18内の入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出された場合は、例えば、入浴者がヒートショックにより意識を失うなどの異常が発生している可能性がある。排水システム12では、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、浴槽18内の入浴者の心拍数が第1の閾値以上となったとき、又は、浴槽18内の入浴者の血圧が第2の閾値以上となったときに、三方弁30を通常の流路経路から第1排水経路に切り替えることで、浴槽18内の湯水が、循環口20の吐出口20A及び追焚往路管16Aを介して排水配管26に排出される。このため、例えば、浴槽18内で入浴者が意識を失ったときなどに、浴槽18内の湯水が排出されることで、入浴者が浴槽18内で溺れてしまうことを未然に防止することができる。
また、排水システム12では、排水配管26及び三方弁30は、ドレンタンク48の水を追焚往路管16Aを介して排出するために配設された排水配管26及び三方弁30と兼用する構成とされている。このため、例えば、排水システム12を後付で施工する場合にも、制御ユニット74のプログラムを変更すればよいので、安価に設置することができる。
さらに、排水システム12では、三方弁30が、浴槽18の側部に取り付けられたエプロン24の内部に配置されている。このため、例えば、追焚用の循環配管16を利用して追焚往路管16Aに三方弁30及び排水配管26を後付で施工する場合にも、施工が大がかりにならず、安価に設置することができる。また、浴槽18の排水栓36がホップアップ排水栓以外のゴム栓等の場合も、本実施形態の排水システム12を施工することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図5A及び図5B等を用いて、本発明の第2実施形態の排水システム112を備えた浴室システム10について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図5A及び図5Bに示されるように、本実施形態の排水システム112では、浴槽18の側部に配置された追焚往路管16Aと排水配管26との接続部に、流路切替弁としての三方弁114が設けられている。三方弁114は、熱源機14から追焚往路管16Aに流れる湯水が浴槽18の循環口20(本実施形態では、吐出口20A)に流れる通常の流動経路と、浴槽18内の湯水が循環口20(本実施形態では、吸入口20B)及び追焚復路管16Bを介して追焚往路管16Aから排水配管26に流れる排水経路としての第2排水経路とに切り替える構成とされている。
三方弁114は、通常の流路経路から第2排水経路に切り替えることで、三方弁114が追焚往路管16Aの下流側を封止して追焚往路管16Aの上流側を排水配管26と連通させる構成とされている。すなわち、追焚往路管16Aにおける熱源機14との接続部が、排水配管26の排水口28と連通される構成とされている。言い換えると、三方弁114を浴槽18の側から排水配管26の側に切り替える構成とされている。なお、ドレン排水時の三方弁114の切り替えは、第1実施形態の三方弁30(図4B参照)の切り替えと同じである。
制御部86(図2参照)は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された入浴者の位置情報に基づき、浴槽18内の入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、三方弁114を通常の流路経路から第2排水経路に切り替える。
図5Aに示されるように、追焚運転では、三方弁114が通常の流動経路に切り替えている状態で、循環ポンプ42を作動させる。これにより、矢印Aに示されるように、浴槽18内の湯水が循環口20の吸入口20Bから吸入され、この吸入された湯水が追焚復路管16Bを通じて熱源機14の追焚部44に戻される。追焚部44に戻された湯水は、ガスバーナ54で加熱され、この加熱された湯水は、矢印Aに示されるように、追焚往路管16Aを通じて循環口20の吐出口20Aから浴槽18内に吐出される。
図5Bに示されるように、制御部86(図2参照)は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、三方弁114を通常の流路経路から第2排水経路に切り替える。この状態で、熱源機14の循環ポンプ42を作動させる。その際、ガスバーナ54は点火しない。これにより、矢印Dに示されるように、浴槽18内の湯水が循環口20の吸入口20Bから追焚復路管16Bを通じて熱源機14に戻される。さらに、矢印Dに示されるように、湯水は、熱源機14から追焚往路管16Aを通じて排水配管26に流れ、排水口28から排出される。
制御部86(図2参照)は、三方弁114が第2排水経路に切り替えられた状態で、第1実施形態と同じ(1)〜(3)のいずれかの条件を満たした場合に、三方弁114を第2排水経路から通常の流動経路に切り替える(通常の流動経路に戻す)。
このような排水システム112では、三方弁114を通常の流動経路から第2排水経路に切り替えることで、追焚用の循環配管16を利用して浴槽18内の湯水を排出することができる。また、排水システム112では、熱源機14の循環ポンプ42を用いて強制的に浴槽18内の湯水を排出させるため、第1実施形態の浴槽18内の湯水を循環口20の吐出口20A及び追焚往路管16Aを介して自然排出する構成と比べて、浴槽18内の湯水を短時間で排出することができる。
〔第3実施形態〕
次に、図6A〜図7等を用いて、本発明の第3実施形態の排水システム122を備えた浴室システム10について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図6A及び図6Bに示されるように、本実施形態の排水システム122では、追焚往路管16Aにおける三方弁30と循環口20の吐出口20Aとの間に、浴槽18内の湯水を追焚往路管16Aから排水配管26に排出する排水ポンプ124が設けられている。三方弁30及び排水ポンプ124は、浴槽18の側部のエプロン24の内部に配置されている。本実施形態では、排水ポンプ124は、後付で設置されており、エプロン24を取り外した状態で、追焚往路管16Aに排水ポンプ124が取り付けられる。
排水システム122では、三方弁30は、熱源機14から追焚往路管16Aに流れる湯水が浴槽18の循環口20(本実施形態では、吐出口20A)に流れる通常の流動経路と、浴槽18内の湯水が循環口20(本実施形態では、吸入口20B)及び追焚復路管16Bを介して追焚往路管16Aから排水配管26に流れる排水経路としての第1排水経路とに切り替える構成とされている。図7に示されるように、制御ユニット74の制御部86は、三方弁30の切替動作、及び排水ポンプ124の動作を制御する。
図6Aに示されるように、追焚運転では、三方弁30が通常の流動経路に切り替えている状態で、循環ポンプ42を作動させる。その際、本実施形態では、排水ポンプ124も作動させるが、排水ポンプ124が開放型のポンプの場合は作動させなくてもよい。これにより、矢印Aに示されるように、浴槽18内の湯水が循環口20の吸入口20Bから吸入され、この吸入された湯水が追焚復路管16Bを通じて熱源機14の追焚部44に戻される。追焚部44に戻された湯水は、ガスバーナ54で加熱され、この加熱された湯水は、矢印Aに示されるように、追焚往路管16Aを通じて循環口20の吐出口20Aから浴槽18内に吐出される。
図6Bに示されるように、制御部86は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、三方弁30を通常の流路経路から第1排水経路に切り替える。この状態で、制御部86は、排水ポンプ124を作動させる。これにより、矢印Cに示されるように、浴槽18内の湯水が排水ポンプ124によって循環口20の吐出口20Aから追焚往路管16Aの下流側を通って排水配管26に流れ、排水口28から排出される。
制御部86は、三方弁30が第1排水経路に切り替えられた状態で、第1実施形態と同じ(1)〜(3)のいずれかの条件を満たした場合に、三方弁30を第2排水経路から通常の流動経路に切り替える(通常の流動経路に戻す)。
このような排水システム122では、制御部86は、通常の流動経路から第1排水経路に切り替えた状態で、排水ポンプ124を作動することで、浴槽18内の湯水が循環口20の吐出口20Aから追焚往路管16Aを介して排水配管26に強制的に排出される。このため、第1実施形態の浴槽18内の湯水を循環口20の吐出口20Aから追焚往路管16Aを介して自然排水する構成に比べて、浴槽18内の湯水を短時間で排出することができる。
また、排水システム122では、排水ポンプ124が必要であるが、浴槽18内の湯水を排出するときに熱源機14を通過せず、排水経路の圧損が少ないため、第2実施形態の循環ポンプ42を作動する構成と比べて、浴槽18内の湯水を短時間で排出することができる。
さらに、排水システム122では、排水ポンプ124が、浴槽18の側部に取り付けられたエプロン24の内部に配置されており、排水ポンプ124を後付で施工する場合に、施工しやすくなる。
〔第4実施形態〕
次に、図8等を用いて、本発明の第4実施形態の排水システム132を備えた浴室システム10について説明する。なお、前述した第1〜第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8は、本実施形態の排水システム132を備えた浴室システム10の制御系のブロック図である。図8に示されるように、浴室22(図1参照)のリモコン72には、浴室22(図1参照)の温度を検出する浴室温度検出手段としての浴室温度センサ134が設けられている。浴室温度センサ134で検出された温度検出信号は、制御部80で処理されることで浴室温度が計測される。浴室温度の情報は、リモコン72の通信部82から制御ユニット74の通信部88を介して制御部86に送られる。
また、浴室22(図1参照)の天井には、浴室暖房乾燥機136が設けられている。制御部86は、浴室暖房乾燥機136の運転を制御する。
制御部86は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、三方弁30を通常の流路経路から第1排水経路に切り替える。これにより、浴槽18内の湯水が循環口20の吐出口20Aから追焚往路管16Aを介して排水配管26に排出される。また、制御部86は、浴槽18内の湯水の排出を行うと同時に、浴室温度センサ134で検出された浴室温度に基づき、浴室暖房乾燥機136の暖房運転を開始する。制御部86は、例えば、浴室温度センサ134で検出された浴室温度が、所定の浴室温度以下(例えば、18℃以下)であるときに、浴室暖房乾燥機136の暖房運転を開始する。なお、制御部86は、例えば、浴室暖房乾燥機136の暖房運転の開始時から所定時間(例えば、1時間)を経過した後、及び浴室温度が所定の浴室温度以上(例えば、25℃以上)となったときのいずれかの場合に、浴室暖房乾燥機136の暖房運転を停止する。
このような排水システム132では、浴槽18内の湯水の排出を行うと同時に、浴室温度センサ134で検出された浴室温度に基づき、浴室暖房乾燥機136の暖房運転を開始することで、浴室22の温度が上昇する。このため、浴槽18内の湯水の排出により、入浴者の状態が悪化することを防止することができる。
〔第5実施形態〕
次に、図9等を用いて、本発明の第5実施形態の排水システムを備えた浴室システムについて説明する。なお、前述した第1〜第4実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図9は、本実施形態の排水システムの制御系のフローチャートである。本実施形態の排水システムの全体構成は、図1に示す第1実施形態の排水システム12の全体構成と同じである。また、本実施形態の排水システムの制御系のブロック図は、図2に示す排水システム12の制御系のブロック図と同じである。本実施形態の排水システムでは、第1実施形態の排水システム12と比べて、異常となり得る前の入浴事故の予防のために、浴槽18内の湯水を排出する制御を行う点が異なる。
図9に示されるように、ステップ150では、浴槽18内で入浴者の入浴が検出されたか否かを判定する。制御部86(図2参照)は、水位センサ96で検出された湯水の水位の情報によって、浴槽18内で入浴者の入浴があったことを検出する。例えば、水位センサ96で検出された湯水の水位の急激な上昇があった場合は、浴槽18内に入浴者が入ったためであり、入浴を検出(入浴者が存在)と判定する。入浴が検出された場合は、入浴時間計測手段としてのタイマ90(図2参照)によって、入浴開始からの時間が計測される。ステップ150で入浴が検出されない場合は、入浴が検出されるまでステップ150が繰り返される。
ステップ150で入浴が検出されたときは、ステップ152で、閾値以上の温度の湯に、所定時間入浴したか否かを判定する。一般的に、高い温度の湯に長時間浸かることがヒートショックを引き起こす原因となっていると言われており、消費者庁の公表資料(平成28年1月20日付け)には、「41℃以下の湯で10分未満に上がる」ことが安全な入浴方法として推奨されている。本実施形態では、ステップ152で、閾値(例えば、40℃)以上の温度の湯に、所定時間(例えば、10分)入浴したか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、湯水温度センサ98と、浴槽18内の入浴者の入浴時間を計測するタイマ90とが、「入浴状態検出手段」として機能している。ステップ152で、閾値(例えば、40℃)以上の温度の湯に、所定時間(例えば、10分)入浴していないと判定された場合は、ステップ152に戻る。
ステップ152で、閾値(例えば、40℃)以上の温度の湯に、所定時間(例えば、10分)入浴したと判定された場合は、ステップ154で、リモコン72のスピーカ100から注意喚起を促す情報を出力する。例えば、スピーカ100から「入浴事故が発生する恐れがあるため、お風呂から上がってください。」といった注意喚起を促す情報を出力する。
さらに、ステップ156では、浴槽18内で入浴者が不在となったか否かが判定される。制御部86(図2参照)は、水位センサ96で検出された湯水の水位の情報によって、浴槽18内への入浴者が不在かどうかを判定する。例えば、水位センサ96で検出された湯水の水位の急激な下降があった場合は、浴槽18から入浴者が出たためであり、入浴者が不在と判定する。ステップ152で、入浴者が不在と判定された場合は、本実施形態の排水システムの制御を終了する。
一方、ステップ156で、入浴者が不在でないと判定された場合は、ステップ158で、注意喚起後に一定時間経過したか否かが判定される。本実施形態では、注意喚起後に一定時間(例えば、3分)経過したか否かが判定される。ステップ158で、注意喚起後に一定時間経過していないと判定された場合は、ステップ156に戻る。
ステップ158で、注意喚起後に一定時間経過したと判定された場合は、ステップ160で、リモコン72のスピーカ100から浴槽18内の湯水を排出する旨を報知する。本実施形態では、スピーカ100から「入浴事故が発生する恐れがあるため、浴槽の湯を排出します。」といった情報を報知する。
次いで、ステップ162で、三方弁30を熱源機14(図1参照)の側から排出側(排水配管26の側)に切り替える。より具体的には、三方弁30を通常の流動経路から第1排水経路に切り替える。これにより、浴槽18内の湯水が循環口20の吐出口20A及び追焚往路管16Aを通じて排水配管26から排出される。
本実施形態の排水システムでは、閾値(例えば、40℃)以上の温度の湯に、所定時間(例えば、10分)入浴している場合に、注意喚起を促し、その後続けて一定時間(例えば、3分)入浴している場合に、強制的に浴槽18内の湯水を排出する。このため、ヒートショックなどの入浴事故を予防することができる。
また、本実施形態の排水システムでは、リモコン72(図3参照)に排水停止手段としての排水停止ボタンを設けてもよい。例えば、ステップ160で、リモコン72のスピーカ100から浴槽18内の湯水を排出する旨を報知したときに、入浴者が手動でリモコン72(図3参照)の排水停止ボタンを押すことで、浴槽18内の湯水が強制的に排出されるのを停止するようにしてもよい。
なお、第5実施形態では、排水システムの全体構成は、第1実施形態の排水システム12の全体構成と同じであるが、本発明は、この構成に限定するものではない。例えば、第5実施形態では、第2実施形態の排水システム112の全体構成、又は第3実施形態の排水システム122の全体構成を適用してもよい。また、第5実施形態では、ステップ150等で、水位センサ96により入浴者の有無を検出したが、これに代えて、例えば、生体情報センサ94(図2参照)の例としての人感センサによって入浴者の有無を検出してもよい。
〔第6実施形態〕
次に、図10等を用いて、本発明の第6実施形態の排水システムを備えた浴室システムについて説明する。なお、前述した第1〜第5実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図10に示されるように、本実施形態の排水システム172では、第1実施形態のリモコン72に設けられた生体情報センサ94(図1参照)に代えて、浴槽18の内壁に生体情報センサ94が設けられている。生体情報センサ94は、リモコン72と電気的に接続されており、生体情報センサ94で検出された信号は、リモコン72の制御部80(図2参照)に伝達されるようになっている。生体情報センサ94としては、例えば、浴室22内にいる者の位置を検出する人体検出手段としての人感センサ、入浴者の心拍数を検出する心拍数検出手段としての心拍数センサ、入浴者の血圧を検出する血圧検出手段としての血圧センサ等の少なくとも1つ以上が設けられている。本実施形態では、生体情報センサ94として、人感センサ、心拍数センサ、及び血圧センサが設けられている。生体情報センサ94で検出された生体情報に基づいて、排水システム172の三方弁30を切り替える制御については、第1実施形態と同じである。
この排水システム172では、人感センサで浴槽18内の入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、浴槽18内の入浴者の心拍数が第1の閾値以上となったとき、又は、浴槽18内の入浴者の血圧が第2の閾値以上となったときに、三方弁30を通常の流路経路から第1排水経路に切り替える。これにより、浴槽18内の湯水が、循環口20の吐出口20A及び追焚往路管16Aを介して排水配管26に排出される。
第6実施形態の変形例の排水システムでは、第1実施形態のリモコン72に設けられた生体情報センサ94(図1参照)に代えて、浴室22の天井23に生体情報センサ94が設けられている(図10中の二点鎖線を参照)。生体情報センサ94で検出された信号は、リモコン72と電気的に接続されており、生体情報センサ94で検出された信号は、リモコン72の制御部80(図2参照)に伝達されるようになっている。生体情報センサ94としては、例えば、人感センサ、心拍数センサ、血圧センサ等の少なくとも1つ以上が設けられている。本実施形態では、生体情報センサ94として、人感センサ、心拍数センサ、及び血圧センサが設けられている。生体情報センサ94で検出された生体情報に基づいて、排水システム172の三方弁30を切り替える制御については、第1実施形態と同じである。
なお、第6実施形態及びその変形例では、生体情報センサ以外の構成は、第1実施形態の三方弁30等を用いた排水システムと同じ構成が適用されているが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。例えば、生体情報センサ以外の構成は、第2〜第4実施形態の排水システムの構成に変更してもよい。また、生体情報センサ94を設ける位置は、第6実施形態及びその変形例の浴槽18の内壁や浴室22の天井23に限定されるものではなく、浴室22内の他の位置に変更してもよい。
〔補足説明〕
第4実施形態の排水システム132では、制御部86は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、第1実施形態と同様に、三方弁30を通常の流路経路から第1排水経路に切り替えたが、本発明は、この構成に限定するものではない。例えば、三方弁30に代えて、第2実施形態の三方弁114を設けてもよい。また、第4実施形態の排水システム132に、第3実施形態の排水ポンプ124を組み合わせてもよい。
また、第1〜第4実施形態では、制御部86は、生体情報センサ94の例としての人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出されたとき、生体情報センサ94の例としての心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が、所定の心拍数の一例としての第1の閾値以上となったとき、又は、生体情報センサ94の例としての血圧センサによって検出された入浴者の血圧が、所定の血圧の一例としての第2の閾値以上となったときに、浴槽18の側方の経路切替弁としての三方弁を排出側(排水配管26の側)に切り替えたが、本発明は、この構成に限定するものではない。例えば、排水システムでは、生体情報センサ94として、人感センサ、心拍数センサ、血圧センサのいずれか1つを設けてもよいし、人感センサ、心拍数センサ、血圧センサのいずれか2つを組み合わせてもよい。
また、第1〜第4実施形態、第6実施形態の排水システムでは、人感センサ、心拍数センサ、血圧センサのいずれか1つの検出情報の条件を満たしたときに、浴槽18の側方の経路切替弁としての三方弁を排出側(排水配管26の側)に切り替えているが、人感センサ、心拍数センサ、血圧センサのいずれか2つ以上の検出情報の条件を満たしたときに、浴槽18の側方の経路切替弁としての三方弁を排出側(排水配管26の側)に切り替えるようにしてもよい。例えば、人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出され、かつ、心拍数センサによって検出された入浴者の心拍数が第1の閾値以上となったときに、浴槽18の側方の経路切替弁としての三方弁を排出側(排水配管26の側)に切り替えるようにしてもよい。また、例えば、人感センサで検出された浴槽18内の入浴者の位置情報に基づき、入浴者の動きが一定時間以上無いことが検出され、かつ、血圧センサによって検出された入浴者の血圧が第2の閾値以上となったときに、浴槽18の側方の経路切替弁としての三方弁を排出側(排水配管26の側)に切り替えてもよい。また、他の2つのセンタの検出情報の条件を満たしたときに、浴槽18の側方の経路切替弁としての三方弁を排出側(排水配管26の側)に切り替えてもよい。また、3つのセンタの検出情報の条件を満たしたときに、浴槽18の側方の経路切替弁としての三方弁を排出側(排水配管26の側)に切り替えてもよい。
また、第1〜第6実施形態では、ドレンタンク48に貯留された水を追焚往路管16Aを用いてドレン排水するための三方弁30及び排水配管26が設けられており、三方弁30及び排水配管26を浴槽18の湯水を排出するための三方弁30、114及び排水配管26と兼用しているが、本発明は、この構成に限定するものではない。例えば、ドレンタンク48及びドレン配管66が設けられていない(ドレン排水を行わない)浴室システムであって、追焚用の循環配管が設けられている浴室システムに、本発明の排水システムを適用することができる。この場合は、追焚往路管16Aに経路切替弁としての三方弁30、114、及び排水配管26を後付で施工することになる。この場合でも、浴槽18の側部のエプロン24を取り外した状態で、経路切替弁としての三方弁30、114、及び排水配管26を設置することができる。このため、施工の工事が大がかりにならず、経路切替弁としての三方弁30、114、及び排水配管26を安価に設置することができる。
実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。