JP2002319717A - 圧電アクチュエータ - Google Patents
圧電アクチュエータInfo
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- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
供する。 【解決手段】 圧電アクチュエータの一形態であるバイ
モルフ素子10は、補強板11に平板状の圧電素子12
a・12bを貼り合わせた構造を有する。補強板11
を、弾性率の異なる材料が厚み方向に積層された構造、
例えば、樹脂シート13の両主面に金属箔14a・14
bを貼り合わせた構造とすることで制振性を向上させ
た。
Description
決め装置やスイッチング素子等に用いられる圧電アクチ
ュエータに関する。
として、図6(a)に示すように、薄板状の圧電板91
の両主面に電極92a・92bが形成されて圧電板91
の厚み方向に分極処理が施された圧電素子93を、シム
材と呼ばれる所定の厚みを有する薄い金属板94の主面
の一方に貼り合わせてなるモノモルフ素子90が知られ
ている。モノモルフ素子90の長手方向の一端は、固定
手段96を用いて所定位置に固定される。
1の分極の向きと同じ向きに電界を加えると、厚み−縦
変位によって圧電板91の厚みが厚くなるように、か
つ、逆に厚み−横変位によって圧電板91の長手方向長
さが短くなるような変位を生ずる。このとき、圧電素子
93が金属板94に貼り合わされているために、圧電素
子93側の円弧の内側となるような屈曲変位が生ずる
(図6(b))。また、圧電板91の分極方向とは逆の
方向に電界を加えると、圧電板91の厚みが薄くなるよ
うに、かつ、圧電板91の長手方向長さが伸長するよう
な変位を生じ、この場合には、圧電素子93側が円弧の
外側となるような屈曲変位が生ずる(図6(c))。
電素子93に印加する電圧によって制御することがで
き、こうして、モノモルフ素子90は、位置決め装置や
スイッチング素子に用いられる。なお、シム材の両主面
にそれぞれ圧電素子を貼り合わせた構造を有するいわゆ
るバイモルフ素子の場合には、一方の圧電素子の長手方
向長さが伸長するときには他方の圧電素子の長手方向長
さが短くなるように、圧電素子をシム材に貼り合わせる
ことで、より大きな変位を得ることができるようにな
る。
等においては、シム材として金属板を用いることが、い
わば常識とされていた。しかしながら、単一素材の金属
板には、固有の共振振動が発生しやすく、制振性が悪い
という問題があった。モノモルフ素子等において制振性
が悪い場合には、応答速度が遅く、また、位置決め精度
が低下するという様々な問題を引き起こす。
題点に鑑みてなされたものであり、制振性を向上させた
圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
ば、補強板に平板状の圧電素子を貼り合わせてなる圧電
アクチュエータであって、前記補強板は、弾性率の異な
る材料が厚み方向に積層された構造を有することを特徴
とする圧電アクチュエータ、が提供される。
は、補強板として、樹脂と金属とを積層した積層体を用
いることが好ましい。また、補強板は、シート状の樹脂
の主面の少なくとも一方に導体、好ましくは金属箔等の
金属板が設けられたプリント配線基板を用いることが好
ましい。補強板に樹脂を用いる場合、この樹脂としては
液晶ポリマー樹脂が好適に用いられる。このような弾性
率の異なる材料からなる補強板を用いることによって、
固有の共振振動が発生し難くなり、圧電アクチュエータ
の駆動時における制振性が高められる。本発明の圧電ア
クチュエータは、このような補強板の両主面に圧電素子
を貼り合わせたバイモルフ型構造として用いることが好
ましい。
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明の圧電ア
クチュエータの一実施形態であるバイモルフ素子10の
構造を示す断面図であり、図2はバイモルフ素子10を
直流電圧により駆動した場合の変異形態を示す説明図で
あり、図3はバイモルフ素子10を交流電圧により駆動
した場合の変異形態を示す説明図である。
面にそれぞれ圧電素子12a・12bが貼り合わされて
構成され、補強板11は、樹脂シート13の両主面に金
属箔(金属板)14a・14bが貼り合わされた積層構
造を有している。また、圧電素子12aは、所定厚みを
有する平板状の圧電体15aの両主面に電極16a・1
6a´が形成された構造を有し、同様に、圧電素子12
bは所定厚みを有する平板状の圧電体15bの両主面に
電極16b・16b´が形成された構造を有している。
ー樹脂等を挙げることができる。液晶ポリマー樹脂を用
いた場合には、熱融着によって金属箔14a・14bを
貼り合わせることが可能であるために、接着剤を用いて
樹脂シート13に金属箔14a・14bを貼り合わせる
場合と比較すると、樹脂シート13と金属箔14a・1
4bとが剥離し難く、信頼性が高められる。
に用いられるが、アルミニウム箔等であってもよい。液
晶ポリマー樹脂シートに銅箔を貼り合わせた積層体シー
トは、いわゆるプリント配線基板として入手も容易であ
ることから、このような積層体シートを用いることで生
産コストの低減や生産性の向上を図ることができる。
厚み方向に積層した構造を有する補強板11を用いるこ
とで、共振振動の発生が抑制されて制振性が高められ、
バイモルフ素子10を駆動させたときの応答性を向上さ
せることができる。
19が取り付けられており、圧電素子12a・12bに
所定の電圧を印加してバイモルフ素子10を駆動させた
ときには、固定治具19が取り付けられていない他端が
変位するようになっている。
特性を有するチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミック
スが好適に用いられる。電極16a・16a´・16b
・16b´は、板状の圧電セラミックスの両主面に銀ペ
ースト等の電極ペーストをスクリーン印刷法等を用いて
印刷し、焼成することで形成することができる。電極1
6a・16a´・16b・16b´の厚みは、スクリー
ン印刷法を用いる場合には、一般的に、2〜8μmとさ
れる。
状とされ、圧電素子12a・12bと補強板11との間
の接着には、絶縁性接着剤または導電性接着剤のいずれ
かが用いられる。絶縁性接着剤を用いた場合には、圧電
素子12aの電極16a´と補強板11の金属箔14a
とが一部で接触するように、また、圧電素子12bの電
極16b´と補強板11の金属箔14bとが一部で接触
するように、接着層の厚みを薄くする。なお、図1から
図3においては、この接着層は図示していない。
電素子12aにおける電極16aと圧電素子12bにお
ける電極16bとを短絡して、これらの端子を電源に接
続することで、圧電素子12a・12bを同時に駆動す
ることができる。このとき、圧電体15a・15bには
補強板11を挟んで逆向きの電界が印加されるため、圧
電素子12a・12bは、圧電体15a・15bの分極
の向きがともに同じ向きとなるようにする。
電素子12a・12bに直流電圧を印加した場合には、
圧電素子12aにおいて圧電体15aにおける分極の向
きと電界の向きが一致することによって、圧電素子12
aが厚み−横効果によって長手方向に縮むならば、圧電
素子12bにおいては圧電体15bにおける分極の向き
と電界の向きが逆向きとなるために、圧電素子12bは
厚み−横効果によって長手方向に伸長し、この結果、補
強板11の先端が圧電素子12a側に移動するようにバ
イモルフ素子10全体が反るように変形する。
・12bに交流電圧を印加した場合には、圧電素子12
a・12bの一方が長手方向に伸長するときには他方が
長手方向に縮むために、補強板11の先端が圧電素子1
2a側と圧電素子12b側に交互に移動するように、バ
イモルフ素子10全体が交流電圧の周波数に依存して屈
曲変位する。なお、圧電素子12a・12bの補強板1
1への接着は、圧電素子12a・12bにおける圧電体
15a・15bの分極が行われた後に、分極の向きを考
慮して行う。
子10と従来のバイモルフ素子との特性比較を図4に示
す。図4(a)は、上述した構造を有するバイモルフ素
子10の駆動特性を示した説明図であり、また、図4
(b)は、図5の断面図に示すように、圧電素子12a
と同様の構造を有する圧電素子82a・82bを金属板
81をシム材として用いた従来のバイモルフ素子80の
駆動特性を示した説明図であり、ともに、所定の直流電
圧を印加してバイモルフ素子10・80に屈曲変位を起
こさせた状態から、電圧印加を停止して静止するまでの
動作特性を示している。
mm、幅8mm、厚さ180μmの圧電素子12a・1
2bを、長さ55mm、幅8mm、厚み200μmの補
強板11に貼り合わせた構造を有し、補強板11は厚み
100μmの液晶ポリマー樹脂シートの両主面に厚さ5
0μmの銅箔を貼り合わせたプリント配線基板である。
一方、バイモルフ素子80は、長さ50mm、幅8m
m、厚さ180μmの圧電素子12a・12bを、長さ
55mm、幅8mm、厚み50μmの42アロイ板に貼
り合わせた構造を有している。
フ素子80では振動停止まで約60ミリ秒(ms)の時
間を要しているが、本発明に係るバイモルフ素子10で
は約16ミリ秒(ms)で振動が停止しており、優れた
制振性を有していることがわかる。本発明に係るバイモ
ルフ素子10は、このような制振性に起因して、所定の
直流電圧または交流電圧によってバイモルフ素子10を
駆動した場合にも、所定の変位量に落ち着くまでの時間
が短いという良好な応答性を示す。従って、例えば、バ
イモルフ素子10によって精密位置決めを行う場合に
は、位置決め精度が向上し、また、バイモルフ素子10
をスイッチング素子として用いた場合には、スイッチン
グのオン/オフの信頼性が高められる。
の形態について、バイモルフ素子を例として説明した
が、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、当然に、図6に示したモノモルフ素子にも適用する
ことができる。また、補強板11として樹脂シート13
に金属箔14a・14bを貼り合わせた構造のものを示
したが、樹脂シート13に対して無電界メッキ等を施す
ことが可能であれば、このような方法によって所定のメ
ッキ膜を樹脂シート13に形成してもよい。さらに、金
属箔14a・14bに代えて、他の導体、例えば、カー
ボンシートや導電性樹脂シートを液晶ポリマー樹脂等の
樹脂シート13に貼り合わせた補強板を用いることも可
能であり、樹脂シート13を複数の樹脂シートからなる
積層構造とすることも可能である。
動することが可能である限りにおいて、必ずしも補強板
11の表面に導体は必要とされない。つまり、金属箔や
金属板を樹脂シートで挟んだ積層構造を有する補強板を
用いてもよく、補強板11は必ず導体を含んでいなけれ
ばならないものではない。弾性率の異なる材料の積層体
である限りにおいて、各層を構成する材料は複数種の材
料を混合等して構成された複合材料であっても構わな
い。
タによれば、異なる弾性率を有する材料を厚み方向に積
層した補強板を用いることで共振振動が起こり難くなる
ため、制振性が高められ、応答性が向上する。こうし
て、本発明の圧電アクチュエータを位置決め装置として
用いた場合には、短時間で高精度な位置決めを行うこと
が可能となり、また、スイッチング素子として用いた場
合には、オン/オフのスイッチング動作の信頼性が高め
られるという顕著な効果を奏する。
す断面図。
す説明図。
す別の説明図。
フ素子の制振性を比較した説明図。
Claims (5)
- 【請求項1】 補強板に平板状の圧電素子を貼り合わせ
てなる圧電アクチュエータであって、 前記補強板は、弾性率の異なる材料が厚み方向に積層さ
れた構造を有することを特徴とする圧電アクチュエー
タ。 - 【請求項2】 前記補強板は、樹脂と金属とを積層した
構造を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電ア
クチュエータ。 - 【請求項3】 前記補強板は、シート状の樹脂の主面の
少なくとも一方に導体が設けられたプリント配線基板で
あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
圧電アクチュエータ。 - 【請求項4】 前記補強板の両主面に前記圧電素子を貼
り合わせたバイモルフ型構造を有することを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧電アク
チュエータ。 - 【請求項5】 前記補強板を構成する1の材料が、液晶
ポリマー樹脂であることを特徴とする請求項1から請求
項4のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
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2001
- 2001-04-23 JP JP2001123861A patent/JP3535111B2/ja not_active Expired - Fee Related
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