JP5560126B2 - 雌部材及び該雌部材を備えたカップリング部材 - Google Patents

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Description

本発明は、クイックカップリング用の雌部材及び圧力下にある流体用のパイプを着脱自在に接合するためのクイックカップリングに関するものである。
圧力下にある流体を搬送するためのパイプを接続する技術分野において、雌部材と雄部材の端部同士を結合させてパイプを接続する際に、雌部材が雄部材に係合するための制御手段を含んで構成されることが知られている。
特許文献1には、雌部材上に設けられつつ雄部材の外面部に形成された溝に選択的に係合するロッキングボールを使用したものが開示されている。このロッキングボールは、雌部材内に挿入される雄部材の端部の外面部を位置決めするものとなっている。
特許文献2には、雄部材と雌部材が嵌合した状態の軸中心線に対して傾斜した軸に平行に直線運動可能なフィンガを用いることが開示されている。
欧州特許出願公開第1561991号明細書 欧州特許出願公開第1531297号明細書
これにより、雌部材と嵌合する雄部材の端部とフィンガがぶつかることが少なくなるものの、フィンガの動作する軸が傾斜しているため、各フィンガの爪部と制御リングの径方向内面との間に、フィンガを収容するために径方向のスペースを設ける必要が生じてしまう。そして、これにより、カップリング部材の径方向のサイズが大型化することになる。なお、フィンガの端面は、雌部材の本体部から径方向へ突出している。また、このようなカップリング部材の径方向のサイズは、フィンガの接線方向における雌部材に係合した雄部材の端部とフィンガとの間の接触面積にも依存する。
本発明は上記問題にかんがみてなされたもので、その目的とするところは、係止部材の強度を高め、かつ、運動する部材間の接触面がぶつかるのを防止しつつ従来に比して径方向のサイズを小型化した新規な雌部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、圧力下にある流体用のパイプを着脱自在に接合するためのクイックカップリング用の雌部材であって、当該雌部材が、該雌部材の軸中心線に沿って雄部材の端部が嵌合収容されるよう形成されており、当該雌部材が、該雌部材の本体部に形成されたハウジング内において移動可能な少なくとも1つの係止部材を備えており、該係止部材は、その係止爪が前記ハウジングから突出し前記雄部材の端部における溝部に係合している第1の位置と、前記係止爪が前記溝部から離脱した第2の位置との間を移動可能であり、前記係止部材を前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動させるための制御リングが当該雌部材の本体部に対して当該雌部材の軸中心線と平行にスライドするよう設けられている前記雌部材において、前記係止部材に、少なくとも1つの、球体の一部を形成する形状を有した表面部を設け、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記係止部材の移動を、当該雌部材の本体部に対して静止し、かつ、球体の一部を形成する形状を有した前記表面部の曲率中心を通過しつつ当該雌部材の軸中心線に垂直な旋回軸回りの旋回によって行うよう構成したことを特徴としている。
本発明によれば、カーブした移動領域において係止部材が第1の位置と第2の位置の間で変位するので、傾斜した方向に沿って変位する係止部材を使用する場合に比して小さな径方向の移動が達成される。そして、これにより、雌部材について、特に雄部材が嵌合する軸中心線に対して径方向のサイズをコンパクト化することができる。
本発明によれば、以下の特徴のうち少なくとも1つの特徴を適宜組み合わせることが可能である:
・前記係止部材の前記第1の位置と前記第2の位置の間の移動において該係止部材を案内するために少なくとも1つのガイド面を前記ハウジングに設けるとともに、前記ガイド面を、前記係止部材が前記ハウジング内に収容されたときに、前記表面部の前記曲率中心と同一の曲率中心を有する球面の一部を形成する形状としたこと。
・前記係止部材に、球面の一部を形成する形状を有する2つの同心状の面を設けたこと。
・前記第1の位置又は前記第2の位置へ前記係止部材を付勢する復帰力を前記制御リングに作用させる復帰手段を含んで構成したこと。
・当該雌部材の本体部に形成された前記ハウジング内でそれぞれ移動可能な2つの係止部材を設けるとともに、これら2つの係止部材及び2つのハウジングを、前記軸中心線を対称軸として対称に配置したこと。
・少なくとも2つの前記係止部材を設けるとともに、前記表面部を、すべての係止部材において共通の曲率中心を有するよう形成したこと。
・前記係止部材の前記第1の位置において前記ハウジングから突出する前記係止爪に、前記雄部材の端部における前記溝部の斜面部と密に接触するよう先端が切り取られたコーン形状の端面部を形成したこと、及びこのような場合に、コーン形状に形成された前記端面部の幾何学中心を通過し、かつ、前記表面部の曲率中心を通過する平面に対して垂直な直線が形成されるよう構成したこと。
・前記端面部を当該雌部材の軸中心線の周囲に延在させ、前記端面部が当該雌部材を包囲する角度範囲を90〜150°、好ましくは120°に設定したこと。
・当該雌部材の軸中心線に対して垂直であり、かつ、前記表面部の前記曲率中心を含む平面が、前記第1の位置及び前記第2の位置にある前記係止部材を横切るよう設定したこと。
本発明は、互いに嵌合するよう形成された雌部材及び雄部材を備えて成る、圧力下にある流体用のパイプを着脱自在に接合するためのクイックカップリングにも関するものであり、このクイックカップリングは、前記雌部材を、上記に記載のいずれかのものとしたことを特徴としている。
本発明の他の利点及び実施形態については、以下の図面を参照しながら説明する。
本発明によれば、係止部材の強度を高め、かつ、運動する部材間の接触面がぶつかるのを防止しつつ従来に比して径方向のサイズを小型化した新規な雌部材を提供することが可能である。
雄部材が雌部材内に接近する状態を示すカップリング部材の軸方向断面図である。 雄部材と雌部材が係合する途中の図1と同様の軸方向断面図である。 雄部材と雌部材が係合した状態の図2と同様の軸方向断面図である。 雄部材と雌部材の係合が解除される際の図2と同様の軸方向断面図である。 図3においてVで示す部分を拡大して示す図である。 図1〜図5における雌部材の一部を形成する係止部材の斜視図である。 図6における平面VIIに沿って示す図である。 図1〜図5に図示の断面をP1で示しつつ図1〜図7における雌部材の一部を形成する2つの係止部材とそれらの制御手段を、図1〜図5に図示の断面P1と共に示した斜視図である。 ピストル状に形成された雌部材について、本発明の第2の実施形態を示す図3に対応した図である。 本発明の第3の実施形態による雌部材の一部を切断して示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態による雌部材の一部を切断して示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態による雌部材の一部を雄部材と共に示す図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図8に示されているクイックカップリングRは雌部材A及び雄部材Bで構成されており、これら雌部材A及び雄部材Bは、軸中心線X−X’に沿って互いに結合されるようになっている。ここで、この軸中心線X−X’は、雌部材A及び雄部材Bに共通の長手軸である。なお、慣例によれば、雌部材A又は雄部材Bの前部が、両者が結合されている状態において、他方と対向するようになっている。
雌部材Aの後部は、第1のパイプC1と連通しているとともに、加圧された流体源(不図示)に接続されている。また、雄部材Bの後部は、第2のパイプC2と連通しているとともに、前記流体源からの流体を使用するか又は貯留するための部材に接続されている。この雄部材Bは、第2のパイプC2に接続されたチューブ状本体部11で構成されているとともに、加圧された流体の流路12を形成している。なお、この流路12は、逆止弁(不図示)のハウジングの構成部材とすることができる。また、上記チューブ状本体部11の内端部には溝14が形成されており、この溝14にはOリング13が嵌設されている。
雄部材Bは、これが雌部材Aに係合した状態で、軸X−X’に一致する軸中心線XB−X’B回りに回転する回転体となっている。また、この雄部材Bの外面部15上において、チューブ状本体部11は円対称性を有する溝部16を備えており、この溝部16の断面は、平坦な底部16aと、該底部16aから分岐する斜面部16b,16cとで規定されている。すなわち、底部16aは円形基部上で円筒状に形成されており、斜面部16b,16cは円すい状に形成されている。
雌部材Aは、上記同様、これが雄部材Bに係合した状態で、軸中心線X−X’に一致する軸XA−X’A回りに回転するチューブ状本体部21で構成されている。第1のパイプC1は、このチューブ状本体部21の後部に接続されている。このチューブ状本体部21は中央流路22を形成しており、この中央流路22内にはバルブ23が配置されている。このバルブ23は、雌部材Aの長手軸(中心軸)XA−X’Aに対して平行に摺動するようになっている。
バルブ23は中実部材23a及び中空部材23bで構成されており、中実部材23aは、外面部23cを備えている。この外面部23cは、チューブ状本体部21で形成された着座部21aに対して円筒状かつ円すい状に当接するようになっている。また、チューブ状部材21の内面部には溝部25が形成されており、該溝部25にはOリング24が嵌設されている。さらに、このOリング24は、中実部材の外面部23cあるいは中空部材23bの外面部23dに対してシールするものとなっている。
ところで、スプリング26はバルブ23のショルダ部23eに対して弾発力F1を生じさせるものであり、この弾発力F1は、中実部材23aの外面部23cを着座部21aを押圧するよう付勢するものである。すなわち、中実部材23aの外面部23cは、雌部材Aを閉鎖するように付勢される。
また、チューブ状部材21の周囲には制御リング30が配置されており、この制御リング30は、図1において矢印F2で示すように、軸中心線XA−X’Aに対して平行に直線運動するものである。なお、この制御リング30は、チューブ状部材21に対して回転しないようになっている。
しかして、制御リング30は、軸中心線XA−X’Aに対して対称にチューブ状部材21におけるハウジング27内に収容された2つの係止部材(フィンガ)40を制御するものである。また、図8に詳細に示すように、制御リング30は4つの係合凹部31を備えており、この係合凹部31には2つの棒状部材50が係合している。この棒状部材50は、軸中心線XA−X’Aに対して制御リング30と共に回転及び直線運動するようになっている。これら棒状部材50は、各係止部材40の外面部42に形成された係合凹部41にも係合している。すなわち、各棒状部材50は、制御リング30の2つの係合凹部31と2つの係止部材40にそれぞれ1つずつ設けられた係合凹部41に係合している。
係合凹部31は、チューブ状本体部21に一体的に形成された2つの突起21bを通すために形成された2つの開口部によって分けられた制御リング30における2つの突出部32に形成されている。したがって、制御リング30は、チューブ状部材21と共に回転することとなる。また、スプリングクリップ34が前記突出部32の周囲に、係合凹部31と同じ高さ(面内)に配置されており、このスプリングクリップ34は、係合凹部31内で棒状部材50を支持するものである。なお、図面を簡略化するために、このスプリングクリップ34は、図8にのみ示されている。
各係止部材40は球面の一部を形成する内面部43を有しており、その曲率中心は符号C40で示されている。そして、この内面部43は、曲率中心C40に対向している。この内面部43は、先端部を切り取られたコーン形状の端面部44において、雄部材Bが挿入されている中央流路22の開口部22aの側方へ延在している。この端面部44の先端と軸中心線X40−X’40とのなす角がαで示されており、この軸中心線X40−X’40は係止部材40の外面部42、内面部43、端面部44の対称軸である。なお、曲率中心C40は、この軸中心線X40−X’40上に位置している。また、この軸中心線X40−X’40は、図3における軸中心線XA−X’Aに一致するものである。そして、角度αは、30〜60°(例えば45°)であり、雄部材Bの形状に依存して決定される。
符号45は係止部材40の前端部を示しており、符号46は、その内面が端面部44、すなわち曲率中心C40側の面として規定された、係止部材40の係止爪を示している。
端面部44が軸中心線XA−X’Aの周囲に延在する部分の角度がβで示されており、この角度βは、90〜150°(好ましくは120°)の範囲にある。係止部材40の外面部42も上記同様に曲率中心C40を中心とする曲面の一部となっており、この外面部42は、曲率中心C40とは対向しない。また、外面部42及び内面部43の半径は、それぞれR42及びR43で示されている。両半径の差は、外面部42と内面部43の間の係止部材40の半径方向厚さに対応している。また、係止部材40の内面部43が凹状に形成されている一方、同外面部42は凸状に形成されており、曲率中心C40は、凹状の内面部43側に位置している。
ところで、棒状部材50によってもたらされる制御リング30と2つの係止部材40との間の関係について、ハウジング27内の係止部材40が制御リング30の軸中心線XA−X’Aに平行な運動に応動するようになっている。このとき、係止部材40の係合凹部41には、図6に示すように湾曲部41a,41bが形成されていることから、係止部材40が棒状部材50に沿って摺動することになる。
各ハウジング27は凹状内面部28と凸状外面部29の間に設けられており、この凹状内面部28は球面の一部であって、その曲率中心は符号C27で示されている。係止部材40がハウジング27内に収容される形態であれば、ハウジング27の曲率中心と該ハウジング27に収容された係止部材40の曲率中心すなわちC27とC40は一致し、これらは、チューブ状本体部21に対して静止状態にある。
凹状内面部28の半径はR27で示されており、この半径R27は、0.1mm以内又は半径R43よりもわずかに小さな値に設定されている。さらに、各ハウジング27の凸状外面部29も球面の一部を形成しつつ曲率中心C27を中心として形成されており、その半径R29も0.1mm以内又は半径R43よりもわずかに小さな値に設定されている。また、凹状内面部28はハウジング27における曲率中心C27側の面であり、凸状外面部29はハウジング27における曲率中心C27とは反対側の面である。
したがって、各係止部材40は、ハウジング27内に挿入され、かつ、曲率中心C40に向いた側における当該係止部材40の内面部43と凹状内面部28の間での相互作用及び曲率中心C40とは反対側における当該係止部材40の外面部42と凸状外面部29の間での相互作用により案内される。
2つの係止部材40の曲率中心C40は互いに共通であるとともに、2つのハウジング27の曲率中心C27も互いに共通である。これら曲率中心C27/C40は、軸中心線XA−X’A上の固定位置にある。また、係止部材40をハウジング27内に組み付けた状態においては、曲率中心C27,C40は、中央流路22の開口部22aが係止部材40の前端部45から離れる側における軸中心線XA−X’A上に位置している。すなわち、曲率中心C27,C40は、係止部材40の端面部44に対して、雌部材Aの後方に向けて位置している。
本発明の別の形態(不図示)においては、係止部材40をその片側のみ曲面の一部を構成するとともに、ハウジング27についてもこれに対応した形状とすることが考えられる。
係止部材40の端面部44の幾何学中心C44を通過し該端面部44に垂直な直線が符号Δ44で示されている。係止部材40がハウジング27内に収容されている状態においては、この直線Δ44は、曲率中心C40において軸中心線XA−X’Aと交差する。すなわち、直線Δ44は係止部材40に関連した曲率中心C40を通過するとともに、この直線Δ44と軸中心線XA−X’Aの交点は、係止部材40の内面部43の曲率中心に一致する。
また、係止部材40がハウジング27内に収容されている状態において、各係止部材40は、最終位置に対応する点C40上を中心とする外面部42を備えている。ここで、最終位置では、各係止部材40によって生じる係止力の合力が、雄部材Bにおける溝部16の斜面部16b方向に作用している。係止部材40の外面部42、内面部43及びハウジング27の凹状内面部28、凸状外面部29が球面状の形状とされていることにより、ハウジング27内で、図1〜図5に示すY−Y’軸回りの係止部材40の旋回運動が生じる(図5における矢印F3参照)。ここで、Y−Y’軸は、チューブ状本体部21に固定されているとともに、点C40を通過する軸中心線XA−X’Aに対して垂直となっている。
図示の実施形態においては、Y−Y’軸の配置が棒状部材50と、チューブ状本体部21の周囲に取り付けられた制御リング30との協働によって規定されるため、図1〜図5に示す平面(紙面)に対して垂直となっている。また、このY−Y’軸は、軸中心線XA−X’Aと、係止部材40の端面部44の幾何学中心C44、棒状部材50の長手軸に対しても垂直である。さらに、Y−Y’軸がチューブ状本体部21に対して固定された点C40を通過するとともに、軸中心線XA−X’Aについての棒状部材50の配置が固定されているため、このY−Y’軸は、チューブ状本体部21に対して静止している。
矢印F3で示す上記旋回運動により、係止部材40が図1の面内におけるX−X’軸方向に対して径方向に所定の大きさだけ変位する。なお、この所定の大きさは、係止部材40が直線運動する場合に比して小さいものとなっている。これにより、雌部材Aの径方向のサイズダウンが図られ、クイックカップリングRの小型化が可能となる。
ところで、制御リング30は、該制御リング30に対して弾発力F4を生じさせるスプリング60の動作により制御される。この弾発力F4は、制御リング30を中央流路22の開口部22a方向へ付勢するものである。すなわち、この弾発力F4は、係止部材40を、その係止爪46がハウジング27から軸中心線XA−X’A方向へ突出するよう付勢するものである。
したがって、初期設定では、雄部材Bが雌部材Aに嵌合する場合に、係止部材40が雄部材Bにおける溝部16に係合するよう、係止部材40は、図3に示すように、その係止爪46が制御リング30を介してスプリング60によりハウジング27から突出するようになっている。
また、チューブ状本体部21及び制御リング30の周囲には駆動リング70が設けられており、該駆動リング70により、制御リング30に対して力F5が作用し、制御リング30が力F4に抗してチューブ状部材21の後方側へと移動することが可能となる。制御リング30が駆動リング70の径方向内部の内側ショルダ部71に当接し、内側ショルダ部72がチューブ状本体部21に当接するため、スプリング60によって生じる力F4による制御リング30及び係止部材40の運動が制限されることになる。このため、雄部材Bが嵌合していない場合でも、係止部材40の位置を制御することができるとともに、スプリング60の力によって雌部材Aと雄部材Bのカップリングが遅れるような範囲へ係止部材40がハウジング27から抜け出るようなことが阻止される。
以下、動作について説明する。
雄部材Bが雌部材Aに接近すると、図1に示すように、チューブ状本体部11の先端部17が係止部材40の前端部45に当接する。雄部材Bがチューブ状本体部21の後方へ向けて更に押圧されると、図2に示すように、チューブ状本体部11が係止部材40をハウジング27内へ押し込む。すると、係止部材40の前端部45がチューブ状本体部11の外面部15上をスライドする一方、係止部材40の係止爪46がハウジング27内へ押し戻される。
図1に示す状態と図2に示す状態の間の係止部材40の動作は、点C27,C40を通過するY−Y’軸回りの旋回により生じる。係止部材40の「開放方向」又は「後方」へのこの旋回は、係止部材40の内面部43とハウジング27の凹状内面部28の間の相互作用及び係止部材40の外面部42と凸状外面部29により案内される。制御リング30及び係止部材40がX−X’軸に対して平行に直線運動する棒状部材50によってX−X’軸に沿って直線運動するため、チューブ状本体部21内での係止部材40のこのような運動により、制御リング30を力F4に抗して戻されることになる。
図2に示すこのような状態においては、雄部材Bがバルブ23を押し戻し、これにより、中実部材23aの外面部23cが着座部21aから離間し始める。なお、このような動作は駆動リング70の位置には影響を与えることがなく、駆動リング70はチューブ状本体部21の周囲に保持されている。
しかして、雄部材Bがチューブ状本体部21の後方へ向けて更に押圧されると、雄部材Bの溝部16が係止部材40の前端部45に係合する。ここで、係止部材40は制御リング30を介してスプリング60により付勢されているため、係止部材40は、その一部がハウジングから中央流路22へ押し出され、係止爪46が溝部16に係合する(図3参照)。この状態において、バルブ23は、チューブ状本体部11によって、中空部材23bにおける径方向オリフィス23fがOリング24を超えてチューブ状本体部21の後方側へ延在する範囲まで押し戻される。これにより、流体が第1のパイプC1からバルブ23を介して第2のパイプC2へと流れることが可能となる。
ところで、溝部16の斜面部16bと軸中心線のなす角度がγで示されており、この角度γは、実際には45°である。ここで、角度αを角度γと同じに設定すれば、係止部材40の端面部44と溝部16の斜面部16bの間で密な接触が達成でき、これにより雄部材Bが高い信頼性をもって雌部材A内に保持されることになる。また、各係止部材40とチューブ状本体部11の間の密な接触は、X−X’軸の周囲に角度がβと同じになるように分配することで得られる。なお、図示の例では、2つの係止部材40によって、密な接触が240°にわたっている。
中央流路22を流れる流体及びスプリング60の力によって生じる、雄部材Bを脱落させようとする力は、係止部材40の外面部42とハウジング27の凸状外面部29の間の接触領域において、チューブ状本体部21によって受け止められる。また、係止部材40の外面部42とハウジング27の凸状外面部29はその大部分にわたって互いに密に接触しているため、力を効果的に分配することが可能である。
一方、雌部材Aと雄部材Bの間の接合を解除する場合には、上述の力F5を駆動リング70上に作用させ、制御リング30を力F4に抗して後方へ移動させることで、係止部材40の端面部44で規定された係止爪46が溝部16から離脱して係止部材40がハウジング27内へ移動し、雄部材Bのチューブ状本体部11が解放される。このとき、係止部材40のハウジング27内への案内は、ハウジング27の凹状内面部28と係止部材40の内面部43の間の相互作用及びハウジング27の凸状外面部29と係止部材40の外面部42の間の相互作用によってなされるようになっている。
雄部材Bは第1のパイプC1内の圧力及びスプリング26による力F1を受けるバルブ23により押し戻され、バルブ23の中実部材23aが着座部21aに着座して流体の流入が阻止される。また、力F5は、操作者によって、雄部材Bが雌部材Aから引き抜かれるまで維持される。したがって、各係止部材40の係止爪46は、図3に示す、溝部16に係合し雌部材A内に保持されている第1の位置から図2及び図4に示す、係止爪46が雄部材BのX−X’軸に沿った雌部材Aに相対的な直線運動を阻害しない位置である第2の位置の間で変位可能である。
また、係止部材40及びハウジング27の形状により、Y−Y’軸回りに回転することによって上記2つの位置の間で係止部材40の係止爪46が移動できるようになっている。したがって、雌部材Aの径方向サイズ、すなわちクイックカップリングRのサイズが大型化することがない。そのため、比較的強固で、雌部材Aのチューブ状本体部21と雄部材Bのチューブ状本体部11の大部分にわたって密に接触することが可能な係止部材40を形成することが可能である。
係止部材40の形状は、雄部材Bによって係止部材40の端面部44を介して係止部材40に作用する係止力の合力上に位置する曲率中心C40を中心として当該係止部材40の外面部42が配置されるよう形成されている。このような形状によれば、雌部材Aと雄部材Bの間の接合が解除される方向へ回転させるようなトルクが係止部材40へ作用するのを回避することができる。また、溝部16の斜面部16bで生じ、係止部材40の端面部44を介して係止部材40に作用する力の合力F6は、点C44を通過するとともに、係止部材40の端面部44に対して垂直である。したがって、この合力F6は、曲率中心C27/C40を通過する線Δ44に沿って延びている。
また、雌部材Aのチューブ状本体部21によって、係止部材40の外面部42を介して各係止部材40に作用する保持力の合力F7は、曲率中心C27/C40を通過しているとともに、合力F6とは逆向きに作用する。また、この合力F7も、線Δ44に沿って延びている。
あらゆる位置において、係止部材40は、軸中心線XA−X’A上における係止部材40の外面部42及び内面部43の曲率中心C40(すなわちY−Y’軸上)を中心として配置されている。すなわち、軸中心線XA−X’Aに垂直で点C40を含む平面PYについて考えれば、この平面PYは、係止部材40がどの位置にあっても、該係止部材40の一部を横切るようになっている(特に、雄部材Bを雌部材A内で係止するために係止爪46がハウジング27から突出した図3に示す状態を参照)。これにより、係止部材40の引っかかり等が防止される。
図9〜図11に示された第2〜第5の実施形態においては、上述の要素と同一の要素には同一の符号を付して示されている。これらの実施形態は概して上述の実施形態とほぼ同様であり、以下においては、基本的に、上述の実施形態との差異について説明する。
図9に示すように、本発明において駆動リングは必ずしも必要ではない。図9には本発明による第2のクイックカップリングRが示されており、このクイックカップリングRは、上述の第1の実施形態とは異なる形状を有し、かつ、閉鎖バルブ18を有するチューブ状本体部11を備えた雄部材Bを含んで構成されている。また、雌部材には第1の実施形態における係止部材40とほぼ同様の形状を有する2つの係止部材40が取り付けられており、これら係止部材40は、第1のパイプC1に結合されたピストル状部材Aの本体部21に設けられている。一方、雄部材Bは加圧された流体を収容する第2のパイプC2に接続されている。ピストル状部材Aは、雌部材のように形成されているとともに、トリガ状部材100を備えている。
また、係止部材40は、弾発力F4を生じさせるスプリング60によって付勢された制御リング30によって動作するようになっている。弾発力F4に抗するこの制御リング30の動作は、ピストル状部材Aの支持部材101にヒンジ結合されたトリガ状部材100によって制御される。さらに、トリガ状部材100と制御リング30の間の結合は、不図示のカムとカムフォロワから成るシステムによってなされている。制御リング30の本体部21についての動作を制御するためのその他の手法については、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜採用すればよい。
本実施形態においては、係止部材40が、雌部材Aと嵌合した雄部材Bのチューブ状本体部11の溝部16から係合解除された状態となるよう、スプリング60によって生じる力F4によって係止部材40がハウジング27内へ付勢される。チューブ状本体部を雌部材A内において係止する場合には、トリガ状部材100が、制御リング30を力F4に抗してチューブ状本体部21における中央流路22の開口部22aへ移動させるよう駆動される。この結果、係止部材40がチューブ状本体部21における中央流路22の開口部22a方向へ移動することになる。そして、このような移動により、係止爪46が雄部材Bの溝部16に係合し、雌部材Aと雄部材Bの間の接合が解除されてしまうのを防止することができる。
したがって、第2の実施形態における係止部材40の初期の状態は、係止部材が雄部材Bにおけるチューブ状本体部11の溝部16に係合しているか、又は係止爪46が雄部材Bにおけるチューブ状本体部11の進路上に配置されている第1の実施形態における係止部材の初期の状態とは異なるものとなっている。
ところで、雄部材Bを雌部材Aとの接合から解除する場合には、トリガ状部材100が上述の方向とは逆の方向に移動され、このとき、制御リング30は開口部22aから離間する。なお、制御リング30のこのような後方への移動は、スプリングによって生じる力によってアシストされている。
そして、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、各係止部材40は、それぞれチューブ状部材21における外面部29及び内面部28と協働する外面部42及び内面部43を有している。そのため、各係止部材40は、ピストル上部材Aの軸中心線XA−X’Aに対して垂直かつ曲率中心C40を通過するY−Y’軸回りに回転しつつ上述の2つの位置の間で案内される。なお、軸中心線XA−X’Aは、 雌部材A内における雄部材BのX−X’軸と一致している。
図10に示すように、制御リング30と雌部材Aにおける係止部材40の間の相互作用は、係止部材40の全体にわたって形成されつつ制御リング30における長孔37に係合する中央留め具47によって得られる。径方向について互いに反対側に配置された2つの長孔37は、制御リング30に設けられている。この第3の実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、各係止部材40は、それぞれチューブ状部材21における外面部29及び内面部28と外面部42及び内面部43の間の相互作用によって2つの位置間で案内されるようになっている。ここで、外面部29は、チューブ状部材21における支持部材21cによって規定されている。
しかして、各係止部材40は、ピストル上部材Aの軸中心線XA−X’Aに対して垂直かつ曲率中心C40を通過するY−Y’軸回りに回転するよう制御リング30によって動作される。なお、軸中心線XA−X’Aは、 雌部材A内における雄部材BのX−X’軸と一致している。
図11に示す第4の実施形態においては、制御リング30が、同一形状の2つの係止部材401,402と一体的に形成された側方留め具49を収容する溝部39を備えている。各係止部材401,402は、制御リング30における2つの溝部39内に収容された2つの側方留め具49を備えている。したがって、制御リング30は、4つの溝部39を備えている。なお、図11には、制御リング30の底部については図示していない。
また、雌部材Aのチューブ状本体部21は、球面の一部を形成するような形状を有する外面部291及び内面部281又は外面部292及び内面部282によって規定された2つのハウジング271及び272を備えている。図11における上側のハウジング271の形状を有する内面部281が係止部材401における球面の一部を構成するような形状を有する内面部431と相互に作用する一方、球面の一部を構成するような形状を有する外面部291は、係止部材40を旋回運動させるために、球面の一部を構成するような形状を有する外面部421に対応した形状となっている。
このような旋回運動は、軸中心線XA−X’Aに平行なX1−X’1軸に対して垂直かつ内面部431及び外面部421の曲率中心C1 40を通過するY1−Y’1軸回りに生じる。なお、軸中心線XA−X’Aは、 雌部材A内における雄部材BのX−X’軸と一致している。上記同様、係止部材402は球面の一部を構成するような形状を有する外面部422及び内面部432を備えており、これら外面部422及び内面部432は、曲率中心C2 40を中心に配置されているとともに、それぞれ図11において下方に位置するハウジング272の外面部292及び内面部291と相互に作用するようになっている。
これにより、係止部材402を雌部材AにおけるX2−X’2軸に対して垂直に、Y2−Y’2軸回りに旋回させることが可能である。なお、このY2−Y’2軸は、外面部422及び内面部432の曲率中心C2 40を通過する。また、点C1 40及びC2 40は互いに一致せず、これらは、軸中心線XA−X’Aに対して互いに対称となっている。これは、Y1−Y’1軸及びY2−Y’2軸についてもあてはまる。さらに、第1の実施形態と同様に、内面部281又は282及び内面部431又は432並びに外面部291又は292及び421又は422は、雌部材Aと雄部材Bの嵌合時及び嵌合解除時に係止部材401又は402の旋回を案内するものである。
図12に示す第5の実施形態においては、雌部材Aのチューブ状本体部21が、環状部材21cと球状部材21dを有しており、この球状部材21dは、係止部材40の一部を形成する部分の形状を有する外面部42の曲率中心C40に一致する点を中心に配置されている。係止部材40は、雄部材Bにおけるチューブ状本体部11に形成された溝部16の斜面部16bと相互作用するための、先が切り取られた形状を有する端面部44も備えている。さらに、係止部材40には曲率中心C40に向いた内面部43が形成されており、この内面部43は、円筒状に形成されているとともに、図12の平面(紙面)に対して垂直で曲率中心C40を通過するY−Y’軸を中心に配置されている。そして、その内面部43と球状部材21dの外面部21eとが相互作用することで係止部材40がチューブ状本体部21に対して旋回するように、曲率中心C40は球状部材21dの半径に合わせて設定されている。
また、係止部材40は、チューブ状本体部21により形成されつつ球体の一部を形成するような形状の外面部29によって規定されたハウジング内に収容されている。また、この係止部材40は、雌部材Aと雄部材Bの嵌合が解除されるときに、制御リング30の動作を受けて溝部16から離脱するようになっている。さらに、この係止部材40は、中央流路22の開口部22aとは反対側のチューブ状本体部21上の面と係止部材40との間に介装されたスプリング80の動作を直接受けることができるようにもなっている。すなわち、係止部材40は、制御リング30の動作を受けてチューブ状本体部21の後方側へ移動し、スプリング80の動作を受けてチューブ状本体部21の前方側へ移動するようになっている。
また、外面部29と外面部42の間で案内されつつY−Y’軸回りに旋回することにより係止部材40が動作する他の実施形態によれば、大きな範囲にわたる密な接触が達成される。さらに、この実施形態によれば、上述の実施形態に比して係止部材40の動作を径方向に比較的小さくすることができる。また、力を受ける面は、比較的大きな範囲で密な接触が得られるよう設定されている。
係止部材40の内面部43は単に案内機能を有するものであるので、この内面部43のチューブ状本体部21との接触は小さな範囲にわたるものであり、この範囲を円筒状とすることが考えられる。
ところで、係止部材40の数は、2つ以外でもよく、例えば1つでもよい。係止部材40の数を2つより多くする場合には、これらを雌部材Aの軸中心線の回りに分配して配置するのが好ましい。
また、Y−Y’軸、Y1−Y’1軸又はY2−Y’2軸のそれぞれ中心軸線XA−X’A、X1−X’1又はX2−X’2に対する角度配置は、係止部材40、401又は402がスライドする点を含む平面に対して旋回軸が垂直となるよう設定されている。このスライド平面は、係止部材40の駆動手段及び/又は案内手段によって、チューブ状本体部21、特に第1の実施形態における制御リング30及び棒状部材50、第3の実施形態における長孔37及び中央留め具47、第4の実施形態における溝部39及び側方留め具49並びに他の実施形態におけるこれらに相当する部材に対して規定されている。
係止部材40における球体の一部のような形状をした表面部の曲率中心を、ハウジング27から突出可能な係止爪46と軸中心線XA−X’Aとの間に配置するのが好ましい。こうすることで、第4の実施形態のように、旋回軸Y−Y’、Y1−Y’1又はY2−Y’2が、係止部材40の端面部44と軸中心線XA−X’Aとの間を通過するか、又は他の実施形態のようにこの軸中心線XA−X’Aに対して交差することになる。
なお、上記実施形態の特徴は本発明の範囲を逸脱しない限り適宜組み合わせることが可能であり、特に、様々な係止部材における球体の一部を形成するような表面部の曲率中心C40については、これを、第4の実施形態において述べたように図1〜図10及び図12において異なるようにしてもよい。
11 チューブ状本体部
12 流路
13 Oリング
14 溝部
15 チューブ状本体部の外面部
16 溝部
16a 底部
16b 斜面部
16c 斜面部
17 チューブ状本体部の先端部
18 閉鎖バルブ
21 チューブ状本体部
21a 着座部
21b 突起
21c 支持部材(環状部材)
21d 球状部材
21e 球状部材の外面部
22 中央流路
22a 開口部
23 バルブ
23a 中実部材
23b 中空部材
23c 中実部材の外面部
23d 中空部材の外面部
23e ショルダ部
23f 径方向オリフィス
24 Oリング
25 溝部
26 スプリング
27,271,272 ハウジング
28,281,282 凹状内面部
29,291,292 凸状外面部
30 制御リング
31 係合凹部
32 突出部
33 開口部
34 スプリングクリップ
37 長孔
39 溝部
40,401,402 係止部材(フィンガ)
41 係合凹部
41a 係合凹部の湾曲部
41b 係合凹部の湾曲部
42 係止部材の外面部
43,431 係止部材の内面部
44 係止部材の端面部
45 係止部材の前端部
46 係止爪
47 中央留め具
49 側方留め具
50 棒状部材
60 スプリング
70 駆動リング
71 内側ショルダ部
72 内側ショルダ部
80 スプリング
100 トリガ状部材
101 支持部材
A 雌部材、ピストル状部材
B 雄部材
1 第1のパイプ
2 第2のパイプ
R クイックカップリング

Claims (11)

  1. 圧力下にある流体用のパイプ(C1,C2)を着脱自在に接合するためのクイックカップリング用の雌部材(A)であって、当該雌部材が、該雌部材の軸中心線に沿って雄部材(B)の端部(11)が嵌合収容されるよう形成されており、当該雌部材が、該雌部材の本体部(21)に形成されたハウジング(27,271,272)内において移動可能な少なくとも1つの係止部材(40)を備えており、該係止部材(40)は、その係止爪(46)が前記ハウジングから突出し前記雄部材の端部(11)における溝部(16)に係合している第1の位置と、前記係止爪(46)が前記溝部(16)から離脱した第2の位置との間を移動可能であり、前記係止部材(40)を前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動させるための制御リング(30)が当該雌部材の本体部に対して当該雌部材の軸中心線と平行にスライドするよう設けられている前記雌部材において、
    前記係止部材(40,401,402)に、少なくとも1つの、球体の一部を形成する形状を有した表面部(42,43,421,422,431,432)を設け、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記係止部材の移動を、当該雌部材の本体部(21)に対して静止し、かつ、球体の一部を形成する形状を有した前記表面部の曲率中心(C40)を通過しつつ当該雌部材(A)の軸中心線(XA−X’A,X1−X’1,X2−X’2)に垂直な旋回軸(Y−Y’,Y1−Y’1,Y2−Y’2)回りの旋回によって行うよう構成したことを特徴とする雌部材。
  2. 前記係止部材(40,401,402)の前記第1の位置と前記第2の位置の間の移動において該係止部材を案内するために少なくとも1つのガイド面(28,29,281,282,291,292)を前記ハウジング(27,271,272)に設けるとともに、前記ガイド面を、前記係止部材が前記ハウジング内に収容されたときに、前記表面部(42,43,421,422,431,432)の前記曲率中心(C40)と同一の曲率中心を有する球面の一部を形成する形状としたことを特徴とする請求項1記載の雌部材。
  3. 前記係止部材(40,401,402)に、球面の一部を形成する形状を有する2つの同心状の面(42,43)を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の雌部材。
  4. 前記第1の位置又は前記第2の位置へ前記係止部材を付勢する復帰力(F4)を前記制御リング(30)に作用させる復帰手段(60)を含んで構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の雌部材。
  5. 当該雌部材(A)の本体部(21)に形成された前記ハウジング(27,271,272)内でそれぞれ移動可能な2つの係止部材(40,401,402)を設けるとともに、これら2つの係止部材及び2つのハウジングを、前記軸中心線(XA−X’A)を対称軸として対称に配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の雌部材。
  6. 少なくとも2つの前記係止部材(40)を設けるとともに、前記表面部(42,43)を、すべての係止部材において共通の曲率中心を有するよう形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の雌部材。
  7. 前記係止部材の前記第1の位置において前記ハウジング(27,271,272)から突出する前記係止爪(46)に、前記雄部材(B)の端部(11)における前記溝部(16)の斜面部(16b)と密に接触するよう先端が切り取られたコーン形状の端面部(44)を形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の雌部材。
  8. コーン形状に形成された前記端面部(44)の幾何学中心(C44)を通過し、かつ、前記表面部(42,43)の曲率中心(C40)を通過する平面に対して垂直な直線(Δ44)が形成されるよう構成したことを特徴とする請求項7記載の雌部材。
  9. 前記端面部(44)を当該雌部材の軸中心線(XA−X’A)の周囲に延在させ、前記端面部(44)が当該雌部材を包囲する角度範囲(β)を90〜150°、好ましくは120°に設定したことを特徴とする請求項7又は8記載の雌部材。
  10. 当該雌部材の軸中心線(XA−X’A)に対して垂直であり、かつ、前記表面部(42,43,421,422,431,432)の前記曲率中心(C40)を含む平面(PY)が、前記第1の位置及び前記第2の位置にある前記係止部材を横切るよう設定したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の雌部材。
  11. 互いに嵌合するよう形成された雌部材(A)及び雄部材(B)を備えて成る、圧力下にある流体用のパイプ(C1,C2)を着脱自在に接合するためのクイックカップリング(R)において、
    前記雌部材(A)を、請求項1〜10のいずれかに記載のものとしたことを特徴とするクイックカップリング。
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