まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図2は遊技枠11の前面を示す正面図である。図3は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。また、図2には、遊技枠11の前面のうち打球供給皿(上皿)3部分を拡大した図も示されている。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠11とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠11に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠11は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、図3に示すように、遊技枠11の一部を構成するプラ枠がある。プラ枠は、機構板を含み、機構板に電源回路(図示せず)やスピーカ27などの部品が取り付けられている。また、遊技枠11のプラ枠には、遊技枠11と遊技盤6との間の配線を中継する中継基板607が設けられている。また、遊技枠11の前面枠には、図3に示すように、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(画像表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば00〜99の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、2桁の数字を表示するものに限らず、0〜9など他の桁数の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。
特別図柄表示器8の右側には、始動入賞口13,14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、可変表示装置9の左側には、第2始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態にされる。
可変表示装置9の右側には、遊技演出に用いられる可動部材としてのトロッコ151が設けられている。トロッコ151は、遊技演出において、演出制御手段の制御に従って、図4に示すように、可変表示装置9の右側から左側方向に飛び出すような演出を行うことができる。
また、可変表示装置9の上部および右側には、遊技演出に用いられる可動部材としての梁152が設けられている。梁152は、遊技演出において、演出制御手段の制御に従って、図5に示すように、可変表示装置9の上部および右側から崩れ落ちるような演出を行うことができる。
さらに、可変表示装置9の下部には、遊技演出に用いられる可動部材としての骸骨153が設けられている。骸骨153は、遊技演出において、演出制御手段の制御に従って、図6に示すように、口の部分が開閉するような演出を行うことができる。また、骸骨153は、特別可変入賞球装置20を備え、大入賞口を形成している。この実施の形態では、骸骨153は、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって特別可変入賞球装置20が開放状態に制御されることによって入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、パチンコ遊技機1は、遊技の進行中に遊技者が操作可能な操作ボタン81a〜81eを備えている。例えば、操作ボタン81a〜81eが操作(押下)されると、可動部材としてのトロッコ151や梁152、骸骨153が動作する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。普通図柄表示器10の下部には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13,14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、それぞれの入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球を1つのスイッチで検出するようにしてもよい。
遊技領域7の中央部には、可変表示装置9を囲むように飾り部材154が取り付けられており、飾り部材154の上部には、遊技中に点灯表示したり点滅表示される装飾ランプ(センター飾り用ランプ)が設けられている。なお、この実施の形態では、センター飾り用ランプとして6個のLED125a〜125fが設けられている。また、飾り部材154には、可変表示装置9を囲むように、遊技中に点灯表示したり点滅表示される装飾ランプ(ステージランプ)が設けられている。なお、この実施の形態では、ステージランプとして6個のLED126a〜126fが設けられている。
また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。この実施の形態では、天枠ランプとして12個のLED281a〜281lが設けられている。また、左枠ランプとして6個のLED282a〜282fが設けられている。また、右枠ランプとして6個のLED283a〜283fが設けられている。また、構造物の周囲の装飾LEDとして、骸骨153に1個のLED127aが、特別可変入賞球装置20に2個のLED127b,127cが、操作ボタン81a〜81eに1個のLED83が、打球供給皿3に4個のLED82a〜82dが設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、または遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動入賞口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、可変表示装置9において飾り図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示、および可変表示装置9における飾り図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開放状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるようにしてもよい。
上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図7は、遊技枠11を開いた状態を示す説明図である。図7に示すように、遊技枠11側の裏面には、ICなどを搭載するための4つの基板(枠側IC基板)602〜605が取り付けられている。遊技枠11の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換IC611,612が搭載されており、各シリアル−パラレル変換IC611,612から、天枠ランプの各LED281a〜281lに制御信号が供給される。また、遊技枠11の右側(裏面から見て左側)に取り付けられた枠側IC基板603は、シリアル−パラレル変換IC613が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC613から、右枠ランプの各LED283a〜283fに制御信号が供給される。また、遊技枠11の左側(裏面から見て右側)に取り付けられた枠側IC基板604は、シリアル−パラレル変換IC614が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC614から、左枠ランプの各LED282a〜282fに制御信号が供給される。
なお、図7に示すように、この実施の形態では、各枠側IC基板602〜605のうち遊技枠の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、2つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、図7に示すように、遊技枠11側には中継基板607が取り付けられており、中継基板607からの配線は、枠側IC基板604に接続され、枠側IC基板604から枠側IC基板602に接続され、さらに枠側IC基板602から枠側IC基板603に接続される。また、中継基板607からの配線は、枠側基板605に接続される。また、各枠側IC基板602〜604間の配線や、枠側IC基板604,605と中継基板607との間の配線は、図7に示すように、各基板にコネクタ156a〜156hを用いて接続される。なお、図7では、基板に垂直方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行う場合を示しているが、例えば、基板に対して水平方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行うようにしてもよい。
図7に示すように、中継基板607のコネクタ156aからの配線は、枠側IC基板604のコネクタ156bに接続される。枠側IC基板604の配線パターンは、コネクタ156bからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC614に接続され、他の一方がコネクタ156cに接続されるようになっている。また、枠側IC基板604において、コネクタ156cは、枠側IC基板602側の端部に配置されている。枠側IC基板604のコネクタ156cからの配線は、枠側IC基板602のコネクタ156dに接続される。枠側IC基板602の配線パターンは、コネクタ156dからさらに3つに分岐され、シリアル−パラレル変換IC611、シリアル−パラレル変換IC612およびコネクタ156eに接続されるようになっている。また、枠側IC基板602において、コネクタ156eは、枠側IC基板603側の端部に配置されている。枠側IC基板602のコネクタ156eからの配線は、枠側IC基板603のコネクタ156fに接続される。枠側IC基板603の配線パターンは、シリアル−パラレル変換IC613に接続されるようになっている。
また、中継基板607のコネクタ156gからの配線は、枠側IC基板605のコネクタ156hに接続される。枠側IC基板605の配線パターンは、コネクタ156hからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC615に接続され、他の一方が入力IC620に接続されるようになっている。
また、図7に示すように、遊技枠11の開放を検出するためのドア開放センサ155が取り付けられている。
図8は、遊技盤6の裏面を示す説明図である。図8に示すように、遊技盤6の裏面には、ICなどを搭載するための基盤(盤側IC基板)601が取り付けられている。盤側IC基板601には、シリアルデータをパラレルデータに変換する4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619が搭載されており、シリアル−パラレル変換IC616から、各可動部材151〜153を駆動するためのモータ151a,152a,153aに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC617から、センター飾り用ランプの各LED125a〜125fに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC618から、ステージランプの各LED126a〜126fに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC619から、可動部材である骸骨153および特別可変入賞球装置20に設けられた各ランプのLED127a〜127bに制御信号が供給される。
なお、図8に示すように、この実施の形態では、盤側IC基板601は、4つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、盤側IC基板601は、パラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC621が搭載されており、各可動部材151〜153の位置を検出するための位置センサ151b,152b,153bからの検出信号が入力IC621にパラレルに入力される。
また、図8に示すように、遊技盤6側には中継基板606が取り付けられており、遊技枠11側には中継基板607が設けられている。演出制御手段からの配線は、まず中継基板606に接続され、さらに中継基板607に接続される。そして、中継基板606からの配線は、盤側IC基板601に接続される。また、盤側IC基板601と中継基板606との間の配線や、中継基板606,607間の配線、中継基板606と演出制御手段との間の配線は、図8に示すように、各基板にコネクタ157a〜157eを用いて接続される。なお、コネクタ157a〜157eの接続方法は、図7に示すコネクタ156a〜156hの接続方法と同様である。
プラ枠の上皿には遊技球を払い出す穴の上側に開口が形成され、開口に中継基板607が設けられる。中継基板607は表裏のコネクタを介して中継する基板であり、プラ枠表側にコネクタ157bが配置され裏側にコネクタ156a,156gが配置されている。また、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部に配置される。また、図7に示すように、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部の形状に沿うような形状に形成されている。なお、中継基板607は、表側に配置されるコネクタ157bと裏側に配置されるコネクタ156a,156gとの位置が重ならないようにずれた状態とされている。
遊技盤6の裏側には中継基板606が設けられる。中継基板606は、図8に示すように、遊技盤6の端部に、プラ枠の中継基板607の近傍に位置するように設けられる。中継基板606はコネクタを介して中継する基板であり、コネクタ157b〜157dが配置されている。また、コネクタ157bは、遊技盤6が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100に接続されている。
図9は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図9には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56、I/Oポート部57、およびパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアル出力回路を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプのLED281a〜281l、左枠ランプのLED282a〜282f、および右枠ランプのLED283a〜283fの表示制御を行い、スピーカ27からの音出力の制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、演出制御手段が出力する各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路353が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路354が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路353を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの表示制御を行う。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板601が設けられている。盤側IC基板601は、中継基板606を介して演出制御基板80と接続される。また、遊技枠11側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板602,603,604,605が設けられている。各枠側IC基板602,603,604,605は、中継基板606,607を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図9に示すように、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。
図10は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図10に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、ランプドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、ランプドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、RAM(図示せず)、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路102は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に可変表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して可変表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図10には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU101は、シリアル出力回路353を介してランプを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプのLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。また、演出制御用CPU101は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615や入力IC620に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619や入力IC621に供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアルパラレル変換IC611〜619および各入力IC620,621に共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602〜605に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605に搭載された入力IC620は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図11は、演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
中継基板606は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,127a〜127cや、各可動部材のモータ151a〜153aに供給する。
また、中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板606と接続されており、各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式に接続されている。
また、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図11に示すように、IC616のIDは06であり、IC617のIDは07であり、IC618のIDは08であり、IC619のIDは09である。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図11に示すように、入力IC621の固有のIDは11である。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図11に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜615は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82d,83に供給する。
また、各シリアル−パラレル変換IC611〜614に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板602〜604上でバス形式に接続されている。この実施の形態では、図11に示すように、まず、枠側IC基板604のシリアル−パラレル変換IC614に入力され、シリアル−パラレル変換IC614から枠側IC基板602のシリアル−パラレル変換IC611およびシリアル−パラレル変換IC612の順に入力され、さらにシリアル−パラレル変換IC612から枠側IC基板603のシリアル−パラレル変換IC613に入力される。また、シリアル−パラレル変換IC615に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板607から直接接続される。
また、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図11に示すように、IC611のIDは01であり、IC612のIDは02であり、IC613のIDは03であり、IC614のIDは04であり、IC615のIDは05である。
また、枠側IC基板605には、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板605に搭載された入力IC620と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606,607を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて操作ボタン81a〜81eからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC620は、操作ボタン81a〜81eからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図11に示すように、入力IC620の固有のIDは10である。
盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板606,607がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換IC611〜619がバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、図11に示すように、各シリアル−パラレル変換IC611〜619はバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレルIC611〜615とが、中継基板606,607を介してコネクタ156a〜156h,157a〜157eを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行うことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615および入力IC620,621に、演出制御用マイクロコンピュータ100から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換IC611〜619へのクロック信号の配線と入力IC620,621へのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC601基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板602〜605との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619には、あらかじめアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。各シリアル−パラレル変換IC611〜619は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各ランプのLEDに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各ランプのLEDへの供給は行わない。
図12および図13は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に付与されるアドレスの例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめRAMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、図12および図13に示す各シリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスを記憶している。
この実施の形態では、図12および図13に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615において、IC611にはアドレス01が付与され、IC612にはアドレス02が付与され、IC613にはアドレス03が付与され、IC614にはアドレス04が付与され、IC615にはアドレス05が付与されている。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619において、IC616にはアドレス06が付与され、IC617にはアドレス07が付与され、IC618にはアドレス08が付与され、IC619にはアドレス09が付与されている。
なお、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図12および図13に示すように、アドレスが01であるシリアル−パラレル変換IC611は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(本例では天枠ランプのLED281a〜281lのうちのLED6個(281a〜281f))に供給する。また、アドレスが02であるシリアル−パラレル変換IC612は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(本例では天枠ランプのLED281a〜281lの他のLED6個(281g〜281l))に供給する。また、アドレスが03であるシリアル−パラレル変換IC613は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の右枠ランプのLED(本例ではLED6個(283a〜283f))に供給する。また、アドレスが04であるシリアル−パラレル変換IC614は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の左枠ランプのLED(本例ではLED6個(282a〜282f))に供給する。
また、アドレスが05であるシリアル−パラレル変換IC615は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の打球供給皿3に設けられた皿サイドランプ(本例ではLED4個(82a〜82d))に供給するとともに、操作ボタン81a〜81eに設けられた操作ボタンランプ83(本例ではランプ1個)に供給する。
また、アドレスが06であるシリアル−パラレル変換IC616は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6に設けられた各可動部材(本例では、梁、トロッコおよび骸骨の形状を模した役物)を駆動するためのモータ(本例ではモータ3個(151a,152a,153a)のそれぞれ正方向と逆方向)に供給する。また、アドレスが07であるシリアル−パラレル変換IC617は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6中央に設けられた装飾用構造物(センター飾り)の各ランプ(本例ではLED6個(125a〜125f))に供給する。また、アドレスが08であるシリアル−パラレル変換IC618は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可変表示装置9の周囲に設けられた各ステージランプ(本例ではLED6個(126a〜126f))に供給する。また、アドレスが09であるシリアル−パラレル変換IC619は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可動部材(本例では骸骨153)周辺に設けられたランプのLED(本例ではLED3個(127a〜127c))に供給する。
また、この実施の形態では、各入力IC620,621にも、あらかじめアドレスが付与されている。図14は、各入力IC620,621に付与されるアドレスの例を示す説明図である。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめRAMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、各入力IC620,621のアドレスを記憶している。この実施の形態では、図14に示すように、枠側IC基板605に搭載された入力IC620にはアドレス10が付与され、盤側IC基板601に搭載された入力IC621にはアドレス11が付与されている。
なお、各入力IC620,621に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図14に示すように、アドレスが10である入力IC620は、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号(操作ボタン81a〜81e自体がオンされたか否か、操作ボタン81a〜81eの上下左右のいずれの部位がオンされたかを示す信号)をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。また、アドレスが11である入力IC621は、遊技盤6の各可動部材に設けられた位置センサ151b,152b,153b(本例では3個)の検出信号をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。
図15は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619の構成を示すブロック図である。図15に示すように、シリアル−パラレル変換IC611〜619は、データラッチ部651、シフトレジスタ652、ヘッダ/アドレス検出部653、データバッファ655およびシンクドライバ656を含む。
データラッチ部651は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、シフトレジスタ652に出力する。シフトレジスタ652は、データラッチ部651から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタ652は、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的にシフトレジスタ652にシリアルデータとして(すなわち、シリアル方式で)入力したデータが格納されることになる。
図16は、演出制御用マイクロコンピュータ100から出力されるシリアルデータのフォーマットの例を示す説明図である。図16(A)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDを個別に点灯または消灯させるためのランプ点灯データとして出力されるシリアルデータのデータフォーマットである。また、図16(B)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDをリセットして全て消灯させるためのリセットコマンドとして出力されるシリアルデータのフォーマットである。
図16(A)に示すように、ランプ点灯データは、28ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのアドレス、8ビットのデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとアドレスとの間、およびアドレスとデータとの間にそれぞれ挿入される。アドレスは、データ出力先のシリアル−パラレル変換ICのアドレスである。なお、アドレスとして、各シリアル−パラレル変換IC611〜619の固有の通し番号であるIDを用いてもよい。
データ(8ビット)は、各ランプのLEDの点灯状態を制御するためのものであり、例えば、点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値1を含み、非点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値0を含む。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
図16(B)に示すように、リセットコマンドは、19ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのリセットデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとリセットデータとの間に挿入される。リセットデータは、各ランプのLEDの点灯状態をリセットして全て消灯させるためのものであり、例えば、全て論路値1を含むデータである。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
この実施の形態では、図16(A)に示すランプ点灯データまたは図16(B)に示すリセットコマンドが入力され、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、ビット単位で繰り返しシフトされてシフトレジスタ652に格納されることになる。
ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652の格納データからヘッダおよびアドレスを検出する。まず、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からのデータを常時検出し、検出したデータの内容がヘッダデータに相当する1FF(h)と一致するか否かを確認する。ヘッダデータ(1FF(h))と一致すれば、そのヘッダデータと一致した箇所をデータの先頭と判断し、シフトレジスタ652に1セットのランプ点灯データまたはリセットコマンドが格納されたと判断する。次いで、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からアドレスに相当する先頭から11ビット目〜18ビット目のデータを検出し、そのシリアル−パラレル変換ICにあらかじめ付与されたアドレスと一致するか否かを確認する。盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605には、例えば、それぞれ搭載するシリアル−パラレル変換ICのアドレスを格納したアドレス格納レジスタ654が設けられており、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652から検出したアドレスが、あらかじめアドレス格納レジスタ654に格納するアドレスと一致するか否かを確認すればよい。アドレスが一致すれば、ヘッダ/アドレス検出部653は、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータを入力したと判定し、入力取込信号(ラッチ信号)をデータバッファ655に出力する。アドレスが一致しなければ、ヘッダ/アドレス検出部653は、入力取込信号をデータバッファ655に出力しない。すなわち、この場合、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータではないので、シフトレジスタ652に格納したデータをデータバッファ655に出力することなく、そのまま破棄することになる。
なお、図15では、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605にあらかじめアドレス格納レジスタ654が設けられている場合を示しているが、アドレス格納レジスタ654に代えて、シリアル−パラレル変換ICに設けられているアドレス端子(8端子(8ビットのアドレスの各ビットにそれぞれ対応する))を介して、外部のハードウェア回路(例えば、演出制御基板80が搭載する回路)からアドレスを入力するようにしてもよい。そして、外部のハードウェア回路側から、各アドレス端子の入力をhighまたはlowに制御することによって、シリアル−パラレル変換ICにアドレスを入力してもよい。この場合、例えば、外部のハードウェア回路は、アドレスのいずれかのビットに対応する端子に電圧をかけることによってその端子に対する入力をhighとし、またはグランドにスイッチングすることによってその端子に対する入力をLowとするように制御する。
データバッファ655は、例えば、ラッチレジスタによって構成され、ヘッダ/アドレス検出部653から入力取込信号を入力すると、シフトレジスタ652からデータ部分に相当する先頭から20ビット目〜27ビット目のデータを取り込んでラッチする。そして、データバッファ655は、取り込んだデータをパラレルデータ(Q0〜Q7)として各ランプのLEDに供給(すなわち、出力)することになる。
なお、シフトレジスタ652が格納したデータがリセットコマンドであった場合には、先頭から11ビット目〜18ビット目が全て論理値1のデータを格納することになる。この場合、データバッファ655は全ての論理値が1であるデータを取り込んだ場合にはリセットコマンドを入力したと判断し、全てのランプのLEDがリセットされ消灯されることになる。
シンクドライバ656は、所定の論理反転設定信号にもとづいて、データバッファ655が出力するパラレルデータの論理値を反転して出力したり、そのまま出力したりする。例えば、所定の論理反転設定信号がHighである場合には、データバッファ655が出力するパラレルデータのビット値が1である(すなわち、ランプ点灯データの対応するビット値が1)ときにオンとなり、各ランプのLEDにオン信号を出力する。この実施の形態では、あらかじめ論理反転設定信号の設定値が盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に設けられたレジスタなどに設定されており、あらかじめ設定された設定値に従って各ランプのLEDにオン信号が出力され、各ランプのLEDが点灯するものとする。
図17は、シリアル−パラレル変換ICへのシリアルデータおよびクロック信号の入力タイミングと、パラレルデータの出力タイミングとの例を示すタイミング図である。なお、図17では、シリアルデータ方式としてランプ点灯データを入力する場合を説明する。図17に示すように、シリアルデータは、ヘッダデータ、マークビット、アドレス、マークビット、データ、エンドビットの順に、シリアル−パラレル変換ICのシフトレジスタ652に1ビット単位で入力される。そして、この一連のデータを1セットとする。1セットのシリアルデータ(本例ではランプ点灯データ)が全て入力され終わるまで、ヘッダ/アドレス検出部653ではヘッダデータが検出されないので、データバッファ655の出力は変化しない。そのため、シリアル−パラレル変換ICからは、前回受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがそのままパラレルデータ方式として出力されている。
1セットのシリアルデータが全て入力され終わると、シフトレジスタ652の格納データからデータ部分がデータバッファ655にラッチされ、新たに受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがパラレルデータ方式として出力される。なお、この実施の形態では、図17に示すように、シリアル−パラレル変換ICが出力するパラレルデータのうち、Q0,Q4は、シリアルデータ入力完了後の次のクロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、直ちに新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q1,Q5は、Q0,Q4より1クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q2,Q6は、Q0,Q4より2クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。さらに、Q3,Q7は、Q0,Q4より3クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。
図18は、各入力IC620,621の構成を示すブロック図である。図18に示すように、この実施の形態では、各入力IC620,621は、複数(本例では8個)のDフリップフロップ661〜668によって構成される。この実施の形態では、操作ボタン81a〜81eまたは各位置センサ151b,152b,153bからの検出信号が各入力IC620,621にパラレルに入力され、検出信号ごとにいずれかのDフリップフロップ661〜668に入力される。また、各Dフリップフロップ661〜668にはクロック信号が入力され、各Dフリップフロップ661〜668は、クロックの立ち上がりで順次シフト動作を行う。そして、パラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力することになる。
各Dフリップフロップ661〜668には、演出制御用マイクロコンピュータ100から所定のタイミングで入力取込信号(ラッチ信号)が入力される。入力取込信号が入力されると、操作ボタン81a〜81eまたは各位置センサ151b,152b,153bから検出信号が、各Dフリップフロップ661〜668にラッチされる。そして、ラッチされた検出信号は、クロックの立ち上がりで順次シフトされ、シリアルデータ方式として出力される。
次に、図19〜図24に基づいて、左枠ランプのLED282a〜282fを有する左枠発光部および右枠ランプのLED283a〜283fを有する右枠発光部の詳細な構造を説明する。図19は、ガラス扉枠の前面右側下部を示す要部拡大正面図である。図20は、ガラス扉枠に対するサイドインナーレンズの取付状態を示す要部拡大斜視図である。図21は、図19のA−A断面図である。図22は、(a)は図21のB−B断面図、(b)は図21のC−C断面図、(c)は図21のD−D断面図である。図23は、サイドインナーレンズにおける導光状態を示す断面図である。図24は、サイドインナーレンズの発光状態を示す概略図である。
尚、図22(a)における図21のB−B断面図及び図22(c)における図21のD−D断面図は、図示を明確にするために後述する第1の凹部1603及び第2の凹部1604の上下中央位置よりもやや下方位置にて切断した状態を示す断面図としている。また、左枠発光部及び右枠発光部の構造はほぼ同様であるため、ここでは右枠発光部について説明し、左枠発光部の構造の詳細な説明は省略する。
ガラス扉枠2の前面右側に設けられる右枠発光部には、図19に示されるように、導光部材としてのサイドインナーレンズ457と、その背面側(後方)に上下方向に向けて所定間隔おきに配置される右枠ランプのLED283a〜283fとから主に構成される直線発光部1600が、ガラス扉枠2における右側辺に沿って上下方向に設けられている。
サイドインナーレンズ457は、特に図20に示されるように、透明な合成樹脂材により棒状に形成されている。詳しくは、帯状に形成される板状部1601と、板状部1601の左右方向の前面中央部から前方に向けて延設される中央リブ1602C及び板状部1601の左右方向の前面端部からそれぞれ外側斜め前方に向けて延設される左リブ1602L,右リブ1602Rと、が一体成形により構成されている。つまり、上下方向に延設されるサイドインナーレンズ457は、左右方向に並設されるとともに、それぞれの後端が一体化されてなる3本の左リブ1602L,中央リブ1602C,右リブ1602Rにて構成され、左リブ1602L及び右リブ1602Rは、中央リブ1602Cに対して所定角度傾斜した状態で設けられているため、左リブ1602Lと中央リブ1602Cとの間及び右リブ1602Rと中央リブ1602Cとの間には、断面略三角形状をなす空間が上下方向に向けて形成されている。
これら左リブ1602L,中央リブ1602C,右リブ1602Rの前端面及び板状部1601の裏面には、長手方向にわたりローレット加工が施され、開角θ=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており(図21参照)、内部の光が外方に放射されるようになっている。
尚、この開角θの角度を90度以上とすることで、各LED283a〜283fの発光態様を強くしたり、90度未満とすることで発光態様を弱くすることができる。つまり、このようにローレット加工の開角θの角度を異ならせることで、各LEDに対応する発光表示部の発光態様を異ならせることができる。
サイドインナーレンズ457の裏面には、板状部1601裏面から左リブ1602L,中央リブ1602C,右リブ1602Rの基部までの深さを有するとともに、左右幅方向に延びる6個の第1の凹部1603及び6個の第2の凹部1604(図20参照)が、長手方向に向けて所定間隔おきに交互に凹設されている。また、サイドインナーレンズ457の表面側における第1の凹部1603に対応する箇所には、第1の凹部1603を形成するための第1の凸部1605が、左リブ1602Lと中央リブ1602Cとの間及び右リブ1602Rと中央リブ1602Cとの間にそれぞれ前方に向けて凸設されているとともに、サイドインナーレンズ457の表面側における第2の凹部1604に対応する箇所には、第2の凹部1604を形成するための第2の凸部1606が、左リブ1602Lと中央リブ1602Cとの間及び右リブ1602Rと中央リブ1602Cとの間にそれぞれ前方に向けて凸設されている。
第1の凹部1603は、図20及び図23に示されるように、垂直方向を向く垂直導入面1607aと、該垂直導入面1607aの上端から裏面側に向けて連設され、水平方向を向く上水平導入面1607bと、該垂直導入面1607aの下端から裏面側に向けて連設され、水平方向を向く下水平導入面1607cと、により側面視略逆コ字形に形成された照射光導入面を構成しており、その裏面側に配置される右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光が該サイドインナーレンズ457内部に導入されるようになっている。
尚、垂直導入面1607aには上下方向にわたりローレット加工が施され、開角θ=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。
尚、この開角θの角度を90度以上とすることで、各LED283a〜283fの発光態様を強くしたり、90度未満とすることで発光態様を弱くすることができる。つまり、このようにローレット加工の開角θの角度を異ならせることで、各LEDに対応する第1の凸部1605(発光表示部)の発光態様を異ならせることができる。
第2の凹部1604は、垂直方向を向く垂直反射面1608aと、該垂直反射面1608aの上端から裏面側に向けて上方に傾斜する上傾斜反射面1608bと、該垂直反射面1608aの下端から裏面側に向けて下方に傾斜する下傾斜反射面1608cと、からなる反射面を構成しており、上記照射光導入面から内部に導入されてサイドインナーレンズ457内部を長手方向に向けて誘導された光を前側に向けて反射するようになっている。
尚、本実施例では、垂直反射面1608aにはローレット加工が施されていないが、該垂直反射面1608aの上下方向にわたりローレット加工を施し、開角θ=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されるようにしてもよく、このようにすることで内部の光が外方に放射されるため、第2の凸部1606における輝度を高めることができる。
サイドインナーレンズ457の下端には、前記第2の凹部1604の上半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面1608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面(図示略)と上傾斜反射面(図示略)とからなる第2の半凹部1604’(図21参照)が形成されているとともに、その前面側には、該第2の半凹部1604’を形成するための第2の半凸部1606’(図19,図24参照)が凸設されている。また、特に図示はしないが、サイドインナーレンズ457の上端には、特に詳細な図示はしないが、前記第2の凹部1604の下半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面1608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面(図示略)と下傾斜反射面(図示略)とからなる第2の半凹部(図示略)が形成されているとともに、その前面側には、該第2の凹部(図示略)を形成するための第2の半凸部(図示略)が凸設されている。
一方、ガラス扉枠2の前面には、図20に示されるように、サイドインナーレンズ457を前方から配置可能な前述したレンズ配置部1610が、ガラス扉枠2の右側辺に沿って上下方向に向けて延設されている。レンズ配置部1610は、サイドインナーレンズ457が配置された状態において板状部1601の裏面と当接する底壁面1610aと、左リブ1602Lの外面及び右リブ1602Rの外面それぞれと当接する傾斜壁面1610b,1610cとから前方に開放する横断面略凹溝状に形成されている。
底壁面1610aには、該底壁面1610aの裏面側に配置される各右枠ランプのLED283a〜283fとの対向位置に、該右枠ランプのLED283a〜283fの照射面を前方に露呈させるための照射用開口1611が上下方向にわたって複数形成されており、上下方向に向けて所定間隔おきに配設された各右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光を前方に向けて照射させることができるようになっている。
照射用開口1611の前方には、サイドインナーレンズ457が配置された状態において、第1の凹部1603内に収容されて係合する三角柱状の照射光反射部1612が左右方向に向けて架設されている。この照射光反射部1612の裏面側には、図23に示されるように、裏面側に向けて下方に傾斜する上照射光反射面1612bと、裏面側に向けて上方に傾斜する下照射光反射面1612cとがそれぞれ形成されている。上照射光反射面1612bは、右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光を、該第1の凹部1603の上方に設けられた第2の凹部1604の下傾斜反射面1608cに向けて反射させて、上水平導入面1607bに入射させる。下照射光反射面1612cは、右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光を、該第1の凹部1603の下方に設けられた第2の凹部1604の上傾斜反射面1608bに向けて反射させて、下水平導入面1607cに入射させるようになっている。
また、底壁面1610aには、サイドインナーレンズ457が配置された状態において、第2の凹部1604内に嵌合される補助反射部1613が前方に向けて凸設されている。補助反射部1613は、垂直方向を向く垂直補助反射面1613aと、該垂直補助反射面1613aの上端から裏面側に向けて上方に傾斜する上補助反射面1613bと、該垂直補助反射面1613aの下端から裏面側に向けて下方に傾斜する下補助反射面1613cと、により縦断面略三角形状に形成されており、サイドインナーレンズ457が配置された状態において、垂直補助反射面1613aは垂直反射面1608aの裏面に当接し、上補助反射面1613bは上傾斜反射面1608bの裏面に当接し、下補助反射面1613cは下傾斜反射面1608cの裏面に当接するようになっている。
また、底壁面1610aの下端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部1613の上半分、つまり上下幅寸法が垂直補助反射面1613aの上下幅寸法の半分の垂直補助反射面(図示略)と上補助反射面(図示略)とからなる半補助反射部1613’(図21参照)が形成されており、サイドインナーレンズ457が配置された状態において、サイドインナーレンズ457の下端の垂直反射面(図示略)が垂直補助反射面(図示略)に、また、上傾斜反射面(図示略)が上補助反射面(図示略)に当接もしくは近接するようになっている。
また、底壁面1610aの上端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部1613の下半分、つまり上下幅寸法が垂直補助反射面1613aの上下幅寸法の半分の垂直補助反射面(図示略)と下補助反射面(図示略)とからなる半補助反射部(図示略)が形成されており、サイドインナーレンズ457が配置された状態において、サイドインナーレンズ457の上端の垂直反射面(図示略)が垂直補助反射面(図示略)に、また、下傾斜反射面(図示略)が下補助反射面(図示略)に当接もしくは近接するようになっている。
レンズ配置部1610を構成するガラス扉枠2及び照射光反射部1612,補助反射部1613は、非透光性の合成樹脂材にて構成されているとともに、底壁面1610a、傾斜壁面1610b,1610c及び上記各反射面1612a〜1612c,1613a〜1613cにはメッキ処理が施されているため、サイドインナーレンズ457内部から放射される光を損失させることなく効率よく反射して再度内部に入射させるようになっている。
次に、上述のように構成されたサイドインナーレンズ457、ガラス扉枠2、右枠ランプのLED283a〜283fの詳細な構造及び互いの配置関係等について説明する。
図19に示されるように、サイドインナーレンズ457の表面側には、第1の凸部1605(第1の凹部1603)と第2の凸部1606(第2の凹部1604)とがそれぞれ上下方向に向けて交互に形成されている。第1の凹部1603及び第2の凹部1604は、図21及び図23に示されるように、裏面側に向けて開放する凹溝状に形成されている。
この第1の凹部1603内に収容される照射光反射部1612の垂直反射面1612aの上下幅寸法は、前記垂直導入面1607aの上下幅寸法よりも短寸とされており、垂直反射面1612aの上端と上水平導入面1607bとの間及び垂直反射面1612aの下端と下水平導入面1607cとの間には僅かな隙間が形成されている。よって、右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光がこの僅かな隙間から照射光反射部1612よりも前方に向けて放射されるようになっている。
照射光反射部1612は、上傾斜反射面1612bと下傾斜反射面1612cとの接合端辺、すなわち頂辺が底壁面1610aよりもやや前方に位置するように設けられている。また、上水平導入面1607bに対する上傾斜反射面1612bの傾斜角度及び下水平導入面1607cに対する下傾斜反射面1612cの傾斜角度θはそれぞれ約45度とされている。各右枠ランプのLED283a〜283fは、光を前方に向けて略水平に照射、すなわち、垂直導入面1607aに対して直交方向に照射するように配置されているため、該右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光は、上傾斜反射面1612bと下傾斜反射面1612cとによりそれぞれ上下方向に反射されるようになっている。
また、上下方向を向くサイドインナーレンズ457(板状部1601)の裏面に対する上傾斜反射面1608b及び下傾斜反射面1608cの傾斜角度θはそれぞれ約135度とされている。つまり、サイドインナーレンズ457(板状部1601)の裏面に対して直交する水平面に対する上傾斜反射面1608b及び下傾斜反射面1608cの傾斜角度はそれぞれ約45度であるため、上水平導入面1607b,下水平導入面1607cに対して直交方向に入射した光を前方に向けて効率よく反射させることができるようになっている。
図21に示されるように、複数の右枠ランプのLED283a〜283fが前面における長手方向に向けて所定間隔おきに複数配置された枠側IC基板603は、レンズ配置部1610の裏面側に近接配置されているとともに、各右枠ランプのLED283a〜283fが底壁面1610aに形成された各照射用開口1611に臨むように配設されている。すなわち、各照射光反射部1612の裏面側には右枠ランプのLED283a〜283fがそれぞれ配設されているが、補助反射部1613の裏面側には右枠ランプのLED283a〜283fは配設されない。尚、各右枠ランプのLED283a〜283fは、光を前方に向けて略水平に照射、すなわち、垂直導入面1607aに対して直交方向に照射するように配置されている。
サイドインナーレンズ457は、図20に示されるように、裏面に形成された第1の凹部1603を照射光反射部1612に対向させるとともに、第2の凹部1604を補助反射部1613に対向させた状態で、レンズ配置部1610の前面側から配置する(図19参照)。レンズ配置部1610内に配置された状態において、板状部1601の裏面及び左リブ1602L,右リブ1602Rの裏面が底壁面1610a,傾斜壁面1610b,1610cにそれぞれ当接するとともに、第1の凹部1603内に照射光反射部1612が収容して嵌合され、第2の凹部1604内に補助反射部1613が嵌合されるようになっている(図21参照)。
次に、サイドインナーレンズ457の発光態様について、図23及び図24に基づいて説明する。尚、図24においては、主に発光している領域が白色で示され、ほとんど発光していない領域が黒色で示されている。
図23に示されるように、サイドインナーレンズ457に対する光の供給は、各第1の凹部1603から行われる。右枠ランプのLED283a〜283fから照射された光は、前方に向けてほぼ水平に照射されるため、照射用開口1611を通過した光は主に上傾斜反射面1612b及び下傾斜反射面1612cにより上方及び下方に向けて反射する。ここで、照射方向とほぼ平行な上水平導入面1607bに対する上傾斜反射面1612bの傾斜角度及び下水平導入面1607cに対する下傾斜反射面1612cの傾斜角度θ1=45度であるため、反射光は上水平導入面1607b及び下水平導入面1607cに対してほぼ直交する方向に反射する。
つまり、上水平導入面1607b及び下水平導入面1607cに対する入射角は0度となるため、入射光は上水平導入面1607b及び下水平導入面1607cによりほぼ屈折することなく、上方及び下方に向けてほぼ垂直に入射し、そのまま直線的に進む。
尚、各右枠ランプのLED283a〜283fの発光面から上傾斜反射面1612b及び下傾斜反射面1612cに反射するまでの導光距離Pa1と、上傾斜反射面1612b及び下傾斜反射面1612cから上水平導入面1607b及び下水平導入面1607cまでの導光距離Pb1と、からなる導光距離P1、つまり各右枠ランプのLED283a〜283fの発光面から光導入面までの距離である導光距離P1は、各右枠ランプのLED283a〜283f及び各第1の凹部1603において同一とされている。
ここで、下水平導入面1607cから入射した入射光は、下方に向けてほぼ垂直に進み、該下水平導入面1607cの直下に配設された上傾斜反射面1608bに入射する。この入射光の光路は、上傾斜反射面1608bの法線Hに対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーが全て反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、該上傾斜反射面1608bの前方位置、すなわち、第2の凸部1606の上部付近がその周辺に比べて強く発光する(図24参照)。
尚、上水平導入面1607bから入射した入射光は、上方に向けてほぼ垂直に進み、該上水平導入面1607bの直上に配設された別の下傾斜反射面1608c(図示略)に入射する。この入射光の光路は、下傾斜反射面1608cの法線Hに対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーが全て反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、該下傾斜反射面1608cの前方位置、すなわち、第2の凸部1606の下部付近がその周辺に比べて強く発光する(図24参照)。
尚、上水平導入面1607bまたは下水平導入面1607cから上水平導入面1607bまたは下傾斜反射面1608cまでの導光距離P2、つまり導光部材としてのサイドインナーレンズ457の内部に入射してから発光表示部である第2の凸部1606まで誘導される導光距離P2は、各右枠ランプのLED283a〜283f相互でそれぞれ異なるように構成されている。
すなわち、図24に示されるように、サイドインナーレンズ457の内部に形成される導光部の長さP2をそれぞれ異ならせていることで、各右枠ランプのLED283a〜283fの発光面から該各右枠ランプのLED283a〜283fに対応する発光表示部である第2の凸部1606までの光の誘導距離P1+P2がそれぞれ異なるので、各右枠ランプのLED283a〜283fを同一の強さで発光させた場合でも、複数の第2の凸部1606それぞれの発光態様(例えば明るさ等)が変わることになる。
例えば図24に示されるように、LED283eから該LED283eに対応する発光表示部である第2の凸部1606の上半部までの導光部の長さP2Bは、LED283fから該LED283fに対応する発光表示部である第2の凸部1606の下半部までの導光部の長さP2Cよりも短い(P2B<P2C)ため、LED283eに対応する発光表示部である第2の凸部1606の上半部の方が、LED283fに対応する発光表示部である第2の凸部1606の上半部よりも強く発光する。
また、LED283eから該LED283eに対応する発光表示部である第2の凸部1606の上半部までの導光部の長さP2Bは、LED283fから該LED283fに対応する発光表示部である第2の半凸部1606’の上半部までの導光部の長さP2Dよりも短い(P2B<P2D)ため、LED283eに対応する発光表示部である第2の凸部1606の上半部の方が、LED283fに対応する発光表示部である第2の半凸部1606’の上半部よりも強く発光する。
このように、各LED283a〜283fに対応する導光部の長さP2がそれぞれ異なることで、導光部材であるサイドインナーレンズ457に対する各LED283a〜283fの配置位置を変更することなく、各LED283a〜283fの発光面から、該各LED283a〜283fに対応する発光表示部としての第2の凸部1606までの導光距離を簡単に変えることができる。
尚、ここでは各右枠ランプのLED283a〜283fの発光面から上傾斜反射面1612b及び下傾斜反射面1612cに反射するまでの導光距離Pa1と、上傾斜反射面1612b及び下傾斜反射面1612cから上水平導入面1607b及び下水平導入面1607cまでの導光距離Pb1と、からなる導光距離P1、つまり各右枠ランプのLED283a〜283fの発光面から光導入面までの距離である導光距離P1は、各右枠ランプのLED283a〜283f及び各第1の凹部1603において同一とされていたが、例えば各LED283a〜283fの発光面から、該各LED283a〜283fに対応する上傾斜反射面1612b及び下傾斜反射面1612cに反射するまでの導光距離Pa1をそれぞれ異ならせたり、あるいは上傾斜反射面1612b及び下傾斜反射面1612cから上水平導入面1607b及び下水平導入面1607cまでの導光距離Pb1をそれぞれ異ならせてもよい。
このように、各LEDの発光面から導光部材としてのサイドインナーレンズ457内に導入されるまでの距離を、発光体の発光方向(前後方向)の距離Pa1で変えるだけでなく、適宜反射部を介して、発光方向に対して直交する方向(上下方向)の距離Pb1で変えることでも発光面から光導入面までの距離を異ならせることができるので、同様の作用効果を得ることができる。特に発光方向に対して直交する方向(上下方向)は導光部材の長手方向になるため、導光部材の形状を変えるだけで簡単に各発光表示部における距離Pb1を異ならせることができる。
また、上傾斜反射面1608bと上補助反射面1613bとの離間距離や下傾斜反射面1608cと下補助反射面1613cとの離間距離をそれぞれ異ならせることで、光の減衰度合いが変わるため、このようにすることで第2の凸部1606の上半部と下半部との光の強さを異ならせることができる。
第1の凹部1603に戻って、右枠ランプのLED283a〜283fから照射された光は、上述のように全てが上下の照射光反射面1612b,1612cに向けて水平に照射されるわけではなく、上水平導入面1607bや下水平導入面1607cに対して斜めに入射する光もあるため、これら光は、レンズ内部に透過され、または反射することになる。
ここで、右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光または上水平導入面1607bや下水平誘導面1607c等で反射した反射光等、上照射光反射面1612bの上端辺と上水平導入面1607bとの隙間もしくは下照射光反射面1612cの下端辺と下水平導入面1607cとの隙間に入り込んだ光は、垂直導入面1607aに入射し、レンズ内部に透過され、または反射することになるため、該垂直導入面1607aの前方上下位置、すなわち、第1の凸部1605の上下部付近がその周辺に比べて強く発光する(図24参照)。
また、垂直導入面1607aに入射した光は、反射した場合でもその裏面側に垂直反射面1612bが配置されていることにより、反射光が外部に放射されることなく、該垂直反射面1612aに反射して再度垂直導入面1607aに入射するため、垂直導入面1607aが明るくなる。さらに、垂直導入面1607aにはローレット加工が施されていることで、その裏面側上下端付近から入射する光が凹凸面により上下方向にわたり分散して反射されるため、照射光反射部1612により右枠ランプのLED283a〜283fからの照射光が遮られても、上下幅方向にわたり発光することになる。
このように、サイドインナーレンズ457にあっては、裏面側に配置された右枠ランプのLED283a〜283fとの対向位置に、各導入面1607a〜1607cからなる第1の凹部1603が凹設されていることにより、右枠ランプのLED283a〜283fから前方に向けて水平に照射される光により、第1の凹部1603の前方に形成される第1の凸部1605付近が、その周辺に比べて強く発光する(図24参照)。つまり、右枠ランプのLED283a〜283fが発光することにより、サイドインナーレンズ457の表面における各第1の凹部1603の正面位置に、主に垂直導入面1607aから導入された入射光により発光する第1の発光部が形成される。
また、裏面側に配置された右枠ランプのLED283a〜283fと対向しない位置に、各反射面1608a〜1608cからなる第2の凹部1604が凹設されていることにより、主に上下の水平導入面1607b,1607cからサイドインナーレンズ457内部に透過して垂直方向に誘導された光が、上下の傾斜反射面1608b,1608cにて前方に向けて反射誘導されるため、第2の凹部1604の前方に形成される第2の凸部1606付近が、その周辺に比べて強く、かつ、第1の凸部1605とほぼ同じ輝度で発光する(図24参照)。つまり、右枠ランプのLED283a〜283fが発光することにより、サイドインナーレンズ457の表面における各第2の凹部1604の正面位置に、主に上下の水平導入面1607b,1607cから導入された入射光により発光する第2の発光部が形成される。
また、垂直導入面1607aと右枠ランプのLED283a〜283fとの間には非透光性部材からなる照射光反射部1612が配置されており、これにより垂直導入面1607aの裏面側が遮られていることで、右枠ランプのLED283a〜283fの照射光が直接垂直導入面1607aを透過して前方に放射されることがないので、第1の発光部における輝度が適度に低下される。
一方、右枠ランプのLED283a〜283fの前面側には上下の傾斜反射面1612b,1612cが形成されており、右枠ランプのLED283a〜283fの照射光を上下の水平導入部1607b,1607cに対して直交方向に入射させるようになっているため、反射による光の損失を極力抑えた状態で照射光を第2の凹部1604側に向けて誘導することができるばかりか、透過光が上下の水平導入部1607b,1607cの直下及び直上に形成される上下の傾斜反射面1608b,1608cに向けて直線的に誘導され、上下の傾斜反射面1608b,1608cに入射する前に外部に放射することを効果的に防止できるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
さらに、上下の傾斜反射面1608b,1608cの裏面側には、非透光性部材からなる上下の補助反射面1613b,1613cが近接配置されているため、上下の傾斜反射面1608b,1608cから外部に放射される光が再度内部に入射されるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
また、図21にて説明したように、垂直導入面1607aの上下幅寸法に対し、上傾斜反射面1608b及び下傾斜反射面1608cそれぞれの上下幅寸法の合計幅寸法を略同一とすることで、サイドインナーレンズ457を正面から見たときにおける発光領域の上下幅寸法が、垂直導入面1607aの上下幅寸法と、上傾斜反射面1608b及び下傾斜反射面1608cそれぞれの上下幅寸法の合計幅寸法とがほぼ同寸であるため、第1の発光部及び第2の発光部の輝度をほぼ同じようにすることができる。
さらに、垂直導入面1607aの上下幅寸法よりも垂直反射面1608aの上下幅寸法L4の方が短寸であることで、発光領域を構成する上傾斜反射面1608bと下傾斜反射面1608cとが大きく分離されることがないので、第2の発光部の輝度の低減が防止される。
このように、裏面側に右枠ランプのLED283a〜283fが配置される第1の凸部1605(第1の発光部)における輝度が適度に低減されるとともに、裏面側に右枠ランプのLED283a〜283fが配置されない第2の凸部1606(第2の発光部)における輝度が効果的に向上されていることで、第1の凸部1605(第1の発光部)と第2の凸部1606(第2の発光部)との輝度の差が極力小さくなっている。これにより輝度の違いによる違和感が生じなくなり、第2の凸部1606(第2の発光部)の裏面側にもあたかも右枠LEDが配置されて発光しているように見せることができるため、多量のLEDを配置することなく、インパクトのある発光演出を実現することが可能となる。
尚、サイドインナーレンズ457の下端に形成された第2の半凹部1604’に関しては、前述した上傾斜反射面1608b’(図示略)が上傾斜反射面1608bと同様の作用・効果を奏するとともに、サイドインナーレンズ457の上端に形成された第2の半凹部1604’に関しては、前述した下傾斜反射面(図示略)が下傾斜反射面1608bと同様の作用・効果を奏するため、サイドインナーレンズ457の下端及びサイドインナーレンズ457の上端もあたかも右枠LEDが配置されて発光しているように見える。
また、垂直導入面1607a,上水平導入面1607b,下水平導入面1607cに対してそれぞれ斜めに入射してサイドインナーレンズ457内部に透過した入射光は、主にローレット加工が施された面、つまり各リブ1602L,1602C,1602Rの前端面や板状部1601の裏面から外部に放射される。つまり、サイドインナーレンズ457内部に透過した入射光は全て垂直方向に向けて進むわけではなく、レンズ内面にて反射しながら進む光もあり、これによりサイドインナーレンズ457の上下方向に延設された各リブ1602L,1602C,1602Rの前端面が、上下方向にわたって均等に発光するため、サイドインナーレンズ457の表面を長手方向にわたり発光させることができる。
また、サイドインナーレンズ457内部から板状部1601の裏面から外部に放射された光は、その裏面に近接配置される底壁面1610aにより反射されて再度内部に透過されるとともに、サイドインナーレンズ457内部から左右のリブ1602L,1602Rの外面から外部に放射された光は、その外側に近接配置される傾斜壁面1601b,1610cにより反射されて再度内部に透過され、これによりサイドインナーレンズ457内部を誘導される光が裏面側に放射しにくくなり、光が前方に向けて放射されやすくなるため、サイドインナーレンズ457全域を効率よく発光させることができる。
次に、図25に基づいて、天枠ランプのLED281a〜281lのうち、天枠ランプのLED281c〜281jの天枠発光部の構造を説明する。図25は、(a)は天枠発光部を示す横断面図であり、(b)は(a)の要部拡大断面図である。
天枠発光部は、図25(a)に示されるように、透光性を有する透明な合成樹脂材からなるランプカバー900と、ランプカバー900の背面(後方)に配置される複数の天枠ランプのLED281c〜281jと、から主に構成される。複数の天枠ランプのLED281c〜281jは、枠側IC基板602の前面側に配置されている。
ランプカバー900は、背面側が開口するとともに、断面略台形状をなす中空の膨出部900c〜900jが左右方向に連設されてなる。各膨出部900c〜900jは、8個の天枠ランプのLED281c〜281jに対応して前方に膨出するように設けられ、その先端には、発光表示部としての平坦状の前面壁901c〜901jが形成されている。
前面壁901c〜901jの背面側からは、所定長さを有する柱状の導光部902がそれぞれ後方に向けて突設されており、各導光部902の後端には、各天枠ランプのLED281c〜281jからの光が導入される球面状の導入面902aが凹設されている。尚、図25(b)に示されるように、各導光部902の長さP4は全て同一とされているとともに、各導入面902aから各天枠ランプのLED281c〜281jの発光面までの離間距離P5も全て同一とされている。
各天枠ランプのLED281c〜281jは、導光部902の導入面902aに対向する対向位置、具体的には、柱状の導光部902の軸心線Y上に各LED281c〜281jの中心点Xが位置する対向位置に配置されるLED281f,281gと、軸心線Yに対して中心点Xが左右方向、つまり発光方向に対して直交する方向に所定の離間距離P6またはP7離間して(ずらして)配置されるLED281c〜281e,281h〜281fと、を有している。
詳しくは、LED281f,281gは、軸心線Y上に中心点Xが位置する対向位置に配置され、LED281d,281h,281jは、軸心線Yに対して中心点Xが左側に離間距離P6離れた左離間位置に配置され、LED281c,281e,281iは、軸心線Yに対して中心点Xが右側に離間距離P7(P7<P6)離れた右離間位置に配置されている。
このように配置された各LED281c〜281jが発光すると、光は導入面902aから導光部902内に入射され、導光部902を介して前方の前面壁901c〜901jに到達することで、発光表示部としての各前面壁901c〜901jが発光することになる。
そして、これら各LED281c〜281jの発光面から前面壁901c〜901jまでの導光距離は、対向位置に配置されるLED281f,281gに関しては、P4+P5になるのに対し、左離間位置に配置されるLED281d,281h,281jに関してはP4+P5+P6になり、右離間位置に配置されるLED281c,281e,281iに関してはP4+P5+P7になる。つまり、対向位置に配置されるLED281f,281gに対応する導光距離が最も短く、その次に右離間位置に配置されるLED281c,281e,281iに対応する導光距離が短く、左離間位置に配置されるLED281d,281h,281jに対応する導光距離が最も長くなる。
よって、対向位置に配置されるLED281f,281gに対応する前面壁901f,901gが最も明るく発光し、次いで右離間位置に配置されるLED281c,281e,281iに対応する前面壁901c,901e,901iの右側がその次に明るく発光し、左離間位置に配置されるLED281d,281h,281jに対応する前面壁901d,901h,901jの左側が最も暗くなる。
このように、各LED281c〜281jを同一条件で発光させた場合でも、各LED281c〜281jの発光面から前面壁901c〜901jまでの導光距離が相互に異なることで、少なくとも発光表示部としての前面壁901f,901gと前面壁901c,901e,901iと前面壁901c,901e,901iとは、それぞれ発光態様が異なることになる。
また、各LED281c〜281jの配置位置を、導光部902の軸心線Yに対して中心点Xが発光方向に対して直交する方向(左右方向)に所定の離間距離P6またはP7離間して(ずらして)配置することにより、各LED281c〜281jの発光面から前面壁901c〜901jまでの導光距離を異ならせることで、各LED281c〜281jと光導入面902aとの離間距離をそれぞれ変えるために、基板602と各LED281c〜281jとの間にスペーサ等を設けたり、あるいは導光部902の長さを変えたりすることなく、基板602の実装面上で配置位置をずらすだけで、簡単に導光距離を変えることができる。
また、各LED281c〜281jに対応する導入面902aは球面状の凹部として形成されていたが、この導入面902aの形状を、各LED281c〜281jごとに異ならせることによっても、各発光表示部としての前面壁901c〜901jの発光態様を異ならせることができる。この場合、例えば球面曲率を変えたり、形状を球面状以外の形状に変えるなどして光の導入率を異ならせればよい。
次に、図26〜図30に基づいて、打球供給皿3の左右側方に設けられる扉枠左側方発光部及び扉枠右側方発光部を構成する上皿左サイドレンズ体及び上皿右サイドレンズ体の構造を説明する。図26は、(a)は上皿左サイドレンズ体を示す平面図であり、(b)は上皿左サイドレンズ体を示す正面図であり、(c)は上皿左サイドレンズ体を示す右側面図である。図27は、図26(b)のA−A断面図である。図28は、(a)は上皿左サイドレンズ体の上部拡大断面図であり、(b)は上皿左サイドレンズ体の下部拡大断面図である。図29は、上皿左サイドレンズ体における導光状態を示す拡大断面図である。図30は、上皿左サイドレンズ体の発光状態を示す概略図である。また、図27における左側を上皿左サイドレンズ体の前面側、右側を上皿左サイドレンズ体の背面側として説明する。
尚、図26〜図30において、扉枠右側方発光部の発光部構造は、扉枠左側方発光部の発光部構造とほぼ同様であり、同様の作用・効果を奏するため、ここでの詳細な説明は省略する。
扉枠左側方発光部の一部を構成する上皿左サイドレンズ体800は、図26に示されるように、本発明の発光体としての皿左サイドランプのLED82a,82bを前面に有する上皿左サイド基板310Lと、該上皿左サイド基板310Lの前面側に配置される上皿左横飾り312Lと、該上皿左横飾り312Lの前面における左側に配置される導光部材としての上皿左クリアベース313Lと、から構成される。
図26に示されるように、上皿左横飾り312Lは、非透明な合成樹脂材にて上皿左サイド基板310Lの前面を被覆するように形成されている。上皿左横飾り312Lの前面及び背面(全面)にはメッキ処理が施されており、上皿左クリアベース313Lの内部を誘導され背面側に放射された光を前方に向けて反射するようになっている。これにより、皿左サイドランプのLED82a,82bから上皿左クリアベース313Lの内部に誘導された光を背面側への放射により損失することなく、前方に集中させることができるため、上皿左クリアベース313Lの発光量の低減を防止することできる。
左側上下の各皿左サイドランプのLED82a,82bに対応する箇所には、図27に示されるように、前方に向けて膨出する中空状の膨出部802a,802bが形成されており、該膨出部802の前端面に上皿左クリアベース313Lの背面(裏面)が当接して配置されるようになっているとともに、膨出部802a,802bの前端面には、後述する柱状導光部805a,805bが遊挿可能な挿通口803がそれぞれ形成されている。
上皿左クリアベース313Lは、透明な合成樹脂材により厚さ約3mm(図27参照)の板材により帯状に形成されており、上皿左横飾り312Lの前面に上下方向に向けて取り付けられている。図27に示されるように、上皿左クリアベース313Lの背面313b(裏面)における上下の各皿左サイドランプのLED82a,82bに対応する箇所には、円柱状の柱状導光部805a,805bが後向きに突設されているとともに、柱状導光部805a,805bの後端面には、各皿左サイドランプのLED82a,82bからの照射光を導光部材としての上皿左クリアベース313Lの内部に導入する略半球面状の照射光導入面806aを構成するための照射光導入凹部806がそれぞれ凹設されている。つまり、照射光導入凹部806は背面側に向けて開放する凹部である。
これら上下の柱状導光部805a,805bは、それぞれ上皿左横飾り312Lの前面側から挿通口803内に挿通され、各照射光導入面806aが各皿左サイドランプのLED82a,82bに対向するように近接配置されている。
また、上皿左クリアベース313Lの前面313a(表面)における照射光導入凹部806の前方位置、つまり照射光導入凹部806との対向位置には、照射光導入面806aから導入され誘導された入射光を反射させる入射光反射面807aを構成するための入射光反射凹部807が凹設されている。つまり、入射光反射凹部807は前面側に向けて開放する凹部である。
入射光反射面807aは、図26(b)中の拡大図に示すように、上皿左クリアベース313Lの正面視、つまり上皿左クリアベース313Lを前面側から見て円形に形成されているとともに、円周方向に向けて60度の間隔で均等に分割されてなる正面視略三角形状をなす複数(6つ)の反射面にて構成されている。各反射面は、特に図29に示されるように、円の中心点から周縁方向に向けて外側に膨出し、かつ、円周方向に向けて外側に膨出する湾曲面に形成されている。すなわち、入射光反射凹部807は、正面視略三角形状をなす複数の湾曲面状の反射面により、円の中心に向けて凹む略六角錐形状に形成されている。
このように、背面側に向けて開放する照射光導入凹部806を構成する照射光導入面806aと、前面側に向けて開放する入射光反射凹部807を構成する入射光反射面807aとは、互いに中央部が近接するように凹む凹面にて構成さていることで、上皿左クリアベース313Lにおける各皿左サイドランプのLED82a,82bとの対向位置に凹レンズ部を形成している。
さらに、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける入射光反射凹部807の周囲からは、円筒状の筒状発光部808a,808bが前方に向けて突設されている。言い換えると、入射光反射凹部807は、上皿左クリアベース313Lの前面313a(表面)から皿左サイドランプのLED82a,82bと反対側に向けて突設された筒状発光部808a,808bの内側に形成されている。
筒状発光部808a,808bの外周面には、環状の段部809a,809bが所定間隔おきに形成されており、これら段部809a,809bにより、筒状発光部808a,808bの肉厚が先端に向けて段階的に肉薄になっている。そしてこれら段部809a,809bが形成されることにより、筒状発光部808a,808bの外周面に、皿左サイドランプのLED82a,82bの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く環状の発光面が形成される。
上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける筒状発光部808aの下方近傍位置には、図26(b)に示されるように、左右方向を向くとともに、上下幅方向に向けて互いに等間隔おきに配置された複数(4枚)の発光板810a(発光表示部)が前方に向けて立設されているとともに、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける筒状発光部808bの上方近傍位置には、左右方向を向くとともに、上下幅方向に向けて互いに等間隔おきに配置された複数(4枚)の発光板810b(発光表示部)が前方に向けて立設されている。
また、図27に示されるように、上皿左クリアベース313Lの背面313bにおける発光板810a,810bとの対向位置には、上下方向に向けてローレット加工が施され、開角θ3=約90度(図28参照)をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。これらローレット加工により形成された左右幅方向を向く複数の凹条及び凸条により、入射光反射面807aにより誘導された光を前方の発光板810a,810bに向けて乱反射させる反射部811a,811bが上下に形成されている。
この反射部811aは、上方の筒状発光部808a側から下方の筒状発光部808b側に向けて内側(上皿左クリアベース313Lの内部側)に向けて傾斜する傾斜面状に形成されており(傾斜角θ5=2.5度)、入射光反射面807aにより誘導された光を前方の発光板810aに向けて効率よく反射できるようになっているため、各発光板810aの前端面及び各発光板810a間を上方から下方に向けて略均一に発光できるようになっている。反射部811bは、下方の筒状発光部808b側から上方の筒状発光部808a側に向けて内側(上皿左クリアベース313Lの内部側)に向けて傾斜する傾斜面状に形成されており(傾斜角θ5=2.5度)、入射光反射面807aにより誘導された光を前方の発光板810bに向けて効率よく反射できるようになっているため、各発光板810bの前端面及び各発光板810b間を上方から下方に向けて略均一に発光できるようになっている。
このように、筒状発光部808aの下方近傍位置に反射部811aが形成されていることにより、皿サイドランプのLED82aから上皿左クリアベース313Lの内部を誘導されてきた入射光により、筒状発光部808aの下方近傍位置(発光板810a付近)が発光され、また、筒状発光部808bの上方近傍位置に反射部811bが形成されていることにより、皿サイドランプのLED82bから上皿左クリアベース313Lの内部を誘導されてきた入射光により、筒状発光部808bの上方近傍位置(発光板810b付近)が発光されるようになっている。
上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける下方の筒状発光部808bの下方近傍位置には、図26(b)及び図27に示されるように、筒状発光部808bとほぼ同形状をなす筒状発光部808cが形成されている。尚、筒状発光部808cの外周面には環状の段部809a,809bが形成されており、これら段部809a,809bにより、筒状発光部808a,808bの外周面に皿左サイドランプのLED82a,82bの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く環状の発光面が形成される。また、内部には円柱状の凹部807bが形成されており、該凹部807bの底面は、後述する下反射部812からの反射光により発光する平坦状の円形発光面807cとされている。
尚、該凹部807bの底面に形成される円形発光面807cにローレット加工等を施し、光を拡散させるようにしてもよく、このようにすることで、円形発光面807cにおける発光量が増加するとともに、光が拡散することで演出効果が向上する。
また、上皿左クリアベース313Lの背面313bにおける筒状発光部808cとの対向位置には、上下方向に向けて凹凸加工が施され、開角θ3=約109.5度をなす三角錐状の凸部が上下左右方向に向けて連続して形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。これら該凹凸加工により形成された複数の凹凸部により、入射光反射面807aにより誘導された光を前方の筒状発光部808cに向けて乱反射させる下反射部812が形成されている。
このように、筒状発光部808bの下方近傍位置に下反射部812が形成されていることにより、皿左サイドランプのLED82a,82bから上皿左クリアベース313Lの内部を誘導されてきた入射光により、筒状発光部808bの下方近傍位置に形成された筒状発光部808cが発光されるようになっている。つまり、下反射部812からの反射光により第2の発光部が形成されるようになっている。
また、上皿左クリアベース313Lの前面313aには、前面側に開放する断面凹状(図26(c)参照)の凹溝条813が、上皿左クリアベース313Lの上部右側の端縁部から筒状発光部808aにかけて左右方向に延設されるとともに、筒状発光部808aから発光板810a,810bを通過して、筒状発光部808b,808cにかけて上下方向に延設され、さらに筒状発光部808cから上皿左クリアベース313Lの下部右側の端縁部にかけて延設されており、上皿左クリアベース313Lの表面側に筋状の発光部が形成されるようになっている。
また、前述したように、上皿左横飾り312Lの前面にはメッキ処理が施されているため、皿左サイドランプのLED82a,82bから上皿左クリアベース313Lの内部を誘導されてきた入射光が上皿左クリアベース313Lの背面313b側から放射しても、該放射した光は上皿左横飾り312Lの前面により前方に反射することで、上皿左横飾り312Lの背面側に放射されて上皿左クリアベース313Lの前面側の発光量が低減することが防止される。
このように、本実施例における上皿左クリアベース313Lは、回路基板を模したレンズ形状とされており、筒状発光部808a〜808cは発光部、発光板810a,810bはヒートシンク、凹溝条813は配線プリントパターンであり、これらが発光して見えるようになっている。
次に、上述のように構成された上皿左クリアベース313L及び皿左サイドランプのLED82a,82bの詳細な構造及び互いの配置関係等について説明する。尚、図26〜図28には各部位の寸法(単位はmm)が記載されている。尚、該寸法は小数第2以下を四捨五入した寸法としている。
正面視円形をなす入射光反射凹部807の入射光反射面807aの直径は、筒状発光部808a,808bの内径と同一とされている。入射光反射面807a及び筒状発光部808cの円形発光面807cは、図29に示されるように、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも内側、つまり上皿左クリアベース313Lの内部に埋設された位置に設けられているとともに、特に各筒状発光部808a,808bの入射光反射面807aは、その中心部が上皿左クリアベース313Lの背面313bを超えて柱状導光部805a,805b内に入り込む程度の深さに形成されている。具体的には、各筒状発光部808a,808bの入射光反射面807aの中心部は、図28に示されるように上皿左クリアベース313Lの背面313bより柱状導光部805a,805b内に約0.6mm入り込んでいる。
このようにすることで、入射光反射面807aを極力照射光導入面806aに近接して設けることができるため、照射光導入面806aからの入射光が周囲に拡散される前にその近傍位置にて入射光反射面807aから外部に放射されて発光するとともに、内部にて反射させて周囲に誘導し、近傍の発光板810a,810bや筒状発光部808cを発光させることができる。
4枚の発光板810aは、図26(b)中拡大図及び図28(a)に示されるように、厚さ約1mm、左右幅寸法約17.5mm、上下幅寸法約8.5mm、前後幅寸法約6mmであり、各発光板810a間の離間幅寸法は約1.5mmとされている。尚、各発光板810a間の表面は、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも約0.5mm前方に隆起している。
また、4枚の発光板810bは、図26(b)中拡大図及び図29に示されるように、厚さ約2mm、左右幅寸法約17.5mm、上下幅寸法約14mm、前後幅寸法約6mmであり、各発光板810b間の離間幅寸法は約2mmとされている。尚、各発光板810b間の表面は、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも約0.5mm前方に隆起している。
このように、皿サイドランプのLED82aに対応する発光表示部を構成する発光板810aは、厚さ1mmの4枚の発光板から構成され、皿サイドランプのLED82bに対応する発光表示部を構成する発光板810bは、発光板810aよりも肉厚の厚さ2mmの4枚の発光板から構成されている。
ここで、皿左サイドランプのLED82a,82bと発光板810a,810bとの配置関係を説明する。
皿サイドランプのLED82aの発光面から該皿サイドランプのLED82aに対応する発光表示部としての発光板810aまでの導光距離は、図28(a)に示されるように、皿サイドランプのLED82aの発光面から照射光導入面806aまでの距離P10と、照射光導入面806aから発光板801aの各発光板の上下幅中央位置までの導光距離Pa11〜Pd11と、からなる(P10+Pa11,P10+Pb11,P10+Pc11,P10+Pd11)。
また、皿サイドランプのLED82bの発光面から該皿サイドランプのLED82bに対応する発光表示部としての発光板810bまでの導光距離は、図29に示されるように、皿サイドランプのLED82bの発光面から照射光導入面806aまでの距離P10と、照射光導入面806aから発光板801bの各発光板の上下幅中央位置までの導光距離Pa12〜Pc12と、からなる(P10+Pa12,P10+Pb12,P10+Pc12)。
つまり、皿左サイドランプのLED82a,82bにおいて、各皿左サイドランプのLED82a,82bの発光面から照射光導入面806aまでの距離P10と、照射光導入面806aから発光板801a,801bにおけるLEDに最も近い発光板までの導光距離Pa11,Pa12とはそれぞれ同一(P10=P10,Pa11=Pa12)とされているが、各発光板801a,801bの厚み及び離間幅寸法がそれぞれ異なるため、照射光導入面806aから発光板801a,801bの各発光板までの導光距離Pb11〜Pd11、Pb12,Pc12はそれぞれ異なっている。
次に、上皿左クリアベース313Lの発光態様について、主に図29及び図30に基づいて説明する。尚、図30においては、主に発光している領域が白色で示され、ほとんど発光していない領域が黒色で示されている。
ここで、照射光導入面806a及び入射光反射面807aは、前述したように互いに内向きに凹むように形成され、中央の部分が周辺よりも薄いいわゆる凹レンズ部を構成していることから、光軸に平行に入射する平行光線は、レンズを通過することにより拡散することになるため、皿左サイドランプのLED82a,82bからの照射光を上皿左クリアベース313L内において効果的に拡散できる。
図29を参照して具体的に説明すると、上皿左クリアベース313Lに対する光の供給は、各柱状導光部805a,805bの照射光導入凹部806から行われる。皿左サイドランプのLED82a,82bから前方に向けてほぼ水平に照射された光は、略半球面状の照射光導入面806aに照射されることで、図中複数の矢印で示されるように、上下左右方向に拡散する。前方の入射光反射面807aに到達した光の一部は、入射光反射面807aを透過して外部、つまり前方に放射されるため、入射光反射面807aが明るくなる(図30参照)。
すなわち、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける各皿左サイドランプのLED82a,82bとの対向位置に形成される各入射光反射面807aの領域が第1の発光部として形成される。
また、入射光反射面807aは互いに異なる方向を向く6つの反射面により形成されていることで、光は多方向に向けて拡散して放射されることになるため、発光態様が複雑になり、装飾効果が向上する。尚、本実施例では、入射光反射面807aは互いに異なる方向を向く複数の反射面により形成されていたが、例えば半球面状等の1つの反射面にて形成されていてもよい。
照射光導入面806aから導入され、入射光反射面807aの周囲に拡散した光の一部が筒状発光部808a,808b内に誘導される。このように筒状発光部808a,808bの先端部方向に向けて誘導される光の一部は、主に皿左サイドランプのLED82a,82bの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く先端面や段部809a,809bにより形成された環状の発光面から放射されるため、筒状発光部808a,808bが環状に発光して見える(図30参照)。
また、照射光導入面806aから導入されて入射光反射面807aに到達した光の一部は、入射光反射面807aにて反射して上下左右方向、つまり上皿左クリアベース313Lの内部方向に誘導される。そして、例えば入射光反射面807aの下方近傍に設けられた下反射部812にて乱反射され、前方の筒状発光部808cに向けて誘導された一部の光が円形発光面807cや、筒状発光部808cの先端面及び段部809a,809bにより形成された環状の発光面から放射されるため、筒状発光部808c全域が、筒状発光部808bよりも若干弱い光量で発光して見える(図30参照)。
また、筒状発光部808aの照射光導入面806aから入射光反射面807aにて反射して、入射光反射面807aの下方近傍に設けられた反射部811aにて乱反射され、前方の発光板810aに向けて誘導された一部の光が、皿サイドランプのLED82aの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く発光板810aの先端面や各発光板810a間の隙間面から放射されるため、複数の発光板810a及びその間の隙間全域が、筒状発光部808aよりも若干弱い光量で発光して見える(図30参照)。
また、筒状発光部808bの照射光導入面806aから入射光反射面807aにて反射して、入射光反射面807aの上方近傍に設けられた反射部811bにて乱反射され、前方の発光板810bに向けて誘導された一部の光が、皿サイドランプのLED82bの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く発光板810bの先端面や各発光板810b間の隙間面から放射されるため、複数の発光板810b及びその間の隙間全域が、筒状発光部808bよりも若干弱い光量で発光して見える(図30参照)。
また、前述したように、皿左サイドランプのLED82a,82bにおいて、各皿左サイドランプのLED82a,82bの発光面から照射光導入面806aまでの距離P10と、照射光導入面806aから発光板801a,801bにおけるLEDに最も近い発光板までの導光距離Pa11,Pa12とはそれぞれ同一(P10=P10,Pa11=Pa12)とされているが、各発光板801a,801bの厚み及び離間幅寸法がそれぞれ異なるため、照射光導入面806aから発光板801a,801bの各発光板までの導光距離Pb11〜Pd11、Pb12,Pc12はそれぞれ異なっている。
このように、1つのLED82a,82bに対応する発光表示部が、同一枚数の発光板801a,801bにより構成され、これら各発光板の厚みと離間幅とを、LED82a,82b相互で異ならせていることで、各皿左サイドランプのLED82a,82bを同じ強さで発光させた場合でも、各発光板801a,801bそれぞれの発光態様(例えば明るさ等)が変わることになる。
具体的には、図30に示されるように、発光板801a,801bにおける皿左サイドランプのLED82a,82bそれぞれに近い側の発光板が強く発光し、遠ざかるに従い弱くなっていくが、発光板801aよりも発光板801bの方が肉厚及び離間距離も幅広であり、皿サイドランプのLED82bからの導光距離も長くなるため、皿サイドランプのLED82bに最も近い側の発光板と最も遠い側の発光板との明るさの差が大きくなるため、発光板801aと発光板801bとの発光態様が異なることになる。
このように、皿左サイドランプのLED82a,82bと照射光導入面806aとの離間距離をそれぞれ変えるために、基板310Lと皿左サイドランプのLED82a,82bとの間にスペーサ等を設けたり、あるいは導光部の長さを変えたりすることなく、簡単に導光距離を変えることができる。
また、皿左サイドランプのLED82a,82bに対応する照射光導入面806aは球面状の凹部として形成されていたが、この照射光導入面806aの形状を、各LED82a,82bごとに異ならせることによっても、各発光表示部としての発光板801aと発光板801bとの発光態様を異ならせることができる。この場合、例えば球面曲率を変えたり、形状を球面状以外の形状に変えるなどして光の導入率を異ならせればよい。
また、皿左サイドランプのLED82a,82bに対応する入射光反射面807aの形状や傾斜角度等を各LED82a,82bごとに異ならせることによっても、各発光表示部としての発光板801aと発光板801bとの発光態様を異ならせることができる。
さらに、入射光反射面807aにて反射して上皿左クリアベース313Lの内部方向に誘導された光の一部が、凹溝条813を介して放射されることにより、筋状の光が見えることになる。
また、上皿左サイドレンズ体800にあっては、導光部材としての上皿左クリアベース313Lの前面に設けられる発光表示部として、左右方向を向くとともに、上下幅方向に向けて互いに等間隔おきに突設された複数の発光板810a,810bが適用されていたが、このような発光表示部は、例えば図31に示されるように、皿左サイドランプのLED82a,82bから該上皿左クリアベース313Lの内部に導入された光を発光表示部まで誘導する導光経路に凹設される複数のスリット状の発光溝1810a,1810b等であってもよく、これら各発光溝1810a,1810bの幅寸法P13,P14が相互でそれぞれ異なる(P13≠P14)ようにしてもよい。
この場合、LED82a,82bから照射光導入面806aを介して上皿左クリアベース313L内部に導入され、入射光反射面807aにより反射されて発光溝1810a,1810bに向けて誘導されてきた光は、図中矢印で示されるように、導光方向に対して直交方向を向く各発光溝1810a,1810bの内側面を通過して進むことになる。これにより、各発光溝1810a,1810bを通過するごとに光が減衰されるため、各発光溝間に形成される複数の発光部1810c,1810dのうちLED82a,82bに近い方よりも遠い方が漸次光が弱くなっていく。
また、各発光溝1810aの離間幅寸法P13の方が各発光溝1810bの離間幅寸法P14の方が大寸であることで、発光溝1810aよりも発光溝1810bの方が各溝を通過する距離が大となり(P13<P14)、光の減衰率も大となるので、LEDから遠ざかるにつれて光が弱くなる度合いが、発光部1810cよりも発光部1810dの方が大きくなる。
以上説明したように、上皿左サイドレンズ体800にあっては、皿左サイドランプのLED82a,82bに対応する発光板810a,810b相互で、複数の発光板それぞれの離間距離を異ならせることにより、皿左サイドランプのLED82a,82bの発光面から該LED82a,82bに対応する発光板810a,810bまでの導光距離を異ならせたことにより、LED82a,82bと照射光導入面806aとの離間距離をそれぞれ変えるために、上皿左サイド基板310LとLED82a,82bとの間にスペーサ等を設けたり、あるいは導光部の長さPa11〜Pd11,Pa12〜Pd12を変えたりすることなく、導光部材としての上皿左クリアベース313Lの前面に突設する発光板810a,810b相互の厚みや離間距離を変えるだけで簡単に導光距離を変えることができ、これにより発光板810aと発光板810bとの発光態様を異ならせることができる。
また、照射光導入面806aが導光部材としての上皿左クリアベース313Lの裏面における照射光導入凹部806に形成されていることで、発光体としての皿左サイドランプのLED82a,82bからの照射光を周囲に拡散させることなく、上皿左クリアベース313Lの内部に確実に導入させることができるため、上皿左クリアベース313Lの表面における入射光反射面807aを効果的に発光させることができるとともに、導入された入射光の一部が該入射光反射面807aにより上皿左クリアベース313Lの内部において周囲に誘導されるため、皿左サイドランプのLED82a,82bと照射光導入凹部806とを離間して皿左サイドランプのLED82a,82bからの照射光の一部を上皿左クリアベース313Lの背面313bに直接照射したりすることなく、上皿左クリアベース313Lにおける照射光導入凹部806及びその周辺領域を、上皿左クリアベース313Lの内部で広範囲にわたり発光させることができる。
すなわち、上皿左クリアベース313Lにおける皿左サイドランプのLED82a,82bとの対向位置に、球面状の照射光導入面806a及び入射光反射面807aにより凹レンズ部が形成されているため、皿左サイドランプのLED82a,82bからの照射光を上皿左クリアベース313Lの内部において効果的に拡散することができるため、上皿左クリアベース313Lにおける皿左サイドランプのLED82a,82bとの対向位置に形成される入射光反射面807a、つまり第1の発光部を発光させることができるとともに、上皿左クリアベース313Lにおける皿左サイドランプのLED82a,82bとの対向位置の周囲を広範囲にわたり発光させることができる。
特に、皿左サイドランプのLED82a,82bの周囲を明るくするために、皿左サイドランプのLED82a,82bを上皿左クリアベース313Lの背面313bから離間して配置しなくても、照射光を上皿左クリアベース313Lの内部にて拡散して周囲に誘導できることで、皿左サイドランプのLED82a,82bに対して照射光導入面806aを近接配置し、これにより上皿左サイドレンズ体800全体を肉薄に構成することができるため、設計上の自由度が向上する。
さらに、皿左サイドランプのLED82a,82bに対して照射光導入面806aを近接して配置できることで、皿左サイドランプのLED82a,82bからの照射光が照射光導入面806aに到達するまでの間に周囲に拡散されて光量が損失することを極力抑えることができるため、光量の低下が防止される。
また、照射光導入凹部806は、上皿左クリアベース313Lの背面313bから皿左サイドランプのLED82a,82bに向けて突設された柱状導光部805a,805bの端面に形成されていることで、上皿左クリアベース313L全体の肉厚を大寸にすることなく、照射光導入面806aを背面側に配置される皿左サイドランプのLED82a,82bに極力近接させることができるため、照射光を効率よく上皿左クリアベース313L内に導光させることができる。
また、入射光反射凹部807は、上皿左クリアベース313Lの前面313aから皿左サイドランプのLED82a,82bと反対側に向けて突設された筒状発光部808a,808bの内側に形成されていることで、入射光反射面807aから外部に放射された光を周囲に拡散することなく、筒状発光部808a,808bの内周面に反射して前方に向けて効率よく誘導することができる。
また、入射光反射面807aは、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも内側に形成されていることにより、入射光反射面807aによる反射光の内部での誘導効果を効果的に向上させることができる。
また、上皿左クリアベース313Lの背面313bにおける照射光導入凹部806から離間した位置に形成され、照射光導入面806aから導入され誘導された入射光を表面側に向けて反射させる上反射部811及び下反射部812を備え、皿左サイドランプのLED82a,82bが発光した状態において、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける入射光反射凹部807の正面位置に、照射光導入面806aから導入された入射光により発光する第1の発光部が形成されるとともに、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける上反射部811及び下反射部812の正面位置に、入射光反射面807aにて反射した反射光により発光する第2の発光部が形成されるようにしたことで、上皿左クリアベース313Lの裏面における皿左サイドランプのLED82a,82bとの対向位置に照射光導入凹部806が凹設されることにより皿左サイドランプのLED82a,82bからの照射光が表面側に向けて誘導されるだけでなく、該照射光の一部が照射光導入面806aから上皿左クリアベース313Lの内部に導入されて上反射部811及び下反射部812側に向けて誘導されやすくなり、上反射部811及び下反射部812にて表面側に向けて反射される反射光の光量が増加するため、皿左サイドランプのLED82a,82bが裏面側に配置された第1の発光部だけでなく、皿左サイドランプのLED82a,82bが配置されていない第2の発光部にて発光させることができるため、皿左サイドランプのLED82a,82bの配置数量を増加することなく発光部を増加することができる。
さらに、上反射部811の前方には発光板810が形成され、また、下反射部812の前方には筒状発光部808cが形成されることで、これら上反射部811及び下反射部812にて反射した反射光にて、皿左サイドランプのLED82a,82bが配置されていない第2の発光部を効果的に発光させることができる。
また、上皿左クリアベース313Lの前面313aから皿左サイドランプのLED82a,82bと反対側に向けて突設された筒状発光部808a,808bが発光することで、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも前方位置が発光することになり、光に奥行き感を持たせることができるとともに、パチンコ機1の側方からの光の視認性が向上する。
特に、扉枠左側方発光部,扉枠左枠発光部は、着座して遊技を行う遊技者の視点よりも下方に位置するものであるため、所定のエラーが発生したことに基づいて筒状発光部808a,808bが発光することで、上皿左クリアベース313Lの前面313aが平面状に発光する場合に比べて、エラーに基づく発光を遊技者や遊技店の店員等が気づきやすくなる。
また、この上皿左クリアベース313Lにおける照射光導入凹部806及び入射光反射凹部807のような凹レンズ形状の構成は、上皿左クリアベース313Lだけでなく、例えば左上クリアベース455a,右上クリアベース455bや左下クリアベース456a,右下クリアベース456b等、他のレンズ部にも適用可能である。
次に、遊技機の動作について説明する。図32は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路にランダムRの値を更新させるための設定を行う。また、乱数回路設定処理では、CPU56は、乱数回路の状態を確認する乱数回路確認処理も実行する。乱数回路確認処理では、CPU56は、乱数回路が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する乱数回路エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路が正常に動作していると判定して、そのままステップS15に移行する。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図33に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)(2)ランダム2:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)(3)ランダム3:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
図33に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。なお、この実施の形態では、ステップS29において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを構成するMODEデータまたはEXTデータ(送信先のシリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスが付加されたMODEデータまたはEXTデータ)に、ヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。そして、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってシリアルデータに変換され、中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。また、賞球処理では賞球エラーが発生したか否かの判定処理も行われる。例えば、賞球個数の設定値と実際の払出数とに食い違いが生じた場合に、CPU56は、賞球エラーが発生したと判定し、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100に、賞球エラーの発生を報知することを指定する賞球エラー報知指定コマンドを送信する制御を行う。
また、CPU56は、満タンスイッチや球切れスイッチ、ドア開放センサ155の検出信号にもとづくエラー検出処理を実行する(ステップS32)。具体的には、満タンスイッチの検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する満タンエラー報知指定コマンドを送信する。また、球切れスイッチの検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する球切れエラー報知指定コマンドを送信する。ドア開放センサ155の検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定するドア開放エラー報知指定コマンドを送信する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S35(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
大当り判定判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図示略)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図示略)とがある。CPU56は、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。CPU56は、所定の時期に、乱数回路のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、小当りおよび突然確変大当りの場合よりも多く、例えば15ラウンドである。
小当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される大当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態が確変状態に移行することはない。突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、ラウンド数が同じである。
なお、突然確変大当りの大当り遊技では、ラウンド数は、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少なく、かつ、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)は通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短いが、ラウンド数のみを少なくしたり、大入賞口開放許容時間のみを短くするようにしてもよい。
後述するように、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであり、かつ、変動時間が「通常変動」よりも短い変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。また、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、例えば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。
また、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択されうる変動パターンとがある。また、時短状態では、「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」の変動パターンが選択される。非時短状態では、それ以外の変動パターンが選択される。ただし、「リーチA・突確」の変動パターンは、時短状態でも非時短状態でも使用される。
なお、この実施の形態では、大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、その後、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了するまで、遊技状態は時短状態になる。また、可変表示が終了すると大当り遊技が開始されるときの特別図柄の可変表示を開始するときに、確変状態にすることに決定された場合には、大当り遊技が終了すると遊技状態が確変状態に移行される。なお、そのときの遊技状態が確変状態であれば、確変状態が継続することになる。
確変状態に移行されたら、その後、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了するまでは、確変状態かつ時短状態である。また、大当り遊技が終了した後の非確変状態において、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了すると遊技状態は通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない遊技状態)に移行する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってパラレルデータからシリアルデータに変換され、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
演出制御コマンドを送信する際、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、まず、MODEデータ(アドレスが付加されたMODEデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたMODEデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータ(アドレスが付加されたEXTデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたEXTデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。
特に図示はしないが、コマンド8001(H)〜800E(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800E(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の可変表示と飾り図柄の可変表示とは同期(可変表示開始時期および可変表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。また、コマンド9F55(H)は、メイン処理における乱数回路確認処理において乱数回路の異常発生を検出した場合に、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する演出制御コマンド(乱数回路エラー指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定4指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
コマンドFF02(H)は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合(すなわち、満タンスイッチがオン状態になった場合)に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF01(H)は、下皿の満タン状態が解除された場合(すなわち、満タンスイッチがオフ状態になった場合)に、満タンエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF04(H)は、遊技枠11が開放状態になった場合(すなわち、ドア開放センサ155の検出信号を検出した場合)に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF03(H)は、遊技枠11の開放状態が解除された場合に、ドア開放エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF06(H)は、球切れ状態になった場合(すなわち、球切れスイッチがオン状態になった場合)に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF05(H)は、球切れ状態が解除された場合に、球切れエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF08(H)は、賞球エラーが発生した場合に、賞球エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF07(H)は、賞球エラーが解除された場合に、賞球エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー解除指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた可変表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図34および図35は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると可変表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図36は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS211)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。ステップS213では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜3(図21参照)の値を抽出し、乱数回路のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図37および図38は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図22参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図22(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図22(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS65)。この場合には、はずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する。
さらに、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には(ステップS66)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS68,S69)。そして、ステップS90に移行する。
ステップS81では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれか)を決定する(ステップS83)。なお、ここでは、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS84,S85)。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS86,S87)。また、小当りとすることに決定されている場合には、小当りフラグをセットする(ステップS88,S89)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS90)。なお、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしているが(図22参照)、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するようにしてもよい。
図39は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS100)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS101)。
ここで、遊技状態が非時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動」または「ノーマルリーチ」を選択する(図23参照)。遊技状態が非時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA」、「リーチA・延長」、「リーチB」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」または「リーチA・突確」を選択する(図23参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当り(小当りとすることに決定されている場合を含む。)とすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」または「スーパーリーチA」を選択する。
遊技状態が時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動・短縮」を選択する(図23参照)。遊技状態が時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、「リーチC・短縮」または「リーチA・突確」を選択する(図23参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチC・短縮」を選択する。突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当りとすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」または「リーチC・短縮」を選択する。
以上のような選択を容易にするために、遊技状態(時短状態か否か)と大当りとするか否かの決定結果(はずれ、および大当りの種類のそれぞれ)とに応じた変動パターンテーブルを用いる。変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されるが、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて用意される。それぞれの変動パターンテーブルには、選択されうる変動パターンを示すデータと、それに対応する数値とが設定される。そして、CPU56は、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて、変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルにおいて、変動パターン決定用乱数の値と一致する数値に対応する変動パターンを選択する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、既に決定されている大当りとするか否か、および確変大当りとするか否かに応じて、変動パターンを選択することになる。
そして、CPU56は、ステップS101で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図23参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図23参照)に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図40は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む。)に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図25参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている。)がセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112,S113)。突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114,S115)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図41は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図42は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS146に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始4指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば可変表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りに決定されている場合である。
ステップS146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、ステップS149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(ステップS147)、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。
なお、時短終了フラグは、特別図柄通常処理におけるステップS69でセットされている。また、時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は非時短状態に移行する。この段階で遊技状態が確変状態であれば、遊技状態は、非時短状態の確変状態になる。また、非確変状態であれば、通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない状態)に移行する。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図43は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当フラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、可変表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させ(ステップS156)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS157)。
そして、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされているか否か確認する(ステップS158)。確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグ)をリセットし(ステップS159)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS161)。なお、そのときの遊技状態が確変状態である場合には、既に確変フラグはセットされている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS162)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図44は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグおよび小当りフラグをリセットし(ステップS171A,S171B)、大当り終了1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS172)。そして、小当り終了表示タイマに、可変表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS176)。
図45は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図32におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である状態は、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満(大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態)であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS586)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(例えば02(H))との論理積をとる(ステップS587)。スイッチオンバッファの内容が02(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は02(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS588,S589)。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
次に、演出制御手段の動作を説明する。 図46は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。さらに、コマンド解析処理や演出制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力したり、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図47は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図25参照)であるのか解析する。
図48〜図50は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、RAMクリアフラグをセットする(ステップS632C)。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)とともに、初期報知フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが乱数回路エラー指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー解除指定コマンドであれば(ステップS649)、演出制御用CPU101は、後述するステップS652でセットされた満タンエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー報知指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー解除指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、後述するステップS656でセットされたドア開放エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー報知指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグをセットする(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー解除指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、後述するステップS660でセットされた球切れエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー報知指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグをセットする(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー解除指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、後述するステップS664でセットされた賞球エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー報知指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグをセットする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS665)。そして、ステップS611に移行する。
図51は、図46に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、可変表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、可変表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
図52は、図51に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図53は、図51に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS816)。
次いで、表示結果特定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS817)。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされていなければ、ステップS830に移行する。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされている場合には、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS818)。
図54は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図54に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りまたは突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の飾り図柄として「135」(小当りまたは突然確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。なお、可変表示装置9に導出表示される左中右の飾り図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変大当り図柄といい、小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS819)。次いで、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図55は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って可変表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。なお、この実施の形態では、図55に示す通常の遊技演出に用いられるプロセステーブルとは別に、各種エラー報知を行う際に用いられるエラー報知用のプロセステーブル(エラー用報知プロセステーブル)が用意されている。エラー報知用プロセステーブルの詳細については後述する。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、可変表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図55に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図56は、各演出制御コマンドを受信した場合にプロセスデータ(エラー報知用プロセスデータを含む)に応じて実行されるランプの制御内容の例を示す説明図である。図56に示すように、演出制御用CPU101は、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信し、遊技状態を通常状態とする場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるように制御する。そして、遊技状態が通常状態である間、遊技盤6上のセンター飾り用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるような演出を行う。
また、演出制御用CPU101は、例えば、大当り終了2指定コマンドを受信し、遊技状態を確変状態とする場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fの点灯に加えて、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを所定時間間隔(例えば1秒)で点滅させるように制御する。そして、遊技状態が確変状態である間、遊技盤6上のセンター飾り用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fの点灯に加えて、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを所定時間間隔(例えば1秒)で点滅させるような演出を行う。
また、演出制御用CPU101は、例えば、大当り開始指定コマンドを受信し大当りとなった場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fを点滅させるとともに、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを確変状態よりも速い時間間隔(例えば0.5秒)で点滅させるような演出を行う。そのような演出を行うことによって、遊技状態が確変状態であるときと比較して、より多くのランプをより速い時間間隔で点滅表示させることによって、大当りの発生時に確変状態であるときと比較してより派手な印象を与える演出を行うことができる。
また、演出制御用CPU101は、例えば、初期化指定コマンドを受信し、初期化報知を行うとともにRAMクリア報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、例えば、乱数回路エラー指定コマンドを受信し、乱数回路エラーの報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、例えば、異常入賞報知指定コマンドを受信し、異常入賞報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させるような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、例えば、満タンエラー報知指定コマンドを受信し、満タンエラー報知を行う場合には、皿ランプ82a〜82dを点滅させるような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、例えば、ドア開放エラー指定コマンドを受信し、ドア開放エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させるような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、例えば、球切れエラー指定コマンドを受信し、球切れエラー報知を行う場合には、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、例えば、賞球エラー指定コマンドを受信し、賞球エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるような演出を行う。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データ1に従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS835C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS835Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、音番号データ1およびランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835D)。つまり、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、賞球エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS835Dの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知や満タンエラーの報知、乱数回路エラーの報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグやその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
ステップS830では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図23に示すように、「リーチC・短縮」、「リーチC」および「スーパーリーチA」の変動パターンコマンドが、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定する(ステップS832)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定する(ステップS831)。なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類に応じて使用される(図23参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれに決定されているのか大当り(小当りを含む。)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、表示結果特定コマンドを受信できなかったときには、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、表示結果特定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに飾り図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果特定コマンドを受信できなくても飾り図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
図57は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。
また、異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
ステップS845Bにおいて、演出制御用CPU101は、例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS845C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS845Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiおよびランプ制御実行データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845D)。よって、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、賞球エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図58は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS854)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS855)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS856)。時短状態フラグは、遊技状態が時短状態である場合にセットされている(後述するステップS886参照)。時短状態フラグがセットされている場合には、時短変動回数カウンタの値を+1する(ステップS857)。
そして、演出制御用CPU101は、時短変動回数カウンタの値が100になっているか否か確認する(ステップS858)。時短変動回数カウンタの値が100になっている場合には、時短状態フラグをリセットする(ステップS859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS860)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図59は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を可変表示装置9に表示する制御を行う。また、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を可変表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面および突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を可変表示装置9に表示する制御を行う。
図60は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、可変表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が可変表示装置9に表示される。例えば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、大当り終了表示(小当り終了表示を含む。)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短状態フラグをセットし(ステップS887)、時短回数カウンタに0を設定する(ステップS888)。また、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(ステップS889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(ステップS889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、例えば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、可変表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
次に、ステップS707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図62は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様の例を示す説明図である。図62に示すように、RAMクリア報知は、遊技機の電源投入から所定期間(例えば31秒間)実行される。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるとともに、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。
また、ドア開放エラー報知は、遊技枠11が開放されている間(例えば、ドア開放センサ155の検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させる制御を行う。また、スピーカ27に「扉が開いています」という音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。
また、球切れエラー報知は、球切れ発生から球切れ状態が解除されるまで(例えば、球切れスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、球切れエラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させる制御を行う。また、満タンエラー報知は、下皿の満タン状態の発生から満タン状態が解除されるまで(例えば、満タンスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、満タンエラー報知を行う場合、遊技枠11側の下皿ランプのLED82a〜82dを点滅させるとともに、「下皿が満タンです」という音声を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「下皿が満タンです」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「下皿が満タンです」という文字列を重畳表示させる。
また、賞球エラー報知は、賞球異常発生から賞球異常状態が解除されるまで実行される。演出制御用CPU101は、賞球エラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させる制御を行う。また、乱数回路エラー報知は、遊技機の電源投入の際に乱数回路エラーを検出してから電源がオフされるまで実行される。演出制御用CPU101は、乱数回路エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「エラー」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「エラー」という文字列を重畳表示させる。
また、異常入賞エラー報知は、異常入賞の発生から所定期間(例えば30秒間)実行される。演出制御用CPU101は、異常入賞報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。
図63は、図46に示されたメイン処理における報知制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。報知制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値に応じてステップS1900,S1901のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
報知開始処理(ステップS1900)は、コマンド解析処理でセットされる各エラーフラグ(初期報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)にもとづいて、エラーの報知を開始する処理である。エラーの報知を開始すると、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
報知中処理(ステップS1901)は、各エラーフラグ(初期報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常報知中フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)にもとづいて、エラーの報知を継続する処理である。また、エラーの報知期間(初期報知期間、RAMクリア報知期間)を経過したこと、またはコマンド解析処理でセットされるエラー報知解除フラグにもとづいて、エラーの報知を終了する。エラーの報知を終了すると、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
図64および図65は、図63に示された報知制御プロセス処理における報知開始処理(ステップS1900)を示すフローチャートである。報知開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1911)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、期間タイマ1に、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1912)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。そして、ステップS1950に移行する。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1913)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、ドア開放エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1914)。この実施の形態では、各種エラー報知を行う際にスピーカ27および各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するためのエラー用のプロセスデータ(エラー用プロセスデータ)があらかじめ用意されている。なお、エラー用プロセスデータの詳細については後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1915)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1916)。例えば、演出制御用CPU101は、「扉が開いています」などの音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理(図73参照)を実行する(ステップS1917)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1917でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1918)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーであることを示す乱数回路エラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1919)。次いで、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1920)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1921)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1922)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1923)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1923でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1924)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞報知に応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1925)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1926)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1927)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1928)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1928でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)およびランプの表示(異常報知の点滅)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットするとともに、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1929)。そして、ステップS1950に移行する。
異常入賞報知指定コマンド受信フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1930)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、RAMクリア報知に応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1931)。RAMクリア報知とは、初期化処理が実行されRAMがクリアされたことを報知する処理である。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1932)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1933)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1934)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1934でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2に、RAMクリア報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1935)。RAMクリア報知期間は、RAMクリア報知の報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知期間が経過すると、RAMクリア報知を終了させる。なお、初期報知期間とRAMクリア報知期間とは同じ期間であってもよい。
RAMクリアフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1936)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、満タンエラーであることを示す満タンエラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1937)。次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1938)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1939)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1940)。例えば、演出制御用CPU101は、「下皿が満タンです」などの音声を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1941)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた皿ランプのLED82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1941でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605に出力される。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1942)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、賞球エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1943)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1944)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1945)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1945でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
なお、この実施の形態では、賞球エラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
賞球エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1946)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、球切れエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1947)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1948)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1949)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1949でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
なお、この実施の形態では、球切れエラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
ステップS1950では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更し、処理を終了する。
図66〜図68は、図63に示された報知制御プロセス処理における報知中処理(ステップS1901)を示すフローチャートである。報知中処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1960)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図49におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1965に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS1912で設定された期間タイマ1の値を−1する(ステップS1961)。そして、期間タイマ1の値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1962,S1963)。なお、期間タイマ1の値が0でなければ、そのまま処理を終了する。
さらに、演出制御用CPU101は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1964)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。そして、ステップS2010に移行する。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1965)。セットされていなければ、ステップS1971に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1966)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1967)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1968)。
図69は、エラー報知用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。エラー報知用プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行して各種エラー報知を行う際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルに設定されているデータに従ってスピーカ27および各ランプの制御を行ってエラー報知を行う。エラー報知用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、エラー用ランプ制御実行データおよびエラー用音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、その音出力状態およびランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御するとともに、スピーカ27を用いた音出力を制御する。
図69に示すエラー報知用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、エラー報知用プロセステーブルは、エラー種類(RAMクリア報知、乱数回路エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラー、賞球エラー)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、エラー用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切り替えて、点灯または点滅するように制御される。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1969)。ステップS1969において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「扉が開いています」との音声と所定のエラー音(例えばビープ音)とを出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1970)。例えば、ステップS1970において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1970でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1972)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1973)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1974)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1975)。ステップS1975において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1976)。例えば、ステップS1976において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1976でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
乱数回路エラーフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1977)。セットされていなければ、ステップS1984に移行する。セットされていれば、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1978)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図61(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1979)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1980)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1981)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1982)。ステップS1982において、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、異常入賞の報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1983)。ステップS1983において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1983でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
異常報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1984)。RAMクリアフラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図49におけるステップS632C参照)。RAMクリアフラグがセットされていない場合には、ステップS1993に移行する。RAMクリアフラグがセットされている場合には、プロセスタイマを−1する(ステップS1985)とともに、ステップS1935で設定された期間タイマ2の値を−1する(ステップS1986)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1987)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS1988)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1989)。ステップS1989において、演出制御用CPU101は、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1990)。ステップS1990において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1990でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2の値が0になったか否かを確認する(ステップS1991)。そして、期間タイマ2の値が0になったら、すなわち、RAMクリア報知期間が経過したら、RAMクリアフラグをリセットし(ステップS1992)、ステップS2010に移行する。なお、期間タイマ2の値がタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1997)。ステップS1997において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「下皿が満タンです」との音声を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1998)。例えば、ステップS1998において、演出制御用CPU101は、皿ランプのLED82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1998でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1999)。セットされていなければ、ステップS2005に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2000)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2001)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2002)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2003)。例えば、ステップS2003において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2003でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
賞球エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2004)。セットされていなければ、ステップS2010に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2005)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2006)、エラー報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2007)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2008)。例えば、ステップS2008において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2008でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、図73に示すように、球切れエラーまたは賞球エラーを報知する場合には、スピーカ27からの音出力を行わないが、球切れエラーや賞球エラーを報知する場合にも、スピーカ27を用いた音出力制御を行うようにしてもよい。
ステップS2009では、演出制御用CPU101は、エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS2010に移行する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。ステップS2010では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更し、処理を終了する。
以上のような処理が実行されることによって、各種エラーの報知が実行される。また、初期報知、ドア開放エラー報知、乱数回路エラー報知、異常入賞報知、RAMクリア報知、満タンエラー報知、賞球エラー報知および球切れエラー報知の順に優先してエラーの報知が実行される。
次に、エラー用ランプ制御実行データに従って所定のデータ格納領域にセットされるランプ制御信号について説明する。図70は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図70に示すように、この実施の形態では、エラー種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)のエラー用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBのエラー用ランプ制御実行データを切り替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図70に示すランプ制御信号を、エラー用ランプ制御実行データに対応付けて、あらかじめROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにもとづいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図70に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC611〜615のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。例えば、天枠ランプのうちの一部のLED281a〜281fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC611のアドレスは「01」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0001」が付加された状態で格納されている。また、天枠ランプのうちの他の一部のLED281g〜281lに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC612のアドレスは「02」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0010」が付加された状態で格納されている。また、右枠ランプのLED283a〜283fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC613のアドレスは「03」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0011」が付加された状態で格納されている。また、左枠ランプのLED282a〜282fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC614のアドレスは「04」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0100」が付加された状態で格納されている。
RAMクリア報知する場合には、図70に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dが点灯される。また、RAMクリア報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dが継続して点灯される状態となる。
なお、シリアル−パラレル変換IC611に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281aへの入力信号、2ビット目はLED281bへの入力信号、3ビット目はLED281cへの入力信号、4ビット目はLED281dへの入力信号、5ビット目はLED281eへの入力信号、6ビット目はLED281fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281gへの入力信号、2ビット目はLED281hへの入力信号、3ビット目はLED281iへの入力信号、4ビット目はLED281jへの入力信号、5ビット目はLED281kへの入力信号、6ビット目はLED281lへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED283aへの入力信号、2ビット目はLED283bへの入力信号、3ビット目はLED283cへの入力信号、4ビット目はLED283dへの入力信号、5ビット目はLED283eへの入力信号、6ビット目はLED283fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED282aへの入力信号、2ビット目はLED282bへの入力信号、3ビット目はLED282cへの入力信号、4ビット目はLED282dへの入力信号、5ビット目はLED282eへの入力信号、6ビット目はLED282fへの入力信号に対応している。
ドア開放エラーを報知する場合には、図70に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、ドア開放エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
満タンエラーを報知する場合には、図70に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00001111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプのLED82a〜82dに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、皿ランプのLED82a〜82dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、皿ランプのLED82a〜82dが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、満タンエラーを報知する場合、皿ランプのLED82a〜82dのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、シリアル−パラレル変換IC615に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED82aへの入力信号、2ビット目はLED82bへの入力信号、3ビット目はLED82cへの入力信号、4ビット目はLED82dへの入力信号、5ビット目はLED83への入力信号に対応している。
賞球エラーを報知する場合には、図70に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの一部のLED281a〜281fのみが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの他の一部のLED281g〜281lのみが点灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、賞球エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281fとLED281g〜281lが交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
乱数回路エラーを報知する場合には、図70に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dが点灯される。また、RAMクリア報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dが継続して点灯される状態となる。
異常入賞エラーを報知する場合には、図70に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までのシリアル−パラレル変換IC611〜614に制御データ本体が「00101010」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、遊技枠11側に設けられたランプの一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた各ランプの一部のLED281b,d,f,h,j,l,282b,d,f,283b,d,fのみが点灯される。なお、前述したように、シリアル−パラレル変換IC611に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED281bへの入力信号、4ビット目の1がLED281dへの入力信号、6ビット目の1がLED281fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED281hへの入力信号、4ビット目の1がLED281jへの入力信号、6ビット目の1がLED281lへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED283bへの入力信号、4ビット目の1がLED283dへの入力信号、6ビット目の1がLED283fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED282bへの入力信号、4ビット目の1がLED282dへの入力信号、6ビット目の1がLED282fへの入力信号に対応している。
また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までのシリアル−パラレル変換IC611〜614に制御データ本体が「00010101」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、遊技枠11側に設けられた各天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた各ランプの他の一部のLED281a,c,e,g,i,k,282a,c,e,283a,c,eのみが点灯される。なお、前述したように、シリアル−パラレル変換IC611に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED281aへの入力信号、3ビット目の1がLED281cへの入力信号、5ビット目の1がLED281eへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED281gへの入力信号、3ビット目の1がLED281iへの入力信号、5ビット目の1がLED281kへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED283aへの入力信号、3ビット目の1がLED283cへの入力信号、5ビット目の1がLED283eへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED282aへの入力信号、3ビット目の1がLED282cへの入力信号、5ビット目の1がLED282eへの入力信号に対応している。
上記のような制御が繰り返し行われることによって、賞球エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが互い違いに交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、図70に示す例では、エラー報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にもランプ制御信号が供給される。例えば、RAMクリア報知する場合には、皿ランプの点灯または点滅制御を行う必要はないが、図70に示す例では、アドレスが「05」であるシリアル−パラレル変換IC615に対しても、対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力される。そのようにすることによって、エラー報知の際の制御対象ではないLEDを確実に消灯させた状態にすることができる。
なお、エラー報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にはランプ制御信号を出力(送信)しないようにしてもよい。図71は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の他の例を示す説明図である。
RAMクリア報知やドア開放エラー報知、乱数エラー報知、異常入賞エラー報知を行う場合には、皿ランプは表示制御対象となっていないので、図71に示すように、アドレスが「05」であるシリアル−パラレル変換IC615にはランプ制御信号を出力しないようにする。また、球切れエラー報知や賞球エラー報知を行う場合には、皿ランプに加えて左枠ランプおよび右枠ランプも表示制御対象となっていないので、図71に示すように、アドレスが「03」〜「05」であるシリアル−パラレル変換IC613〜615にはランプ制御信号を出力しないようにする。また、満タンエラー報知を行う場合には、皿ランプのみが表示制御対象となっているので、図71に示すように、アドレスが「01」〜「04」であるシリアル−パラレル変換IC611〜614にはランプ制御信号を出力しないようにする。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100から各枠側IC基板602〜605に出力するランプ制御信号を低減することができる。
なお、図70および図71に示す例では、遊技枠11側に設けられたランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dのみを用いて各種エラー報知を行う場合を説明したが、これらに加えて遊技盤6側に設けられたセンター飾り用ランプやステージランプのLED125a〜125f,126a〜126fを用いて各種エラー報知を行うようにしてもよい。
次に、遊技演出において可動部材151〜153を動作させるときに出力されるモータ制御信号について説明する。図72は、遊技演出においてシリアルデータ方式として出力されるモータ制御信号の例を示す説明図である。図72に示すモータ制御信号は、例えば、図57に示す飾り図柄変動中処理において、可動部材151〜153を用いた予告演出を含む可変表示が実行される際に、ステップS845Cのシリアル設定処理において所定のデータ格納領域にセットされる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図72に示すモータ制御信号を、例えば、表示制御実行データに対応付けて、あらかじめROMに設けられた所定のモータ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづいて、所定のモータ制御信号格納領域からモータ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各モータ制御信号は、図72に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC616のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。この実施の形態では、各モータ151a,152a,153aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC616のアドレスは「06」であるので、モータを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0110」が付加された状態で格納されている。
可動部材としてトロッコ151を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000010」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、トロッコ151を駆動するためのモータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ151aが駆動することによってトロッコ151が動作される。また、トロッコ151の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ151aの駆動が停止されることによってトロッコ151の動作が停止される。なお、この実施の形態では、トロッコ151を逆方向に動作させた場合、位置センサ151bでトロッコ151が検出されなくなるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ151aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ151aの駆動が停止される。
可動部材として梁152を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000100」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、梁152を駆動するためのモータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって梁152が動作される。また、梁152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって梁152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、梁152を正方向に動作させた場合、位置センサ152bで梁152が検出されるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
可動部材として梁152を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00001000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、梁152を駆動するためのモータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって梁152が動作される。また、梁152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって梁152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、梁152を逆方向に動作させた場合、位置センサ152bで梁152が検出されなくなるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
可動部材として骸骨153を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00010000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、骸骨153を駆動するためのモータ153aの正方向動作に対応するビット(制御データの5ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ153aが駆動することによって骸骨153が動作される。また、骸骨153の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ153aの正方向動作に対応するビット(制御データの5ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ153aの駆動が停止されることによって骸骨153の動作が停止される。なお、この実施の形態では、骸骨153を正方向に動作させた場合、位置センサ153bで骸骨153が検出されるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ153aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ153aの駆動が停止される。
可動部材として骸骨153を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00100000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、骸骨153を駆動するためのモータ153aの逆方向動作に対応するビット(制御データの6ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ153aが駆動することによって骸骨153が動作される。また、骸骨153の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ153aの逆方向動作に対応するビット(制御データの6ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ153aの駆動が停止されることによって骸骨153の動作が停止される。なお、この実施の形態では、骸骨153を逆方向に動作させた場合、位置センサ153bで骸骨153が検出されなくなるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ153aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ153aの駆動が停止される。
次に、シリアル設定処理について説明する。図73は、シリアル設定処理の一例を示すフローチャートである。シリアル設定処理は、例えば、演出制御プロセス処理において飾り図柄の可変表示を行うとき(ステップS835C,845C参照)や、各種エラー報知を行うとき(ステップS1970,S1976,S1983,S1990,S1998,S2003,S2008)に実行される。
シリアル設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ROMからランプ制御実行データ(変動パターンに伴うランプの点灯パターンのデータや、モータ制御用データ(ステップS835Cのみ)など)を読み出す(ステップS950)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図55に示したプロセステーブルのランプ制御実行データを読み出すことになる。また、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図69に示したエラー報知用プロセステーブルのエラー用ランプ制御実行データを読み出すことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出したランプ制御実行データにもとづいて、各ランプの表示状態に変更があるか否かを確認する(ステップS951)。各ランプの表示状態に変更があれば、演出制御用CPU101は、表示制御対象のランプのシリアルパラレル変換ICのアドレスが付加されたランプ制御信号を、所定のランプ制御信号格納領域から抽出する(ステップS952)。次いで、抽出したランプ制御信号に、図16に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS953)。そして、ランプ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS954)。
例えば、報知制御プロセス処理におけるステップS907,S922,S929でシリアル設定処理が実行された場合には、ステップS952で図70に示すいずれかのアドレス付きのランプ制御信号が読み出され、ステップS953でデータ格納領域に設定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、ROMから表示制御実行データを読み出す(ステップS955)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図55に示したプロセステーブルの表示制御実行データを読み出すことになる。一方、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図69に示したエラー報知用プロセステーブルには表示制御実行データは含まれないので、次のステップS956でそのままNと判定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出した表示制御実行データにもとづいて、いずれかの可動部材151〜153の可動が遊技演出に含まれるか否かを確認する(ステップS956)。可動部材151〜153の可動がある場合には、演出制御用CPU101は、可動対象の可動部材151〜153のシリアル−パラレル変換ICのアドレス(本例では「06」)が付加されたモータ制御信号を、所定のモータ制御信号格納領域から抽出する(ステップS957)。次いで、抽出したモータ制御信号に、図16に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS958)。そして、モータ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS959)。
例えば、飾り図柄の可変表示に予告演出などが含まれ、いずれかの可動部材151〜153が可動される場合には、ステップS835C,S845Cでシリアル設定処理が実行されるときに、ステップS952で図72に示すいずれかのアドレス付きのモータ制御信号が読み出され、ステップS953でデータ格納領域に設定されることになる。
図74は、出力対象のランプ制御信号やモータ制御信号が設定されるデータ格納領域の一構成例を示す説明図である。この例では、ランプ制御信号またはモータ制御信号を格納するデータ格納領域が9個用意されており、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に出力される順に、ランプ制御信号やモータ制御信号がステップS953で順次格納される。
図75は、シリアル入出力処理(ステップS708)の具体例を示すフローチャートである。シリアル入出力処理において、演出制御用CPU101は、まず、ランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS970)。セットされていれば、それらのランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグをリセットし(ステップS971)、データ格納領域に格納されているランプ制御信号やモータ制御信号をシリアル出力回路353に出力する(ステップS972)。この場合、演出制御用CPU101は、複数のランプ制御信号がデータ格納領域にセットされている場合には、ステップS972において各ランプ制御信号を順に読み出し、シリアル出力回路353に出力する。そして、出力されたランプ制御信号やモータ制御信号は、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換され、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605にシリアルデータ方式として出力されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、盤側IC基板601に対して中継基板606,607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS973)。盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS974)。なお、ステップS974では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC621から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、枠側IC基板605に対して中継基板607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS975)。盤側IC基板605に搭載された入力IC620は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS976)。なお、ステップS976では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC620から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
図76は、可変表示装置9における表示演出、スピーカ27による音演出および各ランプによる表示演出の状況の例を示す説明図である。図76(A)には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。
図76(B)には、可変表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。図76(B)に示すように、初期化指定コマンドを受信して可変表示装置9において初期化報知が行われる場合には、初期化指定コマンドを受信してから所定期間(例えば31秒間)、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプ83を除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを点灯させるとともに、スピーカ27から所定のエラー音を出力させ、RAMクリアが行われたことを報知する。
図76(C)には、可変表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされ、各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fによって異常報知表示(例えば点滅表示)がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、可変表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fに異常報知表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、可変表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、可変表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示を継続させる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御、異常報知音の出力を停止する制御、および異常報知表示を停止する制御を実行しないので、可変表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示は、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示が開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示を停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態でないときに1個の遊技球が大入賞口に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、大当り遊技状態でないときに大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、大当り遊技状態でないときに、所定の時間内に、所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示を行う。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドにもとづいて各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、1系統の配線を介して接続されるとともに、あらかじめ相互に異なるアドレス情報が割り当てられ、自己のアドレス情報が付加された制御信号のみをパラレル信号方式に変換して出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技盤6に設けられたシリアル−パラレル変換IC616〜619を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC616〜619を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられたシリアル−パラレル変換IC611〜615を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC611〜615を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。そのため、遊技盤6と遊技枠11との間の配線数を低減することができる。従って、遊技枠11と遊技盤6とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業を容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、中継基板606,607によって、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615との接続が中継される。また、中継基板607によって、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアルパラレル変換IC611〜615と演出制御用マイクロコンピュータ100との接続が中継される。そのため、中継基板606,607への接続作業や取り外し作業を行うだけで遊技枠と遊技盤6との脱着作業を容易に行うことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技枠側に2つのシリアル−パラレル変換611,612を搭載した集合基板としての枠側IC基板602が設けられている。また、遊技盤6側に4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619を搭載した集合基板としての盤側IC基板601が設けられている。そのため、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、コネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行うことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを、シリアル出力回路78を用いて、シリアル信号方式で演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621に共通に用いるクロック信号を出力する。そのため、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル−パラレル変換IC611〜619のデバイスIDをアドレスとしてあらかじめRAMの所定のアドレス記憶領域に記憶するようにしてもよい。そのように構成すれば、シリアル−パラレル変換IC611〜619に固有のID情報をアドレス情報として利用して各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御することができる。
また、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
なお、この実施の形態では、演出制御基板80、盤側IC基板601、各枠側IC基板602〜605および各中継基板606,607の接続形態として、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607がバス型に1系統の配線ルートで接続され、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜619がバス型に1系統の配線ルートで接続される場合を説明したが、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619を直列接続(以下、デイジーチェーン型の接続ともいう)したり、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615を直列接続(デイジーチェーン型の接続)することによって、配線数を低減してもよい。
図77は、演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の他の構成例を示すブロック図である。図77に示す例では、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力する。中継基板607は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、さらに中継基板606を介して盤側IC基板601に供給する。
盤側IC基板601に入力されたシリアルデータは、まず、シリアル−パラレル変換IC619に入力される。図77に示すように、盤側IC基板601に搭載される各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、シリアルデータ用の信号線がデイジーチェーン型に接続されている。したがって、入力されたシリアルデータは、シリアル−パラレル変換IC619から、盤側IC基板601に搭載される他のシリアル−パラレル変換IC616,618,617に順に転送される。例えば、図15に示すシフトレジスタ652の最終ビットの出力を次のシリアル−パラレル変換ICのデータラッチ部651に入力するように構成することによって、シリアルデータを各シリアル−パラレル変換IC616〜619に順に転送するようにすればよい。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプのLEDに供給する。また、盤側IC基板601に入力されたクロック信号は、盤側IC基板601上で分岐され、各シリアル−パラレル変換IC616〜619および入力IC621に入力される。
中継基板607は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を枠側IC基板604および枠側IC基板605に供給する。枠側IC基板604に入力されたシリアルデータは、まず、シリアル−パラレル変換IC614に入力される。図77に示すように、各枠側IC基板602〜604に搭載される各シリアル−パラレル変換IC611〜614は、シリアルデータ用の信号線がデイジーチェーン型に接続されている。したがって、入力されたシリアルデータは、シリアル−パラレル変換IC614から、各枠側IC基板602,603に搭載される他のシリアル−パラレル変換IC611〜613に順に転送される。例えば、図15に示すシフトレジスタ652の最終ビットの出力を次のシリアル−パラレル変換ICのデータラッチ部651に入力するように構成することによって、シリアルデータを各シリアル−パラレル変換IC611〜614に順に転送するようにすればよい。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜614は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプのLEDに供給する。
また、枠側IC基板602に入力されたクロック信号は、枠側IC基板604上で分岐され、シリアル−パラレル変換IC614に入力されるとともに、枠側IC基板602に入力される。枠側IC基板602に入力されたクロック信号は、枠側IC基板602上で分岐され、各シリアル−パラレル変換IC611,612に入力されるとともに、枠側IC基板603に入力される。枠側IC基板603に入力されたクロック信号は、枠側IC基板603上で分岐され、シリアル−パラレル変換IC613に入力される。枠側IC基板605に入力されたクロック信号は、枠側IC基板605上で分岐され、シリアル−パラレル変換IC615および入力IC620に入力される。
また、遊技枠11や遊技盤6に設けるランプのLEDとして、諧調制御を行うLED(例えば、マルチカラーLED)を用いるようにし、明るさを制御できるようにしてもよい。図78は、LEDの諧調制御を行う場合にLEDに供給されるパルス列の例を示す説明図である。なお、図78は、LEDを8段階で諧調制御する場合のパルス列を示す。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図78に示すように、輝度に応じてパルス数を変化させた信号を出力することによって、LEDの諧調制御を行う。この場合、例えば、クロック信号の周期を1時間要素とするとともに、7個の時間要素で1制御単位時間を構成する。そして、1制御単位時間中のパルス電流を流す時間要素がいくつ含まれるかによってLEDの明るさを制御してもよい。例えば、図78(a)に示すように、1制御単位時間中の7個の時間要素のうち、全ての時間要素でLEDにパルス電流を流す場合が、LEDの明るさが最も明るくなる。また、図78(g)に示すように、1制御時間中の7個の時間要素のうち、1個の時間要素だけLEDにパルス電流を流す場合が、LEDの明るさが最も暗くなる。また、LEDにパルス電流を流す時間要素の数が6個、5個、4個、3個、2個と少なくなるに従って、LEDの明るさも次第に暗くなる(図78(b)〜(f))。なお、図78(h)に示すように、1制御単位時間に含まれる7個の時間要素全てでLEDにパルス電流を流さないようにする場合には、LEDは消灯状態となる。
なお、LEDの諧調制御を行う場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、輝度に応じたパルス数の情報(例えば、論理値0または1)を含む制御信号を、シリアル出力回路353を用いてシリアルデータ方式として出力する。なお、なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パルス数に限らず、輝度に応じたパルス幅の情報を含む制御信号を、シリアル出力回路353を用いてシリアルデータ方式として出力するようにしてもよい。
また、諧調制御を行うランプのLEDを用いて明るさを制御する場合、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとを異ならせるようにしてもよい。図79は、諧調制御を行うランプのLEDを用いて明るさを制御する場合における演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。
図79に示す例では、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換IC611a,612a,613a,614aと、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換IC611b,612b,613b,614bとが、各枠側IC基板602,603,604に別々に搭載されている。そして、各シリアル−パラレル変換IC611a,612a,613a,614aは、演出制御用マイクロコンピュータ100から中継基板606,607を介して入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、輝度調整を行わない各ランプのLEDに供給する。また、各シリアル−パラレル変換IC611b,612b,613b,614bは、演出制御用マイクロコンピュータ100から中継基板606,607を介して入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、輝度調整を行う各ランプのLEDに供給する。
なお、図79に示す例では、遊技枠11側に搭載された各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fで諧調制御を行う場合を示したが、遊技盤6側に搭載された各ランプのLED125a〜125f,126a〜126fで諧調制御を行うようにしてもよい。この場合、盤側IC基板601にも、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとが、別々に搭載されることになる。
以上のように、図78および図79に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプのLEDの発光状態を制御する制御信号として、ランプのLEDを発光させるときの輝度に応じて、パルス数を変化させた信号を出力する。そのため、ランプのLEDの輝度を調整する諧調制御を行えるようにすることができる。なお、この実施の形態では、パルス数を変化させた信号を出力することによって諧調制御を行う場合を示したが、パルス量を変化させた信号を出力するものであれば、他の方法を用いて諧調制御を行うようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パルス幅を変化させた信号を出力することによって、ランプのLEDの諧調制御を行うようにしてもよい。
輝度を調整しないランプのLEDは1制御単位時間中はオンかオフかいずれの状態しかないのであるから、図79に示す例では、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとを異ならせることによって、輝度を調整しないランプのLEDに対するデータ転送回数を低減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信したが表示結果特定コマンドを受信できなかった場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定し、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定したときには、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定するので、ノイズ等によって表示結果特定コマンドを受信できなくても、大当りが発生することを可変表示装置9によって報知できる。さらに、変動パターンコマンドを受信した直後に、表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信したと判定したときに、受信した変動パターンコマンドにもとづく上記の制御を行うようにしてもよい。つまり、演出制御手段は、正規コマンドを受信できなかったと判定したり(例えば、表示結果特定コマンドを受信できない。)、非正規コマンドを受信したと判定した(例えば、変動パターンコマンドに続いて表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した。)場合に、受信された正規コマンドにもとづいて演出制御(例えば、飾り図柄の停止図柄を決定する。)を実行することが好ましい。そのように構成すれば、正規コマンドの非受信や非正規コマンドの受信によって遊技者に不利益が与えられることが防止される。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行うようにしてもよい。例えば、特定遊技状態の開始を特定可能な大当り開始指定コマンドを受信した場合に、既に受信している表示結果特定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているときに、確変大当りを示す大当り開始3指定コマンドを受信したような場合)に、大当り開始指定コマンドにもとづく演出制御(例えば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能な大当り終了指定コマンドを受信した場合に、既に受信している大当り開始指定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す大当り開始1指定コマンドを受信した後、確変大当りを示す大当り終了指定2コマンドを受信した場合)に、大当り終了指定コマンドにもとづく演出制御(例えば、可変表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図80は、第2の実施の形態における中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aの回路構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bは、スピーカ27の音出力制御、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの表示制御を行う。また、図柄制御基板80aは、可変表示装置9の表示制御を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御を行う図柄制御用マイクロコンピュータ100aと、スピーカ27の音出力制御、および各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの表示制御を行う音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとによって実現される。
音/ランプ制御基板80bは、音/ランプ制御用CPU101b、RAM、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。
さらに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bはシリアル出力回路353を介してランプを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプのLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615や入力IC620に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619や入力IC621に供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619および各入力IC620,621に共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602〜605に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605に搭載された入力IC620は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bからの入力取込信号を入力すると、操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bからの入力取込信号を入力すると、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとランプドライバ352および音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
図柄制御基板80aは、図柄制御用CPU101aおよびRAMを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。図柄制御基板80aにおいて、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板31から中継基板77を介して受信した演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が図柄制御基板80aに搭載されている。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を図柄制御基板80aに向かう方向にしか通過させない(図柄制御基板80aから中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図80には、ダイオードが例示されている。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板31からの演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)を、入出力ポート104を介して音/ランプ制御基板80bに送信(転送)する。
図81は、第2の実施の形態における図柄制御基板80a、音/ランプ制御基板80b、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。音/ランプ制御基板80bの音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
中継基板606は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,127a〜127cや、各可動部材のモータ151a〜153aに供給する。
また、中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板606と接続されており、各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式に接続されている。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとは、中継基板606を介して入力信号線、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されており、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図81に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜615は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82d,83に供給する。
また、枠側IC基板605には、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板605に搭載された入力IC620と音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとは、中継基板607を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されており、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて操作ボタン81a〜81eからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。この場合、入力IC620は、操作ボタン81a〜81eからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619には、あらかじめアドレスが付与されており、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、アドレスが付加されたシリアルデータを出力する。各シリアル−パラレル変換IC611〜619は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各ランプのLEDに供給する。アドレスが合致していなければ各ランプのLEDへの供給は行わない。
次に、図柄制御用マイクロコンピュータ100aの動作を説明する。図82は、第2の実施の形態における図柄制御用マイクロコンピュータ100aが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、メイン処理を開始する。メイン処理では、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS781)。その後、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、タイマ割込フラグの監視(ステップS782)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、そのフラグをクリアし(ステップS783)、以下の図柄制御処理を実行する。
タイマ割込は例えば33ms毎にかかる。すなわち、図柄制御処理は、例えば33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な図柄制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で図柄制御処理を実行してもよい。
図柄制御処理において、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS784)。なお、この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1の実施の形態で示したコマンド解析処理(図48〜図50に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理)と同様の処理に従って、演出制御コマンドを解析する。
次いで、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、図柄制御プロセス処理を行う(ステップS785)。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1の実施の形態で示した演出制御プロセス処理(図51に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する演出制御プロセス処理)と同様の処理に従って処理(ただし、可変表示装置9の制御に関する部分のみ)を実行する。
そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS786)。さらに、可変表示装置9を用いて報知を行う報知制御プロセス処理を実行する(ステップS787)。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1の実施の形態で示した報知制御プロセス処理のうち可変表示装置9を用いた報知処理と同様の処理を実行する。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板31から受信した演出制御コマンドを音/ランプ制御基板80bに送出(転送)する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS788)。その後、ステップS782のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
なお、ステップS788のコマンド制御処理において、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドをそのまま音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信してもよく、受信した演出制御コマンドを加工した上で音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信するようにしてもよい。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、変動パターンコマンドと表示結果コマンドとを1つの演出制御コマンドに作りなおして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信してもよい。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、例えば、変動パターンコマンドと表示結果コマンドとにもとづいて、飾り図柄の変動中に実行すべき演出の種類と演出時間のみ特定可能な演出制御コマンドと新たに生成し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する。そのように構成すれば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信するコマンド数を低減することができる。
次に、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bの動作を説明する。図83は、第2の実施の形態における音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、メイン処理を開始する。メイン処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS881)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込フラグの監視(ステップS882)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、そのフラグをクリアし(ステップS883)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
タイマ割込は例えば33ms毎にかかる。すなわち、音/ランプ制御処理は、例えば33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な音/ランプ制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で音/ランプ制御処理を実行してもよい。
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS884)。なお、この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1の実施の形態で示したコマンド解析処理(図48〜図50に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理)と同様の処理に従って、演出制御コマンドを解析する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音/ランプ制御プロセス処理を行う(ステップS885)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1の実施の形態で示した演出制御プロセス処理(図51に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する演出制御プロセス処理)と同様の処理に従って処理(ただし、スピーカ27および各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの制御に関する部分のみ)を実行する。
そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS886)。さらに、スピーカ27および各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを用いて報知を行う報知制御プロセス処理を実行する(ステップS887)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1の実施の形態で示した報知制御プロセス処理のうちスピーカ27および各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを用いた報知処理と同様の処理を実行する。さらに、コマンド解析処理や音/ランプ制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力したり、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(ステップS888)。その後、ステップS882に移行する。
以上のように、この実施の形態によれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから転送された演出制御コマンドにもとづいて各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、1系統の配線を介して接続されるとともに、あらかじめ相互に異なるアドレス情報が割り当てられ、自己のアドレス情報が付加された制御信号のみをパラレル信号方式に変換して出力する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技盤6に設けられたシリアル−パラレル変換IC616〜619を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC616〜619を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技枠11に設けられたシリアル−パラレル変換IC611〜615を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC611〜615を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。そのため、第1の実施の形態と同様に、遊技盤6と遊技枠11との間の配線数を低減することができる。従って、遊技枠11と遊技盤6とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業を容易に行えるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、図柄制御基板80a、音/ランプ制御基板80b、盤側IC基板601、各枠側IC基板602〜605および各中継基板606,607の接続形態として、音/ランプ制御基板80b、中継基板606および中継基板607がバス型に1系統の配線ルートで接続される場合を説明したが、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619を直列接続(デイジーチェーン型の接続)したり、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615を直列接続(デイジーチェーン型の接続)することによって、配線数を低減してもよい。
図84は、図柄制御基板80a、音/ランプ制御基板80b、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の他の構成例を示すブロック図である。図84に示す例では、音/ランプ制御基板80bの音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板606に出力する。中継基板606は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから入力したシリアルデータおよびクロック信号を、中継基板607および盤側IC基板601に供給する。
盤側IC基板601に入力されたシリアルデータは、まず、シリアル−パラレル変換IC619に入力される。図84に示すように、盤側IC基板601に搭載される各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、シリアルデータ用の信号線がデイジーチェーン型に接続されている。したがって、入力されたシリアルデータは、シリアル−パラレル変換IC619から、盤側IC基板601に搭載される他のシリアル−パラレル変換IC616,618,617に順に転送される。例えば、図15に示すシフトレジスタ652の最終ビットの出力を次のシリアル−パラレル変換ICのデータラッチ部651に入力するように構成することによって、シリアルデータを各シリアル−パラレル変換IC616〜619に順に転送するようにすればよい。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプのLEDに供給する。また、盤側IC基板601に入力されたクロック信号は、盤側IC基板601上で分岐され、各シリアル−パラレル変換IC616〜619および入力IC621に入力される。
中継基板607は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を枠側IC基板604および枠側IC基板605に供給する。枠側IC基板604に入力されたシリアルデータは、まず、シリアル−パラレル変換IC614に入力される。図84に示すように、各枠側IC基板602〜604に搭載される各シリアル−パラレル変換IC611〜614は、シリアルデータ用の信号線がデイジーチェーン型に接続されている。したがって、入力されたシリアルデータは、シリアル−パラレル変換IC614から、各枠側IC基板602,603に搭載される他のシリアル−パラレル変換IC611〜613に順に転送される。例えば、図15に示すシフトレジスタ652の最終ビットの出力を次のシリアル−パラレル変換ICのデータラッチ部651に入力するように構成することによって、シリアルデータを各シリアル−パラレル変換IC611〜614に順に転送するようにすればよい。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜614は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプのLEDに供給する。
また、枠側IC基板602に入力されたクロック信号は、枠側IC基板604上で分岐され、シリアル−パラレル変換IC614に入力されるとともに、枠側IC基板602に入力される。枠側IC基板602に入力されたクロック信号は、枠側IC基板602上で分岐され、シリアル−パラレル変換IC611,612に入力されるとともに、枠側IC基板603に入力される。枠側IC基板603に入力されたクロック信号は、枠側IC基板603上で分岐され、シリアル−パラレル変換IC613に入力される。枠側IC基板605に入力されたクロック信号は、枠側IC基板605上で分岐され、シリアル−パラレル変換IC615および入力IC620に入力される。
また、図78および図79に示した例と同様に、遊技枠11や遊技盤6に設けるランプのLEDとして、諧調制御を行うLED(例えば、マルチカラーLED)を用いるようにし、明るさを制御できるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する例として、遊技機が図柄制御基板80aと音/ランプ制御基板80bとを備える場合を説明したが、他の種類の制御基板を複数備えるものであってもよい。例えば、遊技機は、可変表示装置9とスピーカ27とを制御する図柄/音制御基板と、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御するランプ制御基板とを備えていてもよい。この場合、例えば、図柄/音制御基板が搭載する図柄/音制御用マイクロコンピュータが、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信し、ランプ制御基板に転送(送信)する。そして、ランプ制御基板が搭載するランプ制御用マイクロコンピュータは、転送された演出制御コマンドにもとづいて、制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御する。
また、例えば、遊技機は、可変表示装置9と各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fとを制御する図柄/ランプ制御基板と、スピーカ27を制御する音制御基板とを備えていてもよい。この場合、例えば、音制御基板が搭載する音制御用マイクロコンピュータが、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信し、図柄/ランプ制御基板に転送(送信)する。そして、図柄/ランプ制御基板が搭載する図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータは、転送された演出制御コマンドにもとづいて、制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御する。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例では、発光体としてのLEDから導光部材の導光部を介して発光表示部まで誘導される導光距離を、発光体、導光部、発光表示部からそれぞれ構成される複数の発光表示手段相互で異なるように構成した例として、遊技枠11に設けられた左右枠発光部、天枠発光部、扉枠左右側方発光部に適用した場合を説明したが、これら各発光部に限らず、他の発光部に適用してもよい。
また、前記実施例では、左右枠発光部において、導光部材としてのサイドインナーレンズ457の内部に設けられる導光部の長さを複数の発光表示手段相互で異ならせることで、各発光表示部の表示態様が異なるようにしていたが、このような構成に加えて、発光体としてのLEDを、光導入面と対向する対向位置から発光体の配置位置までの光の照射方向に対して直交する方向への離間距離がそれぞれ異なるように配置するようにしてもよい。
また、前記実施例では、天枠発光部において、発光体としてのLEDを、光導入面と対向する対向位置から発光体の配置位置までの光の照射方向に対して直交する方向への離間距離がそれぞれ異なるように配置していたが、このような構成に加えて、各導光部の長さを異ならせてもよい。
また、前記実施例では、扉枠左右側方発光部において、複数の発光表示手段相互で、各発光板810a,810bにおける各発光板それぞれの離間距離を異ならせていたが、LEDに最も近い発光板までの導光距離を、各発光板810a,810bごとに異なるようにしてもよい。
また、前記実施例では、左右枠発光部、天枠発光部、扉枠左右側方発光部において、各発光体としてのLEDの発光面から光導入面までの距離は、複数の発光表示手段相互でそれぞれ同一とされていたが、複数の発光表示手段相互で異ならせてもよい。
また、前記実施例では、発光表示部の例として、第2の凸部1606、前面壁901c〜901j、発光板810a,810bが記載されていたが、発光表示部の形態は、発光体の発光により光るものであれば任意であり、上記第2の凸部1606、前面壁901c〜901j、発光板810a,810bの形態に限定されるものではない。
また、前記実施例では、左右枠発光部及び扉枠左右側方発光部において、発光体に対応する発光表示部は、発光体の発光方向に対して直交する方向(例えば上下方向)に異なる位置に形成されていたが、発光体の前方に形成してもよい。
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロットマシンや、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。