JP5498895B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents
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その圧力調整の具体例として、特許文献1には、貯湯タンクに接続された入水管に過圧逃し弁を設け、貯湯タンクの圧力が一定以上になると過圧逃し弁を介して貯湯タンクの水を排出する方法が記載されている。この過圧逃し弁は入水管側(即ち貯湯タンクの下部)にあるため、貯湯タンクからは加熱されていない水が排出されることになり熱の損失を抑制することができる。これは、貯湯タンクには一般的に上部に湯が貯留され下部には水が貯えられるためである。
また、貯湯タンクの水を加熱する際、水中に溶解していた空気が加熱により分離し、貯湯タンクの上部には空気が貯まり、この空気は入水管側にある過圧逃し弁から排出できないため、貯湯タンクの上部に接続された出湯管に空気を排出するための過圧逃し弁が設けてられている。
この結果、貯湯タンクの上部には空気が貯まり、蛇口をひねった後しばらくは、蛇口から湯と共に空気が出るという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、貯湯タンク内の圧力調整と共に貯湯タンクに貯まる空気の排出を行うことが可能な貯湯式給湯装置を提供することを目的とする。
また、過圧逃し弁は、出湯口より低い位置に配置され、三方弁と戻り口を連結する配管には、戻り口から過圧逃し弁へ水が流れるのを防止する逆止弁が設けられ、空状態の貯湯タンクを満水にする際、過圧逃し弁は開放状態にされ、三方弁は出湯口と戻り口を連結した状態になるので、空状態の貯湯タンクへ流入し戻り口から出た水は、逆止弁で止められ過圧逃し弁には達せず過圧逃し弁からは排出されない。従って、貯湯タンクを満水にする際に貯湯タンクから過圧逃し弁を介して排出されるのは、出湯口及び三方弁を通過して過圧逃し弁に送られる空気のみであり、貯湯タンクが満水になるまで貯湯タンク内の水が過圧逃し弁から排出されるのを回避することができる。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る貯湯式給湯装置10は、貯湯タンク11に貯留した湯を台所の蛇口(図示せず)や浴槽13等に供給する装置である。そして、貯湯式給湯装置10は、貯湯タンク11内の水を加熱する加熱手段60と、貯湯タンク11の上部にある出湯口12から出湯される湯を熱源に、浴槽13内の湯水を加熱する熱交換器14とが設けられ、浴槽13内の湯水を追焚きすることができる。また、熱交換器14は、浴槽13内の残り湯の熱を回収して貯湯タンク11の下部にある出水口15から送り出された水を加熱することができ、貯湯タンク11内の湯水の熱を確保するにあたっての省エネ化が図られている。以下、詳細に説明する。
第1のタンク16には水温を計測する温度センサの一例であるサーミスタ19、20、21が、第1のタンク16の上部から下部に向かって順に異なる高さ位置に取り付けられている。また、第2のタンク17にも上部から下部に向かって順に異なる高さ位置にサーミスタ22、23、24、25が取り付けられている。サーミスタ19〜25は、それぞれの取り付け位置にある貯湯タンク11内の湯水の温度を計測する。
第2のタンク17の下部は、循環ポンプ28と熱交換器29を介して第1のタンク16の上部に配管接続されている。
熱交換器29は、図1に示すように、熱媒が循環する熱媒循環回路31を介して熱源器の一例であるヒートポンプ式熱源器32に接続されており、ヒートポンプ式熱源器32で加熱された熱媒を熱源に熱交換して第2のタンク17からの水を加熱する。本実施の形態において、加熱手段60は、熱交換器29、熱媒循環回路31及びヒートポンプ式熱源器32から構成されている。なお、ヒートポンプ式熱源器32は、制御手段30から送られる信号に従って作動する。また、制御手段30は、サーミスタ19〜25が計測した第1、第2のタンク16、17内の湯水の温度を検知することができる。
制御手段30は、熱媒循環回路31を循環する熱媒の温度を周期的に検知しており、熱媒が第2のタンク17の下部から取り出した水を所定温度以上に加熱できる温度に達するまで、三方弁33を第2のタンク17の下部に湯水を送る状態にする。これによって、第2のタンク17の下部から取り出した水が、熱交換器29で十分に加熱されず低温のまま第1のタンク16の上部に供給されるのを防止する。そして、制御手段30は、熱媒循環回路31を循環している熱媒が十分な温度になったとき、三方弁33を切り換えて第1のタンク16の上部に湯が供給されるようにする。
また、混合弁35と混合弁36を連結する配管には、混合弁35から混合弁36に送られる湯の温度を計測するサーミスタ37と、混合弁36から混合弁35に湯が逆流するのを防止する逆止弁38が設けられている。制御手段30はサーミスタ37を介して、混合弁35で混合された湯の温度を計測する。
混合弁36は、混合弁35で混合された湯に水道管26を介して給水される水道水を加えて、混合弁35から送られた湯を所定温度にする。そして、混合弁36で所定温度となった湯は、台所にある蛇口等へ供給される。
なお、水道管26には、混合弁36から水道管26に向かって湯が流れないようにする逆止弁39が取り付けられている。また、混合弁35、36は、制御手段30からの信号によって混合比の調整を行う。
開閉弁41は、制御手段30からの信号によって、開いた状態、即ち混合弁40で温度調整された湯が浴槽13に供給可能な状態となる。逆止弁42は、浴槽13内の湯が混合弁40に流れるのを防ぐために設けられている。
また、混合弁35、40の間には、混合弁40から混合弁35に湯が逆流するのを防止する逆止弁43が配置されている。
なお、浴槽循環回路45には、浴槽13の湯量を計測する水位センサ47が取り付けられており、制御手段30は水位センサ47を介して浴槽13の湯量を検知可能である。
浴槽13内の湯水を追焚きするために利用される湯は、第1のタンク16の上部にある出湯口12から熱交換器14に送られ、熱交換器14での熱交換で熱を奪われた後に第2のタンク17の下部に設けられた戻り口48を介して第2のタンク17に流入する。
三方弁50には、第1のタンク16の出湯口12及び第2のタンク17の下部にある出水口15が配管接続されている。三方弁50は、制御手段30から送信される信号に従って、熱交換器14を経由して第2のタンク17の戻り口48に対して、第1のタンク16の出湯口12からの湯が送られるにようにするか、第2のタンク17の出水口15からの水が送られるようにするかを切り換えることができる。
一方、制御手段30は、T1がT2より所定温度以上高い状態にないことを検知した場合、浴槽13内の湯水の追焚きを行わない。
操作盤52で浴槽13の残り湯の熱を回収するための操作がなされると、制御手段30は、循環ポンプ44を起動し、サーミスタ25、46を介して第2のタンク17の出水口15近くの水(又は湯)の温度T3及び浴槽13の残り湯の温度T4をそれぞれ検知する。そして、制御手段30は、T4がT3に対して所定温度(例えば5℃)以上高いことを検知した場合、三方弁50を第2のタンク17の出水口15からの水が第2のタンク17の戻り口48に送られる状態にし、開閉弁41を閉じ循環ポンプ49を作動して、浴槽13の残り湯の熱の回収を開始する。
一方、制御手段30は、T4がT3より所定温度以上高い状態にないことを検知した場合、浴槽13の残り湯の熱の回収を行わない。
なお、サーミスタ25は、第2のタンク17の下部で出水口15の近くに配置されている。
三方弁50と第2のタンク17の戻り口48を連結する配管54には、配管54内の圧力が予め設定された値(本実施の形態では190kPa)以上になったとき配管54内の空気、湯水(即ち流体物)を排出し、配管54内の圧力を調整する過圧逃し弁55が設けられている。
ここで、第1、第2のタンク16、17は連結管18を介して接続され、空間的な連続性を有している。そして、第2のタンク17と配管54は、三方弁50の状態に関係なく少なくとも戻り口48を介して接続された状態、即ち空間的な連続性を有しているので、第1、第2のタンク16、17と配管54は実質的に圧力が等しい状態を確保されている。従って、第1、第2のタンク16、17内の圧力は、過圧逃し弁55からの空気、湯水の排出によって、190kPa未満に保たれる。
第1、第2のタンク16、17内の湯水がヒートポンプ式熱源器32によって加熱されているとき、三方弁50は、制御手段30によって第2のタンク17の出水口15からの水が第2のタンク17の戻り口48に送られる状態にされる。これによって、第1、第2のタンク16、17内の湯水が加熱されて膨張し、第1、第2のタンク16、17内の圧力が190kPa以上になったときには、第2のタンク17の下部にある低温の水が、出水口15、三方弁50を介して過圧逃し弁55から排出されることになる。従って、圧力調整のための第1、第2のタンク16、17の熱損失は抑制することができる。
このように、三方弁50は、1)浴槽13内の湯水の追焚きをするために第1のタンク16の上部から湯を取り出す場合と浴槽13内の残り湯の熱を回収するために第2のタンク17の下部から水を取り出す場合の流路の切り換えに加え、2)第1、第2のタンク16、17内の圧力調整のために、第1のタンク16の上部から空気を排出する場合と第2のタンク17の下部から水を排出する場合の切り換えも担っている。
浴槽13内の残り湯の熱の回収により第1、第2のタンク16、17内の湯水を加熱している際には、三方弁50の切り換えをせず、第1のタンク16の出湯口12と第2のタンク17の戻り口48を連結することはしない。これは、浴槽13内の残り湯の熱の回収では、第1のタンク16の上部に空気が貯まるまで第1、第2のタンク16、17内の湯水が加熱されないからである。
従って、三方弁が第1のタンクの出湯口と第2のタンクの戻り口を連結した状態になるのは、原則的には浴槽内の湯水を追焚きするときと、ヒートポンプ式熱源器を備える加熱手段によって第1、第2のタンク内の湯水が加熱されているときになる。
そして、空状態の第1、第2のタンク16、17を満水にする際、過圧逃し弁55は開放状態にされる。
通常、貯湯式給湯装置10を設置する際、作業者は第1、第2のタンク16、17を満水にした後に、貯湯式給湯装置10を使用者に引き渡す。この場合、第1、第2のタンク16、17に内在されている空気を外に排出しながら、第1、第2のタンク16、17への給水が行われる。
第1、第2のタンク16、17が満水になったとき、過圧逃し弁55からは空気でなく水が排出されるようになるので、設置作業者は、過圧逃し弁55から水が排出されたのを視認して、第1、第2のタンク16、17が満水になったのを知ることができる。
従って、仮に第2のタンク17の戻り口48からの水が過圧逃し弁55から排出されるようになっている場合、過圧逃し弁55が開放状態のとき、第2のタンク17内の水は戻り口48から出水され過圧逃し弁55から排出されることになるので、第2のタンク17内には、過圧逃し弁55より高い位置に水が貯まらない、あるいは貯まり難くなる。
そこで、三方弁50と第2のタンク17の戻り口48を連結する配管54には、過圧逃し弁55と戻り口48の間(本実施の形態では、過圧逃し弁55と熱交換器14の間)に戻り口48から過圧逃し弁55に水が流れるのを防止する逆止弁56が設けられている。
例えば、貯湯タンクは2体のタンクを有することなく1体のタンクとすることができる。
また、過圧逃し弁が水等を排出するための配管内の圧力P1と、水道水減圧後の給水圧P2は、それぞれ190kPa及び170kPaに限られず、P1>P2でその差異が一定値(例えば10kPa)以上の条件を満たせば、他の圧力値でもよい。
Claims (3)
- 貯湯タンク内の水を加熱する加熱手段と、前記貯湯タンクの上部にある出湯口から出湯される湯を熱源に浴槽内の湯水を加熱する熱交換器とが設けられ、該熱交換器は、該浴槽内の残り湯の熱を回収して前記貯湯タンクの下部にある出水口から送り出された水を加熱する貯湯式給湯装置であって、
前記出湯口及び前記出水口には、前記熱交換器を経由して前記貯湯タンクの下部に設けられた戻り口に対して該出湯口からの湯が送られるようにするか該出水口からの水が送られるようにするかを切り換える三方弁が配管接続され、該三方弁と該戻り口を連結する配管には、前記貯湯タンク内の圧力が予め設定された値以上になったときに該貯湯タンクから空気又は湯水を排出する過圧逃し弁が配置され、
前記加熱手段が前記貯湯タンクの水を加熱している際、前記三方弁は、前記出水口と前記戻り口を連結して前記過圧逃し弁が該貯湯タンク内の下部にある水を排出できる状態にすると共に、間欠的に前記出湯口と前記戻り口を連結して前記過圧逃し弁が前記貯湯タンクの上部に貯まる空気を排出できるようにすることを特徴とする貯湯式給湯装置。 - 請求項1記載の貯湯式給湯装置において、前記過圧逃し弁は、30〜180cmの高さで前記出湯口より低い位置に配置され、前記三方弁と前記戻り口を連結する前記配管には、前記過圧逃し弁と該戻り口の間に該戻り口から該過圧逃し弁へ水が流れるのを防止する逆止弁が設けられ、
空状態の前記貯湯タンクを満水にする際、前記過圧逃し弁は該貯湯タンク内の圧力に関係なく該貯湯タンク内から流体物を排出する開放状態にされ、前記三方弁は前記出湯口と前記戻り口を連結した状態になることを特徴とする貯湯式給湯装置。 - 請求項1又は2記載の貯湯式給湯装置において、前記貯湯タンクは並列配置された第1、第2のタンクからなり、該第1のタンクの下部が該第2のタンクの上部に連結管を介して連結され、前記第1のタンクの上部が前記貯湯タンクの上部として、前記第2のタンクの下部が前記貯湯タンクの下部としてそれぞれ機能することを特徴とする貯湯式給湯装置。
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