JP5569166B2 - タイヤ騒音低減装置およびそれを備えた空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤで発生する空洞共鳴音を低減するため、多孔質材料からなる帯状吸音材が環状に成形されてタイヤ内面に設置されるタイヤ騒音低減装置と、それを備えた空気入りタイヤに関する。
さらに詳しくは、リム組みを行う前の、タイヤ内面に上述したタイヤ騒音低減装置を配置した状態にあるタイヤ本体を、タイヤチェンジャーを用いてリム組みする際に、該帯状吸音材の幅方向端部の一部がタイヤビード部とリムフランジの間に挟み込まれるという問題のないタイヤ騒音低減装置、およびそれを備えた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、騒音を発生する原因の一つにタイヤ内部に充填された空気の振動による空洞共鳴音の発生がある。この空洞共鳴音は、タイヤが転動するときにトレッド部が路面の凹凸により振動し、そのトレッド部の振動がタイヤ内部の空気を振動させることによって生ずる。このような空洞共鳴現象による騒音を低減する手法として、多孔質材料からなる吸音材を空気入りタイヤのトレッド部の内面にそってその全周にわたって設置することが提案され実用化が検討されている(特許文献1、2)。
このような空気入りタイヤを車両に取り付けて使用する際には、環状に成形された帯状吸音材がタイヤ内面に配置された状態のタイヤを、タイヤチェンジャーを用いてホイールと組む(以下、リム組みという)作業が必要である。
しかし、このタイヤチェンジャーを用いてリム組みをする際に、リムフランジとタイヤビード部の間に吸音材を挟み込んでしまうという問題があった。
図6はその状態の説明をするものであり、タイヤ騒音低減装置4を内周面に有するタイヤ1を、タイヤチェンジャー(図示せず)を用いてリム組みする際のリム組み工程の終了直前の状態をモデル的に示した概略断面図である。図6上において右側に描いたタイヤ部分は、工程中、特に問題なくビード部2がリムフランジ5に組み付けられていくが、図6上左側のタイヤ部分の状態を示したように、リム組みの最終段階でタイヤ1の最後に残った部分をリム3に組み付けるため矢印A方向に押し込む際に、タイヤ騒音低減装置4がリムフランジ5とタイヤビード2の間に挟まれた状態でリム組みされてしまう場合がある。
この問題は、特に、扁平タイヤでかつタイヤ騒音低減装置の幅を吸音効果上十分な幅で比較的大きくとっているような場合に生じやすい。すなわち、扁平タイヤではリム組み時にリムフランジ5とタイヤ騒音低減装置4の表面間の間隔Dが比較的狭いものとなり、多孔質材料からなる吸音材がそこで挟み込まれやすく、そのままビード2がリムフランジ5に組み付けられてしまうことが生じやすいのである。
タイヤ騒音低減装置は、タイヤ内周面に接着固定されておらず、タイヤ内周面径とほぼ同等かあるいはそれよりも若干小さい最大径でかつある程度厚みがある環状体に成形されていることも上記挟まれ込みの要因の一つであるが、特に、扁平タイヤとそれら要因との組合せで上述した問題が生じてくるのである。
特開昭62−50203号公報 特開2004−291855号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、タイヤ内面に、多孔質材料からなる連続した帯状吸音材が環状に成形されたタイヤ騒音低減装置を配置した状態にあるタイヤ本体を、タイヤチェンジャーを用いてリム組みする際に、該帯状吸音材の幅方向端部の一部がタイヤビード部とリムフランジの間に挟み込まれるという問題のないタイヤ騒音低減装置およびそれを備えた空気入りタイヤを提供することにある。
上述した目的を達成する本発明のタイヤ騒音提言装置は、以下の(1)の構成を有する。
(1)多孔質材料からなる連続した帯状吸音材が環状に成形されてタイヤの内面に設置されるタイヤ騒音低減装置であって、タイヤ幅方向端部の少なくとも一方に、タイヤチェンジ時におけるリムフランジ部との挟み込まれを防止するための、幅Wnが30mm≦Wn≦80mmであり、タイヤ周方向中心角度Hθが30°≦Hθ≦140°である凹状空隙部を、タイヤ1周上1〜3ケ所設けてなることを特徴とするタイヤ騒音低減装置。
また、かかる本発明のタイヤ騒音提言装置において、以下の(2)〜(6)のいずれかの構成を有することが好ましい。
(2)前記帯状吸音材が、そのタイヤ幅方向端部の少なくとも一方に、該帯状吸音材がタイヤ赤道側に折り返された折り返し部を有することを特徴とする上記(1)記載のタイヤ騒音低減装置。
(3)前記折り返し部が、前記凹状空隙部が設けられているタイヤ幅方向端部と反対側のタイヤ幅方向端部に形成されていることを特徴とする上記(2)記載のタイヤ騒音低減装置。
(4)前記折り返し部において、前記凹状空隙部が設けられたタイヤ幅方向端部と反対側のタイヤ幅方向端部位置に質量調整部が設けられていることを特徴とする上記(3)記載のタイヤ騒音低減装置。
(5)前記帯状吸音材は、長さ方向の両端部が最外周よりも内側に配されるように一部が重ね合わされることにより、前記環状が構成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。
(6)タイヤ幅方向において、組立て時の吸音材の総幅をW、凹状空隙部の幅Wn、折り返し部の幅をWr、質量調整部の最大幅をWoとすると、それらが次式(a)を満たす関係にあることを特徴とする上記(4)または(5)記載のタイヤ騒音低減装置。
W−Wn>Wr+Wo ………(a)式
また、上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、以下の(7)の構成を有する。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置が、トレッド部内周面に装着されてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
請求項1にかかる本発明によれば、タイヤ内面に多孔質材料からなる連続した帯状吸音材が環状に成形されたタイヤ騒音低減装置を配置した状態にあるタイヤ本体を、タイヤチェンジャーを用いてリム組みする際に、該帯状吸音材の幅方向端部の一部がタイヤビード部とリムフランジの間に挟み込まれるという問題のないタイヤ騒音低減装置が提供できる。特に、本発明のタイヤ騒音低減装置は、扁平率が50以下の偏平タイヤにおいて、中でも、特に扁平率が30〜45の偏平タイヤにおいて、その効果を顕著に発揮する。
特に、本発明によれば、幅Wn、タイヤ周方向中心角度Hθを特定の範囲内にしているため、上述した効果を有するとともに、吸音効果をより大きく発揮できるタイヤ騒音低減装置が提供される
請求項2にかかる本発明によれば、上記請求項1の発明の効果を有するとともに、多孔質材料からなる連続した帯状吸音材が折り返された部分を有することにより、環状の形態を維持するのにより高い剛性を有することになり、タイヤが直立した停止時などに、該タイヤの内周面から該吸音材の自重によって座屈するように剥がれ落ちてくることが良好に防止されているタイヤ騒音低減装置が提供される。
請求項3にかかる本発明によれば、請求項2にかかる本発明の効果をより明確に発揮できるタイヤ騒音低減装置が提供される。
請求項4にかかる本発明によれば、凹状空隙部を設けていることによりタイヤ周方向において質量バランスが崩れるような場合においても、特に質量調整部を設けていることによってタイヤ周方向の質量バランスが崩れることがなく、乗り心地や耐久性等において優れたタイヤを実現できるタイヤ騒音低減装置を提供することができる。
請求項5にかかる本発明によれば、上述した請求項1の発明の効果を有するともとに、同一サイズの帯状の吸音材であっても、適応できるタイヤサイズが幅広くなる点で優れているタイヤ騒音低減装置を提供することができる。
請求項6にかかる本発明によれば、上述した請求項4に記載の本発明の効果をより明確に発揮できるタイヤ騒音低減装置を提供することができる。
請求項7にかかる本発明の空気入りタイヤによれば、上述した請求項1から6のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置の効果を有する空気入りタイヤを実現することができる。
本発明にかかるタイヤ騒音低減装置の一実施態様を示した斜視図である。 本発明にかかるタイヤ騒音低減装置の他の実施態様を示した斜視図である。 本発明にかかるタイヤ騒音低減装置の他の実施態様を示した斜視図である。 本発明にかかるタイヤ騒音低減装置の他の実施態様を示した斜視図である。 本発明にかかるタイヤ騒音低減装置の他の実施態様を示した斜視図である。 タイヤチェンジャーを用いて、タイヤ騒音低減装置を内周面に有するタイヤをリム組みする際のリム組み工程の終了直前の状態をモデル的に示した概略断面図である。
以下、更に詳しく本発明のタイヤ騒音低減装置について説明する。
本発明のタイヤ騒音低減装置4は、図1に示したように、多孔質材料からなる連続した帯状吸音材が環状に成形されてタイヤの内面に設置されるタイヤ騒音低減装置であり、タイヤ幅方向端部の少なくとも一方に、タイヤチェンジ時におけるリムフランジ部との挟み込まれを防止するための凹状空隙部6が設けられていることを特徴とする。
該凹状空隙部6は、タイヤ騒音低減装置4のタイヤ幅方向端部の一方の一部を、タイヤ周方向に沿って幅Wnと所定の長さを有してえぐるようにして除去されて形成されている。
該凹状空隙部6は、タイヤ幅方向端部の一方の一部にのみ形成されていることが重要であり、全部(全周にわたり)に形成することは、全幅Wを小さくして凹部のない均一幅の環状のタイヤ騒音低減装置を形成したのと同じであり、吸音効果が小さくなるので好ましくない。
本発明のタイヤ騒音低減装置は、図6で示したようなリム組みの最終段階において、図6上左側のタイヤ部分に、その凹状空隙部6が位置するようにして、タイヤチェンジャーによるリム組み作業を行うようにすれば、タイヤ1の最後に残った部分をリム3に組み付けるために図6の矢印A方向に押し込む際に、タイヤ騒音低減装置4がリムフランジ5とタイヤビード2の間に挟まれてしまうことがない。実際のリム組み作業の手順としては、チェンジャーの機構・種類にもよるが、一般的には、例えば、タイヤ騒音低減装置の凹状空隙部6がある位置と180°反対側の位置からスタートさせて該タイヤをリムフランジに嵌め込ませていくようにして作業をすればよいものである。
本発明において、トレッド部内周面に環状を呈して装着される前の段階での多孔質材料からなる吸音材は、連続した帯状の形態を有するものであることが重要であり、その連続状態は、複数本を長手方向に繋いで連続状態にしたものでもよく、あるいは、連続している発泡体から長手方向に連続して切り出して連続状態にしたものでもよい。
帯状の多孔質材料からなる吸音材が環状に構成されるに際しては、該吸音材の長さ方向の両端面が突き合わされて接合されてなされるのが、一つの好ましい形態である。この形態は、図1に示した態様例(9が突き合わせ部)であり、環状の最外径をタイヤトレッド内面の内径と同等かそれよりも小さくして環状を構成することにより、接地部におけるタイヤ変形に伴う吸音材の繰り返し変形による屈曲疲労が緩和され、耐久性を確保できる。
この態様のものは、重量増加や吸音材の設置により質量バランスが崩れるといった問題も少なく、また環状吸音材の形態維持性の点でも優れている。ただし、突き合わせではなく、両端部を多少重なり合うようにして接合して環状を形成してもよい。その場合、質量バランスの適宜な調整が別途必要となるが、被装着タイヤのサイズの自由度が大きくなるという利点がある。
吸音材は、多孔質構造を有していて吸音効果を有するものであり、多数の連続気泡を有する多孔質構造からなり、該多孔質構造に基づき所定の吸音性能を発揮することができる。吸音材をなす多孔質材料としては、発泡ポリウレタンを用いるのがよく、中でも密度が12〜30kg/mのものを使用するのがよい。吸音材の厚さは、吸音効果や、上記した凹状空隙部6を通過しやすく、また作業のしやすさ等から5〜50mmが好ましく、より好ましくは5〜20mmである。厚さが50mmを超えるほどに厚い場合には、たとえ凹状空隙部6が設けられていても挟み込まれが発生しやすくなるので好ましくない。吸音材の幅Ws(mm)は、タイヤのベルト幅Wb(mm)に対して、Wb−20≦Ws≦Wb+20の関係にあることが好ましい。
本発明者らの知見によれば、図1に示したように、凹状空隙部6の幅Wnは30mm≦Wn≦80mmであり、タイヤ周方向中心角度Hθは30°≦Hθ≦140°であることが重要である。幅Wnが30mmよりも小さいと、挟み込まれ防止効果が弱くなり、吸音材の厚さにもよるが、挟み込まれを発生するケースが生じてくるので好ましくない。また、タイヤ周方向中心角度Hθが30°未満のときも挟み込まれ防止効果が弱くなり、吸音材の幅や厚さにもよるが、挟み込まれを発生するケースが生じてくるので好ましくない。また、タイヤ周方向中心角度Hθは140°を超えると、挟み込まれが発生するケースはほとんどなくなるが、吸音材の容積が減少することになって騒音の低減効果が乏しくなるので好ましくない。タイヤ周方向中心角度Hθのさらに好ましい範囲は、挟み込まれ防止効果と騒音低減効果を安定的にかつバランス良く実現する点から60°≦Hθ≦120°である。
凹状空隙部6を周上に設ける個数は、1周上、1〜3カ所とすることが重要である。通常は、管理されたリム組み工程がなされるという前提で1ヶ所あればよい。2カ所、3カ所と複数箇所に設ける場合にも、上述した1個の凹状空隙部6の好ましい寸法には変わりない。また、凹状空隙部6は、タイヤ幅方向端部の両方に設けてもよく、特に、複数の凹状空隙部6を、サイズを相違させて設ける場合などには、リム組み作業の自由度、被装着タイヤサイズの自由度が増すという利点もある。
また、図2に示したように、帯状吸音材が、そのタイヤ幅方向端部の少なくとも一方に、該帯状吸音材がタイヤ赤道側に折り返された折り返し部7を有することが好ましい。このように折り返し部7を設けると、環状の形態を維持するのにより高い剛性を有することになり、タイヤが直立した停止時などに、吸音材が自重によって座屈するようにタイヤ内周面から剥がれ落ちてくることが良好に防止される。図2に示したように、折り返し部7を設ける幅方向端部は凹状空隙部6を設けた端部と反対側がよい。その方が折り返し部7の効果を十分に発揮できるからである。
折り返し部7のタイヤ周方向長さの合計は、タイヤ組立て後の吸音材周方向長さの50〜100%の範囲内が好ましく、より好ましくは75〜100%である。折り返し部7は、タイヤ幅方向の両端側にあってもよい。またあるいは、タイヤ周方向の位置によって、幅方向の両端部の一方の一部と他方の一部にあって、それらが交互にあるように形成されてもよい。
折り返し部7のタイヤ幅方向長さの合計Wrは、タイヤ組立て後の吸音材総幅Wの10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜85%である。
また、折り返し部7において折り返す向きは、タイヤ半径方向内側あるいは外側のいずれでもよいが、耐久性により優れている点で、図2に示したようにタイヤ径方向内側に向けて折り返すのが好ましい。このように内側に向けて折り返している場合は、該折り返し部が、装着作業者の視覚に直接認識されることから吸音材の表裏を間違えずに装着することもできるので好ましい。
また、折り返し部7は、タイヤ周方向位相において、凹状空隙部6を包含するように設けられているのがよい。図2はその一例を示しているが、凹状空隙部6を設けていることにより該凹状空隙部6の位置の部分で剛性が弱くなっているのを、折り返し部7の存在によって補うことができるからである。
また、図3に示したように、凹状空隙部6が設けられたタイヤ幅方向端部と反対側のタイヤ幅方向端部位置の折り返し部7に、例えば凸状に形成された質量調整部8が設けられていることが好ましい。このように構成すると、凹状空隙部6を設けていることによってタイヤ周方向において質量バランスが崩れるような方向であっても、特に質量調整部8を設けていることによりタイヤ周方向の質量バランスが崩れることなく、乗り心地や耐久性等において優れたタイヤを実現できる。この質量調整部8によって、質量を増加させる場合、その増加量は、凹状空隙部6を設けたことによって減少した質量の50〜150%程度とするのが良く、より好ましくは70〜110%である。
また、帯状吸音材は、図4(a)、(b)に示したように、長さ方向の両先端部10が環状に形成された状態で最外周よりも内側に配されるように一部が重ね合わされることによって、環状が構成されているものが一つの好ましい形態である。
この形態のものは、その重ね合わせ部の重なり度合いの大小を調整して、もともとは同一サイズの帯状吸音材であっても、装着される各種のタイヤサイズに合わせて装着できるという大きな利点がある。その際に、環状の最外径をタイヤトレッド内面の内径と同等かそれよりも小さくして最適径を有する環状として構成することにより、接地部におけるタイヤ変形に伴う吸音材の繰り返し変形による屈曲疲労が効果的に緩和でき、優れた耐久性を実現してタイヤトレッド内面に装着できるのである。この態様のものは、同一サイズの帯状吸音材であっても、各種サイズのタイヤに装着できる点で優れており、その図4(a)に示したタイヤ騒音低減装置の展開図は、図4(b)に1例を示したとおりであり、10が両先端部であり、破線11で示したのが折り返し部7の折り線である。
本発明者らの各種知見によれば、図4に示した態様例において、タイヤ幅方向において、組立て時の吸音材の総幅をW、凹状空隙部6の幅Wn、折り返し部の幅をWr、質量調整部の最大幅をWoとすると、それらが次式(a)を満たす関係にあることが、それらの機能を良好に発揮しつつ、挟み込まれ防止効果と騒音低減効果を安定的かつバランス良く実現し、さらにタイヤユニフォーミティにも優れたタイヤ騒音低減装置を実現できる点で好ましい。
W−Wn>Wr+Wo ………(a)式
帯状の吸音材をタイヤ赤道側に折り返した部分7は、該折り返し部分以外の吸音材の部分と該吸音材の厚み方向に、少なくとも一部が接着され、または留め具によって断続的もしくは連続的に係合されて固定されていることが好ましい。折り返し部を設けた構造をより長い時間にわたり安定して維持するのに効果的だからである。具体的には、例えば、2層の吸音材を貫通するハトメのような留め具または/および接着剤層などにより係合固定することがよい。接着剤はホットメルト系接着剤を用いて、熱接合させるのが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、上述したタイヤ騒音低減装置がトレッド部内周面に装着されて構成されているものである。
図5(a)〜(g)は、いずれも本発明にかかるタイヤ騒音低減装置の他の実施態様を示した斜視図である。
図5(a)〜図5(c)は既に説明した形態である。図5(d)は、凹状空隙部6が直線状のものであり、図5(e)は、凹状空隙部6を切込みを入れて折り返して成形した場合を示したものである。この図5(e)のものは、該部分(凹状空隙部6)の剛性を向上させる効果がある。また、図5の(f)、(g)に示したように、吸音材とは別体の質量調整部12を適宜箇所に貼り付けてもよい。
特に限定されるものではないが、タイヤの形態上、本発明のタイヤ騒音低減装置は、一般に扁平率が50以下の偏平タイヤにおいてその効果を発揮する。特に、扁平率30〜45の偏平タイヤにおいてその効果が顕著である。ただし、吸音材の厚さや吸音材の全幅などの寸法的要素によっても本発明の効果の程度や有無は変わってくるので、凹状空隙部6の幅Wn、タイヤ周方向中心角度Hθなどは、本発明の範囲内で適宜に決定することが重要である。
実施例1、2、3、比較例1
タイヤ騒音低減装置として、以下の実施例1、2、3、比較例1の合計4種のものを製作した。
タイヤ騒音低減装置は、吸音材として帯状の多孔質物質(発泡ポリウレタン(厚さ10mm))を使用し、環状にタイヤ(サイズ225/40R18)内周面上に成形し、タイヤチェンジャーを用いてそれぞれの試験タイヤと18×8Jホイールをリム組みして、そのリム組みの際に、リムフランジとタイヤビード部の間に吸音材を挟み込むか否かの試験を行った。組立て後の吸音材総幅Wは、実施例、比較例のいずれも210mmである。
実施例1は、本発明の図1に示した形態のものであり、凹状空隙部は、Hθ=160°、Wn=50mmのものである。
実施例2は、本発明の図1に示した形態のものであり、凹状空隙部は、Hθ=90°、Wn=50mmのものである。
実施例3は、本発明の図3に示した形態のものであり、凹状空隙部は、Hθ=90°、Wn=50mm、折り返し部の幅Wr=45mm、質量調整部の最大幅Wo=50mmのものである。
比較例1は、環状形成しただけであり、空隙部6、質量調整部、折り返し部などのいずれも有さいものである。
〔評価方法〕
リム組みの際に、リムフランジとタイヤビード部の間に吸音材を挟み込むか否かの評価は、リム組みを20回行って1回でも発生すると「発生した」とした。評価結果は表1に、発生しない場合を「○」印、発生した場合を「×」印で表記した。
また、本発明にかかる試験タイヤ(実施例1〜3)については、ドラム試験(速度60km/h、荷重4.5N)で測定したユニフォーミティについても評価した。評価は、RFVを測定して1次成分を実施例1のタイヤの場合を100とする指数化を行って評価した。該数値が小さいほどユニフォーミティが優れていることを表している。
Figure 0005569166
1:タイヤ
2:ビード部
3:リム
4:タイヤ騒音低減装置(吸音材)
5:リムフランジ
6:タイヤチェンジ時におけるリムフランジ部との挟み込まれを防止するための凹状空隙部
7:折り返し部
8:質量調整部
9:突き合わせ部
10:帯状吸音材の長さ方向の両端部
11:折り返し部7の折り線
12:吸音材とは別体の質量調整部
A:リム組工程の最終段階でタイヤ本体をリムに組込むために押し込む方向
Hθ:凹状空隙部のタイヤ周方向中心角度
W:組立て時の吸音材の総幅
Wn:凹状空隙部の幅
Wo:質量調整部の最大幅
Wr:折り返し部の幅

Claims (7)

  1. 多孔質材料からなる連続した帯状吸音材が環状に成形されてタイヤの内面に設置されるタイヤ騒音低減装置であって、タイヤ幅方向端部の少なくとも一方に、タイヤチェンジ時におけるリムフランジ部との挟み込まれを防止するための、幅Wnが30mm≦Wn≦80mmであり、タイヤ周方向中心角度Hθが30°≦Hθ≦140°である凹状空隙部を、タイヤ1周上1〜3ケ所設けてなることを特徴とするタイヤ騒音低減装置。
  2. 前記帯状吸音材が、そのタイヤ幅方向端部の少なくとも一方に、該帯状吸音材がタイヤ赤道側に折り返された折り返し部を有することを特徴とする請求項1記載のタイヤ騒音低減装置。
  3. 前記折り返し部が、前記凹状空隙部が設けられているタイヤ幅方向端部と反対側のタイヤ幅方向端部に形成されていることを特徴とする請求項2記載のタイヤ騒音低減装置。
  4. 前記折り返し部において、前記凹状空隙部が設けられたタイヤ幅方向端部と反対側のタイヤ幅方向端部位置に質量調整部が設けられていることを特徴とする請求項3記載のタイヤ騒音低減装置。
  5. 前記帯状吸音材は、長さ方向の両端部が最外周よりも内側に配されるように一部が重ね合わされることにより、前記環状が構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置。
  6. タイヤ幅方向において、組立て時の吸音材の総幅をW、凹状空隙部の幅Wn、折り返し部の幅をWr、質量調整部の最大幅をWoとすると、それらが次式(a)を満たす関係にあることを特徴とする請求項4または5に記載のタイヤ騒音低減装置。
    W−Wn>Wr+Wo ………(a)式
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ騒音低減装置が、トレッド部内周面に装着されてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
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