JP2006340503A - 圧電アクチュエータ及びこれを備えた機器 - Google Patents

圧電アクチュエータ及びこれを備えた機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧電素子と補強板との接合面の剥離、圧電素子の欠け、温度による変形を防止し、所望の振動特性を維持し、高効率、高出力の圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータを備える機器を提供する。
【解決手段】 圧電アクチュエータ10は、矩形薄板状の圧電素子30を含む振動体20を有するとともに、振動体20の振動方向が当該振動体の面内方向である圧電アクチュエータであって、圧電素子30の主面の表面、裏面それぞれに接合される第1補強板71と第2補強板72と、振動体20の振動の中心節部となる位置近傍に形成される振動体支持部材50と、を備えている。また、機器1は、この圧電アクチュエータ10と、振動体20を振動の面内方向にあるロータ101に付勢するためのバネ95と、圧電アクチュエータ20に励振電圧を印加する電圧印加手段と、ロータ101の運動を伝達する伝達機構と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータ及びこの圧電アクチュエータを備えた機器に関する。
従来、振動体の振動方向が振動体の面内方向である圧電アクチュエータにおいて、振動体の補強板の表裏両面それぞれに圧電素子を接合し、補強板には、長手方向の中央部に幅方向に延在される振動体支持のための腕部と、長手方向端部に延在される被駆動体に運動を伝達するための凸部が形成される圧電アクチュエータと、補強板の両面にそれぞれ三つの圧電素子が積層されて構成されている圧電アクチュエータというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、振動体の振動方向が振動体の断面方向である屈曲型圧電アクチュエータにおいて、補強板の両面にそれぞれ圧電係数及び厚みが等しい圧電素子を4枚以上積層して形成される圧電アクチュエータというものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−159403号公報(第5,10頁、図1,6) 特開昭60−178677号公報(第3頁、図4,5)
このような特許文献1では、補強板の表裏両面に圧電素子を接合する構造であり、このような構造の課題を図10を参照して説明する。
図10は、特許文献1の構造を模式的に表す側面図である。まず、図10(a)に基本構造を示す。圧電アクチュエータ2は、補強板5の表裏両面に圧電素子3が貼着され、圧電素子3の表面には励振電極4が形成され、励振電極4に励振電圧が印加されると長手方向に伸縮を繰り返す。
図10(b)は、励振電極4に励振電圧が印加され、圧電素子3が伸張された場合を示している。ここで、圧電素子3が伸張すると、補強板5との接合面には抗力が発生する。圧電素子3の他の表面は開放されているので、圧電素子本来の所定の長さ分だけ伸長する。
また、図10(c)は、圧電素子3が収縮した場合を示している。圧電素子3が収縮すると、補強板5との接合面には抗力が発生する。圧電素子3の他の表面は開放されているので、圧電素子本来の所定の長さ分だけ収縮する。
従って、接合面と他の表面との間に伸縮量の差が発生し、側面視すると圧電素子3は、台形状に変形する。このことから、圧電素子3の接合面には大きな剪断力が働き、接合面の破壊(剥離)や圧電素子の欠けが発生し、機能低下もしくは破壊することが予測される。
また、特許文献2によれば、補強板の表裏両面に、薄い圧電素子を複数積層することで、圧電素子の一つ一つの伸縮量の差を小さくし、接合面の剪断力を小さくすることができるが、圧電素子と補強板との接合面及び開放面との伸縮量の差は存在するため、接合面には剪断力が発生し、接着層の破壊や圧電素子の欠け等が発生し、アクチュエータの機能が低下したり、最悪の場合には破壊することが考えられる。
また、前述の特許文献1及び特許文献2では、共に補強板に金属板を採用しており、圧電素子とは熱膨張率が異なるため、温度変化が生じた場合に、この熱膨張率の差から反りが発生することが考えられ、所定の振動が得られないというような課題がある。
本発明の目的は、圧電素子と補強板との接合面の剥離、圧電素子の欠け、温度変化による変形を防止し、所望の振動特性を維持し、高効率で高出力の圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータを備える機器を提供することである。
本発明の圧電アクチュエータは、矩形薄板状の圧電素子を含む振動体を有するとともに、前記振動体の振動方向が当該振動体の面内方向である圧電アクチュエータであって、前記圧電素子の主面の表面、裏面それぞれに接合される第1補強板と第2補強板と、前記振動体の振動の中心節部となる位置近傍に形成される支持部材と、を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、圧電素子の両面に第1補強板と第2補強板とを接合しているため、圧電素子の両面を補強し、前述した従来技術による一枚の補強板に圧電素子を接合する構造に比べ、圧電素子の接合面に発生する剪断力を小さくすることができ、圧電素子の欠けや割れ、接着面の剥がれ等を低減することができる。このことから、所望の振動特性を安定して維持することができる。
また、本発明では、前記第1補強板と前記第2補強板とが、弾性特性または熱膨張率が略等しいことが好ましい。
第1補強板と第2補強板とが弾性特性が略等しいとは、それぞれのヤング率、厚み及び形状による変形特性が略等しいことを意味し、このようにすることで、圧電素子の表裏それぞれの接合面において発生する剪断力が、補強板が一枚のときに比べ約半分になり、より一層、圧電素子の欠けや割れ、接着面の剥がれ等を低減することができる。
さらに、第1補強板と第2補強板の熱膨張率が略等しく、両面方向で受けるので、温度変化によって熱膨張率が異なる部材を接合したときに発現する剪断応力を略半分に低減し、破壊しにくくなることで温度変化があっても所望の振動特性を維持することができる。
また、本発明では、前記振動体が、厚み方向に複数積層され、前記振動体の重なりあう前記第2補強板と前記第1補強板とが密着接合されていることを特徴とする。
一つの振動体は、圧電素子の両面に第1補強板と第2補強板とが接合されており、この振動体を複数積層することで、下層の振動体の第1補強板と上層の振動体の第2補強板とが重なる構造となり、これら第1補強板と第2補強板とを接合して、積層型の振動体が構成される。従って、各圧電素子それぞれの両面に補強板が接合されることから、積層型の振動体においても、前述したような圧電素子の欠けや割れ、接着面の剥がれ等を低減することができるという効果を有する。
また、振動体を複数積層することで、高出力の圧電アクチュエータを提供することができる。
また、積層された前記振動体の重なりあう前記第2補強板と第1補強板とが、一体で形成される第3補強板であることが好ましい。
このような構成にすれば、積層される振動体のそれぞれの接合部にある補強板が一枚ですむことから、前述の効果を得ることができる他、補強板の数を減らすことができ、部品点数を削減できること、接合回数を減ずることからコストの低減に寄与する。
また、前記第3補強板が、前記第1補強板または前記第2補強板の約2倍の厚みを有することが好ましい。
このようにすれば、第3補強板が、あたかも第1補強板または第2補強板を接合した状態と等しいため、前述した積層型の振動体が奏する効果と、前述した圧電素子両面に第1補強板または第2補強板を接合した構造において得られる効果を合わせもつことができる。
また、前記振動体が、当該振動体の長手方向端部に、被駆動体に駆動力を伝達するための駆動端部材を備えていることが好ましい。
ここで、駆動端部材としては、例えばジルコニア等の硬質セラミック材料を採用できる。
このような、硬質な駆動端部材を備えることで、被駆動体との間の磨耗を低減することができ、駆動端部材と被駆動体との接触状態を初期の状態で維持し、正確で安定した駆動力を伝達することができる。
なお、詳しくは後述する実施の形態で説明するが、駆動端部材は、振動体の両端部に備えられているので、振動体全体としての振動バランスがとれるという効果がある。
また、本発明では、前記積層された複数の振動体のうち、選択された振動体に前記駆動端部材を備えるか、または、積層された振動体の総厚みに相当する長さを有する前記駆動端部材を備えていることが望ましい。
このような構成によれば、適宜、選択された振動体に駆動端部材を備えることで、被駆動体との接触において、最適な位置に駆動端部材を備えることができる。また、駆動端部材を、積層された振動体の総厚みに相当する長さにすることで、被駆動体との接触面積あるいは接触長さを大きくできるため、確実な駆動力の伝達を可能にし、被駆動体との間の磨耗をより一層低減することができる。さらに、積層された振動体に1個(両端部で2個)の駆動端部材を備えればよいので、駆動端部材の数を減じ、振動体への接合工数を低減することができる。
また、前記駆動端部材が、前記第1補強板、または前記第2補強板、または前記第3補強板の少なくとも一つが、延在されて形成されていることが好ましい。
この構造によれば、駆動端部材を、第1補強板、または第2補強板、または第3補強板に延在して形成しているので、別の駆動端部材を設ける必要がなくなり、構造を簡素化することができる。また、駆動端部材を、被駆動体に対応して前記3種類の補強板を選択して一つまたは複数形成することで、望ましい被駆動体との接触状態を得ることができる。さらに、構成する全ての補強板に駆動端部材を設ければ、前述した駆動端部材を別に設ける構造に近い、磨耗低減等の効果を得ることができる。
また、前記圧電素子の一方の主面に形成される複数の電極が、前記圧電素子の幅方向の側面に形成され、前記複数の電極上面に絶縁層が設けられており、前記圧電素子の他方の主面に形成される電極が、前記第1補強板、または前記第2補強板または前記第3補強板のいずれかに接続されていることが好ましい。
ここで、複数の電極としては、例えば、励振電極及び検出電極であり、圧電素子の他方の主面に形成される電極は、アース電極(GND電極)である。
また、絶縁層としては、例えば、絶縁性接着剤等が採用できる。
圧電素子の表面には、屈曲振動をさせるために一方の主面には複数の励振電極を、他方の主面にはアース電極を形成する。本発明では、圧電素子の両面に第1及び第2補強板が接合される構造である。従って、前述の複数の励振電極が、圧電素子の表面から側面に形成されることから、仮に、電圧印加手段と励振電極との接続において、これら電極と補強板との短絡を生じさせずに、接続領域範囲を充分確保することができる。
また、前記振動体には、当該振動体の振動の中心節部となる位置近傍の断面周囲を巻回して、前記振動体を支持する支持部材が設けられ、前記複数の電極と前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段との間に、前記支持部材に挿通して設けられる接続端子を備えていることが好ましい。
この構造によれば、振動体は、中心節部となる位置近傍の断面周囲を巻回して形成される支持部材によって支持されるので、支持部材が振動の妨げにならず、振動体を安定した姿勢で保持することができる。また、複数の電極と電圧印加手段との接続を支持部材に挿通して設けられる接続端子で行うので、複数の圧電素子を積層し、多数の電極を有する構造であっても、狭いスペースで電圧印加手段との接続を行うことができる。
また、本発明の機器は、少なくとも、前記圧電アクチュエータを構成する振動体を振動の面内方向にある被駆動部材と、前記振動体を前記被駆動部材に付勢するための付勢手段と、前記圧電アクチュエータに駆動電圧を印加する電圧印加手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、前述した圧電アクチュエータを備えているので、前述したような効果を奏することができる。また、付勢手段によって、振動体を振動の面内方向にある被駆動部材に付勢しているので、確実に駆動力を被駆動体に伝達することができる。
さらに、製造上において、振動体及び被駆動体の形状誤差、位置誤差が発生しても確実に振動体と被駆動体との接触を得ることができ、安定した駆動力を伝達することができ、高効率で良好な振動と駆動力の伝達が可能な機器を実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明の実施形態1に係る圧電アクチュエータ及びこの圧電アクチュエータを備える機器を示し、図5は実施形態2、図6は実施形態2の変形例1、図7は実施形態2の変形例2、図8は実施形態2の変形例3、図9は実施形態3、図10は従来技術による圧電アクチュエータを示している。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る振動体、図2は圧電アクチュエータ、図3はこの圧電アクチュエータの振動形態、図4は機器の圧電アクチュエータ周辺の構造を示している。
まず、本実施形態の振動体の構造を説明する。
図1(a)は、本実施形態1の振動体20を示す斜視図、図1(b)は、図1(a)において矢印A方向から側面を視認した部分側面図である。図1(a)、(b)において、振動体20は、基本構成として、圧電素子30と、圧電素子30の主面の両面に接合される第1補強板71と第2補強板72とが積層されて構成されている。振動体20は、長手方向を有する矩形薄板状で寸法比が長辺:短辺が約7:2に形成されている。
圧電素子30は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものから選択使用される。
圧電素子30は、長手方向に平行に3等分され、3等分されたうちの両側は、短辺方向に2分されている。これら2分された圧電素子30の一方の主面(図中、上面)には、電極31〜35が形成され、他方の主面には、全面電極36が形成されている。長手方向に3等分された電極のうち中央の電極33は、電極31と電極32、電極34と電極35との間に十文字状に延在されている。これら電極31〜35は、それぞれ溝状の絶縁空間によって分離されている。
電極31,32は、圧電素子30の一方の側面まで連続し、側面電極31a,32aが形成されており(図1(b)、参照)、電極33〜35は、圧電素子30の他方の側面(図1(a)の正面側面に表す)に連続し、側面電極33a〜35aが形成されている。
これら側面電極31a〜35aの範囲に破線で示される領域は、後述する接続端子62〜67(図2及び図4、参照)が接続する接続部31b〜35bを表している。また、図1(b)に表される接続部72aは、第2補強板72の側面に配置される。
なお、側面電極31a〜35aは、それぞれ電気的に独立して形成されている。
圧電素子30に形成される複数の電極31〜35の上面には、絶縁層としての絶縁性接着剤75が塗布され第1補強板71が貼着されている。絶縁性接着剤75は、各電極を分離する溝状の絶縁空間の内部まで塗布されており、圧電素子30と第1補強板71とは絶縁性接着剤75を介して密着固定されている。
また、圧電素子30の他方の主面に形成される全面電極36の表面には導電性接着剤が塗布され、第2補強板72が密着固定されている。ここで、圧電素子30に形成される全面電極36は導電性接着剤を介して第2補強板72に接続され、第2補強板72は、アース電極(GND電極)となる。
なお、第1補強板71と第2補強板72は、それぞれが、本実施形態ではステンレス鋼等のように靭性や強度に優れる材料が用いられ、弾性特性(ヤング率、厚み)または熱膨張率が略等しいことと、略同じ厚み、同じ形状を有している。
振動体20は、短辺の両方に、電極31または電極34の幅の範囲で、振動体20の総厚みにわたる長さの駆動端部材80が備えられている。駆動端部材80は、半円柱形状のジルコニア等の硬質セラミックスで形成されている。この駆動端部材80は、振動体20の面内振動における中心節部Gに対して点対称関係にあり、振動に対してバランスをとることができる。
これら、一対の駆動端部材80は、絶縁性接着剤81で振動体20に貼着されている。
続いて、前述の振動体20を備える圧電アクチュエータ10について図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る圧電アクチュエータ10を示す斜視図である。図2において、振動体20の平面中央部は、振動体20の振動の中心節部Gであり、不動点の一つである。圧電アクチュエータ10は、振動体20と、振動体20の中心節部Gの近傍周縁部にインサート成形によって形成される合成樹脂からなる支持部材50とから構成されている。
支持部材50は、インサート成形により振動体20の表面に密接されている。支持部材50は、中心節部Gの近傍の断面周囲を全周にわたって巻回する枠部51と、この枠部51の上面に設けられる突起部が突設されて構成されている。この突起部は、平面視長方形の角部52と円柱形状の支持軸53とが段状に形成されている。角部52は、後述する付勢手段としてのバネ95の被押圧部である。
支持軸53は、振動体20の裏面側にも同軸で形成されており、平面位置は、中心節部Gと一致しており、振動体20の表面に対して略垂直に突設されている。この一対の支持軸53が圧電アクチュエータ10の上下に設けられる第1基板97、第2基板98に軸支される(図4(b)、参照)。こうして、支持部材50によって、振動体20は、中空に浮いた状態で支持されている。
枠部51の側面両側には、接続端子62〜67(この内、65〜67は図示せず)がインサートされている(図4(a)、参照)。これら接続端子62〜67は、金属で形成され、表面には金メッキ等の電導性がよい材料で被覆されている。接続端子62〜67は、振動体20と共にインサート金型に装填された後、インサート成形される。
また、接続端子62〜64は、それぞれ前述した電極33〜35に表される接続部33b,34b,35bの位置に配置されて接続され、接続端子65,66,67は、枠部51の側面方向反対側に設けられ、接続端子65,67は、それぞれ電極31,32の接続部31b,32bの位置に配置され接続されている。また、接続端子66は、第2補強板72の接続部72aの位置に配置され接続されている。
これら接続端子62〜67の端部には、後述する回路基板91,92に形成される接続片91a,91b,91c及び接続片92a,92b,92cと接続される(図4(a)、参照)。
続いて、本実施形態の圧電アクチュエータ10(振動体20)の振動形態について図面を参照して説明する。
図3は、振動体20の振動形態を模式的に示す平面図である。図3(a)は、電極33と補強板72(全面電極36)の間に励振電圧を印加した際の振動形態を示している。まず、電極33に励振電圧を印加した場合、この電極33が形成されている部分の圧電素子30が伸縮運動(矢印L方向)をする。
振動体20の長手方向は、、異方性により伸縮の変位が大きい。従って、振動体20は電極33の略中心(支持軸53の平面位置)を振動の中心節部Gとして縦1次振動を行う。支持部材50は、この縦1次振動の中心節部である中心部分に形成されるので縦1次振動に影響しない不動点に位置する。
図3(b)は、電極31及び電極34と補強板72に励振電圧を印加した際の振動形態を示している。電極31及び電極34に同時に電圧を印加すると、電極31,34が形成される範囲の圧電素子30が伸縮振動をする(矢印G方向)。振動体20の全体をみると、伸縮運動をする電極31,34の部分と伸縮振動をしない電極32,35の部分とが非対称になるため屈曲振動する。
従って、振動体20は、電極31,32,34,35から等距離にある振動体20の中心部を節として長手方向に直交する方向に屈曲2次振動する(矢印K方向)。支持部材50は、この屈曲2次振動の節の近傍を支持するため、屈曲2次振動には影響を与えない不動点に位置する。
図3(a)、図3(b)により、支持部材50は、縦1次振動と屈曲2次振動の両方の節が最も近づいた位置において振動体20を支持することになり、これらの振動に影響を与えることなしに振動体20を支持することができる。
図3(c)は、電極31,33,34と補強板72に励振電圧を印加した際の駆動端部材80の動きを示している。図3(c)において、駆動端部材80は、縦1次振動と屈曲2次振動が複合されることで、振動体20の振動方向が、振動体20の面内方向において矢印H方向の回転軌跡を有する楕円運動をする。駆動端部材80は、この楕円運動の一部において、楕円運動の向きと力に応じた駆動力を被駆動体であるロータ101に与える(図4(a)、参照)。
なお、ロータ101に与える駆動力の向きを逆にし、ロータ101の回転を逆にするためには、励振電圧を印加する電極を、中心節部Gを中心に線対称とするか、一方の電極を逆位相で駆動すればよい。すなわち、電極32,33,35と補強板72に電圧を印加することで、駆動端部材80は逆向きの楕円運動を描き、この楕円運動に応じた向きに駆動力が働く。この際、駆動端部材80とロータ101の当接位置と角度を適宜調整することが好ましい。
なお、本実施形態では、電圧を印加しない電極(図3(a)では電極32,35に相当)は振動検出に用いられ、接続片91c,92a(図4(a)、参照)を介して検出信号が、図示しない検出回路に送られる。これにより、振動体20の振動を検出し、フィードバック制御により電極に印加する電圧を調整することが可能になる。
(実施形態1の圧電アクチュエータを備える機器)
続いて、本発明の実施形態1による圧電アクチュエータ10を備える機器について図面を参照して説明する。
図4(a)は、本発明による機器1の圧電アクチュエータ周辺を示す部分平面図、図4(b)は、図4(a)に表すB−B断面を示す断面図である。図4(a)、(b)において、本実施形態の圧電アクチュエータ10を備える機器1は、圧電アクチュエータ10と、圧電アクチュエータ10に励振電圧を供給する電圧供給手段としての駆動回路や検出回路(図示しない)と、この電圧供給手段と圧電アクチュエータ10とを接続するための回路基板91,92と、圧電アクチュエータ10を被駆動体としてのロータ101に向かって付勢するための付勢手段としてのバネ95と、を備えて構成されている。
圧電アクチュエータ10は、実施形態1において説明しているので説明を省略するが、電極31〜35及び補強板72に接続する接続端子62〜67が支持部材50の枠部51に植立されている。そして、回路基板91,92のそれぞれに形成される電極パターンから延在された接続片91a〜91c及び92a〜92cが、これら接続端子62〜67の端面に接続されている。
回路基板91,92は、可撓性を有するフレキシブル基板であって、振動体20の枠部51の側面両側から枠部51に向かって延在され、表面に複数の電極パターンが形成されている。電極パターンは、回路基板91,92の外形から接続片91a〜91c及び92a〜92cが延在されている。接続片91a〜91c及び92a〜92cは、枠部51の側面に対して平行に折り曲げられ、上述の接続端子に接続されている。
また、回路基板91,92に形成される前述の接続片91a〜91c及び92a〜92cのそれぞれに連続する電極パターンは、図示しない駆動回路、検出回路に接続されている。
支持部材50に形成される角部52は、付勢手段としてのバネ95から付勢される被付勢部である。バネ95は、本実施形態では、コイルバネを例示している。バネ95の一方の端部は角部52の支持軸53から離れた側面位置に当接し、他方の端部は、機器1に設けられる押圧壁93に当接し、角部52を矢印D方向に付勢している。
従って、圧電アクチュエータ10は、支持軸53を回転中心として、被駆動体としてのロータ101の方向に回転され(矢印E方向)、駆動端部材80がロータ101の接触側面に付勢される。振動体20は、励振電圧を印加されると、前述した振動形態(図3、参照)で振動し、駆動端部材80が矢印H方向に楕円運動をしてロータ101を矢印F方向に回転する。ロータ101の回転は、伝達機構としての伝達歯車(図示せず)に伝達され、所定の回転速度に増減速される。
圧電アクチュエータ10は、第1基板97と第2基板98との間で軸支されている(図4(b)、参照)。圧電アクチュエータ10は、支持部材50の上下面それぞれに形成される支持軸53で第1基板97と第2基板98とによって軸支され、振動体20は、第1基板97、第2基板98とは接触せず、中空に浮いた状態で支持されている。
なお、図4(a)では、ロータ101は、振動体20の両端部に設けられるように図示しているが、どちらか一方だけ備えることも、両方に備えることもできる。両方に備える場合は、2系統の伝達機構を有することができ、機器の応用範囲をひろげることが可能になる。
従って、前述した実施形態1によれば、圧電素子30の両面に第1補強板71と第2補強板72とを接合しているため、圧電素子30の両面を補強し、前述した従来技術による一枚の補強板の両面に圧電素子を接合する構造に比べ、圧電素子30接合面に発生する剪断力を小さくすることができ、圧電素子30の欠けや割れ、接着面の剥がれ等を低減することができる。このことから、所望の振動特性を安定して維持することができる。
また、第1補強板71と第2補強板72とが、それぞれのヤング率、厚み及び形状が略等しい(弾性特性を等しく設定している)ため、圧電素子の表裏それぞれの接合面において発生する剪断力が、補強板が一枚のときに比べ約半分になり、より一層、圧電素子の欠けや割れ、接着面の剥がれ等を低減することができる。
さらに、第1補強板71と第2補強板72の熱膨張率が略等しいので、温度変化によって熱膨張率が異なる部材を接合したときに発現する剪断応力を略半分に低減し、破壊しにくくなることで、温度変化があっても所望の振動特性を維持することができる。
また、振動体20の長手方向端部に、被駆動体としてのロータ101に駆動力を伝達するための硬質材料からなる駆動端部材80を備えることで、ロータ101との間の磨耗を低減することができ、駆動端部材80とロータ101との接触状態を初期の状態で維持し、正確で安定した駆動力を伝達することができる。
また、振動体20は、中心節部G近傍の断面周囲を巻回して形成される支持部材50によって支持されるので振動の妨げにならず、振動体20を安定した姿勢で保持することができる。また、電極31〜35及びアース電極としての第2補強板72と電圧印加手段との接続を支持部材50に挿通して設けられる接続端子62〜67で行うので、多数の電極を有する構造であっても、狭いスペースで電圧印加手段との接続を行うことができる。
また、本実施形態の機器1は、前述した圧電アクチュエータ10を備えているので、前述したような効果を奏することができ、バネ95によって、振動体20を振動の面内方向にある被駆動部材としてのロータ101に付勢しているので、確実に駆動力をロータ101に伝達することができる。
また、製造上において、振動体20及びロータ101の形状誤差、位置誤差が発生しても確実に振動体20とロータ101との接触を得ることができ、安定した駆動力を伝達することができ、高効率で良好な振動と駆動力の伝達が可能な機器を実現できる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る圧電アクチュエータについて図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1の振動体20を2層に積層したことに特徴を有し、一つ一つの振動体20は実施形態1と同じであるため共通部分の説明を省略し、同じ符号を附して説明する。なお、支持部材は、振動体120の中心節部近傍の断面周囲に巻回するように形成されており、基本構造は、実施形態1(図2、参照)と同じであるため省略している。
図5(a)は、実施形態2に係る振動体120の長手方向の一方の側面を示す側面図である。図5(a)において、振動体120は、実施形態1(図1、参照)に示す振動体20を2層に積層して構成されている。従って、振動体20は、圧電素子30の両面に第1補強板71及び第2補強板72が接合されており、その長手方向端部には、駆動端部材80が設けられている。ここで、上層の振動体20の第2補強板72と下層の振動体20の第1補強板71とが貼着固定され、同様に、上層の駆動端部材80と下層の駆動端部材80とが貼着され、これら2層の振動体は密着固定されている。
圧電素子30の表面に形成される複数の電極構成も実施形態1と共通に形成されており、それぞれの電極からは、上下層の圧電素子30それぞれの側面に側面電極33a,34a,35aが形成されている。側面電極33a,34a,35aの範囲内に、図中、破線で表す接続部33b,34b,35bが設けられている。
図5(b)は、この振動体120の他方の側面を示す側面図である。上下層の圧電素子30それぞれの側面に側面電極31a,32bが形成されている。側面電極31a,32a、の範囲内に、図中、破線で表す接続部31b,32bが設けられている。また、上下層の第2補強板72それぞれには、接続部72aが示されている。
これら接続部31b〜35b及び72aには、それぞれに対応した接続端子が接続され、振動体120は、実施形態1と同様に励振電圧が電圧印加手段から印加されると、図3で示した振動形態で屈曲振動する。
なお、上下層の電極は、振動体の接合面に対して面対称になるように形成することができ、この場合、2層の振動体の接合に導電性接着剤を用いれば、接続部72aは、この接合された補強板の1箇所に設ければよい。
また、駆動端部材80は、上層側の振動体のみに設けても、下層側の振動体のみ設けてもよい。
(実施形態2の変形例1)
次に、前述した実施形態2の変形例1について図面を参照して説明する。変形例1は、実施形態2で示した上下層の振動体接合面にある第2補強板72と第1補強板71とを一体で形成していることに特徴を有している。
図6は、変形例1による振動体220を示す側面図である。図6において、上層の圧電素子30の表裏面には、それぞれ第1補強板71と第3補強板73とが接合され、下層の圧電素子30の表裏面には、それぞれ第3補強板73と第2補強板72とが接合されている。
ここで、第3補強板73は、実施形態1において接合される第2補強板72と第1補強板71とが一体で形成された一枚の補強板である。実施形態1では、第1補強板71と第2補強板72とは、同じ材質、同じ厚み、同じ形状で形成されており、従って、第3補強板73の厚みは、第1補強板71及び第2補強板72のそれぞれの厚みの2倍となっている。
振動体220は、この第3補強板73の厚みの中央に仮想分割線Cが存在すると考えると、実施形態1と全く同じ振動形態を有することになる。
振動体220の長手方向端部には、実施形態1,2と同じ平面位置に駆動端部材82が、絶縁性接着剤81によって貼着されている。駆動端部材82は、半円柱形状をしており、振動体220の総厚みの長さを有している。
また、駆動端部材82は、総厚みに相当する長さに限らず、振動体220の断面方向の位置において、ロータ101の接触面との関係から断面方向のおいて任意位置、または任意長さに設定することができる。
(実施形態2の変形例2)
次に、本発明の実施形態2の変形例2に係る圧電アクチュエータについて図面を参照して説明する。変形例2は、前述した実施形態2において(図5、参照)、振動体120が2層に積層されていることに対して、さらに多層にしたことに特徴を有し、ここでは、3層構成を例示して説明する。一つ一つの振動体20は実施形態1と同じであるため共通部分の説明を省略し、同じ符号を附して説明する。なお、支持部材は、振動体320の中心節部近傍の断面周囲に巻回するように形成されており、基本構造は、実施形態1(図2、参照)と同じであるため省略している。
図7(a)は、変形例2に係る振動体320の長手方向の一方の側面を示す側面図である。図7(a)において、振動体320は、実施形態1(図1、参照)に示す振動体20を3層に積層して構成されている。従って、各振動体20は、圧電素子30の両面に第1補強板71及び第2補強板72が接合されており、その長手方向端部には、駆動端部材80が設けられている。ここで、上層の振動体20の第2補強板72と中層の振動体20の第1補強板71とが接合され、同様に、上層の駆動端部材80と中層の駆動端部材80とが貼着されている。
また、中層の振動体20の第2補強板72と下層の振動体20の第1補強板71とが接合され、同様に中層の駆動端部材80と下層の駆動端部材80とが貼着されている。このようにして、これら3層の振動体それぞれが密着固定されている。
圧電素子30の表面に形成される複数の電極構成も実施形態1と共通に形成されており、それぞれの電極からは、上層、中層、下層の圧電素子30それぞれの側面に側面電極33a,34a,35aが形成されている。側面電極33a,34a,35aの範囲内に、図中、破線で表す接続部33b,34b,35bが設けられている。
図7(b)は、振動体320の他方の側面を示す側面図である。変形例1と同様に、圧電素子30の表面に形成される電極のうち、上述した電極以外の電極からは、上層、中層、下層の圧電素子30それぞれの側面に側面電極31a,32aが形成されている。。側面電極31a,32a、の範囲内に、図中、破線で表す接続部31b,32bが設けられている。また、3枚の第2補強板72それぞれには、接続部72aが示されている。
これら接続部31b〜35b及び72aには、それぞれに対応した接続端子が接続され、振動体320は、実施形態1と同様に励振電圧が電圧印加手段から印加されると、図3で示した振動形態で屈曲振動する。
なお、上層、中層、下層それぞれの圧電素子30に設けられる電極は、振動体の接合面に対して面対称になるように形成することができ、この場合、重なり合う補強板71,72の接合に導電性接着剤を用いれば、接続部72aは、この接合された補強板のどちらか一方に設ければよい。
また、駆動端部材80は、ロータ101の接触面との関係から、上層、中層、下層それぞれに設けても、どちらか一つに設けても、例えば、上層と下層、上層と中層、中層と下層というように組み合わせることも可能である。
(実施形態2の変形例3)
次に、前述した実施形態2の変形例3について図面を参照して説明する。変形例3は、変形例2の上層、中層、下層のそれぞれの振動体接合面にある第2補強板72と第1補強板71とを一体で形成していることに特徴を有している。
図8は、変形例3による振動体420を示す側面図である。図8において、上層の圧電素子30の表裏面には、それぞれ第1補強板71と第3補強板73とが接合され、中層の圧電素子30の表裏面には、それぞれ第3補強板73が接合されている。
また、下層の圧電素子30表裏面には、それぞれ第3補強板73と第2補強板72とが接合されている。ここで、第3補強板73は、変形例2において接合される第2補強板72と第1補強板71とが一体で形成された一枚の補強板と同じである。実施形態2では、第1補強板71と第2補強板72とは、同じ材質、同じ厚み、同じ形状で形成されており、従って、第3補強板73の厚みは、第1補強板71及び第2補強板72のそれぞれの厚みの2倍となっている。
振動体420は、この第3補強板73の厚みの中央に仮想分割線Cが存在すると考えると、実施形態1,2と全く同じ振動形態を有することになる。
振動体420の長手方向端部には、実施形態1,2と同じ平面位置に駆動端部材83が、絶縁性接着剤81によって貼着されている。駆動端部材83は、半円柱形状をしており、振動体420の総厚みの長さを有している。
なお、駆動端部材83は、振動体420の総厚みの長さに限らず、振動体420の断面方向の位置において、ロータ101の接触面との関係から任意位置または任意長さに設定することができる。
また、前述の実施形態2(変形例1〜変形例3を含む)では、圧電素子を2層、3層構成を例示して説明したが、4層以上の多層構成にも応用することができる。
従って、前述した実施形態2によれば、振動体20を複数積層し、下層の振動体の第1補強板71と上層の振動体の第2補強板72とを接合し、積層された振動体が構成される。各圧電素子30の両面に補強板が接合されることから、積層型の振動体においても、前述したような圧電素子30の欠けや割れ、接着面の剥がれ等を低減することができるという効果を有する。
また、変形例1,3では、積層される圧電素子30の接合面側の補強板が第3補強板73で構成されることから、前述の効果を得ることができる他、補強板の数を減らせ、部品点数を削減できるので、接合回数を減ずることからコストの低減に寄与する。
さらに、第3補強板73の厚みを、第1補強板71または第2補強板72の厚みの2倍に設定することで、従来技術のような補強板を一枚備える構造に比べ、圧電素子30の接合面における剪断力を約半分に抑えることができる。
また、積層された振動体の断面方向において、駆動端部材82または83の位置、長さを選択的に設定することで、ロータ101との接触において、最適な断面方向の位置及び長さに駆動端部材80を備えることができ、確実な駆動力の伝達を可能にし、ロータ101との間の磨耗をより一層低減することができる。
さらに、振動体を複数積層することで、高出力の圧電アクチュエータを提供することができ、多層構成にしても、平面スペースは単層構成と同じにすることができ、機器の小型化を可能にする。
(実施形態3)
続いて、本発明の実施形態3について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1,2が、駆動端部材80,82,83を備えている構造に対し、補強板の端部に駆動端部材に相当する形状の駆動端部を設けたことを特徴としている。実施形態1,2と異なる部分のみ説明する。なお、1層構成も多層構成も技術思想は同じであるため、1層構成(図1も参照する)を例示して説明する。実施形態1と共通部分は、同じ符号を附している。
図9(a)は、実施形態3に係る振動体520の側面図、図9(b)は、平面図である。図9(a)、(b)において、圧電素子30の表裏面に接合される補強板84には、長手方向方向端部に駆動端部84aがそれぞれ形成されている。駆動端部84aの平面形状は、実施形態1(図1(a)、参照)の駆動端部材80と同じに設定されている。また、形成される平面位置も同じである。
なお、駆動端部84aは、圧電素子30の上面の補強板のみに形成しても、下面の補強板のみに形成してもよく、被駆動体としてのロータ101(図4(a)、参照)の接触面との関係から選択的に形成することができる。
前述した実施形態2(変形例含む)の多層構成の振動体にも、この構造を応用することができるが、この場合、全ての補強板に駆動端部84aを形成しても、一つの補強板に形成しても、いくつかの補強板を組み合わせて形成してもよい。
従って、実施形態3によれば、補強板84に駆動端部84aを形成しているので、別の駆動端部材80または82または83を設ける必要がなくなり、構造を簡素化することができる。また、多層構成の場合、各補強板に対して駆動端部84aを、ロータ101の接触面に対応して一つまたは複数個形成することで、望ましいロータ101との接触状態を得ることができる。さらに、構成する全ての補強板に駆動端部を設ければ、前述した実施形態1,2の駆動端部材80,82,83を別に設ける構造に近い磨耗低減等の効果を得ることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態の支持部材50の構造、電圧印加手段と振動体20との接続構造は、本発明の目的を達成できる他の構造を採用することができる。
また、前述の実施形態では、支持部材50に接続端子62〜67をインサート成形しているが、支持部材50に貫通孔を開設して、この貫通孔に接続端子62〜67を挿着する構造とすることができ、また、この貫通孔に回路基板91,92に形成される接続片91a〜91c及び92a〜92cを挿入して、直接、接続片と電極31〜35及び補強板71または72または73に接続する構造を採用することもできる。
さらに、前述の実施形態1,2では、駆動端部材80,82,83を設け、実施形態3では、補強板84に駆動端部84aを形成しているが、圧電素子30に駆動端部を形成し、または、圧電素子及び補強板の駆動端部とを組み合わせてもよい。
従って、前述の実施形態1〜実施形態3によれば、圧電素子と補強板との接合面の剥離、圧電素子の欠け、温度による変形を防止し、所望の振動特性を維持し、高効率、高出力の圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータを備える機器を提供することができる。
(a)は、本発明の実施形態1に係る振動体を示す斜視図、(b)は、図1(a)において矢印A方向から側面を視認した部分側面図。 本発明の実施形態1に係る圧電アクチュエータを示す斜視図。 本発明の実施形態1に係る振動体の振動形態を模式的に示す平面図。 (a)は、本発明の実施形態1に係る機器の圧電アクチュエータ周辺を示す部分平面図、(b)は、図4(a)に表すB−B断面を示す断面図。 (a)は、本発明の実施形態2に係る振動体の長手方向の一方の側面を示す側面図、(b)は、圧電素子の他方の側面を示す側面図。 本発明の実施形態2の変形例1に係る振動体を示す側面図。 (a)は、本発明の実施形態2の変形例2に係る振動体の一方の側面を示す側面図、(b)は、他方の側面を示す側面図。 本発明の実施形態2の変形例3に係る振動体を示す側面図。 (a)は、本発明の実施形態3に係る振動体の側面図、(b)は、平面図。 (a)は、特許文献1の構造を模式的に表す側面図、(b)は、圧電素子が伸張された場合を示す平面図、(c)は、圧電素子が収縮された場合を示す平面図。
符号の説明
1…機器、10…圧電アクチュエータ、20…振動体、30…圧電素子、50…支持部材、71…第1補強板、72…第2補強板、73…第3補強板、80…駆動端部材、101…被駆動体としてのロータ。

Claims (11)

  1. 矩形薄板状の圧電素子を含む振動体を有するとともに、前記振動体の振動方向が当該振動体の面内方向である圧電アクチュエータであって、
    前記圧電素子の主面の表面、裏面それぞれに接合される第1補強板と第2補強板と、
    前記振動体の振動の中心節部となる位置近傍に形成される支持部材と、
    を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記第1補強板と前記第2補強板とが、弾性特性または熱膨張率が略等しいことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記振動体が、厚み方向に複数積層され、前記振動体の重なりあう前記第2補強板と前記第1補強板とが密着接合されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 請求項3に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    積層された前記振動体の重なりあう前記第2補強板と第1補強板とが、一体で形成される第3補強板であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記第3補強板が、前記第1補強板または前記第2補強板の約2倍の厚みを有することを特徴とする圧電アクチュエータ。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記振動体が、当該振動体の長手方向端部に、被駆動体に駆動力を伝達するための駆動端部材を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  7. 請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    積層された前記複数の振動体のうち、選択された振動体に前記駆動端部材を備えるか、または、積層された振動体の総厚みに相当する長さを有する前記駆動端部材を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  8. 請求項6または請求項7に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記駆動端部材が、前記第1補強板、または前記第2補強板、または前記第3補強板の少なくとも一つが、延在されて形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記圧電素子の一方の主面に形成される複数の電極が、前記圧電素子の幅方向の側面に形成され、前記複数の電極の上面に絶縁層が設けられており、
    前記圧電素子の他方の主面に形成される電極が、前記第1補強板または前記第2補強板または前記第3補強板のいずれかに接続されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記振動体には、当該振動体の振動の中心節部となる位置近傍の断面周囲を巻回して、前記振動体を支持する支持部材が設けられ、
    前記複数の電極と前記複数の電極に電圧を印加する電圧印加手段との間に、前記支持部材に挿通して設けられる接続端子を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  11. 少なくとも、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータを構成する振動体を振動の面内方向にある被駆動部材と、
    前記振動体を前記被駆動部材に付勢するための付勢手段と、
    前記圧電アクチュエータに駆動電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えていることを特徴とする機器。
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