JP5569911B2 - 検出装置およびその回収方法ならびに監視システム - Google Patents

検出装置およびその回収方法ならびに監視システム Download PDF

Info

Publication number
JP5569911B2
JP5569911B2 JP2011519833A JP2011519833A JP5569911B2 JP 5569911 B2 JP5569911 B2 JP 5569911B2 JP 2011519833 A JP2011519833 A JP 2011519833A JP 2011519833 A JP2011519833 A JP 2011519833A JP 5569911 B2 JP5569911 B2 JP 5569911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection device
lumen
container
chamber
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011519833A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010147175A1 (ja
Inventor
繁 佐藤
人史 水口
和紀 伊藤
安生 沖田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iwate University
Original Assignee
Iwate University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iwate University filed Critical Iwate University
Priority to JP2011519833A priority Critical patent/JP5569911B2/ja
Publication of JPWO2010147175A1 publication Critical patent/JPWO2010147175A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5569911B2 publication Critical patent/JP5569911B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K11/00Marking of animals
    • A01K11/006Automatic identification systems for animals, e.g. electronic devices, transponders for animals
    • A01K11/007Boluses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/0002Remote monitoring of patients using telemetry, e.g. transmission of vital signals via a communication network
    • A61B5/0031Implanted circuitry
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/07Endoradiosondes
    • A61B5/073Intestinal transmitters
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/14539Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue for measuring pH
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/42Detecting, measuring or recording for evaluating the gastrointestinal, the endocrine or the exocrine systems
    • A61B5/4222Evaluating particular parts, e.g. particular organs
    • A61B5/4238Evaluating particular parts, e.g. particular organs stomach
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/68Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient
    • A61B5/6846Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient specially adapted to be brought in contact with an internal body part, i.e. invasive
    • A61B5/6847Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient specially adapted to be brought in contact with an internal body part, i.e. invasive mounted on an invasive device
    • A61B5/6861Capsules, e.g. for swallowing or implanting
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B2503/00Evaluating a particular growth phase or type of persons or animals
    • A61B2503/40Animals

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、反芻動物の第1胃(ルーメン)の状態を検出するための検出装置および、その回収方法、ならびに監視システムに関する。本発明は特に、ルーメンの内部に留まった状態でそのルーメンの状態を検出する検出装置、および、その検出装置を反芻動物から回収するための方法、ならびに、その検出装置によって反芻動物のルーメンの状態を監視するための監視システムに関する。
エレクトロニクスの近年の進展にともない、人あるいは動物の体内への設置を目的として小型化された電子機器が提案されている。
たとえば特表2003−530135号公報(特許文献1)は、人体内部の結合サイトにおいて少なくとも1つの生理学的パラメータをモニタするためのモニタ装置を開示する。このモニタ装置は、上記パラメータを検出するためのディテクタと、そのディテクタにより形成されたデータを送信するためのトランスミッタとを備える。
畜産あるいは酪農の分野において、発信機を備えた電子機器を動物の体内に設置するとともに、その電子機器からの情報を用いて個体を管理あるいは識別することが提案されている。たとえば特開平6−276877号公報(特許文献2)は、反芻動物の第1胃または第2胃(reticulum)の中に留まった状態で使用される動物用体内型個体識別器具を開示する。この識別器具は、胃液によって侵されない材質によって形成された容器と、その容器の内部に収納された集積回路と、容器の内部あるいは外部に設けられたアンテナとを備える。集積回路は、動物の体外から発信された電磁波に応答して、予め記憶されたデータ(識別コード)を送信アンテナを通じて送信する。
たとえば米国特許第5984875号明細書(特許文献3)は、個々の反芻動物の生理学的パラメータ(たとえば温度)を検出するとともに、その検出結果を送信するセンサを開示する。センサは、反芻動物の第1胃あるいは第2胃に留まることが可能な適切な大きさおよび密度を有する。センサから送信されたデータは、外部の受信機によって受信される。
たとえば特表2008−529631号公報(特許文献4)は、動物が飲み込むことが可能に構成された検査装置を開示する。この検査装置は、コントローラ、トランスミッタおよび、センサ素子のアレイを備える。トランスミッタは、アレイの出力から抽出されたセンサデータを送信するように構成される。
特表2003−530135号公報 特開平6−276877号公報 米国特許第5984875号明細書 特表2008−529631号公報
乳牛および肉牛の飼養管理にとって、ルーメンの状態を把握することは重要である。ルーメンの状態を把握するため、一般にはルーメン液のpHが測定される。
乳牛に給与される飼料品質の向上、飼養管理技術の改善、および育種の改良の進展などにより、乳牛の泌乳量は飛躍的に増大してきた。高泌乳を維持するために、大量の濃厚飼料が乳牛に給与される。しかし、更なる高泌乳を目指すために、牛の生理を無視した飼養管理が普及した。この結果、ルーメンアシドーシス、およびルーメンアシドーシスと関連のある各種の代謝病、感染症あるいは蹄病が多発していることが報告されている。ルーメンアシドーシスおよび関連する各種の疾病は乳牛による生産の阻害要因となる。
牛のルーメン内の状態は給与飼料に応じて異なるとともに、疾病発生や良質な牛乳生産と密接に関連する。ルーメンアシドーシスとは、ルーメンpHが低下した状態である。大量の濃厚飼料の給与、あるいは不適切な給与順序によってルーメンpHが低下する。ルーメンpHの測定の重要性が広く認識されるとともに、ルーメンpHの測定によるルーメンアシドーシスの制御が乳牛の健康と生産とを維持するための重要な課題となっている。
しかし現状では、ルーメンの内部の状態を正確に測定するための技術は確立されていない。具体的に説明すると、ルーメン内部の状態を把握するためには、牛からルーメン液を採取しなければならない。ルーメン液は、経口カテーテルを用いた経口的採取、あるいは注射針を用いた第一胃への穿刺によって採取される。しかし経口的採取の場合には、ルーメン液に唾液が混入するという問題あるいは胃への注射針の穿刺による細菌感染の虞が常に生じる。このためルーメンpHを正確に測定することができない。
また、ルーメン内で発酵が進むことによってルーメン内の温度が上昇すると考えられるので、ルーメン内部の状態を検出するためには、ルーメン液のpHに加えてルーメン内の温度を測定することがより好ましい。しかしながら、従来の技術によれば、生体外部で温度を測定しなければならない。このためルーメン内の温度を正確に測定できない。
加えて、ルーメン液を採取するためには牛の固定などの労力を要する。このためにルーメン液のpHあるいは温度を計測する頻度が低くなる。ルーメン内部の状態を検出することは飼養管理上有効な手法であるにもかかわらず、上述の理由により管理手法として普及してこなかった。その結果、多くの乳牛がルーメンアシドーシスに関連する疾病を患うことにより生産性が低下するという問題が発生する。酪農家の経営にとって、乳牛の生産性の低下は大きな課題の一つである。
しかしながら、上記の文献のいずれにおいても、反芻動物(代表的には牛)のルーメンの内部の状態を検出するという点、特にルーメンのpHを正確に検出する点について具体的な記載はない。
さらに上記の文献のいずれにおいても、生体内に設置された電子機器を任意のタイミングで回収することについて具体的な記載はない。たとえば乳牛が生きている間、乳牛のルーメンから電子機器を取り出すことができないのであれば、乳牛の頭数に応じた個数の電子機器が必要となる。このため監視システムのコストが増大する。
本発明の目的は、反芻動物のルーメンの状態を検出可能な検出装置、およびその検出装置を回収する方法、ならびにその検出装置を含む監視システムを提供することである。
本発明は、ある局面では、反芻動物のルーメンの内部状態を検出するための検出装置であって、ルーメンの内容物の液体成分に対する耐性を有するとともに前記ルーメンの内圧および運動に耐える物理的強度を有する材料によって形成され、反芻動物に経口で投与可能であるとともに経口でルーメンの内部に挿入される回収器具と連結可能なように構成された容器を備える。容器には、容器の内部の第1室に液体成分を導入するための開口部が形成される。検出装置は、容器の内部を、第1室と、液体成分の流入が防止された第2室とに区切るための防護部と、測定部と、記憶部と、制御部と、通信部と、電池とをさらに備える。測定部は、液体成分に関連するパラメータを測定するために、容器の第1室に収納される。記憶部は、検出装置の動作条件に関する情報を記憶するために、容器の第2室に収納される。制御部は、記憶部に記憶された情報に基づいて、測定部の測定結果からパラメータに関するデータを生成するために、容器の第2室に収納される。通信部は、制御部の処理によって生成されたパラメータに関するデータを無線によって送信するために、容器の第2室に収納される。電池は、少なくとも制御部および通信部に電力を供給するために第2室に収納される。
好ましくは、回収器具は、ルーメンの内部に挿入され、検出装置を反芻動物の体外に取り出すために用いられる磁石を含むように構成される。容器は、先端に向かうにしたがって次第に細くなるテーパに形成されたテーパ部と、強磁性体および常磁性体の少なくとも一方によって形成された連結部とを含む。容器の第2室を規定する部分は、開封および密封が可能なように構成される。
好ましくは、通信部は、検出装置の動作条件の少なくとも一部を更新するための新たな情報を無線により受信可能に構成される。制御部は、通信部によって新たな情報が受信された場合に、記憶部に記憶される情報を、新たな情報に更新する。
好ましくは、記憶部に記憶された情報は、検出装置の固有番号と、パラメータに関するデータの送信スケジュールとを含む。
好ましくは、パラメータは、液体成分のpH値を含む。測定部は、pHセンサを含む。pHセンサは、ガラス電極と、内部液を含むゲルと、少なくとも一部がゲルの内部に配置された比較電極と、ゲルから流出する内部液の液絡量を制御するために多孔質の樹脂により形成された液絡部と、ガラス電極および比較電極による液体成分のpHの測定値を温度補償するための温度センサとを有する。
好ましくは、パラメータは、液体成分のpH値を含む。測定部は、pHセンサを含む。pHセンサは、ガラス電極と、内部液としての塩化カリウム飽和溶液と、少なくとも一部が塩化カリウム飽和溶液に浸された比較電極と、内部液の液絡量を制御するために多孔質の樹脂により形成された液絡部と、ガラス電極および比較電極による液体成分のpHの測定値を温度補償するための温度センサとを有する。
好ましくは、検出装置は、pHセンサの出力を増幅するための増幅回路をさらに備える。増幅回路は、比較電極の電位を基準電位に設定するための基準電位設定部と、ガラス電極の電位と基準電位との間の電位差を増幅するためのアンプとを含む。
本発明は、他の局面では、監視システムであって、上記の検出装置と、検出装置と無線による通信が可能に構成され、検出装置から無線によって送信されたデータを受信する通信装置と、通信装置により受信されたデータを収集するとともに、データを用いてルーメンの状態を監視するための監視装置とを備える。
好ましくは、検出装置の通信部は、送信電力が10mW以下の電波を送信するための第1のアンテナを含む。通信装置は、無線によってデータを受信するための第2のアンテナを含む。第2のアンテナの利得は、第1のアンテナの利得よりも高い。
好ましくは、通信装置は、複数の検出装置の各々から送信されたデータを受信可能である。監視装置は、少なくとも1箇所に配置された通信装置により受信されたデータを収集する。
好ましくは、検出装置の通信部は、動作条件の少なくとも一部を更新するための新たな情報を無線により受信可能に構成される。制御部は、通信部によって新たな情報が受信された場合に、記憶部に記憶される情報を、新たな情報に更新する。通信装置は、検出装置から無線によって送信されたデータを受信するための受信機と、複数の検出装置の各々に対応する新たな情報を無線によって送信可能に構成された設定ユニットとを含む。
本発明のさらに他の局面に従うと、反芻動物のルーメン内部に置かれ、かつルーメンの内部の状態を検出する検出装置の回収方法である。検出装置は、ルーメンの内容物の液体成分に対する耐性を有するとともにルーメンの内圧および運動に耐える物理的強度を有する材料によって形成され、反芻動物に経口で投与可能に構成された容器を備える。容器には、容器の内部の第1室に液体成分を導入するための貫通孔が形成される。検出装置は、液体成分に関連するパラメータを測定するために、容器の第1室に収納された測定部をさらに備える。回収方法は、反芻動物の体内に留置される検出装置と連結可能な部分を有する回収器具をルーメンに挿入するステップと、回収器具に検出装置を連結させるステップと、回収器具を回収することにより検出装置を反芻動物の口から取り出すステップとを備える。
本発明によれば、反芻動物のルーメンの状態を検出可能な検出装置、およびその検出装置を回収する方法、ならびにその検出装置を含む監視システムを実現できる。
本発明の第1の実施の形態に係る監視システム100の全体構成を概略的に説明した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2の回路ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る受信機4の回路ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2が投与された牛1をその側方から見た図である。 図4に示した牛1の複胃を模式的に示した図である。 牛のルーメンの内部を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2の外観を示した斜視図である。 図7に示した検出装置2の分解図である。 図8に示したモジュールMの構成を概略的に示した第1の図である。 図8に示したモジュールMの構成を概略的に示した第2の図である。 検出装置に含まれるアンテナの外観図である。 本発明の第1の実施の形態に係るセンサユニット21の構成を概略的に説明する断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2を回収するための回収器具を模式的に説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る検出装置2を牛のルーメンから経口で回収するための方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る監視システム101の全体構成を概略的に説明した図である。 図15に示した検出装置20の機能ブロック図である。 センサユニット21Aの構成を概略的に説明するための断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る検出装置20の分解図である。 図18に示したモジュールMの構成を概略的に示した第1の図である。 図18に示したモジュールMの構成を概略的に示した第2の図である。 第1の実施の形態に係るアンプ回路22の機能ブロック図である。 第2の実施の形態に係るアンプ回路22Aの機能ブロック図である。 送受信機4Aの機能ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る監視システム100の全体構成を概略的に説明した図である。図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る監視システム100は、牛1のルーメン3の内部の状態に関する情報を収集するとともに、その情報に基づいてルーメン3の内部の状態を監視する。図1に示した牛1は乳牛および肉牛のいずれでもよいが、以下の説明では牛1を乳牛とする。
監視システム100は、牛1のルーメン3の状態を検出するための検出装置2を備える。検出装置2は牛1のルーメン3の中に置かれることによって、ルーメン3の内部の状態を検出する。具体的には、検出装置2は、ルーメン3の状態を検出するためにルーメン液のpHを測定する。
ルーメン液のpHはルーメン内部の状態を反映する。たとえば、ルーメンpHが低下することによりルーメンアシドーシスが発生する可能性が高くなる。通常のルーメンpHは7.0〜6.0であり、ルーメンpHが5.5以下に低下した状態がルーメンアシドーシスと呼ばれる。ルーメン液のpHを測定することによって、ルーメンアシドーシスを検出することができる。
検出装置2は、ルーメン液のpHを測定した結果を示すデータを、その検出装置2に割り当てられた固有番号とともに無線によって送信する。固有番号は検出装置2に予め記憶される。検出装置2は、さらに牛1の体外から送られた無線信号に応じて、検出装置2の動作条件等に関する情報を更新する。
検出装置2は牛1の口から投与される。検出装置2を経口投与するための方法は種々の公知の方法を適用することができるので、ここでは詳細な説明を繰返さない。
監視システム100は、検出装置2から無線により送信されたデータを受信するための受信機4と、LAN(Local Area Network)5と、ハブ6と、監視サーバ7と、ウェブサーバ8とをさらに備える。少なくとも受信機4および監視サーバ7は、牛のルーメン内部の状態を監視するための監視ユニットを構成する。
受信機4は、複数の検出装置2の各々から送信されたデータを受信可能に構成される。1台の受信機4と接続可能な検出装置2の台数は特に限定されるものではない。したがって図1に示されるように、たとえば受信機4は牛群201,202の各々に対応して設置される。牛群201,202の各々に属する牛1は、たとえば泌乳期の乳牛である。
受信機4は、LAN5およびハブ6を介して監視サーバ7およびウェブサーバ8の各々に接続される。監視サーバ7は検出装置2から送信されたデータに基づいて、検出装置2が投与された牛1のルーメン3の状態を監視するための各種の処理を実行する。また、受信機4は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部メモリ(図示せず)に接続可能であり、受信したデータをその外部メモリに送信可能である。
監視サーバ7は、受信機4から測定データを定期的に取得する。監視サーバ7が測定データを取得する周期は任意に設定可能である。監視サーバ7は、データベースを有するとともに取得されたデータをそのデータベースに登録する。
監視サーバ7は、データベースに登録されたデータを、表形式あるいはグラフ形式等の所定の形式によって表示する。表示される内容は、たとえば個体を識別するための番号、その番号に対応するルーメンpHの値の時間的な変動などである。監視サーバ7は、さらに、測定データを監視する機能、および、飼養者、獣医等の牛1の管理者に電子メールを送信する機能を有する。たとえば、ある牛のルーメンpHの測定値が5.5以下に低下した場合、監視サーバ7は、その牛の識別番号と、管理者の注意を促すための情報(現在のルーメンpH値など)とが記載された電子メールを、予め登録された送信先に送信する。
監視サーバ7は、さらに、ユーザによって入力された、牛1の管理に関する各種の情報、たとえば飼料の給与時刻などの情報を記憶する。
ウェブサーバ8は、監視サーバ7が有するデータベースから測定データを取得するとともに、そのデータをブラウザによって、たとえばグラフ形式などの所定の形式で表示する。さらに、ウェブサーバ8は、ユーザインターフェース機能を有し、監視サーバ7および受信機4に対する各種の操作のための情報を受付ける。ウェブサーバ8は、入力された情報を監視サーバ7に送り、監視サーバ7は、その情報に応じて、自身あるいは受信機4に対する各種の処理を実行する。監視サーバ7およびウェブサーバ8には、たとえばパーソナルコンピュータが適用される。
監視システム100は、さらに、LAN5とWAN(Wide Area Network)9とを相互に接続するためのルータ10を有する。遠隔地にある情報端末11(図1にはパーソナルコンピュータ11aおよび携帯端末11bを例示する)がWAN9に接続される。情報端末11は、監視サーバ7のデータベースに登録された測定データを所定の形式(たとえばグラフ形式)で表示するとともに、監視サーバ7から発信された電子メールを受信する。
監視システム100は、さらに、設定ユニット12を備える。設定ユニット12は、検出装置2の設定に関するデータを生成する機能、およびそのデータを無線により送信する機能を有する。設定ユニット12は、データ生成装置としてのパーソナルコンピュータ12aと、パーソナルコンピュータ12aにより生成されたデータを無線により送信するための送信機12bとを含む。ただし設定ユニット12は、データ生成装置および送信機が一体化された携帯型の機器でもよい。
パーソナルコンピュータ12aは、検出装置2の固有番号、動作条件(たとえば検出装置2がデータを送信する時間間隔)、検出装置2の校正の指令等を生成する。送信機12bは、パーソナルコンピュータ12aにより生成されたデータ、指令等を無線によって送信する。送信機12bから無線により送信された情報を受信した検出装置2は、予め記憶された情報を、送信機12bから送信された情報へと更新する。設定ユニット12は、検出装置2の牛1への投与の前後にかかわらず、必要に応じて検出装置2の動作条件などを設定することができる。
なお、受信機4および設定ユニット12は、検出装置2と無線による通信が可能な通信装置を構成する。
本発明の第1の実施の形態によれば、ルーメン3内に留まる検出装置2がルーメン3の内部の状態を検出するので、ルーメン液を採取しなくともルーメン内部の状態を把握することが可能になる。経口で採取されたルーメン液のpHを測定する場合には、ルーメン液に唾液が混入することによってルーメン液の性状が変化する可能性が高い。しかしながら本実施の形態によれば、このような問題が生じないので、ルーメン液のpH値を正確に計測することができる。さらに本発明の第1の実施の形態によれば、検出装置2は検出結果すなわちルーメンpHの測定値を無線で送信するとともに、監視ユニット(受信機4および監視サーバ7)は、検出装置2から送信された情報を取得する。よって本発明の実施の形態によれば、長期間にわたり、ルーメン内部の状態をリアルタイムで測定および監視することができる。
さらに、第1の実施の形態によれば、検出装置2は、ルーメン3内から回収可能に構成されるので、1つの検出装置を繰返し使用することができる。したがって本発明の第1の実施の形態によれば、監視システムのコストを低減することができる。
次に図1に示した監視システム100の構成要素を詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2の回路ブロック図である。
図2を参照して、検出装置2は、センサユニット21と、アンプ回路22と、A/Dコンバータ23と、CPU(Central Processing Unit)24と、無線モジュール25と、アンテナ26とを備える。
検出装置2は、さらに、ROM(Read Only Memory)27と、RAM(Random Access Memory)28と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)29と、RTC(Real Time Clock)30と、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)インターフェース回路31と、電池32と、電源IC(Integrated Circuit)33とをさらに備える。
センサユニット21は、ルーメン液のpHを測定するためのpHセンサ35と、pHセンサ35の検出結果を補正するためにルーメン液の温度を測定する温度センサ36とを含む。各センサによる検出結果(測定結果)はアナログ信号として出力される。
アンプ回路22は、センサユニット21から出力されたアナログ信号を増幅する。A/Dコンバータ23は、アンプ回路22から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
CPU24は、検出装置2の動作を統括的に制御するものであり、各部に対して所定の指示を出力する。たとえばCPU24はセンサユニット21の測定結果およびEEPROM29に記憶される検出装置2の固有番号を用い、pH値を含む送信データを生成する。ROM27は、CPU24の所定の機能を実現するために用いられるソフトウェアプログラムが格納された記憶領域である。RAM28は、CPU24のワーク領域として用いられる。
無線モジュール25はアンテナ26に接続される。無線モジュール25およびアンテナ26は、CPU24から送られたデータを無線によって送信する。一方で無線モジュール25およびアンテナ26は、外部より無線によって送信された情報(無線信号)を受信する。
EEPROM29は、情報を不揮発的に記憶するとともに、記憶された情報を電気的に書き換え可能な装置である。EEPROM29に記憶される情報は、検出装置2の設定に関する情報が記憶される。EEPROM29には、たとえば検出装置2の固有番号、データの送信スケジュール(たとえば送信間隔あるいは送信予定時刻等)等が記憶される。設定ユニット12から新たな情報が送信された場合、EEPROM29に記憶される情報は、CPU24によって、新たな情報へと更新される。
RTC30は計時のための回路である。CPU24はRTC30から現在の日時(年月日および時刻)を取得する。UARTインターフェース回路31は、調歩同期方式によるシリアル信号をパラレル信号に変換し、あるいはパラレル信号を調歩同期方式によるシリアル信号に変換する。調歩同期方式によるシリアル信号とは、無線モジュール25およびアンテナ26によって送信あるいは受信される無線信号である。パラレル信号は、CPU24に入力あるいは出力される信号である。
図2に示した各ブロックは、別個に設けられてもよいし、たとえばCPU24、ROM27、RAM28、RTC30、UARTインターフェース回路31等が1つのマイクロコンピュータに集積化されてもよい。
電池32および電源IC33は、検出装置2の各ブロックに電力を供給する。電池32はその容積が小さくほど好ましいとともに、その電池容量が大きいほど好ましい。電池32の容積が小さいことによって検出装置2の小型化が可能となる。電池32の電池容量が大きいほど電池の寿命が長くなるので、牛のルーメンの状態を検出できる期間を長くすることができるとともに、検出装置2をルーメンから回収する頻度を少なくすることができる。したがって第1の実施の形態では、電池32として、たとえば塩化チオニルリチウム電池が用いられる。さらに、電池32の寿命の観点からは、検出装置2の各ブロックの消費電力が小さいほど好ましい。
検出装置2は、自己診断機能を有し、センサユニット21の異常、電池32の電圧低下などを検出する。自己診断機能によって異常が検出された場合、検出装置2は、その異常の内容に関する情報を無線により送信する。
次に、検出装置2の通信機能の1つの具体例を説明する。検出装置2から送信される電波の周波数帯、および検出装置2の送信出力については、通信距離、電池の寿命、生体への影響等の種々の要件によって定められる。この実施の形態では、具体的には、検出装置2から送信される電波は、たとえば、周波数帯は429MHz帯であり、その送信出力は10mW以下である。
検出装置2の通信方式は半二重通信方式(Half duplex)であり、通信方向を切替える方式である。すなわち検出装置2は電波の送信および受信を同時にできない。通信速度は、たとえば2400bpsであり、通信に用いられるデータの形式はバイナリデータである。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る受信機4の回路ブロック図である。図3を参照して、受信機4は、USBインターフェース回路41と、表示部42と、操作部43と、CPU44と、無線モジュール45と、アンテナ46とを備える。
受信機4は、さらに、ROM47と、RAM48と、EEPROM49と、RTC50と、UARTインターフェース回路51と、LANインターフェース回路52と、電源モジュール53とをさらに備える。
USBインターフェース回路41は、図示しないUSBメモリ(外部メモリ)と受信機4とを接続するための回路である。表示部42は、受信機4に関する各種の情報、たとえば受信機4の動作状況を表示するための回路であり、たとえば液晶表示回路により構成される。操作部43は、ユーザによる操作を受付けるための回路であり、たとえば電源のオン/オフを操作するためのスイッチ等を含む。
CPU44は、受信機4の動作を統括的に制御するものである。ROM47およびRAM48の機能は、上記のROM27あるいはRAM28の機能と同様であるので以後の説明は繰返さない。RTC50は、RTC30と同様にCPU44が現在の日時を取得するために用いられる。UARTインターフェース回路51は、調歩同期方式によるシリアル信号をパラレル信号に変換し、あるいはパラレル信号を調歩同期方式によるシリアル信号に変換する。調歩同期方式によるシリアル信号とは、無線モジュール25およびアンテナ26によって受信される無線信号であり、パラレル信号とはCPU44に入出力される信号である。
無線モジュール45は、アンテナ46に接続される。無線モジュール45およびアンテナ46は検出装置2から送信された情報(無線信号)を受信する。
EEPROM49は、検出装置2から受信したデータを記憶する。EEPROM49は不揮発性メモリであるので、停電が生じた場合にもデータの消失を防止できる。
LANインターフェース回路52は、受信機4とLAN5との間でデータを授受するための回路である。
電源モジュール53は、AC電源からの交流電力を直流電力に変換するとともに、その直流電力を図3に示す各回路ブロックに供給する。
受信機4の通信方式は半二重通信方式である。ただし、受信機4は検出装置2から送信された電波を受信するのみである。通信速度は、たとえば2400bpsであり、通信に用いられるデータの形式はバイナリデータである。
受信機4の内部(EEPROM49)には、通信対象の検出装置2の固有番号が予め登録される。受信機4は検出装置2から、固有番号と測定値とを含むデータを受信する。受信データに含まれる固有番号が登録された番号と一致するときには受信機4はそのデータを取得し、かつ所定のタイミングで監視サーバ7に送信する。一方、受信データに含まれる固有番号が登録された番号と異なるときには、受信機4は、そのデータを取得しない。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2が投与された牛1をその側方から見た図である。図5は、図4に示した牛1の複胃を模式的に示した図である。
図4および図5を参照して、牛は4つの胃を有する。4つの胃の中で最も大きい胃がルーメン3である。牛1に経口投与された検出装置2は、食道3aを通過して、ルーメン3に到達する。検出装置2はルーメン3の中に留まることが可能なように適度の重さを有する。さらに、検出装置2はルーメン3の中から回収可能に構成される。
図6は、牛のルーメンの内部を示す模式図である。図6を参照して、ルーメン3では多量の飼料が貯蔵されており、ルーメン3の内部に生息する微生物によって飼料が分解される。
ルーメン3の内部は上層3b、中央層3cおよび下層3dの3つの層に大別される。上層3bは、発酵によって発生したメタン、二酸化炭素などのガスが充満するガス層である。中央層3cは、ルーメンマットと呼ばれる大きな飼料片の固まりからなる。下層3dは、粒度の小さい飼料片などが堆積した液体層である。経口投与された検出装置2はルーメン3の内部に到達し、下層3d(液体層)に留まる。本明細書においてルーメン液とは、ルーメンの内容物のうち下層3dに含まれる液体成分のことを意味するものとする。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2の外観を示した斜視図である。図7を参照して、検出装置2は、図2に示した各ブロックを収納するための容器2aを有する。容器2aは、金属により形成された円筒形の容器本体2bと、容器本体2bの一方の端部に取り付けられた樹脂製のキャップ2cと、容器本体2bの他方の端部に取り付けられた連結部2dとを有する。容器本体2bにはルーメン液を容器2aの内部に導入するための開口部2eが形成される。容器本体2b内部に収納されるセンサユニット21(図示せず)は、開口部2eから容器本体2bの内部に導入されるルーメン液と接触する。
容器2aは、ルーメン液によって侵されず、かつ、ルーメンの内圧および運動に耐える物理的強度を有する材質で形成される。具体的には容器本体2bおよび連結部2dは、ステンレス鋼により形成され、キャップ2cは耐酸性を有するとともに、ルーメンの内圧および運動に耐えうる強度を有する樹脂(たとえばポリプロピレン)により形成される。
キャップ2cの内部の空間には、図2に示したアンテナ26が収納される。キャップ2cを樹脂で形成することによって、アンテナ26が送信または受信する電波がキャップ2cを透過することができる。
キャップ2cはテーパ形状を有する。すなわちキャップ2cはその先端に向かうに従って細くなるように形成される。キャップ2cの先端の直径D1は、容器本体2bに接続されたキャップ2cの後端部の直径、すなわち容器本体2bの直径D2より小さい。したがって容器2aの形状はいわゆる砲弾形である。キャップ2cが先頭となるように検出装置2を牛に経口投与することにより、牛が検出装置2を飲み込みやすくなる。
容器2aの長さL、キャップ2cの先端の直径D1および容器本体2bの直径D2は、牛への検出装置2の経口投与にとって好ましい値に定められる。具体的に説明すると直径D1は、たとえば20mmであり、直径D2は、たとえば30mmである。直径D2が30mmより大きくなると検出装置2を牛に飲み込ませることが難しくなるため、直径D2は30mm以下であることが好ましい。検出装置2の長さLは、たとえば130〜150mmである。
検出装置2の重量は、牛のルーメン内(具体的には液体層内)で検出装置2が留まることが可能なように適切に定められる。具体的に説明すると、第1の実施の形態では検出装置2の重量は、たとえば120〜150gである。
連結部2dは、磁石に付着可能な材料、すなわち強磁性体あるいは常磁性体によって形成される。一例を示すと、連結部2dは、強磁性体、具体的には磁性ステンレス鋼(たとえばフェライト系ステンレス)によって形成される。なお強磁性体と常磁性体とを組み合わせて連結部2dを形成することも可能である。
図8は、図7に示した検出装置2の分解図である。図8を参照して、キャップ2cおよび連結部2dは容器本体2bに着脱可能に構成される。キャップ2cの側面の一部にはネジ溝が形成され、その突起部が容器本体2bの内周面に形成されたネジ溝(図示せず)に螺合する。容器本体2bへのルーメン液の浸入が確実に防止されるように、キャップ2cの側面にOリング61が取り付けられる。
モジュールMは、図2に示した各回路ブロックを一体化したものであり、容器本体2bの内部から取り外し可能である。モジュールMは、容器本体2bの内部を、センサユニット21が収納される第1室と、モジュールMのセンサユニット21以外の部分が収納される第2室とに分離するための分離部62を有する。連結部2dは、ネジ2f,2gによって容器本体2bに固定される。
上記の第1室は、容器本体2b、連結部2dおよび分離部62(Oリング63)により規定された空間であり、第2室は、容器本体2b、キャップ2cおよび分離部62(Oリング63)により規定された空間である。分離部62は、Oリング63を含む。Oリング63が容器本体2bの内周面に接触することによって、ルーメン液が第2室に浸入することを防止できる。すなわち、分離部62は、ルーメン液が第2室に浸入することを防止するための防護部である。
第1の実施の形態では、キャップ2cおよび連結部2dおよび分離部62のいずれも容器本体2bに着脱可能である。言い換えると、容器は、第2室を規定する部分において開封および密封可能に構成される。このように容器を構成することによって、モジュールMのうちセンサユニット21以外の部分がルーメン液に接触することを防止できるとともに、電池32の交換、モジュールMの修理等のために、モジュールMを容器本体2bの中から取り出すことができる。
なお、容器において第2室を規定する部分が、開封および密封可能に構成されていればよいので、キャップ2cのみ容器本体2bに着脱可能であってもよい。このように容器が構成される場合、モジュールMは、たとえばセンサユニット21および分離部62を除いた部分が容器本体2bの中から取り外し可能なように構成される。
図9は、図8に示したモジュールMの構成を概略的に示した第1の図である。図10は、図8に示したモジュールMの構成を概略的に示した第2の図である。
図9および図10を参照して、破線の枠に囲まれた領域は、容器2aの内部の空間を示す。Oリング63を含む分離部62により、容器2aの内部の空間は第1室Aおよび第2室Bに分割される。
モジュールMは、センサユニット21と、回路ボードC1〜C4とを備える。センサユニット21は第1室Aに収納されて、回路ボードC1〜C4は第2室Bに収納される。
センサユニット21は、ガラス膜71と、ガラス膜71によって形成された容器内に配置されたガラス電極72と、内部液(図示せず)中に少なくとも一部が配置された比較電極(図示せず)と、液絡部としての多孔質樹脂74と、温度センサとしてのサーミスタ75とを備える。
センサユニット21の各電極および温度センサは分離部62の内部を通り、回路ボードC1に電気的に接続される。さらにアース電極81が回路ボードC1に接続される。
回路ボードC2は、回路ボードC1と電気的に接続され、たとえば図2に示したアンプ回路22およびA/Dコンバータ23を含む。
回路ボードC3は、コネクタ83によって、回路ボードC2と電気的に接続される。回路ボードC3は、たとえば図2に示したCPU24、ROM27、RAM28、EEPROM29、RTC30、UARTインターフェース回路31、電池32、電源IC33を含む。上記のように、CPU24、ROM27、およびRAM28等が1つのマイクロコンピュータに集積化されていてもよい。2個の電池32は電池ホルダ82に収納され、かつこれらは直列に接続される。各電池の電圧は、たとえば3.6Vである。
回路ボードC4は、無線モジュール25およびアンテナ26を備え、回路ボードC3と電気的に接続される。
図11は、検出装置に含まれるアンテナの外観図である。図11を参照して、アンテナ26は、誘電体チップ26aと、誘電体チップ26aの主表面上にらせん状に形成された導体26bとを備える。
(無線通信について)
本発明の第1の実施の形態に係る監視システムでは、日本の電波法に基づいて運用する場合には、たとえば429MHz帯のFM波を用いた無線通信方式が用いられ、検出装置2の送信電力は最大で10mWとすることが望ましい。
上記周波数帯よりも低い周波数帯の電波を利用する場合には、通信速度が遅くなるために1データ毎の送信時間が長くなるとともに電池の消耗が懸念される。さらに波長が長くなることによる送受信アンテナの大型化あるいは所定利得を確保することの困難性も懸念される。一方、上記周波数帯よりも高い周波数帯の電波を利用する場合には、生体(牛)に対する電磁波の影響が大きくなることが懸念される。このような観点から、日本国内で本発明の第1の実施の形態に係る監視システムを用いる場合には、無線通信に使用される電波の周波数帯が429MHz帯であることが望ましい。
さらに日本国内においては、上記の周波数およびパワーを有する電波を出力する無線局は、電波法により規定された特定小電力無線局に分類される。この特定小電力無線局の場合には、技術基準適合証明を受けた無線機器であれば無資格で運用可能である。よって監視システムの運用に関する制限を少なくすることができる。
検出装置2がルーメン内に置かれていない場合、すなわち、牛の体外で無線モジュールを使用した場合には、安定して電波を送受信できる距離は比較的長い。たとえば本発明者らによる予備的な実験(市販モジュールを用いた通信実験)では、通信距離は100〜150m程度であった。しかしながら、ルーメンに投入された検出装置2から電波を受信可能な距離は、最大でも5mであった。
本発明者らは、このような現象が生じた原因を検討した。ルーメン内では検出装置2がルーメン液に浸漬されているため、検出装置2の周囲が液アースであると考えられた。さらに、牛の身体、具体的には筋肉および血液中の鉄分などがシールドとして機能すると考えられた。これらの理由により、検出装置2から発せられる電波が減衰するものと本発明者らは考えた。生体から2m程度離れた場所で無線通信を実験した場合、検出装置2をルーメンに投入する前後では、受信機の受信強度が大きく(たとえば数10dB程度)減衰した。検出装置2をルーメンに投入することによって、ノイズと信号との区別が困難であった。種々のアンテナを用いた実験においても、牛の体外での無線通信の結果と同等の結果を得ることは困難であった。
この問題の解決手段として、本発明者らは、2つの案を検討した。1つは、送信機と受信機とを一体化した装置を用いる方法であり、もう1つは、送信機と受信機とを別個に設ける方法である。日本の場合、受信アンテナの利得については法令で定められた基準は存在しない一方で、送信機は電波法に定められた技術基準適合品でなければならない。
前者の方法によれば、単一の装置が電波を送信および受信できるので、監視システムに使用される通信機器の個数を減らすことができる。しかしながら、複数の検出装置2を一元管理するために、アンテナの設置場所を詳細に検討する必要が生じる。具体的には、アンテナと生体との間の距離(すなわち通信距離)、および配置(たとえば複数の牛から等距離の位置に1つのアンテナを配置する)などを考慮する必要がある。受信感度を高くすることができたとしても、送信出力が小さいために、アンテナから遠く離れた場所にいる牛のルーメン内に設置された検出装置に、設定情報を確実に届けることが困難となる。
後者の方法によれば、送信機と受信機とを別個に構成することにより、監視ユニットの通信機能を受信機能のみに特化できる。したがって管理対象の牛の数、牛からの距離等を考慮して受信機の配置および台数を適切に定めることができる。
設定ユニット12は持ち運び可能であるので、設定ユニット12を牛生体の近傍で操作することができる。これによって検出装置2に電波が届かない可能性を小さくすることができる。さらに、検出装置2の動作条件を一旦設定すれば、その後に動作条件を変更する可能性は小さいと考えられる。したがって、ルーメン内の検出装置2の動作条件を変更する場合には、設定ユニット12の使用者は生体に近づく必要があるが、設定の変更が必要となる機会そのものが少ないと考えられる。したがって、監視システムの運用を用意とすることができる。
なお、日本においては、電波法によって、特定小電力無線局に適用されるアンテナの利得は2.14dBi以下でなければならないことが定められている。したがって日本においては、上記の条件を満たすように、アンテナを選択すればよい。一方、受信アンテナの条件に関しては特に制限はない。監視ユニットの通信機能を受信機能に特化することによって、監視ユニットに用いられる受信アンテナの選択の自由度を拡大することができる。さらに、アンテナの設置場所の自由度を高めることができる。
検出装置2はルーメンの中に存在するので、受信機4のアンテナ46に届く電波は微弱である。受信機4の受信感度を高くするため、受信機4のアンテナ46の利得は検出装置2のアンテナ26の利得より大きい。さらに、電波が水平面上の任意の方向からアンテナ46に到達する可能性を考慮すると、アンテナ46は水平面で無指向性を有するアンテナであることがより好ましい。水平面で無指向性を有するアンテナとして、たとえばホイップアンテナ、グランドプレーンアンテナ、スリーブアンテナ等をアンテナ46に適用することができるが、アンテナ26の電波を高利得で受信するタイプのアンテナであればよい。上記の方法に従って受信機4のアンテナ46を選択することにより、受信機4は、検出装置2から送信された電波を高い確実性で受信することができる。
第1の実施の形態では、以上説明したように、検出装置2と無線で通信する通信装置は、別個の受信機4および設定ユニット12(送信機)とにより構成される。ただし、送信出力をより大きくすることが可能な場合、たとえば上述の電波法よりも電波の利用に関する規制が厳しくない環境下で本実施の形態に係る監視システムが使用される場合には、受信機4および設定ユニット12が一体化された通信装置が用いられてもよい。
(センサユニットについて)
図12は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサユニット21の構成を概略的に説明する断面図である。図12を参照して、センサユニット21は、ガラス膜71と、ガラス膜71によって形成された容器内に充填された内部緩衝液76と、内部緩衝液76内に配置されたガラス電極72と、分離部62(アウターケース)とインナーケース84との間の空間に充填されたゲル77と、少なくとも一部がゲル77に接触するように配置された比較電極73と、液絡部としての多孔質樹脂74と、温度センサとしてのサーミスタ75とを備える。センサユニット21はホルダ85に挿入され、ホルダ85はインナーケース84の内部に固定される。ガラス膜71と、内部緩衝液76と、ガラス電極72と、ゲル77と、比較電極73と、多孔質樹脂74とは、図2に示したpHセンサ35を構成する。
内部緩衝液76は、具体的には塩化カリウム(KCl)溶液(たとえば3.3mol/L−KCl溶液、KCl飽和溶液等)である。内部緩衝液76はパッキン86によってガラス膜71で形成された容器の中に閉じ込められる。サーミスタ75はシリコン充填剤87によって密封固定される。
ガラス膜71及び多孔質樹脂74はルーメン液88と接触する。破線の矢印に示されるように、ゲル77に含まれる内部液は、分離部62(アウターケース)とインナーケース84との間の空間および、液絡部としての多孔質樹脂74を介して少量ずつ流出する。
ガラス膜71の外壁を被測定液すなわちルーメン液88に接触させることによって、ガラス膜71の内壁と外壁との間に起電力が発生する。比較電極73とガラス電極72との電位差は、被測定液のpHに比例した起電力に、ガラス電極72の単極電位と比較電極73の単極電位との差を加算したものに等しい。ガラス電極72および比較電極73はともにKCl溶液に接触するので、ガラス電極72の単極電位と比較電極73の単極電位との差は0になる。したがってガラス電極72および比較電極73の間の電位差を検出することによって、ルーメン液のpHに比例した起電力が検出される。上記の起電力は温度に応じて変化するため、サーミスタ75の検出結果に基づいて起電力の温度変化が補正される。
よく知られたpHセンサは、本発明の第1の実施の形態で採用されるガラス電極式pHセンサ、および、Is−FET(イオンセンシティブ電界効果トランジスタ)センサである。本発明者らは、検出装置2に搭載されるセンサとして、まずIs−FETセンサを検討した。しかしながら、このセンサはバッチ測定(間欠測定)を前提としたセンサであるので、液体サンプルに長時間接触した状態ではその性能を維持することが困難である。たとえば本発明者らによる予備的な実験の結果からは、Is−FETセンサの寿命は500時間以下と推定された。
一方、ガラス電極式pHセンサは、ガラス薄膜を液体に常時接触させた状態でその液体のpHを測定できる。このような理由により、本実施の形態では、ガラス電極式pHセンサが採用される。センサユニット21は金属製の筒である容器本体2bの中に収納されており、開口部2eを通じて容器本体2bの内部に導入されたルーメン液がガラス膜71に接触する。開口部2eの大きさは、未消化の飼料あるいはパーネット(鉄クズ吸着用の強力磁石)等が開口部2eを通過することを阻止可能な大きさに定められる。これによりルーメンの内容物のうちルーメン液のみを容器本体2bの内部に導入できるので、ガラス膜71の破損を防止できる。
さらに本発明の第1の実施の形態では、液絡部は、多孔質の樹脂、具体的には多孔質のテフロン(登録商標)によって形成される。工業用pHセンサ(ガラス電極式pHセンサ)の場合、一般的に、多孔質セラミックが比較電極の液絡部に用いられる。しかしながらセラミックの空孔は非常に微細であるので、ルーメン液に含まれる食渣成分により液絡部が目詰まりを起こすことが懸念される。一方、多孔質テフロン(登録商標)の空孔は、一般に多孔質セラミックの空孔よりも大きい。さらにテフロン(登録商標)は水などの他の物質との親和性が低いため、液絡部に沈着する汚れの量を低減できる。これにより液絡部の目詰まりを防止できるので、ルーメン液のpHを長期間測定することができる。
さらに、本発明の第1の実施の形態では、ゲル化された内部液が使用される。通常、内部液は液体状である。本発明者らがルーメン内で連続的にpHを測定する実験を予め行なったところ、実験開始後、2日程度でpH測定値が不安定となり、最終的に測定不能となる例が生じた。当該問題が生じたセンサを回収して原因を調査した結果、内部液が完全に失われていた。
本発明者らは、ルーメン内部の温度が40℃近傍と比較的高いために液絡量(流出量)が多くなり、その結果、内部液が短期間で消耗したと考えた。そこで、ゲル化剤によりゲル化された内部液を試した。このときのゲル化剤はヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethyl cellulose)であり、pH測定の可能な持続期間を10日間程度に延長することができた。しかし2週間前後で測定値が不安定となった。本発明者らがこの現象を検証したところ、ゲル化剤がルーメン液中の繊維素分解菌によって分解されたことが分かった。
ルーメン内の繊維素分解菌はセルロースを分解して酢酸などを生成する。この菌の作用により、ゲルが短期間に消費されたと考えられた。このような実験結果から、本実施の形態では、セルロース分解菌の作用によって分解されにくいゲル化剤によって、内部液(KCl溶液)をゲル化する。これにより、ルーメン内において内部液の流出量を小さくできるので、長期間にわたるルーメンpHの測定が可能となる。
上記のゲル化剤として、本実施の形態では、キサンタンガムが用いられる。キサンタンガムは食品添加物であり、食品分野において一般的に用いられる。したがって、生体への影響を小さくすることができる。
(検出装置の回収方法)
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る検出装置2を回収するための回収器具を模式的に説明するための図である。図13を参照して、回収器具90は、金属製のワイヤ91と、ワイヤ91の先端に取り付けられた磁石92とを含む。なお、ワイヤ91に代えて金属製のチェーンあるいは金属チューブが用いられてもよい。ワイヤ91は、牛の口からルーメンまでの長さよりも十分に長い。検出装置2の連結部2dは、常磁性体あるいは強磁性体により形成されるので、連結部2dが磁石92に付着する。これによって、ルーメン内から検出装置2を取り出すことができる。このような構成を有する回収器具90として、たとえばカウサッカーを適用することができる。
検出装置2(連結部2d)は、用いられる回収器具に連結可能に構成されていればよい。たとえば回収器具90としてマニピュレータが用いられる可能性がある場合には、連結部2dをマニュピレータに係止可能なように構成してもよい。
図14は、本発明の実施の形態に係る検出装置2を牛のルーメンから経口で回収するための方法を説明するフローチャートである。
図14を参照して、ステップS100では、牛に給与される餌を減らす。詳細には、検出装置2を牛から回収する前日の夕方から、牛に餌を全く給与しない、あるいは通常給与される量の半分程度に餌の給与量を制限する。
検出装置2を牛から回収する当日にはステップS200〜S700の処理が実行される。ステップS200では、牛を固定するとともに、十分量、たとえば20〜40リットルの水を牛に投与する。
ステップS300では、開口器を牛に装着する。ステップS400では、たとえば塩化ビニール製の導入管を牛の口から咽頭部に挿入する。
ステップS500では、導入管を介して、金属ワイヤの先端に装着した強力磁石をルーメンに挿入する。ルーメンに入った強力磁石は、ルーメン内部の固形物層(図6に示した中央層3cに相当)に達した後、自らの重量のためにルーメン下部の液体層(図6に示した下層3dに相当)に沈下する。
ステップS600では、検出装置2を強力磁石に連結させる。図6に示すように、ルーメン3内に留置された検出装置2は、通常では、ルーメン下部の液体層(腹嚢部)に存在する。強力磁石が液体層に到着すると、検出装置2の連結部2dがその磁石に付着する。これにより検出装置2が強力磁石に連結する。
ステップS700では、強力磁石に連結された検出装置2を静かに引き上げるとともに、検出装置2をルーメンの固形物層、噴門部および口腔を通過させる。これにより検出装置2が回収される。
ステップS100に示されるように、検出装置2を回収するに先立って牛に給与される飼料の量を減らす、あるいは牛を絶食させることによって、ルーメン内容物(特に固形物)を減らすことができる。これにより検出装置2の探索、引き上げおよび回収を容易に実行できるので、回路の不具合あるいは電池の消耗により検出装置の機能が停止した場合に検出装置を回収できる。
以上のように本発明の第1の実施の形態によれば、牛のルーメンの内部状態を、リアルタイムで正確に検出できる。さらに、牛のルーメンの内部状態を容易に監視できる。さらに、検出装置の再利用が可能となるので、システムのコストを低減できる。
牛のルーメンpHが正確に測定可能となるため、農家自らが飼養管理状態を把握しつつ栄養管理の改善に取り組めることができる。さらに、ルーメンpHを長期間にわたって測定および監視できるので、ルーメンアシドーシスおよび、各種代謝病や感染症、蹄病などの関連疾病の発生を未然に防ぐことができる。
[実施の形態2]
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る監視システム101の全体構成を概略的に説明した図である。図15を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る監視システム101は、受信機4および設定ユニット12に代えて、送受信機4Aを備える点で第1の実施の形態に係る監視システム100と異なる。さらに、監視システム101は、検出装置2に代えて検出装置20を備える点で監視システム100と異なる。
送受信機4Aは、たとえば畜舎内に設置される。送受信機4Aは、設定ユニット12および受信機4の両方の機能を備える。すなわち、送受信機4Aは、検出装置20(センサ)の校正指示、送信頻度の設定等の指令を無線によって検出装置20に送信する。さらに、送受信機4Aは、検出装置20によって測定されたルーメン内部のpHに関するデータを、無線によって検出装置20から受信する。さらに送受信機4Aは、検出装置20から送信されたデータの受信に成功した場合には、その検出装置20に対して受信確認データを送信する。
図23は、送受信機4Aの機能ブロック図である。図23および図3を参照して、設定部120が追加される点で送受信機4Aの構成は、受信機4の構成と異なる。設定部120は、設定ユニット12と同じ機能を有する。なお、第1の実施の形態と同様に、アンテナ46の利得は、検出装置20が有するアンテナの利得よりも高いことが好ましい。
検出装置20は、受信確認データを受信することにより、測定データの送信を終了する。検出装置20が測定データを送信したにもかかわらず受信確認データを受信できなかった場合、検出装置20は、同じデータを送信することを繰返す。最大の繰返し回数は送受信機4Aからの指令によって予め設定されており、たとえば3回である。送信回数が最大の回数に達したにもかかわらず検出装置20が受信確認データを受信できなかった場合には、検出装置20はデータの送信を中止する。このように、検出装置20がデータを再送信する回数を制限することによって、検出装置20の消費電力を低減することができる。これにより検出装置20の内部に設けられた電池の持続期間を長くすることができる。したがって検出装置20の動作期間を延ばすことができる。
検出装置20は、一定の時間間隔(たとえば10分間隔)で、測定データ(pH値)を無線により送信する。検出装置20は、送受信機4Aから送られた指令に従って、センサの校正、測定データの頻度(時間間隔)の設定、送受信機4Aがデータ受信に失敗した場合の再送信回数の設定等の各種の処理を実行する。
送受信機4Aと検出装置20との間の無線通信を中継するための中継器(レピータ)を監視システム101に追加してもよい。これにより、送受信機4Aと検出装置20との間の無線通信が失敗する可能性をより小さくすることができる。
第1の実施の形態と同様に、検出装置20は、ルーメン3内から回収可能に構成される。図14に示したフローチャートに従って、検出装置20が牛1のルーメン3から経口で回収される。
図16は、図15に示した検出装置20の機能ブロック図である。図16および図2を参照して、検出装置20の構成は、基本的には第1の実施の形態に係る検出装置2の構成と同様である。ただし、検出装置20は、センサユニット21、アンプ回路22、アンテナ26、および電池32に代えてセンサユニット21A、アンプ回路22A、アンテナ26A、および電池32Aを有する。この点において、検出装置20は検出装置2と異なる。
検出装置20の外観は、検出装置2の外観(図7参照)と同様であるので、検出装置20の外観に関する詳細な説明は以後繰返さない。以下では、検出装置20と検出装置2との相違点について詳細に説明する。
図17は、センサユニット21Aの構成を概略的に説明するための断面図である。図17を参照して、センサユニット21Aは、内部液77Aを含む。第2の実施の形態では、内部液77Aは、ゲル化されておらず液体のままである。具体的には、内部液77Aは、塩化カリウム飽和溶液である。飽和溶液を内部液に用いることで、内部液は液絡部(多孔質樹脂74)を通じて流出する一方となる。これによって内部液の濃度(KClの濃度)が変化することを抑えることができるので、検出装置20の測定値を安定させることができる。検出装置20の測定値が安定になることで、測定期間を長くすることができる。
さらに、第2の実施の形態では、サーミスタ75を密封固定するために、シリコン充填剤87に代えて、マグネシア87Aが用いられる。マグネシア87Aによってサーミスタ75を密封固定することで、第1の実施の形態よりもサーミスタ75の温度感応性を向上させることができる。
さらに、第2の実施形態では、センサユニット21Aはアース電極81を有していない。後に詳細に説明するように、第2の実施の形態では、アンプ回路22Aでの増幅方式として非差動増幅方式が用いられる。これによりセンサユニット21Aからアース電極81を省略することができる。
なお、センサユニット21Aの他の部分の構成は、第1の実施の形態によるセンサユニット21の構成と同様であるので以後の説明は繰返さない。
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る検出装置20の分解図である。図19は、図18に示したモジュールMの構成を概略的に示した第1の図である。図20は、図18に示したモジュールMの構成を概略的に示した第2の図である。
図18〜図20を参照して、モジュールMは、センサユニット21Aと、回路ボードC1〜C3とを備える。無線モジュール25は回路ボードC3に搭載される。アンテナ26Aはらせん状に巻かれた導体を含むλ/4ホイップアンテナである。
第1の実施の形態に係る検出装置2は、無線モジュール25およびアンテナ26が搭載された回路ボードC4を有する。これに対して、第2の実施の形態では、無線モジュール25が回路ボードC3に搭載されるとともに、アンテナ26Aがホイップアンテナによって構成される。これにより、検出装置20から回路ボードC4が省略される。
さらに、第2の実施の形態に係る検出装置2では、1つの電池32Aが用いられる。第1の実施の形態に係る検出装置2と同じく、電池32Aは、たとえば塩化チオニルリチウム電池である。電池32Aの電圧は、たとえば3.6Vである。電池32の容量は、たとえば1700mAhである。
なお図18〜20に示されるモジュールMの他の部分の構成は、第1の実施の形態に係るモジュールMの対応する部分の構成と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
検出装置20の重量は、牛のルーメン内(具体的には液体層内)で検出装置20が留まることが可能なように適切に定められる。第2の実施の形態では、検出装置20の重量は、たとえば160〜200gの範囲内である。
上記のように、第2の実施の形態では、アンプ回路22Aの増幅方式として、非差動増幅方式が用いられる。これによって、アンプ回路22Aの消費電力を低減することができる。さらに、センサユニット21Aからアース電極を省略することができる。
図21は、第1の実施の形態に係るアンプ回路22の機能ブロック図である。図21を参照して、アンプ回路22は、測定アンプ221,222と、基準電位設定部223と、差動アンプ225とを備える。なお、図8〜図10に示されたモジュールMでは、差動アンプ225およびA/Dコンバータ23は、A/D変換回路23Aを構成するとともに、モジュールとして一体化される。
センサユニット21は、ガラス電極72と、比較電極73と、アース電極81とを有する。
測定アンプ221は、ガラス電極72の電位を測定するためのアンプである。測定アンプ222は、比較電極73の電位を測定するためのアンプである。差動アンプ225は、測定アンプ221の出力電位と測定アンプ222の出力電位との間の電位差を増幅する。差動アンプ225の出力はA/Dコンバータ23へと送られる。
第1の実施の形態では、アース電極81が基準電位設定部223に接続される。この場合には、ガラス電極72および比較電極73の各々の電位の基準は、アース電極81の電位となる。差動アンプ225は、測定アンプ221の出力電位と測定アンプ222の出力電位との間の電位差を増幅する。
第1の実施の形態では、差動アンプ225を差動増幅方式で動作させる。すなわち、差動アンプ225は、測定アンプ221の出力と、測定アンプ222の出力との間の電位差を増幅する。この方式では2つの測定アンプが必要であるために、アンプ回路全体としての消費電力が大きくなる。このため電池の消耗が早くなる可能性がある。
図22は、第2の実施の形態に係るアンプ回路22Aの機能ブロック図である。図21および図22を参照して、アンプ回路22Aは、測定アンプ222が省略される点でアンプ回路22と異なる。さらに、アンプ回路22Aは、差動アンプ225に代えてアンプ225Aを備える点でアンプ回路22と異なる。なお、図18〜図20に示されたモジュールMでは、アンプ225AおよびA/Dコンバータ23は、A/D変換回路23Aを構成するとともに、モジュールとして一体化される。センサユニット21Aは、アース電極83が省略される点でセンサユニット21と異なる。
第2の実施の形態では、比較電極73が基準電位設定部223に接続されることにより、比較電極73の電位が基準電位(具体的には0V)に固定される。この結果、第2の実施の形態では、ガラス電極72の電位と基準電位との電位差がアンプ225Aによって増幅される。
アンプ225Aは測定アンプ221の出力のみを増幅する。したがって、測定アンプ222が不要となるので、アンプ回路全体の消費電力を低減することができる。よって、図18〜20に示されるように、1つの電池32Aによって検出装置20を動作させることが可能となる。
実施の形態2に係る検出装置20の性能を検証するために、3頭の牛に検出装置20を経口投与した。ルーメン内の検出装置20から送信された測定値の変動を検証した。検証開始日から1ヶ月を経過しても検出装置20の測定値が安定していることを確認することができた。
一方、KCl飽和溶液に代えてKCl溶液を含むゲルを内部液に用いた場合には、検出装置の測定値が安定する期間は1〜2週間程度であった。検出装置の測定値が安定する期間が短くなる理由は、ゲルが測定サンプルを吸収するために、内部緩衝液の濃度が変化したためと考えられる。
さらに、電池の持続期間を複数の検出装置20によって検証した結果、電池の持続期間は1.5ヶ月〜2ヶ月であった。
送受信機4Aと検出装置20との間で安定的な無線通信が可能な距離は約20mであり、最大の通信距離は25mであった。送受信機4Aが受信確認データを送信したことによって、安定的な無線通信が可能と判断した。
以上説明されるように、第2の実施の形態によれば、pHセンサの内部液にKCl飽和溶液が用いられる。これにより、検出装置がルーメン内に留まる期間が長くなるほどルーメンpHの測定精度が低下するという問題を解決することができる。
さらに、第2の実施の形態によれば、送受信機から検出装置へ指令が送られる。第1の実施の形態に係る監視システムでは、検出装置に指令を送信するための設定ユニットが用いられる。第2の実施の形態に係る監視システムでは、上記の設定ユニットを用いなくとも、検出装置に各種の指令を送ることができる。したがって、監視システムの構成を簡素化できる。
さらに、第2の実施の形態によれば、アンプ回路22Aが非差動増幅方式でセンサユニット21Aの出力信号を増幅する。これにより、検出装置20の消費電力を低減できる。
なお、検出装置20の動作可能時間が長いほど好ましいのは言うまでもない。しかし乳牛の生産性の観点からは、特定の期間にルーメン内部の状態を管理することが特に重要である。この期間は、具体的には、分娩から泌乳期の終わりまでを含む約3〜4ヶ月の期間であることが好ましい。本発明の実施の形態に係る検出装置は、ルーメンの管理が必要とされる期間にわたり、ルーメンの状態を検出することが可能である。
本発明の実施の形態においては、ルーメン内部の状態の変化の代表例としてルーメンアシドーシスを示した。しかし本発明によれば、ルーメンアルカローシスも検出することが可能である。ルーメンアルカローシスは、ルーメン内において発酵によりアンモニアが過剰生成されるためにルーメンpHの値が高くなった状態である。
さらに、本発明の実施の形態では、ルーメン内の状態を検出するためにルーメン液のpH値が測定される。ただし、測定対象のパラメータはpHのみに限定されず、たとえばpHと温度の両方でもよい。
本発明の実施の形態では、反芻動物として牛を例示したが、本発明は牛以外の反芻動物、たとえば羊、山羊などのルーメンの状態の検出および監視にも適用することができる。牛より小さい反芻動物の場合には、検出装置のサイズを上記のサイズよりも小さくすればよい。さらに検出装置の重量値も上記の値(120〜150gあるいは160〜200g)より小さな値とすることが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 牛、2,20 検出装置、2a 容器、2b 容器本体、2c キャップ、2d 連結部、2e 開口部、2f,2g ネジ、3 ルーメン、3a 食道、3b 上層、3c 中央層、3d 下層、4 受信機、4A 送受信機、5 LAN、6 ハブ、7 監視サーバ、8 ウェブサーバ、9 WAN、10 ルータ、11 情報端末、11a,12a パーソナルコンピュータ、11b 携帯端末、12 設定ユニット、12b 送信機、21,21A センサユニット、22,22A アンプ回路、23 A/Dコンバータ、24,44 CPU、25,45 無線モジュール、26,26A,46 アンテナ、26a 誘電体チップ、26b 導体、27,47 ROM、28,48 RAM、29,49 EEPROM、30,50 RTC、31,51 UARTインターフェース回路、32,32A 電池、33 電源IC、35 pHセンサ、36 温度センサ、41 USBインターフェース回路、42 表示部、43 操作部、45 無線モジュール、46 アンテナ、52 LANインターフェース回路、53 電源モジュール、61,63 Oリング、62 分離部、71 ガラス膜、72 ガラス電極、73 比較電極、74 多孔質樹脂、75 サーミスタ、76 内部緩衝液、77 ゲル、77A 内部液、81 アース電極、82 電池ホルダ、83 コネクタ、84 インナーケース、85 ホルダ、86 パッキン、87 シリコン充填剤、88 ルーメン液、90 回収器具、91 ワイヤ、92 磁石、100 監視システム、120 設定部、201,202 牛群、221、222 測定アンプ、223 基準電位設定部、225 差動アンプ、225A アンプ、C1〜C4 回路ボード、M モジュール。

Claims (12)

  1. 反芻動物のルーメンの内部状態を検出するための検出装置であって、
    前記ルーメンの内容物の液体成分に対する耐性を有するとともに前記ルーメンの内圧および運動に耐える物理的強度を有する材料によって形成され、前記反芻動物に経口で投与可能であるとともに経口で前記ルーメンの内部に挿入される回収器具と連結可能なように構成された容器(2a)を備え、
    前記容器(2a)には、前記容器(2a)の内部の第1室に前記液体成分を導入するための開口部(2e)が形成され、
    前記容器(2a)の内部を、前記第1室と、前記液体成分の流入が防止された第2室とに区切るための分離部(62)と、
    前記液体成分に関連するパラメータを測定するために、前記容器(2a)の前記第1室に収納された測定部(21,21A)と、
    前記検出装置の動作条件に関する情報を記憶するために、前記容器(2a)の前記第2室に収納された記憶部(29)と、
    前記記憶部(29)に記憶された前記情報に基づいて、前記測定部(21,21A)の測定結果から前記パラメータに関するデータを生成するために、前記容器(2a)の前記第2室に収納された制御部(24)と、
    前記制御部(24)の処理によって生成された前記パラメータに関する前記データを無線によって送信するために、前記容器(2a)の前記第2室に収納された通信部(25,26,26A)と、
    少なくとも前記制御部(24)および前記通信部(25,26,26A)に電力を供給するために前記第2室に収納された電池(32,32A)とをさらに備え
    前記回収器具は、前記ルーメンの内部に挿入されるとともに前記検出装置を前記反芻動物の体外に取り出すために用いられる磁石を含むように構成され、
    前記容器(2a)は、強磁性体および常磁性体の少なくとも一方によって形成された連結部(2d)を含む、検出装置。
  2. 記容器(2a)は、
    先端に向かうにしたがって次第に細くなるテーパに形成されたテーパ部(2c)を含み
    前記容器(2a)の前記第2室を規定する部分は、開封および密封が可能なように構成される、請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記通信部(25,26,26A)は、前記検出装置の前記動作条件の少なくとも一部を更新するための新たな情報を無線により受信可能に構成され、
    前記制御部(24)は、前記通信部(25,26,26A)によって前記新たな情報が受信された場合に、前記記憶部(29)に記憶される前記情報を、前記新たな情報に更新する、請求項1に記載の検出装置。
  4. 前記記憶部(29)に記憶された前記情報は、
    前記検出装置の固有番号と、
    前記パラメータに関する前記データの送信スケジュールとを含む、請求項1に記載の検出装置。
  5. 前記パラメータは、前記液体成分のpH値を含み、
    前記測定部(21,21A)は、pHセンサ(35)を含み、
    前記pHセンサ(35)は、
    ガラス電極(72)と、
    内部液を含むゲル(77)と、
    少なくとも一部が前記ゲルの内部に配置された比較電極(73)と、
    前記ゲル(77)から流出する前記内部液の液絡量を制御するために多孔質の樹脂により形成された液絡部(74)と、
    前記ガラス電極(72)および前記比較電極(73)による前記液体成分のpHの測定値を温度補償するための温度センサ(75)とを有する、請求項1に記載の検出装置。
  6. 前記パラメータは、前記液体成分のpH値を含み、
    前記測定部(21,21A)は、pHセンサ(35)を含み、
    前記pHセンサ(35)は、
    ガラス電極(72)と、
    内部液としての塩化カリウム飽和溶液(77A)と、
    少なくとも一部が前記塩化カリウム飽和溶液に浸された比較電極(73)と、
    前記内部液の液絡量を制御するために多孔質の樹脂により形成された液絡部(74)と、
    前記ガラス電極(72)および前記比較電極(73)による前記液体成分のpHの測定値を温度補償するための温度センサ(75)とを有する、請求項1に記載の検出装置。
  7. 前記検出装置は、
    前記pHセンサの出力を増幅するための増幅回路(22A)をさらに備え、
    前記増幅回路(22A)は、
    前記比較電極の電位を基準電位に設定するための基準電位設定部(223)と、
    前記ガラス電極の電位と前記基準電位との間の電位差を増幅するためのアンプ(225A)とを含む、請求項6に記載の検出装置。
  8. 監視システムであって、
    反芻動物のルーメンの内部状態を検出するための検出装置(2,20)を備え、
    前記検出装置(2,20)は、
    前記ルーメンの内容物の液体成分に対する耐性を有するとともに前記ルーメンの内圧および運動に耐える物理的強度を有する材料によって形成され、前記反芻動物に経口で投与可能であるとともに経口で前記ルーメンの内部に挿入される回収器具と連結可能なように構成された容器(2a)を含み、
    前記容器(2a)には、前記容器(2a)の内部の第1室に前記液体成分を導入するための開口部(2e)が形成され、
    前記検出装置(2,20)は、
    前記容器(2a)の内部を、前記第1室と、前記液体成分の流入が防止された第2室とに区切るための分離部(62)と、
    前記液体成分に関連するパラメータを測定するために、前記容器(2a)の前記第1室に収納された測定部(21,21A)と、
    前記検出装置(2,20)の動作条件に関する情報を記憶するために、前記容器(2a)の前記第2室に収納された記憶部(29)と、
    前記記憶部(29)に記憶された前記情報に基づいて、前記測定部(21,21A)の測定結果から前記パラメータに関するデータを生成するために、前記容器(2a)の前記第2室に収納された制御部(24)と、
    前記制御部(24)の処理によって生成された前記パラメータに関する前記データを無線によって送信するために、前記容器(2a)の前記第2室に収納された通信部(25,26,26A)と、
    少なくとも前記制御部(24)および前記通信部(25,26,26A)に電力を供給するために前記第2室に収納された電池(32,32A)とをさらに含み、
    前記監視システムは、
    前記検出装置(2,20)と無線による通信が可能に構成され、前記検出装置(2,20)から無線によって送信された前記データを受信する通信装置(4,12)と、
    前記通信装置(4)により受信された前記データを収集するとともに、前記データを用いて前記ルーメンの状態を監視するための監視装置(7)とをさらに備え、
    前記回収器具は、前記ルーメンの内部に挿入されるとともに前記検出装置を前記反芻動物の体外に取り出すために用いられる磁石を含むように構成され、
    前記容器(2a)は、強磁性体および常磁性体の少なくとも一方によって形成された連結部(2d)を含む、監視システム。
  9. 前記検出装置(2,20)の前記通信部(25,26,26A)は、送信電力が10mW以下の電波を送信するための第1のアンテナ(26,26A)を含み、
    前記通信装置(4,4A,12)は、無線によって前記データを受信するための第2のアンテナ(46)を含み、
    前記第2のアンテナ(46)の利得は、前記第1のアンテナ(26,26A)の利得よりも高い、請求項8に記載の監視システム。
  10. 前記通信装置(4,12)は、少なくとも1箇所に配置されるとともに複数の検出装置(2,20)の各々から送信された前記データを受信可能であり、
    前記監視装置(7)は、前記通信装置(4,12)により受信されたデータを収集する、請求項9に記載の監視システム。
  11. 前記検出装置(2,20)の前記通信部(25,26,26A)は、前記動作条件の少なくとも一部を更新するための新たな情報を無線により受信可能に構成され、
    前記制御部(24)は、前記通信部(25,26,26A)によって前記新たな情報が受信された場合に、前記記憶部(29)に記憶される前記情報を、前記新たな情報に更新し、
    前記通信装置(4,12)は、
    前記検出装置(2,20)から無線によって送信された前記データを受信するための受信機(4)と、
    複数の検出装置(2,20)の各々に対応する前記新たな情報を無線によって送信可能に構成された設定ユニット(12)とを含む、請求項8に記載の監視システム。
  12. 前記反芻動物のルーメン内部に置かれ、かつ前記ルーメンの内部の状態を検出する検出装置(2,20)の回収方法であって、
    前記検出装置(2,20)は、
    前記ルーメンの内容物の液体成分に対する耐性を有するとともに前記ルーメンの内圧および運動に耐える物理的強度を有する材料によって形成され、前記反芻動物に経口で投与可能であるとともに経口で前記ルーメンの内部に挿入される回収器具と連結可能なように構成された容器(2a)を備え、
    前記容器(2a)には、前記容器(2a)の内部の第1室に前記液体成分を導入するための貫通孔が形成され、
    前記検出装置(2,20)は、
    前記液体成分に関連するパラメータを測定するために、前記容器(2a)の前記第1室に収納された測定部(21,21A)をさらに備え、
    前記回収方法は、
    前記反芻動物の体内に留置される前記検出装置(2,20)と連結可能な部分を有する回収器具を前記ルーメンに挿入するステップと、
    前記回収器具に前記検出装置(2,20)を連結させるステップと、
    前記回収器具を回収することにより前記検出装置(2,20)を前記反芻動物の口から取り出すステップとを備える、回収方法。
JP2011519833A 2009-06-19 2010-06-17 検出装置およびその回収方法ならびに監視システム Active JP5569911B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011519833A JP5569911B2 (ja) 2009-06-19 2010-06-17 検出装置およびその回収方法ならびに監視システム

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009146443 2009-06-19
JP2009146443 2009-06-19
PCT/JP2010/060276 WO2010147175A1 (ja) 2009-06-19 2010-06-17 検出装置およびその回収方法ならびに監視システム
JP2011519833A JP5569911B2 (ja) 2009-06-19 2010-06-17 検出装置およびその回収方法ならびに監視システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010147175A1 JPWO2010147175A1 (ja) 2012-12-06
JP5569911B2 true JP5569911B2 (ja) 2014-08-13

Family

ID=43356491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011519833A Active JP5569911B2 (ja) 2009-06-19 2010-06-17 検出装置およびその回収方法ならびに監視システム

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10349627B2 (ja)
EP (1) EP2438812B1 (ja)
JP (1) JP5569911B2 (ja)
DK (1) DK2438812T3 (ja)
WO (1) WO2010147175A1 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ593497A (en) * 2011-06-16 2013-01-25 Kahne Ltd Animal digestion monitoring system with bolus having a transmitter and designed to be retained in the dorsal sac of the rumen
AU2012278918A1 (en) * 2011-07-01 2013-04-18 Australian Wool Innovation Limited System, method and device for measuring a gas in the stomach of a mammal
GB201117928D0 (en) * 2011-10-18 2011-11-30 Ecow Ltd Monitoring system
CN102621187B (zh) * 2012-04-11 2013-11-27 中国农业大学 瘤胃酸度计
EP2724670B1 (en) 2012-10-26 2015-06-17 Pekka Kankfelt Detecting altered pH levels of rumens
KR101431757B1 (ko) 2012-11-19 2014-08-22 경상대학교산학협력단 모돈 분만 및 난산 감지 시스템
FR3003726B1 (fr) * 2013-03-29 2016-03-04 Nutral Sas Systeme pour la gestion de l'etat sanitaire et respiratoire de bovins
CN103337147B (zh) * 2013-06-08 2016-01-20 山东大学 一种反刍动物监测系统
WO2014200365A1 (en) * 2013-06-11 2014-12-18 Kahne Limited Rumen bolus
CN103916462A (zh) * 2014-03-17 2014-07-09 东华大学 一种反刍动物反刍信息采集系统
JP6647544B2 (ja) * 2015-02-09 2020-02-14 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 牛の第一胃鼓脹症検出方法及び第一胃鼓脹症検出システム
JP6635432B2 (ja) 2015-12-28 2020-01-22 国立大学法人東北大学 検出システム、及び、検出方法
JP2018007635A (ja) * 2016-07-15 2018-01-18 日本製紙株式会社 反芻動物への給餌方法
JP6846701B2 (ja) * 2017-01-18 2021-03-24 国立研究開発法人産業技術総合研究所 pHセンサ及び監視システム
CN107928650A (zh) * 2017-12-12 2018-04-20 徐州浩润牧业有限公司 一种奶牛个体健康监测系统及其工作方法
JP7115676B2 (ja) * 2018-03-26 2022-08-09 国立大学法人岩手大学 飲水行動検出方法、センサ装置の位置推定方法、pH推定方法、反芻動物の監視方法、反芻動物の監視装置、およびプログラム
CN109324938A (zh) * 2018-10-08 2019-02-12 郑州云海信息技术有限公司 一种批量检测ram信息的方法
US11723386B2 (en) * 2018-10-10 2023-08-15 Amir Pourjafar Controlling sub-acute ruminal acidosis in a dairy cow
JP7232517B2 (ja) * 2019-03-26 2023-03-03 国立大学法人岩手大学 牛のルーメン環境評価方法、及び牛のルーメン環境評価装置
JP7257713B2 (ja) * 2019-12-23 2023-04-14 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 評価システム及び評価方法
CN111329453A (zh) * 2020-04-02 2020-06-26 西北农林科技大学 一种低功耗奶牛瘤胃pH值和温度值无线监测装置
KR102214710B1 (ko) * 2020-05-28 2021-02-10 이안스(주) 반추위의 침분비 촉진 및 감지 브러시
JP6861878B1 (ja) * 2020-09-10 2021-04-21 太平洋工業株式会社 無線端末、家畜監視システム及び家畜監視方法
CN112022099B (zh) * 2020-09-11 2024-06-18 光明牧业有限公司 一种反刍动物瘤胃监测瘘管装置
JP2022092317A (ja) 2020-12-10 2022-06-22 ダイキン工業株式会社 畜産用センサー用筐体及び畜産用センサー
JPWO2022124209A1 (ja) 2020-12-10 2022-06-16
WO2022124221A1 (ja) * 2020-12-10 2022-06-16 ダイキン工業株式会社 畜産用センサー用筐体及び畜産用センサー
JP2022092315A (ja) * 2020-12-10 2022-06-22 ダイキン工業株式会社 畜産用センサー用筐体及び畜産用センサー

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06276877A (ja) * 1993-03-26 1994-10-04 Saaji Miyawaki Kk 動物用体内型個体識別器具
JPH09294543A (ja) * 1996-05-08 1997-11-18 Mitsuharu Fukashiro 牛の体内保留型有効微生物増殖保護器
JP2001231460A (ja) * 2000-02-18 2001-08-28 Natl Grassland Research Inst 反芻動物が産生するメタンを抑制する反芻動物の飼育方法

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2799274A (en) * 1954-10-01 1957-07-16 Eisenhut Arnold Veterinary evacuating probe for use on cattle
US4002547A (en) * 1970-08-21 1977-01-11 Beckman Instruments, Inc. Electrochemical reference electrode
US4105509A (en) * 1975-02-28 1978-08-08 Leeds & Northrup Company Combination measuring and reference potential electrode and method of measuring ph in samples subject to large voltage gradients
US5984875A (en) 1997-08-22 1999-11-16 Innotek Pet Products, Inc. Ingestible animal temperature sensor
AU4335700A (en) * 1999-04-07 2000-10-23 Endonetics, Inc. Implantable monitoring probe
US6285897B1 (en) 1999-04-07 2001-09-04 Endonetics, Inc. Remote physiological monitoring system
DE50015505D1 (de) * 2000-02-10 2009-02-12 Hamilton Bonaduz Ag Polymerelektrolyt
JP2002216471A (ja) * 2001-01-17 2002-08-02 Mitsubishi Electric Corp 半導体記憶装置
US20030027293A1 (en) * 2001-03-28 2003-02-06 Council Of Scientific & Industrial Research Process for the isolation of polyhydroxybutyrate from Bacillus mycoides RLJ B-017
US6694161B2 (en) * 2001-04-20 2004-02-17 Monsanto Technology Llc Apparatus and method for monitoring rumen pH
US7062308B1 (en) * 2001-07-05 2006-06-13 Jackson William J Remote physiological monitoring with the reticulum of livestock
US6951536B2 (en) * 2001-07-30 2005-10-04 Olympus Corporation Capsule-type medical device and medical system
JP3869291B2 (ja) * 2002-03-25 2007-01-17 オリンパス株式会社 カプセル型医療装置
US20040180391A1 (en) * 2002-10-11 2004-09-16 Miklos Gratzl Sliver type autonomous biosensors
US20040133131A1 (en) * 2003-01-03 2004-07-08 Kuhn David L. In vivo ruminant health sensor
JP4676137B2 (ja) * 2003-07-28 2011-04-27 株式会社堀場製作所 ガラス電極
JP2008529631A (ja) 2005-02-11 2008-08-07 ザ ユニバーシティー コート オブ ザ ユニバーシティー オブ グラスゴー 検査デバイス、検査装置及び検査システム、並びにそれらの駆動方法
GB0510823D0 (en) * 2005-05-27 2005-07-06 Johnson Matthey Plc Methanol synthesis
US20080023650A1 (en) * 2006-07-27 2008-01-31 Fujifilm Corporation Radiation image conversion panel and process for producing the same
US20080236500A1 (en) 2007-02-20 2008-10-02 Hodges Terry E Apparatus, system, and method for animal monitor
AT505607B1 (de) * 2007-08-09 2010-11-15 Mario Fallast Sonde zur messung mindestens einer zustandsgrösse des organismus eines nutztieres
US20090048498A1 (en) * 2007-08-17 2009-02-19 Frank Riskey System and method of monitoring an animal
US20090182207A1 (en) * 2008-01-16 2009-07-16 Tenxsys Inc. Ingestible animal health sensor

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06276877A (ja) * 1993-03-26 1994-10-04 Saaji Miyawaki Kk 動物用体内型個体識別器具
JPH09294543A (ja) * 1996-05-08 1997-11-18 Mitsuharu Fukashiro 牛の体内保留型有効微生物増殖保護器
JP2001231460A (ja) * 2000-02-18 2001-08-28 Natl Grassland Research Inst 反芻動物が産生するメタンを抑制する反芻動物の飼育方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2438812A4 (en) 2013-01-02
EP2438812A1 (en) 2012-04-11
JPWO2010147175A1 (ja) 2012-12-06
WO2010147175A1 (ja) 2010-12-23
US10349627B2 (en) 2019-07-16
DK2438812T3 (en) 2016-01-11
EP2438812B1 (en) 2015-12-02
US20120088988A1 (en) 2012-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5569911B2 (ja) 検出装置およびその回収方法ならびに監視システム
US7062308B1 (en) Remote physiological monitoring with the reticulum of livestock
US8588887B2 (en) Ingestible low power sensor device and system for communicating with same
US11963839B2 (en) Dental monitoring system
US11419519B2 (en) Gas sensor capsule
US20040133131A1 (en) In vivo ruminant health sensor
US20080236500A1 (en) Apparatus, system, and method for animal monitor
US20120203084A1 (en) POSITIONING SYSTEM, APPARATUS, AND METHOD FOR WIRELESS MONITORING OF ESOPHAGEAL pH VALUE
US8640712B2 (en) Bolus
JP6647544B2 (ja) 牛の第一胃鼓脹症検出方法及び第一胃鼓脹症検出システム
GB2455700A (en) Bolus with ph and temperature sensor
Prendiville et al. Radiotelemetry systems for measuring body temperature
US20110184256A1 (en) Bio-electronic system
KR101799752B1 (ko) 소 귀 부착형 체온 및 되새김 측정 장치
CN207202860U (zh) 家畜体温监测装置
CN215584875U (zh) 一种用于监测患者管喂营养液温度的监测装置
US11974549B2 (en) Wireless terminal, livestock monitoring system, and livestock monitoring method
KR101437130B1 (ko) 가축의 바이오 정보에 대한 보정계수를 통한 가축의 질병 판독 시스템
JP2022052809A (ja) 牛用鼻輪
RU2535742C1 (ru) Способ удаленной диагностики и лечения крупного и мелкого рогатого скота
Krizova et al. Continuous monitoring of ruminal pH and redox-potential in dry cows using a novel wireless ruminal probe
JP7112360B2 (ja) 牛の生体情報通知方法
CN211513064U (zh) 一种具无线监测功能的胃管
Mottram Is A Lifetime Rumen Monitoring Bolus Possible?
Goense et al. A wireless network for measuring rumen pH in dairy cows

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140610

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5569911

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250