JP6846701B2 - pHセンサ及び監視システム - Google Patents

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Description

本発明はpHセンサ及び監視システムに関し、特に牛の第1胃(ルーメン)内の液体のpH値を検出するpHセンサ及びそれを用いた監視システムに関する。
近年、反芻動物、特に牛の飼養管理においてルーメン内の液体(以下、「ルーメン液」ともいう)のpH値を検出することが注目されている。これは、牛のルーメン液のpH値が所定値以下に低下した状態(所謂、ルーメンアシドーシスの状態)になると、その牛は代謝病、感染症、又は蹄病などの疾病を発症し易くなることが知られているためである。
一方、濃厚飼料を牛に給与することは、牛の成長促進、肉牛における肉質向上、又は乳牛における泌乳量増大などのために必要である。しかしながら、ルーメン液のpH値は、図14に示すように、大量の濃厚飼料の給与などにより低下し易い。よって、濃厚飼料の給与が過多になると、ルーメン液のpH値が低下して、ルーメンアシドーシスの状態に陥る可能性がある。
したがって、牛の健康維持や適切な成長促進を図る上では、ルーメン液のpH値を検出及び監視しつつ、飼料の給与量などを制御することが極めて重要である。
上記した要求に対し、従来では、pH値に相関する電気信号を出力するセンサ部と、センサ部から出力される電気信号からpH値を検出する検出回路部と、を一つのカプセル状容器内に収容したpHセンサが提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。このようなpHセンサでは、前記カプセル状容器が経口により牛のルーメンに挿入される。そして、ルーメンに挿入されたカプセル状容器内のセンサ部がルーメン液と接触すると、該センサ部がルーメン液のpH値に相関する電気信号を出力する。そして、検出回路部は、前記センサ部から出力された電気信号からルーメン液のpH値を検出する。この種のpHセンサを用いる方法によれば、経口カテーテルを用いてルーメン液を採取する方法に比べ、ルーメン液内に唾液が混入し難いため、正確なルーメン液のpH値を測定することができるという利点がある。
国際公開第2010/147175号
Toby Mottram et al.,"Technical note:A wireless telemetric method of monitoring clinical acidosis in dairy cows",COMPUTERS AND ELECTRONICS IN AGRICULTURE 64(2008),p.45-48
ところで、上記した従来のpHセンサでは、ガラス電極がセンサ部に用いられている。例えば、センサ部は、図15に示すように、その先端が中空半球体状に形成されたガラス膜501の容器と、該容器内に充填されたHClなどの緩衝液502と、緩衝液502中に挿入されたAgClなどのガラス電極503と、から構成されている。このように構成されたセンサ部では、ガラス膜501の外壁がルーメン液に接触すると、該ガラス膜501の外壁と内壁との間にルーメン液のpH値に応じた起電力が発生する。よって、その起電
力に基づいてルーメン液のpH値を検出することができる。
しかしながら、センサ部にガラス電極が用いられる従来のpHセンサは、センサ全体のサイズが大きくなり易いとともに、消費電力が多くなり易い。また、衝撃などによってガラス膜501が破損する可能性もある。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ルーメン液のpH値を検出するpHセンサ、又はそのpHセンサを用いた監視システムにおいて、pHセンサの小型化、低消費電力化、及び耐衝撃性向上を図ることにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係わるpHセンサは、第1の基板上に形成された第1の電極、前記第1の電極を被覆するITO膜、及び前記ITO膜の少なくとも一部が露出するように該ITO膜を覆う膜であって、牛のルーメン液に対する耐性を有する第1の保護膜を具備するセンシング電極と、第2の基板上に形成された第2の電極、及び前記第2の電極の少なくとも一部が露出するように該第2の電極を覆う膜であって、前記ルーメン液に対する耐性を有する第2の保護膜とを具備するリファレンス電極と、前記センシング電極と電気的に接続されるイオン感応膜を有する電界効果トランジスタと、を備える。そして、前記センシング電極及び前記リファレンス電極を、前記第1の保護膜と前記第2の保護膜とが間隔を置いて対向するように牛のルーメン液中に配置した状態において、前記リファレンス電極に直流電圧が印加されたときの前記電界効果トランジスタのドレイン・ソース間の電流に基づいて、前記ルーメン液のpH値を測定するようにした。
ここで、前記第1の保護膜には、前記ITO膜のコンタクト領域の一部を露出させるための単一又は複数の第1の開口部が形成されてもよい。同様に、前記第2の保護膜には、前記第2の電極のコンタクト領域の一部を露出させるための単一又は複数の第2の開口部が形成されてもよい。
なお、前記第1の開口部、及び前記第2の開口部は、ドット状に配置された複数の開口部により形成されてもよい。また、前記第1の開口部、及び前記第2の開口部は、ドット状に配置された保護膜の隙間に形成される格子状の開口部であってもよい。
次に、本発明に係わるpHセンサは、センサ部と検出回路部とを備えるように構成されてもよい。その場合のセンサ部は、第1の基板上に形成された第1の電極、前記第1の電極を被覆するITO膜、及び前記ITO膜の少なくとも一部が露出するように該ITO膜を覆う膜であって、牛のルーメン液に対する耐性を有する第1の保護膜を具備するセンシング電極と、第2の基板上に形成された第2の電極、及び前記第2の電極の少なくとも一部が露出するように該第2の電極を覆う膜であって、前記ルーメン液に対する耐性を有する第2の保護膜を具備するリファレンス電極と、を備え、それらセンシング電極とリファレンス電極とを、前記第1の保護膜と前記第2の保護膜とが間隔を置いて対向する状態で牛のルーメン液中に配置するように構成されてもよい。一方、検出回路部は、前記センシング電極と電気的に接続されるイオン感応膜を具備する電界効果トランジスタと、前記リファレンス電極に直流電圧を印加することにより該リファレンス電極に陽イオンを生成させているときの前記電界効果トランジスタのドレイン・ソース間の電流から前記ルーメン液のpH値を検出して、その検出されたpH値を記憶する記憶部と、を備えるようにしてもよい。
また、本発明に係わるpHセンサは、センサ部と、電界効果トランジスタと、検出回路部と、無線回路部と、を備えるように構成されてもよい。その場合のセンサ部は、第1の
基板上に形成される第1の電極、前記第1の電極を被膜するITO膜、及び前記ITO膜の少なくとも一部が露出するように該ITO膜を覆う膜であって、牛のルーメン液に対する耐性を有する第1の保護膜を具備するセンシング電極と、第2の基板上に形成された第2の電極、及び前記第2の電極の少なくとも一部が露出するように該第2の電極を覆う膜であって、前記ルーメン液に対する耐性を有する第2の保護膜を具備するリファレンス電極とを備え、それらセンシング電極とリファレンス電極とを、前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜が間隔を置いて対向する状態で牛のルーメン液内に配置するように構成されてもよい。また、電界効果トランジスタは、前記センシング電極と電気的に接続されるイオン感応膜を具備するように構成されてもよい。さらに、検出回路部は、前記リファレンス電極に直流電圧を印加することにより該リファレンス電極に陽イオンを生成させているときの前記電界効果トランジスタのドレイン・ソース間の電流に応じて前記ルーメン液のpH値を測定するように構成されてもよい。そして、無線回路部は、前記検出回路部の測定値を無線信号に変換して送信するように構成されてもよい。
pHセンサがセンサ部と電界効果トランジスタと検出回路部と無線回路部とを備える構成においては、前記センサ部と前記検出回路部と前記無線回路部とは、牛のルーメン液に対する耐性を有し且つその両端が閉塞される筒状の筐体に収容されるようにしてもよい。その際、前記筐体の内部は、該筐体の一端側に配置され且つ前記センサ部を収容する第1の収容部と、該筐体の他端側に配置され且つ前記検出回路部及び前記無線回路部を収容する第2の収容部とに区画されるものとする。そして、前記第1の収容部は、該第1の収容部を包囲する前記筐体の周壁に穿設される貫通孔を介して、前記筐体の外部と連通するように構成される。一方、前記第2の収容部は、前記筐体の外部及び前記第1の収容部と液密に遮断されるように構成される。
なお、前記第1の収容部は、前記筐体の内径と同等の外径を有する有底筒状の電極ホルダを収容するように構成されてもよい。その場合、電極ホルダは、板状に形成される前記センシング電極と板状に形成される前記リファレンス電極とを、前記第1の保護膜と前記第2の保護膜とが間隔を置いて対向するように保持するように構成されてもよい。そして、前記電極ホルダの周壁における前記筐体の前記貫通孔に臨む部位には、該電極ホルダの内部と外部とを連通させる連通孔が形成されてもよい。
また、前記第1の収容部は、棒状に形成される前記センシング電極と棒状に形成される前記リファレンス電極とを、各電極の一端が前記筐体の一端側の端面に固定される状態で収容するように構成されてもよい。その際、前記筐体の貫通孔は、該貫通孔の軸線が前記筐体の径方向に対して斜めになるように形成されてもよい。
次に、本発明に係わる監視システムは、上記したように無線回路部を具備するpHセンサと、前記pHセンサの無線回路部から無線送信されるpH測定値を受信する受信器と、前記受信器から出力される前記pH測定値と牛の飼料に関する所定のデータとから監視データを生成して、その生成された監視データを表示する監視装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ルーメン液のpH値を検出するpHセンサ、又はそのpHセンサを用いた監視システムにおいて、pHセンサの小型化、低消費電力化、及び耐衝撃性向上を図ることができる。
本発明に係るpHセンサの一実施形態における構成を示すブロック図である。 図1中のセンシング電極及びリファレンス電極の各製造工程における断面図である。 図2中のセンシング電極の製造工程時における平面図、及び保護膜の平面図である。 保護膜の他の実施形態を示す平面図である。 センシング電極の他の実施形態における断面図、平面図、及び部分拡大図である。 図1中の検出回路部の一実施形態を示す回路構成図である。 本発明に係るpHセンサの測定原理を説明するための回路図である。 pHセンサのパッケージ構造の一例を示す分解斜視図である。 図8に示すパッケージ構造の外観斜視図である。 pHセンサのパッケージ構造の他の実施形態を示す縦断面図及び横断面図である。 牛の胃の構造と本発明に係るpHセンサの収容位置とを説明するための図である。 本発明に係る監視システムの一実施形態における構成を示すブロック図である。 図12中の監視装置の概略構成を示すブロック図である。 飼料の給与とルーメン液のpH値との相関の一例を示す図である。 ガラス電極を用いた従来のpHセンサの一例を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置などは、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明に係るpHセンサの一実施形態における概略構成を示すブロック図である。本実施形態のpHセンサ10は、センサ部11、検出回路部12、及び無線回路部13を備える。センサ部11は、ガラス電極の代わりに、後述する固形のセンシング電極111及びリファレンス電極112を備えている。それらのセンシング電極111とリファレンス電極112は、牛のルーメン液20内において間隔を置いて対向するように配置される。
検出回路部12は、電池及びDC-DCコンバータを含む電源ユニット121と、電界
効果トランジスタ(FET)122と、測定回路123と、備える。電源ユニット121は、FET122、測定回路123、及びリファレンス電極112に直流電圧を供給するものである。詳細には、電源ユニット121は、電池の直流電圧をDC−DCコンバータによって上記の各種機器に適した直流電圧に変圧し、変圧された直流電圧を上記の各種機器へ供給する。FET122は、そのゲートがセンシング電極111に接続され、且つそのドレイン及びソースが測定回路123に接続されており、測定回路123を利用してルーメン液20のpHを測定させる、電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。また、測定回路123は、ルーメン
液20のpH測定値(以下、pH値ともいう)を無線回路部13へ出力する。なお、測定回路123は、pH測定値を記憶するための記憶部を有していてもよい。
無線回路部13は、無線回路131と、アンテナ132と、を備える。無線回路131は、測定回路123から出力されたPH測定値を所定の無線周波数の無線信号に変換して、その無線信号をアンテナ132から外部回路へ無線送信する。ここでは、一例として無線回路部13は、周波数429MHz帯の周波数変調波(FM波)を無線送信する。
次に、本実施形態の特徴であるセンシング電極111及びリファレンス電極112の構造の各例について説明する。図2(A)、(B)は、センシング電極の各製造工程の断面図を示す。図2(C)、(D)は、リファレンス電極の各製造工程の断面図を示す。まず、センシング電極は、図2(A)に示すように、板状のシリコン基板41上に白金(Pt
)や金(Au)などの金属からなる下部電極42を公知の方法で形成し、その下部電極4
2を酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)をフィルム状に成形した膜(以下、ITO膜という)43で被覆して形成される。さらに、本実施形態のセンシング電極111は、図2(B)に示すように、ITO膜43の表面とITO膜43が形成されていないシリコン基板41の表面とを、牛のルーメン液に対する耐性を有する保護膜44によって被覆している。その際、保護膜44は、上記したITO膜43の表面の一部が露出するように形成されるものとする。なお、ここでいう保護膜44は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(すなわち、テフロン(登録商標))等のフッ素樹脂からなる疏水性保護膜であり、本発明に係わる第1の保護膜に相当する。このように構成されるセンシング電極111は、図2(B)に示すように、平板状に形成される。
図3(A)は、図2(A)に示したセンシング電極111の製造工程時における平面図を示す。図3(A)に示すように、ITO膜43は、例えば縦方向の長さが20mm、且つ横方向の長さが16mmの矩形に形成されている。そして、ITO膜43は、矩形のコンタクト領域43aと、該コンタクト領域43aより小さな矩形のワイヤボンディング領域43bとを有する。それらコンタクト領域43aとワイヤボンディング領域43bとは、それらの中心がセンシング電極111の長手方向において同一直線上に位置するように配置される。そして、センシング電極111の保護膜44には、図3(B)に示すように、例えば直径10mmの円形の開口部44aと、該開口部44aより面積の小さな矩形の開口部44bとが穿設されている。なお、円形の開口部44aはコンタクト領域43aに対応した位置に形成され、且つ矩形の開口部44bはワイヤボンディング領域43bに対応した位置に形成されるものとする。その際、矩形の開口部44bは、ITO膜43のワイヤボンディング領域43bと同形状に形成されてもよい。図3(B)に示すように保護膜44が構成されると、ITO膜43のコンタクト領域43aの大部分が保護膜44の開口部44aを通して露出し、且つITO膜43のワイヤボンディング領域43bが開口部44bを通して露出することになる。
なお、センシング電極111に適用される保護膜の構成は、図3(B)に示した構成に限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、直径8mmの円形の開口部44cと矩形の開口部44bとが形成された保護膜441、直径6mmの円形の開口部44dと矩形の開口部44bとが形成された保護膜442、直径4mmの円形の開口部44eと矩形の開口部44bとが形成された保護膜443、4つの円形の孔が2行2列に配置された開口部44fと矩形の開口部44bとが形成された保護膜444、又は6つの円形の孔が3行3列に配置された開口部44gと矩形の開口部44bとが形成された保護膜445など、種々の構成の保護膜を適用することできる。なお、図4に示した保護膜の例において、開口部44c〜44gは、コンタクト領域43aに対応した位置に形成されるものとする。
次に、リファレンス電極112は、図2(C)の断面図に示すように、シリコン基板51上に銀(Ag+)などの金属からなる電極52を形成する。さらに、本実施形態のリファレンス電極112は、図2(D)に示すように、上記した電極52の表面を、保護膜53によって被覆している。その際、保護膜53は、電極52の表面の一部が露出するように形成されるものとする。なお、ここでいう保護膜53は、センシング電極111の保護膜44と同様に、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる疏水性保護膜であり、本発明に係わる第2の保護膜に相当する。このように構成されるリファレンス電極112は、センシング電極111と同様の平板状の電極であるが、上部電極となるITO膜
は形成されない。ここで、センシング電極111とリファレンス電極112とは、同一のシリコン基板上の別々の位置に形成して、それぞれの製造プロセスが完了した後に、カッターなどで分離される方法によって製造されてもよい。
次に、センシング電極の他の実施形態について説明する。図5(A)と図5(B)は、他の実施形態におけるセンシング電極の断面図と平面図を各々示し、図5(C)は、図5(B)の部分拡大図を示す。なお、図5中において、図2と同一の構成要素には同一符号を付してある。図5に示すセンシング電極111は、同図(A)に示すように、下部電極42を被覆しているITO膜43の表面、及びITO膜43の存在しない部分のシリコン基板41の表面を、保護膜45によって被覆している。そして、保護膜45は、図5(B)に示すように、ITO膜43のコンタクト領域に対応する位置に設定される円形の領域内に、多数の孔を穿設して形成されるドット状の開口部45aを有する。さらに、保護膜45は、ITO膜43の矩形のワイヤボンディング領域に対応する位置に形成される矩形の開口部45bを有する。ここで、図5(B)中の領域Iの拡大図を図5(C)に示す。図5(C)に示すように、開口部45aは、例えば、直径が40μm且つ高さが4μmの孔45a1〜45a4をドット状に穿設して構成される。なお、ITO膜43のコンタクト領域に対応する位置に設定される円形の領域内において、開口部と疎水性保護膜との位置関係を逆にしてもよい。すなわち、上記した円形の領域内において、ドット状に配置される複数の円形の疎水性保護膜と、それら疎水性保護膜の隙間に形成される開口部と、を備えるように疎水性保護膜を形成してもよい。上記したようにセンシング電極111の保護膜が形成される場合は、該センシング電極111に対向して配置されるリファレンス電極の保護膜も、該センシング電極111の開口部と同形状の開口部を備えるようにしてもよい。
ところで、センシング電極は、ルーメン液と接触する面積が大きいほどpH測定感度が大きくなる傾向がある。そのため、上記したコンタクト領域を露出させるための開口部が大きくなるほど、pH測定感度が大きくなると言える。例えば、図4において、比較的大きな開口部44cを有する保護膜441によって被覆されるセンシング電極は、それより小さな開口部44d、44eを有する保護膜442、443によって被覆されるセンシング電極に比べ、pH測定感度が大きくなる。しかしながら、牛のルーメン内には、ルーメン液以外に藁や草などの固形物が存在する可能性がある。よって、センシング電極の疎水性保護膜の開口部が大きくなると、上記の固形物がセンシング電極のコンタクト領域に接触し易くなるため、センシング電極を含むpHセンサの寿命が短くなる可能性がある。一方、図4中の保護膜444、445や、図5に示した保護膜45で被覆されたセンシング電極は、コンタクト領域を露出させるための開口部の面積が小さいため、ルーメン内の固形物がセンシング電極のコンタクト領域に接触し難くなる。その結果、センシング電極を含むpHセンサの寿命が短くなり難い。ただし、ルーメン液と接触する面積が小さくなるため、pH測定感度が小さくなり易い。よって、疎水性保護膜の開口部の形状は、pH測定感度と寿命とのバランスを考慮して、適宜に選択すればよい。
次に、検出回路部12の具体的な構成について説明する。図6は、検出回路部12の回路構成の一例を示す図である。図6中において、図1と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。図6において、FET122は、イオン感応膜により被覆されたゲート電極を有するMOSFETであり、そのゲート電極により構成されるゲートGはセンシング電極111に接続されている。なお、センシング電極111に接続されるゲートGは、ゲート電極とは別途に設けられたイオン感応膜により構成されてもよい。また、FET122のドレインDは、抵抗Rを介して電源ユニット121のDCーDCコンバータに接続されている。そして、FET122のソースSは、グランドに接続されている。次に、測定回路123は、入力された信号をAD変換するADコンバータ(ADC)1231と、ADC1231からの信号を外部へ出力するI2Cなどのインタフェース回路1
232とから構成される。電源ユニット121の電池は、3Vの定格電圧を有する電池である。電源ユニット121のDC―DCコンバータは、電池の直流電圧を3.5Vの基準電圧Vrefに変圧して、リファレンス電極112に印加する。また、DC−DCコンバータは、電池の直流電圧を所定の直流電圧Vddに変圧してFET122及びインタフェース回路1232に印加する。さらに、DC−DCコンバータは、電池の直流電圧を0.3
Vの直流電圧Vdsに変圧してFET122のドレイン・ソースに印加する。
次に、本実施形態のpHの測定原理について説明する。図7は、本発明に係るpHセンサの測定原理を説明するための図である。同図中、図1及び図6と同一構成部分には同一符号を付してある。図7において、センシング電極111とリファレンス電極112とは、それらの疎水性保護膜が間隔を置いて対向するように、ルーメン液20内に配置される。リファレンス電極112には、図1及び図6の電源ユニット121から直流電圧VR
図6のVref)が印加されている。一方、FET122には、図1及び図6の電源ユニッ
ト121から動作電圧(図6のVdd)が印加されている。そして、FET122のゲートGがセンシング電極111に接続されて、ドレイン・ソース間の直流電圧VDSが出力される。
FET122は、ルーメン液20内にあるリファレンス電極112に直流電圧VRが印
加された状態において、ゲートGのイオン感応膜でルーメン液20中の水素イオンH+
検出して、その検出した水素イオンH+の量に応じた値の電位をドレイン・ソース間に発
生させる。よって、FET122のドレイン・ソース間の直流電圧VDSがルーメン液20のpHの値に応じて変化すると、ドレイン・ソース間の電流変化に対応した電圧上昇や電圧降下が抵抗Rに生じて、その変化量がADC1231によってデジタルデータに変換される。ADC1231によってデジタルデータに変換されたデータは、インタフェース回路1232によってI2C通信方式でFET122の閾値シフトとして出力される。イン
タフェース回路1232から出力されたデータは、無線回路部13によって外部回路へ無線送信される。その結果、外部回路において、ルーメン液20のpH測定値を取得することが可能となる。
次に、本発明に係るpHセンサを牛のルーメン内に投入して使用する場合におけるpHセンサのパッケージ構造について説明する。図8、9は、pHセンサのパッケージ構造の一実施形態を示す図である。図8は、pHセンサのパッケージ構造の分解斜視図であり、図9は、pHセンサのパッケージ構造の外観斜視図である。なお、図8、9中において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付している。pHセンサを含むパッケージ200は、電極ホルダ202、検出回路基板206、及び無線回路基板207を筐体201内に収容して構成される。筐体201は、一端が閉塞された円筒状に形成される。筐体201内の一端側には、該筐体201の内径と同等の外径を有する、有底円筒状の電極ホルダ202が収容される。筐体201内の他端側には、検出回路基板206と無線回路基板207とが収容されている。そして、筐体201の他端は、キャップ208により液密に封止される。このように、筐体201の内部は、電極ホルダ202の底部205によって2つの収容部に区画され、その一端側の収容部(本発明の第1の収容部に相当)には、電極ホルダ202によって保持されたセンシング電極111とリファレンス電極112が収容される。また、上記した2つの収容部のうち、筐体201の他端側の収容部(本発明の第2の収容部に相当)には、検出回路基板206と無線回路基板207が収容される。そして、第1の収容部と第2の収容部とは、電極ホルダ202の底部205によって液密に遮断される。さらに、第2の収容部は、キャップ208によって筐体201の外部とも液密に遮断される。ここで、筐体201、電極ホルダ202、及びキャップ208は、ルーメン液に対して分解しない耐性を有する材質(例えば、ポリテトラフルオロエチレンなど)により形成されるものとする。
また、筐体201の周壁における第1の収容部を包囲する部位には、該周壁を貫通する複数の貫通孔201a、201b、201cが穿設されており、それら貫通孔201a、201b、201cを介して第1の収容部と筐体の外部とが連通可能になっている。電極ホルダ202は、その周壁の内面における互いに対向する部位にセンシング電極111とリファレンス電極112とを保持する。その際、センシング電極111とリファレンス電極112とは、それぞれの疎水性保護膜が間隔を置いて対向するように保持されるものとする。また、電極ホルダ202の周壁のうち、センシング電極111とリファレンス電極112とが設けられていない部分には、該電極ホルダ202の先端側から底部205にかけて切り込み204が設けられている。また、電極ホルダ202の周壁における、前記筐体201の貫通孔201a、201b、201cの少なくとも1つに臨む部位には、該周壁の内側と外側とを連通させるための連通孔203が穿設されている。図8、9に示す例では、前記連通孔203は、前記貫通孔201aに臨む部位に設けられているが、前記貫通孔201b又は前記貫通孔201cに臨む部位に設けられてもよい。
また、検出回路基板206は、図1に示した検出回路部12を構成する、電源ユニット121、FET122、及び測定回路123の各部品を実装した基板である。無線回路基板207は、図1に示した無線回路部13を構成する、無線回路131及びアンテナ132の各部品を実装した基板である。これら検出回路基板206及び無線回路基板207は、上記した第2の収容部に収容され、且つ図示しない支持部材により支持固定される。なお、検出回路基板206は、電極ホルダ202の底部205に穿設された小径の孔を通してセンシング電極111のワイヤボンディング領域とボンディングワイヤで接続される。その際、ボンディングワイヤが通る孔は、液密にシールされるものとする。これにより、筐体201の貫通孔201a、201b、201c、及び電極ホルダ202の連通孔203を介して第1の収容部へ流入したルーメン液が第2の収容部へ侵入することが抑制される。つまり、上記したパッケージ200がルーメン液中に配置された場合に、ルーメン液が貫通孔201a、201b、201cや、連通孔203を通して筐体201内の第1の収容部に流入するものの、第2の収容部に流入することは抑制される。
次に、本発明に係るpHセンサのパッケージ構造の他の実施形態について図10に基づいて説明する。図10(A)はパッケージ構造の縦断面図を示し、図10(B)はパッケージ構造の横断面図を示す。図10(A)、(B)において、本発明に係るpHセンサのパッケージ250は、一端が閉塞された円筒状の筐体251内に、棒状のセンシング電極253と、棒状のリファレンス電極254と、回路基板256と、を収容して、該筐体251の他端をキャップ257により封止した構造である。筐体251及びキャップ257は、図8、9に示した筐体201及びキャップ208と同様に、ルーメン液に対して分解・腐食しない耐性を有する材質で形成されている。
棒状のセンシング電極253及び棒状のリファレンス電極254は、それぞれの一端が筐体251の一端側の端面255の中心近傍に間隔を置いて固定されている。また、棒状のセンシング電極253及び棒状のリファレンス電極254のそれぞれの他端は、回路基板256に接続されている。ここで、センシング電極253は、棒状のITO電極で形成されている。一方、リファレンス電極254は、棒状の金属電極、例えば銀(Ag+)で形成されている。
筐体251の周壁において、該筐体251の軸方向における一端寄りの部位(図10(A)中の上側の部位)には、複数の貫通孔252a〜252fが穿設されている。なお、貫通孔252a〜252fは、図10(B)に示すように、その軸線L1が筐体251の径方向L2に対して斜めになるように穿設されるものとする。言い換えると、貫通孔252a〜252fは、その軸線L1が筐体251の軸心付近に配置されたセンシング電極253及びリファレンス電極254からオフセットした位置を通るように穿設される。この
ように貫通孔252a〜252fが構成されると、筐体251の外部から貫通孔252a〜252fを介して筐体251の内部へ侵入した藁や草などの固形物が、センシング電極253やリファレンス電極254に接触し難くなるため、それらの電極253、254の寿命が短くなり難い。また、筐体251の内部において、該筐体251の軸方向における基端寄りの空間には、回路基板256が収容されており、その回路基板256の周囲にはゲルなどの防水・固定用充填物258が充填されている。このような構成によれば、筐体251の外部から貫通孔252a〜252fを介して筐体251の内部へ流入したルーメン液は、防水・固定用充填物258に遮られて回路基板256に接触しなくなる。
回路基板256は、図8に示した検出回路基板206及び無線回路基板207と同様の部品を実装しており、そのうちの検出回路基板に相当する部品がセンシング電極253及びリファレンス電極254のそれぞれの他端に接続されている。
次に、本発明に係るpHセンサの動作について説明する。本発明に係るpHセンサは、図8、9に示したパッケージ200、又は図10に示したパッケージ250の形態で牛の口内に投入される。牛の口内に投入されたパッケージ200、250は、牛の食道を通ってルーメンに至り、ルーメン内に収容される。ここで、牛の胃の構造を図11に示す。牛の胃300は、図11に示すように、第1胃(ルーメン)301、第2胃302、第3胃303、及び第4胃304の計4つの胃を備えることが周知である。そして、牛が給与された餌は口内で若干すりつぶされた後、食道を通ってルーメン301に至り、そこでバクテリアや微生物の働きで分解されて栄養素として利用できる形に変えられる。第2胃302は、ルーメン301から送り出された餌を、食道を介して口内へ押し戻す機能を有しており、それにより口内に押し戻された餌が再びすりつぶされることになる。また、第2胃302は、口内ですりつぶされた餌を、第3胃303を介して第4胃304へ送る機能も有する。第4胃304は、消化液による餌の分解を行う。第4胃304で分解された餌は、十二指腸へ送り出される。
上記したような働きをする牛の胃300において、牛の口内へ投入されたパッケージ200、250は、図11中の一点鎖線210で示す範囲に至る。ここで、パッケージ200及び250の重さは、ルーメン301から第2胃302へ移動しない所定の重さに設定されている。また、パッケージ200、250の各部は、前述したように、ルーメン液に対して耐性を有する材質で形成されているため、ルーメン301内に至ったパッケージ200、250は、ルーメン液により分解・腐食されることなくルーメン301内に留まることになる。
ここで、図8、9に示したパッケージ200がルーメン301内に投入されている場合は、ルーメン301内のルーメン液は、筐体201の貫通孔201a〜201cや連通孔203を介して第1の収容部に流入してセンシング電極111及びリファレンス電極112と接触することになる。また、図10に示したパッケージ250がルーメン301内に投入されている場合は、ルーメン301内のルーメン液は、筐体251の貫通孔252a〜252fを介して、センシング電極253及びリファレンス電極254の収容空間に流入して、それらの電極253、254と接触することになる。このようにしてルーメン液がセンシング電極111、253及びリファレンス電極112、254と接触すると、前述の図7の説明で述べた原理に基づいて、ルーメン液のpH値が測定され、そのpH測定値が外部回路へ向けて無線送信されることになる。
以上述べた各実施形態のpHセンサは、半導体基板上に形成された固形のセンシング電極及びリファレンス電極を用いて、ルーメン液のpH値を測定するように構成されるため、ガラス電極を用いた従来のpHセンサに比べて、小型化や低消費電力化を図ることができるとともに、耐衝撃性を向上させることもできる。
次に、本発明に係るpHセンサを用いた監視システムについて説明する。図12は、本発明に係る監視システムの一実施形態における概略構成を示すブロック図である。図12中において、前述の図1と同一の構成要素には、同一の符号を付している。本実施形態における監視システム400は、図1に示したように構成されるpHセンサ10に加え、受信器401と監視装置402とを備える。なお、受信器401と監視装置402との間におけるデータの授受は、有線又は無線で行われるものとする。
pHセンサ10は、前述したように、ルーメン液20のpH値をリアルタイムで測定し、そのpH測定値を無線信号に変換して無線送信する。そして、受信器401は、pHセンサ10から無線送信された信号を受信してpH測定値に復調し、その復調したpH測定値を監視装置402へ送る。このような監視システムによれば、監視装置402へ送られたpH測定値に基づいて、飼料の給与量などを制御することが可能になる。
ここで、図12中の監視装置402の一例を図13に示す。図13は、監視装置402の一実施形態における概略構成を示すブロック図である。図13において、監視装置402は、インタフェース回路4021と、該監視装置402の各部を統括的に制御するための中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)4022と、各種情報を入力するた
めの入力部4023と、CPU4022で処理された各種情報を表示するための表示部4024と、各種データを記憶するための記憶部4025と、を備える。なお、記憶部4025は、CPU4022の動作用プログラムを記憶するための記憶領域や、CPU4022による演算の作業領域として用いられる記憶領域などを含む。
図13に例示した監視装置402では、受信器401により受信されたpH値のリアルタイムの測定データと、入力部4023により入力されたデータ(例えば、飼料の成分、飼料の給与量、飼料の給与日時などのデータ)と、に基づいて、CPU4022が所定の演算処理を行う。そして、CPU4022の処理結果が表示部4024によって表示される。つまり、監視装置402は、飼料の成分、飼料の給与量、飼料の給与日時などの入力データに関連づけて、牛のルーメン液のpH測定値をリアルタイムに表示させることができる。その結果、牛がルーメンアシドーシスの状態にならないように、飼料の給与タイミング、飼料の成分、飼料の給与量、飼料の給与タイミングなどを調整することが可能になる。よって、牛の健康の維持や成長促進を適切に行うことが可能になる。
なお、本発明に係わるpHセンサは、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、pHセンサは、図1に示したような無線回路部13を備えていなくともよい。ただし、その場合は、測定回路123は、ルーメン液のpH値を測定する機能と、pH測定値を記憶する機能と、を有する回路構成とすればよい。そして、pHセンサのパッケージを牛のルーメンから適宜に取り出すための構成(例えば、パッケージの外部に鎖の先端を取付け、且つパッケージがルーメンに達した状態で鎖の他端が牛の口からはみ出るように鎖の長さを設定するなど)が必要となる。このような構成によると、ルーメン液のpH値を監視するために、パッケージをルーメンから取り出すという手間がかかるものの、pHセンサの小型化、低消費電力化、及び耐衝撃性向上をより確実に図ることが可能になる。
10 pHセンサ
11 センサ部
12 検出回路部
13 無線回路部
43 ITO膜
44 保護膜
45 保護膜
111 センシング電極
112 リファレンス電極
122 FET
200、250 パッケージ
201 筐体
201a〜201c 貫通孔
202 電極ホルダ
203 連通孔
252a〜252f 貫通孔
400 監視システム
401 受信器
402 監視装置

Claims (11)

  1. 第1の基板上に形成された第1の電極、前記第1の電極を被覆するITO膜、及び前記ITO膜の少なくとも一部が露出するように該ITO膜を覆う膜であって、牛のルーメン液に対する耐性を有する第1の保護膜を具備するセンシング電極と、
    第2の基板上に形成された第2の電極、及び前記第2の電極の少なくとも一部が露出するように該第2の電極を覆う膜であって、前記ルーメン液に対する耐性を有する第2の保護膜を具備するリファレンス電極と、
    前記センシング電極と電気的に接続されるイオン感応膜を有する電界効果トランジスタと、
    を備え、
    前記センシング電極及び前記リファレンス電極を、前記第1の保護膜と前記第2の保護膜とが間隔を置いて対向するように牛のルーメン液中に配置した状態において、前記リファレンス電極に直流電圧が印加されたときの前記電界効果トランジスタのドレイン・ソース間の電流に基づいて、前記ルーメン液のpH値を測定することを特徴とするpHセンサ。
  2. 前記第1の保護膜には、前記ITO膜のコンタクト領域の一部を露出させるための単一又は複数の第1の開口部が形成されており、
    前記第2の保護膜には、前記第2の電極のコンタクト領域の一部を露出させるための単一又は複数の第2の開口部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のpHセンサ。
  3. 前記第1の開口部、及び前記第2の開口部は、ドット状に配置された複数の開口部により形成されることを特徴とする請求項2記載のpHセンサ。
  4. 前記第1の開口部、及び前記第2の開口部は、格子状に配置された開口部により形成されることを特徴とする請求項2記載のpHセンサ。
  5. 第1の基板上に形成された第1の電極、前記第1の電極を被覆するITO膜、及び前記ITO膜の少なくとも一部が露出するように該ITO膜を覆う膜であって、牛のルーメン液に対する耐性を有する第1の保護膜を具備するセンシング電極と、第2の基板上に形成された第2の電極、及び前記第2の電極の少なくとも一部が露出するように該第2の電極を覆う膜であって、前記ルーメン液に対する耐性を有する第2の保護膜を具備するリファレンス電極と、を備え、それらセンシング電極とリファレンス電極とを、前記第1の保護膜と前記第2の保護膜とが間隔を置いて対向する状態で牛のルーメン液中に配置するセンサ部と、
    前記センシング電極と電気的に接続されるイオン感応膜を具備する電界効果トランジスタ、及び前記リファレンス電極に直流電圧を印加することにより該リファレンス電極に陽イオンを生成させているときの前記電界効果トランジスタのドレイン・ソース間の電流から前記ルーメン液のpH値を検出して、その検出されたpH値を記憶する記憶部を備える検出回路部と
    を備えることを特徴とするpHセンサ。
  6. 第1の基板上に形成される第1の電極、前記第1の電極を被膜するITO膜、及び前記ITO膜の少なくとも一部が露出するように該ITO膜を覆う膜であって、牛のルーメン液に対する耐性を有する第1の保護膜を具備するセンシング電極と、第2の基板上に形成された第2の電極、及び前記第2の電極の少なくとも一部が露出するように該第2の電極を覆う膜であって、前記ルーメン液に対する耐性を有する第2の保護膜を具備するリファレンス電極とを備え、それらセンシング電極とリファレンス電極とを、前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜が間隔を置いて対向する状態で牛のルーメン液内に配置するセンサ部と、
    前記センシング電極と電気的に接続されるイオン感応膜を具備する電界効果トランジスタと、
    前記リファレンス電極に直流電圧を印加することにより該リファレンス電極に陽イオンを生成させているときの、前記電界効果トランジスタのドレイン・ソース間の電流に応じて前記ルーメン液のpH値を測定する検出回路部と、
    前記検出回路部の測定値を無線信号に変換して送信するための無線回路部と
    を備えることを特徴とするpHセンサ。
  7. 前記センサ部と前記検出回路部と前記無線回路部とは、牛のルーメン液に対する耐性を有し且つその両端が閉塞される筒状の筐体に収容されており、
    前記筐体の内部は、該筐体の一端側に配置され且つ前記センサ部を収容する第1の収容部と、該筐体の他端側に配置され且つ前記検出回路部及び前記無線回路部を収容する第2の収容部とに区画されており、
    前記第1の収容部は、該第1の収容部を包囲する前記筐体の周壁に穿設される貫通孔を介して、前記筐体の外部と連通しており、
    前記第2の収容部は、前記筐体の外部及び前記第1の収容部と液密に遮断されることを特徴とする請求項6記載のpHセンサ。
  8. 前記第1の収容部は、前記筐体の内径と同等の外径を有する有底筒状の電極ホルダを収容しており、
    前記電極ホルダは、板状に形成される前記センシング電極と板状に形成される前記リファレンス電極とを、前記第1の保護膜と前記第2の保護膜とが間隔を置いて対向するように保持するものであり、
    前記電極ホルダの周壁における前記筐体の前記貫通孔に臨む部位には、該電極ホルダの内部と外部とを連通させる連通孔が形成されることを特徴とする請求項7記載のpHセンサ。
  9. 前記第1の収容部は、棒状に形成される前記センシング電極と棒状に形成される前記リファレンス電極とを、各電極の一端が前記筐体の一端側の端面に固定される状態で収容することを特徴とする請求項7記載のpHセンサ。
  10. 前記筒状の筐体は、円筒形状であり、
    前記貫通孔は、該貫通孔の軸線が前記円筒形状の筐体の径方向に対して斜めになり、前記円筒形状の筐体の中心軸付近に配置される前記センシング電極および前記リファレンス電極からオフセットした位置を通るように形成されることを特徴とする請求項9記載のpHセンサ。
  11. 請求項6に記載のpHセンサと、
    前記pHセンサの無線回路部から無線送信されるpH測定値を受信する受信器と、
    前記受信器から出力される前記pH測定値と牛の飼料に関する所定のデータとから監視データを生成して、その生成された監視データを表示する監視装置と
    を備えることを特徴とする監視システム。
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