JP5557344B2 - H&vシールド掘進機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のH&Vシールド掘進機は第1,第2掘削機を連結したものである。 第1,第2掘削機は、夫々、第1,第2前胴部と、これら第1,第2前胴部の後端側に中折れ可能に連結された第1,第2後胴部とを備えており、第1,第2後胴部同士はメガネ形状をなすように一体的に連結され、第1,第2後胴部に対して第1,第2前胴部を夫々中折れさせる複数の中折れジャッキが設けられている。第1,第2前胴部の長さ方向途中部が中折れ方向に細長い円弧形の長穴に挿通された接合ピンを介して相反する方向へ中折れ可能に連結されている。
小径のシールド掘進機を除いて、通常のシールド掘進機には、少なくとも、複数のシールドジャッキ、トンネル内面にセグメントを覆工するエレクタ装置、作業デッキなどが装備されている。そして、前記作業デッキは後胴部のフレーム部材に固定的に装備されている。特許文献1には、エレクタ装置や作業デッキについて何ら記載されていない。
前記第1,第2前胴部が夫々相反する方向へ同角度中折れさせた状態で第1,第2掘進により掘進していくと、H&Vシールド掘進機がローリングしながらスパイラル状に掘進することができる。このとき、スパイラル掘進に追従しながら、スパイラル掘進のスパイラル方向と反対方向にスパイラル角度と同角度だけ、第1,第2デッキ回転駆動手段により、第1,第2作業デッキを回転させることにより、第1,第2作業デッキを水平姿勢に保持することができる。
尚、実施例は一例に過ぎず、本発明は実施例の構造に限定されるものではない。
図5〜図9は、横二連姿勢(基準姿勢)にしたシールド掘進機SMを示しており、図5〜図9に基づく説明では、掘進方向を前方とし、その前方に向いたときの左右方向を左右方向とする。このシールド掘進機SMの第1掘進機1Aは、前端部のカッターヘッド2Aと、このカッターヘッド2を回転駆動するヘッド回転駆動装置5と、第1前胴部3Aと、この第1前胴部2が中折れ可能に接続される第1後胴部4Aと、複数の中折れジャッキ6と、複数のシールドジャッキ7と、送水管8と、排泥管9と、トンネル内面をセグメントSで覆工する第1エレクタ装置10Aと、第1作業デッキ11Aと、作業デッキ11A上に装備された形状保持装置12などを備えている。
図6に示すように、カッターヘッド2Aは、放射状に配置された複数のカッタースポーク2aの前端に多数のカッタービット2bが夫々設けられ、一部のカッタースポーク2aの先端部にはコピーカッター2cが設けられ、中心部にはセンターカッター2dが設けられている。隔壁13に取付けられたスイベルジョイント14から延びる軸部材15がカッターヘッド2に接続されている。
隔壁13の後方に所定間隔あけて鉛直な環状板フレーム18が設けられ、この環状板フレーム18の外周端が第1前胴部3Aに接合されている。隔壁13と環状板フレーム18の間には内側の筒状の環状板20と外側の筒状の環状板21が設けられて、これら環状板20,21の両端は隔壁13と環状板フレーム18に接合されている。
環状フレーム22の内周側の筒状の環状板から後方へ同幅だけ延びる筒状の環状体28が設けられ、この環状体28は周方向に所定間隔おきに設けた複数のリブ板28aにより第1後胴部4Aに接合されている。
図7に示すように、複数(例えば、14本)の中折れジャッキ6は、第1前胴部3Aの内部のうちシールドジャッキ7より内径側に周方向ほぼ間隔おきに配設され、各中折れジャッキ6のシリンダ本体6aは、環状板フレーム18に固定した連結片6bに球面継手を介して所定の小角度全方向へ回動可能に連結され、中折れジャッキ6のロッド6cの先端部は環状フレーム22に固定した連結片6dに球面継手を介して所定の小角度全方向へ回動可能に連結されている。各中折れジャッキ6のシリンダ本体6aの内部には磁歪素子により中折れジャッキ6のストローク(ロッドの伸長量)を検出可能なストロークセンサ71が組み込まれ、その検出信号は制御ユニット70Aに出力される(図15参照)。従って、中折れ機構16と複数の中折れジャッキ6により、第1後胴部4Aに対して第1前胴部3Aを全方向へ任意の小角度中折れさせることができる。
図7に示すように、ヘッド回転駆動装置5は、カッターヘッド2Aから後方へ延びる複数の連結部材30と、隔壁13の後側近傍に配設されて複数の連結部材30の後端に連結された環状部材31と、この環状部材31の内周側と外周側を潤滑しシールするシール機構31a,31bと、環状部材31に連結され且つ第1前胴部3Aの軸心と共通の軸心を有するリングギヤ5aと、このリングギヤ5aを回転駆動するための複数(例えば、8組)の回転駆動ユニット5b等で構成されている。
図5、図7、図9に示すように、第1前胴部3Aの後部と第1後胴部4Aの前端部分の内部の外周側には、複数(例えば、20本)のシールドジャッキ7が前後方向向きに且つロッド7bを後方へ進出可能に配設されている。各シールドジャッキ7は、環状フレーム22を貫通してシリンダ本体7aが環状フレーム22に固定され、シリンダ本体7aの前端部の半球面部7cが環状板フレーム18に固定した球面座部材7dの球面座に係合され、ロッド7bの先端部に固定した偏心金具7eにスプレッダ7fが連結され、偏心金具7eの半球面部がスプレッダ7fの球面座に係合している。各シールドジャッキ7には、内部に磁歪素子を用いたストロークセンサ72が組み込まれており、そのストロークセンサ72によりシールドジャッキ7のストローク(ロッドの伸長量)を検出可能に構成され、ストロークセンサ72の検出信号は制御ユニット70Aに出力される(図15参照)。
図5、図7、図10に示すように、送水管8は、送水本管8aと、この送水本管8aから分岐した2つの送水分岐管8b,8cとを備えている。送水本管8aは、第1前胴部3Aと第1後胴部4aの中心部に、後述するリングギヤ40と環状板42を貫通する状態に前後方向向きにストレート状に配設され、送水本管8Aの後端には地上から延びる送水ホース(図示略)が接続されている。
図7、図8に示すように、第1エレクタ装置10Aは、第1後胴部4Aの軸心と共通の軸心を有するリング状の回転ドラム30と、この回転ドラム30を回転自在に前記環状体28に支持する支持機構と、左右1対の油圧シリンダ31により第1後胴部4Aの軸心に対して半径方向へ移動可能に回転ドラム30に支持されたエレクタフレーム32であって湾曲部材33とこの湾曲部材33の中央部から後方へ水平に延びるガイド部材34とを含むエレクタフレーム32と、ガイド部材34に前後方向位置を調節可能に装備されたセグメント把持機構35等を備えている。
図7〜図9に示すように、左右1対の支柱25と上連結材26と下連結材27の後面に、第1後胴部4Aの軸心と共通の軸心を有するリングギヤ40を支持する環状フレーム41であって回転ドラム30の内径よりも小径の環状フレーム41が固定され、この環状フレーム41にリングギヤ40がスラスト軸受け及びラジアル軸受けを介して回転自在に支持されている。リングギヤ40の後面には環状板42と左右1対の板部材43が固定され、これら板部材43の前面に後方へ片持状に延びる第1作業デッキ11Aが固定されている。
さらに、シールド掘進機SMが基準姿勢のときの第1作業デッキ11Aの姿勢を基準とする第1作業デッキ11Aの回転角度を検出する第1デッキ回転角度検出手段53Aが設けられている。この第1デッキ回転角度検出手段53Aは、リングギヤ40の内歯に噛合したピニオン54と、このピニオン54の回転角度を検出するロータリエンコーダ55とで構成されている。
図7、図9に示すように、左右の補強桁材45の上側において第1作業デッキ11A上には、レール部材56が夫々固定され、これらのレール部材56上を移動する車輪付きのキャリッジ57が設けられ、それらキャリッジ57に油圧シリンダで伸縮する伸縮部材58が設けられ、左右の伸縮部材58の上端部に円弧部材59が架け渡されている。円弧部材59はセグメントSの内面に当接する形状を有し、覆工直後のトンネルの上端側のセグメントSを支持して形状を保持するように構成されている。第1作業デッキ11Aの後端部に連結された水平姿勢の油圧シリンダ60により形状保持装置12を前後に移動可能である。
図5に示すように、第1,第2掘進機1A,1Bのカッターヘッド2A,2Bが干渉しないように、第2掘進機1Bにおいては、チャンバー17Bの前後幅を第1掘進機1Aのチャンバー17Aの前後幅より狭くすることで、第2掘進機1Bのカッターヘッド2Bは、第1掘進機1Aのカッターヘッド2Aより少し後退した位置に配置されている。上記の点を除いて、第1,第2掘進機1A,1Bは同様の構成のものである。それ故、主要な部材や構成要素について簡単に説明し、その他の同一の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図15に示すように、CPUとROMとRAMを含むマイクロコンピュータと入出力インターフェイスと電源回路などからなる制御ユニット70Aが設けられ、この制御ユニット70Aには、複数の中折れジャッキ6のストロークセンサ71の検出信号、複数のシールドジャッキ7のストロークセンサ72の検出信号、第1デッキ回転角度検出手段53Aの検出信号、操作盤79からの指令信号等が入力される。
このスパイラル掘進制御は、複数の中折れジャッキ6に対する制御、複数のシールドジャッキ7に対する制御、第1,第2作業デッキ11A,11Bに対する制御、送水系と排泥系に対する制御を含むものである。尚、フローチャート中のSi(i=1,2,・・)は各ステップを示す。
Sp=90°/125m=0.5 π(rad)/125( m)=0.0126(rad/ m)
上記の単位距離のスパイラル掘進により、第1前胴部3Aの軸心Oz がOzmに移動したとすると、前記スパイラル角度Spは非常に小さな値であるため、Oz からOzmまでの距離δは、δ=Sp×Rである。但し、Rは第1前胴部3Aの半径(m)である。
中折れ角度θは、tanθ=δ(m)/1(m)=δと表すことができる。例えば、R=2.5mとすると、θ=1.8°である。
次に、S13において、現在のスパイラル角度Aspとメモリに記憶していたデッキ回動角度Adに基づいて、第1,第2作業デッキ11A,11Bを回動させる複数の電動モータ52を駆動して、角度ΔA=(Asp−Ad)だけ、スパイラル掘進方向と反対方向(時計回り方向)へ第1,第2作業デッキ11A,11Bを回動させることにより、第1,第2作業デッキ11A,11Bを水平姿勢に姿勢調節する。次に、S14では、デッキ回動角度Adを(Ad+ΔA)にインクリメントする。
尚、図13には、縦二連姿勢のときの第1,第2作業デッキ11A,11Bを図示し、図14には、縦二連姿勢のときの第1,第2掘進機1A,1Bにおける送水系と排泥系を図示してある。
第1,第2作業デッキ11A,11Bを第1,第2後胴部4A,4Bのフレームに第1,第2後胴部4A,4Bの軸心回りに回転可能に夫々支持し、第1,第2作業デッキ11A,11Bを夫々第1,第2後胴部4A,4Bのフレームに対して相対回転するように回転駆動する第1,第2デッキ回転駆動手段50A,50Bを設けたため、スパイラル掘進の進行状況(H&Vシールド掘進機の姿勢)に追従して、第1,第2作業デッキ11A,11Bが水平姿勢を保つように、第1,第2デッキ回転駆動手段50A,50Bにより第1,第2作業デッキ11A,11Bを回転させることができるため、第1,第2デッキ11A,11B上でのセグメントの組付け作業等の作業がしやすくなり、作業能率が向上する。
1)前記実施例では、横二連姿勢からスパイラル掘進を行って縦二連姿勢となったときに掘進を終了する例を説明したが、掘進終了時のシールド掘進機SMの姿勢は、縦二連姿勢に限るものではなく、任意の角度だけスパイラル掘進して掘進を終了することもできる。また、掘進開始時のシールド掘進機SMの姿勢は、横二連姿勢に限るものではなく、任意の姿勢(例えば、縦二連姿勢、図11に示すような傾斜姿勢等々)からスパイラル掘進を開始することもできる。
3)スパイラル掘進する際のスパイラル方向は、掘進方向に向って反時計回り方向に限るものではなく、掘進方向に向って時計回り方向にスパイラル掘進することもできる。
5)前記実施例においては、1リング分のセグメントSの構築後に、第1,第2作業デッキ11A,11Bの姿勢調節を行なう場合を例にして説明したが、セグメントSの構築の際に第1,第2作業デッキ11A,11Bを使用する頻度が高いことに鑑み、1リング分のセグメントSの構築直前に第1,第2作業デッキ11A,11Bの姿勢調節を行なうようにしてもよい。
7)その他、当業者ならば本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前記実施例に種々の辺孤高を付加した形態で実施することができる。
2A,2B カッターヘッド
3A,3B 第1,第2前胴部
4A,4B 第1,第2後胴部
7 シールドジャッキ
10A,10B 第1,第2エレクタ装置
11A,11B 第1,第2作業デッキ
22 環状フレーム
25 支柱
26 上連結材
27 下連結材
28 環状体
29 接続部(接続手段)
30 回転ドラム
50A,50B 第1,第2デッキ回転駆動手段
70A,70B 制御ユニット
Claims (3)
- スパイラル掘進可能なH&Vシールド掘進機において、
前端部にカッターヘッドを有する第1前胴部と、この第1前胴部が中折れ可能に接続される第1後胴部とを有する第1掘進機と、
前端部にカッターヘッドを有する第2前胴部と、この第2前胴部が中折れ可能に接続される第2後胴部とを有する第2掘進機と、
前記第1,第2前胴部が夫々相反する方向へ中折れ可能に前記第1,第2後胴部を接続する接続手段と、
前記第1,第2後胴部内に夫々設けられ、第1,第2後胴部のフレームに第1,第2後胴部の軸心回りに回転可能に夫々支持された第1,第2作業デッキと、
前記第1,第2作業デッキを夫々第1,第2後胴部のフレームに対して相対回転するように回転駆動する第1,第2デッキ回転駆動手段と、
前記H&Vシールド掘進機でスパイラル状に掘進する際にスパイラル掘進開始時点からスパイラル旋回した現在のスパイラル角度を検知するスパイラル角度検知手段であって、目標とする単位掘進距離当りのスパイラル角度とスパイラル掘進開始後のスパイラル掘進距離とに基づいて現在のスパイラル角度を検知するスパイラル角度検知手段と、
前記スパイラル角度検知手段で検知された現在のスパイラル角度に基づいて、第1,第2作業デッキが夫々水平姿勢を保持するように第1,第2デッキ回転駆動手段を制御するデッキ姿勢制御手段とを備えたことを特徴とするH&Vシールド掘進機。 - 前記第1,第2後胴部内に夫々設けられ、第1,第2後胴部のフレームに第1,第2後胴部の軸心回りに回転可能に夫々支持された第1,第2エレクタ装置を備え、
前記第1,第2作業デッキは、第1,第2エレクタ装置の回転ドラムよりも内径側において前記第1,第2後胴部のフレームに夫々支持されたことを特徴とする請求項1に記載のH&Vシールド掘進機。 - 前記第1,第2掘進機は、夫々、ストローク検出機能を有する複数のシールドジャッキを有し、
前記H&Vシールド掘進機でスパイラル状に掘進する際に、スパイラル掘進開始位置からスパイラル掘進終了位置までの総スパイラル掘進距離と、前記スパイラル掘進開始位置からスパイラル掘進終了位置までの総スパイラル角度とに基づいて、単位掘進距離当たりのスパイラル角度を算出し、この単位掘進距離当たりのスパイラル角度とセグメントの掘進方向幅とを用いて、全部のシールドジャッキのストローク制御を行うジャッキストローク制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のH&Vシールド掘進機。
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