JP5568703B2 - アミド化生成物の調製に有用な酵素を発現させるための細胞株 - Google Patents
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Description
本出願は、2005年6月24日に出願された米国特許仮出願第60/693,612号(その開示は引用により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張するものである。
本発明は、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼ(PAMもしくはα−AE)、またはその2つの触媒ドメインの一方の発現のための組換え発現ベクターおよび細胞株に関する。本発明はまた、X−α−ヒドロキシ−GlyまたはX−NH2(Xは、グリシン基が共有結合し得るカルボニル基を有するペプチドまたは任意の化学的化合物である)へのX−Glyの酵素的変換を触媒するための、かかるPAM(またはその触媒ドメインの一方)の使用に関する。さらに、本発明は、好ましい細胞株の調製に関する。一部のある実施形態では、CHO K1宿主が用いられる。一部のある実施形態では、発現ベクターは、ヒトメタロチオニンIIAプロモーターおよび/またはSV40エンハンサーを含む。
数多くのヒトホルモン、増殖因子、サイトカイン、神経伝達物質、誘導体化脂肪酸および他の重要な生物学的化合物は、その分子構造の実質的な部分としてアミノ酸またはペプチドを有する。多くの疾患は、患者において、これらの生物学的化合物のレベルの上昇に対して陽性に応答する。治療有効量のかかる生物学的に関連性のある化合物は患者に、さまざまな様式で投与され得る。したがって、効率的で費用効果のあるかかる化合物の製造方法は非常に重要である。これは、生物学的化合物が、経口送達用の投薬形態(これは、他の投与様式と比べてバイオアベイラビリティが低いにもかかわらず、通常好ましい投与様式である)に調製される場合、特に言える。
したがって、本発明の目的は、酵素が後に製品の製造(例えば、アミド化医薬品の製造)に使用される場合に問題となり得る哺乳動物型のタンパク質および他の不純物が実質的にない培地中で良好な生存割合および良好な発現収率を有するのに充分強いPAM発現細胞またはPHM発現細胞を提供することである。
さらなる目的は、かかる細胞をトランスフェクトおよび選択するための良好な手法を提供することである。
一実施形態において、本発明は、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼを発現させるための発現ベクターでトランスフェクトされたCHO K1細胞を提供する。
(A)第1、第2および第3の発現ベクターの存在下で、潜在的宿主細胞をトランスフェクトする工程であって、該第1のベクターが、第1の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、該第2のベクターが、第2の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、該第3のベクターが、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼをコードするコード領域を含み、該第1のベクターに対する該第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1であり、該第2のベクターに対する該第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1である工程;
(B)工程(A)で得られた細胞に選択圧をかけ、該第1のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;
(C)工程(B)で得られた細胞に選択圧をかけ、該第2のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;
(D)工程(C)で得られた細胞を限界希釈し、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼを発現する細胞を選択する工程
を含む、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼの発現のための細胞株の調製方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、細胞株UGL 73−26/Mによって発現されるペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼを提供する。
(A)ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼの不純試料を陰イオン交換クロマトグラフィーにかける工程であって、溶出が均一濃度である工程;
(B)工程(A)の溶離液を疎水性相互作用クロマトグラフィーにかける工程であって、硫酸アンモニウムが使用されず、溶出が均一濃度である工程
を含む、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼを発現および培養培地中への分泌後に精製する方法を提供する。
(A)第1、第2および第3の発現ベクターの存在下で、潜在的宿主細胞をトランスフェクトする工程であって、該第1のベクターが、第1の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、該第2のベクターが、第2の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、該第3のベクターが、ペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼをコードするコード領域を含み、該第1のベクターに対する該第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1であり、該第2のベクターに対する該第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1である工程;
(B)工程(A)で得られた細胞に選択圧をかけ、該第1のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;
(C)工程(B)で得られた細胞に選択圧をかけ、該第2のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;
(D)工程(C)で得られた細胞を限界希釈し、ペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼを発現する細胞を選択する工程
を含む、ペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼの発現のための細胞株の調製方法を提供する。
(A)ペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼの不純試料を陰イオン交換クロマトグラフィーにかける工程であって、溶出が均一濃度である工程;
(B)工程(A)の溶離液を疎水性相互作用クロマトグラフィーにかける工程であって、硫酸アンモニウムが使用されず、溶出が均一濃度である工程
を含む、ペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼを発現および培養培地中への分泌後に精製する方法を提供する。
発現されたときPHM活性のみを含むPAM遺伝子の天然に存在する形態の発現
カエルに由来する酵素の一例は、天然に存在するPHM酵素である。Mizunoら(1986),「Peptide C−Terminal a−Amidating Enzyme Purified to Homogeneity From Xenopus laevis Skin」Biochem Biophys.Res.Commun.,137(3)984−991を参照のこと。これは、後に、完全長PAMではなくPHMであることがわかった。Suzukiら(1990),EMBO 9(13)4259−4265を参照のこと。
PAM酵素をPHM活性とPAL活性の間の部位、例えば2塩基性切断部位で切断するため、特異的プロテアーゼが使用され得る。次いで、PHM触媒ドメインが精製によって得られ得る。例えば、Ouafikら,(1992)「The Multifunctional Peptidylglycine a−Amidating Monooxygenase Gene:Exon/Intron Organization of Catalytic,Processing,and Routing Domains」Molecular Endocrinology 6(10)1571−1584には、ラット由来PAM内の2つの触媒ドメインの位置が記載されており、「対の塩基部位での内部タンパク質分解性切断により、2つの触媒ドメインが分離され得る」と記載されている。また、Eipperら(1993),「Peptidylglycine a−Amidating Monooxygenase:A Multifunctional Protein With Catalytic,Processing,and Routing Domains」Protein Science 2,489−497も参照のこと。
代替法として、翻訳停止コドン(TAA、TAG、TGA)が、任意の種由来の任意のPAM cDNA内のPAMの2つの機能ドメイン(PHMおよびPAL)間に導入され得るか、またはリーディングフレームを改変するために、かかる位置内に点変異が導入され得る。
PCRを用い、PHMドメインのみをコードする切断型PAM遺伝子を合成し、プロモーターまたはエンハンサー/プロモーター配列の下流の発現ベクターに配置し得る。
Ohsuye,K.ら,(1988)「Cloning of a cDNA encoding a new C−terminal α−amidating enzyme having a putative membrane−spanning domain」、Xenopus Laevis Biochem.Biophys.Res.Commun.,150(3)1275−1281
Koljekar,A.S.ら,(1997)「Peptidylglycine α−amidating hydroxylating monooxygenase:active site residues,disulfide linkages and tow−domain model of the catalytic core」,Biochemistry 36:13901−13909
Koljekar,A.S.ら,(2002)「Essential features of the catalytic core of Peptidylglycine α−hydroxyglycine α−amidating lyase」,Biochemistry,41:12384−12394
Bertelsen,A.H.ら,(1990)「Cloning and characterization of two alternatively spliced rat α−amidating enzyme cDNAs from rat medullary thyroid carcinoma」,Arch.Biochem.Biophys.,279(1)87−96
Jimenez N.ら,(2003)「Androgen−independent expression of adrenomedullin and peptidylglycine α−amidating monooxygenase in human prostatic carcinoma」,Molecular Carcinogenesis 35:14−24
PAL
天然に存在する形態のPALの発現
PAMの2つの触媒ドメインは、ショウジョウバエと刺胞動物(イソギンチャク)の別々の遺伝子にコードされている。したがって、これらの種に由来するPALをコードする遺伝子は、プロモーターまたはエンハンサー(enchancer)/プロモーター配列の下流の発現ベクターに配置すると、発現され得る。Kolhekar,A.S.ら.(1997)「Neuropeptide Amidation in Drosophila:Separate Genes Encode the Two Enzymes
Catalyzing Amidation」J.Neuroscience 17(4):1363−1376を参照のこと。
完全長の2つの機能を有するPAMを発現させ得、PHMを不活化させるために、PHMドメインとPALドメイン間および/またはPHMドメイン内の特異的プロテアーゼ部位で切断を行ない得る。任意の適当に特異的なプロテアーゼを用い、例えば、2塩基性切断部位でPHM活性をPAL活性から分離し得る。PAL活性/タンパク質は、さらに精製され得る。同様の手順および2塩基性切断部位の位置は、PHMの取得に関して上記に記載している。
PCRを用い、PALドメインのみをコードする切断型PAM遺伝子を合成し、プロモーターまたはエンハンサー/プロモーター配列の下流の発現ベクターに配置し得る。
本発明によるPAM発現細胞株(内部的にはUGL 73−26/M MWCB 00と示す)は、American Type Culture Collection(ATCC),10801 University Boulevard,Manassas Virginia,20110−2209,U.S.A.に、2005年6月10日あたりに、特許手続きのための微生物寄託の国際認識に関するブダペスト条約に従って寄託された。ATCC受託番号はPTA 6784である。この寄託細胞株は、この条約の下に公布された規定に従い、試料は、その時点で、および該条約によって求められる条件下で、ならびに特許法および該条約の調印国の規定に準じて入手可能となる。例えば、本出願またはこれを優先権主張するか、もしくはこれを参照する任意の他の米国特許出願の米国特許が発行された場合、該寄託物質の入手可能性に関するあらゆる制限は、ブダペスト条約または35 U.S.C.§112に求められる程度まで変更不可的に解除される。
該細胞株を作製するために使用される発現ベクターpAE73の創製は、Friedmanら.Bio/Technology 7:359−362(1989)の研究結果を基にした。この論文に記載されたプロセスに従い、本発明者らは、試験用のpAE73発現ベクターの創製を進めた。各ベクターの主要成分は、ヒトメタロチオネインIIA(hMTIIA)プロモーター(pHS1内に位置する、M.Karin氏より受領)、SV40エンハンサー(pSV40由来、ATCC)および本明細書に記載のα−アミド化酵素遺伝子である。
pHS1
pAE73の創製に使用する出発プラスミドは、1990年2月にUCSDのM.Karinから贈与プラスミドpHS1(図1)であった。pHS1は、Dr.Karinの研究室において、pUC8(図2)内にヒトメタロチオネインIIAプロモーターをスプライシングすることにより誘導されたものである。846bpのHind III/Bam H1断片を、pUC8マルチクローニング部位(MCS)のHind III−Bam H1部位内にクローニングした。得られたプラスミドpHS1は、該マルチクローニング部位内に挿入されたヒトメタロチオネインHAプロモーターを有する。
SV40エンハンサーをヒトメタロチオネインプロモーターの上流に挿入することにより、pHS1を発現ベクターpSV401MTまたはpSV402MT(図3)に変換した。SV40 DNA断片は、pSV40プラスミドDNAをHind IIIで消化することにより調製した。1167bpのHind III断片を、pHS1のHind III部位内にクローニングした。SV40エンハンサーは、Hind III DNA断片内に非対称に存在し、したがって、該エンハンサーは、hMTIIAプロモーターに近接して、または遠く離れてのいずれかで位置する。元のプラスミド内のlac Z遺伝子内のものに対するSV40エンハンサー内のBgl I部位の配向により、該プラスミドの配置(designation)が決まる。pSV401MTは、hMTIIAプロモーターから遠く離れたSV40エンハンサーを有し、pSV402MTは、hMTIIAプロモーターに近接したSV40エンハンサーを有する。pSV402MTを、さらなるベクター構築に選択した。
pAE73は、α−アミド化酵素遺伝子(配列番号1)を、pSV402MTのBam H1部位内にクローニングすることにより調製された。2870bpのα−AE遺伝子断片を、Bgl 1およびBam H1 DNA制限エンドヌクレアーゼでのpAE64の消化後に単離した。pAE64プラスミドは、SV40プロモーター/エンハンサーの下流に、可溶性75kDaのPAMタンパク質を発現するように修飾されたPAM遺伝子を含有する。このPAM DNA配列を別のCHO発現細胞株UGL B3/A1−7に使用し、75kDaのPAMタンパク質を発現させた。PAM遺伝子配列の誘導を図4に示す。
AE97(−)16 5’ACTAGTGCGATCGATG 3’
該修飾PAM DNA断片を、発現ベクターpSV402MTのBam H1部位内にクローニングした。2つのBam H1末端を有するPAM DNA断片は、発現ベクター内にセンスまたはアンチセンスのいずれかの配向に連結され得るため、PAM遺伝子の配向を、該プラスミドのEco R1による制限消化マッピングによって調べた。Eco R1部位と該発現ベクター両方におけるPAM遺伝子により、プラスミドDNAの単純な解析が可能になる。正しい配向のPAMを有するプラスミドをpAE73と表示し、そのプラスミドマップを図5に示す。
トランスフェクションおよびクローニング
3種類のプラスミド:pAE73、pSV2neoおよびpSY2dhfrをCHO K1細胞の形質転換に使用した。トランスフェクト細胞によるプラスミドの組込みにより形質転換細胞株の容易な選択が可能となるため、プラスミドpSV2neoおよびpSV2dhfr(ともにATCCから入手)を使用した。また、プラスミドpSV2dhfrは、特に、CHOゲノム内へのSV40プロモーター/dhfr DNAの組込みにより該遺伝子および他の近位遺伝子の選択的増幅が可能となるため選択された。共増幅される遺伝子は、プラスミドpAE73内に担持されたα−アミド化酵素遺伝子であった。CHO K1細胞は、プラスミドDNAのリン酸カルシウム沈殿により形質転換した。プラスミドは、該細胞内にpAE73:pSV2neo:pSV2dhfrが10:1:1の比でトランスフェクトした。100mmdish1つあたり20μgのpAE73を添加した。トランスフェクションの2日後、形質転換細胞のみが生存可能となるように、細胞を、選択圧下、250mg/LのG418を含有する培地中で培養した。この培地中でのCHO細胞の培養では、pSV2neoプラスミドの安定な組込みが必要とされ得る。トランスフェクションの27日後、G418選択培地中でいったん安定な培養が確立されたら、メトトレキサートを該培養培地に添加した。形質転換細胞のG418プールを、100nM、500nM、1μMまたは5μMのメトトレキサートおよび250mg/LのG418を含有する培地中で培養した。2週間後(トランスフェクションの6週間後)、単離した細胞フォーカスは、クローニングシリンダーにより5μMメトトレキサート+G418培地中で培養した細胞から確立され得る。この方法によって、25のフォーカスから細胞株を確立する試みを行なったが、移した後、2つのフォーカスからしか細胞が培養されず、この手法を却下した。限界希釈クローニングを0.5細胞/ウェルで、1μMメトトレキサート+G418を含有する培地中で培養した細胞から同時に開始した。低濃度のメトトレキサートで培養した形質転換細胞は除外した。限界希釈クローニング開始から3週間後、単離物を24ウェルプレートに移し、次いで、2〜3日間以内に増殖のため100mmdishに移した。CHO K1細胞のトランスフェクション開始から10週間後、73−26と表示する単離物のうちの1つを確立した。該細胞株を低温保存し、α−アミド化酵素発現を評価した。73−26は、この時点の6953U/106細胞/日を産生する最良の産生細胞株の1つであった。
73−26の初期クローンを継代し、1μMメトトレキサート+G418を含有する培地中で維持される確立された細胞株を得た。pSV2dhfrプラスミドをトランスフェクションのために選択する目的は、形質転換細胞株を同定するための第2の選択方法が提供されるためだけでなく、細胞を高濃度のメトトレキサートで培養すると、dhfrミニ遺伝子が増幅されることが広く確立されているためであった。Unigene Laboratoriesは、以前に、このプラスミドで形質転換された細胞株を用い、α−アミド化酵素の最大の産生をもたらすのに20〜50μMの濃度のメトトレキサートが必要とされ得ることが示されたことを経験している。α−アミド化酵素細胞株73−26を直接、1μM、20μMまたは50μMのメトトレキサートを含有する培地に分割した。また、すべての培地に、第2の選択方法としてG418も含めた。この細胞株のα−アミド化酵素発現の進行を、種々の時間間隔で表1に示す。
この細胞株の開発の最終目的は、メトトレキサートおよびG418の選択圧なしで安定な方法を開発することである。該細胞株の所望される別の属性は、これが、浮遊培養において比較的高い細胞密度で培養されることであった。該目的を達成するために用いた方法を以下に記載する。
無選択浮遊適合細胞の調製では、UGL 73−26接着細胞を、血清、メトトレキサートおよびG418から離すことが必要とされた。この課題を達成するため、multi prong attack(図5)を開発した。除去のマトリックス(matrix of removal)は、可能な最終の細胞株に対して最後の数の細胞倍加を付加するという最終目的で確立された。将来的な研究開発のため、以前に凍結させた(1991年12月16日)73−26の20μMメトトレキサート細胞株を解凍し、浮遊適合血清無含有無選択細胞株を確立した。50μMメトトレキサートでのPAM活性はいくぶん高かったが、73−26 50μM細胞株の活性培養物を再確立する試みは成功裏でなかった。該細胞株のα−アミド化酵素産生性を、浮遊適合プロトコルを開始する前に評価した(表2)。
新たな73−26細胞株(73−26/K、73−26/L、73−26/M、73−26/N)のバンク登録細胞を解凍し、スピナーフラスコ内で培養した。該細胞株を、週に3回Ex−Cell301培地中で継代することにより維持した。定期的に培地を完全に交換し、酵素産生性の24時間評価をα−AEアッセイによって評価した。細胞株は、80日間まで培養状態で維持した。以前の細胞株B3/A1−7の半連続的バッチプロセスは40日間プロセスであり、該細胞株の産生安定性を評価するため、この手順の長さの2倍を選択した。この研究のデータを表3に示す。この研究過程において、細胞株73−26/Lは第22日〜第40日の間で終わったが、他のすべての細胞株は、80日の期間の最後まで活発に培養された。
特性化研究を、前駆細胞株(73−26)である宿主細胞株(CHO K1)およびUGL 73−26/Mシードバンクにおいて行なった。40個のバイアルのUGL 73−26/Mシードバンクを1998年2月4日に調製した。シードバンクの各バイアルには、90%Ex−Cell 301/10%DMSO中4×106細胞/mLが含まれる。実施した研究はすべて、CHO細胞株がMCBおよびMWCBになる必要があるという結果と整合すると評価された(表4参照)。
予備実験では、該細胞株の産生性が多数の生成では一貫して維持され得ないことが示されたため、バッチ発酵プロトコルを検討した。また、バッチプロトコルは、計画の容易さ、易拡張可能性および劇的なバッチ不成功の結果が少ないという利点を提供する。UGL 73−26/Mの発酵プロセスの開発には、該細胞株の細胞内産生性に影響し得るいくつかのパラメータを検討する必要がある。以下に詳述する発酵開発は、溶存酸素(DO)、pHおよび培地補充を検討する主要な研究を示す。研究されなかった発酵パラメータは、インペラーのRPMおよび発酵温度であった。
スピナーフラスコ内のCHO培養培地の溶存酸素濃度の効果を調べるための実験を行なった。スピナーフラスコには0.1×106細胞/mLを播種した。2つのスピナーフラスコは、250mLTechneスピナーフラスコ内に150mLの培地を入れ、一方、第3のスピナーフラスコには250mLの培地を入れた。すべてのスピナーフラスコにおいて溶存酸素を毎日測定した。α−AEアッセイによるα−AE産生性の評価のため、清澄ならし培地のアリコートを毎日採取した。この研究では、低タンパク質CHO培地(C1707、Sigma−Aldrich)およびタンパク質無含有CHO培地(C5467、Sigma−Aldrich)の2種類の培養培地を使用した。この2種類の培地中で培養したUGL 73−26/Mの直接比較を図7に示す。2つの培養物中の溶存酸素レベルは著しく異なった。150mLのC1707中で培養した細胞は、等容量のC5467培養培地中で培養した細胞よりも、産生された全酵素/mLが少なかった。両培地の初期の溶存酸素濃度は約80%DOで同じであったが、C5467培地の培養物の溶存酸素濃度は、絶対に50%未満にならなかった。C1707培養物のDO含量は、第9日までに50%未満となり、該培養物のピーク活性は2日後であった。これらのデータは、DO含量/細胞バイアビリティ/α−AE産生性間に相関性が存在し得ることを示す。
UGL 73−26/Mの培養培地の最も適切な選択肢の選択を容易にするために設計された研究、またはバイオリアクターの培養条件を規定する際の研究のいずれかの一部として、2種類のCHO培養培地C1707およびC5467(Sigma−Aldrich)を用いて数多くの攪拌培養を開始した。両培養培地は規定されたものであり、C1707は、トランスフェリンが添加された低タンパク質培地であり、C5467は非動物タンパク質培地である。培地はともに、購入時に、終濃度2mMまでL−グルタミンを添加する必要があった。以下の表5に、2つの培地のいずれかを用いたスピナーフラスコの多数のサンプリングのデータを示す。
UGL73−26/Mのバッチ培養物の栄養状態を検討する研究により、培養開始の4〜5日後、培地中のグルコース濃度は、未使用培地のほぼ50%(2g/L)であることが明らかになった。酵素産生性に対するグルコース補充の効果の徹底的な研究を、さらなるグルコースを培養物に添加する一連のスピナーフラスコ実験として行なった。スピナーフラスコには、2g/Lのグルコースを1〜3回、特定の時間間隔で補充した。α−AE産生性に対するグルコース添加の効果を表6に示す。
ならし培地のpHは攪拌槽バイオリアクターでは制御され得るが、スピナーフラスコにおいては対処され得ないプロセス変量の1つである。スピナーフラスコでは、培地成分が消費されるにつれて、および細胞の副生成物が産生されるにつれて、培養物のpHは低下する。150mL(5467s)または250mL(5467sa)のいずれかの容積のUGL 73−26/Mの2つの250mLスピナーフラスコのpHプロフィールを、以下に図9に示す。培養物のpHは、バッチの前半では低下し、次いで培養の後半では上昇した。pHの低下は、おそらく、培養前半での培養物中の乳酸濃度の増大によるものである。培養の最後でのpHの上昇は、細胞が該乳酸を炭素供給源として異化することによるものである。培養物の産生性はpHの低下に影響されない(図8)。
α−AE発現細胞株UGL 73−26/Mの確立後、α−アミド化酵素の至適発現のための臨界パラメータを規定するために一連の実験を行なった。動物タンパク質無含有培地(Sigma,C5467)では、該酵素の高レベルの発現が支持されることが測定された。CHO細胞は、L−グルタミンを終濃度2mMで補充したC5467培地中で、バッチ培養物として培養され得る。しかしながら、該培養物は、その産生性をさらに促進するためには、D−グルコース補充を必要とする。至適グルコース補充は、第5、10および15日目で2g/Lであった。バイオリアクターのDO濃度は70%に維持するのがよく、バイオリアクターのpHは、培地の緩衝能とCHO細胞による培地成分の代謝の関数となるpHに調整されるようにするのがよい。
以下の節に、本発明者らが開発した、UGL 73−26/Mクローンを用いて産生されたPAMの下流精製についてまとめる。代表的な実験のみ(該プロセスの開発作業の論理的な進行を示す)をこの概要に含める。各工程の簡単な説明を示すが、これは、精製プロセスにおけるその工程の機能の記載である。精製実行は、SDS−PAGE(一定タンパク質および一定単位)、PAM活性アッセイならびにBradfordタンパク質アッセイを用いて解析した。実験はすべて、Boonton,NJ試験施設に技術移転する前または直後に完了した。本明細書に記載の方法を用い、PAMバッチ1330−D−1003、1330−D−1004、1330−D−1005、1330−D−1006、1330−1009および1330−1010を製造した。
工程の説明:TFF1工程を用い、クロマトグラフィーの前にCHO細胞ならし培地の濃縮およびダイアフィルトレーションを行なう。ならし培地を濃縮し、ダイアフィルトレーションによって導電率を低下させ、陰イオン交換カラムへの結合を助長する。TFF1工程では、再生セルロースPLCTK 30kDa膜(Millipore)を取り付けたPellicon 2 Moduleを使用する。
工程の説明:陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー工程により、CHO細胞ならし培地からのPAMの全体精製が提供される。該工程では、主に、高分子量タンパク質が除去される。しかしながら、例えば、該酵素の切断型形態などの一部の低分子量タンパク質もまた除去される。該クロマトグラフィー工程では、定常的に、該酵素2〜3倍の精製がもたらされる。活性酵素の回収%は、典型的には50〜75%である。CHO細胞の発酵後、供給原料流中に存在し得るDNAは、該プロセスのこの段階で有効に除去される。
工程の説明:疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程により、AEX工程後に残留するタンパク質不純物の大部分が除去され、さらに2倍の精製がもたらされる。HIC後のSDS−PAGE解析により、少量の低分子量不純物を伴うのメジャーバンドが明らかになった。典型的には、HIC後の活性酵素の回収%は50〜75%である。
TRIS(pH7.0)でストリッピングした。酵素活性は、カラム通過画分または洗浄画分のいずれにおいても確認されなかった。ほぼ50%の酵素活性が10mM TRIS(pH7.0)画分において確認された(NEG:005:064−076)。この実験を、より低い終濃度のクエン酸ナトリウムを用いて繰り返した。この低塩濃度では、酵素を等容量の水で、その後、等容量の20mM TRIS、0.6Mのクエン酸ナトリウム(pH7.0)で希釈した後、10mM TRIS、300mMのクエン酸ナトリウム(pH7.0)で平衡化させた HICカラムに充填した。このカラムをさらなる平衡バッファーで洗浄し、10mM TRIS(pH7.0)でストリッピングした。結果は、本質的に先の実行と同一であり、活性は、通過画分または洗浄画分のいずれにおいても確認されなかった(NEG:008:203−213)。
工程の説明:TFF2を用いて、ウイルス濾過の前に、フェニル−セファロースFFで得られたものの濃縮およびダイアフィルトレーションを行なう。HICで得られたものを直接TFFにさらし、溶出バッファー(25mM TRIS、75mMのクエン酸ナトリウム(pH7.0))中での長期保存による酵素の不活化を最小限に抑える。フェニル−セファロースFFで得られたものをほぼ3倍に濃縮し、ダイアフィルトレーションを行ない、ウイルス濾過に適したバッファー中に酵素を入れ、その後保存する。TFF2工程では、再生セルロースPLCTK 30kDa膜(Millipore)を取り付けた Pellicon 2 Moduleを使用する。
10Lバイオリアクター実行からのCHO細胞ならし培地(500mL)の試料(00107BR、第15日)を8倍に濃縮し、50mM TRIS、0.001%TX−100(pH8.0)に対してダイアフィルトレーションを行なった。TFF1で得られたもののほぼ3分の1を、上記の精製プロセスの規模縮小形態を用いて精製した(NEG:009:219−249)。精製データを表8にまとめる。この精製実行のこの工程収率は、比較的不充分であり、実際、HIC工程後の酵素比活性は低下した。しかしながら、SDS−PAGE解析により、おおむねα−アミド化酵素は、ほぼ75kDaの単一のメジャーバンドに精製されることが示された(図12、レーン10)。ゲルおよびデンシトメトリースキャン(図13)により、酵素の純度は高く(ほぼ純度67%)、低分子量不純物はごく微量しか存在しないことが明白に示された。該酵素は多くの精製バッファー中で経時的に不活化され、したがって、該プロセスの実施は各工程間で遅滞なく進行させなければならない。精製プロセスにおけるばらつきは、全体収率および比活性を低下させる不活性酵素の存在に起因した。より重要なことには、精製および発酵の開発はともに同時進行させ、これにより、観察されたばらつきがある程度説明され得る。該産生規模における工程収率および比活性は、その後、おそらく該プロセスにおいて該物質をより高速で移動させ、画分を速やかにアッセイした結果、ずっと良好になることがわかった。
技術移転のパイロット施設に渡す情報を反映する各プロセス工程の精製手順を以下に詳述する。SDS−PAGEおよびデンシトメトリースキャンを含む代表的な小規模精製実行のデータを、表8および図11および12に含める。
α−アミド化酵素の10L発酵および精製プロセスの概要
いくつかの10L攪拌槽バイオリアクター実行に従って精製α−AEを調製した。α−アミド化酵素を誘導するためのプロセス工程は、上記および図14に示すように、14日間の種菌相、17日間の発酵相および2日間の精製スキームであった。これらの実験で使用した培養培地は、タンパク質無含有CHO培地C5467(Sigma−Aldrich)であった。これらの実行のプロセスの詳細はすべて、適切なバッチの記録を見るとよい。
10L攪拌槽バイオリアクター用の種菌を調製するため、UGL 73−26/M MWCB00のバイアルの1つを解凍した。このクリオバイアルの細胞を取り出し、新鮮培地中に入れた。細胞ペレットを新たな培地中に再懸濁し、C5467 CHO培地を入れたスピナーフラスコに添加した。次の14日間、培養物を、400mLの培地+細胞を入れた4つのフラスコ内に増殖した(種菌スキーム図15を参照)。
10Lのバイオリアクターは、各種菌相の終了時に開始した。バイオリアクターに、未使用タンパク質無含有培地中1×105細胞/mLでL−グルタミン(Sigma,C5467)を播種した。バイオリアクターパラメータを、下記の設定点;温度=37℃、RPM=60、pH=維持するpH設定点なしに設定し、pHは流動的にし(開始時、pHはpH7.5より大きくならなりようにする)、DO設定点は70%DOにする。未使用培地の溶存酸素濃度は、70%より大きくし、バイオリアクターの溶存酸素濃度は70%まで流動的にさせ、次いで、該設定点に維持した。バイオリアクターには、第5、10および14日目に2g/Lのグルコースを補充した。第17日目にならし培地を収集した。収集物質をMillipore Opticap Filterに通して清澄にした。後述する最初の2つの発酵では、第17日目ではなく第18日目に2131−D−1003および2131−D−1004を収集した。培養物の最大細胞密度は第10〜17/18日目の間で達成され、維持された。これらの発酵の平均最大細胞密度は1.5−1.6×106細胞/mLであった(表10パネルB)。培養物のバイアビリティは、培養の最初の14日間で>80%であり、収集した日の平均バイアビリティは76.0%であった(表10パネルA)。培養物の産生性を、収集時、第17/18日目に評価した。平均清澄収集物は378,567単位のα−AE/mLを含んでいた(表10パネルC)。
該精製プロセスは、上記のような5つの異なる工程を有する。清澄収集物を濃縮し、50mM TRIS、0.001%TX−100(pH8.0)に対してダイアフィルトレーションした。酵素物質を平均してほぼ4倍に濃縮した(データ示さず。バッチの記録参照)。このプロセス物質をQ−セファロースカラムに適用し、225mM NaClを含有する50mM TRIS、0.001%Tritonバッファー中でのNaCl段階的勾配に従って溶出した。酵素溶液を50mM TRIS、600mMクエン酸(pH7.0)で希釈し、フェニルセファロースカラムに適用した。α−アミド化酵素をカラムから、クエン酸塩の工程勾配に従って溶出した。酵素物質を最終容量ほぼ1Lまで濃縮した。6つの酵素バッチのうち4つをウイルス除去フィルターに通して処理した。2つのバッチはMillipore NFPフィルターに通して処理し(1330−D−1005および1330−D−1006)、2つのバッチは、Pall Trincor DV50フィルターに通した(1330−1009および1330−1010)。各々のプロセス工程のデータを以下の表11に示す。
高レベルのα−AE活性を発現する安定な充分特性化されたCHO細胞株UGL 73−26/Mが開発された。高レベルの酵素発現は、非動物供給源の低タンパク質含有組織培養培地C5467(Sigma)を用いる17日間のバッチ発酵プロセスにおいて達成される。臨界発酵パラメータ(例えば、pH、DOおよびグルコース濃度など)を検討し、最適化した。また、酵素がほぼ均一に精製され得るロバストな2工程の下流精製プロセスも開発した。この発酵および精製プロセスの一貫性は、製造レベルへの規模拡大に充分適している。
ピルビン酸塩を用いたrhPTH(l−34)Gly35−OHのアミド化
rhPTH(l−34)Gly35−OHのアミド化に用いた成分および終濃度を表12に示す。アミド化の簡単な説明は以下の通りである。
・反応混合物のpHを21mLの2M HClによって5.8に調整した。酸素のスパージングを開始したが、スパージング速度は、反応混合物の過剰な起泡が回避されるように調整した。
この実施例で用いたPAM酵素は、上記のようにして構築し、本明細書においてUGL 73−26/Mと表示する本発明の好ましいCHO K1細胞から発現された。また、この細胞株を用いて上記のATCC寄託物を提供した。
陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー
残留rhPTH(l−34)Gly35−OHからのrhPTH(l−34)−NH2の精製を、CEXクロマトグラフィーを用いて行なった。CEXクロマトグラフィー方法の簡単な説明は以下の通りである。アミド化で得られたものを酸性化して25mM MES(pH 6.5)で平衡化させたToyopearl SP650M(Tosoh Bioscience LLC)カラム(9cm×19cm)上に充填した。カラムを180cm/時で実行し、カラム流出液のUV吸光度を280nmでモニターした。このカラムを25mM MES(pH6.5)で、カラム流出液pHのpHが6.5に戻るまで洗浄した。このカラムを25mM MES,80mM NaCl(pH 6.5)で、洗浄ピークが完全に溶出され、安定なUVベースラインが得られるまで洗浄した。生成物rhPTH(l−34)−NH2をカラムから、25mM MES,200mM NaCl(pH 6.5)で溶出した。UVピークをすべて回収したが、プール基準を決定するため、画分をRP−HPLCによってスクリーニングした。
RPクロマトグラフィーを用い、塩形態のペプチドを塩化物から酢酸塩に交換した;RPクロマトグラフィーでは、ほんのわずかのペプチド精製しかもたらされない。CEXクロマトグラフィーで得られたものを3容量の333mM酢酸ナトリウムで希釈し、充分混合した。混合物は、充填前に室温で75分間放置した。酢酸塩希釈試料を、250mM酢酸ナトリウム(pH7.5)で平衡化させた Amberchrom CG300 M(Tosoh Bioscience LLC)カラム(6cm×17cm)上に充填した。カラムを180cm/時で実行し、カラム流出液のUV吸光度を280nmでモニターした。カラムを250mM酢酸ナトリウム(pH7.5)で60分間洗浄した。カラムを0.1%酢酸中で平衡化させた。生成物rhPTH(l−34)−NH2をカラムから、0.1%酢酸、40%エタノールで溶出した。UVピークをすべて回収した。
RPクロマトグラフィーで得られたものを濃縮し、凍結乾燥によって白色の綿毛様粉末にし、11.8g(アミド化から95%の全体収率)のrhPTH(l−34)−NH2を得た。rhPTH(l−34)−NH2の分子質量は、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)によって4,116.9Daであると決定され、これは、平均分子質量の計算値4,116.8Daと整合した。
Claims (14)
- (A)第1、第2および第3の発現ベクターの存在下で、潜在的宿主細胞をトランスフェクトする工程であって、前記第1のベクターが、第1の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、前記第2のベクターが、第2の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、前記第3のベクターが、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼをコードする核酸と共にコード領域を含み、前記第3のベクターのコード領域は、リボソーム結合部位、プロモータおよびプロモータの上流のSV40エンハンサを含む制御領域に操作可能に連結されており、ここにおいてプロモータは誘導可能なヒトメタロチオニンIIaプロモータを含み、コード領域の開始部位のすぐ上流に位置しており、ここにおいてSV40エンハンサは、誘導可能なヒトメタロチオニンIIaプロモータのすぐ上流に位置しており、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼは、配列番号2に記載のアミノ酸42〜715を含み、ここにおいて前記第1のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1であり、前記第2のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1である工程;
(B)工程(A)で得られた細胞に選択圧をかけ、前記第1のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;
(C)工程(B)で得られた細胞に選択圧をかけ、前記第2のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;ならびに、
(D)工程(C)で得られた細胞を限界希釈し、可溶性のペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼを発現する細胞を選択する工程
を含む、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼの発現のための細胞株の調製方法。 - 前記第1の選択可能なマーカーが、ネオマイシン耐性をコードする遺伝子である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2の選択可能なマーカーが、ジヒドロ葉酸還元酵素をコードする遺伝子である、請求項1に記載の方法。
- メトトレキサートの存在下で工程(D)から得られた細胞を増幅する工程をさらに含み、ここにおいて前記選択可能なマーカーの少なくとも一方がジヒドロ葉酸還元酵素をコードする遺伝子である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも10:1であり、前記第2のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも10:1である、請求項1に記載の方法。
- 前記潜在的宿主細胞がCHO K1細胞を含む、請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法で得られる細胞株。
- (A)第1、第2および第3の発現ベクターの存在下で、潜在的宿主細胞をトランスフェクトする工程であって、前記第1のベクターが、第1の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、前記第2のベクターが、第2の選択可能なマーカーをコードするコード領域を含み、前記第3のベクターが、ペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼをコードする核酸と共にコード領域を含み、前記第3のベクターのコード領域は、リボソーム結合部位、プロモータおよびプロモータの上流のSV40エンハンサを含む制御領域に操作可能に連結されており、ここにおいてプロモータは誘導可能なヒトメタロチオニンIIaプロモータを含み、コード領域の開始部位のすぐ上流に位置しており、ここにおいてSV40エンハンサは、誘導可能なヒトメタロチオニンIIaプロモータのすぐ上流に位置しており、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼは、配列番号2に記載のアミノ酸42〜715を含み、ここにおいて前記第1のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1であり、前記第2のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも3:1である工程;
(B)工程(A)で得られた細胞に選択圧をかけ、前記第1のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;
(C)工程(B)で得られた細胞に選択圧をかけ、前記第2のベクターでトランスフェクトされた細胞を選択する工程;ならびに、
(D)工程(C)で得られた細胞を限界希釈し、可溶性のペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼを発現する細胞を選択する工程
を含む、可溶性のペプチジルグリシンα−ヒドロキシル化モノオキシゲナーゼを発現するための細胞株の調製方法。 - 前記第1の選択可能なマーカーが、ネオマイシン耐性をコードする遺伝子である、請求項8に記載の方法。
- 前記第2の選択可能なマーカーが、ジヒドロ葉酸還元酵素をコードする遺伝子である、請求項8に記載の方法。
- メトトレキサートの存在下で工程(D)から得られた細胞を増幅する工程をさらに含み、ここにおいて前記選択可能なマーカーの少なくとも一方がジヒドロ葉酸還元酵素をコードする遺伝子である、請求項8に記載の方法。
- 前記第1のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも10:1であり、前記第2のベクターに対する前記第3のベクターの濃度比が少なくとも10:1である、請求項8に記載の方法。
- 前記潜在的宿主細胞がCHO K1細胞を含む、請求項8に記載の方法。
- 請求項8に記載の方法で得られる細胞株。
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