JP5555473B2 - リターナブルガラスびんの製造方法及びリターナブルガラスびん - Google Patents

リターナブルガラスびんの製造方法及びリターナブルガラスびん Download PDF

Info

Publication number
JP5555473B2
JP5555473B2 JP2009253621A JP2009253621A JP5555473B2 JP 5555473 B2 JP5555473 B2 JP 5555473B2 JP 2009253621 A JP2009253621 A JP 2009253621A JP 2009253621 A JP2009253621 A JP 2009253621A JP 5555473 B2 JP5555473 B2 JP 5555473B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass bottle
returnable
shoulder
main axis
resin coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009253621A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011098850A (ja
Inventor
和弘 平石
朝巳 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Priority to JP2009253621A priority Critical patent/JP5555473B2/ja
Publication of JP2011098850A publication Critical patent/JP2011098850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5555473B2 publication Critical patent/JP5555473B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

本発明は、エンボス部を有するガラスびんの外表面に、均一な樹脂コーティング膜を形成することができるリターナブルガラスびんの製造方法及びそれによって得られるリターナブルガラスびんに関する。
リターナブルガラスびんは、ビールや牛乳などが充填され、使用後に回収、洗浄された後、再度内容物を充填して数十回繰り返し使用される。このようなリターナブルガラスびんの外表面には、傷防止、強度確保、外観品質維持、万一割れたときの飛散防止、着色などを目的として、樹脂コーティングが施されている。
このような樹脂コーティングが施されたリターナブルガラスびんの製造方法において、ガラスびんの外表面に樹脂コーティングを施す方法としては、コーティング液をスプレーガンのノズルからガラスびんに向けて吹き付ける、所謂スプレー塗布法(例えば、特許文献1を参照。)、コーティング液で満たされたディップ槽にガラスびんを浸漬する、所謂ディッピング法(例えば、特許文献2又は3を参照。)、その他、刷毛塗り法、フローコーティング法がある(例えば、特許文献4を参照。)。
また、リターナブルガラスびんの側面には、社名、ロゴ、マーク、デザインなどをガラスびん素地で表現するための凹凸模様(いわゆるエンボス)を設けることがある。ガラスびん表面にエンボス部を成形する方法としては、例えば、ガラスびん成形の仕上げ型の表面に凹部を設け、当該凹部によって、ガラスびんの表面に凸部を成形する方法、表面に凹凸が設けられた粗型でパリソンを成形し、続いて、平滑な内表面を有する仕上げ型を使用して、びんを仕上げることで内表面に凹凸を成形し、結果としてガラスびんに凹凸模様を表現する方法がある(例えば、特許文献5を参照。)。
他方で、製造時、輸送時の省エネルギー、省資源、二酸化炭素排出量の削減、ユニバーサルデザインの観点から、軽量リターナブルガラスびんの開発が進められている。例えば、ビール、炭酸飲料などの容器として使用されるときは、炭酸ガスによる内圧に耐えることができ、かつ、繰り返し使用に耐えられる強度が必要となる。軽量リターナブルびんにおいて、強度を付与し、数十回の繰り返し使用に耐えるコーティング膜の耐久性が求められている。
特開2002−363496号公報、段落0047 特開2000−335582号公報 特開2000−281385号公報 特開平9−239311号公報、段落0061 特開平8−175824号公報
リターナブルガラスびんのコーティング膜には、再使用の都度行われる高温のアルカリ水による洗浄に対する耐久性、びん同士の擦れに対する耐磨耗性が要求される。本発明者らは、数十回の使用での耐久性を得るためには、ガラスびん外周のコーティング膜厚を所定の厚さ以上確保する必要があることを見出した。特に、エンボス部では、目標とするコーティング膜厚を確保することが困難であり、コーティング膜の剥離が発生しやすい。結果として、耐アルカリ性、耐摩耗性が低下し、致命的な欠点となる。
そこで、本発明の目的は、ガラスびんの外表面に樹脂コーティング液による塗膜が形成されてなるリターナブルガラスびんの製造方法において、ガラスびんの外表面、特には、ガラスびんの側面に設けられたエンボス部に、均一で十分な膜厚の樹脂コーティング液による塗膜を有し、数十回の使用に耐えうるリターナブルガラスびんを製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、ガラスびんをディップ槽に浸漬したときの樹脂コーティング液の挙動及びディップ槽から離脱後の樹脂コーティング液の挙動に着目し、特に肩部における液たまり又は液流れ落ちが起こりにくい形状に設計したガラスびんであり、かつ、樹脂コーティング液が多く流れる位置にエンボス部を設けたガラスびんを使用することで、ガラスびんの外表面、特には、ガラスびんの側面に設けられたエンボス部に均一な膜厚の塗膜を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るリターナブルガラスびんの製造方法は、口部と、該口部の下方に連接した首部と、該首部に肩部を介して下方に連接した胴部と、該胴部に裾部を介して連接した底部とを有するガラスびんの外表面に樹脂コーティング液による塗膜が形成されてなるリターナブルガラスびんの製造方法において、前記ガラスびんとして、前記肩部が、前記首部の下端部と、前記胴部の上端部とをつなぐように下方に向かって拡径した形状を有し、前記ガラスびんの主軸と、該主軸を通る縦断面上にある肩部の接線とのなす肩傾斜角度の最大角度をθ1とし、前記ガラスびんの主軸と、該主軸を通る縦断面上にある前記首部の上端及び前記裾部の下端を結んで得られる母線とのなす角度をθ2とし、θ1とθ2との合計(θ1+θ2)が、35〜40°であり、かつ、前記肩部の上半分の領域にエンボス部が設けられたガラスびんを使用し、該ガラスびんを、前記母線と、樹脂コーティング液で満たしたディップ槽の液面とが一致するように浸漬し、前記主軸を中心に前記ガラスびんを回転させて、前記ガラスびんの外表面に前記樹脂コーティング液を塗布し、前記底部の接地部には前記樹脂コーティング液を塗布しないディップ工程と、前記樹脂コーティング液を硬化する硬化工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、前記ガラスびんの主軸を水平に保った姿勢で、該主軸を中心に前記ガラスびんを回転させながら、前記樹脂コーティング液を塗布したガラスびんの外表面に熱風を当てて乾燥させる予備乾燥工程を有することが好ましい。この工程により、ディップ工程でガラスびんの外表面に付着させた樹脂コーティング液の膜厚を均一にすることができる。
本発明に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、前記肩傾斜角度θ1が、30〜35°であるガラスびんを使用することが好ましい。肩部の上半分の領域に設けられたエンボス部においてもより十分なコーティング膜厚を確保することができる。さらに、ガラスびんをディップ槽から離脱後においても、ガラスびんの肩部の外表面に付着した樹脂コーティング液が垂下しにくいために、肩部において、コーティング膜厚を確保することができる。
本発明に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、前記ガラスびんの主軸と、前記母線とのなす角度θ2が、4〜10°であるガラスびんを使用する形態が含まれる。
本発明に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、前記ガラスびんの主軸を通る縦断面の輪郭線が、前記母線の外側にあるガラスびんを使用することが好ましい。ガラスびんの首部、肩部、胴部及び裾部のいずれの部分も全て、ディップ槽に浸漬するため、ガラスびんの外表面に樹脂コーティング液をもれなく付着させることができる。
本発明に係るリターナブルガラスびんは、本発明に係るリターナブルガラスびんの製造方法によって製造されたことを特徴とする。本発明に係るリターナブルガラスびんは、ガラスびんの外表面、特には、ガラスびんの側面に設けられたエンボス部に、均一で十分な膜厚の樹脂コーティング液による塗膜を形成することができるため、エンボス部における塗膜の耐久性が向上し、数十回の使用に耐えることができる。
本発明では、ガラスびんの外表面に樹脂コーティング液による塗膜が形成されてなるリターナブルガラスびんの製造方法において、ガラスびんの外表面、特には、ガラスびんの側面に設けられたエンボス部に、均一で十分な膜厚の樹脂コーティング液による塗膜を有し、数十回の使用に耐えうるリターナブルガラスびんを製造する方法を提供することができる。
本実施形態に係る製造方法で使用するリターナブルガラスびんの一形態を示す正面図である。 ガラスびんを、ディップ槽に浸漬させている状態を説明するための図である。 樹脂コーティング液による塗膜を形成する工程を説明するための図である。 ディップ工程を説明するための図であり、正面から見た図である。 ディップ工程を説明するための図であり、上方から見た図である。 実施例及び比較例で使用したガラスびんの形状と、ディップ工程でのガラスびんの状態を示した図であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実施例3、(d)は実施例4、(e)は比較例1、(f)は比較例2である。
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法は、特定の形状を有したガラスびんを使用し、ディップ工程と、硬化工程とを有する。まず、本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法に使用するガラスびんの形状について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る製造方法で使用するリターナブルガラスびんの一形態を示す正面図である。
本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法に使用するガラスびん100は、口部10と、口部10の下方に連接した首部20と、首部20に肩部30を介して下方に連接した胴部40と、胴部40に裾部50を介して連接した底部60とを有する細口びんである。口部10は、内容物を充填・注出を行う箇所であり、王冠栓、ネジ栓、コルク栓などの栓(不図示)が装着されることでガラスびんの密閉がなされる。首部20は、下方に向かって徐々に拡径した形状を有しており、肩部30において、さらに拡径して、胴部40につながっている。胴部40は、主として消費者に把持される箇所である。裾部50は、胴部40とほぼ同じ胴径にて連接され、底部60につながっている。外表面には、数十回繰り返し使用での耐久性を付与するために樹脂コーティング液による塗膜が形成されて使用される。塗膜は、ガラスびんの外表面の擦り傷発生を抑制するため、びんの耐圧強度の低下が生じにくい。そのため、ガラスびんの肉厚を薄くすることができ、ガラスびんの軽量化も可能となる。
本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法に使用するガラスびんは、会社名、ブランド名、ロゴマーク、商品名などの模様を凹凸で表したエンボス部5が設けられている。エンボス部5は、ガラスびんの表面を基準とすれば凸となっている。このため、エンボス部5では、エンボス部5のない箇所と比較して、樹脂コーティング液の流れ落ちが発生し、十分なコーティング膜厚を確保することが困難である。そこで、本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法に使用するガラスびんは、コーティング液がエンボス部5に集中して流れるように設計している。すなわち、ガラスびん100は、ガラスびん100の主軸Oと、主軸Oを通る縦断面上にある肩部30の接線Sとのなす肩傾斜角度の最大角度をθ1とし、ガラスびん100の主軸Oと、主軸Oを通る縦断面上にある首部20の上端N及び裾部50の下端Hを結んで得られる母線Dとのなす角度をθ2とし、θ1とθ2との合計(θ1+θ2)が、35〜40°であり、かつ、肩部の上半分の領域30aにエンボス部5が設けられた形状を有したガラスびんである。
肩部の上半分の領域30aにエンボス部5が設けられた形状とは、エンボス部の面積の50%以上が肩部の上半分の領域30a内にあればよい。例えば、エンボス部5が大きい場合などで、エンボス部の一部が、首部20に架かるように設けられていてもよいし、エンボス部の一部が、肩部の下半分の領域30bに架かるように設けられていてもよい。または、エンボス部の一部が、胴部40に架かるように設けられていてもよい。ただし、肩部の上半分の領域30a外では、エンボス部5の凸部の高さを、肩部の上半分の領域30a内に設けられた部分よりも低くすることが好ましい。このようにすることで、エンボス部5におけるコーティング膜厚を確保しやすくなる。そして、エンボス部5全体が、肩部の上半分の領域30a内に収まっていることがより好ましい。
図2を用いて、ガラスびん100の形状と、コーティング液の挙動との関係について説明する。本実施形態では、樹脂コーティング液による塗膜は、ディッピング法により形成される。底部60の接地部は、傷つきやすいために、他の箇所と比較して、再使用時の洗浄によって剥離しやすく、外観が悪くなる場合があるところ、ガラスびん100の底部60には、樹脂コーティング液による塗膜を施さないことが好ましい。そこで、ガラスびん100は、ガラスびん100の主軸Oを通る縦断面上にある首部20の上端N及び裾部50の下端Hを結んで得られる母線Dと、ディップ槽1の液面D´とを一致するように浸漬する。すなわち、ガラスびん100の主軸O及び母線Dとのなす角度θ2と、ガラスびん100の主軸O及びディップ槽の液面D´のなす角度であるディップ仰角θ3とは同角である。本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、ガラスびん100の主軸O及び母線Dとのなす角度θ2(θ2は、ディップ仰角θ3と等しい。)は、4〜10°であるガラスびんを使用する形態が含まれる。4°未満では、細口びんの形状とならない。10°を超えると、底部の直径が大きくなり、底部の上方に連接する胴部の直径も大きくなるため、把持することが難しくなるおそれがある。また、ディップ工程においても、ディップ仰角θ3は、小さい方が好ましい。ディップ仰角θ3が10°を超えると、首部20、肩部30、胴部40及び裾部50の全域にわたって膜厚が不均一になる場合がある。特に、胴部40及び裾部50で膜厚が不均一になる度合いが大きくなる場合がある。
ディップ槽1では、主軸Oを中心にガラスびん100を回転(自転)させて、ガラスびん100の外表面に樹脂コーティング液2が塗布される。このとき、ガラスびん100の外表面に付着した樹脂コーティング液2が、肩部30の傾斜を、胴部40の側から首部20に向かって流れ落ちる。この樹脂コーティング液の挙動105は、ガラスびん100の主軸Oと、主軸Oを通る縦断面上にある肩部30の接線Sとのなす肩傾斜角度の最大角度をθ1の影響を受ける。ただし、ガラスびん100は、前記のとおり、ガラスびんの主軸Oと、母線Dとのなす角度θ2(ディップ仰角θ3)の傾斜を有してディップ槽1に浸漬されているため、実際には、θ1とθ2との合計の影響を受けることとなる。
本実施形態では、θ1とθ2との合計(θ1+θ2)が、35〜40°であるガラスびん100を使用する。より好ましくは、36〜38°であり、特に好ましくは、36.5〜37.5°である。この範囲にすることで、肩部の上半分の領域30aに設けたエンボス部5に、樹脂コーティング液2が多く流れ、コーティング液が集中して付着するため、エンボス部5においても十分なコーティング膜厚を確保することができる。35°未満では、肩部の上半分の領域30aにエンボス部5を設ける効果が弱くなり、40°を超えると、肩部30において、コーティング液の流れ落ちが発生し、樹脂コーティング液が留まらずに首部20の方に流れてしまうため、肩部の上半分の領域30aに設けたエンボス部5において、十分なコーティング膜厚を確保することができない。また、エンボス部5の位置は、特に好ましくは、肩部30の上端部から1/4〜1/3の領域である。
本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、ガラスびん100の主軸Oを通る縦断面の輪郭線が、母線Dの外側にあるガラスびんを使用することが好ましい。ガラスびんの首部、肩部、胴部及び裾部のいずれの部分も全て、ディップ槽に浸漬するため、ガラスびんの外表面に樹脂コーティング液をもれなく付着させることができる。
本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造工程について、図3を用いて説明する。本実施形態では、例えば、公知の塗布方法(特許文献3)を適用することができる。図3に示すとおり、搬入コンベア72で搬入したリターナブルガラスびん100の一群を、ロード部80のチャック機構(不図示)でチャックしてa方向に上昇し、無端搬送コンベア71に設けられたガラスびん把持具(不図示)に移し替える。この無端搬送コンベア71は、b方向に移動し、それに伴い、ガラスびん100も移送される。ガラスびん100を、洗びん部81で洗浄し、乾燥部82で乾燥される。次いで、ディップ槽1に送られ、ディップ工程を行う。乾燥炉86で乾燥し、その後、アンロード部88でガラスびん把持具(不図示)からチャック機構(不図示)に移し替え、c方向に降下して、ガラスびん100の一群は、搬送コンベア73で硬化炉89に移動する。硬化炉89を通過したガラスびん100は、次工程に搬出される(不図示)。なお、本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、乾燥部82と、ディップ槽1との間に、プライマー処理部83で、表面状態を改質することができる。また、ディップ槽1と、乾燥炉86との間に、予備乾燥工程3で熱風により予備乾燥する工程を設けることが好ましい。
ディップ工程について図4及び5を用いて説明する。図4は、ディップ工程を説明するための図であり、正面から見た図である。図5は、ディップ工程を説明するための図であり、上方から見た図である。ディップ槽1は、無端搬送コンベア71の搬送方向に沿って設置されており、前述のとおり、樹脂コーティング液2が満たされ、ガラスびん100は、母線Dをディップ液面D´と一致させて浸漬される。無端搬送コンベア71の全長には、所定間隔をあけて、ジョイント部76を介して、ガラスびんの把持具75(75a、75b)が取り付けられている。ガラスびん100は、ガラスびんの把持具の先端部75aがガラスびん100の口部10に嵌入することで、ガラスびんの把持具75に把持される。ジョイント部76は、ユニバーサルジョイントになっており、ガラスびん100は、姿勢(把持角度)を変更でき、かつ、回転自在に把持されている。ガラスびん100は、無端搬送コンベア71の移動に伴って、ガラスびんの把持具75のローラ部75bがカム板78の上を転がりながら移動する。本実施形態では、その回転機構については、限定されるものではない。ディップ工程において、ガラスびんが主軸Oを中心に回転すればよく、例えば、ガラスびんの把持具75と無端搬送コンベア71との間に設けたギアに嵌合する動力により回転してもよい。
ディップ工程により、外表面に樹脂コーティング液が付着したガラスびん100は、乾燥炉86に入る前に、予備乾燥工程3でガラスびん100の外表面に熱風を当てて乾燥する。予備乾燥工程3では、ガラスびん100の主軸Oを水平に保った姿勢で、該主軸Oを中心にガラスびん100を回転させていることが好ましい。この工程により、ディップ工程でガラスびんの外表面に付着させた樹脂コーティング液が安定し、膜厚を均一にすることができる。
本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法では、ガラスびん100の主軸Oと、主軸Oを通る縦断面上にある肩部30の接線Sとのなす肩傾斜角度の最大角度であるθ1は、30〜35°であるガラスびんを使用することが好ましい。より好ましくは、31〜34°である。30°未満では、肩部30と、首部20の領域が不明確となり、肩部の上半分の領域30aにエンボス部5を設ける効果が弱くなる。35°を超えると、予備乾燥工程3にて、ガラスびん100の主軸Oを水平に保った姿勢としたとき、ガラスびんの外表面に付着した樹脂コーティング液が垂下し、肩部の上半分の領域30aに設けたエンボス部5において、コーティング膜厚を確保することができない場合がある。
図3では、ディップ槽1、予備乾燥工程3、乾燥炉86を1つずつ設けたが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、特許文献3に記載の塗布方法のように、乾燥炉86の下流に第2のディップ槽、第2の予備乾燥工程、第2の乾燥工程を設けてもよい。また、第2のディップ槽では、ディップ槽1と同種の樹脂コーティング液を塗布することで、コーティング膜厚を確保してもよいし、ディップ槽1とは別種のコーティング液を塗付してもよい。
コーティング液は、ガラスびんの着色を目的としたカラーコーティング液とすることができる。無色のガラスびんの外表面にカラーコーティングを施すことで、意匠性、内容物保護性の高いガラスびんとすることができる。コーティングによる着色は、ガラス素地に着色剤を混合させて着色する方法と比較して、製造が容易で、安価に製造できるばかりではなく、リサイクルに適している。
本実施形態に係るリターナブルガラスびんの製造方法によって製造されることにより、本実施形態に係るリターナブルガラスびんは、ガラスびんの外表面、特には、ガラスびん100の側面に設けられたエンボス部5に、均一で十分な膜厚の樹脂コーティング液2による塗膜を形成することができるため、数十回の使用に耐えることができる。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
図6は、実施例1〜4並びに比較例1及び2で使用したガラスびんの形状と、ディップ液面とを示した図である。
(実施例1)
口部の上端辺から裾部の下端辺までの高さが255mmであり、肩部が、口部の上端辺から105mmの位置から下方に30mmの領域であり、エンボス部を口部の上端辺から107mmの位置から下方に12mmの領域に設け、θ1が31°、θ2が4.41°(θ1+θ2=35.41°)であるガラスびんを使用して、樹脂コーティング液(ウレタンコーティング液、MX−1300、テクノ月星社製 粘度21〜31mPa・s(25℃))で満たされたディップ槽に底部を除いて浸漬し、回転させながらコーティング液を塗付した。その後、熱風をあてて硬化させ、リターナブルガラスびんを作製した。
(実施例2)
θ1が32°、θ2が4.38°(θ1+θ2=36.38°)であるガラスびんを使用した以外は、実施例1と同様にリターナブルガラスびんを作製した。
(実施例3)
θ1が33°、θ2が4.38°(θ1+θ2=37.38°)であるガラスびんを使用した以外は、実施例1と同様にリターナブルガラスびんを作製した。
(実施例4)
口部の上端辺から裾部の下端辺までの高さが238mmであり、肩部が、口部の上端辺から78.8mmの位置から下方に35.2mmの領域であり、エンボス部を口部の上端辺から82.2mmの位置から下方に6.0mmの領域に設け、θ1を34°、θ2を5.3°(θ1+θ2=39.30°)であるガラスびんを使用した以外は、実施例1と同様にリターナブルガラスびんを作製した。
(比較例1)
θ1が36°、θ2が4.38°(θ1+θ2=40.38°)であるガラスびんを使用した以外は、実施例1と同様にリターナブルガラスびんを作製した。
(比較例2)
使用するガラスびんのエンボス部の位置を、口部の上端辺から118mmの位置から下方に12mmの領域に設けたこと以外は、実施例1と同様にリターナブルガラスびんを作製した。
以上の実施例1〜4及び比較例1〜2のガラスびんについて、コーティング膜の平均膜厚測定と、トリップ試験の耐久評価を行った。
(1)コーティング膜の平均膜厚測定
コーティング膜の平均膜厚測定は、次のとおり行った。ガラスびんのエンボス部と、エンボス部以外のガラスびんの外表面の厚さを、それぞれマイクロメータ装置(ミツトヨ社製、MDC−25MJ)を用いて測定した。n値=4とし、4個の膜厚の平均値を平均膜厚とした。
(2)トリップ試験の耐久評価
トリップ試験は、次のとおり行った。4wt%水酸化ナトリウム水溶液を含むビール用洗びん機を使って、20トリップ(1トリップは市場流通1回分相当)後の目視による外観を目視観察してコーティング膜の剥離の有無を確認した。n値=5とし、5個中4個が実用範囲にあれば、合格とした。判定基準は、次のとおりである。
○:剥離なし(実用レベル)
△:軽微な剥離有り(実用下限)
×:完全剥離(実用不適)
評価結果を表1に示す。
Figure 0005555473
実施例1〜4は、全てθ1+θ2が35〜40°であり、かつ、エンボス部が肩部の上半分の領域に設けられていたため、エンボス部においてもコーティング膜厚を確保することができ、結果として40回のトリップ試験にも耐久性を有していた。
一方、比較例1は、θ1+θ2が40°を超えていたため、コーティング液が肩部の上半分の領域に留まることができず、コーティング膜厚が薄くなった。比較例2は、エンボス部が肩部の下半分の領域に設けられていたため、コーティング液が流れ落ち、コーティング膜厚が薄くなった。結果として、比較例1及び2では、40回のトリップ試験においてコーティング膜の剥離が発生した。
1ディップ槽
2樹脂コーティング液
3予備乾燥工程
5エンボス部
10口部
20首部
30肩部
30a肩部の上半分の領域
30b肩部の下半分の領域
40胴部
50裾部
60底部
71無端搬送コンベア
72搬入コンベア
73搬送コンベア
75(75a、75b)把持具
75a把持具の先端部
75b把持具のローラ部
76ジョイント部
78カム板
80ロード部
81洗びん部
82乾燥部
83プライマー処理部
86乾燥炉
88アンロード部
89硬化炉
100ガラスびん
105コーティング液の挙動
Oガラスびんの主軸
S肩部の接線
N首部の上端
H裾部の下端
D首部の上端及び裾部の下端を結んで得られる母線
D´ディップ槽の液面
θ1肩傾斜角度の最大角度
θ2主軸と母線とのなす角度
θ3ディップ仰角

Claims (6)

  1. 口部と、該口部の下方に連接した首部と、該首部に肩部を介して下方に連接した胴部と、該胴部に裾部を介して連接した底部とを有するガラスびんの外表面に樹脂コーティング液による塗膜が形成されてなるリターナブルガラスびんの製造方法において、
    前記ガラスびんとして、前記肩部が、前記首部の下端部と、前記胴部の上端部とをつなぐように下方に向かって拡径した形状を有し、前記ガラスびんの主軸と、該主軸を通る縦断面上にある肩部の接線とのなす肩傾斜角度の最大角度をθ1とし、前記ガラスびんの主軸と、該主軸を通る縦断面上にある前記首部の上端及び前記裾部の下端を結んで得られる母線とのなす角度をθ2とし、θ1とθ2との合計(θ1+θ2)が、35〜40°であり、かつ、前記肩部の上半分の領域にエンボス部が設けられたガラスびんを使用し、
    該ガラスびんを、前記母線と、樹脂コーティング液で満たしたディップ槽の液面とが一致するように浸漬し、前記主軸を中心に前記ガラスびんを回転させて、前記ガラスびんの外表面に前記樹脂コーティング液を塗布し、前記底部の接地部には前記樹脂コーティング液を塗布しないディップ工程と、
    前記樹脂コーティング液を硬化する硬化工程と、を有することを特徴とするリターナブルガラスびんの製造方法。
  2. 前記ガラスびんの主軸を水平に保った姿勢で、該主軸を中心に前記ガラスびんを回転させながら、前記樹脂コーティング液を塗布したガラスびんの外表面に熱風を当てて乾燥させる予備乾燥工程を有することを特徴とする請求項1に記載のリターナブルガラスびんの製造方法。
  3. 前記肩傾斜角度θ1が、30〜35°であるガラスびんを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載のリターナブルガラスびんの製造方法。
  4. 前記ガラスびんの主軸と、前記母線とのなす角度θ2が、4〜10°であるガラスびんを使用することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のリターナブルガラスびんの製造方法。
  5. 前記ガラスびんの主軸を通る縦断面の輪郭線が、前記母線の外側にあるガラスびんを使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のリターナブルガラスびんの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のリターナブルガラスびんの製造方法によって製造されたことを特徴とするリターナブルガラスびん。
JP2009253621A 2009-11-05 2009-11-05 リターナブルガラスびんの製造方法及びリターナブルガラスびん Expired - Fee Related JP5555473B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009253621A JP5555473B2 (ja) 2009-11-05 2009-11-05 リターナブルガラスびんの製造方法及びリターナブルガラスびん

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009253621A JP5555473B2 (ja) 2009-11-05 2009-11-05 リターナブルガラスびんの製造方法及びリターナブルガラスびん

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011098850A JP2011098850A (ja) 2011-05-19
JP5555473B2 true JP5555473B2 (ja) 2014-07-23

Family

ID=44190360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009253621A Expired - Fee Related JP5555473B2 (ja) 2009-11-05 2009-11-05 リターナブルガラスびんの製造方法及びリターナブルガラスびん

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5555473B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5211324B2 (ja) * 1971-12-17 1977-03-30
JPH08175824A (ja) * 1991-10-04 1996-07-09 Koa Glass Kk ガラス容器の内外表面に凹凸模様を形成する方法
JP4074411B2 (ja) * 1999-05-27 2008-04-09 東洋ガラス株式会社 リターナブルガラスびん及びリターナブルガラスびんの製造方法
JP3688523B2 (ja) * 1999-08-02 2005-08-31 東洋ガラス株式会社 ガラス容器のコーティング方法
JP4799381B2 (ja) * 2006-11-30 2011-10-26 麒麟麦酒株式会社 びんの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011098850A (ja) 2011-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7988897B2 (en) Manufacturing method of synthetic resin hollow body
BG107680A (bg) Стъклен контейнер с подобрено покритие
US20170136677A1 (en) Preform coating device, method for manufacturing preform, and method for manufacturing plastic bottle
JP7013161B2 (ja) 飲料用缶の製造方法
TWI333462B (ja)
JP5555473B2 (ja) リターナブルガラスびんの製造方法及びリターナブルガラスびん
RU2018141754A (ru) Стеклотара, имеющая изображение, выполненное посредством струйной печати, и способ ее изготовления
CN108725911A (zh) 一种装有大豆蛋白包装袋在线喷码及贴标装置和方法
JP2022066420A (ja) 飲料用缶、飲料缶、および、飲料用缶の製造方法
JP5390340B2 (ja) ガラスびん成形用金型及びそれを用いて成形したガラスびん
CN105714289A (zh) 一种马口铁罐表面处理工艺
US20070259140A1 (en) Method of Coating Labels on Containers
JP2009131729A (ja) びん底面の塗装方法及び装置
JP4646163B2 (ja) ボトル型缶の製造方法
US20140193582A1 (en) Method for treating a hollow glass article comprising a coating and a facility for implementing the method
JP7159641B2 (ja) 金属缶の製造方法
JP2013180482A (ja) ガラスびんの印刷方法、印刷装置及びガラスびん
KR20110012037U (ko) 돌기가 구비된 음료 용기 및 이를 포함하는 유리병
JP3688523B2 (ja) ガラス容器のコーティング方法
JP7213160B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP4074411B2 (ja) リターナブルガラスびん及びリターナブルガラスびんの製造方法
CN206426701U (zh) Smt印刷工艺中的激光模板
CN101214126A (zh) 一种新型铝制不粘锅的生产工艺
JP2003226337A (ja) 金属製ボトル缶及びその製造方法
US10023753B1 (en) Product for reconditioning a surface and methods for reconditioning a surface

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140527

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5555473

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees