JP5557241B2 - 建具 - Google Patents

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Description

本発明は、自動ドアなどの開口枠に開閉体を面内方向に移動可能に装着し、開口枠を開閉する建具、詳しくは開閉体の緩衝材の取り付けに関する。
従来、開口枠に開閉体を面内方向に移動可能に装着し、その開閉体を閉じ方向に移動して閉じ位置とすることで閉じ状態とすると共に、開閉体を開き方向に移動して開き位置とすることで開き状態とする建具が知られている。
前述のような建具においては、開閉体の戸先部が戸当り部に衝突したときの衝撃荷重を軽減するために緩衝材を用いている。
例えば、開口枠に1つの開閉体を移動可能に取り付けした片引き戸の場合には、開閉体の戸先部と開口枠の縦枠に緩衝材をそれぞれ取り付け、閉じ状態において緩衝材相互を接して衝撃荷重を緩和するのが一般的である。
また、開口枠に2つの開閉体を移動可能に取り付けした引分け戸の場合には、一方の開閉体の戸先部と他方の開閉体の戸先部に緩衝材をそれぞれ取り付け、閉じ状態において緩衝材相互を接して緩衝荷重を緩和するのが一般的である。
前述したように、緩衝材相互を接して衝撃荷重を緩和する場合には、その緩衝材の当接部を見込み方向に凹凸形状とし、2つの緩衝材が嵌まり合うように接することで、その2つの緩衝材の接した部分に隙間が生ずることがなく、気密性を維持できるようにしている。
例えば、特許文献1に開示したように、一方の開閉体(ドア部材)の戸先部に設けた取付用溝に一方の緩衝材を取り付け、他方の開閉体(ドア部材)の戸先部に設けた取付用溝に他方の緩衝材を取り付ける。
前記一方の緩衝材の当接部と他方の緩衝材の当接部を、相互に嵌まり合う突起部と受承凹部を見込み方向に離隔して有する形状とし、閉じ状態において一方の緩衝材の突起部、受承凹部と他方の緩衝材の受承凹部、突起部が嵌まり合うようにしている。
実開昭64−19779号公報
前述した従来の建具においては、その取付用溝は、開口部の見込み方向寸法が底部の見込み方向寸法よりも小さく、開口縁の見込み方向両側に支持部をそれぞれ有する、いわゆる、あり溝形状で、緩衝材の見込み方向両側部が前述の支持部に接することで、緩衝材が取付用溝から面内方向に抜けないようにすると共に、取付用溝の内面の全ての面に緩衝材が隙間なく接している。
このように、取付用溝に緩衝材を、その取付用溝の内面の全ての面に緩衝材が接するように取り付けすると、その緩衝材を取付用溝に、その小口から長手方向にスライドして挿入することで取り付ける場合に、その緩衝材の摺動抵抗が大きく、緩衝材を取り付けしづらい。
また、緩衝材を見込み方向に湾曲変形させて取付用溝に押し込んで取り付ける場合には、前述のように隙間がないので十分に湾曲変形させることができず、緩衝材を取り付けしづらい。
前述のことを解消するために本出願人は、取付用溝の内面と緩衝材との間に隙間を形成し、緩衝材を取付用溝に、その小口から長手方向にスライドして挿入するときの摺動抵抗を小さくして緩衝材を取り付けし易くし、また緩衝材を見込み方向に湾曲変形して取付用溝に押し込んで取り付ける場合には、その緩衝材を見込み方向に湾曲変形し易くして緩衝材を取り付けし易くすることを試みた。
しかしながら、前述のように取付用溝の内面と緩衝材との間に隙間があると、取り付け後において緩衝材の突起部に見込み方向の荷重が加わることで、その緩衝材が取付用溝から外れるおそれがあった。
特に、自動ドアの場合には、開閉体(ドア)が閉じ移動した際に、その緩衝材が人体に衝突することがあるので、その緩衝材をやわらかい材質として人体に影響を及ぼさないようにするので、その緩衝材に人体等が接触して突起部に見込み方向の荷重が加わったときに、緩衝材が取付用溝から外れ易い。
例えば、緩衝材の当接部の見込み方向一側寄りに突起部を有する緩衝材であると、その突起部に加わる見込み方向一側に向かう荷重で緩衝材全体が見込み方向一側方に移動して取付用溝の見込み方向他方の支持部と緩衝材の見込み方向他側部とのかかり代が小さくなり、さらに見込み方向一側に向かう荷重が加わることで緩衝材が湾曲変形して、その緩衝材の見込み方向他側部が取付用溝の見込み方向他側の支持部から外れ、緩衝材が取付用溝から外れる。
本発明の目的は、緩衝材の突起部に見込み方向一側に向かう荷重が加わることで、その緩衝材が取付用溝から外れることを抑制できると共に、緩衝材を取付用溝に容易に取り付けできるようにした建具とすることである。
本発明は、枠体に開閉方向に移動可能に取り付けた開閉体の戸先部に一方の緩衝材を取り付け、この開閉体の戸先部が接する戸当り部に他方の緩衝材を取り付け、その一方の緩衝材と他方の緩衝材が接することで衝撃荷重を軽減するようにした建具であって、
前記一方の緩衝材は、ベース部と、このベース部の見込み方向一側寄りに設けた突起部を備え、
前記他方の緩衝材は、ベース部と、このベース部の見込み方向他側寄りに設けた突起部を備え、
前記一方の緩衝材のベース部は、本体と、その本体の見込み方向両側に設けた取付部を有し、前記開閉体の戸先部のほぼC字状の取付用溝に、その取付部が取付用溝の底面に接し、かつ本体と取付用溝の底面との間に隙間を有し、前記突起部が取付用溝から戸当り部に向けて突出して取り付け、
前記取付用溝の底面の見込み方向中間に移動規制部と変形低減部を設け、
前記一方の緩衝材のベース部に、前記移動規制部とによって緩衝材に加わる見込み方向一側に向かう荷重を支持して緩衝材の見込み方向一側方への移動を規制する被移動規制部と、前記変形低減部とによって緩衝材に作用する回転モーメント力を支持してベース部の見込み方向他側部の浮き上がり変形を規制する被変形低減部を設けたことを特徴とする建具である。
本発明においては、前記取付用溝の底面に設けた移動規制部とベース部に設けた被移動規制部は、前記突起部の見込み方向一側に向かう荷重が加わる荷重負荷部分よりも見込み方向他側寄りに設け、
前記取付用溝の底面に設けた変形低減部とベース部に設けた被変形低減部は、前記突起部の荷重負荷部分よりも見込み方向一側寄りに設けることができる。
このようにすれば、緩衝材に加わる回転モーメント力を被変形低減部と変形低減部とでしっかりと支持してベース部の見込み方向他側部の浮き上がり変形がより低減し、突起部に加わる見込み方向一側に向かう荷重によって緩衝材が取付用溝から外れることを抑制できる。
本発明においては、前記突起部は、見込み方向一側の第1脚片と、他側の第2脚片と、この第1脚片と第2脚片を連結する連結片とを有し、その第1脚片と第2脚片が本体に一体に連結されて本体と突起部との間に空洞部が形成されており、
前記第2脚片の本体への連結部分よりも見込み方向他側寄りに移動規制部、被移動規制部を設け、前記連結部分よりも見込み方向一側寄りに変形低減部、被変形低減部を設けることができる。
このようにすれば、突起部が弾性変形し易いので、開閉体が閉じ移動して人体に衝突したときの衝撃荷重を突起部によって十分に緩和できる。
しかも、突起部に見込み方向一側に向かう荷重が加わったときに、その突起部が弾性変形して押しつぶされ、回転モーメント力がベース部に加わるが、その回転モーメント力は被変形低減部と変形低減部で支持し、ベース部の見込み方向他側部が浮き上がるように変形することが低減し、かつ被移動規制部と移動規制部とによっても前述の浮き上がるように変形することを規制することができ、緩衝材が取付用溝から外れることを抑制できる。
本発明においては、前記ベース部の本体の見込方向両側に一側当接部と他側当接部を設け、この一側当接部、他側当接部を前記開閉体の戸先部の取付用溝の見込み方向両側の開口縁部分にそれぞれ接し、前記本体の戸先部の戸当り部に向かう全面を緩衝材で覆うようにできる。
このようにすれば、開閉体が閉じ移動して人体に衝突したときに、緩衝材が人体に当り、開閉体の戸先部が人体に当ることがないので、安全である。
本発明においては、前記ベース部の本体における突起部と他側当接部との間に、凹陥部を形成し、
前記他方の緩衝材の突起部が凹陥部に嵌まり合うようにできる。
このようにすれば、突起部と凹陥部が嵌まり合うことで一方の緩衝材と他方の緩衝材を見込み方向にずれることなく接することができる。
本発明においては、前記ベース部を、前記突起部と一側当接部、他側当接部の材料よりも硬い材料とすることができる。
本発明においては、前記移動規制部、被移動規制部を、取付用溝の底面に設けた突起の見込み方向他側の端面、ベース部の本体裏面に設けた突部の見込み方向一側の端面又は、取付用溝の底面に設けた突起の見込み方向他側の端面、ベース部の本体裏面に形成した凹溝の見込み方向他側の内端面又は、取付用溝の底面に形成した凹溝の見込み方向一側の内端面、ベース部の本体裏面に設けた突部の見込み方向一側の端面とすることができる。
本発明においては、前記変形低減部、被変形低減部を、取付用溝の底面に設けた突起の先端面、ベース部の本体裏面、又は取付用溝の底面、ベース部の本体裏面に設けた突部の先端面とすることができる。
本発明によれば、緩衝材の突起部に見込み方向一側に向かう荷重が加わったときに、その緩衝材の見込み方向一側方への移動を規制すると共に、回転モーメント力を低減してベース部の見込み方向他側部の浮き上がり変形を低減するので、その緩衝材が取付用溝から外れ難くなる。
しかも、取付用溝の底面とベース部の本体との間に隙間があるから、緩衝材を取付用溝に、長手方向からスライドして容易に取り付けできるし、緩衝材を見込み方向に湾曲変形して取付用溝内に押し込んで容易に取り付けできる。
本発明の実施の形態を示す建具の概略正面図である。 図1の詳細横断面図である。 緩衝材取付部分の拡大横断面図である。 緩衝材取付部分の第2の実施の形態を示す拡大横断面図である。 緩衝材取付部分の第3の実施の形態を示す拡大横断面図である。
図1に示すように、開口枠1に開閉体2を面内方向(図1で左右方向)に移動可能に装着し、開口枠1を開閉する建具としてある。
この実施の形態では、開閉体2を図示の閉じ位置から開き方向(矢印a方向)に移動して開き位置とすることで開き状態とし、その開き位置の開閉体2を閉じ方向に移動して図示の閉じ位置とすることで閉じ状態とする片引き戸としてある。
前記開口枠1は、上枠10と一方の縦枠11と他方の縦枠12を有している。各縦枠11,12が床3に埋設してある。
前記開閉体2は、上框20と下框21と一方の縦框22と他方の縦框23を方形状に連結した框組体にパネル24を取り付けた障子としてある。
前記開口枠1には固定障子4が取り付けてあり、この固定障子4と一方の縦枠11との間が開口し、開閉体2の上框20を上枠10に設けた無目13内のレール等に移動可能に吊り下げ支持し、その無目13に設けた図示しない駆動装置で開閉体2を開閉移動する自動ドアとしてある。
前記開閉体2が閉じ位置のときに、その一方の縦框22が枠体1の一方の縦枠11に接するので、前述の一方の縦框22が開閉体2の戸先部で、一方の縦枠11が、開閉体2が閉じ位置のときに戸先部が接する戸当り部である。
なお、2つの開閉体を移動可能とし、閉じ状態で一方の開閉体の縦框と他方の開閉体の縦框が接するようにした引分け戸の場合には、一方の開閉体の縦框が戸先部で、他方の開閉体の縦框が戸当り部となる。
図2に示すように、前記一方の縦框22は取付用溝5を有し、この取付用溝5に一方の緩衝材6が取り付けてある。
前記一方の縦枠11は取付用溝7を有し、その取付用溝7に他方の緩衝材8が取り付けてある。
前記縦框22に取り付けた一方の緩衝材6は、ベース部6aと、このベース部6aの見込み方向一側寄りに設けた突起部6bを備え、そのベース部6aを前記取付用溝5に取り付け、突起部6bを一方の縦枠11(戸当り部)に向けて突出している。前述の見込み方向とは開閉体2の移動方向(面内方向)と直交する水平方向(面外方向)である。
前記縦枠11に取り付けた他方の緩衝材8は、ベース部8aと、このベース部8aの見込み方向他側寄りに設けた突起部8bを備え、そのベース部8aを前記取付用溝7に取り付け、突起部8bを一方の縦框22(戸先部)に向けて突出している。つまり、一方の緩衝材6と他方の緩衝材8は見込み方向に対称形状である。
図2においては、一方の緩衝材6と他方の緩衝材8は同一断面形状で、見込み方向に反転して取り付けてある。
そして、開閉体2を閉じ位置として閉じ状態とすることで、一方の緩衝材6の突起部6aが他方の緩衝材8のベース部8aに接し、他方の緩衝材8の突起部8bが一方の緩衝材6のベース部6aに接すると共に、両方の緩衝材6,8の突起部6b,8bが見込み方向に重なり合う。
これによって、一方の縦框22(戸先部)が一方の縦枠11(戸当り部)に衝突したときの衝撃荷重を緩和すると共に、一方の縦框22と一方の縦枠11との間を気密することができる。
前記一方の縦框22に取付用溝5が戸先部に向けて開口して形成してある。
前記一方の縦枠11の面内方向の内側面11aは平坦面で、その内側面11aに取付用溝7を有するアタッチメント11bを、その取付用溝7が戸先部に向けて開口するように取り付けてある。
このようであるから、枠体1の一方の縦枠11と他方の縦枠12を同一断面形状とすることができる。
前記一方の縦枠11の内側面11aに取付用溝7を形成しても良い。
次に、前記取付用溝5と緩衝材6を図3に基づいて詳細に説明する。
前記取付用溝5は、開口部5aの見込み方向寸法が底面5bの見込み方向寸法よりも小さく、開口縁の見込み方向両側に支持部50をそれぞれ有し、この支持部50は見込み方向に相対向し、前記取付用溝5は、見込み方向両側に、見込み方向に相対向した係止用凹部51を有するほぼC字状の溝である。
要するに、取付用溝5は、いわゆる、あり溝形状である。
前記取付用溝5の底面5bにおける見込み方向中間に、緩衝材6の突起部6bに見込み方向一側に向かう荷重F1が加わったときに、その緩衝材6が見込み方向一側方に移動することを規制する移動規制部52と、その緩衝材6に加わる回転モーメント力により、ベース部6aの見込み方向他側部(取付部61)が取付用溝5の底面5bから離れるように変形、つまり浮き上がり変形を低減する変形低減部53が設けてある。
例えば、前記底面5bにおける見込み方向中間に、その底面5bよりも面内方向に突出した突起54を一体に設け、この突起54の見込み方向他側の端面54aによって底面5bに段差部を形成し、この段差部を前述の移動規制部52とする。前記突起54の先端面54bを変形低減部53とする。
前記突起54は、後述する第2の実施の形態(図4)の突起54,55のように、底面5bと段差部を形成して移動規制部52とする第1の突起(図4の突起55)と、表面によって変形低減部53とする第2の突起(図4の突起54)の2つとしても良い。
前記緩衝材6のベース部6aは、前記取付用溝5内に設けられる本体60と、この本体60の見込み方向両側部に一体に設けた一対の取付部61を有し、各取付部61が前記各係止用凹部51にそれぞれ挿入し、かつ各取付部61の裏面61aが取付用溝5の底面5bに接するようにしてベース部6aが取付用溝5に取り付けられ、前記本体60の裏面60aと取付用溝5の底面5bとの間に隙間Sを形成している。
前記本体60の裏面60aの見込み方向中間に、前記移動規制部52とによって緩衝材6の見込み方向一側方への動きを規制する被移動規制部62と、前記変形低減部53とによって緩衝材6に係る回転モーメント力による浮き上がり変形を低減する被変形低減部63を有する。
例えば、本体60の底面60aの見込み方向中間に、その底面60aよりも面内方向に突出した突部64を一体に形成し、この突部64の見込み方向一側の端面64aが前記突起54の見込み方向他側の端面54aと接するようにして、その突部64の端面64aを被移動規制部62とする。
この突部64の先端面64bは前述の底面5bに接するか、底面5bと離隔するようにする。
前記本体60の裏面60aの前記突部64よりも見込み方向一側寄り部分を、前記突起54の先端面54bに当接して、その当接した部分を前述の被変形低減部63とする。
このようであるから、ベース部60の見込み方向一側寄りに設けた突起部6bに、見込み方向一側に向かう荷重F1が加わったときに、ベース部6aの被移動規制部62(突部64の端面64a)が取付用溝5の移動規制部52(突起54の端面54a)に接し、緩衝材6がそれ以上見込み方向一側方に移動しないように規制する。
さらに、ベース部6aの被変形低減部63(裏面60aの一部分)が変形低減部53(突起54の先端面54b)に接していることで、被変形低減部63の変形量が低減される。前述の荷重F1による緩衝材6に加わる回転モーメント力による前述の浮き上がり変形が低減し、緩衝材6のベース部6aの見込み方向他側の取付部61が取付用溝5の支持部50から離れる方向に湾曲変形すること、つまり浮き上がり変形量が低減する。
具体的には、荷重F1による緩衝材6に加わる回転モーメント力によって、被変形低減部63には底面5b(変形低減部53)に接近する方向へ移動する力が生じるが、この際、被変形低減部63が底面5b(変形低減部53)側へ大きく移動して変形することで緩衝材6全体が回転モーメント力によって回転する方向に変形し、それによりベース部6aの見込み方向他側の取付部61が取付用溝5から抜け出てしまう。しかし、被変形低減部63(裏側60aの一部分)が変形低減部53(突起54の先端面54b)に接していることで、回転モーメント力が作用した際の被変形低減部63の変形量を低減でき、それにより緩衝材6全体の回転方向への変形量も低減できることから、ベース部6aの見込み方向他側の取付部61が取付用溝5から抜け出ることを抑制できる。
このようであるから、緩衝材6の突起部6bに見込み方向一側に向かう荷重F1が加わったときに、ベース部6aの取付部61が取付用溝5の支持部50から外れることがなく、緩衝材6の突起部6bに加わる見込み方向一側に向かう荷重F1によって緩衝材6が取付用溝5から外れることを抑制できる。
しかも、ベース部6aの本体60と取付用溝5の底面5bとの間(突部64と取付部61の間、突起54と取付部61の間)に隙間Sがあるので、緩衝材6を取付用溝5に長手方向にスライドして挿入するときの摺動抵抗が小さく、緩衝材6を長手方向にスライドして取付用溝5に容易に取り付けできる。
また、緩衝材6を見込み方向に湾曲変形して取付用溝5内に押し込んで取り付ける場合には、前述の隙間の分だけ十分に湾曲変形することができ、緩衝材6を見込み方向に湾曲変形して取付用溝5に容易に取り付けできる。
図3において、前述の緩衝材6の突起部6bに見込み方向他側に向かう荷重F2が加わったときには、回転モーメント力で見込み方向他側の取付部61の裏面61aと底面6bの接している部分を中心として変形するが、その変形中心から見込み方向一側の取付部61までの距離が小さく、その取付部61が支持部50から離れることがないから、緩衝材6が取付用溝5から外れ難くなっている。
前記緩衝材6のベース部6aに設けた被移動規制部62は、突起部6bの見込み方向一側に向かう荷重F1が加わる荷重負荷部分、つまり突起部6bの見込み方向他側の側面6b−1よりも見込み方向他側寄りで、取付用溝5の移動規制部52も前述の側面6b−1よりも見込み方向他側寄りである。
前記緩衝材6のベース部6aに設けた被変形低減部63、取付用溝5の変形低減部53は、前述の突起部6bの見込み方向他側の側面6b−1よりも見込み方向一側寄りである。
このようにすることで、突起部6bに作用する見込み方向一側に向かう荷重F1による回転モーメント力を被変形低減部63と変形低減部53でしっかりと支持し、ベース部6aの見込み方向他側部が前述のように取付部61が支持部50から離れる方向に弾性変形、つまり浮き上がり変形することが、より一層低減する。
前記突起部6bは、見込み方向一側の第1脚片65と、見込み方向他側の第2脚片66と、この第1脚片65と第2脚片66を連結する連結片67で断面ほぼコ字状で、その第1脚片65が、ベース部6a(本体60)の表面60bの見込み方向一側部に一体に連結され、第2脚片66が前記表面60bの見込み方向中間部に一体に連結されている。
これによって、突起部6bと本体60の表面60bとの間に空洞部6cを有し、突起部6bは弾性変形し易い。
したがって、開閉体2が閉じ移動して人体に衝突したときの衝撃荷重を突起部6bによって十分に緩和できる。
前述第2脚片66の見込み方向他側面が前述の側面6b−1で、この第2脚片66の本体60に連結した部分よりも見込み方向他側寄りに前述の移動規制部52と被移動規制部62が位置している。
前記変形低減部53と被変形低減部63は、前述の連結部分よりも見込み方向の一側寄りに位置している。
このようであるから、突起部6bの側面6b−1に見込み方向一側に向かう荷重F1が加わったときに、その突起部6bが圧縮弾性変形して押しつぶされ、それによって回転モーメント力がベース部6aに加わったときに、その回転モーメント力を被変形低減部63が変形低減部53に接することで支持し、前述の回転モーメント力によりベース部6aが、その見込み方向他側部が浮き上がるように弾性変形することが低減し、かつ被移動規制部62が移動規制部52に接して浮き上がるように変形することを規制するので、緩衝材6が取付用溝5から外れることを抑制できる。
具体的には、荷重F1によって緩衝材6に回転モーメント力が加わった際、突起部6bの第1脚片65とベース部6a(本体60)との連結部分を中心にして、被変形低減部63が底面5b(変形低減部53)に接近する方向へ移動し、また、被移動規制部62が移動規制部52から離間する方向へ移動することで、緩衝材6全体が回転しようとする。しかし、被変形低減部63が変形低減部53に当接し、被移動規制部62が移動規制部52に当接することにより、それぞれの移動および変形量を抑制することから、緩衝材6全体の回転方向への変形量も低減できることから、ベース部6aの見込み方向他側の取付部61が取付用溝5から抜け出ることを抑制できる。
前記本体60の表面60bの見込み方向他側寄りに、他側当接部68aが一体に設けてある。
前記突起部6bの見込み方向一側の側面6b−2、つまり前記第1脚片64には一側当接部68bが一体に設けてある。
この一側当接部68bと他側当接部68aは、前記取付用溝5の各支持部50の表面50a、つまり取付用溝5の開口縁部分にそれぞれ接している。
このようであるから、戸先部(一方の縦框22)の取付用溝5を形成した部分の戸当り部に向かう面の全面を緩衝材6で覆っているので、開閉体2が閉じ移動するときに、戸先部が人体に衝突した場合に安全である。
前記ベース部6aの本体60の表面60bにおける前記第1脚片65、第2脚片66、他側当接部68aを連結した部分60cは、表面60bよりも面内方向に突出し、その第2脚片66および他側当接部68aの連結部分60c間に凹陥部69を形成している。
要するに、ベース部6aの他側当接部68aと突起部6bとの間には凹陥部69を有する。
そして、開閉体2が閉じ位置のときに、一方の緩衝材6の凹陥部69に他方の緩衝材8の突起部8bが嵌まり合い、両方の緩衝材6,8の一側当接部68a相互、他側当接部68b相互が接して衝撃荷重を十分に緩和できるようにしてある。
前記緩衝材6は、そのベース部6aは一側当接部68b、他側当接部68a、突起部6bよりも硬い材質の材料である。
例えば、ベース部6aを硬質の樹脂材料、他の部分を軟質の樹脂材料として、2色成形と呼ばれる成形方向で一体に押し出し成形される。
次に、第2の実施の形態を説明する。
図4に示すように、ベース部6aの本体60の裏面60aに凹溝70を形成し、その凹溝70の見込み方向他側の内端面70aを、前述の被移動規制部62とする。
前記取付用溝5の底面5bに突起55を形成し、この突起55を前記凹溝70内に挿入し、その突起55の見込み方向他側の端面55aを前述の移動規制部52とする。
このようにすれば、取付用溝5の底面5bに形成した突起54の見込み方向の寸法は、その先端面54bで変形低減部53を形成するだけの寸法で良く、その突起54と前述の突起55との間において取付用溝5の底面5bとベース6aの本体60の裏面60aとの間に隙間Sを形成することができるので、緩衝材6を取付用溝5に取り付ける作業がより一層容易である。
次に、第3の実施の形態を説明する。
図5に示すように、取付用溝5の底面5bに凹溝56を形成し、この凹溝56の見込み方向一側の内端面56aを移動規制部52とする。
緩衝材6のベース6aの本体60の裏面60aに、突部71を形成し、その突部71の見込み方向一側の端面71aを被移動規制部62とする。
前記本体60の裏面60aに突部72を形成し、この突部72の先端面72aを取付用溝5の底面5bに当接することで、その突部72の先端面72aを被変形低減部63とし、底面5bを変形低減部53とする。
このようにすれば、前述の第2の実施の形態と同様に3つの隙間Sを有するので、緩衝材6を取付用溝5により一層容易に取り付けできる。
前述した3種類の移動規制部52、被移動規制部62と、2種類の変形低減部53、被変形低減部63は、前述の図1、図3、図4の組み合わせに限ることはなく、任意に組み合わせることができる。
以上の説明では片引き戸について述べたが、引分け戸にも適用できることは勿論である。
また、自動ドアに限ることはなく、手動で開閉移動する片引き戸、引分け戸等にも適用できることは勿論である。なお、吊り戸に限らず、引き戸の下部に設けた戸車によって開閉可能に支持するものにも適用可能である。
1…本体、2…開閉体、5…一方の取付用溝、6…一方の緩衝材、6a…ベース部、6b…突起部、6c…空洞部、7…他方の取付用溝、8…他方の緩衝材、8a…ベース部、8b…突起部、11…一方の縦枠(戸当り部)、22…一方の縦框(戸先部)、52…移動規制部、53…変形低減部、54…突起、54a…端面、54b…先端面、55…突起、55a…端面、56…凹溝、56a…内端面、60…本体、60a…裏面、60b…表面、60c…連結部分、61…取付部、62…被移動規制部、63…被変形低減部、64…突部、64a…端面、65…第1脚片、66…第2脚片、67…連結片、68a…一側当接部、68b…他側当接部、69…凹陥部、70…凹溝、70a…内端面、71…突部、71a…端面、72…突部、72a…先端面。

Claims (8)

  1. 枠体に開閉方向に移動可能に取り付けた開閉体の戸先部に一方の緩衝材を取り付け、この開閉体の戸先部が接する戸当り部に他方の緩衝材を取り付け、その一方の緩衝材と他方の緩衝材が接することで衝撃荷重を軽減するようにした建具であって、
    前記一方の緩衝材は、ベース部と、このベース部の見込み方向一側寄りに設けた突起部を備え、
    前記他方の緩衝材は、ベース部と、このベース部の見込み方向他側寄りに設けた突起部を備え、
    前記一方の緩衝材のベース部は、本体と、その本体の見込み方向両側に設けた取付部を有し、前記開閉体の戸先部のほぼC字状の取付用溝に、その取付部が取付用溝の底面に接し、かつ本体と取付用溝の底面との間に隙間を有し、前記突起部が取付用溝から戸当り部に向けて突出して取り付け、
    前記取付用溝の底面の見込み方向中間に移動規制部と変形低減部を設け、
    前記一方の緩衝材のベース部に、前記移動規制部とによって緩衝材に加わる見込み方向一側に向かう荷重を支持して緩衝材の見込み方向一側方への移動を規制する被移動規制部と、前記変形低減部とによって緩衝材に作用する回転モーメント力を支持してベース部の見込み方向他側部の浮き上がり変形を規制する被変形低減部を設けたことを特徴とする建具。
  2. 前記取付用溝の底面に設けた移動規制部とベース部に設けた被移動規制部は、前記突起部の見込み方向一側に向かう荷重が加わる荷重負荷部分よりも見込み方向他側寄りに設け、
    前記取付用溝の底面に設けた変形低減部とベース部に設けた被変形低減部は、前記突起部の荷重負荷部分よりも見込み方向一側寄りに設けた請求項1記載の建具。
  3. 前記突起部は、見込み方向一側の第1脚片と、他側の第2脚片と、この第1脚片と第2脚片を連結する連結片とを有し、その第1脚片と第2脚片が本体に一体に連結されて本体と突起部との間に空洞部が形成されており、
    前記第2脚片の本体への連結部分よりも見込み方向他側寄りに移動規制部、被移動規制部を設け、前記連結部分よりも見込み方向一側寄りに変形低減部、被変形低減部を設けた請求項1又は2記載の建具。
  4. 前記ベース部の本体の見込方向両側に一側当接部と他側当接部を設け、この一側当接部、他側当接部を前記開閉体の戸先部の取付用溝の見込み方向両側の開口縁部分にそれぞれ接し、前記本体の戸先部の戸当り部に向かう全面を緩衝材で覆うようにした請求項1〜3いずれか1項記載の建具。
  5. 前記ベース部の本体における突起部と他側当接部との間に、凹陥部を形成し、
    前記他方の緩衝材の突起部が凹陥部に嵌まり合うようにした請求項4記載の建具。
  6. 前記ベース部を、前記突起部と一側当接部、他側当接部の材料よりも硬い材料とした請求項4又は5記載の建具。
  7. 前記移動規制部、被移動規制部を、取付用溝の底面に設けた突起の見込み方向他側の端面、ベース部の本体裏面に設けた突部の見込み方向一側の端面又は、取付用溝の底面に設けた突起の見込み方向他側の端面、ベース部の本体裏面に形成した凹溝の見込み方向他側の内端面又は、取付用溝の底面に形成した凹溝の見込み方向一側の内端面、ベース部の本体裏面に設けた突部の見込み方向一側の端面とした請求項1〜6いずれか1項記載の建具。
  8. 前記変形低減部、被変形低減部を、取付用溝の底面に設けた突起の先端面、ベース部の本体裏面、又は取付用溝の底面、ベース部の本体裏面に設けた突部の先端面とした請求項1〜7いずれか1項記載の建具。
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