JP5563863B2 - 減衰力可変式ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、減衰力を可変制御できる減衰力可変式ダンパに関する。
減衰力可変式ダンパとしては、ダンパオイルの流路中に配置されたバルブを電磁ソレノイドによる磁気の吸引力で開閉し、ダンパの減衰力を変化させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−275126号公報
従来の減衰力可変式ダンパでは、引き行程と押し行程の行程切替時に衝撃荷重が発生し、異音を発生させる場合があった。
そこで、本発明は、引き行程と押し行程の行程切替時の衝撃荷重の発生を抑制可能な減衰力可変式ダンパを提供することを目的とする。
本発明は、筒状のシリンダと、前記シリンダにスライド可能に取付けられ前記シリンダを二つの室に区画するピストンと、前記ピストンに設けられ前記二つの室を連通させるポート孔と、前記ポート孔を開閉し流動するダンパオイルの流れを制御する板状のバルブと、前記バルブの開弁圧を可変する電磁ソレノイドとを備えた減衰力可変式ダンパにおいて、前記バルブは、前記ピストンに接することで前記ポート孔を閉じ、前記ピストンから離れることで前記ポート孔を開ける開閉部と、前記開閉部を開閉自在に支持する支持部と、前記開閉部の外周を囲むように当該開閉部から独立して設けられて前記支持部に連なる環状の外周固定部と、前記ピストンと前記外周固定部との間に介在させて前記開閉部との干渉を避けるように設けられ、前記ピストンと前記開閉部との間に隙間を形成するための環状の段部とを有し、前記開閉部及び支持部は、前記ピストンの直径を通る直線を挟んでこの直線の両側に設けられ、前記開閉部は、前記電磁ソレノイドに通電されておらず、かつ、前記二つの室の間に差圧が生じていない状態では、前記ポート孔を開けていることを特徴としている。
減衰力可変式ダンパにおいて、引き行程と押し行程を実施した場合を考える。引き行程では、シリンダ内に設けられた二つの室の上室の方が下室より圧力が高くなり、ダンパオイルが上室から下室へポート孔を経由して流れ、押し行程では、上室より下室の方の圧力が高くなり、下室から上室へポート孔を経由して、引き行程とは逆方向に流れることになる。そして、バルブは、2箇所に配置することができる。1箇所目はピストンの上室側であり、2箇所目はピストンの下室側である。
バルブをピストンの上室側に配置すると、引き行程では、下室(ポート孔)より高い上室の圧力によって、バルブの開閉部は、ピストンに圧接してポート孔を閉じ、ダンパオイルの上室から下室への流れを止め、押し行程では、上室より高い下室(ポート孔)の圧力によって、バルブの開閉部は、ピストンから離れてポート孔を開き、ダンパオイルを下室から上室へ流す。電磁ソレノイドは、押し行程で、このピストンから離れうる開閉部(バルブ)をピストン側から吸引・吸着することで開弁圧を高めることができ、通電する電流を増減させることで、開弁圧を増減させることができる。そして、開弁圧の増減によりダンパオイルのポート孔内の流れを抑制する程度を変え減衰力を可変させることができる。
バルブをピストンの下室側に配置すると、引き行程では、下室より高い上室(ポート孔)の圧力によって、バルブの開閉部は、ピストンから離れてポート孔を開き、ダンパオイルを上室から下室へ流し、押し行程では、上室(ポート孔)より高い下室の圧力によって、バルブの開閉部は、ピストンに圧接してポート孔を閉じ、ダンパオイルの下室から上室への流れを止める。そして、電磁ソレノイドは、引き行程で、開弁圧を増減させ、減衰力を可変させることができる。
次に、引き行程と押し行程とを切り替える際(行程切替)について考察する。具体的には、ピストンの上室側に配置されたバルブについて、引き行程から押し行程への行程切替を例に説明する。ピストンの上室側に配置されたバルブは、引き行程では、上室の方が下室より圧力が高くなり、ポート孔を閉じ、押し行程では、上室より下室の方の圧力が高くなり、ポート孔を開く。そして、従来であれば、行程切替の際は、ピストンは停止しても、切り替わる前のダンパオイルのゆっくりとした流れが慣性により維持され、押し行程のスタートの瞬間まで、上室の方が下室より圧力が高い状態が継続されるので、バルブはポート孔を閉じたままであったと考えられた。このため、押し行程のスタートの瞬間にも、本来であれば押し開かれるはずの開弁圧に達してもバルブは開かれず、下室の圧力は上室の圧力を超えようと急上昇し、さらにオーバーシュートしたと考えられた。この下室の圧力の急上昇が衝撃荷重となり異音を発生させていたと考えられた。
本発明によれば、環状の段部が、ピストンとバルブの外周固定部との間に介在させて設けられており、ピストンと開閉部との間に隙間が形成されているので、少なくとも、電磁ソレノイドに通電されておらず、かつ、二つの室の上室と下室の間に差圧が生じていないという状態で、開閉部が前記ポート孔を開けることができるだけでなく、さらに、上室と下室の間に、ポート孔を閉じる傾向の差圧が生じている状態でも、開閉部は、ポート孔を開けることができる。例えば、行程切替の際に、ポート孔が開けられれば、上室と下室の圧力差の発生が抑制されるので、低圧側の室の圧力が急上昇することも無い。このため、衝撃荷重の発生は抑制され、異音の発生を抑えることができる。
さらに、開閉部及び支持部は、ピストンの直径を通る直線を挟んでこの直線の両側に設けられている。また、環状の段部は、開閉部との干渉を避けるように設けられている。すなわち、支持部と開閉部との間隔が離れており、かつ、開閉部とポート孔との間に隙間を形成するための障害物が一切存在しない。そのため、開閉部がポート孔を確実に閉塞することができる。その結果、開弁圧を高めることができるため、衝撃が生じた際の減衰力を増加させることができると共に、減衰力の可変幅を広げることができる。
また、本発明では、前記バルブは、前記開閉部と前記支持部との間で屈曲し、前記開閉部が前記ポート孔を閉じた際に、前記ポート孔周辺の前記ピストンの端面と面接触することが好ましい。
これによれば、段部によりピストンと開閉部(バルブ)との間に隙間を形成しても、開閉部がピストンに接してポート孔を閉じる際には、開閉部(バルブ)は、ピストンの端面と平行になり、ポート孔周辺のピストンの端面に面接触するので、確実にポート孔を閉塞でき、開弁圧を高め、減衰力を増加させることができる。そして、減衰力の可変幅を広げることができる。
また、本発明では、前記ポート孔周辺の前記ピストンの端面は、前記支持部周辺の前記ピストンの端面に対して傾斜した傾斜面であり、
前記開閉部が前記ポート孔を閉じた際に、前記傾斜面は、前記バルブと面接触することが好ましい。
これによれば、段部によりピストンと開閉部(バルブ)との間に隙間を形成しても、開閉部がピストンに接してポート孔を閉じる際には、開閉部(バルブ)は、ポート孔周辺のピストンの端面と平行になり、ポート孔周辺のピストンの端面に面接触するので、確実にポート孔を閉塞でき、開弁圧を高め、減衰力を増加させることができる。そして、減衰力の可変幅を広げることができる。
本発明によれば、引き行程と押し行程の行程切替時の衝撃荷重の発生を抑制可能な減衰力可変式ダンパを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る減衰力可変式ダンパを備えたダンパユニットの断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る減衰力可変式ダンパのピストン周りの拡大図である。 バルブの平面図である。 シム(段部)の平面図である。 第1の実施形態の減衰力可変式ダンパのストロークに対する減衰力のリサージュ波形である。 従来の減衰力可変式ダンパのストロークに対する減衰力のリサージュ波形である。 引き行程における第1の実施形態の減衰力可変式ダンパの状態を示す断面図である。 引き行程後の行程切替における第1の実施形態の減衰力可変式ダンパの状態を示す断面図である。 通電した引き行程後の行程切替における第1の実施形態の減衰力可変式ダンパの状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る減衰力可変式ダンパのピストン上部周りの拡大図であり、(a)は電磁ソレノイドに通電されておらず、かつ、二つの室間に差圧が生じていない状態を示し、(b)は電磁ソレノイドに通電され、及び又は、二つの室間に差圧が生じ上室の圧力が下室より高くなっている状態を示している。 本発明の第3の実施形態に係る減衰力可変式ダンパのピストン上部周りの拡大図であり、(a)は電磁ソレノイドに通電されておらず、かつ、二つの室間に差圧が生じていない状態を示し、(b)は電磁ソレノイドに通電され、及び又は、二つの室間に差圧が生じ上室の圧力が下室より高くなっている状態を示している。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る減衰力可変式ダンパを備えたダンパユニットの断面図を示す。ダンパユニット10は、減衰力可変式ダンパ(ショックアブソーバ)1と、コイルスプリング11とからなっている。ダンパユニット10は、下端が車両の車輪側のサスペンションアーム(図示省略)に固定し、上端が車両の車体側のアッパマウントに固定することができる。
減衰力可変式ダンパ1は、筒状のシリンダ2と、このシリンダ2にスライド可能に取付けられ、シリンダ2を二つの室の上室2aと下室2bに区画するピストン3と、このピストン3に取付けられ、シリンダ2の一端からロッドガイド12を介して突出しアッパマウントに接続するロッド4と、シリンダ2内に密封され、ピストン3を貫通するポート孔6を介して上室2aと下室2bの間を流動するダンパオイル5を有している。
図2に、本発明の第1の実施形態に係る減衰力可変式ダンパ1のピストン3及びその周辺部を示す。ピストン3は、円柱状のピストン本体3cと、ピストン本体3cの外周面に固定され、シリンダ2の内周面上を摺動するとともにダンパオイル5をシールするシール部材13とを有している。ピストン本体3cの上端面3aは、上室2a側に配置され、下端面3bは、下室2b側に配置されている。ピストン本体3cには、上端面3aから下端面3bへ貫通する2本のポート孔6(6a、6b)が設けられている。ポート孔6(6a、6b)に対してピストン本体3cの径方向外側には、2つの円環状の電磁ソレノイド9(9a、9b)が埋め込まれている。電磁ソレノイド9aは、ピストン本体3cの上端面3aの近傍に埋め込まれ、電磁ソレノイド9bは、ピストン本体3cの下端面3bの近傍に埋め込まれている。
ピストン本体3cの上端面3aの外周部には、バルブの一部となる環状のシム(段部)8(8a)が設けられている。シム(段部)8(8a)の上には、複数枚、図2では3枚の円板状のバルブ(バルブ本体)7(7a)が積層されている。シム8(8a)とバルブ7(7a)とは、カバー14によって外周部がピストン本体3cの上端面3aに押し付けられることで固定されている。そのカバー14は、ロッド4の先端のネジによってピストン本体3cの上端面3aにネジ止めされている。
ピストン本体3cの下端面3bの外周部には、上端面3aと同様に、バルブの一部となるシム(段部)8(8b)が設けられている。シム(段部)8(8b)の下には、複数枚、図2では3枚のバルブ(バルブ本体)7(7b)が積層されている。シム8(8b)とバルブ7(7b)とは、カバー14によって外周部がピストン本体3cの下端面3bに押し付けられることで固定されている。そのカバー14は、ボルト15によってピストン本体3cの下端面3bにネジ止めされている。
シム8a(8)とシム8b(8)とは、取付けられる位置は異なるが、それら自体の構造は同一である。また、バルブ7a(7)とバルブ7b(7)も、取付けられる位置は異なるが、それら自体の構造は同一である。バルブ7(7a、7b)は、板状であり、可動部22と、その可動部22を支持する支持部21と、支持部21と共にカバー14とシム8a(8)に挟持される外周固定部21aとを有している。支持部21の幅は、シム8(8a、8b)の幅に一致し、シム8(8a、8b)の直上に支持部21が配置されることで、支持部21は固定されている。可動部22と支持部21の境界には、ヒンジ部23が形成されている。可動部22自身でも屈曲することで可動するが、ヒンジ部23が屈曲することで、可動部22を可動させている。
バルブ7a(7)の可動部22内のポート孔6a(6)に対向する領域は、開閉部22aとなっている。開閉部22aは、可動部22と共に移動し、ピストン本体3cの上端面3aに接することでポート孔6aを閉じ、上端面3aから離れることでポート孔6aを開ける。すなわち、開閉部22a(可動部22)はポート孔6aを開閉自在に支持部21に支持され、開閉部22a(可動部22)は弁体として、ポート孔6aは流路として、ポート孔6aの周囲のピストン本体3cの上端面3aは弁座としてそれぞれ機能し、それらが全体として逆止弁として機能する。
逆止弁(バルブ7a)は、ポート孔6aを開閉し流動するダンパオイル5の流れを制御する。電磁ソレノイド9aは、電磁力により、バルブ7aの可動部22を、吸引し、ピストン本体3cの上端面3aに吸着させ、通電電流を増減させることにより吸引力を増減させ、逆止弁(バルブ7a)の開弁圧を可変にすることができる。開弁圧を可変することで、減衰力可変式ダンパ1の減衰力を可変することができる。電磁ソレノイド9aに通電されておらず、かつ、上室2aと下室2bの間に差圧が生じていない状態(無負荷状態)では、シム8aで形成されたピストン本体3cの上端面3aと開閉部22aとの間の隙間16によって、開閉部22aはポート孔6aを開けている。
バルブ7a(7)の可動部22には、ポート孔6bに対向する領域にオイル流入孔24が形成され、ポート孔6aに対向せず、開閉部22aに隣接する領域にオイル流出孔25が形成され、ロッド4の先端のネジが貫通するロッド貫通孔26が形成されている。
同様に、バルブ7b(7)の可動部22内のポート孔6b(6)に対向する領域は、開閉部22aとなっている。開閉部22aは、可動部22と共に移動し、ピストン本体3cの下端面3bに接することでポート孔6bを閉じ、下端面3bから離れることでポート孔6bを開ける。すなわち、開閉部22a(可動部22)はポート孔6bを開閉自在に支持部21に支持され、開閉部22a(可動部22)は弁体として、ポート孔6bは流路として、ポート孔6bの周囲のピストン本体3cの下端面3bは弁座としてそれぞれ機能し、それらが全体として逆止弁として機能する。
逆止弁(バルブ7b)は、ポート孔6bを開閉し流動するダンパオイル5の流れを制御する。電磁ソレノイド9bは、電磁力により、バルブ7bの可動部22を、吸引し、ピストン本体3cの下端面3bに吸着させ、通電電流を増減させることにより吸引力を増減させ、逆止弁(バルブ7b)の開弁圧を可変にすることができる。開弁圧を可変することで、減衰力可変式ダンパ1の減衰力を可変することができる。電磁ソレノイド9bに通電されておらず、かつ、上室2aと下室2bの間に差圧が生じていない状態(無負荷状態)では、シム8bで形成されたピストン本体3cの上端面3aと開閉部22aとの間の隙間16によって、開閉部22aはポート孔6bを開けている。
バルブ7b(7)の可動部22には、ポート孔6aに対向する領域にオイル流入孔24が形成され、ポート孔6bに対向せず、開閉部22aに隣接する領域にオイル流出孔25が形成され、ボルト15が貫通するロッド貫通孔26が形成されている。
バルブ7(7a、7b)は、電磁ソレノイド9bに吸引されるように、磁性体にて形成されている。また、電磁ソレノイド9bで発生させる電磁力(吸引力)を大きくするために、ピストン本体3cも磁性体で形成されている。ピストン本体3cはチョークとして機能している。磁気回路上に配置されるシム8(8a、8b)も磁性体で形成されている。
また、バルブ7(7a、7b)は、板バネのような弾性体で形成されている。電磁ソレノイド9(9a、9b)に通電されておらず、かつ、上室2aと下室2bの間に差圧が生じていない状態(無負荷状態)では、隙間16の間隔をあけて、開閉部22aはポート孔6bを開けている。電磁ソレノイド9(9a、9b)に通電され、及び又は、上室2aと下室2bの間に差圧が生じている状態では、隙間16の間隔は変化するが、また、電磁ソレノイド9(9a、9b)に通電されておらず、かつ、上室2aと下室2bの間に差圧が生じていない状態に戻ると、隙間16の間隔も元に戻る。
図3に、バルブ7(7a、7b)の平面図を示す。開閉部22aと支持部21が、バルブ7(7a、7b)(ピストン3)の直径(図3の紙面上下方向の直径)を通る直線を挟んでこの直線の両側に配置されている。このため、開閉部22aと支持部21の間隔を充分に取ることができる。このため、ヒンジ部23が少し屈曲しただけでも、開閉部22aを大きく変位させることができる。シム8(8a、8b)によって、隙間16(図2参照)が生じていても、その隙間16の間隔を超えて開閉部22aを移動させることができ、ポート孔6(6a、6b)を確実に塞ぐことができる。
図4に、シム(段部)8(8a、8b)の平面図を示す。シム8(8a、8b)は、バルブ7(7a、7b)から、可動部22を省き、支持部21と外周固定部21aを残した構造になっている。
図5に、本発明の第1の実施形態の減衰力可変式ダンパ1のストロークに対する減衰力のリサージュ波形を示す。減衰力可変式ダンパ1を、引き行程、行程切替、押し行程、行程切替に順に繰り返し伸縮させた。図6の従来の減衰力可変式ダンパのリサージュ波形に現れるような衝撃荷重は、図5のリサージュ波形ではほとんど観測されなかった。この衝撃荷重の発生を抑制できた理由を後記で説明する。
図7に、図5の引き行程における、第1の実施形態の減衰力可変式ダンパ1の状態を示している。引き行程では、矢印33の方向にロッド4及びピストン3が移動する。上室2aは狭くなり昇圧し、下室2bは広くなり減圧し、差圧が発生する。この差圧により、矢印31と矢印32のダンパオイルの流れが生じる。矢印31のダンパオイルの流れは、上室2aから、バルブ7aのオイル流入孔24、ポート孔6bを経由し、バルブ7bの開閉部22aに当ってバルブ7bの可動部22を下方に移動させて流路を確保しながら方向を変え、バルブ7bのオイル流出孔25を経由し、下室2bへ達する。矢印32のダンパオイルの流れは、上室2aから発生しても、バルブ7aの開閉部22aに当ってバルブ7aの可動部22を下方に移動させ、開閉部22aがポート孔6aを閉じてしまうので、ポート孔6aに達しない。
図8に、図5に示す引き行程後の行程切替における、第1の実施形態の減衰力可変式ダンパ1の状態を示している。引き行程後の行程切替では、引き行程の影響で、上室2aの圧力が下室2bより高くなっているのであるが、バルブ7aの直下の隙間16を介して、上室2aと下室2bの圧力の均一化が進み、バルブ7aの直上と直下の圧力は等しくなり、バルブ7aはいわゆる無負荷状態となり、引き行程中になくなるか狭くなっていた隙間16も、無負荷状態における隙間16の大きさに回復する。この状態で、押し行程がスタートしても、下室2bから上室2aへの矢印34の流れが確保され、バルブ7aのオイル流出孔25を通過できるので、下室2bの圧力が衝撃荷重として急激に昇圧することはない。なお、押し行程後の行程切替で、衝撃荷重が発生しないのは、上室2aから下室2bへの矢印31の流れが確保され、バルブ7bのオイル流出孔25を通過できるからである。
図9に、通電した引き行程後の行程切替における、第1の実施形態の減衰力可変式ダンパ1の状態を示す。引き行程では、電磁ソレノイド9bに通電することで、バルブ7bの可動部22を吸引し、開閉部22aでポート孔6bを塞ぎ、減衰力を増加させている。そして、引き行程では、電磁ソレノイド9aに通電する必要はない。図8で説明したように、引き行程後の行程切替で、衝撃荷重の発生の抑制のために流路を確保したバルブ7aは、図9の通電していない電磁ソレノイド9aの側のバルブ7aであるので、通電の有無に関わらず、図8の説明と同様に、衝撃荷重の発生を抑制できる。
(第2の実施形態)
図10に、本発明の第2の実施形態に係る減衰力可変式ダンパのピストン上部周りの拡大図を示す。図10(a)は、電磁ソレノイド9(9a、9b)に通電されておらず、かつ、上室2aと下室2b間に差圧が生じていない状態を示し、図10(b)は、電磁ソレノイド9(9a、9b)に通電され、及び又は、上室2aと下室2b間に差圧が生じ上室2aの圧力が下室2bより高くなっている状態を示している。第2の実施形態は、第1の実施形態に比べて、バルブ7(7a)は、開閉部22aと支持部21との間で屈曲し、開閉部22aは、上端面3aから離れる方向に角度θ1だけ反っている点が異なっている。この相違点により、開閉部22aは、ポート孔6aを閉じた際に、ポート孔6a周辺の上端面3aとより一層容易に面接触することができる。確実にポート孔6aを閉塞でき、開弁圧を高め、減衰力を増加させることができる。そして、減衰力の可変幅を広げることができる。
(第3の実施形態)
図11に、本発明の第3の実施形態に係る減衰力可変式ダンパのピストン上部周りの拡大図を示す。図11(a)は、電磁ソレノイド9(9a、9b)に通電されておらず、かつ、上室2aと下室2b間に差圧が生じていない状態を示し、図11(b)は、電磁ソレノイド9(9a、9b)に通電され、及び又は、上室2aと下室2b間に差圧が生じ上室2aの圧力が下室2bより高くなっている状態を示している。第3の実施形態は、第1の実施形態に比べて、ポート孔6a周辺の上端面3aは、支持部21周辺の上端面3aに対して角度θ2だけ傾斜している点が異なっている。この相違点により、開閉部22aは、ポート孔6aを閉じた際に、傾斜面であるポート孔6a周辺の上端面3aと、より一層容易に面接触することができる。確実にポート孔6aを閉塞でき、開弁圧を高め、減衰力を増加させることができる。そして、減衰力の可変幅を広げることができる。
1 減衰力可変式ダンパ
2 シリンダ
2a 上室
2b 下室
3 ピストン
3a 上端面(弁座、弁体に対向する対向面)
3b 下端面(弁座、弁体に対向する対向面)
3c ピストン本体
5 ダンパオイル
6、6a、6b ポート孔
7、7a、7b バルブ(バルブ本体、弁体)
8、8a、8b シム(段部、バルブの一部)
9、9a、9b 電磁ソレノイド
16 隙間
21 支持部
21a 外周固定部
22 可動部
22a 開閉部
23 ヒンジ部
24 オイル流入孔
25 オイル流出孔
26 ロッド貫通孔

Claims (3)

  1. 筒状のシリンダと、前記シリンダにスライド可能に取付けられ前記シリンダを二つの室に区画するピストンと、前記ピストンに設けられ前記二つの室を連通させるポート孔と、前記ポート孔を開閉し流動するダンパオイルの流れを制御する板状のバルブと、前記バルブの開弁圧を可変する電磁ソレノイドとを備えた減衰力可変式ダンパにおいて、
    前記バルブは、
    前記ピストンに接することで前記ポート孔を閉じ、前記ピストンから離れることで前記ポート孔を開ける開閉部と、
    前記開閉部を開閉自在に支持する支持部と、
    前記開閉部の外周を囲むように当該開閉部から独立して設けられて前記支持部に連なる環状の外周固定部と、
    前記ピストンと前記外周固定部との間に介在させて前記開閉部との干渉を避けるように設けられ、前記ピストンと前記開閉部との間に隙間を形成するための環状の段部とを有し、
    前記開閉部及び支持部は、前記ピストンの直径を通る直線を挟んでこの直線の両側に設けられ、
    前記開閉部は、前記電磁ソレノイドに通電されておらず、かつ、前記二つの室の間に差圧が生じていない状態では、前記ポート孔を開けていることを特徴とする減衰力可変式ダンパ。
  2. 前記バルブは、
    前記開閉部と前記支持部との間で屈曲し、
    前記開閉部が前記ポート孔を閉じた際に、前記ポート孔周辺の前記ピストンの端面と面接触することを特徴とする請求項1に記載の減衰力可変式ダンパ。
  3. 前記ポート孔周辺の前記ピストンの端面は、前記支持部周辺の前記ピストンの端面に対して傾斜した傾斜面であり、
    前記開閉部が前記ポート孔を閉じた際に、前記傾斜面は、前記バルブと面接触することを特徴とする請求項1に記載の減衰力可変式ダンパ。
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