JP5563994B2 - チャノホソガの交信撹乱剤 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、茶の重要害虫チャノホソガの交信撹乱剤及び交信撹乱方法を提供しようとするものである。
更に、本発明者らは、交信撹乱剤としての防除効果を野外誘引試験により調査したところ、(E)−11−ヘキサデセナール、(Z)−11−ヘキサデセナール、(E)−11−ヘキサデセノールの3成分を含んでなる交信撹乱剤にチャノホソガの三角巻葉の形成を抑制する効果、すなわち防除効果があることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、具体的には、(E)−11−ヘキサデセナール、(Z)−11−ヘキサデセナール、及び(E)−11−ヘキサデセノールを少なくとも含んでなるチャノホソガの交信撹乱剤を提供する。(E)−11−ヘキサデセノールは、(E)−11−ヘキサデセナールに対して好ましくは1〜100質量%含まれる。また、本発明は、この交信撹乱を設置するステップを少なくとも含むチャノホソガの交信撹乱方法を提供する。
(E)−11−ヘキサデセナールと(Z)−11−ヘキサデセナールの割合は、非特許文献3と同様に質量比で好ましくは9:1から5:5であり、その際添加する(E)−11−ヘキサデセノールの量は、(E)−11−ヘキサデセナールに対して好ましくは1〜100質量%である。
(E)−11−ヘキサデセナールと(Z)−11−ヘキサデセナールの質量比が9:1から5:5の範囲が好ましいのは、その範囲を外れると交信撹乱剤としての性能が低下するからである。一方、(E)−11−ヘキサデセノールの含有量が(E)−11−ヘキサデセナールに対して1〜100質量%とすることが好ましいのは、1質量%未満では添加量が少なく過ぎて交信撹乱効果が改善されない場合があり、100質量%を超えて添加しても交信撹乱効果は変わらないからである。
例えば、日本国特許第3340517号公報に記載の方法により、(Z)−3−オクテニルクロリドについて異性化反応を行い、(E)/(Z)−3−オクテニルクロリドを得る。E体とZ体の質量比は、異性化剤の量を制御することによって所望の範囲に設定できる。その後、金属マグネシウムと反応させ、相当するグリニヤール試薬を調製した後、1−ブロモー4−クロロブタンと反応させ、(E)/(Z)−7−ドデセニルクロリドを得る。次いで、(E)/(Z)−7−ドデセニルクロリドと金属マグネシウムを反応させ、相当するグリニヤール試薬を調製した後、1−ブロモー3−クロロプロパンと反応させ、(E)/(Z)−10−ペンタデセニルクロリドを得る。最後に、(E)/(Z)−10−ペンタデセニルクロリドと金属マグネシウムを反応させ、相当するグリニヤール試薬を調製した後、オルト蟻酸トリエチルと反応させ、加水分解して、(E)/(Z)−11−ヘキサデセナールを得ることができる。
例えば、市販の(Z)−11―ヘキサセデニルアセタートの異性化及び加水分解反応を実施して得られる。また、(E)−11−ヘキサデセノールの幾何純度は、本発明の撹乱剤にとって重要ではなく、(E)−11−ヘキサデセノールと(Z)−11−ヘキサデセノールの混合物であってもよい。好ましくは、E体単独又はE/Z質量比が10:0〜5:5である。
<(E)−11−ヘキサデセナール及び(Z)−11−ヘキサデセナールの準備>
日本国特許第3340517号公報に記載の方法により、(Z)−3−オクテニルクロリドについて異性化反応を行い、(E)/(Z)−3−オクテニルクロリドを得た。その後、無水テトラヒドロフラン中で、常法通り金属マグネシウムと反応させ、相当するグリニヤール試薬を調製した後、1−ブロモー4−クロロブタンと反応させ、(E)/(Z)−7−ドデセニルクロリドを得た。次いで、(E)/(Z)−7−ドデセニル=クロリドと金属マグネシウムを同様に無水テトラヒドロフラン中で反応させ、相当するグリニヤール試薬を調製した後、1−ブロモー3−クロロプロパンと反応させ、(E)/(Z)−10−ペンタデセニルクロリドを得た。最後に、(E)/(Z)−10−ペンタデセニルクロリドと金属マグネシウムを同様に無水テトラヒドロフラン中で反応させ、相当するグリニヤール試薬を調製した後、オルト蟻酸トリエチルと反応させたのち、20質量%塩酸で加水分解を実施し、蒸留して、(E)/(Z)−11−ヘキサデセナールを得て、これを試験に供した。実施例1〜3及び比較例1では(E)/(Z)の質量比9:1、実施例4〜5及び比較例3では(E)/(Z)の質量比7:3を用いたが、(E)/(Z)質量比の調節は、異性化反応の際、異性化剤の添加量を制御することにより行なった。
市販の信越化学工業社製(Z)−11―ヘキサセデニルアセタートを上記と同様に異性化反応を実施した後、メタノール中で、水酸化ナトリウムで加水分解反応を行い、蒸留して、(E)/(Z)−11−ヘキサデセノールとして調製した。(E/Z質量比=77/23)
実施例1〜3、比較例1〜2
(E)−11−ヘキサデセナール(以下、「E11−16:Ald」とも略す。)と(Z)−11−ヘキサデセナール(以下、「Z11−16:Ald」とも略す。)の質量比9:1の混合物を円筒状のイソプレンより成るゴムキャップ(WEST社製Sleeve stopper)の内側の空隙に注ぎ込み担持させ、白色粘着型デルタトラップ(サンケイ化学社製SEトラップ、縦29cm×横32cm×高さ8cm)に取り付けた。同じものを3個用意し、それらをチャノホソガの発生が認められる茶畑に5m間隔で設置した。トラップに誘引されたチャノホソガ雄成虫の数を6日間続けて数え、その平均値を表1に示した(比較例1)。
同時期、同種の茶を有する近接する茶畑、上記混合物に、(E)−11−ヘキサデセナールに対して(E)−11−ヘキサデセノール(以下、「E11−16:OH」とも略す。)を1質量%添加したトラップ(実施例1)、10質量%添加したトラップ(実施例2)、100質量%添加したトラップ(実施例3)を作製し、比較例1と同様に設置し、トラップに誘引されたチャノホソガ雄成虫の数を6日間続けて数え、その平均値を表1に示した。
なお、比較例2は、ブランクであり、比較例1と同様に設置し、トラップに誘引されたチャノホソガ雄成虫の数を6日間続けて数え、その平均値を表1に示した。
表1において、S.E.は標準誤差を示し、その後ろに同じアルファベットが付された場合は、Tukeyの多重検定(multiple range test)に基づき、棄却率1%で有意差が無いことを示す。
(E)−11−ヘキサデセナールと(Z)−11−ヘキサデセナールの質量比7:3の混合物90mgをポリエチレン細管に封じ込んだ交信撹乱剤(比較例3)、(E)−11−ヘキサデセナールと(Z)−11−ヘキサデセナールの質量比7:3の混合物90mgに、(E)−11−ヘキサデセナールに対して10質量%の(E)−11−ヘキサデセノールを添加してポリエチレン細管に封じ込んだ交信撹乱剤(実施例4)を準備し、チャノホソガのほぼ同程度に発生している3アールの茶畑に、これらの交信撹乱剤を250本/10アールの割合で処理した。その2ヵ月後、それぞれの交信撹乱剤を処理した茶畑に加え、撹乱剤を処理していない茶畑(比較例4)の三角巻葉数を調査した。その結果を表2に示す。
(E)−11−ヘキサデセナールと(Z)−11−ヘキサデセナール)の質量比7:3の混合物90mgに、(E)−11−ヘキサデセナールに対して10質量%の(E)−11−ヘキサデセノールを添加してポリエチレン細管に封じ込んだ交信撹乱剤を準備し、1ヘクタールといった大きな面積の茶畑に、この交信撹乱剤を250本/10アールの割合で処理した(実施例5)。その2ヵ月後、それぞれの交信撹乱剤を処理した茶畑に加え、撹乱剤を処理していない茶畑(比較例5)の三角巻葉数を調査した。その結果を表3に示す。
Claims (3)
- (E)−11−ヘキサデセナールと、(Z)−11−ヘキサデセナールと、前記(E)−11−ヘキサデセナールと前記(Z)−11−ヘキサデセナールの混合物の性フェロモン活性を阻害する(E)−11−ヘキサデセノールとを少なくとも含んでなるチャノホソガの交信撹乱剤。
- 上記(E)−11−ヘキサデセナールと上記(Z)−11−ヘキサデセナールの質量比が9:1から5:5であり、上記(E)−11−ヘキサデセノールが、上記(E)−11−ヘキサデセナールに対して1〜100質量%含まれる請求項1に記載の交信撹乱剤。
- 請求項1又は請求項2に記載の交信撹乱剤を設置することを少なくとも含むチャノホソガの交信撹乱方法。
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