JP7112360B2 - 牛の生体情報通知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、牛のルーメン(第1胃)内の温度に基づいて分娩の兆候を含む生体情報を通知する、牛の生体情報通知方法に関するものである。
牛の分娩時における事故は畜産農家にとって大きな負担である。分娩時における事故を防止するため、畜産農家は分娩に立ち会って牛の状況を監視する必要がある。しかしながら、牛の分娩の時期を正確に予測することは難しく、このことが分娩時における事故防止の妨げになっている。
牛の分娩予定日は、例えば黒毛和種では人工授精日から285日後とされ、ホルスタイン種では人工授精日から280日後とされている。実際の分娩日は個体差があり、分娩予定日に対して前後することがある。畜産農家は、分娩に立ち会うために、分娩予定日が近づくと牛の分娩の兆候を監視し続ける必要がある。
分娩の兆候としては、「外陰部が膨れる」「骨盤靭帯が緩むことから尾根部(尻尾の付け根)がくぼむ」「外陰部の粘液」、乳牛であれば「乳の色が黄色から白色に変化する」など、外見上の変化が生じることが知られている。
しかしながら、畜産農家では、牛を多頭(数十頭から数百頭)飼育しており、同時期に分娩予定日を迎える牛も複数存在する。また、外見上の変化にも個体差がある。このため、外見上の変化を目視によって監視して、各牛の分娩日を正確に予測することは容易ではなかった。
分娩の兆候として、外見上の変化だけでなく、牛の体温(直腸温)が低下することが知られている。しかしながら、外見上の変化を目視によって監視することと比べて、牛の体温(直腸温)を頻繁に計測することは容易ではない。このため、体温(直腸温)変化から分娩日を予測することは現実的ではない。
また、人工授精は、発情の周期(例えば21日周期)に合わせて複数回行われる場合がある。妊娠鑑定は、人工授精を行ってから所定期間経過後(例えば42日後)に行われる。妊娠が成立したと鑑定された場合、通常、分娩予定日は直近の人工授精日から起算される。しかしながら、実際には直近の人工授精よりも前の人工授精によって妊娠が成立している場合がある。このような場合、実際の分娩は、分娩予定日から大幅にずれることがある。
特許第3938786号公報 特開2018-74992号公報
畜産農家が分娩の兆候を目視して分娩日を予測することの困難性に鑑み、従来、牛にセンサを取り付けて遠隔で監視するシステムが提案されている。例えば特許文献1には、牛の膣内にセンサを挿入し、膣温度の変化によって分娩の兆候を検出する分娩予知通報システムが開示されている。
しかしながら、牛の膣内にセンサを長期間挿入した状態にすると、膣炎を発症する場合がある。膣炎を防止するには分娩予定日が近づいてから牛の膣内にセンサを挿入する必要がある。また、上述のように人工授精を複数回行っている場合には、実際の分娩が分娩予定日から大幅にずれる場合がある。このため、適切な時期に牛の膣内にセンサを挿入しなければ、膣炎を発症したり、センサ挿入前に分娩する場合があり、分娩の兆候を検出することは容易ではない。
特許文献2には、牛の胃にバイオセンサカプセルを安着させ、胃の角速度情報、加速度情報、温度情報、PH濃度情報、メタンガス発生情報に基づいて牛の発情状態や分娩状態を判断する牛の病気管理方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2では、牛の胃の角速度情報、加速度情報、温度情報、PH濃度情報、メタンガス発生情報がどのような状態となったときに分娩の兆候があるとするのかが明確でなく、牛の分娩の兆候を確実に検出できるか不明である。
本発明の目的は、牛のルーメン内の温度に基づいて分娩の兆候を含む生体情報を通知することができる、牛の生体情報通知方法を提供することである。
本発明の牛の生体情報通知方法は、牛の分娩の兆候がある旨の通知を含む牛の生体情報通知方法であって、
牛のルーメン内に配置されるセンサカプセルによって前記牛のルーメン内の温度データを取得するステップと、
前記取得した温度データを前記センサカプセルから前記牛の体外に送信するステップと、
前記送信された前記温度データを前記牛の体外で受信するステップと、
蓄積された前記温度データ、および、前記牛の分娩に関する分娩関連データに基づいて、前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップと、
前記牛の分娩兆候があると判定された場合に、前記牛の分娩兆候がある旨を関係者に通知するステップと、を含み、
前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
前記牛が給水することによる前記ルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップを含む、牛の生体情報通知方法である。
本発明の牛の生体情報通知方法によれば、牛のルーメン内の温度に基づいて、分娩の兆候を含む正確な生体情報を通知することができる。
図1は、本発明の牛の生体情報通知方法を適用する牛監視システムの全体構成を示す図である。 図2は、センサカプセルの構造を示す図である。 図3は、センサカプセルの電子回路のブロック図である。 図4は、監視制御部の構成を示す概略図である。 図5は、分娩兆候を判定および通知するフローを示す図である。 図6は、牛の分娩兆候の有無を判定するフローを示す図である。 図7は、牛の給水を判定および通知するフローを示す図である。 図8は、牛の温度データを読み出して表示したグラフの一例を示す図である。
本発明の一実施形態にかかる牛の生体情報通知方法は、牛の分娩の兆候がある旨の通知を含む牛の生体情報通知方法であって、
牛のルーメン内に配置されるセンサカプセルによって前記牛のルーメン内の温度データを取得するステップと、
前記取得した温度データを前記センサカプセルから前記牛の体外に送信するステップと、
前記送信された前記温度データを前記牛の体外で受信するステップと、
蓄積された前記温度データ、および、前記牛の分娩に関する分娩関連データに基づいて、前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップと、
前記牛の分娩兆候があると判定された場合に、前記牛の分娩兆候がある旨を関係者に通知するステップと、を含み、
前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
前記牛が給水することによる前記ルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップを含む(第1の構成)。
上記構成によれば、牛の分娩兆候の有無を判定するステップにおいて、牛が給水することによるルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップを含んでいる。このため、牛のルーメン内の温度に基づいて、分娩の兆候を含む正確な生体情報を通知することができる。
上記第1の構成において、
前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
前記判定を行う判定時点が含まれる判定日に対して2日前におけるルーメン内の温度の中央値である2日前中央値を算出するステップと、
前記判定時点に対して所定時間前からの前記温度データのうち、所定の第1温度以上の前記温度データによる移動平均である直近移動平均を算出するステップと、
前記2日前中央値と前記直近移動平均とを比較し、前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して所定の第2温度差以上であるか否かを判定するステップと、
を含んでもよい(第2の構成)。
上記構成によれば、牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、2日前中央値と直近移動平均とを比較し、直近移動平均が2日前中央値に対して所定の第2温度差以上であるか否かを判定するステップを含んでいる。このため、牛が給水することによるルーメン内の温度低下の影響を抑制することができる。
上記第2の構成において、
前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して前記第2温度差でないと判定した場合に、前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して前記第2温度差より低い所定の第3温度差以上であるか否かを判定するステップを含み、
かつ、
前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して前記第3温度差以上である場合に、前記判定を行う判定時点が含まれる判定日に対して3日前におけるルーメン内の温度の中央値である3日前中央値と、前記直近移動平均と、が比較され、前記直近移動平均が前記3日前中央値に対して前記第2温度差以上であるか否かを判定するステップを含んでもよい(第3の構成)。
上記構成によれば、牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、直近移動平均が2日前中央値に対して第3温度差以上である場合に、判定を行う判定時点が含まれる判定日に対して3日前におけるルーメン内の温度の中央値である3日前中央値と、直近移動平均と、が比較され、直近移動平均が3日前中央値に対して所定の第2温度差以上であるか否かを判定するステップを含んでいる。このため、ルーメン内の温度変化が緩やかな場合であっても牛の分娩兆候の有無を判定することができる。
上記第2または第3の構成において、
前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
前記2日前中央値および/または前記3日前中央値が所定の第4温度以下であるか否かを判定するステップを含んでもよい(第4の構成)。
上記構成によれば、牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、2日前中央値および/または3日前中央値が所定の第4温度以下であるか否かを判定するステップを含んでいる。このため、2日前または3日前にルーメン内の温度が高温になっている場合でも、牛の分娩兆候の有無を誤判定しにくくなる。
上記第2から第4のいずれかの構成において、
前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
前記直近移動平均が、所定の第5温度以下であるか否かを判定するステップを含んでもよい(第5の構成)。
上記構成によれば、牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、直近移動平均が、所定の第5温度以下であるか否かを判定するステップを含んでいる。このため、2日前または3日前に発熱している場合でも、牛の分娩兆候の有無を誤判定しにくくなる。
上記第1から第5のいずれかの構成において、
前記分娩関連データは、
人工授精が行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含む分娩予定期間を含んでいてもよい(第6の構成)。
上記構成によれば、分娩関連データは、人工授精が行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含む分娩予定期間を含んでいる。このため、分娩予定がない牛についての分娩兆候の通知を防止することができる。
上記第6の構成において、
前記分娩予定期間は、
前記分娩予定日の起算となる人工授精日よりも前に行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含んでもよい(第7の構成)。
上記構成によれば、分娩関連データは、分娩予定日の起算となる人工授精日よりも前に行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含んでいる。分娩予定日の起算となる人工授精よりも前の人工授精によって妊娠が成立している場合、分娩予定日がずれるが、この場合でも牛の分娩兆候の有無を判定することができる。
上記第1から第7のいずれかの構成において、
前記温度データに基づいて、前記牛の給水を判定するステップと、
前記牛の給水に関する情報を関係者に通知するステップと、
をさらに含んでもよい(第8の構成)。
上記構成によれば、牛の給水に関する情報を関係者に通知するステップを含んでいる。このため、牛が給水することによるルーメン内の温度低下を利用して、牛の生体情報を通知することができる。
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態1に係る牛の生体情報通知方法を詳しく説明する。牛の生体情報通知方法は、分娩前の牛のルーメン(第1胃)内の温度が2日前または3日前から低下していくことを利用して、牛の分娩の兆候を検知し、関係者に通知する。また、牛が給水(飲水)することでルーメン内の温度が短時間で大きく低下することを利用して、牛の給水状態を検知する。
図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[牛監視システム]
まず、本発明の牛の生体情報通知方法が適用される牛監視システムSの構成について説明する。図1は、本発明の牛の生体情報通知方法を適用する牛監視システムSの全体構成を示す図である。牛監視システムSは、畜産農家(農場F)で飼育されている複数の牛Bのルーメン内の温度を一括して監視し、分娩の兆候など特定の体調の変化を含む生体情報を関係者に通知できるようにしたシステムである。これを実現するため、牛監視システムSは以下のような構成を備えている。
なお、本明細書では、ルーメン内の温度をルーメン温度という場合がある。また、ルーメン内の温度は、獣医学上の牛の体温(直腸温)とは異なる場合があるが、便宜上、ルーメン内の温度(ルーメン温度)を牛の体温という場合がある。
牛舎1で飼育されている牛Bのルーメンに、センサカプセル10を飲み込ませる。センサカプセル10は、定期的(5分毎)に牛Bのルーメン内の温度を測定し、温度データを無線送信する。この温度データを受信設備15で受信して、事務所2のパーソナルコンピュータ22およびサーバ30に送信する。サーバ30は、複数の牛Bの温度データを時刻情報とともに集中管理する。サーバ30は、牛Bのルーメン温度に日常と異なる高温・低温や発情・分娩の兆候などの特定の変化があった場合には、その旨を飼養者や獣医師等の関係者の携帯電話に(スマートフォン)6にメール等で通知する。
以下、さらに詳細に説明する。農場Fには牛舎1および事務所2が設置されている。牛舎1は複数設置されていてもよい。牛舎1には複数の牛Bが飼育されている。各牛Bは、そのルーメンにセンサカプセル10を飲み込んでいる。センサカプセル10は、係員がアプリケータを用いて牛Bに飲み込ませる。センサカプセル10は定期的(5分毎)に温度(牛Bのルーメン温度)を測定する。センサカプセル10は、測定した牛Bの温度データを7MHz帯の周波数で無線送信する。無線で送信されるメッセージは、温度データに加えて各センサカプセル10にユニークに付されている識別情報が含まれる。
牛舎1内部の壁面または柱に、1または複数のアンテナ装置11が設置される。アンテナ装置11は初段受信装置12に接続される。図1では、牛舎1に3台のアンテナ装置11が設置されている。センサカプセル10が送信する電波の到達距離は20メートル程度であるため、牛舎1の広さに応じてアンテナ装置11の設置個数を決定すればよい。初段受信装置12は、4台までのアンテナ装置11を接続することが可能である。アンテナ装置11は、センサカプセル10が送信する7MHz帯の電波に共振するHF帯用のアンテナを内蔵している。アンテナ装置11は、XYZ3軸の偏波特性に対応するため、L字状に組み合わせられた2本のバーアンテナ、および、バーアンテナと同一平面上に展開されたループコイルアンテナを備えている。すなわち、波長が約40メートルと長い微弱電波を受信するためには、偏波方向を合わせたアンテナが必要である。そこで、牛Bがどの位置にいてどの方向を向いていても温度データの電波信号を受信できるように、アンテナ装置11を上記構造としている。
アンテナ装置11は、センサカプセル10が送信した7MHz帯の微弱な電波を受信する。この電波には、センサカプセル10に内蔵された温度センサ202が測定した温度データおよびセンサカプセル10の識別情報がFSK変調によって重畳されている。受信された高周波信号は初段受信装置12に入力される。
初段受信装置12は、受信した高周波信号から温度データおよび(センサカプセル10の)識別情報を含むメッセージを復調して取り出し、このメッセージを920MHz帯の特定小電力で転送する。この周波数帯はテレメータ等に用いられる周波数であり、約200メートルの到達距離でメッセージを送信することができる。通信規格は、ARIB STD-T108が用いられる。この通信規格は、複数の無線機(中継装置)がバケツリレーのようにデータを中継するマルチホップ通信に対応している。メッセージは事務所2に設置された終端受信装置21まで伝送される。牛舎1と事務所2との距離が200メートルよりも長い場合、初段受信装置12と終端受信装置21との間に中継装置13を挿入して、それぞれの間隔が200mを超えないようにする。中継装置13は、初段受信装置12と終端受信装置21との間に8台まで直列に挿入(8ホップ)することができる。したがって、終端受信装置21は、半径約2キロメートルの範囲の牛舎1(初段受信装置12)からの温度データを収集することが可能である。
事務所2には、終端受信装置21、管理用パーソナルコンピュータ22およびLAN23が設置されている。LAN23は、ルータ23AおよびWi-Fiアクセスポイント(AP)23Bを含んでいる。終端受信装置21は、Wi-Fi経由でLAN23に接続されている。LAN23はインターネット4を介してサーバ3に接続されている。終端受信機21は、初段受信装置12または中継装置13から受信した温度データおよび識別情報を含むメッセージをデコードし、このメッセシージをLAN23およびインターネット4を経由してサーバ30に送信する。管理用パーソナルコンピュータ22は、サーバ30にアクセスして、蓄積記憶された温度データをグラフ表示することなどが可能である。なお、LAN23において、ルータ23AおよびWi-Fiアクセスポイント23Bの機能を一体に備えたWi-Fiルータを用いてもよい。
サーバ30は、この牛監視システムの設置者が管理するセンタ3に設置されている。サーバ30は、センサカプセル10を飲み込んでいる全ての牛Bの温度データを、そのセンサカプセル10の識別情報毎に蓄積記憶し、その変化を監視している。監視は、所定のルール、アルゴリズムに基づいて行われる(AIを導入してもよい)。監視の結果、特定の牛Bの体温に異常または特徴的な変化(発情・分娩の兆候など)が現れた場合、その旨を関係者の携帯電話6にメール通知する。サーバ30は、インターネット4経由で携帯電話システム5にメールを送信することで、携帯電話6にメールが送信される。
また、携帯電話6は、ユーザの操作に応じて、サーバ30にアクセスが可能である。携帯電話6はサーバ30から所定の牛Bの温度データを読み出して、画面にグラフ表示するなどの処理を行うことが可能である(図8参照)。
図2は、センサカプセル10の構造図である。図2(A)は、センサカプセル10の側断面図、図2(B)は、平面構造図である。本図の説明において、図中矢印で示した方向を示す語として上下左右および前後左右を用いる。なお、センサカプセル10の向きは制限されず、図示の方向は一例である。
センサカプセル10は、牛Bの誕生後6ヶ月から出荷まで、ルーメンに飲み込ませた状態で、5分毎に体温を測定し、測定した温度データを無線で送信する必要がある。このため以下のような機能が要求される。
・電池で5年以上稼働すること
・牛Bのルーメンの中からアンテナ装置11まで到達する電波を送信すること
・飲み込んだセンサカプセル10を、牛Bが吐き出さないこと
センサカプセル10は、樹脂(ポリプロピレン)製のケース100と、このケース100に収納された各種の部材からなる。ケース100は、長手方向断面が略長方形、短手方向断面が円形のいわゆるカプセル製剤に似た形状を有している。大きさは、牛Bが飲み込み可能で且つ各種部材を内蔵可能なように、長さが10cm程度、直径が3cm程度になっている。
ケース100の内部に、樹脂(ポリ塩化ビニル)製のフレーム101がはめ込まれ、このフレーム101に形成された収容部101A,101B,101Cに、回路基板110、バーアンテナ111、電池112が収容されている。また、ケース100内に、フレーム101の右側に隣接して錘(おもり)113が収容される。なお、フレーム101の素材にポリ塩化ビニルを用いたのは、ポリプロピレンよりも比重が大きく(比重1.5)、センサカプセル10を重くできるからである。
ケース100内部の中央部から左部にかけてフレーム101が設けられている。フレーム101の径は、ケース100の内径とほぼ同じであり、フレーム101がケース100内でガタつかないようになっている。フレーム101には、凹形の空間に形成された3つの収容部101A,101B,101Cが設けられている。収容部101Aは、フレーム101の左側上面にケース100向きに開口した凹部である。この収容部101Aには回路基板110がはめ込まれて収容される。回路基板110の左端部ケース100側に温度センサ202の主要部品であるサーミスタ220が実装されている。
収容部101Bは、フレーム101の左側中心部に形成され、フレーム101内部が中空になった状態で外部に開口しない形状で設けられている。この収容部101Bには、バーアンテナ111が収容される。なお、フレーム101は、図2(B)に示すように、前側ピース101Fと後側ピース101Rの2ピースで形成されて分割可能である。したがって、バーアンテナ111を収容部101Bに収容したのち、前後ピース101F,Rを組み合わせればよい。また、フレーム101内部には、収容部101A,B,C間をつなぐ結線用の空間101Dが形成されている。
バーアンテナ111は棒状のフェライトバーを芯とし、その周囲に銅線でコイルが巻回されたコイルアンテナであり、7MHz帯に共振点を持つよう調整されている。
収容部101Cは、フレーム101の右側に右向きに開口した円柱形の凹部である。この収容部101Cには、電池112の一部が収容される。電池は、高出力形のリチウム一次電池が用いられる。たとえばCR17335などである。
フレーム101の右側には、電池112が突出している。この電池112を覆うようにステンレス製のリング状の錘113が収容される。この錘113は、牛Bが吐き出してしまわないように、センサカプセル10をルーメンに沈めておくためのものであり、重さは約50gである。なお、錘113の材質はステンレスに限定されない。たとえば、ステンレスよりも若干比重の大きい真鍮を用いてもよい。
バーアンテナ111は、付近に金属(導体)があると、金属内に生じる渦電流のために共振特性が変化する。また、錘113として比透磁率の高い材質を用いた場合、バーアンテナ111の共振特性(インピーダンス)に影響を与える場合がある。さらに、錘113は、センサカプセル10内では最も熱容量(熱イナーシャ)が大きく、牛Bのルーメン内の温度変化に追従しにくい。このため、このセンサカプセル10では、バーアンテナ111およびサーミスタ220をケース100の左端部に設置し、共振特性に影響を与える錘113を左端に設けた。これにより、バーアンテナ111の共振特性の変化を最小限に抑えることができるとともに、温度センサ202の計測値に対する錘113の影響を最小限に抑えた。
図3は、センサカプセル10の電子回路の機能を示すブロック図である。回路基板110にはマイコン201、温度センサ202、無線モジュール203などが実装されている。マイコン201は、CPU210、EEPROM211、ADコンバータ212を含み、牛Bのルーメン温測定、メッセージ送信などの動作を制御する。また、EEPROM211には、このセンサカプセル10を一意に識別するための識別情報が記憶されており、温度データをこの識別情報とともに送信することで、受信側では、どのセンサカプセル10から送られてきた温度データであるか、すなわちどの牛Bの温度データであるかを識別することができる。
温度センサ202は、サーミスタ220、定電圧源221、高精度抵抗222を有し、ADコンバータ212に接続されている。定電圧源221は電池112の電圧を2.5Vで安定化した定電圧回路が用いられる。サーミスタ220および高精度抵抗222を直列に接続して定電圧を印加し、サーミスタ220の端子間電圧の変化に基づいて温度を検出する。検出された電圧値がADコンバータ212によってデジタル化されてCPU210に入力される。マイコン201(CPU210)がこの電圧値を温度データに変換する。
無線モジュール203は、マイコン201によって起動され、マイコン201から入力されたメッセージを7MHz帯の搬送波に乗せて出力する。メッセージは、上述したように、温度データとこのセンサカプセル10の識別情報を含んでいる。無線モジュール203には、上述のバーアンテナ111が接続されている。バーアンテナ111は、入力された7MHz帯の高周波信号を電磁波として輻射し、アンテナ装置11に到達させる。
[監視制御部]
次に、牛監視システムSに含まれる、監視制御部300について説明する。図4は、監視制御部300の構成を示す概略図である。監視制御部300は、サーバ30に設けられており、牛監視システムSにおける牛の生体情報の監視および通知を制御する。監視制御部300は、インターネット4を介してセンサカプセル10および携帯電話6に接続されている。また、牛Bの牛種は例えば黒毛和牛とし、分娩予定日は人工授精日から285日後とする。
監視制御部300は、メモリ310、算出部320、分娩兆候判定部330、および給水判定部340を備えている。
[メモリ]
メモリ310には、牛別温度データDE1、分娩予定日判定基準データDE2、娩出済判定基準データDE3、体温判定基準データDE4、および判定結果データDE5が保存されている。分娩予定日判定基準データDE2、娩出済判定基準データDE3、および体温判定基準データDE4は、本発明における牛Bの分娩に関する分娩関連データに相当する。
牛別温度データDE1には、センサカプセル10から送信された牛Bごとの温度データが記録されている。温度データは、牛Bの識別情報、および温度データがサーバ30に記録された時刻情報とともに記録されている。
分娩予定日判定基準データDE2には、分娩兆候のメール通知処理を実行する当日が、分娩予定日を含む分娩予定期間に含まれているか否かを判定するための判定基準が記録されている。この判定基準は、分娩の予定がない牛Bに分娩兆候のメールを通知しないようにするために設定されている。
本実施形態では、分娩予定期間は、人工授精が行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含むだけでなく、当該分娩予定日の起算となる人工授精日よりも前に行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含んでいる。具体的には、分娩予定期間は、人工授精日から285日後(黒毛和牛の場合)である分娩予定日から±14日以内、および、人工授精日から285日後である分娩予定日の21日前から±14日以内である。分娩予定日の21日前から±14日以内を通知の対象にする理由は、人工授精を発情の周期(21日)に合わせて複数回行うと分娩予定日の計算を誤ってしまう場合があり、正しい分娩予定日は元の分娩予定日よりも21日前になる可能性があるためである。なお、分娩予定日は、人工授精が行われた人工授精日に基づいて人工授精師や畜産農家が決定してもよく、人工授精日に基づいて算出部320等で算出してもよい。
娩出済判定基準データDE3には、牛Bが娩出済みであるか否かを判定するための判定基準が記録されている。娩出済判定基準データDE3には、娩出済みの牛Bについては娩出済みである旨が記録されている。この判定基準は、娩出後の牛Bに分娩兆候のメールを通知しないようにするために設定されている。
体温判定基準データDE4には、牛の分娩兆候の有無をルーメン温度の変化で判定するための判定基準が記録されている。具体的には、予め設定された所定のルーメン温度である、第1温度、第2温度、第3温度、第4温度、および第5温度が記録されている。
判定結果データDE5には、分娩兆候判定部330で判定された判定結果が牛Bごとに記録されている。判定結果データDE5に記録される判定結果の内容については後に説明する。
[算出部]
算出部320は、牛別温度データDE1に蓄積された温度データに基づいて、牛の分娩兆候の有無を判定するための数値を算出する。具体的には、体温データの2日前中央値、3日前中央値、および直近移動平均を算出する。
体温データの2日前中央値は、判定を行う判定時点が含まれる判定日に対して2日前におけるルーメン内の温度の中央値である。
体温データの3日前中央値は、判定を行う判定時点が含まれる判定日に対して3日前におけるルーメン内の温度の中央値である。
体温データの直近移動平均は、判定時点に対して所定時間前(例えば、6時間)からの温度データのうち、所定の第1温度(例えば、38℃)以上の温度データによる移動平均である。なお、直近移動平均を算出する場合に、所定の第1温度(例えば、38℃)以上の温度データを用いるのは、全ての温度データを用いると、牛Bが給水(飲水)することで急激にルーメン温度が低下する影響を受けるためである(図8参照)。
[分娩兆候判定部]
分娩兆候判定部330は、メモリ310に記憶されている分娩予定日判定基準データDE2、娩出済判定基準データDE3、および体温判定基準データDE4を参照して、分娩兆候の有無を判定する。
分娩兆候判定部330は、分娩予定日判定基準データDE2を参照して、分娩兆候のメール通知処理を実行する当日が、分娩予定日を含む分娩予定期間に含まれているか否かを判定する。分娩予定期間は、上述の通り、人工授精日から285日後(黒毛和牛の場合)である分娩予定日から±14日以内、および、人工授精日から285日後である分娩予定日の21日前から±14日以内である。
分娩兆候判定部330は、娩出済判定基準データDE3を参照して、牛Bが娩出済みであるか否かを判定する。
分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの2日前中央値、3日前中央値、および直近移動平均とを参照して、牛の分娩兆候の有無をルーメン温度の変化で判定する。
具体的には、分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの2日前中央値および直近移動平均を参照して、2日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)であるか否かを判定する。
また、分娩兆候判定部330は、2日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)でないと判定した場合、2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上(例えば0.5℃以上)であるか否かを判定する。
分娩兆候判定部330は、2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上(例えば0.5℃以上)であると判定した場合には、その旨(2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上)が判定結果データDE5に記録される。分娩兆候判定部330は、判定結果データDE5に前日の判定結果(2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上)が記録されているか否かについても判定する。判定結果データDE5に前日の判定結果(2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上)が記録されていると判定した場合、分娩兆候判定部330は、3日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)であるか否かを判定する。
ここで、分娩兆候を判定する際に2日前および3日前の中央値を用いたのは、ルーメン温度の平均値を用いると、牛Bが給水(飲水)することで急激にルーメン温度が低下する影響を受けるためである。
2日前中央値を用いたのは、1日前では現在との温度差が小さくなるためである。
また、分娩兆候判定部330は、前日の分娩兆候のメール通知処理で、2日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)ではないが、第3温度差以上(例えば0.5℃以上)である場合、閾値との差が少ない(0.1℃以下)として3日前と比較するのは、閾値に少し届かずに通知を行わなかった場合、その翌日の処理で2日前との比較を行うと、2日前のルーメン温度はすでに低下し始めているため、閾値を超えず分娩兆候を通知できない可能性があるためである。
2日前中央値または3日前中央値と直近移動平均との差の判定基準である第2温度差は、過去に分娩した牛Bの分娩前の温度データに基づいて設定される。第2温度差は、例えば0.6℃である。
分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの2日前中央値および3日前中央値とを参照して、2日前中央値および3日前中央値が第4温度以下(例えば40.5℃以下)であるか否かを判定する。これは、2日前または3日前に分娩兆候以外の原因(例えば、疾病)によりルーメン温度が高温になっている場合、直近移動平均との差が大きくなり誤検知になる可能性があるためである。
分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの直近移動平均とを参照して、直近移動平均が第5温度以下(例えば39.5℃以下)であるか否かを判定する。これは、2日前または3日前に発熱していると、ルーメン温度が十分に低下していなくても分娩兆候と判断して通知してしまう可能性があるためである。
なお、直近移動平均は、上述のように、判定時点に対して所定時間前(例えば、6時間)からの温度データのうち、所定の第1温度(例えば、38℃)以上の温度データによる移動平均である。移動平均をとる所定時間は、短時間であると給水の影響で平均値が低下し、誤検知になる可能性がある。また、長時間であるとルーメン温度が低下していても移動平均値が高くなり、ルーメン温の低下を見つけにくくなるためである。
[給水判定部]
給水判定部340は、牛別温度データDE1に蓄積された温度データに基づいて、牛Bの給水かどうかを判定する。給水の判定は、例えば、ある時点の温度データと、その前後30分の温度データの平均値とを比較し、ルーメン温度が最も低下した時点を給水した時点と判定する。
[分娩兆候通知フロー]
次に、牛監視システムSの動作について説明する。図5は、分娩兆候を判定および通知するフローを示す図である。
図5に示すようなフローがスタートすると(スタート)、まず、ステップSA1で、牛Bのルーメン内に配置されるセンサカプセル10によって牛Bのルーメン内の温度データが取得される。
ステップSA2で、取得された温度データは、センサカプセル10から牛Bの体外に送信される。
ステップSA3では、ステップSA2で送信された温度データが牛Bの体外で受信される。
ステップSA4で、蓄積された温度データ、および、牛Bの分娩に関する分娩関連データに基づいて、牛Bの分娩兆候の有無が判定される。
ステップSA5では、ステップSA4で牛Bの分娩兆候があると判定された場合に、牛Bの分娩兆候がある旨を関係者に通知する。
[分娩兆候判定フロー]
次に、牛Bの分娩兆候の有無を判定するステップについて詳細に説明する。図6は、牛Bの分娩兆候の有無を判定するフローを示す図である。
図6に示すような分娩兆候判定フローがスタートすると(スタート)、まず、ステップSB1で、分娩兆候判定部330は、分娩予定日判定基準データDE2を参照して、分娩兆候のメール通知処理を実行する当日が、分娩予定日を含む分娩予定期間に含まれているか否かを判定する。分娩予定期間は、人工授精日から285日後(黒毛和牛の場合)である分娩予定日から±14日以内、および、人工授精日から285日後である分娩予定日の21日前から±14日以内である。
ステップSB1で、分娩兆候のメール通知処理を実行する当日が、分娩予定日を含む分娩予定期間に含まれていないと判定された場合は(ステップSB1でNo)、分娩兆候のメール通知を行うことは適切でないため、フローを終了する(終了)。ステップSB1で、分娩兆候のメール通知処理を実行する当日が、分娩予定日を含む分娩予定期間に含まれていると判定された場合は(ステップSB1でYes)、ステップSB2に進む。
ステップSB2では、分娩兆候判定部330は、娩出済判定基準データDE3を参照して、牛Bが娩出済みであるか否かを判定する。
ステップSB2で、牛Bが娩出済みであると判定された場合は(ステップSB2でYes)、分娩兆候のメール通知を行うことは適切でないため、フローを終了する(終了)。ステップSB2で、牛Bが娩出済みでないと判定された場合は(ステップSB2でNo)、ステップSB3に進む。
ステップSB3では、分娩兆候判定部330は、判定結果データDE5を参照して、判定結果データDE5に前日の判定結果(2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上)が記録されているか否かについて判定する。判定結果データDE5に前日の判定結果(2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上)が記録されていないと判定した場合は(ステップSB3でNo)、ステップSB4に進む。一方、判定結果データDE5に前日の判定結果(2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上)が記録されていると判定した場合は(ステップSB3でYes)、ステップSB7に進む。
ステップSB4では、分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの2日前中央値および直近移動平均を参照して、2日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)であるか否かを判定する。
ステップSB4で、2日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)であると判定された場合は(ステップSB4でYes)、ステップSB8に進む。
ステップSB4で、2日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)でないと判定された場合は(ステップSB4でNo)、ステップSB5に進む。
ステップSB5では、分娩兆候判定部330は、2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上(例えば0.5℃以上)であるか否かを判定する。
ステップSB5で、2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上(例えば0.5℃以上)であると判定された場合は(ステップSB5でYes)、ステップSB6に進む。ステップSB5で、2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上(例えば0.5℃以上)でないと判定された場合は(ステップSB5でNo)、牛Bの分娩兆候はないとして、フローを終了する(終了)。
ステップSB6では、2日前中央値と直近移動平均との差が第3温度差以上であると判定された判定結果が判定結果データDE5に記録される。
ステップSB7では、分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの3日前中央値および直近移動平均を参照して、3日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)であるか否かを判定する。
ステップSB7で、3日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)であると判定された場合は(ステップSB7でYes)、ステップSB8に進む。
ステップSB7で、3日前中央値と直近移動平均との差が第2温度差以上(例えば0.6℃以上)でないと判定された場合は(ステップSB7でNo)、牛Bの分娩兆候はないとして、フローを終了する(終了)。
ステップSB8では、分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの2日前中央値および3日前中央値とを参照して、2日前中央値および3日前中央値が第4温度以下(例えば40.5℃以下)であるか否かを判定する。
ステップSB8で、2日前中央値および3日前中央値が第4温度以下(例えば40.5℃以下)であると判定された場合は(ステップSB8でYes)、ステップSB9に進む。
ステップSB8で、2日前中央値または3日前中央値が第4温度以下(例えば40.5℃以下)でないと判定された場合は(ステップSB8でNo)、牛Bの分娩兆候はないとして、フローを終了する(終了)。
ステップSB9では、分娩兆候判定部330は、体温判定基準データDE4と、算出部320で算出された体温データの直近移動平均とを参照して、直近移動平均が第5温度以下(例えば39.5℃以下)であるか否かを判定する。
ステップSB9で、直近移動平均が第5温度以下(例えば39.5℃以下)であると判定された場合は(ステップSB9でYes)、ステップSB10に進み、牛Bの分娩兆候があると判定してフローを終了する(終了)。牛Bの分娩兆候があると判定された場合は、図5のフローに従い、牛Bの分娩兆候がある旨を関係者に通知する。
ステップSB9で、直近移動平均が第5温度以下(例えば39.5℃以下)でないと判定された場合は(ステップSB9でNo)、牛Bの分娩兆候はないとして、フローを終了する(終了)。
ここで、牛Bの分娩兆候の有無を判定するフローにおいて、ステップSB3、SB4、SB5、SB7、SB8、およびSB9では、牛Bが給水することによるルーメン内の温度低下の影響を抑制するため、2日前中央値、3日前中央値、および直近移動平均を用いている。ステップSB3、SB4、SB5、SB7、SB8、およびSB9は、本発明における牛が給水することによるルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップに相当する。
[給水通知フロー]
次に、牛の給水を通知するフローについて説明する。図7は、牛の給水を判定および通知するフローを示す図である。
図7に示すようなフローがスタートすると(スタート)、まず、ステップSC1で、牛Bの給水が判定される。
ステップSC2では、牛の給水に関する情報が関係者に通知される。牛Bが適切に給水している場合はその旨が通知され、牛Bが適切に給水していない場合は、熱中症等の危険がある旨が通知される。
図8は、牛Bの温度データを読み出して表示したグラフの一例を示す図である。牛Bのルーメン温度は、牛Bが給水(飲水)することで急激にルーメン温度が低下する。グラフ中の丸印は、牛Bがルーメン温度が急激に低下したことにより、給水したと判定された時点を示している。
以上説明した牛の生体情報通知方法によれば、牛Bのルーメン内の温度に基づいて分娩の兆候を含む生体情報を通知することができる。また、牛の分娩兆候の有無を判定するステップにおいて、牛が給水することによるルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップを含んでいるため、牛のルーメン内の温度に基づいて、分娩の兆候を含む正確な生体情報を通知することができる。
[変形例]
本発明に係る牛の生体情報通知方法は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、ルーメン温度の測定間隔は5分に限定されない。
本実施形態で説明した第1温度、第2温度、第3温度、第4温度、および第5温度の値は一例であり、牛の分娩兆候の有無をルーメン温度の変化で判定できるよう、適宜変更することが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
S 牛監視システム
10 センサカプセル
30 サーバ
300 監視制御部
B 牛

Claims (7)

  1. 牛の分娩の兆候がある旨の通知を含む牛の生体情報通知方法であって、
    牛のルーメン内に配置されるセンサカプセルによって前記牛のルーメン内の温度データを取得するステップと、
    前記取得した温度データを前記センサカプセルから前記牛の体外に送信するステップと、
    前記送信された前記温度データを前記牛の体外で受信するステップと、
    蓄積された前記温度データ、および、前記牛の分娩に関する分娩関連データに基づいて、前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップと、
    前記牛の分娩兆候があると判定された場合に、前記牛の分娩兆候がある旨を関係者に通知するステップと、を含み、
    前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
    前記判定を行う判定時点が含まれる判定日に対して2日前におけるルーメン内の温度の中央値である2日前中央値を算出するステップと、
    前記判定時点に対して所定時間前からの前記温度データのうち、所定の第1温度以上の前記温度データによる移動平均である直近移動平均を算出するステップと、
    前記2日前中央値と前記直近移動平均とを比較し、前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して所定の第2温度差以上であるか否かを判定するステップと、
    を含み、
    前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して所定の第2温度差以上であると判定されることを条件の一つとして、前記牛の分娩兆候があると判定し、
    さらに、前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、前記牛が給水することによる前記ルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップを含んでおり、当該ステップとして、
    前記2日前中央値と前記直近移動平均とを比較し、前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して所定の第2温度差以上であるか否かを判定するステップ、が相当する、
    牛の生体情報通知方法。
  2. 前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
    前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して前記第2温度差でないと判定した場合に、前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して前記第2温度差より低い所定の第3温度差以上であるか否かを判定するステップを含み、
    かつ、
    前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して前記第3温度差以上である場合に、前記判定を行う判定時点が含まれる判定日に対して3日前におけるルーメン内の温度の中央値である3日前中央値と、前記直近移動平均と、が比較され、前記直近移動平均が前記3日前中央値に対して前記第2温度差以上であるか否かを判定するステップを含み、
    前記直近移動平均が前記3日前中央値に対して前記第2温度差以上であると判定されることを条件の一つとして、前記牛の分娩兆候があると判定し、
    前記牛が給水することによる前記ルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップとして、
    前記直近移動平均が前記2日前中央値に対して前記第2温度差より低い所定の第3温度差以上であるか否かを判定するステップと、
    前記直近移動平均が前記3日前中央値に対して前記第2温度差以上であるか否かを判定するステップと、が相当する、
    請求項1に記載の牛の生体情報通知方法。
  3. 前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
    前記2日前中央値および/または前記3日前中央値が所定の第4温度以下であるか否かを判定するステップを含み、
    前記2日前中央値および/または前記3日前中央値が所定の第4温度以下であると判定されることを条件の一つとして、前記牛の分娩兆候があると判定し、
    前記牛が給水することによる前記ルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップとして、
    前記2日前中央値および/または前記3日前中央値が所定の第4温度以下であるか否かを判定するステップ、が相当する、
    請求項2に記載の牛の生体情報通知方法。
  4. 前記牛の分娩兆候の有無を判定するステップは、
    前記直近移動平均が、所定の第5温度以下であるか否かを判定するステップを含み、
    前記直近移動平均が、所定の第5温度以下であると判定されることを条件の一つとして、前記牛の分娩兆候があると判定し、
    前記牛が給水することによる前記ルーメン内の温度低下の影響を抑制するステップとしては、
    前記直近移動平均が、所定の第5温度以下であるか否かを判定するステップ、が相当する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の牛の生体情報通知方法。
  5. 前記分娩関連データは、
    人工授精が行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含む分娩予定期間を含んでいる、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の牛の生体情報通知方法。
  6. 前記分娩予定期間は、
    前記分娩予定日の起算となる人工授精日よりも前に行われた人工授精日から算出された分娩予定日を含む、
    請求項5に記載の牛の生体情報通知方法。
  7. 前記温度データに基づいて、前記牛の給水を判定するステップと、
    前記牛の給水に関する情報を関係者に通知するステップと、
    をさらに含む、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の牛の生体情報通知方法。
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