JP5557284B2 - モータリトラクタの制御方法、制御プログラム、電動式シートベルト装置 - Google Patents

モータリトラクタの制御方法、制御プログラム、電動式シートベルト装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータの駆動力によりウェビングの巻取りを行うモータリトラクタの制御方法及び制御プログラム、並びに、この制御方法を実行する制御装置を備えた電動式シートベルト装置に関する。
シートベルト装置は、車両に搭載され、車両の衝突事故時や急激な減速時に乗員を拘束するものである。そのためにシートベルト装置は、乗員拘束用のウェビング(シートベルト)、ウェビングを巻き取るシートベルトリトラクタ、及び乗員の拘束を可能とする状態にウェビングをセットするためのバックルなどで構成されている。
このようなシートベルト装置の一つとして、電動式のシートベルト装置がある。電動式シートベルト装置は、シートベルトリトラクタとしてモータリトラクタを備えている。モータリトラクタは、駆動用のモータを有し、ウェビングが巻回されたスプールをモータの駆動力で巻取り方向に回転させてウェビングの巻取りを行う。従来、制御装置を設け、ウェビングの巻取り動作などについてモータリトラクタの制御を行う電動式シートベルト装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2010−18104号公報 特開2002−2449号公報
電動式シートベルト装置におけるモータリトラクタの制御では、制御装置の作動電源やモータの駆動電源として車載のバッテリを用いている。制御装置やモータには、ワイヤハーネス等の電流路を通じてバッテリから電源が供給される。こうしたモータリトラクタの制御にあっては、バッテリの出力電圧の低下や、雰囲気温度に応じた抵抗値の上昇に起因する電流路の電圧降下により、制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態を招く可能性がある。ここで、電圧不足状態とは、制御装置の内部電源の電圧については、バッテリから電源が供給される内部電源の電圧が制御装置の安定的な作動に必要な電圧から不足する状態であり、駆動時印加電圧については、駆動時にモータに印加される電圧がモータの安定的な駆動に必要な電圧から不足している状態である。
そこで、電動式シートベルト装置の作動安定性をより高めて乗員の安全性を向上させるという観点から、電圧不足状態の発生を効果的に回避できるような制御が望まれるが、上記従来技術ではこのような制御は行われていなかった。
本発明の目的は、制御装置の内部電源電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを回避できるモータリトラクタの制御方法及び制御プログラム、並びに、電動式シートベルト装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明のモータリトラクタの制御方法は、モータの駆動力によりウェビングの巻取りを行うモータリトラクタの制御方法であって、前記モータの駆動電圧に関連する電圧関連情報を取得する電圧関連情報取得手順と、取得された前記電圧関連情報に基づき、前記モータの駆動電流を低下させる必要があるか否かを判定する判定手順と、前記判定手順により前記モータの駆動電流を低下させる必要がないと判定された場合に、予め設定された通常時目標電流値による駆動電流を供給して前記モータを駆動する通常時駆動手順と、前記判定手順により前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定された場合に、前記電圧関連情報に基づいて前記通常時目標電流値より低い低電圧時目標電流値を設定し、この低電圧時目標電流値による駆動電流を供給して前記モータを駆動する低電圧時駆動手順と、を有し、前記電圧関連情報取得手順は、前記電圧関連情報として、少なくとも、前記モータに駆動電流を供給する電源の電圧についての電源電圧情報を取得し、前記判定手順は、取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低い場合に、前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定し、前記低電圧時駆動手順は、取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧に応じて前記低電圧時目標電流値を設定することを特徴とする。
一般に電動式シートベルト装置におけるモータリトラクタの制御では、制御装置の作動電源やモータの駆動電源として車載のバッテリを用いている。したがって制御装置やモータには、ワイヤハーネス等の電流路を通じてバッテリから電源が供給されることになる。
こうしたモータリトラクタの制御にあっては、制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態を招く可能性がある。ここで、電圧不足状態とは、制御装置の内部電源の電圧については、バッテリから電源が供給される内部電源の電圧が制御装置の安定的な作動に必要な電圧から不足する状態であり、駆動時印加電圧については、駆動時にモータに印加される電圧がモータの安定的な駆動に必要な電圧から不足している状態である。なお、駆動時のモータへの電圧印加には、バッテリから電流路を通じて直接的にモータに印加される場合と、バッテリとモータの間に制御装置が介在する場合があり得る。
なお、このような電圧不足状態には、(1)バッテリの出力電圧で発生する場合、つまりバッテリの出力電圧が一定以下まで低下することで発生する場合、(2)電流路の電圧降下(これは電流路の抵抗値に影響する温度と相関し、また電流路に流れる電流値と相関する)で発生する場合、つまりバッテリから制御装置までの電流路、あるいはバッテリからモータまでの電流路の雰囲気温度が一定以上に高い状態にあることで、それら電流路における電圧降下が一定以上に大きくなって発生する場合、及び(3)バッテリの出力電圧と電流路の電圧降下が合わさって発生する場合の3通りがあり得る。
ところで、電動式シートベルト装置の作動安定性をより高めて乗員の安全性を向上させるという観点からは、このような電圧不足状態の発生を効果的に回避できるような制御が望まれる。
そこで本願第1発明によれば、モータの駆動電圧に関連する電圧関連情報を取得し、この電圧関連情報に基づいて実際の電圧状況に応じた制御を行うことが可能となる。すなわち、上記(1)に記載のようにバッテリが弱ってその出力電圧が所定の電圧閾値より低くなり、制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態を発生させる可能性のある状況では、その低いバッテリ電圧に応じて設定する低電圧時目標電流値を通常時目標電流値に代えて用いる制御を行うことが可能である。これにより、バッテリから制御装置までの電流路、あるいはバッテリからモータまでの電流路における電圧降下を減少させ、制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧を確保し、電圧不足状態を回避することができる。
また上記(2)に記載のように、制御実行時の温度条件による電圧降下に起因して制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態を発生させる可能性のある状況では、その温度条件に応じて設定する低電圧時目標電流値を通常時目標電流値に代えて用いる制御を行うことが可能となる。これによっても、バッテリから制御装置までの電流路、あるいはバッテリからモータまでの電流路における電圧降下を減少させ、制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧を確保し、電圧不足状態を回避することができる。
さらに上記(3)に記載のように、バッテリの出力電圧と電流路の温度条件による電圧降下が合わさって電圧不足状態を発生させる可能性のある状況では、それらのバッテリ電圧及び温度条件に応じて設定する低電圧時目標電流値を通常時目標電流値に代えて用いる制御を行うことにより、電圧不足状態を回避することができる。
以上のように、本願第1発明によれば、制御装置の内部電源電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを効果的に回避し、制御装置の作動やモータの駆動に高い安定性を保つことができる。
また、本願第1発明においては、電圧関連情報として、モータに駆動電流を供給する電源の電圧についての電源電圧情報を取得し、電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低い場合に、低電圧時目標電流値を通常時目標電流値に代えて用いる制御を行う。これにより、バッテリの出力電圧低下時でも、制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを効果的に避けることができ、制御装置の作動やモータの駆動に高い安定性を保つことが可能となる。
第2発明のモータリトラクタの制御方法は、上記第1発明において、前記電圧関連情報取得手順は、前記電源電圧情報、及び、前記モータの駆動電流路の雰囲気温度についての温度情報を取得し、前記判定手順は、取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低く、且つ、取得された前記温度情報による前記駆動電流路の雰囲気温度が予め設定された温度閾値より高い場合に、前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定し、前記低電圧時駆動手順は、取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧、及び、取得された前記温度情報による前記駆動電流路の雰囲気温度に応じて前記低電圧時目標電流値を設定することを特徴とする。
本願第2発明においては、電圧関連情報として、電源電圧情報、及び、モータの駆動電流路の雰囲気温度についての温度情報を取得し、電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低く、且つ、雰囲気温度が予め設定された温度閾値より高い場合に、低電圧時目標電流値を通常時目標電流値に代えて用いる制御を行う。これにより、バッテリの出力電圧が低下し、且つ、雰囲気温度の上昇により電圧降下が大きくなる状況下でも、制御装置の内部電源の電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを効果的に避けることができ、制御装置の作動やモータの駆動に高い安定性を保つことが可能となる。
第3発明のモータリトラクタの制御方法は、上記第2発明において、前記電圧関連情報取得手順により取得された前記温度情報を、制御装置の発熱量に基づいて補正する温度補正手順を有し、前記判定手順は、補正された前記温度情報による前記駆動電流路の雰囲気温度が予め設定された温度閾値より高い場合に、前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定することを特徴とする。
これにより、例えばモータ駆動後にモータ駆動回路の発熱により制御装置の雰囲気温度が上昇したとしても、当該発熱量に基づいて補正した温度を用いて、温度条件による電圧降下に起因して電圧不足状態が発生するか否かを正確に判定することができる。
上記目的を達成するために、第4発明のモータリトラクタの制御プログラムは、上記第1乃至第3発明のいずれかのモータリトラクタの制御方法を、前記モータリトラクタの制御装置に備えられた演算手段に実行させることを特徴とする。
当該制御プログラムを演算手段に実行させることにより、既存のモータリトラクタの制御装置を用いた場合でも、制御装置の内部電源電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを効果的に回避することができる。
上記目的を達成するために、第5発明の電動式シートベルト装置は、乗員を拘束するウェビングと、前記ウェビングに摺動可能に取り付けられたタングと、前記タングが係合されるバックルと、前記ウェビングが通されるショルダアンカと、モータの駆動力により前記ウェビングの巻取りを行うモータリトラクタと、請求項1乃至3のいずれかに記載の制御方法を実行することにより前記モータリトラクタを制御する制御装置と、を有することを特徴とする。
これにより、制御装置の内部電源電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを効果的に回避できる電動式シートベルト装置を実現できる。
本発明によれば、制御装置の内部電源電圧やモータの駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを回避できる。
本発明の電動式シートベルト装置の一実施形態の全体構成を示す図である。 モータリトラクタ用ECUの機能構成を示す機能ブロック図である。 制御部の機能構成を示す機能ブロック図である。 第1の制御モードによる駆動制御内容を示すフローチャートである。 第2の制御モードによる駆動制御内容を示すフローチャートである。 第3の制御モードによる駆動制御内容を示すフローチャートである。 温度補正を行った場合の駆動制御内容を示すフローチャートである。
図1に、本発明の電動式シートベルト装置の一実施形態の全体構成を示す。図1に示す電動式シートベルト装置1は、ウェビング2、モータリトラクタ3、タング4、バックル5、ショルダアンカ6、及び止め具7を備え、車両の乗員Mを座席Sに拘束するものとして機能する。
ウェビング2は、一方側の端部が引き出し可能にモータリトラクタ3に巻き取れ、その途中がショルダアンカ6に通されつつ、他方側の端部が止め具7により車両の車体Bに回動可能に接続されている。乗員Mがウェビング2を装着する際には、ウェビング2に摺動可能に取り付けられているタング4でウェビング2をモータリトラクタ3から引き出し、タング4をバックル5に係合させる。これにより、ウェビング2が乗員Mを座席Sに拘束する状態となる。
モータリトラクタ3は、ウェビング2が巻回されたスプール3sを内蔵するとともに、後述するモータ19(図1では図示を省略、図2参照)をスプール3sの回転駆動用として備えている。このモータリトラクタ3は、スプール3sをモータ19の駆動力で巻取り方向に回転させてウェビング2の巻取りを行う。また電動式シートベルト装置1は、ウェビング2の巻取り動作などの制御のために、モータ19に接続されたモータリトラクタ用ECU(電子制御ユニット)11を有している。
図2に、モータリトラクタ用ECU11(以下では適宜「ECU11」と略記する)の機能構成の概要を示す。ECU11は、電源部12、電源電圧監視部13、制御部14、ECU内部・周辺情報取得部15、ECU雰囲気温度情報取得部16、記録部17、及びモータ制御部18を備えており、モータリトラクタ3が備えるモータ19の駆動制御を行う。
電源部12は、車両に搭載されたバッテリ21から供給される電力をECU11の内部電源用として管理する。この電源部12にバッテリ21から印加される電圧は、電源電圧監視部13により監視されており、電源電圧監視部13が取得する情報は、電源電圧情報として制御部14に提供される。
制御部14は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有しており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶されたモータリトラクタの制御プログラム等を実行する。これによって、制御部14は、後述の図4乃至図6に示すモータリトラクタの制御方法を含む、モータリトラクタ3の制御のために必要となるECU11での各種処理の全体的な制御のための処理を行なうとともに、電動式シートベルト装置1に関連して車両に搭載されている各種デバイスの制御をデバイス制御部22を通じて行う。このような制御部14が行う処理は、記録部17により経時的に記録されて保存される。
なお、制御部14が特許請求の範囲に記載の演算手段に相当し、ECU11が特許請求の範囲に記載の制御装置に相当する。
モータリトラクタ3の制御に伴って制御部14が実行する各種処理には、主なものとして各種情報の取得処理が含まれる。この情報取得処理には、外部情報取得処理と内部情報取得処理が含まれており、さらに外部情報取得処理には、車両情報取得処理とリトラクタ情報取得処理が含まれている。制御部14は、車両情報取得処理では、車両バス通信部23や車両情報ライン24を通じてECU11の外部における車両に関する各種の情報を取得し、リトラクタ情報取得処理では、リトラクタ情報ライン25を通じてECU11の外部におけるモータリトラクタ3に関する各種情報(例えばモータリトラクタ3におけるスプール3sの回転角に関する情報、ウェビング2の引出しロックに関する情報など)を取得する。
一方、内部情報取得処理には、電源電圧情報取得処理、ECU内部・周辺情報取得処理、及びECU雰囲気温度情報取得処理が主なものとして含まれている。制御部14は、電源電圧情報取得処理では、上述のようにバッテリ21からの印加電圧を監視する電源電圧監視部13を通じて電源電圧情報を取得し、ECU内部・周辺情報取得処理では、ECU内部・周辺情報取得部15を通じてECU11の内部や周辺の各種情報を取得し、ECU雰囲気温度情報取得処理では、ECU雰囲気温度情報取得部16を通じてECU11の周囲の雰囲気温度に関する情報を温度情報として取得する。
モータ制御部18は、制御部14による制御に基づきモータリトラクタ3のモータ19に対する駆動制御を行う。
図3に、上記制御部14の機能構成の概要を示す。図3に示すように、制御部14は、電圧関連情報取得部32、駆動電流変更判定部33、目標電流値設定部34、駆動電流選択部35、閾値格納部36、係数格納部37、及び目標電流値格納部38を備え、ウェビング2の巻取り時の駆動制御に際し、通常時制御(通常時制御モードによる制御)と低電圧時制御(低電圧時制御モードによる制御)を選択的に行う。
制御部14は、通常時制御では、予め設定されて目標電流値格納部38に格納されている通常時目標電流値38dによる駆動電流をモータ制御部18を介してモータ19に供給する。一方、低電圧時制御では、電圧関連情報取得部32が取得する後述のような電圧関連情報32dに基づいて、通常時目標電流値38dより低い低電圧時目標電流値34dを目標電流値設定部34が設定し、その低電圧時目標電流値34dによる駆動電流をモータ制御部18を介してモータ19に供給する。通常時制御と低電圧時制御の選択は、電圧関連情報32dに基づいて駆動電流変更判定部33が行う駆動電流変更判定に応じて行われる。具体的には、駆動電流変更判定でモータ19の駆動電流を変更する必要があると判定されることを条件に低電圧時制御を行い、それ以外の場合は通常時制御を行う。
電圧関連情報取得部32は、モータ19の駆動に関係する電圧についての情報である電圧関連情報32dを取得する。電圧関連情報32dの取得は、一定時間間隔で常時行う。電圧関連情報取得部32が取得する電圧関連情報32dは、必要時に駆動電流変更判定部33に提供される。電圧関連情報32dとしては、電源電圧情報と電圧降下情報があり、電源電圧情報と電圧降下情報のそれぞれを単独に電圧関連情報とする場合(第1の制御モードと第2の制御モード)と、電源電圧情報と電圧降下情報をともに電圧関連情報とする場合(第3の制御モード)がある。ここで、制御部14で実行される制御のモードについて整理すると、上述のように通常時制御のための通常時制御モードと低電圧時制御のための低電圧時制御モードがあり、さらに低電圧時制御モードには、上記のような第1〜第3の各制御モードがある。
電源電圧情報は、モータ19に駆動電流を供給する電源、つまりバッテリ21の出力電圧についての情報として取得される。本実施形態の場合、電源電圧情報は、電源部12にバッテリ21から印加される電圧として電源電圧監視部13により取得され、制御部14の電圧関連情報取得部32に提供される。
一方、電圧降下情報は、モータ19に駆動電流を供給する駆動電流路における電圧降下についての情報として取得される。この電圧降下情報は、駆動電流供給時及び非供給時のいずれの情報でもよいが、好ましくは駆動電流供給時の駆動電流路における電圧降下についての情報として取得される。駆動電流供給時の電圧降下についての情報を好ましいとするのは、電圧降下が駆動電流路に流れる電流値と高い相関性を有するからであり、駆動電流供給時の電圧降下を対象とすることにより、後述のような低電圧時制御によるモータ19の駆動制御をより効果的に行えるようになる。
電圧降下は、駆動電流路の温度とも高い相関性を有する。これは、温度が上昇すると駆動電流路の抵抗値が上昇し、駆動電流路における電圧降下が増大するためである。そのため駆動電流路の温度に基づいて電圧降下を高い精度で推定することができる。したがって本実施形態では、電圧降下情報は、駆動電流路の雰囲気温度についての情報である温度情報として取得される。具体的には、制御部14は、上述のECU雰囲気温度情報取得部16を通じて、ECU雰囲気温度情報取得処理で得られる温度情報を取得する。つまり駆動電流路の温度情報として、ECU11の雰囲気温度についての情報を用いている。
駆動電流路の温度情報としてECU11の雰囲気温度を用いるのは、本実施形態の場合、バッテリ21からECU11を介して駆動電流をモータ19に供給するようにしていること、それにECU11の車両への一般的な搭載場所などから考えて、ECU11の雰囲気温度とモータ19の駆動電流路の雰囲気温度に実質的な差異がないといえるからである。したがって必要に応じ、上述の制御部14による車両バス通信部23や車両情報ライン24を通じた車両情報取得処理で温度情報を取得したり、さらに車両中の複数箇所における雰囲気温度の平均値として温度情報を取得してもよい。
以上のように本実施例では電圧降下情報として温度情報を用いるようにしているが、モータ19への駆動電流路における電圧降下を実測して電圧降下情報とする形態も可能である。この場合、モータ19に駆動電流が供給されている状態、つまりモータ19が駆動している駆動電流供給時の電圧降下を実測するのが好ましい。但し、モータ19の駆動は不定期でなされることから、電圧降下情報としてのモータ駆動時の電圧降下実測値は、現在時点(モータ19に対する駆動制御を実行しようとする時点)について取得できるとは限らない。そこでモータ駆動時の電圧降下実測値による電圧降下情報には、現在時点に最も近い時点でのモータ駆動時の電圧降下実測値を用いればよい。
ここで、モータ19への駆動電流の供給は、ECU11を介して行われる。この場合、モータ19の駆動電流路にECU11が介在することになり、したがって駆動電流の電流値に応じて駆動電流路に生じる電圧降下の影響がECU11の内部電源の電圧に及ぶことになる。
駆動電流変更判定部33は、電圧関連情報取得部32から提供される電圧関連情報32dに基づいてモータ駆動電流の変更の要否を判定し、変更要と判定した場合には電流変更指令33dを目標電流値設定部34に出力する。上述のように電圧関連情報32dには、電源電圧情報、温度情報(電圧降下情報)、電源電圧情報及び温度情報の3種類があり、これに応じて駆動電流変更判定部33による判定には以下の3モードがある。
第1の判定モードは、電圧関連情報32dが電源電圧情報である場合で、電源電圧情報でもたらされる電源電圧を閾値格納部36から取り出す電圧閾値と比較し、その電源電圧が電圧閾値より低い場合に駆動電流変更の必要ありと判定する。また第2の判定モードは、電圧関連情報32dが温度情報である場合で、温度情報でもたらされる駆動電流路温度(駆動電流路の雰囲気温度)を閾値格納部36から取り出す温度閾値と比較し、その駆動電流路温度が温度閾値より高い場合に駆動電流変更の必要ありと判定する。さらに第3の判定モードは、電圧関連情報32dが電源電圧情報及び温度情報である場合で、電源電圧が電圧閾値より低い場合で、且つ、駆動電流路温度が温度閾値より高い場合に駆動電流変更の必要ありと判定する。
目標電流値設定部34は、駆動電流変更判定部33からの電流変更指令33dを受けて目標電流値の設定を行う。具体的には、通常時目標電流値38dより低い電流値である低電圧時目標電流値34dを電圧関連情報に基づいて設定し、それを駆動電流選択部35に出力する。目標電流値設定部34における目標電流値設定は、電流変更指令33dが上述の第1〜第3の各判定モードのいずれによるかに応じてなされる。すなわち、目標電流値設定部34は、第1の判定モードによる場合は、電源電圧情報でもたらされる電源電圧に応じた電流値として低電圧時目標電流値を設定し、第2の判定モードによる場合は、温度情報でもたらされる駆動電流路温度に応じた電流値として低電圧時目標電流値を設定し、第3の判定モードによる場合は、電源電圧と駆動電流路温度の両者に応じた電流値として低電圧時目標電流値を設定する。
ここで、電源電圧に応じた低電圧時目標電流値の設定は、例えば、係数格納部37に格納してある電圧用係数Keを用い、低電圧時目標電流値=通常時目標電流値−電源電圧×Keといった導出式で行われる。また、駆動電流路温度に応じた低電圧時目標電流値の設定は、係数格納部37に格納してある温度用係数Ktを用い、低電圧時目標電流値=通常時目標電流値−駆動電流路温度×Ktといった導出式で行われる。また、電源電圧と駆動電流路温度の両者に応じた低電圧時目標電流値の設定は、電圧用係数Keと温度用係数Ktを用い、低電圧時目標電流値=通常時目標電流値−(電圧×Ke+駆動電流路温度×Kt)といった導出式で行われる。なお、これらは低電圧時目標電流値の設定方法の一例であり、他の設定方法を用いてもよい。
駆動電流選択部35は、モータ19に供給する駆動電流の電流値を選択し、その結果として通常時制御と低電圧時制御のいずれかを選択する。具体的には、駆動電流変更判定部33が駆動電流を変更する必要があると判定した場合、つまり目標電流値設定部34から低電圧時目標電流値34dが出力された場合には、低電圧時目標電流値34dによる駆動電流を選択し、その結果として低電圧時制御が選択される。一方、駆動電流変更判定部33が駆動電流を変更する必要がないと判定した場合、つまり目標電流値設定部34から低電圧時目標電流値34dが出力されなかった場合には、目標電流値格納部38から通常時目標電流値38dを取り出し、その通常時目標電流値38dによる駆動電流を選択し、その結果として通常時制御が選択される。
以下では、上述のようなECU11が実行するモータリトラクタ3のモータ19に対する駆動制御の内容について説明する。上述したように、ECU11がモータ19に対して行う駆動制御には、電圧関連情報32dとしてどのような情報を用いるかに応じて、上述の第1〜第3の各制御モードがある。
図4に、第1の制御モードでの駆動制御を行う場合の制御内容を示す。このフローチャートは、制御部14がモータ制御部18に巻取り指令を出力した際に制御部14によって開始される。
ステップS11では、制御部14は、まず電圧関連情報取得処理を実行する。この処理では、制御部14の電圧関連情報取得部32が電圧関連情報として電源電圧情報を取得する。
次にステップS12では、制御部14は、取得した電源電圧情報に基づいてモータ19の駆動電流を変更する必要があるか否かを判定する駆動電流変更判定処理を行う。この駆動電流変更判定処理では、電圧関連情報取得部32より電源電圧情報を取得した駆動電流変更判定部33が、電源電圧情報でもたらされる電源電圧が電圧閾値より低いか否かを判定する。電源電圧が電圧閾値より低い場合には、駆動電流を変更する必要があると判定し、電源電圧が電圧閾値以上である場合には、駆動電流を変更する必要はないと判定する。電源電圧が電圧閾値以上である場合には、ステップS15に進み、制御部14の駆動電流選択部35は、通常時目標電流値38dによる駆動電流を選択し、通常時制御、つまり通常時目標電流値38dによる駆動電流でモータ19を駆動する制御を実行し、処理を終了する。一方、電源電圧が電圧閾値より低い場合には、ステップS13に進む。
ステップS13では、制御部14の目標電流値設定部34が低電圧時目標電流値34dの設定を行なう。第1の制御モードでの低電圧時目標電流値34dは、上述のように、電源電圧情報に基づいて通常時目標電流値38dより低い電流値として設定される。
次のステップS14では、制御部14の駆動電流選択部35は、低電圧時目標電流値34dによる駆動電流を選択し、低電圧時制御、つまり低電圧時目標電流値34dによる駆動電流でモータ19を駆動する制御を実行し、処理を終了する。
なお、上記ステップS11が特許請求の範囲に記載の電圧関連情報取得手順に相当し、ステップS12が判定手順に相当し、ステップS15が通常時駆動手順に相当し、ステップS13及びステップS14が低電圧時駆動手順に相当する。
図5に、第2の制御モードでの駆動制御を行う場合の制御内容を示す。本フローチャートも、制御部14がモータ制御部18に巻取り指令を出力した際に制御部14によって開始される。
ステップS21では、制御部14は、まず電圧関連情報取得処理を実行する。この処理では、制御部14の電圧関連情報取得部32が電圧関連情報として温度情報を取得する。
次にステップS22では、制御部14は、取得した温度情報に基づいてモータ19の駆動電流を変更する必要があるか否かを判定する駆動電流変更判定処理を行う。この駆動電流変更判定処理では、電圧関連情報取得部32より温度情報を取得した駆動電流変更判定部33が、温度情報でもたらされる雰囲気温度が温度閾値より高いか否かを判定する。雰囲気温度が温度閾値より高い場合には、駆動電流を変更する必要があると判定し、雰囲気温度が温度閾値以下である場合には、駆動電流を変更する必要はないと判定する。雰囲気温度が温度閾値以下である場合には、ステップS25に進み、上述のステップS15と同様の通常時制御を実行し、処理を終了する。一方、雰囲気温度が温度閾値より高い場合には、ステップS23に進む。
ステップS23では、制御部14の目標電流値設定部34が低電圧時目標電流値34dの設定を行なう。第2の制御モードでの低電圧時目標電流値34dは、上述のように、温度情報に基づいて通常時目標電流値38dより低い電流値として設定される。
次のステップS24では、制御部14の駆動電流選択部35は、低電圧時目標電流値34dによる駆動電流を選択し、上述のステップS14と同様の低電圧時制御を実行し、処理を終了する。
なお、上記ステップS21が特許請求の範囲に記載の電圧関連情報取得手順に相当し、ステップS22が判定手順に相当し、ステップS25が通常時駆動手順に相当し、ステップS23及びステップS24が低電圧時駆動手順に相当する。
図6に、第3の制御モードでの駆動制御を行う場合の制御内容を示す。本フローチャートも、制御部14がモータ制御部18に巻取り指令を出力した際に制御部14によって開始される。
ステップS31では、制御部14は、まず電圧関連情報取得処理を実行する。この処理では、制御部14の電圧関連情報取得部32が電圧関連情報として電源電圧情報と温度情報を取得する。
次にステップS32及びステップS33では、制御部14は、取得した電源電圧情報と温度情報に基づいてモータ19の駆動電流を変更する必要があるか否かを判定する。具体的には、ステップS32における第1の駆動電流変更判定処理とステップS33における第2の駆動電流変更判定処理の組み合わせでモータ駆動電流の変更の要否を判定する。ステップS32における第1の駆動電流変更判定処理では、電圧関連情報取得部32より電源電圧情報を取得した駆動電流変更判定部33が、電源電圧情報でもたらされる電源電圧が電圧閾値より低いか否かを判定する。電源電圧が電圧閾値以上である場合には、駆動電流を変更する必要はないと判定し、ステップS36に進み、上述のステップS15等と同様の通常時制御を実行し、処理を終了する。
一方、電源電圧が電圧閾値より低い場合には、ステップS33に進み、第2の駆動電流変更判定処理を行う。この第2の駆動電流変更判定処理では、電圧関連情報取得部32より温度情報を取得した駆動電流変更判定部33が、温度情報でもたらされる雰囲気温度が温度閾値より高いか否かを判定する。雰囲気温度が温度閾値以下である場合には、駆動電流を変更する必要はないと判定し、ステップS36に進む。雰囲気温度が温度閾値より高い場合には、駆動電流を変更する必要があると判定し、ステップS34に進む。
ステップS34では、制御部14の目標電流値設定部34が低電圧時目標電流値34dの設定を行なう。第3の制御モードでの低電圧時目標電流値34dは、上述のように、電源電圧情報と温度情報に基づいて通常時目標電流値38dより低い電流値として設定される。
次のステップS35では、制御部14の駆動電流選択部35は、低電圧時目標電流値34dによる駆動電流を選択し、上述のステップS14等と同様の低電圧時制御を実行し、処理終了となる。
なお、上記ステップS31が特許請求の範囲に記載の電圧関連情報取得手順に相当し、ステップS32及びステップS33が判定手順に相当し、ステップS36が通常時駆動手順に相当し、ステップS34及びステップS35が低電圧時駆動手順に相当する。
以上説明した実施形態によれば、モータ19の駆動電圧に関連する電圧関連情報を取得し、この電圧関連情報に基づいて実際の電圧状況に応じた制御を行うことができる。具体的には、第1の制御モードでは、バッテリ21が弱ってその出力電圧が所定の電圧閾値より低くなり、ECU11の電源部12の電圧やモータ19の駆動時印加電圧に電圧不足状態を発生させる可能性のある状況において、その低いバッテリ電圧に応じて設定する低電圧時目標電流値34dを通常時目標電流値38dに代えて用いる制御を行う。これにより、バッテリ21からECU11までの電流路、あるいはバッテリ21からモータ19までの電流路における電圧降下を減少させ、ECU11の電源部12の電圧やモータ19の駆動時印加電圧を確保し、電圧不足状態を回避することができる。
また第2の制御モードでは、制御実行時の温度条件による電圧降下に起因してECU11の電源部12の電圧やモータ19の駆動時印加電圧に電圧不足状態を発生させる可能性のある状況において、その温度条件に応じて設定する低電圧時目標電流値34dを通常時目標電流値38dに代えて用いる制御を行う。これによっても、ECU11の電源部12の電圧やモータ19の駆動時印加電圧を確保し、電圧不足状態を回避することができる。
さらに第3の制御モードでは、バッテリ21の出力電圧と電流路の温度条件による電圧降下が合わさって電圧不足状態を発生させる可能性のある状況において、それらのバッテリ電圧及び温度条件に応じて設定する低電圧時目標電流値34dを通常時目標電流値38dに代えて用いる制御を行うことにより、電圧不足状態を回避することができる。
以上のように、本実施形態によれば、ECU11の電源部12の電圧やモータ19の駆動時印加電圧に電圧不足状態が発生するのを効果的に回避し、ECU11の作動やモータ19の駆動に高い安定性を保つことができる。
さらに本実施形態によれば、モータリトラクタ3の機能性をより向上させることも可能となる。この詳細について説明する。例えば、電圧不足状態の回避のために、想定される最悪な温度環境での電圧降下を前提にしてモータリトラクタの安定的な作動を可能とする目標電流値を予め設定し、その設定した目標電流値を固定的なものとして用いる制御が考えられる。このような制御では、モータリトラクタにおける動作速度やウェビング巻取り力(これはウェビングの乗員拘束力でもある)といったモータリトラクタの機能性とモータリトラクタの作動安定性の間に、トレードオフ的な関係がもたらされる。すなわち、固定の目標電流値を大きくするほど、モータリトラクタの作動性を高めることができる一方で、電圧降下量が大きくなって高温環境下でのモータリトラクタの作動安定性を低下させる可能性がある。したがって、固定の目標電流値を用いる制御では、電圧降下との関係でモータリトラクタの機能性と高温環境下での作動安定性のいずれか一方を重視し、他方を犠牲にせざるを得ないことになり、例えば電圧降下量が大きくなる最悪な温度環境下での作動安定性をより重視した目標電流値にした場合、通常の温度環境下では必要以上に低い駆動電流値となり、モータリトラクタの機能性を低下させるおそれがある。
こうした制御におけるモータリトラクタの機能性とモータリトラクタの作動安定性の間のトレードオフ的な関係は、本実施形態における制御によれば、効果的に解消することができる。すなわち、目標電流値に基づくモータ駆動制御にあって、通常時制御と低電圧時制御を選択的に行えるようにし、目標電流値を通常時目標電流値と低電圧時目標電流値として、状況に応じて使い分けることができるようにしているので、想定すべき最悪な温度環境によって通常時制御用の通常時目標電流値が縛られることがない。このため、モータリトラクタの機能性とモータリトラクタの作動安定性を両立させることが可能となり、したがって上記のようなトレードオフ的な関係を効果的に解消することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、これは代表的な例に過ぎず、本発明はその趣旨を逸脱することのない範囲で様々な形態で実施することができる。例えば、上記形態では、通常時制御と低電圧時制御を選択的に実行する駆動制御機能を制御部14にもたせるようにしたが、同様の駆動制御機能をモータ制御部18に組み込む形態としてもよい。また上記形態は、ECU11を介してモータ19に駆動電流を供給する場合であり、したがってモータ19の駆動電流路にECU11が介在する場合であったが、ECU11とは独立にモータ19の駆動電流路を設ける形態であってもよい。
また、上記実施形態においては、ECU11の雰囲気温度をECU雰囲気温度情報取得部16を通じて取得しているが、モータ駆動後などは図示しないモータ駆動回路の発熱により雰囲気温度が上昇することが考えられる。したがって、制御部14が、モータ駆動時のECU発熱量を計算する発熱量カウンタ計測等の処理を実行する場合には、例えば図7に示すように、ステップS21Aにおいて発熱カウンタの計測値に基づき温度補正を行った上で、ステップS22において雰囲気温度が温度閾値より高いか否かを判定するようにしてもよい。これにより、上記モータ駆動回路の発熱等が生じている場合でも、温度条件による電圧降下に起因して電圧不足状態が発生するか否かを正確に判定することができる。なお、上記ステップS21Aが特許請求の範囲に記載の温度補正手順に相当する。また、当該温度補正処理を図6に示すフローに適用し、電源電圧情報と補正した温度情報とに基づいてモータ19の駆動電流を変更する必要があるか否かを判定してもよい。
1 電動式シートベルト装置
2 ウェビング
3 モータリトラクタ
11 モータリトラクタ用ECU(制御装置)
14 制御部(演算手段)
19 モータ
32d 電圧関連情報
34d 低電圧時目標電流値
38d 通常時目標電流値

Claims (5)

  1. モータの駆動力によりウェビングの巻取りを行うモータリトラクタの制御方法であって、
    前記モータの駆動電圧に関連する電圧関連情報を取得する電圧関連情報取得手順と、
    取得された前記電圧関連情報に基づき、前記モータの駆動電流を低下させる必要があるか否かを判定する判定手順と、
    前記判定手順により前記モータの駆動電流を低下させる必要がないと判定された場合に、予め設定された通常時目標電流値による駆動電流を供給して前記モータを駆動する通常時駆動手順と、
    前記判定手順により前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定された場合に、前記電圧関連情報に基づいて前記通常時目標電流値より低い低電圧時目標電流値を設定し、この低電圧時目標電流値による駆動電流を供給して前記モータを駆動する低電圧時駆動手順と、
    を有し、
    前記電圧関連情報取得手順は、
    前記電圧関連情報として、少なくとも、前記モータに駆動電流を供給する電源の電圧についての電源電圧情報を取得し、
    前記判定手順は、
    取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低い場合に、前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定し、
    前記低電圧時駆動手順は、
    取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧に応じて前記低電圧時目標電流値を設定する
    ことを特徴とするモータリトラクタの制御方法。
  2. 請求項1記載のモータリトラクタの制御方法において、
    前記電圧関連情報取得手順は、
    前記電圧関連情報として、前記電源電圧情報、及び、前記モータの駆動電流路の雰囲気温度についての温度情報を取得し、
    前記判定手順は、
    取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧が予め設定された電圧閾値より低く、且つ、取得された前記温度情報による前記駆動電流路の雰囲気温度が予め設定された温度閾値より高い場合に、前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定し、
    前記低電圧時駆動手順は、
    取得された前記電源電圧情報による前記電源の電圧、及び、取得された前記温度情報による前記駆動電流路の雰囲気温度に応じて前記低電圧時目標電流値を設定する
    ことを特徴とするモータリトラクタの制御方法。
  3. 請求項2に記載のモータリトラクタの制御方法において、
    前記電圧関連情報取得手順により取得された前記温度情報を、制御装置の発熱量に基づいて補正する温度補正手順を有し、
    前記判定手順は、
    補正された前記温度情報による前記駆動電流路の雰囲気温度が予め設定された温度閾値より高い場合に、前記モータの駆動電流を低下させる必要があると判定する
    ことを特徴とするモータリトラクタの制御方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のモータリトラクタの制御方法を、
    前記モータリトラクタの制御装置に備えられた演算手段に実行させるための、モータリトラクタの制御プログラム。
  5. 乗員を拘束するウェビングと、
    前記ウェビングに摺動可能に取り付けられたタングと、
    前記タングが係合されるバックルと、
    前記ウェビングが通されるショルダアンカと、
    モータの駆動力により前記ウェビングの巻取りを行うモータリトラクタと、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の制御方法を実行することにより前記モータリトラクタを制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする電動式シートベルト装置。
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