JP5567930B2 - 鉄筋の連結構造、及び鉄筋の連結工法 - Google Patents
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Description
特許文献2では、鉄筋と繋ぎ鉄筋とを交差状態で固定するためのジョイントクリップを準備しておき、鉄筋コンクリート躯体を施工するに際して、複数の鉄筋を一方向に向けて平行に並べ、これに交差させて繋ぎ鉄筋を、ジョイントクリップを使用して固定することにより一方向メッシュを製作した後、この一方向メッシュを利用して柱又は梁の配筋を行って鉄筋コンクリート躯体を構築する鉄筋コンクリート躯体の施工方法が提案されている。
特許文献3では、基板の一方の鉄筋を嵌める第1嵌合溝が形成され、他方の面に他方の鉄筋を嵌める第2嵌合溝が形成され、両嵌合溝の少なくとも一方の内周面に、鉄筋の凸部と係合することで鉄筋の軸線方向の位置ずれを防止する突起が設けられている鉄筋クリップが提案されている。
特許文献4では、交差する二つの鉄筋を固定するための鉄筋固定用冶具であって、弾力性のある合成樹脂材料からなり一方の鉄筋を強制的にはめ込んでクランプするためのはめ込み用のスリットが形成されたC字形状の第1クランプ部材と、弾力性のある合成樹脂材料からなり他方の鉄筋を強制的にはめ込んでクランプするためのはめ込み用のスリットが形成されたC字形状の第2句ランプ部材とを具え、前記第1及び第2クランプ部材が前記二つの鉄筋の交差状態に応じた交差角度をもって固着されている鉄筋固定用冶具が提案されている。
また、鉄筋を金具に取り付ける際、予め規格化された嵌合溝等に鉄筋を嵌合させる方法では、鉄筋の寸法に応じて異なる金具を用意しなければならないし、鉄筋を嵌合させる際に嵌合溝が拡がるように歪んで嵌め込みが弱くなるおそれがある。
さらにいずれの金具も、一対の鉄筋のいずれに対しても、真っ直ぐな鉄筋の外周形状に応じて曲折した内周面を鉄筋の外周面にあてがう構造からなる。そのため、一の鉄筋に、別の鉄筋を巻き付けるように曲折させて交差させた場合に、この部分で鉄筋を連結しようとしても、曲折させた鉄筋にはうまく対応できなかった。
また、一定の範囲であれば、鉄筋の寸法によらず適応可能な連結金具による鉄筋の連結構造、及び鉄筋の連結工法を提供することを目的とする。
また、一定の範囲であれば、鉄筋の寸法によらず鉄筋同士の連結が可能である。
図1、図2は、本実施形態に係る鉄筋の連結構造を示している。
十字状に交差する鉄筋1、2は、鉄筋1が嵌め込まれる嵌合溝31Aと、鉄筋2にかしめ付けられる鉤爪部34とを備えた連結金具3により、一体的に連結されている。
この鉄筋1、2の外周面上には、コンクリートやモルタルの付着性を高め、引き抜き力に抵抗する力を増すための凹凸状のリブ11、12、21、22が形成されている。
ここで、リブ11、12、21、22のうち、リブ11、21は夫々鉄筋1、2の軸線方向に沿って延びており、リブ12、22は夫々鉄筋1、2の周方向に沿って延びている。
具体的に想定される場面では、鉄筋1は梁主筋や柱主筋を、鉄筋2はこの梁主筋や柱主筋に巻きつけられるスターラップ(あばら筋)やフープ(帯筋)を構成する。
この連結金具3について、連結に用いられる前の状態を図3に示す。
連結に用いられる前の状態において、連結金具3は、断面逆U字形状に屈曲して形成されたクランプ部31と、このクランプ部31の両端部から下方に延び出た延出部32とからなる。
この切欠部33は、奥から入口に向かって広く切り欠かれており、鉄筋2を嵌入させ易くなっている。
また、奥の部分は入口部分よりも深く、また、鉄筋2の外周形状に即して弧状に切り欠かれている。これにより、鉄筋2を切欠部33に嵌入させた状態において、鉄筋2がこの切欠部33から転がり出にくく、鉤爪部34によるかしめ付けの作業等を行いやすい。
また、鉤爪部34は、鉄筋1、2の表面に形成されたリブ11、12、21、22による凹部、あるいは鉄筋1、2自体に食い込み、位置ズレが起きにくいようになっている。
これにより、鉄筋1と鉄筋2が交差する部分が上下から押さえつけられ、鉄筋1と鉄筋2が強固に連結されている。
まず、鉄筋1、2を連結金具3に嵌め込む工程について説明する。
この工程の一例では、図4(a)に示されるように、予め所定の位置で鉄筋1、2を交差させておく。そして、当該鉄筋1、2が交差する箇所から僅かに離れた箇所において、連結金具3の嵌合溝31Aに鉄筋1を嵌め込む。この際、切欠部33が、鉄筋1、2が交差する部分に向くように嵌め込む。
それから図4(b)に示されるように、鉄筋1上において、連結金具3を鉄筋1の軸線方向に沿って摺動させる。
これにより、図4(c)に示されるように、切欠部33に鉄筋2が嵌まり込み、鉄筋1、2が連結金具3に嵌め込まれた状態となる。
この例ではまず、図5(a)に示されるように、鉄筋1、2を交差させる箇所において、連結金具3の嵌合溝31Aに鉄筋1を嵌め込む。
それから、図5(b)に示されるように、連結金具3の切欠部33に鉄筋2を嵌め込む。
これにより、図5(c)に示されるように、連結金具3によって鉄筋1と鉄筋2とが十字状に交差し、鉄筋1、2が連結金具3に嵌め込まれた状態となる。
これにより、図6(b)に示されるように、十字状に交差する部分においてクランプ部31と鉤爪部34により挟み込まれた鉄筋1と鉄筋2は、上方からクランプ部31によって押さえつけられると共に、下方から鉤爪部34によってかしめ付けられ、固定的に連結される。
図7(a)に示されるように、圧着器4は、鉄筋1、2が嵌め込まれた連結金具3を上下から挟み込んで押圧力を加え、鉤爪部34を屈曲させて鉄筋2にかしめ付ける工具である。
この圧着器4は、鉄筋1、2が嵌め込まれた連結金具3を上下から挟み込むコの字形状の圧着部41を具え、内部には、圧着部41により挟み込んだ連結金具3に押圧力を加えるための油圧式圧着器構を備えている。
固定ダイス41aは、図7(b)に示されるように、向かい合う一対の側面部が楕円形状に膨らんだ略直方体形状からなる。この固定ダイス41aには、クランプ部31の形状に即して、側面部が断面逆U字状に貫通して開口すると共に下面側に開口した凹部411が形成されている。
この固定ダイス41aは、圧着部41において、水平方向に自在に回転させることができ、圧着部41に挟み込まれた連結金具3のクランプ部31の向きに応じて、凹部411の向きを合わせることができる。
この可動ダイス41bは、少なくとも連結金具3の鉤爪部34に当接し、この鉤爪部34を押圧する押圧面412を構成する上面が平坦に構成されていればよい。
また、この可動ダイス41bは、油圧式圧着機構を構成するピストンの先端に嵌着されており、ピストンの動きに従って上下する。これにより、固定ダイス41aと可動ダイス41bの間隔を広げたり狭めたりすることができ、圧着部41に挟み込んだ連結金具3に上下から押圧力を加えることができる。
また、リブ11、12、21、22によって形成される鉄筋1、2の表面の凹部に鉤爪部34が食い込むため、連結した鉄筋1、2の位置ズレが起こりにくい。
また、鉤爪部43によるかしめ付けによって鉄筋1、2を連結することから、所定の範囲内であれば、鉄筋1、2の寸法によらず鉄筋1、2同士の連結が可能である。
そして、鉄筋1、2が交差する箇所において、鉄筋1は、鉄筋2と反対側から、嵌合溝31Aに嵌め込まれている。
また、鉤爪部34は、鉄筋1、2が交差する箇所において、鉄筋2が屈曲する箇所を間にして、鉄筋1の反対側から鉄筋2の外周面にかしめ付けられている。
ここでも、既述した圧着器を好適に用いることができるが、可動ダイス41bに替えて、可動ダイス41cを用いる。
可動ダイス41cの全体形状は、可動ダイス41bと同様に、円柱形状からなるが、中央部に円柱形状、あるいは直方体形状ないし立方体形状にくり貫かれた凹部413が形成されている。また、凹部413を取り囲む外縁部分の表面は、鉤爪部34を押圧する押圧面414を構成する。
この際、図12(a)に示されるように、固定ダイス41aを回転させ、クランプ部31の形状に合わせて凹部411をあてがう。
また、鉄筋2の屈曲した箇所に可動ダイス41cの凹部413を向かい合わせる。
この際、鉄筋2の屈曲した部分は、可動ダイス41cの凹部413に収まり、鉤爪部43のかしめ付けの邪魔にならない。
十字状に交差する鉄筋1、2は、鉄筋1が嵌め込まれる嵌合溝51Aと、鉄筋2にかしめ付けられる鉤爪部54とを備えた連結金具5により、一体的に連結されている。
本実施形態においては、連結金具3による連結とは異なり、連結金具5の鉤爪部54が、内側に折り返して鉄筋2にかしめ付けられている。
また、この連結金具5について、連結に用いられる前の状態を図14に示す。
連結金具5は、嵌合溝51Aが形成されたクランプ部51と、切欠部53と鉤爪部54が形成された延出部52からなる。クランプ部51、嵌合溝51A、延出部52、及び切欠部53の構成は夫々、連結金具3のクランプ部31、嵌合溝31A、延出部32、及び切欠部33の構成と同様である。
この鉤爪部54は、鉄筋1と鉄筋2とを連結する際には、図15に示されるように、さらに内側へ折り返され、切欠部52に嵌め込まれた鉄筋2にかしめ付けられる。
そして、鉄筋1、2が交差する箇所において、鉄筋1は、鉄筋2と反対側から、嵌合溝51Aに嵌め込まれている。
また、鉤爪部54は、鉄筋1、2が交差する箇所において、鉄筋2が屈曲する箇所を間にして、鉄筋1の反対側から鉄筋2の外周面にかしめ付けられている。かしめ付けにおいては、連結金具3の場合と異なり、鉤爪部54は内側に屈曲している。
この例では、十字状に交差する鉄筋1、2は、鉄筋1が嵌め込まれる嵌合溝61Aと、鉄筋2を挿通させる挿通孔63と、鉄筋2にかしめ付けられる鉤爪部64とを備えた連結金具6により、一体的に連結されている。
本実施形態においては、鉄筋2が切欠部33に嵌め込まれる、連結金具3による連結とは異なり、連結金具6に形成された挿通孔63に鉄筋2が挿通されている。
また、この連結金具6について、連結に用いられる前の状態を図19に示す。
連結金具6は、嵌合溝61Aが形成されたクランプ部61と、挿通孔63と鉤爪部64が形成された延出部62とからなる。クランプ部61、嵌合溝61A、及び鉤爪部64の構成は夫々、連結金具3のクランプ部31、嵌合溝31A、及び鉤爪部34の構成と同様である。なお、鉤爪部64は、連結金具5の鉤爪部54のように、内側に折り返されたものであってもよい。
なお、鉤爪部64を鉄筋2にかしめ付ける工程は、連結金具3、5による連結工程において既述した工程と同様に行うことができる。
11、12、21、22 リブ
3、5、6 連結金具
31、51、61 クランプ部
31A、51A、61A 嵌合溝
32、52、62 延出部
33、53 切欠部
34、54、64 鉤爪部
4 圧着器
41 圧着部
41a 固定ダイス
41b、41c 可動ダイス
411、413 凹部
412、414 押圧面
63 挿通孔
Claims (7)
- 一枚の金属板を成形してなり、略十字状に重ねて交差させた断面略円形の第一の鉄筋と第二の鉄筋とを連結する金具であって、当該第一の鉄筋の外周面に沿って弧状に折曲した断面逆U字状のクランプ部の内側に形成された嵌合溝と、当該クランプ部の両端から夫々延出した延出部の両端部において、外側又は内側に向かって折り返して形成された一対の鉤爪部と、を有する連結金具により、
上記第一の鉄筋と第二の鉄筋とを連結させる鉄筋の連結構造であって、
上記第一の鉄筋と第二の鉄筋は、夫々が交差する部分において、上記クランプ部と上記鉤爪部とにより挟み込まれており、
上記第一の鉄筋が、上記嵌合溝に嵌め込まれ、
上記連結金具の一対の鉤爪部が、上記第二の鉄筋の外周面にかしめ付けられて、当該第二の鉄筋の外周面に食い込むと共に、上記クランプ部との間に上記第一の鉄筋と第二の鉄筋が交差する部分を上下から押さえ付ける、
ことを特徴とする鉄筋の連結構造。 - 上記クランプ部の両端部から上記鉤爪部にかけて延出する延出部には夫々、上記第二の鉄筋を嵌入させるための切欠部が形成されている、
請求項1記載の鉄筋の連結構造。 - 上記第一の鉄筋は上記第二の鉄筋に比して長径である、
請求項1又は2記載の鉄筋の連結構造。 - 上記第一の鉄筋及び第二の鉄筋は、異形鉄筋である、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の鉄筋の連結構造。 - 上記第二の鉄筋は、上記第一の鉄筋と交差する箇所において、上記第一の鉄筋を内側にして屈曲しており、
上記第一の鉄筋と上記第二の鉄筋が交差する部分において、上記連結金具の一対の鉤爪部が、上記第二の鉄筋が屈曲する箇所を間にして、上記第二の鉄筋の外周面にかしめ付けられている、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の鉄筋の連結構造。 - 一枚の金属板を成形してなり、略十字状に重ねて交差させた断面略円形の第一の鉄筋と第二の鉄筋とを連結する金具であって、当該第一の鉄筋の外周面に沿って弧状に折曲した断面逆U字状のクランプ部の内側に形成された嵌合溝と、当該クランプ部の両端から夫々延出した延出部の両端部において、外側又は内側に向かって折り返して形成された一対の鉤爪部と、を有する連結金具により、
上記第一の鉄筋と第二の鉄筋を、夫々が交差する部分において、上記クランプ部と上記鉤爪部とにより挟み込み、上記第一の鉄筋と第二の鉄筋とを連結させる鉄筋の連結工法であって、
上記第一の鉄筋を、上記嵌合溝に嵌め込む工程と、
上記連結金具の一対の鉤爪部を、上記第二の鉄筋の外周面にかしめ付けて、当該第二の鉄筋の外周面に食い込ませると共に、上記クランプ部との間に上記第一の鉄筋と第二の鉄筋が交差する部分を上下から押さえ付けさせる工程と、を有する、
ことを特徴とする鉄筋の連結工法。 - 上記クランプ部の外周面形状に即した凹部が形成され、当該凹部に上記クランプ部が嵌め込まれた上記連結金具を押圧する第一のダイスと、平坦な押圧面を有し、当該押圧面に上記鉤爪部が当接させられた上記連結金具を押圧する第二のダイスと、当該第一のダイスと当該第二のダイスとの間に挟み込んだ連結金具に押圧力をかける圧着機構とを有し、上記鉤爪部を上記第二の鉄筋にかしめ付けるための圧着器を用いて行われ、
上記第一の鉄筋が上記嵌合溝に嵌め込まれたクランプ部を上記第一のダイスの凹部に嵌め込む工程、をさらに有し、
上記連結金具の鉤爪部を、上記第二の鉄筋の外周面にかしめ付ける工程が、上記鉤爪部に上記第二のダイスの押圧面を当接させた上、上記圧着機構によって、上記第一のダイスと上記第二のダイスとで、上記第一の鉄筋と上記第二の鉄筋とが嵌め込まれた連結金具を押圧することにより行われる、
上記請求項6記載の鉄筋の連結工法。
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