JP2018531007A6 - インスリンの製造方法 - Google Patents

インスリンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018531007A6
JP2018531007A6 JP2018515617A JP2018515617A JP2018531007A6 JP 2018531007 A6 JP2018531007 A6 JP 2018531007A6 JP 2018515617 A JP2018515617 A JP 2018515617A JP 2018515617 A JP2018515617 A JP 2018515617A JP 2018531007 A6 JP2018531007 A6 JP 2018531007A6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulin
proinsulin
weight
chromatography
chain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018515617A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018531007A (ja
Inventor
チェ・ソンホ
キム・デジン
キム・チンヨン
キム・サンヨン
チェ・インヨン
クウォン・セチャン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hanmi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Hanmi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hanmi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Hanmi Pharmaceutical Co Ltd
Priority claimed from PCT/KR2016/010713 external-priority patent/WO2017052305A1/en
Publication of JP2018531007A publication Critical patent/JP2018531007A/ja
Publication of JP2018531007A6 publication Critical patent/JP2018531007A6/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

本発明は、高濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させる段階を含む、プロインスリンからインスリンを製造する方法、インスリンを精製する方法及びこれから製造されたインスリンに関する。
【選択図】 図1

Description

本発明の高濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させる段階を含む、プロインスリンからインスリンを製造する方法、インスリンを精製する方法及びこれから製造されたインスリンに関する。
組み換えインスリンの製造方法は、半合成インスリン(semi-synthetic insulin)の製造方法から、二鎖方法(two chain method)を経てプロインスリンからインスリンを製造する方法まで持続的に開発されてきた。
二鎖方法と半合成方法を除いたプロインスリンからインスリンを製造する方法の中で、トリプシン及びカルボキシぺプチダーゼBを用いてプロインスリンをインスリンに転換させる工程は数年間用いられてきた(参考;非特許文献1及び2)。しかし、この方法を用いてインスリンを生産する場合には、一般的なカラムなどの精製方法では除去が難しい不純物、特にB鎖の最後のアミノ酸であるトレオニンが消失されたヒトインスリン[Des‐Thr(B30)インスリン]の形態が条件に応じてその含量は異なるが、ほとんどの条件でインスリン製造の際に生成されるその他の不純物に比べて多量(4〜10%)に形成されると知られている。
半合成方法の場合は、Cペプチドを天然型とは異なって変形させ、トリプシン処理だけでプロインスリン類似体でCペプチドを除去できるようにし、B鎖の最後のアミノ酸であるトレオニンが除去された形態が精製されるようにする。その後、生成されたインスリンのB鎖の最後のアミノ酸にトレオニンエステルを合成により結合させた後、生成されたインスリンエステルとB鎖の最後のアミノ酸であるトレオニンが消失されたヒトインスリン[Des‐Thr(B30)インスリン]形態を分離する方法を用いる。一方、ヒトプロインスリンを中間体として用いる方法の場合には、Des‐Thr(B30)インスリンが酵素転換工程中に多量生成されることにより、その抑制のための試みが存在した。
例えば、特許文献1では、酵素転換工程で2価金属イオンを導入することにより、Des‐Thr(B30)インスリンの生成量を減少させたと報告した。
また、Son YJらの非特許文献3及び特許文献2によると、「 シトラコニル化(citraconylation)」という方法を用いてB30トレオニン付近のB29リジンサイトをブロッキングする反応をさせた後、酵素転換工程を行い、Des‐Thr(B30)インスリンの生成量を減少させたと報告した。
しかし、このような方法は、酵素転換工程の後に行われる精製工程であり、添加剤による潜在的な問題を引き起こしうる。また、工程に前記Des‐Thr(B30)インスリンの精製を防ぐための添加剤の追加及び/または添加剤の除去工程が含まれるべきであるという点で、工程の複雑性を増加させ、後にはコストの増加につながるという問題点がある。
米国登録特許US5457066 米国公開特許第2012−0214964
Krmmler, W., Clark, j., Steiner, D.F., Fed. Proc. 30 (1971) 1210 Kemmler, W., Peterson, J.D., Steiner, D.F.,J. Biol.Chem., 246 (1971) 6788-6791 Biotechnol Prog. 2009 Jul-Aug;25(4):1064-70
このような背景下で、本発明者らはプロインスリンを中間体として用いるインスリン製造方法において、不純物の生成を最小化できる方法を開発しようと鋭意努力した結果、高濃度のプロインスリン試料に酵素転換工程を行う方法を開発した。本発明で開発された前記方法を介してDes‐Thr(B30)インスリンの生成を効果的に減少させうる。
本発明の一つの目的は、高濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させる段階を含む、プロインスリンからインスリンを製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、高濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させて、インスリンを含む試料を製造する段階;及び前記製造された試料を精製工程に適用する段階を含む、インスリンの精製方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、前記方法で製造されたインスリンを提供することにある。
本発明の方法を通じて、不純物が効果的に制御されたインスリン試料を製造することができ、インスリン精製効率を著しく増加させうる。したがって、これを大量のインスリンの製造に適用することで、不純物除去のためのコスト減少が期待できる。
酵素処理時、プロインスリンの濃度条件に応じる不純物の減少効果を分析したグラフである。 酵素処理時、反応温度の条件に応じる不純物の減少効果を分析したグラフである。 酵素処理時、反応pH条件に応じる不純物の減少効果を分析したグラフである。 Des-Thr(B30)インスリンアナログを過量に含むインスリンアナログ試料の逆相クロマトグラフィー分析結果を示す。 純粋に精製されたインスリンアナログの純度を高圧クロマトグラフィーで分析した結果である。(図5a)C18 RP−HPLC 純粋に精製されたインスリンアナログの純度を高圧クロマトグラフィーで分析した結果である。(図5b)C4 RP−HPLC 純粋に精製されたインスリンアナログの純度を高圧クロマトグラフィーで分析した結果である。(図5c)SEC−HPLC
本発明を具現するための一つの様態は、50mg/ml以上の濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させる段階を含む、プロインスリンからインスリンを製造する方法である。
一つの具体例として、前記酵素は、トリプシン、カルボキシぺプチダーゼBまたはこれらの組み合わせである。
他の具体例として、前記プロインスリンの濃度は、50mg/ml〜300mg/mlである。
他の具体例として、前記プロインスリンの濃度は、100mg/ml〜300mg/mlである。
他の具体例として、前記プロインスリンの濃度は、200mg/ml〜300mg/mlである。
他の具体例として、前記トリプシンの比率は、プロインスリンに比べて1/7,500〜1/40,000(weight/weight)である。
他の具体例として、前記トリプシンの比率は、プロインスリンに比べて1/15,000〜1/40,000(weight/weight)である。
他の具体例として、前記トリプシンの比率は、プロインスリンに比べて1/20,000〜1/40,000(weight/weight)である。
他の具体例として、前記トリプシンの比率は、プロインスリンに比べて1/30,000〜1/40,000(weight/weight)である。
他の具体例として、前記カルボキシぺプチダーゼBの比率は、プロインスリンに比べて1/600〜1/20,000(weight/weight)である。
他の具体例として、前記カルボキシぺプチダーゼBの比率は、プロインスリンに比べて1/600〜1/15,000(weight/weight)である。
他の具体例として、酵素反応におけるpHは、6.5〜9.0である。
他の具体例として、酵素反応におけるpHは、7.0〜8.5である。
他の具体例として、酵素反応における温度は、4.0℃〜25.0℃である。
他の具体例として、酵素反応における時間は、4.0時間〜55時間である。
他の具体例として、酵素反応の緩衝液は、1mM〜100mMのTris-HClである。
他の具体例として、酵素反応の緩衝液は、金属イオンを含まない。
他の具体例として、前記プロインスリンまたはインスリンは、アナログ形態である。
他の具体例として、前記方法は、プロインスリンから転換されたインスリンを含む試料をクロマトグラフィーに適用してインスリンを精製する段階をさらに含む。
他の具体例として、前記クロマトグラフィーは、陽イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーである。
他の具体例として、 前記方法は、逆相クロマトグラフィーまたは陰イオン交換クロマトグラフィーをさらに含む。
他の具体例として、前記方法は、プロインスリンから転換されたインスリンを含む試料に陽イオン交換クロマトグラフィーを適用することによってインスリンを精製した後、逆相クロマトグラフィーを行うことをさらに含む。
他の具体例として、前記プロインスリンは、陽イオン交換カラムまたは逆相カラムにより部分精製されたものである。
他の具体例として、前記方法で製造されたインスリンを含む試料は、Des-Thr(B30)インスリン不純物の含量が5%未満である。
本発明を具現するための他の様態は、高濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させて、インスリンを含む試料を製造する段階;及び前記製造された試料を精製工程に適用する段階を含む、インスリンの精製方法である。
一つの具体例として、前記クロマトグラフィーは、陽イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーである。
他の具体例として、前記方法は、プロインスリンから転換されたインスリンを含む試料を陽イオン交換クロマトグラフィーに適用し、続いて逆相クロマトグラフィーを行うことによってインスリンを精製することを含む。
前記目的を具現するための他の様態として、本発明は、前記方法により製造されたインスリンを提供する。
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施様態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は、異なる形態で実施されてもよく、本願に記載された実施様態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施様態は本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
本発明を具現するための一つの様態は、高濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させる段階を含む、プロインスリンからインスリンを製造する方法を提供する。
本発明の方法において、前記プロインスリンは高濃度で用いられてもよい。
具体的に、50mg/ml以上のプロインスリンを酵素転換に用いてもよい。より具体的に、前記方法でプロインスリンの濃度は、50mg/ml〜300mg/ml、具体的には100mg/ml〜300mg/ml、より具体的には200mg/ml〜300mg/mlであってもよいが、これに制限されない。
前記プロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させることは、本発明で酵素転換とも命名される。
前記「酵素転換」とは、A鎖とB鎖の間にCペプチドを含むプロインスリンを酵素を用いてインスリンに転換させることをいう。
本発明で前記酵素転換は、トリプシン、カルボキシぺプチダーゼBまたはこれらの組み合わせから選択されるものを用いて酵素転換しうる。
本発明で、前記トリプシンは、プロインスリンに比べて1/7,500〜1/40,000(weight/weight)の比率、具体的に1/15,000〜1/40,000(weight/weight)、より具体的に1/20,000〜1/40,000(weight/weight)、さらに具体的に1/30,000〜1/40,000(weight/weight)の比率で用いられてもよいが、これに制限されない。
本発明で、前記カルボキシぺプチダーゼBは、プロインスリンに比べて1/600〜1/20,000(weight/weight)、具体的に1/600〜1/15,000(weight/weight)の比率で用いられてもよいが、これに制限されない。
特に、トリプシン及びカルボキシぺプチダーゼBを両方用いる場合に、前述したトリプシン及びカルボキシぺプチダーゼBの比率を互いに組み合わせて用いてもよい。
本発明の酵素転換反応でのpHは、プロインスリンからインスリンの効果的な転換が可能であれば、特にこれに制限されないが、pH6.5〜9.0、具体的に7.0〜8.5であってもよいが、これに制限されない。
本発明の酵素転換反応における温度は、4.0℃〜25.0℃であってもよいが、これに制限されない。
本発明の酵素反応時間は、4.0時間〜55時間であってもよいが、これに制限されない。
本発明の酵素反応の緩衝液は、1mM〜100mMのTris-HClであってもよいが、これに制限されない。
本発明の酵素反応の緩衝液は、金属イオンを含まなくてもよい。
下記では、プロインスリン及びインスリンに対してより詳細に説明する。
本発明で用語、「プロインスリン」は、インスリンの前駆体分子をいう。前記プロインスリンは、インスリンA鎖及びB鎖、そしてその間にCペプチドを含んでもよい。前記プロインスリンはヒトインスリンであってもよい。
本発明で用語、「インスリン」は、体内の血糖を調節する役割を行うタンパク質をいう。
天然型インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンであって、一般的に細胞内のグルコース吸収を促進し、脂肪の分解を抑制して体内の血糖を調節する役割をする。
インスリンは、血糖調節機能がないプロインスリン形態でプロセッシングを経て血糖調節機能を有するインスリンになる。インスリンは、2つのプリペプチド鎖、すなわちそれぞれ21個及び30個のアミノ酸残基を含むA鎖及びB鎖から構成されており、これらは2つのジスルフィド架橋で相互連結されている。天然型インスリンのA鎖及びB鎖は、それぞれ下記配列番号1及び2で表されるアミノ酸配列を含んでもよい。
A鎖:
Gly‐Ile‐Val‐Glu‐Gln‐Cys‐Cys‐Thr‐Ser‐Ile‐Cys‐Ser‐Leu‐Tyr‐Gln‐Leu‐Glu‐Asn‐Tyr‐Cys‐Asn(配列番号1)
B鎖:
Phe‐Val‐Asn‐Gln‐His‐Leu‐Cys‐Gly‐Ser‐His‐Leu‐Val‐Glu‐Ala‐Leu‐Tyr‐Leu‐Val‐Cys‐Gly‐Glu‐Arg‐Gly‐Phe‐Phe‐Tyr‐Thr‐Pro‐Lys‐Thr(配列番号2)
本発明で、プロインスリン及びインスリンは、天然型インスリン及びインスリンアナログの形態をすべて含む概念である。
本発明で、プロインスリンアナログまたはインスリンアナログは、天然型と比較するとき、B鎖またはA鎖のアミノ酸が変異されたものを含む。前記インスリンアナログは、天然型インスリンと同一または天然型インスリンに相応する生体内の血糖調節機能を有しうる。
具体的に、前記プロインスリンアナログまたはインスリンアナログは天然型から少なくても一つ以上のアミノ酸が置換、追加、欠失、修飾及びこれらの組み合わせからなる群から選択される変形が起こったものであってもよいが、これに制限されない。
本発明の実施例で使用されたインスリンアナログは、遺伝子組み換え技術で製作したインスリンアナログであり、前記インスリンアナログは逆方向インスリン、インスリン変異体、インスリン断片などの概念を含む。
これらのインスリンアナログは、天然型インスリンと同一または相応する生体内の血糖調節機能を有するペプチドであって、このようなペプチドはインスリンアゴニスト、インスリン誘導体、インスリン断片、インスリン変異体などをすべて含む。
前記インスリン誘導体は、体内で血糖を調節する機能を有しながら、天然型インスリンのA鎖及びB鎖のアミノ酸配列のそれぞれに対して相同性を示し、アミノ酸残基の一部のグループが、化学的に置換(例えば、α‐メチル化、α‐ヒドロキシル化)、削除(例えば、脱アミン化)または修飾(例えば、N‐メチル化)された形態のペプチド形態を含む。前記インスリン断片は、インスリンに1つ以上のアミノ酸が追加または削除された形態を意味し、追加されたアミノ酸は天然に存在しないアミノ酸(例えば、D型アミノ酸)であってもよく、このようなインスリン断片は体内で血糖を調節する機能を有する。
これらのインスリン変異体は、インスリンとアミノ酸配列が一つ以上異なるペプチドであって、体内で血糖を調節する機能を有する。
本発明のインスリンアゴニスト、インスリン誘導体、インスリン断片及びインスリン変異体でそれぞれ用いられた製造方法は、独立して用いられてもよく、組み合わせも可能である。例えば、アミノ酸配列が一つ以上異なり、N末端のアミノ酸残基に脱アミノ化が導入されたもので、体内で血糖を調節する機能を有するペプチドも、本発明の範囲に含まれる。
具体的に、前記プロインスリンまたはインスリンアナログは、インスリンB鎖の1、2、3、5、8、10、12、16、23、24、25、26、27、28、29及び30番のアミノ酸、A鎖の1、2、5、8、10、12、14、16、17、18、19及び21番のアミノ酸からなる群から選択された一つまたはそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたものであってもよく、より具体的にはB鎖の8、16、23、24、及び25番のアミノ酸;及びA鎖の1、2、14及び19番のアミノ酸からなる群から選択された一つまたはそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたものであってもよい。具体的に、前記記述したアミノ酸で1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上または27以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたものであってもよいが、これに制限されない。
前記記述した位置のアミノ酸残基は、またアラニン、グルタミン酸、アスパラギン、イソロイシン、バリン、グルタミン、グリシン、リジン、ヒスチジン、システイン、フェニルアラニン、トリプトパン、プロリン、セリン、トレオニン及び/またはアスパラギン酸に置換されてもよい。その例として、天然型インスリンA鎖の14番アミノ酸であるチロシンがグルタミン酸に置換されたものであってもよい。
前記アミノ酸の置換または付加の際には、ヒトタンパク質で通常観察される20個のアミノ酸だけでなく、非定型または非自然的発生アミノ酸を用いてもよい。 非定型アミノ酸の商業的な出処には、Sigma-Aldrich、ChemPep及びGenzymepharmaceuticalsが含まれてもよい。このようなアミノ酸が含まれたペプチドと典型的なペプチド配列は、商業化されたペプチド合成会社、例えば、米国のAmerican peptide company、Bachemや韓国のAnygenを通じて合成及び購入可能である。
より具体的に、前記インスリンアナログは下記一般式(1)で表される配列番号3のA鎖、及び/または下記一般式(2)で表される配列番号4のB鎖を含むものであってもよい。また、前記A鎖及びB鎖の配列がジスルフィド結合で相互連結された形態であってもよい。ただし、これに制限されるものではない。
一般式(1)
Figure 2018531007
前記一般式(1)において、
Xaa1 は、グリシンまたはアラニンであり、
Xaa2 は、イソロイシンまたはアラニンであり、
Xaa3 は、チロシン、グルタミン酸、アスパラギン、ヒスチジン、リジン、アラニンまたはアスパラギン酸であり、
Xaa4 は、チロシン、グルタミン酸、セリン、トレオニンまたはアラニンである。
一般式(2)
Figure 2018531007
前記一般式(2)において、
Xaa5 は、グリシンまたはアラニンであり、
Xaa6 は、チロシン、グルタミン酸、セリン、トレオニンまたはアスパラギン酸であり、
Xaa7 は、グリシンまたはアラニンであり、
Xaa8は、フェニルアラニンまたはアラニンであり、
Xaa9は、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニンまたは欠失である。
より具体的に、前記インスリンアナログは、
i)前記一般式(1)でXaa1はアラニンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むか;
ii)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はアラニンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むか;
iii)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はグルタミン酸、アスパラギン、ヒスチジン、リジン、アラニンまたはアスパラギン酸であり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むか;
iv)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はアラニン、グルタミン酸、セリンまたはトレオニンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むか;
v)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はアラニンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むか;
vi)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はグルタミン酸、セリン、トレオニンまたはアスパラギン酸であり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むか;
vii)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はアラニンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むか;
viii)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はアラニンであり、Xaa9はフェニルアラニンであるB鎖を含むものであってもよい。
ix)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はチロシンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9はアラニン、アスパラギン酸またはグルタミン酸であるB鎖を含むものであってもよい。
x)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はグルタミン酸であり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はチロシンであり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9は欠失されたものであるB鎖を含むものであってもよい。
xi)前記一般式(1)でXaa1はグリシンであり、Xaa2はイソロイシンであり、Xaa3はアラニンであり、Xaa4はチロシンであるA鎖及び前記一般式(2)でXaa5はグリシンであり、Xaa6はグルタミン酸であり、Xaa7はグリシンであり、Xaa8はフェニルアラニンであり、Xaa9は欠失されたものであるB鎖を含むものであってもよいが、これに制限されない。
例えば、前記記述した特徴的なアミノ酸配列を含みながら、該当インスリンアナログと70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、さらに具体的には95%以上の相同性を有し、血糖調節機能を有するペプチドも、本発明の範囲に含まれる。
本発明で用語、「相同性」は、天然型タンパク質のアミノ酸配列またはそれをコードするポリヌクレオチド配列との類似度を示すためのもので、本発明のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列と前記のようなパーセント以上の同一の配列を有する配列を含む。このような相同性は2つの配列を肉眼で比較して決定してもよいが、比較対象となる配列を並べて相同性の程度を分析してくれる生物情報アルゴリズム(bioinformatic algorithm)を用いて決定してもよい。前記二つのアミノ酸配列間の相同性はパーセントとして示してもよい。有用な自動化されたアルゴリズムは、Wisconsin Genetics Software Package(Genetics Computer Group、Madison、W、USA)のGAP、BESTFIT、FASTAとTFASTAコンピュータソフトウェアモジュールで利用可能である。
前記モジュールの自動化された配列アルゴリズムは、Needleman&WunschとPearson&LipmanとSmith&Waterman配列の配列アルゴリズムを含む。他の有用な配列に対するアルゴリズムと相同性の決定は、FASTP、BLAST、BLAST2、PSIBLASTとCLUSTAL Wを含むソフトウェアで自動化されている。
前記インスリンアナログは、AG → A、AI→ A、A19Y → A、BG →
A、B23G → A、B24F → A、B25F → A、A19Y → E、A19Y →
N、A14Y → H、A14Y → K、A19Y → E、A19Y → S、A19Y →
T、B16Y → E、B16Y → S、B16Y → T、A14Y → A、A14Y →
D、B16Y → D、B25F → D、B25F → E、A14Y → D/B25F → 欠失及び/またはA14Y → D/B16Y → E/B25F → 欠失のような変異を有してもよいが、これに制限されない(ここで、一番前端に記載されたAもしくはBはインスリンA鎖またはB鎖をいい、記載された数字は該当の鎖におけるアミノ酸番号をいう。後ろに記載されたアルファベットはIUPACに従って命名されるアミノ酸の略語を称する。例えば、G → Aの場合、グリシンがアラニンに置換されたことをいう。)。
本発明に適用できるインスリンアナログの例は、前述したことに制限されるものではなく、当業界に公知の多様なインスリンアナログを本発明の方法に適用しうる。
また、このようなインスリンアナログをプロインスリンアナログで設計して適用することは、当業者に容易な範囲である。
本発明の方法に用いられる前記プロインスリンは、微生物で発現した後、これを部分精製して収得したものであってもよいが、これに制限されない。特に、前記プロインスリンは、陽イオン交換カラムにより部分精製されたものであってもよい。
具体的に、前記プロインスリンは(a)封入体(inclusion body)形態として微生物内で発現した後、これから封入体を分離する段階;(b)分離されたプロインスリンを含む封入体からプロインスリンをリフォールディングする段階;及び(c)前記(b)段階で収得したプロインスリンを精製する段階を含んでもよい。
例えば、前記精製は下記のような過程を介して行われてもよい。
具体的に、封入体形態として微生物内で発酵を介してプロインスリンを発現及び形成させる。微生物内部に形成された封入体を分離するために、高圧細胞破砕装置を用いて微生物の細胞膜を破砕する。細胞膜が破砕された微生物を遠心分離と清浄過程を行い、インスリン前駆体を含む封入体のみを単離及び獲得する。
獲得した封入体ペレットに含まれているインスリン前駆体タンパク質のジスルフィド結合を還元させるためにグリシン溶液緩衝液で還元剤と反応させた後、 カオトロピック補助剤を添加してタンパク質構造を線形化しうる。その後、遠心分離を介して残存物を除去し、低温で蒸留水で希釈してカオトロピック補助剤と還元剤の濃度を下げることにより、正確なインスリン前駆体の構造を有するタンパク質を形成しうる。
その後、正確に形成されたプロインスリンを単離するために、陽イオンまたは陰イオン交換カラムを適用しうる。
本発明の方法は、プロインスリンから酵素転換されたインスリンを含む試料を精製する段階をさらに含んでもよい。
具体的に、プロインスリンから転換されたインスリンを含む試料をクロマトグラフィーに適用してインスリンに適用してもよい。
前記クロマトグラフィーは、インスリンの効果的な精製ができれば、特にその種類に制限されないが、陽イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーであってもよい。
本発明で用語、「陽イオン交換クロマトグラフィー」は、陽イオン交換樹脂を充填したカラムを用いたクロマトグラフィーをいう。前記陽イオン交換樹脂は他の水溶液に添加され、水溶液中の陽イオンとそれ自身の陽イオンを交換する役割をする合成樹脂である。前記陽イオン交換樹脂は当業界で通常に用いられるものを多様に用いてもよく、これに制限されないが、具体的にCOOまたはSO 2−の作用基を有するカラムを用いてもよく、その例としてメチルスルホネート(S)、スルホプロピル(SP)、カルボキシメチル
(CM)、ポリアスパラギン酸、スルホエチル(SE)、スルホプロピル(SP)、ホスフェート(P)またはスルホネート(S)などを有するカラムを用いてもよい。
前記陽イオン交換クロマトグラフィーは平衡化された陽イオン交換カラムに前記試料を適用してインスリンをカラムに結合させた後、溶出緩衝液を用いて溶出させることにより行われてもよい。
前記陽イオン交換カラムの平衡は多様な緩衝溶液を用いて行ってもよく、その例として、シトレート、アセテート、ホスフェート、MOPSまたはMES緩衝液などを用いてもよい。
前記溶出緩衝液は多様な塩溶液を用いて行ってもよく、その例としてNaClまたはKCl塩緩衝液を用いてもよい。前記溶出は線形濃度勾配、またはステップワイズ濃度勾配などの方法を用いてもよいが、前記記述したことに制限されるものではない。
また、インスリンの精製は陽イオン交換クロマトグラフィーを行った後に逆相クロマトグラフィーを行うことを含んでもよい。
前記「逆相クロマトグラフィー」は、極性が低い固定相と極性が大きい移動相の組み合わせを用いて混合物を分離するクロマトグラフィーをいう。
前記逆相クロマトグラフィー樹脂は、当業界で通常に用いられるものを多様に用いてもよく、これに制限されないが、具体的にシリカやポリマーマトリックスに炭素体形態の作用基またはポリマーマトリックス自体が作用基として作用できるカラムを用いてもよく、その例として、C2,C4,C8、C18またはポリスチレン/ジビニルベンゼンなどを有するカラムを用いてもよいが、これに制限されない。
前記逆相クロマトグラフィーは、平衡化されたカラムに前記試料を適用してインスリンをカラムに結合させた後、溶出緩衝液を用いて溶出させることにより行われてもよい。
前記逆相クロマトグラフィーの平衡化は、多様な溶液を用いて行ってもよく、その例としてホスフェート緩衝液またはTFA/TAEなどが含まれた水などを用いてもよい。
前記溶出緩衝液は、多様な有機溶媒溶液を用いて行ってもよく、その例として、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどを用いてもよい。前記溶出が、線形濃度勾配またはステップワイズ濃度勾配などの方法を用いてもよいが、前記記述したことに制限されるものではない。
また、プロインスリン及びインスリンの精製は陽イオン交換クロマトグラフィーを行った後に陰イオン交換クロマトグラフィーを行うことを含んでもよい。
本発明で用語、「陰イオン交換クロマトグラフィー」は、陰イオン交換樹脂を充填したカラムを用いたクロマトグラフィーをいう。前記陰イオン交換樹脂は異なる水溶液に添加され水溶液中の陰イオンとそれ自身の陰イオンを交換する役割をする合成樹脂である。前記陰イオン交換樹脂は当業界で通常に用いられるものを多様に用いてもよく、これに制限されないが、具体的にN+作用基を有しているカラムを用いてもよく、その例として第四級アンモニウム(Q)、第四級アミノエチル(QAE)、ジエチルアミノエチル(DEAE)、ポリエチレンイミン(PEI)、ジメチルアミノメチル(DMAE)またはトリメチルアミノエチル(TMAE)などを有するカラムを用いてもよいが、これに制限されない。
前記陰イオン交換クロマトグラフィーは平衡化された陰イオン交換カラムに前記試料を適用してプロインスリン及びインスリンをカラムに結合させた後、溶出緩衝液を用いて溶出させることにより行われてもよい。
前記陰イオン交換カラムの平衡は多様な緩衝溶液を用いて行ってもよく、その例としてトリス、ビストリス、ヒスチジンまたはHEPES緩衝液などを用いてもよい。
前記溶出緩衝液は多様な塩溶液を用いて行ってもよく、その例としてNaClまたはKCl塩緩衝液を用いてもよい。前記溶出は、線形濃度勾配またはステップワイズ濃度勾配などの方法を用いてもよいが、前記記述したことに制限されるものではない。
また、本発明の酵素反応を用いたインスリン製造のために用いられるプロインスリンは、陽イオン交換カラムまたは逆相カラムに部分精製されたものであってもよいが、これに制限されない。
一方、特にこれに制限されないが、本発明の方法によるとDes-Thr(B30)インスリン不純物の含量が5%未満、具体的に3%未満、より具体的に2%未満、さらに具体的に1%未満でインスリンを製造しうる。
本発明を具現するための他の様態は、高濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換して、インスリンを含む試料製造する段階;及び前記製造された試料を精製工程に適用する段階を含む、インスリンの精製方法を提供する。
前記精製方法は、クロマトグラフィー工程により行われてもよい。
前述したインスリンを含む試料の製造段階、精製段階、クロマトグラフィー工程については前述したとおりである。
本発明を具現する他の様態は、前記方法で製造されたインスリンを提供する。
前記方法及びインスリンについては前述したとおりである。
(実施例)
以下、下記実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、下記実施例は本発明を例示するためのもので、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
実施例1:プロインスリンアナログの発現
T7プロモーター調節下の組み換えプロインスリンアナログの発現を行った。各アナログのインスリンに該当する部分の配列を表1に示した。
Figure 2018531007
Figure 2018531007
Figure 2018531007
Figure 2018531007
Figure 2018531007
Figure 2018531007
Figure 2018531007
Figure 2018531007
それぞれの組み換えインスリンアナログ発現ベクターとしてE.coli BL21-DE3 (E. coli B F-dcm ompT hsdS(rB-mB-) gal λDE3);Novagen)を形質転換した。形質転換方法は Novagen社で推薦する方法を従った。各組み換え発現ベクターが形質転換された各々の単一コロニーを取り、アンピシリン(50μg/ml)が含まれた2×ルリアブロス(LB)培地に接種して37℃で15時間培養した。組み換え菌株培養液と30%グリセロールとが含まれた2×LB培地を1:1(v/v)の比率で混合して各1mlずつクライオチューブに分注し、−140℃で保管した。これを組み換えプロインスリンタンパク質の生産のための細胞ストックとして用いた。
組み換えプロインスリンアナログの発現のために、各細胞ストック1バイアルを溶かして500mlの2×ルリアブロスに接種して37℃で10〜18時間振とう培養した培養液の中で200mlを取って、新鮮な500mlの2×ルリアブロスが入った2つのフラスコにそれぞれ100mlずつ接種して37℃で1〜5時間振とう培養し、これを種培養液として用いた。50L発酵機(MSJ-U2, B.E.MARUBISHI、日本)を用いて種培養液を17Lの発酵培地に接種して初期回分式発酵を始めた。培養条件は37℃の温度、20L/分(1vvm)の空気量、500rpmの攪拌速度及び30%アンモニア水を用いてpH6.70で維持させた。発酵の進行は培養液内の栄養素が制限されたとき、追加培地(feeding solution)を添加して流加培地を進行した。菌株の成長はOD値によりモニタリングし、OD値が100以上で最終濃度500μMのIPTGを導入した。培養は導入した後、約20〜25時間までさらに進行し、培養の終了後、SDS‐PAGEを用いて過発現されたプロインスリンアナログを確認した。プロインスリンアナログが過発現された組み換え菌株は遠心分離機を用いて収穫し、使用時まで−80℃で保管した。
実施例2:組み換えプロインスリンアナログの回収及びリフォールディング
前記実施例1で発現させた組み換えプロインスリンアナログを可溶性の形態に変えるために細胞を破砕してリフォールディングした。細胞ペレット170g(wet weight)を1L溶解緩衝液(50mM Tris−HCl(pH9.0)、1mMEDTA(pH8.0)、0.2M NaCl及び0.5%トリトンX-100)に再浮遊した。微細溶液化プロセッサM−110EH(AC Technology Corp. Model M1475C)を用いて15,000psiの圧力で行い、細胞を破砕した。破砕された細胞溶解物を12,000g、4℃で30分遠心分離して上清液を捨てて、1L洗浄緩衝液(0.5%トリトンX−100及び50mM Tris−HCl(pH8.0)、0.2M NaCl、1mMEDTA)に再浮遊した。12,000g、4℃で30分間遠心分離してペレットを蒸留水に再浮遊した後、同様な方法で遠心分離した。ペレットを取り600mlの緩衝液(1Mグリシン、3.78gシステイン−HCl、pH10.6)に再浮遊し、常温で1.5時間攪拌した。再浮遊された組み換えプロインスリンアナログの回収するためにウレアを添加した後、常温で攪拌した。 可溶化された組み換えプロインスリンアナログをリフォールディングのために4℃で40分遠心分離して上清液を取った後、3〜12Lの蒸留水に蠕動ポンプ(peristaltic pump)を用いて入れながら4〜8℃で17時間以上攪拌した。
実施例3:陽イオン交換クロマトグラフィー精製
エタノールが含まれた20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)緩衝液で平衡化されたSP−FF(GE healthcare、米国)カラムにリフォールディングが終わった試料をpH調整した後に結合させた後、塩化カリウム0.5Mとエタノールが含まれた20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)緩衝液を用いて濃度が0%から100%になるように線形硬度勾配でプロインスリンアナログタンパク質を溶出した。
実施例4:酵素処理によるプロインスリンのインスリンへの転換
実施例1で記載されたアナログの中で8番のアナログを代表として用いて酵素処理によるプロインスリンのインスリンへの転換実験を行った。SP−FFカラムにより溶出されたプロインスリンアナログ試料を最終pH7.0〜8.5に調節した後、濃縮してタンパク質の濃度が5〜300mg/mlがなるようにする。本酵素反応はメーカーのプロトコルに基づいて行われた。500mM Tris−HClに添加されたタンパク質試料にタンパク量の約1/3,900〜1/62,400重量比に該当するトリプシン(Rocheドイツ)と1/644〜1/19,300重量比に該当するカルボキシペプチダーゼB(Roche、ドイツ)を添加した後、約4〜25℃で0〜55時間攪拌した。酵素反応を終了するためにpHを3.5以下に下げた。
実施例5:酵素転換方法における不純物の減少効果の確認
前記実施例4では、Des-Thr(B30)インスリンアナログ不純物を最小化するための最適化された高濃度の条件を確立した。プロインスリンを5mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/mlの各濃度の条件下で、タンパク量の1/3,900〜1/62,400重量比に該当するトリプシンと1/644〜1/19,300重量比に該当するカルボキシペプチダーゼBを添加した後、実施例4で言及した攪拌及び反応終了方法に従って実施し、RP−HPLC(C4)分析法を用いて、各濃度条件下でのDes-Thr(B30)インスリン不純物含有量を確認した。
その結果、Des-Thr(B30)インスリンアナログ不純物はタンパク量の1/3,900〜1/62,400重量比に該当するトリプシンと1/644重量比のカルボキシペプチダーゼBとを処理したときの条件下でプロインスリン5〜50mg/mlの濃度条件で約1.6〜6.4%発生したが、100mg/ml〜300mg/mlの高濃度条件では、発生程度を大幅に下げて約1%前後に発生を抑制することができた(表2及び図1)。
反応温度による最適化時間も0時から36時間以上(最大55時間)までテストし、各温度に応じた温度条件を図2に示した。低温から室温までの温度に応じて反応速度は異なるが、減少効果は同様であることを確認した。pH条件に応じたトリプシンの最適条件も確認し、図3に示した。
Figure 2018531007
また、カルボキシペプチダーゼBの重量比によってもDes-Thr(B30)インスリンアナログ不純物の生成が調節されることを確認した。
これは、トリプシン(1/31,200重量比に該当する)とカルボキシペプチダーゼB(1/644〜1/19,300重量比に該当する)を処理したとき、100mg/mlの高濃度条件で1%前後にDes-Thr(B30)インスリンアナログ不純物の発生を抑制できることを確認した(表3)。
Figure 2018531007
実施例6:陽イオン交換クロマトグラフィー精製
反応が終わった試料を20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)緩衝液で平衡化されたSP−HP(GE healthcare、米国)カラムに再び結合させた後、塩化カリウム0.5Mとエタノールが含まれた20mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)緩衝液を用いた線形濃度勾配を用い、インスリンアナログのタンパク質を溶出した。
実施例7:逆相クロマトグラフィー精製
前記実施例6で得られた試料からインスリンアナログを純粋分離するためにリン酸ナトリウムとイソプロパノールとを含む緩衝液で平衡化された逆相クロマトグラフィーSource30RPC(GE healthcare、米国)に結合させた後、リン酸ナトリウムとイソプロパノールとを含む緩衝液を用いて線形濃度勾配でインスリンアナログのタンパク質を溶出した。
Des-Thr(B30)インスリンアナログを過量(約10%)に含むインスリンアナログの分析はHPLC(図4)で確認し、Des-Thr(B30)インスリン不純物を最小化するための酵素転換工程が適用されて精製された最終的なインスリンアナログの純度と不純物の確認はHPLC(図5)の分析を介して確認した。その結果、主な不純物であるDes-Thr(B30)インスリンアナログと脱アミノ化形態のインスリンアナログは、それぞれ1%未満であり、全体の純度は98.5%以上であった。
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解するべきである。本発明の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

Claims (26)

  1. 50mg/ml以上の濃度のプロインスリンを酵素分解してインスリンに転換させる段階を含む、プロインスリンからインスリンを製造する方法。
  2. 前記酵素が、トリプシン、カルボキシぺプチダーゼBまたはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プロインスリンの濃度が、50mg/ml〜300mg/mlである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記プロインスリンの濃度が、100mg/ml〜300mg/mlである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記プロインスリンの濃度が、200mg/ml〜300mg/mlである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記トリプシンの比率が、プロインスリンに比べて1/7,500〜1/40,000(weight/weight)である、請求項2に記載の方法。
  7. 前記トリプシンの比率が、プロインスリンに比べて1/15,000〜1/40,000(weight/weight)である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記トリプシンの比率が、プロインスリンに比べて1/20,000〜1/40,000(weight/weight)である、請求項2に記載の方法。
  9. 前記トリプシンの比率が、プロインスリンに比べて1/30,000〜1/40,000(weight/weight)である、請求項2に記載の方法。
  10. 前記カルボキシぺプチダーゼBの比率が、プロインスリンに比べて1/600〜1/20,000(weight/weight)である、請求項2及び請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記カルボキシぺプチダーゼBの比率が、プロインスリンに比べて1/600〜1/15,000(weight/weight)である、請求項2及び請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 酵素反応におけるpHが、6.5〜9.0である、請求項1または2に記載の方法。
  13. 酵素反応におけるpHが、7.0〜8.5である、請求項1または2に記載の方法。
  14. 酵素反応における温度が、4.0℃〜25.0℃である、請求項1または2に記載の方法。
  15. 酵素反応における時間が、4.0時間〜55時間である、請求項1または2に記載の方法。
  16. 前記プロインスリンまたはインスリンが、アナログ形態である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記方法が、プロインスリンから転換されたインスリンを含む試料をクロマトグラフィーに適用してインスリンを精製する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記クロマトグラフィーが、陽イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーである、請求項17に記載の方法。
  19. 逆相クロマトグラフィーまたは陰イオン交換クロマトグラフィーを行う段階をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記プロインスリンが、陽イオン交換カラムまたは逆相カラムにより部分精製されたものである、請求項1に記載の方法。
  21. 前記方法で製造されたインスリンを含む試料が、Des-Thr(B30)インスリン不純物の含量が5%未満である、請求項1に記載の方法。
  22. 酵素反応の緩衝液が、1mM〜100mMのTris-HClである、請求項1に記載の方法。
  23. 酵素反応の緩衝液が、金属イオンを含まないものである、請求項1に記載の方法。
  24. (a)請求項1に記載の方法により、インスリンを含む試料を製造する段階;及び
    (b)前記試料をクロマトグラフィー工程に適用する段階を含む、インスリンの精製方法。
  25. 前記クロマトグラフィーが、陽イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーである、請求項24に記載の方法。
  26. 前記試料を逆相クロマトグラフィーまたは陰イオン交換クロマトグラフィーに適用する段階をさらに含む、請求項25に記載の方法。
JP2018515617A 2015-09-24 2016-09-23 インスリンの製造方法 Pending JP2018531007A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR20150135872 2015-09-24
KR10-2015-0135872 2015-09-24
PCT/KR2016/010713 WO2017052305A1 (en) 2015-09-24 2016-09-23 Method of insulin production

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018531007A JP2018531007A (ja) 2018-10-25
JP2018531007A6 true JP2018531007A6 (ja) 2018-12-13

Family

ID=58386604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018515617A Pending JP2018531007A (ja) 2015-09-24 2016-09-23 インスリンの製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20180291077A1 (ja)
EP (1) EP3341405A4 (ja)
JP (1) JP2018531007A (ja)
KR (1) KR20170036643A (ja)
CN (1) CN108473548A (ja)
TW (1) TW201726702A (ja)
WO (1) WO2017052305A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180033105A (ko) * 2016-09-23 2018-04-02 한미약품 주식회사 인슐린 수용체와의 결합력이 감소된, 인슐린 아날로그 및 이의 용도
AU2018239037B2 (en) 2017-03-23 2022-05-26 Hanmi Pharm. Co., Ltd. Insulin analog complex with reduced affinity for insulin receptor and use thereof
KR20190036956A (ko) * 2017-09-28 2019-04-05 한미약품 주식회사 지속형 단쇄 인슐린 아날로그 및 이의 결합체
KR20200080747A (ko) * 2018-12-27 2020-07-07 주식회사 폴루스 인슐린 전구체의 인슐린 효소 전환용 조성물 및 이를 이용하여 인슐린 전구체를 인슐린으로 전환하는 방법
US10799564B1 (en) 2019-05-06 2020-10-13 Baxter International Inc. Insulin premix formulation and product, methods of preparing same, and methods of using same
KR20220031044A (ko) 2019-07-31 2022-03-11 일라이 릴리 앤드 캄파니 릴랙신 유사체 및 이를 사용하는 방법
KR102663243B1 (ko) 2021-08-30 2024-05-03 국립순천대학교산학협력단 트립신 특이적 형광 프로브 및 이의 용도
KR102574341B1 (ko) 2021-08-30 2023-09-04 순천대학교 산학협력단 아미노산 특이적 차단제 및 이의 용도
CN116425884B (zh) * 2023-03-09 2024-04-26 北京惠之衡生物科技有限公司 一种德谷胰岛素的纯化及制备方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3501641A1 (de) * 1985-01-19 1986-07-24 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Verfahren zur gewinnung von insulin-vorlaeufern aus reaktionsgemischen, die bei der faltung von insulin-vorlaeufern aus den entsprechenden s-sulfonaten anfallen
ZA877505B (en) * 1986-10-14 1989-05-30 Lilly Co Eli Process for transforming a human insulin precursor to human insulin
ZA928916B (en) * 1991-11-26 1994-05-18 Lilly Co Eli Tri-arginine insulins
WO1996020724A1 (en) * 1994-12-29 1996-07-11 Bio-Technology General Corp. Generation of human insulin
KR0150565B1 (ko) * 1995-02-15 1998-08-17 김정재 유전자 조환에 의한 사람 인슐린 전구체의 제조 및 이를 이용한 인슐린의 제조방법
CA2464616C (en) * 2001-11-19 2012-07-24 Are Bogsnes Process for preparing insulin compounds
US7790677B2 (en) * 2006-12-13 2010-09-07 Elona Biotechnologies Insulin production methods and pro-insulin constructs
EP2307441B1 (en) * 2008-08-07 2016-03-23 Biocon Limited A process for preparation of insulin compounds
UA91281C2 (ru) * 2008-11-26 2010-07-12 Общество С Ограниченной Ответственностью «Мако» Способ получения рекомбинантного инсулина человека
JP2014534265A (ja) * 2011-11-28 2014-12-18 フェーズバイオ ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド インスリンアミノ酸配列を含む治療薬
WO2013149729A2 (en) * 2012-04-04 2013-10-10 Glucometrix Ag Proinsulin with enhanced helper sequence
PE20191481A1 (es) * 2013-02-26 2019-10-18 Hanmi Pharm Ind Co Ltd Analogo de insulina novedoso y su uso
PE20161153A1 (es) * 2014-01-20 2016-10-27 Hanmi Pharm Ind Co Ltd Insulina de accion prolongada y uso de la misma

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018531007A6 (ja) インスリンの製造方法
JP2018531007A (ja) インスリンの製造方法
JP4856177B2 (ja) アミド化生成物の調製に有用な酵素を発現させるための細胞株
Panda Bioprocessing of therapeutic proteins from the inclusion bodies of Escherichia coli
CN108350056B (zh) 新型胰岛素类似物及其用途
JP2008521415A (ja) カルボキシ末端をアミド化したペプチドの製造方法
JP5909478B2 (ja) インスリン化合物の調製方法
WO2007148345A2 (en) A method of producing biologically active polypeptide having insulinotropic activity
JP6161190B2 (ja) 耐熱性ケラチナーゼ酵素、その製造方法、およびそれをコードするdna
JP2019195327A (ja) 枯草菌(bacillus subtilis)において真正で生物活性を有する塩基性線維芽細胞増殖因子を発現させる方法及び手段
Tomisawa et al. Efficient production of a correctly folded mouse α-defensin, cryptdin-4, by refolding during inclusion body solubilization
EP2831262A1 (en) Secretion of functional insulin glargine directly into the culture medium through over expression of kex2p intracellularly
CN112824527A (zh) 人工设计的赖氨酰内切酶及编码序列和发酵方法
US20160024168A1 (en) Aspart proinsulin compositions and methods of producing aspart insulin analogs
CN113249288B9 (zh) 一种表达glp-1类似物的重组菌及其应用
JPWO2009005140A1 (ja) 組換えC−末端α−アミド化酵素誘導体
WO2017118752A1 (en) Modified enterokinase light chain and its preparation method
CN114073759A (zh) 一种皮肤伤口愈合制剂
KR101814048B1 (ko) 대량 생산이 가능하도록 개선된 경구투여용 트롬보포이에틴 및 이의 대량 생산공정
Kim et al. High cell density cultivation of recombinant Escherichia coli for production of rat procarboxypeptidase B
Na et al. Expression and purification of ubiquitin-specific protease (UBP1) of Saccharomyces cerevisiae in recombinant Escherichia coli
Rao et al. Expression, purification, and characterisation of nesiritide using an E. coli expression system
JP2012180314A (ja) 高活性型のバソヒビン1調製物およびその調製方法
KR20200008826A (ko) 대장균을 이용한 단백질가수분해효소 k의 생산 방법
WO2016034534A1 (en) Lysine rich basic pre-sequences