JP5558352B2 - 6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法およびその中間体 - Google Patents

6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法およびその中間体 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2008年7月15日に出願された日本国特許出願2008−183930号の優先権を主張するものであり、この日本出願の明細書は引用することにより本願の開示の一部とされる。
本発明は、農薬または医薬品として有用な6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法、ならびにこの製造方法に好適に用いられる合成中間体である4−アリールオキシアントラニル酸誘導体に関するものである。
国際公開第2006/013896号パンフレット(特許文献1)、特開2008−110953号公報(特許文献2)、および国際公開第2007/088978号パンフレット(特許文献3)には、6−アリールオキシキノリン誘導体が農園芸用殺虫剤として、または農園芸用殺菌剤として有用な化合物であることが開示されている。これらの6−アリールオキシキノリン誘導体は、鱗翅目、半翅目、鞘翅目、ダニ目、膜翅目、直翅目、双翅目、アザミウマ目、および植物寄生性線虫に対して高い殺虫活性を示す化合物である。
また、これらの6−アリールオキシキノリン誘導体は農園芸用殺菌剤としても様々な植物病原真菌に対して効果を示し、例えば、キュウリうどんこ病菌、コムギ赤さび病菌、オオムギうどんこ病菌、トマト輪紋病菌、リンゴ黒星病菌、モモ灰星病菌、およびイチゴ炭疸病菌に対して殺菌効果を示す化合物として知られている。
上記文献には、これらの6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法として、4−アリールオキシアニリン誘導体とβ−ケトカルボン酸エステルとを反応させ、6−アリールオキシキノロン誘導体を経由し、6−アリールオキシキノリン誘導体を製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、環化反応における収率が低〜中程度にとどまる。また、このキノリン誘導体の5位または7位のいずれか一方に置換基を導入した誘導体を得ようとする場合、5位置換体と7位置換体の混合物が得られるため、目的とする化合物の更なる低収率化をもたらすとともに、カラムクロマトグラフ法などによるそれぞれの位置異性体の煩雑な分離工程が必要となる。よって、殺虫性化合物及び殺菌性化合物としての有用性が見出されている6−アリールオキシキノリン誘導体の、工業的製造に使用し得る高収率な製造方法が必要とされている。
国際公開第2006/013896号パンフレット 特開2008−110953号公報 国際公開第2007/088978号パンフレット
本発明者らは、4−アリールオキシアントラニル酸誘導体を経由する合成経路を6−アリールオキシキノリン誘導体の製造に用いることにより、キノリン環構築反応の効率が顕著に向上するとともに、6−アリールオキシキノリン誘導体の5位または7位への位置選択的な置換基導入が可能となり、これにより、所望の6−アリールオキシキノリン誘導体が高収率で効率よく得られることを見出した。さらに、本発明者らは、前記4−アリールオキシアントラニル酸誘導体を高収率で効率よく製造する方法をも見出した。本発明はこれら知見に基づくものである。
従って、本発明の目的は、6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法、およびその製造中間体である4−アリールオキシアントラニル酸誘導体の製造方法を提供することにある。
そして、本発明の第一の態様によれば、キノリン誘導体を製造する方法が提供され、該方法は、
(i) 酸の存在下、一般式(1):
Figure 0005558352
〔式中、
、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基を表し、ただし、R、RおよびRは同時に水素原子を表すことはなく、
は水素原子、またはカルボン酸保護基を表し、
、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルコキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキルチオ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルオキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルチオ基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルキニルオキシ基を表し、
あるいは、R、R、R、RおよびRのいずれかの隣り合う2つの置換基が一緒になって1以上のハロゲン原子により置換されていてもよい−O−(CH−O−(nは1または2を表す)を表す〕
で示されるアントラニル酸誘導体と、一般式(2):
Figure 0005558352
〔式中、R10およびR11は互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ただしR10およびR11が同時に水素原子を表すことはなく、あるいはR10とR11は一緒になって−(CH−(ここで、mは3または4を表す)を表す〕
で示されるケトンを反応させることにより、一般式(3):
Figure 0005558352
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、前記と同義である〕
で示されるキノロン誘導体を取得する環化反応工程(C)、ならびに
(ii) 一般式(3)のキノロン誘導体と、一般式(4):
Figure 0005558352
〔式中、R12は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基、OR13(ここで、R13はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基を表す)、SR14(ここで、R14はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基を表す)を表し、
Yはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素のいずれか1種を表す〕
で示されるハロゲン化合物、または一般式(5):
Figure 0005558352
〔式中、R12は前記と同義である〕
で示される酸無水物を反応させることにより、一般式(6):
Figure 0005558352
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、前記と同義である〕
で示されるキノリン誘導体を取得する縮合反応工程(D)
を含んでなる。
本発明の第二の態様によれば、アントラニル酸誘導体を製造する方法が提供され、該方法は、
(i) 塩基の存在下または非存在下、一般式(7):
Figure 0005558352
〔式中、
、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基を表し、ただし、R、RおよびRは同時に水素原子を表すことはなく、
は水素原子、またはカルボン酸保護基を表し、
Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素のいずれか1種を表す〕
で示されるニトロ安息香酸誘導体に、一般式(8):
Figure 0005558352
〔式中、
、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルコキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキルチオ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルオキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルチオ基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルキニルオキシ基を表し、
あるいは、R、R、R、RおよびRのいずれかの隣り合う2つの置換基が一緒になって1以上のハロゲン原子により置換されていてもよい−O−(CH−O−(nは1または2を表す)を表す〕
で示されるフェノール誘導体を反応させることにより、一般式(9):
Figure 0005558352
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、前記と同義である〕
で示されるエーテル誘導体を取得するエーテル化工程(A)、ならびに
(ii) 一般式(9)のエーテル誘導体を還元することにより、一般式(1):
Figure 0005558352
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、前記と同義である〕
で示されるアントラニル酸誘導体を取得する還元工程(B)
を含んでなる。
本発明の第三の態様によれば、キノリン誘導体を製造する方法が提供され、該方法は、上述のエーテル化工程(A)、還元工程(B)、環化反応工程(C)および縮合反応工程(D)を含んでなる。
さらに、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体は一般式(6)で示されるキノリン誘導体の製造における重要な中間体であり、一般式(1)に含まれる新規化合物は本発明の一つの態様をなす。
よって、本発明の第四の態様によれば、一般式(1a)で示されるアントラニル酸誘導体:
Figure 0005558352
〔式中、
1a、R2aおよびR3aのうちのいずれか1つはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、残りの2つは水素原子を表し、
4aは、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、
5a、R6a、R7a、R8aおよびR9aのうちのいずれか1つはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルコキシ基を表し、残りの4つは水素原子を表す〕が提供される。
本発明によれば、優れた殺虫活性または殺菌活性を有する6−アリールオキシキノリン誘導体を高収率で製造することが可能となる。本発明による方法では、キノリン環構築反応の効率が顕著に高いため、高収率で効率よく6−アリールオキシキノリン誘導体を得ることができる。また、本発明による方法では、キノリン環の全ての部位に位置選択的に置換基を導入することができ、よって、多部位に様々な種類の置換基を同時に有する所望のキノリン誘導体を選択的に製造することができる。従って、本発明によれば、煩雑な単離精製工程を必要とすることなく、高純度で所望の6−アリールオキシキノリン誘導体を得ることが可能となる。よって、本発明による方法は、特定の6−アリールオキシキノリン誘導体の大量生産に適したものであり、工業的に有利な方法である。
発明の具体的説明
一般式中の置換基の定義
本明細書において「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味し、好ましくはフッ素、塩素または臭素であり、より好ましくは塩素またはフッ素である。
本明細書において「環状アルキル基」とは、そのアルキル基が少なくとも1つの環状構造を含むことを意味する。環状アルキル基としては、例えば、シクロアルキル基、1以上のシクロアルキル基により置換されたアルキル基が挙げられ、これらはさらに1以上のアルキル基により置換されていてもよい。
、RおよびRが表すC1−4アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、およびt−ブチル基が挙げられる。このC1−4アルキル基は、好ましくは直鎖C1−4アルキル基とされ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、およびn−ブチル基が挙げられ、より好ましくはメチル基またはエチル基とされる。
、RおよびRが表すC1−4アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC1−4アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、(1−または2−)クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、およびペンタフルオロエチル基が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基とされる。
、RおよびRが表すC1−4アルキル基は、C1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。R、RおよびRが表す、C1−4アルコキシ基により置換されているC1−4アルキル基としては、例えば、メトキシメチル基が挙げられる。
、RおよびRが表すC1−4アルコキシ基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−プロピルオキシ基、i−ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、およびt−ブチルオキシ基が挙げられる。このC1−4アルコキシ基は、好ましくは直鎖C1−4アルコキシ基とされ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、およびn−ブチルオキシ基が挙げられ、より好ましくはメトキシ基またはエトキシ基とされる。
、RおよびRが表すC1−4アルコキシ基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC1−4アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、およびペンタクロロエトキシ基が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様によれば、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、またはトリフルオロメチル基を表し(ただし、R、RおよびRが同時に水素原子を表すことはない)、より好ましくは、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメチル基、エチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、残りの2つが水素原子を表す。
は、水素原子またはカルボン酸保護基を表す。Rが表すカルボン酸保護基は、一般的に知られるカルボン酸保護基であればよく、特に限定されない。カルボン酸保護基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、C1−4のアルコキシメチル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいベンゾイルメチル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様によれば、Rは、ハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表す。さらに好ましい実施態様によれば、Rは、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す。
が表すC1−8アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、(2−または3−メチル)ブチル基、2,3−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、(2,3または4−メチル)ペンチル基、(2,3−、2,4−または3,4−ジメチル)ブチル基、2,3,4−トリメチルプロピル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基が挙げられ、好ましくはi−プロピル基とされる。
が表すC1−8アルキル基はハロゲン原子により置換されていてもよい。Rが表す、ハロゲン原子により置換されているC1−8アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、(1−または2−)クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、およびペンタフルオロエチル基が挙げられる。
が表すC1−8アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。Rが表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されているC1−8アルキル基としては、2−トリフルオロメトキシエチル基が挙げられる。
が表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基の具体例としては、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピルプロピル基、1−メチルシクロプロピルメチル基、2−(1−メチルシクロプロピル)エチル基、3−(1−メチルシクロプロピル)プロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピルメチル基、2−(2,2−ジメチルシクロプロピル)エチル基、3−(2,2−ジメチルシクロプロピル)プロピル基、2,2−ジクロロシクロプロピルメチル基、2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)エチル基、3−(2,2−ジクロロシクロプロピル)プロピル基、2,2−ジフルオロシクロプロピルメチル基、2−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)エチル基、または3−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)プロピル基、シクロへキシル基、シクロへキシルメチル基、およびシクロへキシルエチル基が挙げられる。
が表すC1−4のアルコキシメチル基の具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロピルオキシメチル基、およびブトキシメチル基が挙げられる。
が表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいベンゾイルメチル基の具体例としては、ベンゾイルメチル基、クロロベンゾイルメチル基、トリクロロベンゾイルメチル基、およびペンタクロロベンゾイルメチル基が挙げられる。
が表す、ハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基の具体例としては、ベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基等が挙げられ、好ましくはベンジル基とされる。
、R、R、RおよびRが表すC1−8アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、(2−または3−メチル)ブチル基、2,3−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、(2,3または4−メチル)ペンチル基、(2,3−、2,4−または3,4−ジメチル)ブチル基、2,3,4−トリメチルプロピル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基が挙げられ、好ましくはメチル基またはエチル基とされる。
、R、R、RおよびRが表すC1−8アルキル基はハロゲン原子により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC1−8アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、(1−または2−)クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、およびペンタフルオロエチル基が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基とされる。
、R、R、RおよびRが表すC1−8アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されているC1−8アルキル基としては、例えば、2−トリフルオロメトキシエチル基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC1−8アルコキシ基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−プロピルオキシ基、i−ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、(2−または3−メチル)ブチルオキシ基、2,3−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、(2,3または4−メチル)ペンチルオキシ基、(2,3−、2,4−または3,4−ジメチル)ブチルオキシ基、2,3,4−トリメチルプロピルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、およびn−オクチルオキシ基が挙げられ、好ましくはメトキシ基またはエトキシ基とされる。
、R、R、RおよびRが表すC1−8アルコキシ基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC1−8アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、およびペンタクロロエトキシ基が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基とされ、より好ましくはトリフルオロメトキシ基または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基とされる。
、R、R、RおよびRが表すC1−8アルキルチオ基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−プロピルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、(2−または3−メチル)ブチルチオ基、2,3−ジメチルプロピルチオ基、n−ヘキシルチオ基、(2,3または4−メチル)ペンチルチオ基、(2,3−、2,4−または3,4−ジメチル)ブチルチオ基、2,3,4−トリメチルプロピルチオ基、n−ヘプチルチオ基、およびn−オクチルチオ基が挙げられ、好ましくはメチルチオ基またはエチルチオ基とされる。
、R、R、RおよびRが表すC1−8アルキルチオ基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC1−8アルキルチオ基としては、例えば、トリフルオロメチルチオ基、トリクロロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、ジクロロメチルチオ基、トリフルオロエチルチオ基、トリクロロエチルチオ基、テトラフルオロエチルチオ基、テトラクロロエチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、ペンタクロロエチルチオ基、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ基、およびヘプタフルオロ−i−プロピルチオ基が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチルチオ基、トリクロロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、ジクロロメチルチオ基、トリフルオロエチルチオ基、トリクロロエチルチオ基、テトラフルオロエチルチオ基、テトラクロロエチルチオ基、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ基、またはヘプタフルオロ−i−プロピルチオ基とされ、より好ましくはトリフルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ基、またはヘプタフルオロ−i−プロピルチオ基とされる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルケニルオキシ基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、ビニルオキシ基、(1−または2−)プロペニルオキシ基、(1−、2−または3−)ブテニルオキシ基、1−メチルビニルオキシ基、1−メチル−1−プロペニルオキシ基、および2−メチル−1−プロペニルオキシ基が挙げられる。このC2−4アルケニルオキシ基は、好ましくは直鎖C2−4アルケニルオキシ基とされ、例えば、ビニルオキシ基、(1−または2−)プロペニルオキシ基、および(1−、2−または3−)ブテニルオキシ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルケニルオキシ基はハロゲン原子により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC2−4アルケニルオキシ基としては、例えば、2−フルオロビニルオキシ基、2−クロロビニルオキシ基、2,2−ジフルオロビニルオキシ基、2,2−ジクロロビニルオキシ基、および3,3−ジクロロ(1−または2−)プロペニルオキシ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルケニルオキシ基は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されているC2−4アルケニルオキシ基としては、例えば、2−トリフルオロメトキシビニルオキシ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルケニルチオ基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、ビニルチオ基、(1−または2−)プロペニルチオ基、(1−、2−または3−)ブテニルチオ基、1−メチルビニルチオ基、1−メチル−1−プロペニルチオ基、および2−メチル−1−プロペニルチオ基が挙げられる。このC2−4アルケニルチオ基は、好ましくは直鎖C2−4アルケニルチオ基とされ、例えば、ビニルチオ基、(1−または2−)プロペニルチオ基、(1−、2−または3−)ブテニルチオ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルケニルチオ基はハロゲン原子により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC2−4アルケニルチオ基としては、例えば、2−フルオロビニルチオ基、2−クロロビニルチオ基、2,2−ジフルオロビニルチオ基、および2,2−ジクロロビニルチオ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルケニルチオ基は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されているC2−4アルケニルチオ基としては、例えば、2−トリフルオロメトキシビニルチオ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルキニルオキシ基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、エチニルオキシ基、(1−または2−)プロピニルオキシ基、(1−、2−または3−)ブチニルオキシ基、1−メチルエチニルオキシ基、1−メチル−1−プロピニルオキシ基、および2−メチル−1−プロピニルオキシ基が挙げられる。このC2−4アルキニルオキシ基は、好ましくは直鎖C2−4アルキニルオキシ基とされ、例えば、エチニルオキシ基、(1−または2−)プロピニルオキシ基、および(1−、2−または3−)ブチニルオキシ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRが表すC2−4アルキニルオキシ基はハロゲン原子により置換されていてもよい。R、R、R、RおよびRが表す、ハロゲン原子により置換されているC2−4アルキニルオキシ基としては、例えば、フルオロエチニルオキシ基、クロロエチニルオキシ基、および3−クロロ(1−または2−)プロピニルオキシ基が挙げられる。
、R、R、RおよびRのいずれかの隣り合う2つの置換基が一緒になって表す、1以上のハロゲン原子により置換されていてもよい−O−(CH−O−(nは1または2を表す)としては、例えば、−O−(CF−O−、−O−(CH−O−、−O−CHCF−O−、−O−CHFCF−O−などが挙げられ、好ましくは−O−(CF−O−とされる。
本発明の好ましい実施態様によれば、R、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、あるいはRとRが一緒になって−OCFCFO−を表す。より好ましい実施態様によれば、R、R、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、残りの4つが水素原子を表す。
10およびR11が表すC1−4アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、およびt−ブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基またはエチル基とされる。
10およびR11が表すC1−4アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。R10およびR11が表す、ハロゲン原子により置換されているC1−4アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、(1−または2−)クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基が挙げられる。
10およびR11が表すC1−4アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。R10およびR11が表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されているC1−4アルキル基としては、例えば、2−トリフルオロメトキシエチル基が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様によれば、R10およびR11は互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ただしR10およびR11が同時に水素原子を表すことはない。より好ましい実施態様によれば、R10およびR11は互いに独立してハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す。これらの実施態様におけるC1−4アルキル基は、好ましくは直鎖C1−4アルキル基とされる。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、R10は−CH−R15を表し、R11はR15を表し、R15はC1−3アルキル基を表す。ここで、R15が表すC1−3アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよいが、好ましくは直鎖C1−3アルキル基とされ、より好ましくはメチル基とされる。
12、R13およびR14が表すC1−8アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、(2−または3−メチル)ブチル基、2,3−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、(2,3または4−メチル)ペンチル基、(2,3−、2,4−または3,4−ジメチル)ブチル基、2,3,4−トリメチルプロピル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基が挙げられる。
12、R13およびR14が表すC1−8アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。R12、R13およびR14が表す、ハロゲン原子により置換されているC1−8アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、(1−または2−)クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、およびペンタフルオロエチル基が挙げられる。
12、R13およびR14が表すC1−8アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。R12、R13およびR14が表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されているC1−8アルキル基としては、例えば、2−トリフルオロメトキシエチル基が挙げられる。
12、R13およびR14が表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基の具体例としては、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピルプロピル基、1−メチルシクロプロピルメチル基、2−(1−メチルシクロプロピル)エチル基、2,2−ジメチルシクロプロピルメチル基、2,2−ジクロロシクロプロピルメチル基、2−(2,2−ジクロロシクロプロピル)エチル基、3−(2,2−ジクロロシクロプロピル)プロピル基、2,2−ジフルオロシクロプロピルメチル基、2−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)エチル基、3−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)プロピル基、およびシクロへキシル基が挙げられる。
12、R13およびR14が表すC2−4アルケニル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、ビニル基、(1−または2−)プロペニル基、(1−、2−または3−)ブテニル基、1−メチルビニル基、1−メチル−1−プロペニル基、および2−メチル−1−プロペニル基が挙げられる。このC2−4アルケニル基は、好ましくは直鎖C2−4アルケニル基とされ、例えば、ビニル基、(1−または2−)プロペニル基、および(1−、2−または3−)ブテニル基が挙げられる。
12、R13およびR14が表すC2−4アルケニル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。R12、R13およびR14が表す、ハロゲン原子により置換されているC2−4アルケニル基としては、例えば、2−フルオロビニル基、2−クロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、および2,2−ジクロロビニル基が挙げられる。
12、R13およびR14が表すC2−4アルケニル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよい。R12、R13およびR14が表す、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されているC2−4アルケニル基としては、例えば、2−トリフルオロメトキシビニル基が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様によれば、R12は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはOR13(ここでR13はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す)を表す。より好ましい実施態様によれば、R12は、OR13(ここで、R13はC1−4アルキル基を表す)を表す。これらの実施態様におけるC1−4アルキル基は、好ましくは直鎖C1−4アルキル基とされ、より好ましくはメチル基とされる。
1a、R2aおよびR3aが表すC1−4アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、およびt−ブチル基が挙げられる。R1a、R2aおよびR3aが表すC1−4アルキル基は、好ましくは直鎖C1−4アルキル基とされる。R4aが表すC1−4アルキル基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、およびt−ブチル基が挙げられ、好ましくはi−プロピル基とされる。さらに、これらのC1−4アルキル基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子により置換されているC1−4アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、(1−または2−)クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、およびペンタフルオロエチル基が挙げられる。
5a、R6a、R7a、R8aおよびR9aが表すC1−8アルコキシ基は直鎖であっても分岐していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−プロピルオキシ基、i−ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、(2−または3−メチル)ブチルオキシ基、2,3−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、(2,3または4−メチル)ペンチルオキシ基、(2,3−、2,4−または3,4−ジメチル)ブチルオキシ基、2,3,4−トリメチルプロピルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、およびn−オクチルオキシ基が挙げられる。さらに、このC1−8アルコキシ基は、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子により置換されているC1−8アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、およびペンタクロロエトキシ基が挙げられる。
一般式(1a)中の置換基R1a〜R9aは、一般式(1)中の置換基R〜Rにそれぞれ対応するものである。よって、置換基R〜Rについて上述した好ましい態様は、置換基R1a〜R9aにも適用される。
置換基R〜Rの組み合わせに係る好ましい実施態様によれば、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、またはトリフルオロメチル基を表し、ただし、R、RおよびRが同時に水素原子を表すことはなく、Rはハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表し、R、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、あるいはRとRが一緒になって−OCFCFO−を表す。
さらに好ましい実施態様によれば、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメチル基、エチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、残りの2つは水素原子を表し、Rは、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、R、R、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、残りの4つは水素原子を表す。
置換基R〜R12の組み合わせに係る好ましい実施態様によれば、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、またはトリフルオロメチル基を表し、ただし、R、RおよびRが同時に水素原子を表すことはなく、Rはハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表し、R、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、あるいはRとRが一緒になって−OCFCFO−を表し、R10およびR11は互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、ただしR10およびR11が同時に水素原子を表すことはなく、R12はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはOR13(ここでR13はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す)を表す。
さらに好ましい実施態様によれば、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメチル基、エチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、残りの2つは水素原子を表し、Rは、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、R、R、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、残りの4つは水素原子を表し、R10およびR11は互いに独立してハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、R12はOR13(ここで、R13はC1−4アルキル基を表す)を表す。
本発明による方法を構成する工程(A)〜(D)
本発明による方法では、塩基の存在下または非存在下、一般式(7)で示されるニトロ安息香酸誘導体に一般式(8)で示されるフェノール誘導体を反応させて、一般式(9)で示されるエーテル誘導体とするエーテル化工程(A)、次いで、得られたエーテル誘導体を還元して、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とする還元工程(B)を行うことにより、重要な中間体である一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体を得ることができる。さらに、還元工程(B)に続けて、あるいは一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体から出発して、酸の存在下、前記アントラニル酸誘導体と一般式(2)で示されるケトンを反応させ、一般式(3)で示されるキノロン誘導体とする環化反応工程(C)、次いで、得られたキノロン誘導体と、一般式(4)で示されるハロゲン化合物あるいは一般式(5)で示される酸無水物とを反応させて、一般式(6)で示されるキノリン誘導体とする縮合反応工程(D)を行うことにより、農園芸用殺虫剤または農園芸用殺菌剤として有用な、一般式(6)で示されるキノリン誘導体を得ることができる。工程(A)〜(D)のそれぞれについて、以下に説明する。
エーテル化工程(A)
エーテル化工程(A)は、塩基の存在下または非存在下、一般式(7)で示されるニトロ安息香酸誘導体に一般式(8)で示されるフェノール誘導体を反応させて、一般式(9)で示されるエーテル誘導体とする工程である。このエーテル化工程(A)は、好ましくは塩基の存在下で行われる。
一般式(9)で示されるエーテル誘導体の具体例としては、例えば、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸メチル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸エチル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸イソプロピル、2,4−ジメチル−6−ニトロ−3−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸メチル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシ)安息香酸メチル、4−メチル−2−ニトロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロベンゾジオキシン−6−イルオキシ)安息香酸メチル、5−(2−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェノキシ)−4−メチル−2−ニトロ安息香酸メチル、4−メトキシ−2−ニトロ−5−(4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシ)安息香酸メチル、4−メトキシ−2−ニトロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロベンゾジオキシン−6−イルオキシ)安息香酸メチル、4−メトキシ−2−ニトロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロベンゾジオキシン−6−イルオキシ)安息香酸エチル、4−メトキシ−2−ニトロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロベンゾジオキシン−6−イルオキシ)安息香酸イソプロピル、4−フルオロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル、2−クロロ−3−(4−クロロフェノキシ)−6−ニトロ安息香酸メチル、4−クロロ−5−(4−クロロフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル、6−ニトロ−3−(4−(トリフルオロメトキシフェノキシ)−2−トリフルオロメチル安息香酸メチル、2−ニトロ−5−(4−(トリフルオロメトキシフェノキシ)−4−トリフルオロメチル安息香酸メチル、3−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−6−ニトロ−2−トリフルオロメチル安息香酸メチル、3−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−6−ニトロ−4−トリフルオロメチル安息香酸メチル、2−クロロ−3−(4−メトキシフェノキシ)−6−ニトロ安息香酸メチル、4−クロロ−5−(4−メトキシフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル、2−メチル−6−ニトロ−3−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸メチル、3−(4−(3,3−ジクロロアリルオキシフェノキシ)−2,4−ジメチル−6−ニトロ安息香酸メチル、3−(4−(3−クロロ−2−プロピニルオキシ)フェノキシ)−2,4−ジメチル−6−ニトロ安息香酸メチル、2,4−ジメトキシ−6−ニトロ−3−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸メチル、4−フルオロ−2−ニトロ−5−(4−パーフルオロ−2−プロパンチオ)フェノキシ安息香酸メチル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸ベンジル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸フェネチル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)安息香酸シクロへキシル、4−メトキシ−2−ニトロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロベンゾジオキシン−6−イルオキシ)安息香酸ベンジル、4−メトキシ−2−ニトロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロベンゾジオキシン−6−イルオキシ)安息香酸シクロヘキシルメチル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシ)安息香酸ベンジル、4−メトキシ−2−ニトロ−5−(4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシ)安息香酸ベンジル、4−フルオロ−5−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸イソプロピルなどが挙げられる。
エーテル化工程(A)は、溶媒の存在下または非存在下において行われる。使用される溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、特に制限されない。このような溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−メチルブタン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;酢酸、プロピオン酸等の有機カルボン酸類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;水が挙げられる。前記の溶媒の使用量は、ニトロ安息香酸誘導体に対して、好ましくは2〜50質量倍、さらに好ましくは2〜10質量倍である。これらの溶媒は、単独で、または二種以上を混合して使用してもよい。
エーテル化工程(A)は、塩基の存在下または非存在下において行われる。使用される塩基としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸化物又は水酸化物等の無機塩基;含窒素有機塩基等の有機塩基類;金属アルコキサイド類;水素化金属類が挙げられ、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、ナトリウムブトキサイド、または水素化ナトリウムとされる。前記の塩基の使用量は、フェノール誘導体に対して、好ましくは0〜5.0倍モル、さらに好ましくは0.5〜2.0倍モルである。
エーテル化工程(A)は、塩基の存在下、ニトロ安息香酸誘導体とフェノール誘導体を液相で接触させることが好ましく、例えば、不活性ガス雰囲気にて、塩基、ニトロ安息香酸誘導体、フェノール誘導体および溶媒を混合して、加熱攪拌する等の方法によって、常圧下、加圧下または減圧下で行われる。その際の反応温度は、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは80〜150℃である。フェノール誘導体は、前記の塩基と塩を形成した状態で使用してもよい。
エーテル化工程(A)によって主生成物として得られるエーテル誘導体は、反応終了後、後処理をせずにそのまま次の還元工程(B)に使用してもよいし、あるいは、抽出、蒸留、沈析等の簡易な一般的後処理操作により単離精製し、また、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による方法によって分離・精製した後に、次の還元工程(B)に使用してもよい。
還元工程(B)
還元工程(B)は、一般式(9)で示されるエーテル誘導体を還元して、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とする工程である。
還元工程(B)における還元反応は、ニトロ基をアミノ基に変換する一般的な還元方法であればよく、特に制限されない。このような還元反応としては、例えば、水素化アルミニウム化合物による還元、ラネーニッケル存在下における水素による還元、パラジウム存在下における水素による還元、鉄粉による還元、塩化第一スズによる還元等が挙げられる。本発明の好ましい実施態様によれば、還元工程(B)における還元は、パラジウム存在下における水素添加により、または鉄粉を用いて行われる。
還元工程(B)における還元反応は、溶媒の存在下または非存在下において行われる。
使用される溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、特に制限されない。このような溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類が挙げられ、好ましくは水またはアルコール類、さらに好ましくは水、メタノール、またはエタノールが使用される。前記溶媒の使用量は、エーテル誘導体に対して、好ましくは2〜50質量倍、さらに好ましくは3〜20質量倍である。これらの溶媒は、単独で、または二種以上を混合して使用してもよい。
還元工程(B)における還元反応では、触媒存在下、エーテル誘導体を液相で反応させることが好ましく、例えば、水素雰囲気下で、エーテル誘導体、パラジウム炭素およびメタノールを混合して加熱攪拌する等の方法によって、常圧下又は加圧下で還元が行われる。その際の反応温度は、好ましくは20〜110℃、さらに好ましくは30〜80℃とされる。
還元工程(B)によって主生成物として得られるアントラニル酸誘導体は、反応終了後、後処理をせずそのまま次の環化反応工程(C)に使用してもよいし、あるいは、抽出、蒸留、沈析等の簡易な一般的後処理操作により単離精製し、また、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による方法によって分離・精製した後に、次の環化反応工程(C)に使用してもよい。
環化反応工程(C)
環化反応工程(C)は、酸の存在下、一般式(2)で示されるケトンに、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体を反応させて、一般式(3)で示されるキノロン誘導体とする工程である。
環化反応工程(C)において使用する酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機スルホン酸類;塩化亜鉛、塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化チタン、フッ化ホウ素、塩化ホウ素等のルイス酸;リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、硫酸、塩酸等の無機酸類;モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロゲン化有機カルボン酸が挙げられ、好ましくは有機スルホン酸またはルイス酸とされる。有機スルホン酸は、好ましくはベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸とされる。ルイス酸は、好ましくは塩化亜鉛、塩化鉄、塩化チタン、または塩化アルミニウムとされる。前記の酸の使用量は、アントラニル酸誘導体に対して、好ましくは0.1〜5.0倍モル、さらに好ましくは0.5〜3.0倍モルである。
環化反応工程(C)は、溶媒の存在下または非存在下において行われる。使用される溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、特に制限されない。このような溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−メチルブタン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;酢酸、プロピオン酸等の有機カルボン酸類が挙げられる。前記の溶媒の使用量は、アントラニル酸誘導体に対して、好ましくは2〜50質量倍、さらに好ましくは3〜10質量倍である。これらの溶媒は、単独で、または二種以上を混合して使用してもよい。
環化反応工程(C)は、酸の存在下、ケトンとアントラニル酸誘導体を液相で接触させることが好ましく、例えば、不活性ガス雰囲気にて、酸、ケトン、アントラニル酸誘導体および溶媒を混合して、加熱攪拌する等の方法によって、常圧下、加圧下または減圧下で環化が行われる。その際の反応温度は、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは80〜150℃である。また、環化反応工程(C)は、必要であれば、反応中に生成する水を除去しながら行ってもよい。アントラニル酸誘導体は、前記の酸と塩を形成した状態で使用してもよい。
一般式(2)で示されるケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、3−ペンタノン、エチルブチルケトン、エチルプロピルケトン、シクロヘキシルエチルケトン、エチルヘキシルケトン、シクロヘキセノン、シクロペンタノン、メチルヘプタフルオロプロピルケトン、ペンタフルオロエチルエチルケトン等が挙げられ、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノンとされる。
環化反応工程(C)によって主生成物として得られるキノロン誘導体は、反応終了後、後処理をせずそのまま次の縮合反応工程(D)に使用してもよいし、あるいは、抽出、蒸留、沈析等の簡易な一般的後処理操作により単離精製し、また、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による方法によって分離・精製した後に、次の縮合反応工程(D)に使用してもよい。
縮合反応工程(D)
縮合反応工程(D)は、一般式(3)で示されるキノロン誘導体と一般式(4)で示されるハロゲン化合物または一般式(5)で示される酸無水物を反応させて、一般式(6)で示されるキノリン誘導体とする工程である。
一般式(4)で示されるハロゲン化合物の具体例としては、塩化アセチル、プロピオン酸クロライド、ブタン酸クロライド、シクロプロピルカルボン酸クロライド、シクロペンチルカルボン酸クロライド、シクロへキシルカルボン酸クロライド、n−ヘキサン酸クロライド、n−オクタン酸クロライド、n−ノナン酸クロライド、2,2−ジメチルプロパン酸クロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、クロトン酸クロライド、イソクロトン酸クロライド、クロロ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソプロピル等、クロロ蟻酸ブチル、クロロ蟻酸オクチル等が挙げられる。
一般式(5)で示される酸無水物の具体例としては、無水酢酸、クロロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、シクロヘキサンカルボン酸無水物等が挙げられる。
縮合反応工程(D)は、溶媒の存在下または非存在下において行われる。使用される溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、特に制限されない。このような溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−メチルブタン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;酢酸、プロピオン酸等の有機カルボン酸類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;水が挙げられる。前記の溶媒の使用量は、キノロン誘導体に対して、好ましくは2〜50質量倍、さらに好ましくは3〜10質量倍である。これらの溶媒は、単独で、または二種以上を混合して使用してもよい。
縮合反応工程(D)は、塩基の存在下または非存在下において行われる。使用される塩基としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸化物または水酸化物等の無機塩基;含窒素有機塩基等の有機塩基類;金属アルコキサイド類;水素化金属類が挙げられ、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、ナトリウムブトキサイド、または水素化ナトリウムとされる。前記の塩基の使用量は、キノロン誘導体に対して、好ましくは0〜5.0倍モル、さらに好ましくは0.5〜2.0倍モルである。
縮合反応工程(D)では、塩基の存在下、キノロン誘導体とハロゲン化合物を液相で接触させることが好ましく、例えば、不活性ガス雰囲気にて、塩基、キノロン誘導体、ハロゲン化合物および溶媒を混合して攪拌する等の方法によって、常圧下、加圧下または減圧下で縮合反応が行われる。その際の反応温度は、好ましくは−50〜100℃、さらに好ましくは−10〜50℃である。キノロン誘導体は、前記の塩基と塩を形成した状態で使用してもよい。
縮合反応工程(D)によって主生成物として得られるキノリン誘導体は、反応終了後、後処理をせずにそのまま使用してもよいし、あるいは、抽出、蒸留、沈析等の簡易な一般的後処理操作により単離精製し、また、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による方法によって分離・精製した後に使用してもよい。
一般式(7)で表されるニトロ安息香酸誘導体は、以下のスキーム1に従って、一般式(10)で表される化合物のアミノ基を置換基変換することにより得ることができる。
Figure 0005558352
あるいは、一般式(7)で表されるニトロ安息香酸誘導体は、以下のスキーム2に従って、一般式(12)で表される化合物をニトロ化することにより得ることができる。
Figure 0005558352
一般式(10)で表される化合物または一般式(12)で表される化合物は、一般的に購入することが可能である。
本発明による方法によって得られる一般式(6)で表されるキノリン誘導体の具体例を、以下の表1に示す。これらのキノリン誘導体は、農薬または医薬品として有用である。
Figure 0005558352
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1:4−メチル−2−ニトロ−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピルの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた容量2000mlのガラス製フラスコに窒素雰囲気下ジメチルアセトアミド716ml、4−トリフルオロメトキシフェノール170g、5−クロロ−4−メチル−2−ニトロ安息香酸イソプロピル246g、炭酸カリウム263.9gを加え攪拌しながら100〜105℃まで昇温した。同温度で37時間反応させた後、減圧下にて360mlのジメチルアセトアミドを留去する。反応液を2Lの氷水に注ぎ、酢酸エチル1.7Lを加え攪拌の後、静置分液する。酢酸エチル層を1.5%の水酸化ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄の後、減圧濃縮を行い4−メチル−2−ニトロ−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル373.3g(収率97.9%)を得た。
融点:47〜49℃;
H−NMR(CDCl):1.30(d,6H),2.40(s,3H),5.19(m,1H),6.97(s,1H),7.05(d,2H),7.27(d,2H),7.89(s,1H).
実施例2:2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピルの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた容量2000mlのガラス製フラスコに鉄粉372.9g、エタノール1290ml、水531ml、35%塩酸2.8gを仕込み還流するまで加熱した。エタノール398mlに溶解させた4−メチル−2−ニトロ−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル373gを2時間で滴下した。8時間還流の後、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、10mlを加え、濾過した。濾液を濃縮し、酢酸エチル300mlを加え、食塩水で洗浄、分液し、酢酸エチル層を減圧濃縮した。得られた残渣にイソプロパノール320mlを加え70℃に加熱し溶解させた。水160mlを加え冷却し、析出した固体を濾過により濾別、乾燥し2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル283.7g(収率82.2%)を得た。
融点:71〜72℃;
H−NMR(CDCl):1.31(d,6H),2.09(s,3H),5.18(m,1H),5.63(broad,2H),6.56(s,1H),8.82(d,2H),7.12(d,2H),7.50(s,1H).
実施例3:2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピルの合成
攪拌装置、温度計を備えた容量500mlのステンレス製オートクレーブに80%メタノール225g、4−メチル−2−ニトロ−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル50g、5%パラジウム炭素2.5gを仕込み、水素圧力下(0.5MPa)、30℃で6時間反応させた。窒素置換の後、反応液をメタノール220mlで濾過し、触媒を除いた。得られたメタノール溶液を減圧下で濃縮し、水208mlを加えた。析出した固体を濾過、乾燥することにより2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル43.96g(収率95%)を得た。
融点:71〜72℃;
H−NMR(CDCl):1.31(d,6H),2.09(s,3H),5.18(m,1H),5.63(broad,2H),6.56(s,1H),8.82(d,2H),7.12(d,2H),7.50(s,1H).
実施例4:2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器およびDean−Stark装置を備えた容量2000mlのガラス製フラスコに窒素雰囲気下2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル171.4g、メシチレン928ml、3−ペンタノン79.9gおよびベンゼンスルホン酸一水和物16.3gを加え攪拌しながら還流するまで昇温させた。ベンゼンスルホン酸一水和物8.2gずつを8回追加しながら90時間反応させた。反応終了後、80℃に冷却しメシチレン232mlと10%炭酸水素ナトリウム水溶液409gを加えた後、室温まで冷却した。
析出した結晶を吸引濾過器上で濾過した後、メシチレンおよびメタノール水で洗浄、乾燥し、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの微褐色結晶を119.3g(収率68.1%)得た。
融点:281〜283℃;
H−NMR(DMSO−d):1.21(t,3H),1.95(s,3H),2.28(s,3H),2.67(q,2H),7.6(d,2H),7.38(d,2H),7.43(s,2H),11.37(s,1H).
実施例5:2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器およびDean−Stark装置を備えた容量50mlのガラス製フラスコに窒素雰囲気下2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル3.69g、キシレン20ml、3−ペンタノン5.3mlおよび塩化亜鉛0.256gを加え攪拌しながら還流するまで昇温させた。1.1gの塩化亜鉛を4回に分け追加しながら50時間反応させた。反応終了後、70℃に冷却し0.1N塩酸10mlを加えた後、室温まで冷却した。析出した固体を吸引濾過器上で濾過した後、メタノール水および蒸留水で洗浄、乾燥し、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの微褐色固体を3.29g(収率87.3%)得た。
融点:281〜283℃;
H−NMR(DMSO−d):1.21(t,3H),1.95(s,3H),2.28(s,3H),2.67(q,2H),7.6(d,2H),7.38(d,2H),7.43(s,2H),11.37(s,1H).
実施例6:2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4−イル メチルカルボネートの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた容量1000mlのガラス製容器に窒素雰囲気下ジメチルアセトアミド694ml、t−ブトキシドナトリウム35.2g、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オン 131g加え室温下攪拌した。クロロ蟻酸メチル34.4gを滴下し、室温にて1時間反応した。この反応混合物を5Lプラスチック容器中の水1735mlに注ぎ、室温にて2時間攪拌した。析出した固体を吸引濾過器にて濾過し、水で洗浄した。固体を減圧乾燥し、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4−イル メチルカルボネート 149.5g(収率98.8%)を得た。H−NMRの測定結果により、得られた化合物は、国際公開第2006/013896号パンフレットに記載されているNo.120の化合物であることを確認した。
H−NMR(CDCl):1.38(t,3H),2.31(s,3H),2.41(s,3H),3.01(q,2H),3.88(s,3H),6.97(d,2H),7.14(s,1H),7.20(d,2H),7.94(s,1H).
実施例7:2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器およびDean−Stark装置を備えた容量1000mlのガラス製フラスコに窒素雰囲気下、キシレン542ml、p−トルエンスルホン酸一水和物51.5gを仕込み、40分還流脱水した。110℃まで冷却し、2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル100g、3−ペンタノン11.7gを加え還流脱水した。p−トルエンスルホン酸一水和物46.4g、3−ペンタノン34.9gを分割して追加し、107時間反応させた。反応終了後、80℃に冷却し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液496gを加えた後、室温まで冷却した。析出した固体を吸引濾過器上で濾過した後、キシレン130mlおよび50%メタノール水260mlで洗浄、乾燥し、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの微褐色固体を83.3g(収率81.5%)得た。
融点:281〜283℃;
H−NMR(DMSO−d):1.21(t,3H),1.95(s,3H),2.28(s,3H),2.67(q,2H),7.6(d,2H),7.38(d,2H),7.43(s,2H),11.37(s,1H).
実施例8:2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4−イル メチルカルボネートの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器、塩化カルシウム管を備えた容量2000mlのガラス製フラスコに窒素雰囲気下ジメチルホルムアミド980ml、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オン 98gを仕込み、15℃に冷却した。55%水素化ナトリウム18.2gを加え、15〜20℃で1時間攪拌した。クロロ蟻酸メチル32.1gを滴下し、室温にて1時間反応した。この反応混合物を10Lプラスチック容器中の氷水5Lに注ぎ、室温にて2時間攪拌した。析出した固体を吸引濾過器にて濾過し、n−ヘキサンと水で洗浄した。固体を減圧乾燥し、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4−イル メチルカルボネート 103.3g(収率91.4%)を得た。H−NMRの測定結果により、得られた化合物は、国際公開第2006/013896号パンフレットに記載されているNo.120の化合物であることを確認した。
H−NMR(CDCl):1.38(t,3H),2.31(s,3H),2.41(s,3H),3.01(q,2H),3.88(s,3H),6.97(d,2H),7.14(s,1H),7.20(d,2H),7.94(s,1H).
実施例9:2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器およびDean−Stark装置を備えた容量1000mlのガラス製フラスコに窒素気流下、塩化アルミニウム30.0g、キシレン125mlを加えた。10℃以下で攪拌しながら3−ペンタノン58.1gを滴下した。つづいて、250mlのキシレンに溶解した2−アミノ−4−メチル−5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)安息香酸イソプロピル60.55gを室温で滴下した後、6時間加熱還流した。反応液に塩化アルミニウム5.0g、キシレン65mlおよび3−ペンタノン9.69gの混合物を追加し、さらに18時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで放冷した。別の1000mlガラス製フラスコ中に調製した5%塩酸水溶液150mlに、反応液を少量ずつ添加した。さらにメタノール150mlを加えた後、約1時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応混合物を吸引濾過器上で濾過し、メタノール水で洗浄、乾燥し、2−エチル−3,7−ジメチル−6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)キノリン−4(1H)−オンの微褐色固体51.33g(収率90.7%)を得た。
融点:281〜283℃;
H−NMR(DMSO−d):1.21(t,3H),1.95(s,3H),2.28(s,3H),2.67(q,2H),7.6(d,2H),7.38(d,2H),7.43(s,2H),11.37(s,1H).
[発明の効果]
国際公開第2006/013896号パンフレットに記載されている、置換アニリンから2工程で6−アリールオキシキノリン誘導体を得る従来の製造方法では、目的化合物の総収率は6〜58%程度という低〜中程度の収率であった。また、5位または7位置換6−アリールオキシキノリン誘導体を製造する場合、その単離収率は6〜44%という低い収率であった。また、5位置換または7位置換6−アリールオキシキノリン誘導体は単一生成物として得られないため、カラムクロマトグラフィー等による煩雑な分離精製工程が必要とされ、工業的製造には改善が必要なものであった。
これに対し、本発明による6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法では、一般式(7)で示されるニトロ安息香酸誘導体から目的化合物である一般式(6)の6−アリールオキシキノリン誘導体を4工程で製造することができる。それぞれの反応工程においては、特別な反応装置や反応条件を採用する必要がなく、反応条件の最適化を行うことにより、それぞれの素工程収率が80〜99%という優れた反応収率が得られた。その結果、一般式(7)で示されるニトロ安息香酸を出発原料として、4工程総収率56〜66%という優れた収率で、目的化合物である6−アリールオキシキノリン誘導体を得ることができた。また、前記6−アリールオキシキノリン誘導体において、同時に5位または7位に置換基を有する化合物も単一生成物として得ることができることから、煩雑な単離精製工程を必要とせず、大幅な製造工程の短縮をはかることが可能となった。
すなわち、上記の実施例によれば、本発明による6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法は、反応効率が高く、また、位置選択的な置換基導入を伴うキノリン環構築反応によるものであり、高収率で且つ工業的に有利な6−アリールオキシキノリン誘導体の製造方法であることが実証されている。

Claims (23)

  1. キノリン誘導体を製造する方法であって、
    (i) 酸の存在下、一般式(1):
    Figure 0005558352
    〔式中、
    、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基を表し、ただし、R、RおよびRは同時に水素原子を表すことはなく、
    は水素原子、またはカルボン酸保護基を表し、
    、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルコキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキルチオ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルオキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルチオ基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルキニルオキシ基を表し、
    あるいは、R、R、R、RおよびRのいずれかの隣り合う2つの置換基が一緒になって1以上のハロゲン原子により置換されていてもよい−O−(CH−O−(nは1または2を表す)を表す〕
    で示されるアントラニル酸誘導体と、一般式(2):
    Figure 0005558352
    〔式中、R10およびR11は互いに独立して、 1−4 アルキル基を表す〕
    で示されるケトンを反応させることにより、一般式(3):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、前記と同義である〕
    で示されるキノロン誘導体を取得する環化反応工程(C)、ならびに
    (ii) 一般式(3)のキノロン誘導体と、一般式(4):
    Figure 0005558352
    〔式中、R12は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基、OR13(ここで、R13はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基を表す)、SR14(ここで、R14はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基を表す)を表し、
    Yはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素のいずれか1種を表す〕
    で示されるハロゲン化合物、または一般式(5):
    Figure 0005558352
    〔式中、R12は前記と同義である〕
    で示される酸無水物を反応させることにより、一般式(6):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、前記と同義である〕
    で示されるキノリン誘導体を取得する縮合反応工程(D)
    を含んでなる、方法。
  2. が、水素原子、ハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、C1−4のアルコキシメチル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいベンゾイルメチル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表す、請求項1に記載の方法。
  3. 、RおよびRが互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、またはトリフルオロメチル基を表し、ただし、R、RおよびRが同時に水素原子を表すことはなく、Rがハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表し、R、R、R、RおよびRが互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、あるいはRとRが一緒になって−OCFCFO−を表し、R12がハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはOR13(ここでR13はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す)を表す、請求項1に記載の方法。
  4. 、RおよびRのうちのいずれか1つがメチル基、エチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、残りの2つが水素原子を表し、Rが、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、R、R、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、残りの4つが水素原子を表し、R12がOR13(ここで、R13はC1−4アルキル基を表す)を表す、請求項1に記載の方法。
  5. 10が−CH−R15を表し、R11がR15を表し、R15がC1−3アルキル基を表す、請求項1に記載の方法。
  6. 環化反応工程(C)に用いられる酸が有機スルホン酸またはルイス酸である、請求項1に記載の方法。
  7. 有機スルホン酸がベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸である、請求項6に記載の方法。
  8. ルイス酸が、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化チタン、または塩化アルミニウムである、請求項6に記載の方法。
  9. 一般式(1a)で示されるアントラニル酸誘導体:
    Figure 0005558352
    〔式中、
    1a、R2aおよびR3aのうちのいずれか1つはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、残りの2つは水素原子を表し、
    4aは、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、
    5a、R6a、R7a、R8aおよびR9aのうちのいずれか1つはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルコキシ基を表し、残りの4つは水素原子を表す〕。
  10. アントラニル酸誘導体を製造する方法であって、
    (i) 塩基の存在下または非存在下、一般式(7):
    Figure 0005558352
    〔式中、
    、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基を表し、ただし、R、RおよびRは同時に水素原子を表すことはなく、
    は水素原子、またはカルボン酸保護基を表し、
    Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素のいずれか1種を表す〕
    で示されるニトロ安息香酸誘導体に、一般式(8):
    Figure 0005558352
    〔式中、
    、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルコキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキルチオ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルオキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルチオ基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルキニルオキシ基を表し、
    あるいは、R、R、R、RおよびRのいずれかの隣り合う2つの置換基が一緒になって1以上のハロゲン原子により置換されていてもよい−O−(CH−O−(nは1または2を表す)を表す〕
    で示されるフェノール誘導体を反応させることにより、一般式(9):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、前記と同義である〕
    で示されるエーテル誘導体を取得するエーテル化工程(A)、ならびに
    (ii) 一般式(9)のエーテル誘導体を還元することにより、一般式(1):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、前記と同義である〕
    で示されるアントラニル酸誘導体を取得する還元工程(B)
    を含んでなる、方法。
  11. が、水素原子、ハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、C1−4のアルコキシメチル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいベンゾイルメチル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表す、請求項10に記載の方法。
  12. 、RおよびRが互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、またはトリフルオロメチル基を表し、ただし、R、RおよびRが同時に水素原子を表すことはなく、Rがハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表し、R、R、R、RおよびRが互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、あるいはRとRが一緒になって−OCFCFO−を表す、請求項10に記載の方法。
  13. 、RおよびRのうちのいずれか1つがメチル基、エチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、残りの2つが水素原子を表し、Rが、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、R、R、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、残りの4つが水素原子を表す、請求項10に記載の方法。
  14. 還元工程(B)における還元が、パラジウム存在下における水素添加により、または鉄粉を用いて行われる、請求項10に記載の方法。
  15. キノリン誘導体を製造する方法であって、
    (i) 塩基の存在下または非存在下、一般式(7):
    Figure 0005558352
    〔式中、
    、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基を表し、ただし、R、RおよびRは同時に水素原子を表すことはなく、
    は水素原子、またはカルボン酸保護基を表し、
    Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素のいずれか1種を表す〕
    で示されるニトロ安息香酸誘導体に、一般式(8):
    Figure 0005558352
    〔式中、
    、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルコキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキルチオ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルオキシ基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニルチオ基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルキニルオキシ基を表し、
    あるいは、R、R、R、RおよびRのいずれかの隣り合う2つの置換基が一緒になって1以上のハロゲン原子により置換されていてもよい−O−(CH−O−(nは1または2を表す)を表す〕
    で示されるフェノール誘導体を反応させることにより、一般式(9):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、前記と同義である〕
    で示されるエーテル誘導体を取得するエーテル化工程(A)、
    (ii) 一般式(9)のエーテル誘導体を還元することにより、一般式(1):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、前記と同義である〕
    で示されるアントラニル酸誘導体を取得する還元工程(B)、
    (iii) 酸の存在下、一般式(1)のアントラニル酸誘導体と、一般式(2):
    Figure 0005558352
    〔式中、R10およびR11は互いに独立して、 1−4 アルキル基を表す〕
    で示されるケトンを反応させることにより、一般式(3):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、前記と同義である〕
    で示されるキノロン誘導体を取得する環化反応工程(C)、ならびに
    (iv) 一般式(3)のキノロン誘導体と、一般式(4):
    Figure 0005558352
    〔式中、R12は、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基、OR13(ここで、R13はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基を表す)、SR14(ここで、R14はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−6環状アルキル基、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC2−4アルケニル基を表す)を表し、
    Yはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素のいずれか1種を表す〕
    で示されるハロゲン化合物、または一般式(5):
    Figure 0005558352
    〔式中、R12は前記と同義である〕
    で示される酸無水物を反応させることにより、一般式(6):
    Figure 0005558352
    〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、前記と同義である〕
    で示されるキノリン誘導体を取得する縮合反応工程(D)
    を含んでなる、方法。
  16. が、水素原子、ハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、C1−4のアルコキシメチル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいベンゾイルメチル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表す、請求項15に記載の方法。
  17. 、RおよびRが互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、またはトリフルオロメチル基を表し、ただし、R、RおよびRが同時に水素原子を表すことはなく、Rがハロゲン原子もしくはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC1−8アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC3−8環状アルキル基、またはハロゲン原子、C1−4アルキル基もしくはC1−4アルコキシ基により置換されていてもよいC7−14アラルキル基を表し、R、R、R、RおよびRが互いに独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、あるいはRとRが一緒になって−OCFCFO−を表し、R12がハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基、またはOR13(ここでR13はハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す)を表す、請求項15に記載の方法。
  18. 、RおよびRのうちのいずれか1つがメチル基、エチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、残りの2つが水素原子を表し、Rが、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、R、R、R、RおよびRのうちのいずれか1つがメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、または1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基を表し、残りの4つが水素原子を表し、R12がOR13(ここで、R13はC1−4アルキル基を表す)を表す、請求項15に記載の方法。
  19. 10が−CH−R15を表し、R11がR15を表し、R15がC1−3アルキル基を表す、請求項15に記載の方法。
  20. 還元工程(B)における還元が、パラジウム存在下における水素添加により、または鉄粉を用いて行われる、請求項15に記載の方法。
  21. 環化反応工程(C)に用いられる酸が有機スルホン酸またはルイス酸である、請求項15に記載の方法。
  22. 有機スルホン酸がベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸である、請求項21に記載の方法。
  23. ルイス酸が、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化チタン、または塩化アルミニウムである、請求項21に記載の方法。
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