JP5557542B2 - 摩擦具及びそれを備えた筆記具 - Google Patents

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本発明は摩擦具とそれを備えた筆記具に関する。詳細には、熱変色性を有する筆跡や印刷像等を摩擦する摩擦具とそれを備えた筆記具に関する。
従来、筆記や印刷によって紙面上に形成された熱変色部を変色させる手段として、手動摩擦による摩擦熱で変色させる摩擦体の使用が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
前記特許文献1に記載の摩擦体は、シリコーンゴムを凸曲面形状に成形したものであり、直接把持して使用する他、該成形物を摩擦部として支持基材に圧入嵌合し、該支持基材を把持して使用する摩擦具に関するものである。また、特許文献2には、特定硬度以上の樹脂材を摩擦体として使用するものであり、前記摩擦体を摩擦具の支持基材に形成される摩擦部として適用する際、二色成形により支持基材と固着させることが記載されている。
特開2004−148744号公報 特開2007−223302号公報
摩擦具を形成する際、前記特許文献1の方法、即ち、支持基材に摩擦体を嵌合させる場合、強固な抜け力を確保するために支持基材や摩擦体の形状が複雑なものとなると共に、摩擦体の摩擦部以外の部分が大きくなるため、コスト高となる。
また、前記特許文献2に記載されるように、支持基材と摩擦体(摩擦部)を二色成形によって固着(熱融着)する場合、取付構造を複雑にすることはなくなるが、固着可能な支持基材と摩擦体の組み合わせが限定されるため、それぞれの材料の自由度が低いものとなる。また、複雑な金型が必要とされると共に、成形性を得るために摩擦体の肉厚が大きくなるものであった。
本発明は、熱変色部を摩擦部で擦過することによって消色や色調変化を発現させる摩擦具であって、支持基材に摩擦部を取り付ける際にそれぞれの構造や金型を複雑にすることなく、更に材料を限定する必要がないため、高いコストを掛けることなく取付位置やデザインを幅広く選択できる摩擦具とそれを備えた筆記具を提供するものである。
本発明は、熱変色部を摩擦部での擦過によって変色させる摩擦具であって、前記摩擦部が支持基材上に印刷、塗布のいずれかの手段で形成される摩擦具を要件とする。
更に、前記摩擦部が平均粒子径1〜100μmの樹脂粒子を含むインキを印刷又は塗布することにより形成されることを要件とする。
更に、熱変色部を摩擦部での擦過によって変色させる摩擦具であって、前記摩擦部が支持基材上に、軟質樹脂層を設けた転写フィルムを転写することにより形成される摩擦具を要件とする。
更に、前記支持基材が樹脂成形物であること、前記熱変色部が熱変色性インキにより形成される筆跡または印影であることを要件とする。
更には、前記いずれかの摩擦具を備えてなる筆記具を要件とし、前記摩擦具の支持基材が筆記具外装であり、前記筆記具外装の外面に摩擦部が形成されること、前記摩擦具が鎖又は紐で筆記具に接続される装飾品形態であること、前記筆記具が加熱により消色或いは変色可能なインキを収容してなることを要件とする。
本発明により、支持基材や摩擦部の構造やそれらを成形する金型を複雑にすることや、材料を限定することなく、支持基材と摩擦部が固着された摩擦具を形成できるため、高いコストを掛けることなく取付位置やデザインを幅広く選択することが可能な摩擦具とそれを備えた筆記具となる。
本発明の摩擦具の一例を示す説明図である。 本発明の摩擦具を備えた筆記具の一例を示す説明図である。
前記摩擦具は、種々形状に形成された支持基材の少なくとも一部に、熱変色部と接触可能な位置に摩擦部を印刷、塗布、貼着、転写のいずれかの手段で形成されるものである。
前記摩擦部には、汎用の樹脂、ゴム、エラストマー材料等が好適に用いられ、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、アクリル、ナイロン、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の比較的硬質な合成樹脂や、スチレン系、オレフィン系、ポリスチレンとポリオレフィンのブロック共重合体、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1、2−ポリブタジエン系、塩化ビニル系、フッ素系等の熱可塑性エラストマーや、ポリプロピレンとエチレンプロピレン系ゴムとのブレンド、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体とのブレンド、塩素化ポリエチレンとナイロンとのブレンド等のブレンドされたエラストマーや、シリコーンゴム等のゴムエラストマー、天然ゴム、合成ゴム、シリカ粉、金属粉、各種樹脂による発泡体、繊維の熱融着乃至樹脂加工体等が挙げられる。
特に、前記材質のうち、軟質性を有する合成樹脂やエラストマーからなる材料(軟質樹脂と称する)が好適であり、例えばショア硬度Aが40以上(JIS K6253A)のものが例示できる。軟質樹脂は擦過時に支持体と接触させた際の弾性を有し、適度な抵抗を発現するため、摩擦熱の発生効率が高いものとなる。
前記摩擦部の支持基材への形成方法としては、前述の材料をインキ形態(必要に応じてバインダーや着色剤を添加する)として、スクリーン印刷、スプレー印刷、パッド印刷等による直接印刷やスプレー塗装や直接塗装等の塗布が用いられる。また、粘着剤による貼着の他、前述の材料を設けた転写フィルムを用いて、感圧転写や熱転写等による転写が用いられる。
前記インキ形態においては特に、粒状の樹脂を適用することが好ましく、平均粒子径1〜100μmの樹脂粒子が好適である。
また、貼着や転写を用いる場合、軟質樹脂を単体または支持材と共に用いた軟質樹脂層が好適である。尚、転写フィルムを用いる場合、フィルムに形成される着色層、樹脂層、接着剤層等を肉厚に形成して摩擦部とすることが好ましい。
前記支持基材としては、把持できる程度の硬度を有する部材であれば汎用の材料を用いることができ、例えば、金属、石材、木材、紙材、ガラス、陶器やセラミック、エラストマーの他、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、アクリル、ナイロン、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の比較的硬質な合成樹脂が例示できる。
特に、所望形状への成形性が高いことから、合成樹脂が好適である。
また、前記支持基材として、筆記具部材を適用することで、摩擦具を備えた筆記具を形成できる。前記支持基材としては、キャップ、クリップ、頭冠、口金、軸筒、尾栓、チップ、グリップ等が挙げられ、いずれも外側表面への形成が好ましい。また、スタンプ具の部材への適用も可能である。
前記筆記具としては、万年筆、マーキングペン、ボールペン、修正ペン、繰り出し式固形筆記具等が挙げられ、ペン先(チップ)を覆うキャップを備えたキャップ式形態の他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式形態であってもよい。出没式形態とする場合、レフィルを一本収容するタイプだけでなく、二本以上収容して所望のレフィルを選択的に出没できる複式タイプとすることもできる。また、相異なる形態のペン先を装着させたり、相異なる色調のインキを導出させるペン先を装着させた両頭式形態であってもよい。
前記マーキングペンとしては、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペン等が挙げられる。
ボールペンとしては、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、更にインキの端面にはインキ逆流防止体が密接する構造、チップを軸筒先端に接続し、該軸筒内にインキ組成物を直に充填すると共に、インキの端面にインキ逆流防止体が密接する構造、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、チップにインキを供給する構造、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させてチップに所定量のインキを供給する構造のボールペン等が例示できる。また、チップを軸筒先端に接続してインキを直に充填する構造のボールペンは、インキを充填した外装に転写層を形成した後に透明外軸内に収容した構造であってもよい。
尚、前記筆記具に収容されるインキとして、通常の非変色性インキを収容することができる他、従来汎用の加熱により消色或いは変色可能なインキを適用することができる。特に、インキ中に配合される着色剤としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた顔料が有効である。
前記可逆熱変色性組成物のうち、加熱により消色する組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する組成物を例示できる。
また、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報、特開2005−1369号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜70℃)を示し、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、低温域での発色状態、又は、高温域での消色状態が、特定温度域で記憶保持できる可逆熱変色性組成物を用いることもできる。
尚、筆記具に摩擦具を設ける場合、前述の構成以外に、鎖や紐(樹脂、ゴム、糸、針金等)を用いて筆記具に接続してなる装飾品形態とすることもできる。その際、筆記具に対して着脱自在とすることも可能である。
本発明の摩擦具で擦過する熱変色部は、前記熱変色性筆記具によって紙面等に形成された筆跡の他、スタンプによる印影や、印刷や塗装によって形成された熱変色層(像形態やベタ状のもの)が適用される。
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1(図1参照)
上下両端を凸曲面状に形成すると共に、孔部を備えた転がり防止用突起を備える円柱状支持基材2をABS樹脂を射出成形することで成形した。その後、上下両端の凸曲面に、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体を固形分20%となるようにトルエンに溶解し、青色顔料を混合したスプレーインキを用いてベタ状及び抜き柄状にスプレー塗装することで摩擦部3を形成し、摩擦具1を得た。
前記摩擦具1は、紙面上に可逆熱変色像(常温で紫色を示し、45℃以上でピンク色を示すと共に10℃以下で紫色に戻る)が印刷された印刷物に対して、前記摩擦具1の両端凸曲面に形成される摩擦部3を用いて前記可逆熱変色像(熱変色部)を擦過することで、該擦過部分を容易にピンク色に変色させることができた。その際、摩擦部3は剥離することなく支持基材2に固着しており、摩擦部3が紙面に移ることもなかった。
実施例2
上端に円形凹部を有するポリエチレン樹脂製六角柱を支持部材2として用いて、前記凹部と同形状の円柱状SEBS共重合樹脂を接着剤を介して凹部に貼着することで摩擦部3を形成して摩擦具1を得た。
前記摩擦具1は、紙面上に可逆熱変色像(常温で紫色を示し、45℃以上でピンク色を示すと共に10℃以下で紫色に戻る)が印刷された印刷物に対して、摩擦部3で可逆熱変色像(熱変色部)を擦過することで、該擦過部分を容易にピンク色に変色させることができた。その際、摩擦部3は剥離することなく支持基材2に固着しており、優れた擦過性を示すものであった。
実施例3
ポリカーボネート樹脂製クリップ部材2aの一部に、平均粒子径20μmのアクリル樹脂系球状樹脂粉体をウレタン樹脂系インキに対して固形分30%で添加したインキと、イソシアネート系硬化剤を混合してなる印刷インキを用いて、100メッシュスクリーン版でスクリーン印刷を行い、80℃で30分間の硬化を行うことで摩擦部3aを形成し、摩擦具1aを得た。
更に、ボールペンレフィルを収容する軸筒部材2bをポリカーボネート樹脂を射出成形により形成して支持基材2(前方にグリップ5が二色成形される)とし、該軸筒部材2bの後端部近傍に摩擦部3bを備えた転写フィルム4を熱転写することで、摩擦具1bを得た。
尚、前記転写フィルム4は、ベースシートとなる16μmのポリエステルフィルム上面に、アクリル樹脂系剥離層、保護層、アクリル樹脂系着色層、アクリル樹脂系熱可塑性接着剤層が順次形成されてなるものであり、前記着色層の一部(摩擦部を構成する部分)が、厚肉状に直径1mmのドット形状が2mm間隔で配置されてなる。前記接着剤層が支持基材2に接触するようにフィルムを熱転写することで摩擦部3が部分的(厚肉ドット部)に形成される。
また、前記軸筒部材2bの先端に螺合される凸曲面部を備えた口金2c(ポリカーボネート樹脂の射出成形物)を支持基材2とし、前記凸曲面部及び先端開口部近傍に、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体を固形分15%となるようにトルエンに溶解し、黒色顔料を混合したスプレーインキを用いてベタ状にスプレー塗装することで摩擦部3cを形成し、摩擦具1cを得た。
前記三種類の形態の摩擦具1a,1b,1cはいずれも、紙面上に可逆熱変色像(常温で紫色を示し、45℃以上でピンク色を示すと共に10℃以下で紫色に戻る)が印刷された印刷物に対して、各摩擦部3a,3b,3cを用いて前記可逆熱変色像(熱変色部)を擦過することで、該擦過部分を容易にピンク色に変色させることができた。その際、各摩擦部3は剥離することなく各形状の支持基材2a,2b,2cに定着しており、優れた擦過性を示すものであった。
実施例4(図2参照)
実施例3で作製した三種類の摩擦具3a,3b,3cと共に、出没機構を用いて筆記具外装を組み立てることで、出没式筆記具外装を得た。更に、該外装内に収容するボールペンレフィルを以下に従って作製した。
可逆熱変色性インキの調製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル〕−1(3H)イソベンゾフラノン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、(ロ)成分として2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、(ハ)成分としてカプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−18℃、T:−9℃、T:42℃、T:63℃、平均粒子径:2.5μm、ΔH=66℃、緑から無色に色変化する)を用いて、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)、尿素、グリセリン、ノニオン系浸透性付与剤、変性シリコーン系消泡剤、防黴剤、水と共に混合攪拌することで可逆熱変色性インキを調製した。
ボールペンレフィルの作製
前記インキ(予め−18℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を緑色に発色させた後、室温下で放置したもの)をポリプロピレン製パイプに吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップ6と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させて遠心処理により脱気処理を行うことでボールペンレフィルを得た。
尚、前記ボールペンチップ6は、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmの超硬合金製ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
更に、得られたボールペンレフィルを先に組み立てた出没式筆記具外装に収容することで、摩擦部3を備えた筆記具7(出没式ボールペン)を得た。
得られたボールペンのチップを突出させ、ノートに「ABCDE」と筆記した熱変色性筆跡は、室温(25℃)で緑色の発色状態であり、低温側変色点(−18℃)以上、高温側変色点(63℃)以下の温度でこの状態を保持していた。
前記筆跡を、各摩擦部3a,3b,3cで数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となった。更に、該消去部に再筆記することも可能であり、前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。
実施例5
先端を開口し後端を凸曲面とするマーキングペン用軸筒部材をポリプロピレン樹脂を射出成形することにより形成して支持基材2とし、該軸筒部材の後端凸曲面に、平均粒子径3μmの表面処理シリカ粉末を紫外線硬化型アクリル樹脂に10%配合した印刷インキを用いて150メッシュスクリーン版で楕円形状のスクリーン印刷を行い、紫外線照射により硬化させることで摩擦部3を形成し、摩擦具1を得た。
前記摩擦具1は、紙面上に可逆熱変色像(常温で紫色を示し、45℃以上でピンク色を示すと共に10℃以下で紫色に戻る)が印刷された印刷物に対して、摩擦部3で可逆熱変色像(熱変色部)を擦過することで、該擦過部分を容易にピンク色に変色させることができた。その際、摩擦部3は剥離することなく支持基材2に固着しており、優れた擦過性を示すものであった。
実施例6
可逆熱変色性筆記具用水性インキの調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、(ハ)成分としてパルミチン酸4−メチルベンジルからなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー、助溶剤を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミンを加え更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。更に、前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料(t:−5℃、t:2℃、t:37℃、t:43℃、平均粒子径:2.5μm)のヒステリシス幅(ΔH)は44℃であり、温度変化により橙色から無色に変色するものである。
更に、前記マイクロカプセル顔料、ヒドロキシエチルセルロース、グリセリン、消泡剤、防腐剤、水、10%希釈リン酸溶液を加えて均一に攪拌を行い、インキのpHを5.5に調整することで可逆熱変色性筆記具用水性インキを得た。
筆記具の作製
前記インキ(予め−5℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を橙色に発色させた後、室温下で放置したもの)を、ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した繊維集束インキ吸蔵体に含浸させて、実施例5で作製した軸筒形態の摩擦具3内に収容し、先端部にチゼル型繊維ペン先を取り付けてなる首部を組み付けることで筆記具7(キャップ式マーキングペン)を得た。尚、前記マーキングペン7には着脱自在のキャップを備えてなり、該キャップの側面部には、孔部を有する突起が設けられている。
得られたマーキングペン7を用いて紙面に1本の直線を筆記して橙色の筆跡を形成した。前記筆跡は2℃以上、43℃以下で保持していた。
前記直線を摩擦部3により部分的に間隔に数回擦過したところ、擦過した部分が直ちに消色して無色となり破線となった。また、該消去部に再筆記した際、筆跡にはじきを生じることなく筆跡形成が可能であった。前記擦過消去及び消去箇所への筆跡形成は繰り返し行うことができた。
実施例7
実施例6で得たマーキングペン7と、実施例1で得た摩擦具1を用いて、キャップに設けられた孔部と、支持基材2の突起に設けられた孔部とをボールチェーンによって連結することで、装飾品形態の摩擦具1を備えた筆記具7を得た。
前記形態の筆記具では、該筆記具による筆跡や熱変色性印刷像を軸筒後端の摩擦部3や連結される摩擦具1(キャップの着脱に関わらず使用可能)で擦過することにより容易に消色や変色を発現できるものであった。
また、形態から、アクセサリー効果の高い筆記具となった。
1 摩擦具
1a クリップ形態
1b 軸筒形態
1c 口金形態
2 支持基材
3 摩擦部
4 転写フィルム
5 グリップ
6 ボールペンチップ
7 筆記具

Claims (9)

  1. 熱変色部を摩擦部での擦過によって変色させる摩擦具であって、前記摩擦部が支持基材上に印刷、塗布のいずれかの手段で形成される摩擦具。
  2. 前記摩擦部が平均粒子径1〜100μmの樹脂粒子を含むインキを印刷又は塗布することにより形成される請求項1記載の摩擦具。
  3. 熱変色部を摩擦部での擦過によって変色させる摩擦具であって、前記摩擦部が支持基材上に、軟質樹脂層を設けた転写フィルムを転写することにより形成される摩擦具。
  4. 前記支持基材が樹脂成形物である請求項1乃至3のいずれかに記載の摩擦具。
  5. 前記熱変色部が熱変色性インキにより形成される筆跡または印影である請求項1又は3に記載の摩擦具。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれかに記載の摩擦具を備えてなる筆記具。
  7. 前記摩擦具の支持基材が筆記具外装であり、前記筆記具外装の外面に摩擦部が形成される請求項6記載の筆記具。
  8. 前記摩擦具が鎖又は紐で筆記具に接続される装飾品形態である請求項6記載の筆記具。
  9. 前記筆記具が加熱により消色或いは変色可能なインキを収容してなる請求項6乃至8のいずれかに記載の筆記具。
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