JP5569737B2 - 点検用架台および点検用架台の設置方法 - Google Patents

点検用架台および点検用架台の設置方法 Download PDF

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Description

本発明は、構造物点検用に用いられる架台、およびこの架台の設置方法に係り、特に原子炉圧力容器上蓋のように、フランジ部を介して連結される大型構造物を点検するための架台、およびその設置方法に関する。
原子炉圧力容器内部の点検や補修をする際には、特許文献1に開示されているように、最初に、頂上部に配置されている原子炉圧力容器上蓋が取り外される。
取り外された原子炉圧力容器上蓋は、天秤を介してクレーンにより吊り上げられ、載置台が組まれたオペレーティングフロアなどに載置される。原子炉圧力容器から取り外された原子炉圧力容器上蓋は、検査員の目視や探傷装置などを用いて、その周囲の傷の有無が検査される。
通常、原子炉圧力容器上蓋の点検は、原子炉圧力容器上蓋のフランジ部程度の高さに作業員が上って行なわれる。通常、フランジ部の高さは、載置台を含めても、オペレーティングフロアから2m以下の高さに位置し、高所とまではいかないが、架台などが無いと検査効率が極めて悪くなってしまう。このような事情から従来は、原子炉圧力容器上蓋の点検を行うために、フランジ部の外周に建築用の足場を組み、この足場に上って点検作業を行うようにしていた。
2002−168992号公報
しかし、建築用の足場は、支柱と梁の連結など、締付け作業が多い上、原子炉施設では、汚染領域の外部からの搬入となるため、搬出の際には除染等の作業も必要となる。また、一般的な足場は、床板が矩形である。このため、円形の原子炉圧力容器上蓋の外周に配置するためには、床板の端部を重ねて配置する必要が生ずる。このような床板の重なり部分は段差となり、点検作業者が躓き易くなる他、角や突起などが多い。このため、作業の安全性を確保するためには、シートなどによる養生が必要とされた。このため、点検のために必要とされる高さの足場の組立や解体だけで相当な工数、および時間を要していた。
本発明では、設置や撤去を短時間で行うことができ、望ましくは段差や突起などが少ない点検用架台、およびこの架台の設置方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る点検用架台は、構造物のフランジ部の形状に沿って設けられた前記構造物の連結に用いられる通し孔に嵌め込まれるベースと、前記ベースに連結された基礎フレームを有する受け台と、複数の前記受け台間に掛け渡される作業床と、を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る点検用架台は、構造物のフランジ部の形状に沿って設けられた前記構造物の連結に用いられる通し孔に嵌め込まれるベースと、前記ベースに連結された基礎フレームを有する受け台と、前記フランジ部の曲率に相似な曲率を持つ床板を有し、複数の前記受け台間に掛け渡される作業床と、を備えることを特徴とするものであっても良い。このような特徴を有することによれば、架台の設置や撤去を短時間で行うことができる他、作業床をフランジの形状に沿って配置することができる。よって、隣接配置される作業床同士が重なることが無くなり、段差の発生を抑制することができる。これにより、作業床をシート等により養生する必要がなくなり、架台の設置に要する工数を減らすことができる。
さらに、上記目的を達成するための本発明に係る点検用架台は、構造物のフランジ部の形状に沿って設けられた前記構造物の連結に用いられる通し孔に嵌め込まれるベースと、前記ベースに連結された基礎フレームを有する受け台と、前記フランジ部の曲率に相似な曲率を持つ床板を有し、複数の前記受け台間に掛け渡される作業床と、を備え、前記作業床は、前記床板に、前記基礎フレームの凸部と噛合う切欠きを有することを特徴とするものとすることもできる。このような特徴を有することによれば、架台の設置や撤去を短時間で行うことができる他、作業床をフランジの形状に沿って配置することができる。よって、隣接配置される作業床同士が重なることが無くなり、段差の発生を抑制することができる。これにより、作業床をシート等により養生する必要がなくなり、架台の設置に要する工数を減らすことができる。さらに、このような特徴を有することにより、複数の基礎フレーム間に掛け渡した作業床の配置位置がずれる虞が無い。よって、作業床が脱落する虞も無い。
また、上記のような特徴を有する点検用架台は、複数の前記受け台の外周側に手摺を有するようにすると良い。手摺を設けることにより、作業者の安全性を向上させることができる。
さらに、上記のような特徴を有する点検用架台において、前記手摺は、前記受け台に立設された支柱と、前記支柱を繋ぐ鎖により構成することができる。手摺の構成をこのようなものとすることにより、軽量かつ簡単な構造で、手摺を構成することができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る点検用架台の設置方法は、作業床と前記作業床を支持する受け台とを有する点検用架台の設置方法であって、点検対象とする構造物のフランジ部に前記構造物の連結用に設けられた通し孔を用いて前記受け台を固定する受け台配置工程と、複数の前記通し孔に固定された複数の前記受け台間に前記作業床を掛け渡す作業床配置工程と、を有することを特徴とする。
また、上記のような特徴を有する点検用架台の設置方法では、複数の前記受け台のそれぞれに支柱を立設し、前記支柱間に鎖を配置する手摺配置工程を有するようにすると良い。このような工程であれば、安全性を向上させることのできる手摺を容易かつ短時間で設置することができる。
上記のような特徴を有する点検用架台によれば、架台の設置や撤去を短時間で行うことができる。また、上記のような特徴を有する点検用架台の設置方法によれば、点検用架台の設置を短時間で行うことができる。
原子炉圧力容器上蓋と実施形態に係る点検用架台の設置状態を説明するための図であり、(A)は平面構成を示す図であり、(B)は正面構成を示す図である。 図1における部分拡大図である。 受け台の詳細な構成を説明するための図であり、(A)は平面構成を示す図であり、(B)は正面構成を示す図である。 手摺を構成する支柱と鎖の構成を示す図である。 実施形態に係る点検用架台で使用する作業床の構成を説明するための図であり、(A)はロングタイプの作業床の構成を示す平面図であり、(B)は、ショートタイプの作業床の構成を示す平面図であり、(C)は、(A)、(B)共通の断面構成を示す図である。 梯子の取り付け状態を示す図であり、(A)は平面構成を示す図であり、(B)は正面構成を示す図である。 半円プレートの構成を示す図である。 支持フレームの構成を示す図である。 保管箱と、この保管箱に収納された点検用架台の様子を示す図である。
以下、本発明の点検用架台、および設置方法に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1(A)は原子炉圧力容器(以下、単にRPVと称す)から取り外した原子炉圧力容器上蓋(以下、単にRPVヘッドと称す)の平面構成を示す図であり、図1(B)はRPVから取り外し、オペレーティングフロアに組まれた載置台に載置されたRPVヘッドの構成を示す部分断面図である。
図1から判るように、RPVヘッド60のフランジ部62には、その形状に沿って複数の通し孔64が形成されている。なお、この通し孔64は、RPVヘッド60をRPV(不図示)に組付ける際に、スタッドボルト(不図示)を挿通させるためのものである。
本実施形態に係る点検用架台10は、図2〜図5に詳細を示すように、受け台12と、この受け台12を複数配置した上に掛け渡される作業床36(36a)とを基本として構成される。
受け台12は、ベース28と、基礎フレーム13を基本として構成される。図3は、受け台についての詳細を示す図であり、図3(A)は受け台の平面構成を示す図であり、図3(B)は受け台の正面構成を示す図である。ベース28は、図2に示すように、RPVヘッド60のフランジ部62に設けられた通し孔64に嵌め込まれる筒状部材である。ベース28は、単純な筒状部材であっても良いが、汎用の管材の外周に平板30を貼付することで、通し孔64との隙間を調節するようにしても良い。汎用材を使用することで、専用材を使用するよりも製造コストを低下させることができるからである。また、ベース28の外周に平板30を貼付することで、ベース28の直径を通し孔64の直径よりも、平板30の厚み分の2倍程度小さなものとすることができる。これにより、基礎フレーム13との連結部外周に溶接部が生ずる場合でも、当該溶接部によって生ずる段差を通し孔64の内部に納め、設置の際の安定性を図ることができる。なお、平板30の貼付手段としては、例えば溶接を採用することができる。
基礎フレーム13は、プレート部14とフレーム部16から成る。プレート部14は、上述したベース28に連結される平板部材である。筒状部材であるベース28の一端に連結されるため、プレート部14は通し孔64の開口を塞ぐ役目も担うこととなる。ベース28を通し孔に嵌めることで、プレート部14が通し孔64の開口を塞ぐこととなれば、架台10を設置した際の安全性を高めることができる。プレート部14とベース28との連結は、プレート部14の一端側にベース28を寄せた状態で成し、ベース28を通し孔64に嵌め込んだ際、プレート部14の他端側がフランジ部62の外周側に突出する構成とする。このような構成とすることで、フランジ部62の外周側に作業床36(36a)を配置することが可能となる。
フレーム部16は、プレート部14の他端側に取り付けられる角材である。フレーム部16は、詳細を後述する作業床36(36a)を支持する役割を担う。プレート部14に対するフレーム部16の取り付けに際しては、一端側に連結されたベース28と他端側に取り付けられたフレーム部16との間の距離が、フランジ部62における通し孔64の内壁面からフランジ部62の外周部までの最短距離よりも長くなるようにする。このような構成とすることで、ベース28を通し孔64に嵌め込んだ際、フレーム部16をフランジ部62の外側に位置させることができる。これにより、プレート部14がフランジ部62の上面に接触し、設置状態を安定させることができる。
実施形態に係る受け台12では、フレーム部16の下側に、応力受け17を設けている。応力受け17は、基台18と調整部20(図2参照)とから成る。基台18は、フレーム部16の下側に、プレート部14に連結されたベース28の延設方向に沿って設けられた角材を基本として構成される。角材には、ベース28に対向する面であって下端側に、貫通孔が形成されている。形成された貫通孔には、当該貫通孔を覆うように、ナット18aが取り付けられている。このような構成とすることで、調整部20であるボルトを螺合させることができ、螺合状態の変更によって、基台18からのボルト頭の突出量を調整することが可能となる。このような構成の応力受け17を設けることにより、受け台12をフランジ部62に取り付けた際、フランジ部62の外周に調整部20を当接させることが可能となる。これにより、フレーム部16に重量物を載せた場合であっても、プレート部14の撓みによるフレーム部16の沈み込みを抑えることが可能となる。
また、一端をプレート部14に取り付けられたフレーム部16の他端側には、上方に開口を有する筒状の支柱基部22を設けている。支柱基部22に支柱32を立てることで、安全性を確保するための手摺31を備えることが可能となるからである。手摺31は、隣接配置された受け台12の支柱基部22に立設された支柱32間に、鎖34を掛け渡すことで構成すれば良い。支柱基部22には、その側面に貫通孔が形成されると共にナット24が取り付けられ、このナット24に螺合可能な蝶ボルト26が備えられる。このような構成とすることによれば、詳細を後述する手摺31を構成する支柱32を支柱基部22に立設させた後、蝶ボルト26を締め込むことで立設された支柱32を安定させることができる。
手摺31は、図4に詳細を示すように、支柱32と鎖34を基本として構成される。支柱32は、筒状部材であり、本実施形態に係る支柱32には、上端部近傍と中心部近傍にそれぞれ、フック32aが設けられている。支柱32に設けられたフック32aに鎖34を構成する環を掛けることで、鎖34を支持することが可能となる。
作業床36(36a)は、複数の通し孔64に配置した複数の受け台12間に掛け渡す平板である。作業床36(36a)は、床板38と補助板44、および補強部材46により構成されている。作業床は、RPVの大きさなどによって曲率や分割長さなどが異なる。このため、図5(A)に示すようなロングタイプの作業床36や、図5(B)に示すようなショートタイプ(例えば調整用)の作業床36aなどが形成される。なお、図5において、図5(C)は作業床の断面構成を示す図である。
床板38は、点検等を行う作業者が歩行するための踏み板である。床板38の板面の内側と外側には、フランジ部62の曲率に相似な曲率が設けられている。このような構成とすることで、作業床36(36a)を円形のフランジ部62に沿って配置することができる。これにより床板38の重なりによる段差の発生を無くすことができ、躓き防止のためのシート等による養生を不要とすることができる。よって、設置や撤去の際の工数を減らし、設置や撤去の迅速化を図ることが可能となる。また、曲率を持って円弧状に形成されている床板38の内側には、受け台12の基礎フレーム13におけるプレート部14の外縁形状に沿った切欠き40が設けられており、外周側には、フレーム部16に立設された支柱基部22の幅に合わせた切欠き42が設けられている。このような構成とすることで、受け台12間に作業床36を掛け渡して配置した際には、受け台12のフレーム部16と作業床36(36a)の切欠き40,42が噛合うかたちとなり、作業床36(36a)がずれる虞がなくなる。これにより、作業床36(36a)が落下する虞が無くなり、安全性が確保される。また、受け台12が作業床36(36a)の切欠き40,42に合わせて嵌ることで、受け台12の基礎フレーム13がフランジ部62の半径方向に沿った放射線上に配置されることとなる。さらに、床板38は、内周側に設けた切欠き40,42にプレート部14を嵌め込むこととなるため、床板38とプレート部14との段差も小さなものとすることができる。
補助板44は、床板38の外周側縁部に沿って、床板38の上面側に立設される帯状の板部材である。このような補助板44を設けることにより、床板38における垂直方向の撓みを抑制することができると共に、作業部材や工具等の落下防止も図ることが可能となる。補強部材46は、床板38の裏面側(下側)に取り付けられるL字部材である。補強部材46は、受け台12を避けるようにして床板38の裏面側に配置されることで、自重や付加荷重などにより、床板38が撓むことを防止することができる。
また、図6に示すように、本実施形態に係る点検用架台10は、梯子48を備えるようにしても良い。なお、図6において、図6(A)は梯子を備えた状態の平面構成を示す図であり、図6(B)は梯子を備えた状態の側面構成を示す図である。梯子48を備えることにより、作業床36(36a)への昇降を安全に行うことができる。梯子48の下端部には、図6(B)に示すような半円プレート50が設けられている。梯子48の上端側には、梯子48を受け台12に固定するための支持フレーム52が備えられている。このため、脚の下端部は滑りが生ずることが無く、半円プレート50を設けることにより、傾倒角度の自由度が増し、梯子48を立てかけた際の安定性を確保することが可能となる。図7に、円形プレート50の拡大図を示す。
支持フレーム52は図8に示すように、取付部54とリンクアーム56、およびホルダ58を基本として構成される。取付部54は、梯子48の脚に取り付けられ、リンクアーム56を回転可能に支持する梯子側基礎部材である。取付部54は、例えば平板54aと、この平板54aに溶接されたナット54b、およびナット54bに螺合されたボルト54cにより構成することができる。リンクアーム56は、梯子48の傾きを調整しつつ、受け台12に取り付けられたホルダ58と取付部54とを連結する連結部材である。具体的には、取付部54に設けたボルト54cを挿通させる筒部56aと、この筒部56aに取り付けた平板56b、および平板56bに形成した長孔56cがあれば足りる。ホルダ58は、受け台12に取り付けられ、梯子48を支持する受け台側基礎部材であり、リンクアーム56を連結可能な構成とされている。具体的には、断面形状をC型とした半筒状部材58aと、この半筒状部材58aに取り付けられ、リンクアーム56の平板56bを固定する平板58bにより構成される。このような構成とすることで、半筒状部材58aを受け台12の基礎フレーム13に設けられた支柱基部22に嵌め込むことができる。
このような構成を有する梯子48では、設置状態のズレや危険な傾倒が無く、使用状態の安定性を確保することができる。
また、本実施形態に係る点検用架台10は、収納のための保管箱70を備える。点検用架台10を保管箱70に収納することにより、オペレーティングフロアなど、原子炉施設内部の放射能汚染領域に配置しておくことができる。これにより、解体後の撤去(汚染領域からの持ち出し)が無くなるため、除染作業が不要となる。これにより、点検に要する工数を減らすことができる。
保管箱70は、点検用架台10を収納するための専用設計とし、図9(A)〜(E)に示すように、階層毎に各要素を積層収納可能な構成とすると良い。なお、図9において、図9(A)は最下層(第1層)であり、受け台12が収納される形態を示す平面図である。また、図9(B)は、第2層であり、作業床36(36a)が収納される形態を示す平面図である。また、図9(C)は、第3層であり、手摺31を構成する支柱32と鎖34が収納されている形態を示す平面図である。さらに、図9(D)は、第4層であり、収納スペースに余裕がある場合には、作業エリアに配置するポール等を収納しても良い。図9(E)は、第1層から第4層までを収容した保管箱の側断面図である。図9(E)から読み取れるように、第4層の上層に、梯子48が収納されることとなる。このように、積層収納可能な保管箱70とすることで、保管形態をコンパクトにすることができる。これにより、保管状態で邪魔になることが無く、配置場所の限定が少なくなる。
このような構成の点検用架台10によれば、設置時の養生、撤去、搬出時の除染、検査などを行う必要が無くなるため、架台の設置、および撤去に要する工数を飛躍的に減らすことが可能となる。例えば、足場により架台を組んでいた場合、架台の準備から片付けまでで、
・足場準備・片付け(搬出入含む):5人×1日×2回
・足場材養生・養生撤去・除染 :5人×3日
・足場組立・解体 :5人×1日×2回
といった作業を必要とし、上に示すような作業者数、および日数を必要としていた。ここで、作業者一人が1日作業することを1工数として総工数を計算すると、従来は、35工数要することとなっていたということができる。
これに対し、本実施形態に係る点検用架台10を用いた場合、架台は保管箱70に収納された状態で、オペレーティングフロア等に据え置きとすることができるため、準備および片付けといった作業(搬出入)が不要となる。また、作業床36(36a)の段差が無いため、養生が不要となる。さらに、汚染領域からの搬出が無いため、除染も不要となる。よって、必要とされる作業は、
・架台設置・撤去 :5人×0.5日×2回
だけとなり、工数として見た場合、30工数削減することができたこととなる。
次に、上記のような特徴を有する点検用架台10の設置方法について説明する。上記のような構成の点検用架台10は、保管箱70から取り出し、受け台12のベース28をフランジ部62の通し孔64に嵌め込み、受け台12を配置する(受け台配置工程)。次に、フランジ部62の形状に沿って複数配置した受け台12間に、作業床36(36a)を掛け渡す。ここで、作業床36(36a)は、床板38に設けた切欠き40,42に、受け台12を構成する基礎フレーム13におけるプレート14と支柱基部22を嵌め込むように配置する(作業床配置工程)。作業床配置工程が終了した後、作業床36(36a)に上るための梯子48を設置する。梯子48の設置は、受け台12の基礎フレーム13を構成するフレーム部16に設けられた支柱基部22に、支持フレーム52におけるホルダ58を嵌め込むことで成す(梯子設置工程)。梯子48を設置した後、支柱基部22のそれぞれに、手摺31を構成する支柱32を挿し、支柱基部22に設けられた蝶ボルト26(図3(B)参照)で固定する。支柱31の固定が終了した後、各支柱32間に鎖34を掛け渡す(手摺配置工程)。
上記のようにして設置する点検用架台10における構成部材である受け台12、作業床36(36a)、手摺31、および梯子48は、金属製とすると良い。また、アルミまたはアルミ合金により構成することで、軽量化を図ることができ、設置、および撤去時の作業性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、梯子48の下端部には半円プレート50を設ける旨記載した。しかしながら、梯子48の下端部には、接地角度を自在に変更することのできるジョイントを設けるようにしても良い。このような構成とした場合であっても、同様な効果を奏することができるからである。
また、上記実施形態では、点検用架台10は、フランジ部62の周囲に沿って配置する旨記載した。しかしながら本発明に係る点検用架台は、使用されていない通し孔64を利用して、複数段重ねて配置するようにしても良い。このような設置方法を採用することにより、より高所での作業も可能とすることができるからである。
原子炉圧力容器以外であっても、フランジ部に通し孔を有する大型構造物であれば、本発明に係る点検用架台、および設置方法を適用することができる。この際、手摺を構成する鎖は、樹脂性とすることもできる。
10………点検用架台、12………受け台、13………基礎フレーム、14………プレート部、16………フレーム部、17………応力受け、18………基台、20………調整部、22………支柱基部、24………ナット、26………蝶ボルト、28………ベース、30………平板、31………手摺、32………支柱、34………鎖、36(36a)………作業床、38………床板、40………切欠き、42………切欠き、44………補助板、46………補強部材、48………梯子、60………原子炉圧力容器上蓋(RPVヘッド)、62………フランジ部、64………通し孔。

Claims (7)

  1. 構造物のフランジ部の形状に沿って設けられた前記構造物の連結に用いられる通し孔に嵌め込まれるベースと、
    前記ベースに連結された基礎フレームを有する受け台と、
    複数の前記受け台間に掛け渡される作業床と、
    を備えることを特徴とする点検用架台。
  2. 構造物のフランジ部の形状に沿って設けられた前記構造物の連結に用いられる通し孔に嵌め込まれるベースと、前記ベースに連結された基礎フレームを有する受け台と、
    前記フランジ部の曲率に相似な曲率を持つ床板を有し、複数の前記受け台間に掛け渡される作業床と、
    を備えることを特徴とする点検用架台。
  3. 構造物のフランジ部の形状に沿って設けられた前記構造物の連結に用いられる通し孔に嵌め込まれるベースと、前記ベースに連結された基礎フレームを有する受け台と、
    前記フランジ部の曲率に相似な曲率を持つ床板を有し、複数の前記受け台間に掛け渡される作業床と、を備え、
    前記作業床は、前記床板に、前記基礎フレームの凸部と噛合う切欠きを有することを特徴とする点検用架台。
  4. 複数の前記受け台の外周側に手摺を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の点検用架台。
  5. 前記手摺は、前記受け台に立設された支柱と、前記支柱を繋ぐ鎖により構成されることを特徴とする請求項4に記載の点検用架台。
  6. 作業床と前記作業床を支持する受け台とを有する点検用架台の設置方法であって、
    点検対象とする構造物のフランジ部に前記構造物の連結用に設けられた通し孔を用いて前記受け台を固定する受け台配置工程と、
    複数の前記通し孔に固定された複数の前記受け台間に前記作業床を掛け渡す作業床配置工程と、
    を有することを特徴とする点検用架台の設置方法。
  7. 複数の前記受け台のそれぞれに支柱を立設し、前記支柱間に鎖を配置する手摺配置工程を有することを特徴とする請求項6に記載の点検用架台の設置方法。
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