JP5558898B2 - 帯電防止剤及び熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤及び熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、防曇性を有する帯電防止剤及び該帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂に関する。
熱可塑性樹脂は、軽量で加工が容易であるため、用途に応じて、自由に設計することができる等の優れた特性を有しているため、現代では欠かすことのできない重要な素材である。また、熱可塑性樹脂は電気絶縁性に優れるという特性があるため、電気製品等の部品に多く利用されている。
しかしながら、熱可塑性樹脂は、絶縁性が高いために摩擦等により帯電し、周囲の埃やチリを引き付けるため、樹脂成形品の外観を損ねるという問題がある。また、コンピューター等の精密機器は、帯電により回路が正常に稼働しなくなる場合がある。更に、電撃による問題も存在する。
また、樹脂から人体に対して電撃が発生すると、人に不快感を与えるだけでなく、可燃性気体や粉塵のあるところでは、爆発事故を誘引する可能性もある。
このような問題を解消するために、従来、合成樹脂には、帯電防止剤を加える等の、帯電を防止する処理がなされている。
このような帯電防止剤には、樹脂成形体表面に塗布する塗布型のものと、樹脂を加工成形する際に添加する練り込み型のものとがあるが、塗布型のものは持続性に劣る上、表面に大量の有機物が塗布されるために、その表面に触れたものが汚染されるという問題があった。
かかる観点から、従来、主として練り込み型の帯電防止剤が検討されており、例えば、フェノール樹脂類似の構造を有するポリアルキレングリコール誘導体が提案されている(特許文献1及び2)。
これらの練り込み型帯電防止剤は、樹脂の表面にブリードして帯電防止効果を発揮するものであるが、摩擦や水洗などにより樹脂の表面から徐々に取り除かれるため、帯電防止効果の持続性が不十分であるという問題があった。
また、帯電防止剤と樹脂との相溶性が良くない場合には、練り込まれた帯電防止剤が遅滞なく樹脂表面にブリードするため、数日から数週間で帯電防止効果がなくなったり、添加量が多くないと十分な帯電防止効果が得られなかったりするという欠点もあった。
また、熱可塑性樹脂は、疎水性が極めて高いため、耐水性には優れているが、その反面、表面に付着した水分は、濡れの現象を示さず、水滴として付着するために、ポリエチレンフィルムやポリオレフィンフィルムなどの食品包装フィルム等は、包装する食品に含有される水分がフィルム内面に凝結した水が付着して曇りを生じ、包装した食品が見えにくくなるという問題があった。
また、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン‐酢酸ビニル共重合樹脂等から製造される農業用フィルムは、農業用ハウスやトンネル栽培などの作物の促成栽培や抑制栽培に用いられる。しかしながら、これらの合成樹脂は一般に疎水性であるため、地表や作物から蒸発した水分がフィルム表面で凝結して微小な水滴を形成し、これらの水滴がフィルムを曇らせ、太陽光線透過率を低下させるため、これが作物の発育不良の原因となったり、水滴が落下した場合には、水枯れ病等の作物病害の原因となったりするという問題があった。
これらの問題を解決するために、合成樹脂に、防曇剤を練り込むことが行われている。これら練り込みタイプで用いられる防曇剤としては、ステアリン酸などの高級脂肪酸と、ソルビタン、グリセリンなどの多価アルコールとのエステル、ソルビタン高級脂肪酸エステルの酸化エチレン付加物、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの多価アルコール高級脂肪酸エステルが挙げられる(特許文献3〜8)。
しかし、これらの防曇剤は、その防曇性、帯電防止性及びそれらの持続性を満足するものではなかった。
特開2000‐34330号公報 特開2002‐60734号公報 特公昭59‐35573号公報 特開平4‐220445号公報 特開2002‐256105号公報 特公昭55‐9431号公報 特公昭38‐4174号公報 特公昭43‐8605号公報
本発明者らは、前述した問題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオキシエチレンと芳香族ジカルボン酸を反応させて得られる新規な化合物を熱可塑性樹脂に添加すると、帯電防止の持続性及び防曇性に優れる樹脂成形品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って本発明の第1の目的は、熱可塑性樹脂に、優れた帯電防止効果の持続性及び防曇性を付与することのできる帯電防止剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、帯電防止効果の持続性と防曇性に優れる樹脂成形品の製造に適した熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表される化合物からなることを特徴とする帯電防止剤、該帯電防止剤を含有してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、及び、該熱可塑性樹脂組成物からなる成形体である。
Figure 0005558898
但し、R及びRは各々独立に、アルキル基、Aは下記一般式(II)で表される二価の芳香族基であり、n及びmは各々独立に10〜30である。
Figure 0005558898
但し、R及びRは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はシアノ基である。
前記帯電防止剤は、一般式(I)で表される化合物が下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましく、前記成形体は、フィルム状又はシート状であることが好ましく、前記一般式(I)中のAは、1,4‐フェニレン基であることがより好ましい。
Figure 0005558898
本発明により、帯電防止効果の持続性及び防曇性に優れる熱可塑性樹脂成形品を提供することができる。
以下本発明について詳述する。
本発明の帯電防止剤は、下記一般式(I)で表される化合物からなる。
Figure 0005558898
但し、R及びRは各々独立に、アルキル基、Aは下記一般式(II)で表される二価の芳香族基であり、n及びmはそれぞれ10〜30である。
Figure 0005558898
但し、R及びRは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はシアノ基である。
一般式(I)におけるR及びRの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、3級ブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、3級ペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2‐エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンシル、2‐ブチルオクチル、2‐ブチルデシル、2‐ヘキシルオクチル、2‐ヘキシルデシル、2‐オクチルデシル、2‐ヘキシルドデシル、2‐オクチルドデシル、2‐デシルテトラデシル、2‐ドデシルヘキサデシル、2‐ヘキサデシルオクタデシル、2‐テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝‐イソステアリル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、メチルシクロヘキシル等が挙げられる。
及びRは、熱可塑性樹脂の帯電防止効果及びその持続性の観点から、炭素原子数が12以上のアルキル基であることが好ましい。
一般式(I)におけるAは前記一般式(II)で表される二価の芳香族基であり、一般式(II)におけるR及びRとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、3級ブチル等が挙げられ、ハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(II)で表される二価の芳香族基の具体例としては、1,2‐フェニレン基、1,3‐フェニレン基、1,4‐フェニレン基、2,5‐ジメチルー1,4‐フェニレン基等が挙げられるが、熱可塑性樹脂組成物の帯電防止効果及びその持続性、防曇性の観点から、1,4‐フェニレン基であることが好ましい。
また、一般式(I)におけるn及びmは、熱可塑性樹脂の帯電防止効果及びその持続性、防曇性の観点から、それぞれ10〜30であることが必要であり、10〜25であることが好ましく、10〜20であることがより好ましい。
本発明の帯電防止剤において、一般式(I)で表される化合物は、熱可塑性樹脂組成物の帯電防止効果及びその持続性、防曇性の観点から、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005558898
但し、式中のR、R、n及びmは、前記一般式(I)の場合と同様である。
本発明の帯電防止剤として有用な化合物の具体例としては、下記の化合物No.1〜No.4が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
但し、R、R、n及びmは、一般式(I)の場合と同様である。
Figure 0005558898
Figure 0005558898
Figure 0005558898
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本発明の帯電防止剤の製造方法としては、例えば、一般式(II)の二価の芳香族基を有する芳香族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸ジクロライドと、下記一般式(IV)で表される少なくとも一種のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの水酸基をエステル化反応させる方法がある。
Figure 0005558898
但し、式中のRは、一般式(I)中のRまたはRに対応するアルキル基であり、qは、2〜30の数であり、前記一般式(I)又は一般式(II)のn又はmに相当する。
本発明の帯電防止剤は、特に熱可塑性樹脂の帯電防止剤として使用することが好ましく、塗布型、練り込み型の何れの方法にも使用できるが、樹脂を加工成形する際に添加する練り込み型として使用することが好ましく、添加量が少量であっても、帯電防止性とその持続性に優れるばかりでなく、樹脂表面が親水性になるので、防曇性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン、ポリ‐3‐メチルペンテン等のα‐オレフィン重合体又はエチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂及びこれらの共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル‐エチレン共重合体、塩化ビニル‐塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル‐塩化ビニリデン‐酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル‐アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル‐マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル‐シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂;石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα‐メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等);ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル;ポリフェニレンオキサイド;ポリカプロラクタム及びポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂及びこれらのブレンド物の他;イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合ゴム、スチレン‐ブタジエン共重合ゴム等のエラストマーが挙げられる。
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における、本発明の帯電防止剤の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、0.05〜15質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが最も好ましい。
熱可塑性樹脂に本発明の帯電防止剤を配合する方法は特に限定されず、例えば、ロール混練り、バンパー混練り、押し出し機、ニーダー等により混合、練り込みして配合する等、通常使用されている方法を用いることができる。
熱可塑性樹脂に本発明の帯電防止剤をそのまま添加しても良いが、本発明の帯電防止剤が常温で液体である場合は、担体に含浸させてから添加することが好ましい。
担体に本発明の帯電防止剤を含浸させる方法としては、加熱混合して含浸させる他、必要に応じて、有機溶媒で希釈してから担体に含浸させ、その後溶媒を除去してもよい。
前記担体としては、合成樹脂のフィラーや充填剤として知られているもの、あるいは常温で固体の難燃剤や光安定剤を使用することができ、例えば、ケイ酸カルシウム粉、シリカ粉、タルク粉、アルミナ粉、酸化チタン粉、あるいはこれら担体の表面を化学修飾したもの、下記に挙げる難燃剤や酸化防止剤の中で固体のもの等が挙げられる。
本発明においては、担体の表面を化学修飾したものを使用することが好ましく、シリカ粉の表面を化学修飾してなる担体を使用することがより好ましい。
前記担体の平均粒径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることがより好ましい。
また、本発明の帯電防止剤は熱可塑性樹脂に配合する、練り込み型として使用する以外に、熱可塑性樹脂成形品の表面に塗布する、塗布型として使用することもできる。
塗布する場合には、各種溶剤に本発明の帯電防止剤に溶解させて塗布すればよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、安定化させるために、必要に応じてフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を更に添加してもよい。
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ第三ブチル‐p‐クレゾール、2,6‐ジフェニル‐4‐オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5‐ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6‐ヘキサメチレンビス〔(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’‐チオビス(6‐第三ブチル‐m‐クレゾール)、2,2’‐メチレンビス(4‐メチル‐6‐第三ブチルフェノール)、2,2’‐メチレンビス(4‐エチル‐6‐第三ブチルフェノール)、4,4’‐ブチリデンビス(6‐第三ブチル‐m‐クレゾール)、2,2’‐エチリデンビス(4,6‐ジ第三ブチルフェノール)、2,2’‐エチリデンビス(4‐第二ブチル‐6‐第三ブチルフェノール)、1,1,3‐トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5‐トリス(2,6‐ジメチル‐3‐ヒドロキシ‐4‐第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5‐トリス(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5‐トリス(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)‐2,4,6‐トリメチルベンゼン、2‐第三ブチル‐4‐メチル‐6‐(2‐アクリロイルオキシ‐3‐第三ブチル‐5‐メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3‐(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6‐ヘキサメチレンビス〔(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3‐第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2‐第三ブチル‐4‐メチル‐6‐(2‐ヒドロキシ‐3‐第三ブチル‐5‐メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5‐トリス〔(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9‐ビス〔1,1‐ジメチル‐2‐{(3‐第三ブチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕‐2,4,8,10‐テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3‐第三ブチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
これらのフェノール系酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2‐第三ブチル‐4‐(3‐第三ブチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニルチオ)‐5‐メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4‐ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6‐ジ第三ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6‐トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4‐ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)‐4,4’‐n‐ブチリデンビス(2‐第三ブチル‐5‐メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)‐1,1,3‐トリス(2‐メチル-4-ヒドロキシ‐5‐第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4‐ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10‐ジハイドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナンスレン‐10‐オキサイド、2,2’‐メチレンビス(4,6‐第三ブチルフェニル)‐2‐エチルヘキシルホスファイト、2,2’‐メチレンビス(4,6‐第三ブチルフェニル)‐オクタデシルホスファイト、2,2’‐エチリデンビス(4,6‐ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2‐〔(2,4,8,10‐テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン‐6‐イル)オキシ〕エチル)アミン、2‐エチル‐2‐ブチルプロピレングリコールと2,4,6‐トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
これらのリン系酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
前記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β‐アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。これらのチオエーテル系酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5’‐メチレンビス(2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン)等の2‐ヒドロキシベンゾフェノン類;2‐(2’‐ヒドロキシ‐5’‐メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐3’,5’‐ジ第三ブチルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐3’‐第三ブチル‐5’‐メチルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐5’‐第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐3’,5’‐ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ‐ル、2,2’‐メチレンビス(4‐第三オクチル‐6‐(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2‐(2’‐ヒドロキシ‐3’‐第三ブチル‐5’‐カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2‐(2’‐ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4‐ジ第三ブチルフェニル‐3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシベンゾエート、2,4‐ジ第三アミルフェニル‐3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル‐3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2‐エチル‐2’‐エトキシオキザニリド、2‐エトキシ‐4’‐ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル‐α‐シアノ‐β,β‐ジフェニルアクリレート、メチル‐2‐シアノ‐3‐メチル‐3‐(p‐メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2‐(2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシフェニル)‐4,6‐ビス(2,4‐ジ第三ブチルフェニル)‐s‐トリアジン、2‐(2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシフェニル)‐4,6‐ジフェニル‐s‐トリアジン、2‐(2‐ヒドロキシ‐4‐プロポキシ‐5‐メチルフェニル)‐4,6‐ビス(2,4‐ジ第三ブチルフェニル)‐s‐トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜30質量部であることが好ましく、特に0.05〜10質量部であることが好ましい。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジルステアレート、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)セバケート、ビス(1‐オクトキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)・ジ(トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)・ジ(トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐ブチル‐2‐(3,5‐ジ第三ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)マロネート、1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジノ‐ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4‐ジクロロ‐6‐モルホリノ‐s‐トリアジン重縮合物、1,6‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4‐ジクロロ‐6‐第三オクチルアミノ‐s‐トリアジン重縮合物、1,5,8,12‐テトラキス〔2,4‐ビス(N‐ブチル‐N‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)アミノ)‐s‐トリアジン‐6‐イル〕‐1,5,8,12‐テトラアザドデカン、1,5,8,12‐テトラキス〔2,4‐ビス(N‐ブチル‐N‐(1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)アミノ)‐s‐トリアジン‐6‐イル〕‐1,5,8‐12‐テトラアザドデカン、1,6,11‐トリス〔2,4‐ビス(N‐ブチル‐N‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)アミノ)‐s‐トリアジン‐6‐イル〕アミノウンデカン、1,6,11‐トリス〔2,4‐ビス(N‐ブチル‐N‐(1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)アミノ)‐s‐トリアジン‐6‐イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
これらのヒンダードアミン系光安定剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.001〜30質量部であることが好ましく、特に0.05〜10質量部であることが好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に必要に応じて、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩、界面活性剤、及び、本発明の帯電防止剤の他の高分子帯電防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加することができ、これにより、上記熱可塑性樹脂組成物の帯電防止性をさらに向上させることができる。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸等の炭素数1〜20のモノカルボン酸又はジカルボン酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸等の炭素数1〜20のスルホン酸、チオシアン酸等の有機酸;塩酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸;過塩素酸、硫酸、リン酸などの無機酸の、アルカリ金属又はアルカリ土類金属との塩が挙げられる。
本発明においては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のハライド、酢酸カリウム等の酢酸塩、及び過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩を使用することが好ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物中におけるアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜3質量部であることが好ましく、特に0.01〜2質量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を使用することができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記界面活性剤の中でも、アニオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が好ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物中における界面活性剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、特に0.01〜3質量部が好ましい。
高分子帯電防止剤としては、例えば、特開平7‐10989号公報に記載されたビスフェノールAのポリオキシアルキレン付加物からなるポリエーテルエステルアミド等の、ポリエーテルエステルアミド、又は、US6552131公報に記載されたブロックポリマー等の、ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックの結合単位が2から50の繰り返し構造を有するブロックポリマー等の高分子型帯電防止剤が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂組成物中における他の高分子帯電防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0〜40質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物中には、本発明の帯電防止剤と他成分や熱可塑性樹脂との相溶性を向上させる観点から、必要に応じて更に相溶化剤を添加してもよい。このような相溶化剤としては、例えば特開平3‐258850号公報に記載された、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基又はポリオキシアルキレン基等の極性基を有する変性ビニル重合体;特開平6‐345927号に記載された、スルホニル基を有する変性ビニル重合体、あるいはポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂中における相溶化剤の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、更に必要に応じてp‐第三ブチル安息香酸アルミニウム、芳香族リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール類等の造核剤、本発明の帯電防止剤以外の帯電防止剤、金属石鹸、ハイドロタルサイト、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、ホスフェート系難燃剤、無機リン系難燃剤、(ポリ)リン酸塩系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、シリコン系難燃剤、三酸化アンチモン等の酸化アンチモン、その他の無機系難燃助剤、その他の有機系難燃助剤、充填剤、顔料、滑剤、発泡剤等を添加してもよい。
上記トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン、アンメリン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ピロリン酸メラミン、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3‐ヘキシレンジメラミン等が挙げられる。
前記金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、キスマー5A(水酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製の商品名)等が挙げられる。
前記リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリスイソプロピルフェニルホスフェート、2‐エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t-ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(t-ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス-(t-ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス-(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス-(イソプロピルフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
前記縮合リン酸エステル系難燃剤の例としては、1,3‐フェニレン ビス(ジフェニルホスフェート)、1,3‐フェニレン ビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられる。
また、(ポリ)リン酸塩系難燃剤の例としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン等の(ポリ)リン酸のアンモニウム塩やアミン塩が挙げられる。
前記その他の無機系難燃助剤としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、タルク、モンモリロナイトなどの無機化合物、及びその表面処理品が挙げられ、例えば、TIPAQUE R‐680(酸化チタン:石原産業(株)製)、キョーワマグ150(酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製)、DHT‐4A(ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)、アルカマイザー4(亜鉛変性ハイドロタルサイト:協和化学工業(株)製)等の市販品を用いることができる。
また、前記その他の有機系難燃助剤としては、例えば、ペンタエリスリトールが挙げられる。
前述したものの他、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、例えば、架橋剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、防曇剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、発泡剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤等の、通常合成樹脂に使用される添加剤を、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、帯電防止性とその持続性、防曇性に優れており、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形することにより得られる。成形方法は特に限定されず、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ロール、圧縮成形、ブロー成形等により樹脂板、シート、フィルム、繊維、異形品等の種々の形状の成形品を製造することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物及びその成形体は、電気・電子・通信、農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類、医療、石炭、石油、ゴム、皮革、自動車、精密機器、木材、建材、土木、家具、印刷、楽器等の幅広い分野において使用することができる。
具体的には、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、複写機、ファクシミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、カード、ホルダー、文具等の事務、OA機器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の家電機器;TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレーヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV機器;コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電気・電子部品及び通信機器;製版用フィルム、粘着フィルム、ボトル、食品用容器、食品包装用フィルム、製薬・医薬用ラップフィルム、製品包装フィルム、農業用フィルム、農業用シート、温室用フィルム等に、本発明の熱可塑性樹脂組成物及びその成形体が用いられる。
更に、座席の詰物・表地、ベルト、天井張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サンバイザー、ホイルカバー、マットレスカバー、エアバック、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被覆材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、デッキ材、壁材、柱材、敷板、塀の材料、骨組及び繰形、窓及びドア形材、こけら板、羽目、テラス、バルコニー、防音板、断熱板、窓材等の自動車、車両、船舶、航空機、建物、住宅及び建築用材料や土木材料;衣料、カーテン、シーツ、不織布、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、テント、楽器等の生活用品、スポーツ用品にも、本発明の熱可塑性樹脂組成物及びその成形体が用いられる。
以下、本発明を実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
尚、以下の実施例等において、%及びppmは特に記載が無い限り質量基準である。
〔製造例1〕
500mlの三つ口フラスコに、ポリオキシエチレンモノステアリルエーテル(HO‐(CHCHO)15‐C1837)80g(0.088mol)、トリエチルアミン9g(0.088mol)、及び、トルエン250mlを加え、更にテレフタル酸ジクロリド8.9g(0.044mol)を加え、80℃まで昇温後、4時間反応させた。反応は窒素雰囲気下で行った。
反応系を室温まで冷却し、析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ過して除去した後に、エバポレーターを使用してトルエンを留去した。
得られた固体をクロロホルム300mlに溶解し、水100mlで洗浄した後、濃縮して目的とする下記試験化合物‐1を81g得た。
Figure 0005558898
〔実施例1、比較例1〜3〕
帯電防止剤として前記試験化合物‐1を配合した熱可塑性樹脂組成物から試験片を作成し、性能評価を行った。
また比較例として、帯電防止剤を使用しない場合と、比較化合物‐1として、グリセリンモノステアレート(商品名リケマールS‐100 理研ビタミン(株)製)を帯電防止剤として用いた場合について、同様に評価した。
<試験片作成>
表1に記載された配合量のポリプロピレン樹脂組成物を、2軸押出機PCM30((株)池貝製の商品名;60mesh入り)を用いて、樹脂温度200℃、6kg/時間の条件で造粒し、得られたペレットを、横型射出成形機(NEX80:日精樹脂工業の商品名)を用いて、樹脂温度200℃、金型温度40℃の加工条件で成形を行い、100mm×100mm×3mmの試験片を得た。
<帯電防止性評価>
試験片を成形加工後直ちに、25℃で湿度60%の条件下に保存し、成形加工の1日後、1週間保存後に、同じ雰囲気下で、アドバンテスト社製のR8340抵抗計を用いて、印加電圧100V、印加時間1分の条件で、表面固有抵抗値(SR値)(Ω/□)を測定した。測定は5点について行い、その平均値を求めた。
<帯電防止効果の持続性評価>
試験片の表面をウエスで50回乾拭きし、25℃で湿度60%の条件下に2時間保存した後、同雰囲気下にて、アドバンテスト社製のR8340抵抗計を用いて、印加電圧100V、印加時間1分の条件で、表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。測定は5点について行い、その平均値を求めた。
<防曇性評価>
得られた試験片の表面の水の接触角を、協和界面科学(株)製 FACE 自動接触角計 CA‐VP型を用いて測定した。測定は、5μlの水滴を試験片表面に滴下し、2秒後から10秒毎に水滴をカメラで撮影し、得られた画像から、滴下2秒後と5分後の接触角を分度器で測定した。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0005558898
表1から明らかなように、実施例1のポリプロピレン樹脂組成物は、比較例1のポリプロピレン樹脂組成物と比較すると、表面固有抵抗値が極めて低いことから、本発明の樹脂組成物が帯電防止性を有することが確認されると供に、試験化合物‐1が樹脂組成物に帯電防止効果を与えることが確認された。
また、実施例1と比較例2及び3とを比較すると、実施例1の場合には、1週間経過後の表面固有抵抗値の上昇、及び、拭き取り後の表面固有抵抗値の上昇の何れも極めて小さいことから、本発明のポリカーボネート樹脂組成物が、帯電防止効果の持続性及び耐拭き取り性に優れるものであることが確認された。
更に水の接触角は、水の滴下2秒後については、実施例1及び比較例1〜3は略同等であるが、滴下5分後については、実施例1が各比較例に比べ極めて小さいことから、本発明の樹脂組成物は水の濡れ性が高く、防曇性に優れることが確認された。
本発明の帯電防止剤及び熱可塑性樹脂組成物は、帯電防止性及び帯電防止効果の持続性が良好であり、幅広い分野で有用である。特に、防曇性に優れているので、食品包装フィルムや、農業用ハウスやトンネル栽培等の農業用フィルムとして有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物からなることを特徴とする帯電防止剤。
    Figure 0005558898
    但し、R及びRは各々独立に、アルキル基、Aは下記一般式(II)で表される二価の芳香族基であり、n及びmは各々独立に10〜30である。
    Figure 0005558898
    但し、R及びRは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はシアノ基である。
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(III)で表される化合物である、請求項1に記載された帯電防止剤。
    Figure 0005558898
  3. 前記一般式(I)中のAが1,4‐フェニレン基である請求項1に記載された帯電防止剤。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載された帯電防止剤を含有してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載された熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする成形体。
  6. 前記成形体がフィルム状又はシート状である請求項5に記載された成形体。
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