JP5556968B2 - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Description

この発明は、電圧の印加により圧電セラミックスが伸縮する圧電アクチュエータに関するものである。
現在、CPUやLSIなどの発熱部品を内蔵した電子機器の冷却には、電圧の印加により圧電セラミックスが伸縮する性質を利用して、圧電アクチュエータが多く使用されている。例えば特許文献1には、図1に示す断面形状をした圧電ファン9が開示されている。
図1は、特許文献1の圧電ファン9の構成を示す断面図である。圧電ファン9は、振動板1と、圧電素子2と、支持部3と、駆動回路20とを備えている。
図1に示すように、振動板1の両主面には、2枚の圧電素子2が接着層5を介して貼付されている。振動板1の一端側には支持部3が貼付され、振動板1が片持ちで固定されている。ここで、振動板1の支持部3によって固定されている一端が固定端、振動板1の他端が自由端である。
圧電素子2及び振動板1は、中間電極となる振動板1を両主面から挟むように2枚の圧電素子2を貼付してなるバイモルフ型振動子を構成している。2枚の圧電素子2は、圧電セラミックス8の表裏面に電極4を形成した構造を有している。各電極4と振動板1とには、交流電圧を出力する駆動回路20が接続されている。そして、2枚の圧電素子2は、各電極4と振動板1との間に当該交流電圧が印加されたときに振動板1が振動板1の厚み方向に撓んで屈曲振動するよう、分極処理されている。
以上の構成において、各電極膜4と振動板1との間に交流電圧を駆動回路20から印加すると、一方の圧電素子2が伸びるときには他方の圧電素子2が縮み、逆に、一方の圧電素子2が縮むときには他方の圧電素子2が伸び、これに追従して振動板1が屈曲振動する。
従って、圧電ファン9を、電子機器内のLSIやCPUなどの発熱部品周辺に設置し、交流電圧を加えると、振動板1の自由端が団扇のように揺動する。これにより、冷却風が発生し、発熱部品を冷却できる。
特開2008−172105号公報
しかしながら、圧電ファン9では、振動板1の屈曲振動により、振動板1と接する圧電素子2に引張応力がかかる。圧電素子2の圧電セラミックス8は圧縮応力に強いものの引張応力に弱いため、振動板1の屈曲振動時、その引張応力によって圧電セラミックス8に負荷がかかる。
よって、振動板1の屈曲振動が長時間行われ、圧電セラミックス8に負荷が蓄積されると、圧電セラミックス8にクラックが生じ、圧電セラミックス8が壊れる。
したがって本発明は、振動板の屈曲振動時の引張応力による圧電素子の破損を抑制する圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の圧電アクチュエータは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)交流電圧の印加に応じて伸縮する第1圧電素子と、
前記交流電圧の印加に応じて、前記第1圧電素子と逆位相で伸縮する第2圧電素子と、
前記第1圧電素子の少なくとも一方の主面に接合されている第1補強部と、
前記第2圧電素子の少なくとも一方の主面に接合されている第2補強部と、
前記第1圧電素子と前記第2圧電素子とに両主面を挟まれており、前記第1、第2圧電素子の伸縮により屈曲する振動板と、
前記振動板を固定する固定部と、を備え、
前記第1、第2圧電素子が設けられている前記振動板の領域の厚みと前記第1補強部の厚みと前記第2補強部の厚みとの和が、前記第1、第2圧電素子が設けられていない前記振動板の領域の平均の厚みより大きく、
前記第2補強部は、前記第1補強部と同じ線膨張係数と弾性率を有する材料から構成されており、
前記第1、第2補強部のそれぞれは、前記振動板の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられており、
前記第1、第2圧電素子のそれぞれは、前記振動板の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられており、
前記振動板の線膨張係数は、前記第1、第2圧電素子の線膨張係数よりも大きく、
前記第1、第2補強部の線膨張係数は、前記第1、第2圧電素子の線膨張係数よりも大きい。
この構成では、振動板の線膨張係数が、第1、第2圧電素子の線膨張係数よりも大きいため、例えば熱硬化性の樹脂で振動板と第1、第2圧電素子とを接着した後に、常温に戻した際に、第1、第2圧電素子に残留圧縮応力が付加される。さらに、この構成では、第1、第2圧電素子が設けられている振動板の領域の厚みと第1補強部の厚みと第2補強部の厚みとの和が、第1、第2圧電素子が設けられていない振動板の領域の平均の厚みより大きくなっている。そして、第1、第2補強部の線膨張係数も第1、第2圧電素子の線膨張係数より大きいため、第1、第2圧電素子に付加される残留圧縮応力をより増加させることができる。
さらに、この構成では、第1、第2補強部のそれぞれが、振動板の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられ、第1、第2圧電素子のそれぞれが、振動板の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられている。これにより、例えば熱硬化性の樹脂で接着した後に常温に戻した時に、圧電アクチュエータに反りが発生し難くなるため、より効率よく第1、第2圧電素子に残留圧縮応力を付加することができる。
また、この構成では第1補強部と第2補強部によって部分的に厚みを増加させているため、振動板の幅方向に平行な端部のうち、固定部と逆側の端部(以下、自由端)から第1、第2圧電素子の自由端側の一端まで延伸する振動板の長手方向における距離と振動板の幅とからなる領域に対する、第1、第2圧電素子の自由端側の一端から固定部の自由端側の一端(以下、固定端)まで延伸する振動板の長手方向における距離と振動板の幅とからなる領域の剛性比が増加する。このため、振動板の自由端の振幅を同一量得るために必要な第1、第2圧電素子の屈曲変形量が減少し、その結果、第1、第2圧電素子にかかる引張応力を減少させることができる。
すなわち、この構成では、第1、第2圧電素子にかかる残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを同時に実現することができる。
したがって、この構成の圧電アクチュエータでは、第1補強部と第2補強部によって残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを調整することで、振動板の屈曲振動時、第1、第2圧電素子に加わる最大引張応力よりも、第1、第2圧電素子に付加される残留圧縮応力を大きくすることが容易に実現できる。すなわち、振動板の屈曲振動時、第1、第2圧電素子に対して常に圧縮応力がかかった状態にすることができる。
以上より、この構成によれば、例え振動板の屈曲振動時に第1、第2圧電素子に引張応力が付加されたとしても、第1、第2圧電素子が破損されてしまうことを抑制できる。
(2)前記第1補強部と前記第1圧電素子との前記振動板の幅方向に平行な端部のうち、前記固定部と逆側の端部は、端面が揃うように接合されており、
前記第2補強部と前記第2圧電素子との前記振動板の幅方向に平行な端部のうち、前記固定部と逆側の端部は、端面が揃うように接合されていることが好ましい。
この構成では、振動板の第1、第2圧電素子が設けられていない領域の平均の厚みがより小さくなるため、振動板の幅方向に平行な端部のうち、固定部と逆側の端部(以下、自由端)から第1、第2圧電素子の自由端側の一端まで延伸する振動板の長手方向における距離と振動板の幅とからなる領域に対する、第1、第2圧電素子の自由端側の一端から固定端まで延伸する振動板の長手方向における距離と振動板の幅とからなる領域の剛性比がより増加する。
従って、振動板の自由端の振幅を同一量得るために必要な第1、第2圧電素子の屈曲変形量がより減少し、その結果、振動板の屈曲振動によって第1、第2圧電素子にかかる引張応力をより減少させることができるため、第1、第2圧電素子が破損されてしまうことをより抑制できる。
(3)前記第1、第2補強部と前記振動板とは、同一材料から構成されていることが好ましい。
この構成では、補強板と振動板の接合が容易になる。
(4)前記第1、第2圧電素子および前記第1、第2補強部のそれぞれは、前記振動板の短手方向の中心線に対して線対称に設けられていることが好ましい。
この構成では、圧電アクチュエータの駆動時に振動板にねじれが発生し難くなる。このため、第1、第2圧電素子が破損されてしまうことをより抑制できる。
(5)前記第1、第2補強部の少なくとも一方および前記振動板は、金属材料で形成されていることが好ましい。
この構成では、他の材料と比較して弾性率が高い金属材料を用いているため、高い残留圧縮応力を生じさせることができる。このため、第1、第2圧電素子が破損されてしまうことをより抑制できる。
この発明によれば、例え振動板の屈曲振動時に圧電素子に引張応力が付加されたとしても、圧電素子が破損されてしまうことを抑制できる。
特許文献1の圧電ファン9の構成を示す断面図である。 第1の参考例に係る圧電ファン101の構成を示す斜視図である。 第1の参考例に係る圧電ファン101の構成を示す断面図である。 第1の参考例の変形例に係る圧電ファン102の構成を示す断面図である。 比較例に係る圧電ファン10の構成を示す断面図である。 第2の参考例に係る圧電ファン201の構成を示す断面図である。 第2の参考例の変形例に係る圧電ファン202の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る圧電ファン301の構成を示す断面図である。 第1の実施形態の変形例に係る圧電ファン302の構成を示す断面図である。 第2の実施形態に係る圧電ファン401の構成を示す断面図である。
《第1の参考例》
本発明の第1の参考例に係る圧電ファンについて以下図2、図3Aを参照しながら説明する。
図2は、第1の参考例に係る圧電ファン101の構成を示す斜視図である。図3Aは、図2に示すT−T線の断面図である。
圧電ファン101は、図3Aに示すように、振動板111と、圧電素子112A、112Bと、補強板117と、固定板113と、駆動交流電源120とを備えている。圧電ファン101は、CPUなどの発熱部品を内蔵した電子機器内に設置され、当該電子機器内を冷却する。
振動板111は、例えばステンレススチール製の板であり、幅15mm×長さ40mm×厚み0.1mmの寸法となっている。振動板111は、振動板111の一端に設けられた固定板113により片持ちで電子機器内に固定される。ここで、振動板111の固定板113によって固定されている一端が固定端、振動板111の他端が自由端である。また、振動板111には、振動板111の両主面から挟むよう、圧電素子112A及び補強板117が貼付されている。
なお、振動板111はステンレススチール以外にリン青銅などバネ性の高い金属板や樹脂板を用いてもよい。
補強板117は、例えばステンレススチール製の板であり、幅15mm×長さ15mm×厚み0.1mmの寸法となっている。補強板117の振動板111の長手方向(長さ方向)の長さは、圧電素子112Bの当該長手方向の長さと同じである。補強板117における振動板111と逆側の面には、圧電素子112Bが貼付されている。すなわち、補強板117は、振動板111全体のうち圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域に貼付されている。また、補強板117は、振動板111の短手方向(幅方向)の中心線Cに対して線対称に貼付されている。
なお、補強板117はステンレススチール以外の金属板や樹脂板を用いてもよい。
ここで、振動板111は、圧電素子112A、Bの線膨張係数より大きい線膨張係数を有する材料で構成されている。また、本参考例において、振動板111および補強板117は同一材料であるため、補強板117の線膨張係数および弾性率は振動板111の線膨張係数および弾性率と同じである。そして、圧電素子112A、B、補強板117、及び振動板111は、電源オン時の電子機器内の温度(例えば50℃)より高い温度(本参考例では130℃)で接着剤により貼付されることにより、振動板111が圧電素子112Aと接し、補強板117が圧電素子112Bと接している。そのため、貼付後、当該電子機器内の温度において、振動板111及び補強板117による残留圧縮応力が圧電素子112A、Bにかかる。
なお、図3Aでは、補強板117と振動板111とが別体で形成されているが、実施の際は、図3Bに示すように、補強部127と振動板111とが同一材料から一体形成されていても構わない。
圧電素子112A、112Bのそれぞれは、幅15mm×長さ15mm×厚み0.1mmの寸法となっており、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスから構成されている。圧電素子112A、112Bは、中間電極となる振動板111の同じ領域を両主面から挟むように設けられており、圧電素子112A、Bのそれぞれは、振動板111の短手方向(幅方向)の中心線Cに対して線対称となっている。中心線Cは、振動板111の2つの短辺の中心を通る直線である。即ち、圧電ファン101は、圧電素子112A、112B、補強板117及び振動板111によってバイモルフ型振動子を構成している。2枚の圧電素子112A、112Bは、それぞれの圧電セラミックス表裏面に電極膜を形成した構造を有している。各電極膜と振動板111には、交流電圧を出力する駆動交流電源120が接続されている。そして、2枚の圧電素子112A、112Bは、各電極膜と振動板111との間に交流電圧が印加されたときに振動板111が振動板111の厚み方向に撓んで屈曲振動するよう、分極処理されている。このようにバイモルフ型にすることによって、圧電素子112A、112Bによる振動板111の印加電圧に対する振動板111の屈曲変位量を大きくすることができ、振動板111の自由端の振幅をより効果的に増大できる。また、このようにバイモルフ型にすることによって、補強板117による残留圧縮応力を圧電素子112Aと圧電素子112Bに均等に生じさせることができる。
固定板113は、例えばガラスエポキシ製であり、その寸法は、幅15mm×長さ5mm×厚み2mmである。固定板113と両圧電素子112A、112Bとの間には、1mmの間隔が空けられている。
以上の構成の圧電ファン101に対して交流電圧を駆動交流電源120から印加すると、圧電素子112Aが伸びるときには圧電素子112Bが縮み、逆に、圧電素子112Aが縮むときには他方の圧電素子112Bが伸び、これに追随して振動板111が屈曲振動する。
従って、圧電ファン101を、電子機器内のLSIやCPUなどの発熱部品周辺に設置し、交流電圧を加えると、振動板111の自由端側が団扇のように揺動する。これにより、冷却風が発生し、発熱部品を冷却できる。
この際、本参考例の圧電ファン101においても、振動板111が屈曲振動している。しかし、本参考例の圧電ファン101では、振動板111の線膨張係数が、圧電素子112A、Bの線膨張係数より大きい。そのため、熱硬化性の樹脂で振動板111と圧電素子112A、Bとを接着した後に常温に戻した際に、圧電素子112A、Bに残留圧縮応力が付加される。
さらに、この構成では、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域の厚みと補強板117の厚みとの和が、圧電素子112A、Bが設けられていない振動板111の領域の平均の厚みより大きくなっている。そして、補強板117の線膨張係数も圧電素子112A、Bの線膨張係数より大きいため、圧電素子112A、Bに付加される残留圧縮応力をより増加させることができる。
また、本参考例の圧電ファン101では補強板117によって部分的に厚みを増加させているため、振動板111の自由端から圧電素子112A、Bの自由端側の一端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域に対する、圧電素子112A、Bの自由端側の一端から振動板111の固定端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域の剛性比が増加する。このため、振動板111の自由端の振幅を同一量得るために必要な圧電素子112A、Bの屈曲変形量が減少し、その結果、圧電素子112A、Bにかかる引張応力を減少させることができる。
すなわち、本参考例の圧電ファン101では、圧電素子112A、Bにかかる残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを同時に実現することができる。
したがって、本参考例の圧電ファン101では、補強板117によって残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを調整することで、振動板111の屈曲振動時、圧電素子112A、Bに加わる最大引張応力よりも、圧電素子112A、Bに付加される残留圧縮応力を大きくすることが容易に実現できる。すなわち、振動板111の屈曲振動時、圧電素子112A、Bに対して常に圧縮応力がかかった状態とすることができる。
以上より、本参考例の圧電ファン101によれば、振動板111の屈曲振動時の引張応力によって圧電素子112A、Bが破損することを抑制できる。
また、本参考例の圧電ファン101では、補強板117と圧電素子112Bとの振動板111の幅方向に平行な端部のうち、自由端側の端部は、端面が揃うように接合されている。このように構成しているので振動板111の圧電素子112A、Bが設けられていない領域の平均の厚みがより小さくなるため、振動板111の自由端から圧電素子112A、Bの自由端側の一端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域に対する、圧電素子112A、Bの自由端側の一端から振動板111の固定端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域の剛性比がより増加する。このため、振動板111の自由端の振幅を同一量得るために必要な圧電素子112A、Bの屈曲変形量がより減少し、その結果、圧電素子112A、Bにかかる引張応力をより減少させることができる。
なお、本参考例において、補強板117の自由端側の端部と圧電素子112Bの自由端側の端部とは、端面が揃うように接合されているが、これに限るものではない。例えば、補強板117の自由端側の端部が圧電素子112Bの自由端側の端部より自由端側へ突出するよう補強板117と圧電素子112Bとが接合されていても構わない。
ここで、比較例である圧電ファン10、10′、101′の送風能力および応力と、圧電ファン101の送風能力および応力とを比較する。比較例の圧電ファン10、10′、101′の送風能力および応力と、本参考例の圧電ファン101の送風能力および応力とをFEM(Finite Element Method)で算出した結果を表1に示す。
Figure 0005556968
図4は、上記圧電ファン10の構成を示す断面図である。表1に示す同圧電ファン10が本参考例の圧電ファン101と相違する点は、補強板117を設けていない点であり、その他の構成については同じである。また、表1に示す圧電ファン10′が圧電ファン10と相違する点は、振動板111全体の厚みが0.2mmである点であり、その他の構成については同じである。また、表1に示す圧電ファン101′が圧電ファン101と相違する点は、圧電ファン101′の補強板117が振動板111の材料(ステンレススチール304)の線膨張係数と異なる線膨張係数を有する材料(ステンレススチール430)で形成されている点であり、その他の構成については同じである。
なお、本参考例では、圧電素子112A、Bのそれぞれの線膨張係数は、8.3ppm/Kであり、ステンレススチール304の線膨張係数は、17.3ppm/Kであり、ステンレススチール430の線膨張係数は、10.4ppm/Kである。
そして表1では、これらの各圧電ファンに対して共振周波数の24Vppの正弦波交流電圧を所定温度(50℃)下で一定時間印加し、各圧電ファンを片側振幅で共振振動させた条件で、振動板111の自由端の振幅と圧電素子112A、Bのそれぞれにかかる応力とを算出した結果について示している。ここで、表1に示す応力合計は、振動板111の屈曲振動時に圧電素子112A、Bのそれぞれにかかる最大引張応力と、圧電素子112A、Bのそれぞれにかかる残留圧縮応力との差に相当する。
表1に示す算出結果により、比較例の圧電ファン10と10′では最大引張応力がそれぞれ67.6MPaと98.4MPaであるのに対し、本参考例の圧電ファン101と比較例の圧電ファン101′では最大引張応力が40.5MPaにまで減少することが明らかとなった。この結果は、補強板117を圧電素子112A、Bが設けられている領域に部分的に設けたことで、振動板111の自由端から圧電素子112A、Bの自由端側の一端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域に対する、圧電素子112A、Bの自由端側の一端から振動板111の固定端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域の剛性比が増加し、振動板111の屈曲振動によって生じる圧電素子112A、Bの屈曲変形量が減少したためであると考えられる。
また、表1に示す算出結果により、比較例の圧電ファン10では残留圧縮応力が43.2MPaであるのに対し、本参考例の圧電ファン101と比較例の圧電ファン10′では応力合計が54.6MPaにまで増加することが明らかとなった。この結果は、補強板117を設けたことで、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域の厚みと補強板117の厚みとの和が大きくなり、圧電素子112A、Bに付加される残留圧縮応力が増加したためであると考えられる。
なお、比較例の圧電ファン101’では本参考例101と同様に、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域の厚みと補強板117の厚みとの和が大きいが、残留圧縮応力が11.3MPaと小さかった。これは、振動板111と補強板117の線膨張係数が異なるため、圧電ファン101’が反ってしまい、圧電素子112A、Bに残留圧縮応力が効率よく付加されなかったためであると考えられる。
また、表1に示す算出結果により、比較例の圧電ファン10、10′、101′では応力合計がそれぞれ引張応力14.4MPa、引張応力43.8MPa、引張応力29.2MPaであるのに対し、本参考例の圧電ファン101では応力合計が圧縮応力13.1MPaにまで増加することが明らかとなった。このことから、本参考例の圧電ファン101のみ、振動板111の屈曲振動時、圧電素子112A、Bに対して常に圧縮応力がかかった状態となることが明らかとなった。
そして、実験により、上述の一定時間(本参考例では100時間)経過後、比較例の圧電ファン10、10′、101′では圧電素子112A、Bの少なくともいずれか一方にクラックが生じたのに対し、本参考例の圧電ファン101では圧電素子112A、Bにクラックが生じなかったことが明らかとなった。
以上のことから、圧電素子112A、Bにかかる残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを同時に実現することができ、振動板111の屈曲振動時、圧電素子112A、Bに対して常に圧縮応力がかかった状態にすることができる本参考例の圧電ファン101が、最も好適であるといえる。
また、表1に示す算出結果により、本参考例の圧電ファン101では、補強板117を設けても送風能力(自由端の振幅×共振周波数)が低下していないことも明らかとなった。このことから、本参考例の圧電ファン101では、送風能力を低下させることなく、圧電素子112A、Bにかかる残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを同時に実現できることが明らかとなった。なお、この結果は、振動板111の圧電素子112A、Bが設けられている領域のみに補強板117を設けたため、自由端の振幅に寄与する振動板111の圧電素子112A、Bより自由端側の領域の剛性が増加しなかったためであると考えられる。
したがって、本参考例の圧電ファン101によれば、送風能力を低下させることなく、振動板111の屈曲振動時の引張応力によって圧電素子112A、Bが破損されることを抑制することができる。
《第2の参考例》
以下、本発明の第2の参考例に係る圧電ファンについて説明する。
図5Aは、第2の参考例に係る圧電ファン201の構成を示す断面図である。第2の参考例の圧電ファン201が第1の参考例の圧電ファン101と相違する点は、補強板117が振動板111の圧電素子112A側の主面に設けられている点であり、その他の構成については同じである。
詳述すると、本参考例の圧電ファン201では、補強板117が圧電素子112Bとともに振動板111の両主面を挟むよう振動板111に接合されている。そして、補強板117における振動板111と逆側の面には、圧電素子112Aが貼付されている。即ち補強板117は、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域に接合されている。そのため、本参考例の圧電ファン201においても、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域の厚みと補強板117の厚みとの和が、圧電素子112A、Bが設けられていない振動板111の領域の平均の厚みより大きくなっている。そして、上述したように振動板111および補強板117は同一材料であるため、補強板117の線膨張係数および弾性率は振動板111の線膨張係数および弾性率と同じである。このため、より圧電素子112A、Bに付加される残留圧縮応力をより増加させることができる。
また、本参考例の圧電ファン201では補強板117によって部分的に厚みを増加させているため、振動板111の自由端から圧電素子112A、Bの自由端側の一端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域に対する、圧電素子112A、Bの自由端側の一端から振動板111の固定端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域の剛性比が増加する。このため、振動板111の屈曲振動によって圧電素子112A、Bにかかる引張応力を減少させることができる。
すなわち、本参考例の圧電ファン201では、圧電素子112A、Bにかかる残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを同時に実現することができる。
また、補強板117と圧電素子112Aとの振動板111の幅方向に平行な端部のうち、自由端側の端部は、端面が揃うように接合されている。
そのため、本参考例の圧電ファン201においても、振動板111の屈曲振動によって圧電素子112A、Bにかかる引張応力をより減少させることができる。
従って、本参考例の圧電ファン201によれば、第1の参考例の圧電ファン101と同様の効果を奏する。
なお、図5Aでは、補強板117と振動板111とが別体で形成されているが、実施の際は、図5Bに示すように、補強部127と振動板111とが同一材料から一体形成されていても構わない。
また、本参考例では、補強板117の自由端側の端部と圧電素子112Aの自由端側の端部とは、端面が揃うように接合されているが、これに限るものではない。例えば、補強板117の自由端側の端部が圧電素子112Aの自由端側の端部より自由端側へ突出するよう補強板117と圧電素子112Aとが接合されていても構わない。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態に係る圧電ファンについて説明する。
図6Aは、第1の実施形態に係る圧電ファン301の構成を示す断面図である。第1の実施形態の圧電ファン301が第1の参考例の圧電ファン101と相違する点は、補強板117A、Bが振動板111の両主面に設けられている点であり、その他の構成については同じである。
詳述すると、本実施形態の圧電ファン301では、補強板117Aと補強板117Bが、振動板111の両主面を挟むよう振動板111に接合されている。これにより、補強板117Aと補強板117Bは、振動板111の厚み方向の中心面に対して面対称となっている。そして、補強板117Aにおける振動板111と逆側の面には、圧電素子112Aが貼付されており、補強板117Bにおける振動板111と逆側の面には、圧電素子112Bが貼付されている。これにより、圧電素子112Aと圧電素子112Bは、振動板111の厚み方向の中心面に対して面対称となっている。
すなわち、本実施形態の圧電ファン301では、補強板117A、Bが、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域に接合されている。そのため、本実施形態の圧電ファン301においては、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域の厚みと補強板117Aの厚みと補強板117Bの厚みとの和が、圧電素子112A、Bが設けられていない振動板111の領域の平均の厚みより大きくなっている。そして、補強板117A、Bは、同一の材料から構成されており、補強板117A、Bの線膨張係数は圧電素子112A、Bの線膨張係数よりも大きい。このため、より圧電素子112A、Bに付加される残留圧縮応力を増加させることができる。
さらに、この構成では、圧電素子112A、Bと補強板117A、Bとのそれぞれは、振動板111の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられている。これにより、圧電ファン301を例えば熱硬化性の樹脂で接着した後に常温に戻した時に、圧電ファン301に反りが発生し難くなる。したがって、例え振動板111と補強板117A、Bとが異なる線膨張係数および弾性率を有する材料から形成されていたとしても、より効率よく圧電素子112A、Bに残留圧縮応力を付加することができる。
また、本実施形態の圧電ファン301では補強板117A、Bによって部分的に厚みを増加させているため、振動板111の自由端から圧電素子112A、Bの自由端側の一端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域に対する、圧電素子112A、Bの自由端側の一端から振動板111の固定端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域の剛性比が増加する。このため、振動板111の自由端の振幅を同一量得るために必要な圧電素子112A、Bの屈曲変形量が減少し、その結果、屈曲振動によって圧電素子112A、Bにかかる引張応力を減少させることができる。
すなわち、本実施形態の圧電ファン301では、圧電素子112A、Bにかかる残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを同時に実現することができる。
したがって、本実施形態の圧電ファン301では、補強板117A、Bによって残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを調整することで、振動板111の屈曲振動時、圧電素子112A、Bに加わる最大引張応力よりも、圧電素子112A、Bに付加される残留圧縮応力を大きくすることが容易に実現できる。すなわち、振動板111の屈曲振動時、圧電素子112A、Bに対して常に圧縮応力がかかった状態とすることができる。
以上より、本実施形態の圧電ファン301によれば、振動板111の屈曲振動時の引張応力によって圧電素子112A、Bが破損することを抑制できる。
さらに、圧電ファン301では、補強板117Aと圧電素子112Aとの振動板111の幅方向に平行な端部のうち、自由端側の端部は、端面が揃うように接合されている。また、補強板117Bと圧電素子112Bとの振動板111の幅方向に平行な端部のうち、自由端側の端部は、端面が揃うように接合されている。
そのため、本実施形態の圧電ファン301においても、振動板111の屈曲振動によって圧電素子112A、Bにかかる引張応力をより減少させることができる。
さらに、本実施形態において、圧電素子112Bは、圧電素子112Aと同じ厚みであり、同じ線膨張係数と弾性率を有する材料から構成されている。この構成により、接着硬化後に常温に戻した時に、圧電ファン101に反りがより発生し難くなるため、より効率よく圧電素子112A、Bに残留圧縮応力を付加することができ、圧電素子112A、Bが破損されてしまうことをより抑制できる。
さらに、本実施形態において、圧電素子112A、Bと補強部117A、Bとのそれぞれは、振動板111の短手方向の中心線Cに対して線対称に設けられているため(図2参照)、圧電ファン301の駆動時に振動板111にねじれが発生し難くなる。このため、圧電素子112A、Bが破損されてしまうことをより抑制できる。
さらに、本実施形態において振動板111および補強部117A、Bは、他の材料と比較して弾性率が高い金属材料で形成されているため、高い残留圧縮応力を生じさせることができる。このため、圧電素子112A、Bが破損されてしまうことをより抑制できる。
さらに、本実施形態において振動板111および補強部117A、Bは、同一材料から構成されているため、振動板111および補強部117A、Bの接合が容易である。
ここで、本実施形態では、圧電素子112Aが本発明の「第1圧電素子」に相当し、圧電素子112Bが本発明の「第2圧電素子」に相当する。また、補強板117Aが本発明の「第1補強部」に相当し、補強板117Bが本発明の「第2補強部」に相当する。また、固定板113が、本発明の「固定部」に相当する。
なお、本実施形態の圧電ファン301では、補強板117A、Bが圧電素子112A、Bの線膨張係数より大きく振動板111と同じ線膨張係数および弾性率を有する材料で形成されているが、実施の際は、補強板117A、Bが圧電素子112A、Bの線膨張係数より大きく振動板111の線膨張係数と異なる線膨張係数を有する材料で形成されていても構わない。
また、図6Aでは、本発明の第1、第2補強部に相当する補強板117A、Bと振動板111とが別体で形成されているが、実施の際は、図6Bに示すように、補強部127A、Bと振動板111とが同一材料から一体形成されていても構わない。
また、本実施形態の圧電ファン301において、補強板117A、Bの自由端側の端部と圧電素子112A、Bの自由端側の端部とは、端面が揃うように接合されているが、これに限るものではない。例えば、補強板117A、Bの自由端側の端部が圧電素子112A、Bの自由端側の端部より自由端側へ突出するよう補強板117A、Bと圧電素子112A、Bとが接合されていても構わない。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態に係る圧電ファンについて以下説明する。
図7は、第2の実施形態に係る圧電ファン401の構成を示す断面図である。第2の実施形態の圧電ファン401が第1の実施形態の圧電ファン301と相違する点は、補強板117Aと圧電素子112A、および補強板117Bと圧電素子112Bの配置を入れ替えた点であり、その他の構成については同じである。
即ち、本実施形態の圧電ファン401では、圧電素子112A、Bが振動板111を両主面から挟むよう振動板111に接合されている。これにより、圧電素子112Aと圧電素子112Bは、振動板111の厚み方向の中心面に対して面対称となっている。さらに、圧電ファン401では、圧電素子112Aの振動板111と逆側の面に補強板117Aが接合され、圧電素子112Bの振動板111と逆側の面に補強板117Bが接合されている。これにより、補強板117Aと補強板117Bは、振動板111の厚み方向の中心面に対して面対称となっている。
すなわち、本実施形態の圧電ファン401においても補強板117A、Bは、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域に接合されている。そのため、本実施形態の圧電ファン401においても、圧電素子112A、Bが設けられている振動板111の領域の厚みと補強板117Aの厚みと補強板117Bの厚みとの和が、圧電素子112A、Bが設けられていない振動板111の領域の平均の厚みより大きくなっている。このため、圧電素子112A、Bに付加される残留圧縮応力をより増加させることができる。
さらに、この構成では、圧電素子112A、Bと補強板117A、Bとのそれぞれは、振動板111の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられている。これにより、圧電ファン301を例えば熱硬化性の樹脂で接着した後に常温に戻した時に、圧電ファン301に反りが発生し難くなる。したがって、例え振動板111と補強板117A、Bとが異なる線膨張係数および弾性率を有する材料から形成されていたとしても、より効率よく圧電素子112A、Bに残留圧縮応力を付加することができる。
また、本実施形態の圧電ファン401では補強板117A、Bによって部分的に厚みを増加させているため、振動板111の自由端から圧電素子112A、Bの自由端側の一端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域に対する、圧電素子112A、Bの自由端側の一端から振動板111の固定端まで延伸する振動板111の長手方向における距離と振動板111の幅とからなる領域の剛性比が増加する。このため、振動板111の自由端の振幅を同一量得るために必要な圧電素子112A、Bの屈曲変形量が減少し、その結果、圧電素子112A、Bにかかる引張応力を減少させることができる。
すなわち、本実施形態の圧電ファン401では、圧電素子112A、Bにかかる残留圧縮応力の増加と引張応力の減少とを同時に実現することができる。
さらに、圧電ファン401では、補強板117Aと圧電素子112Aとの振動板111の幅方向に平行な端部のうち、自由端側の端部は、端面が揃うように接合されている。また、補強板117Bと圧電素子112Bとの振動板111の幅方向に平行な端部のうち、自由端側の端部は、端面が揃うように接合されている。
よって、本実施形態の圧電ファン401においても、振動板111の屈曲振動によって圧電素子112A、Bにかかる引張応力をより減少させることができる。
従って、本実施形態の圧電ファン401によれば、第1の実施形態の圧電ファン301と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態の圧電ファン401では、補強板117A、Bが圧電素子112A、Bの線膨張係数より大きく振動板111と同じ線膨張係数および弾性率を有する材料で形成されているが、実施の際は、補強板117A、Bが圧電素子112A、Bの線膨張係数より大きく振動板111の線膨張係数と異なる線膨張係数を有する材料で形成されていても構わない。
また、本実施形態の圧電ファン401において、補強板117A、Bの自由端側の端部と圧電素子112A、Bの自由端側の端部とは、端面が揃うように接合されているが、これに限るものではない。例えば、補強板117A、Bの自由端側の端部が圧電素子112A、Bの自由端側の端部より自由端側へ突出するよう補強板117A、Bと圧電素子112A、Bとが接合されていても構わない。
《他の実施形態》
前記実施形態では、圧電素子112A、Bはチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスから構成しているが、これに限るものではない。例えば、ニオブ酸カリウムナトリウム系及びアルカリニオブ酸系セラミックス等の非鉛系圧電体セラミックスの圧電材料などから構成してもよい。
また、前記実施形態では、圧電素子112Aと補強板117Aとの大きさをほぼ等しくした例を示したが、これに限るものではない。同様に、圧電素子112Bと補強板117Bとの大きさをほぼ等しくした例を示したが、これに限るものではない。例えば、圧電素子112A、Bのそれぞれより補強板117A、Bのそれぞれのほうが大きくてもよい。
また、前記実施形態では、振動板111は曲げのない例を示したが、これに限るものではない。例えば、前記振動板111は、圧電素子112A、Bと自由端との間で折れ曲がって形成されていてもよい。
最後に、上述の各実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 振動板
2 圧電素子
3 支持部
4 電極
5 接着層
8 圧電セラミックス
9 圧電ファン
10 圧電ファン
20 駆動回路
101、102、201、202、301、302、401 圧電ファン
111 振動板
112A、112B 圧電素子
113 固定板
117 補強板
117A、B 補強板
120 駆動交流電源
127 補強部
127A、B 補強部

Claims (5)

  1. 交流電圧の印加に応じて伸縮する第1圧電素子と、
    前記交流電圧の印加に応じて、前記第1圧電素子と逆位相で伸縮する第2圧電素子と、
    前記第1圧電素子の少なくとも一方の主面に接合されている第1補強部と、
    前記第2圧電素子の少なくとも一方の主面に接合されている第2補強部と、
    前記第1圧電素子と前記第2圧電素子とに両主面を挟まれており、前記第1、第2圧電素子の伸縮により屈曲する振動板と、
    前記振動板を固定する固定部と、を備え、
    前記第1、第2圧電素子が設けられている前記振動板の領域の厚みと前記第1補強部の厚みと前記第2補強部の厚みとの和が、前記第1、第2圧電素子が設けられていない前記振動板の領域の平均の厚みより大きく、
    前記第2補強部は、前記第1補強部と同じ線膨張係数と弾性率を有する材料から構成されており、
    前記第1、第2補強部のそれぞれは、前記振動板の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられており、
    前記第1、第2圧電素子のそれぞれは、前記振動板の厚み方向の中心面に対して面対称に設けられており、
    前記振動板の線膨張係数は、前記第1、第2圧電素子の線膨張係数よりも大きく、
    前記第1、第2補強部の線膨張係数は、前記第1、第2圧電素子の線膨張係数よりも大きい、圧電アクチュエータ。
  2. 前記第1補強部と前記第1圧電素子との前記振動板の幅方向に平行な端部のうち、前記固定部と逆側の端部は、端面が揃うように接合されており、
    前記第2補強部と前記第2圧電素子との前記振動板の幅方向に平行な端部のうち、前記固定部と逆側の端部は、端面が揃うように接合されている、請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記第1、第2補強部と前記振動板とは、同一材料から構成されている、請求項1または2記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記第1、第2圧電素子および前記第1、第2補強部のそれぞれは、前記振動板の短手方向の中心線に対して線対称に設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記第1、第2補強部の少なくとも一方および前記振動板は、金属材料で形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
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