JP5555098B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材上の画像を加熱するための画像加熱装置に関する。画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を加熱定着する定着装置、記録材に定着された画像を加熱して画像の光沢度を増大させる光沢増大化装置(画像改質装置)などが挙げられる。
電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、転写方式あるいは直接方式にて記録材に対して画像情報の未定着画像(トナー画像)を形成する。記録材としては、転写シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙などが挙げられる。そして、記録材上の未定着画像を画像加熱装置としての定着装置で固着画像として加熱定着させる。
定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く用いられていた。これは互いに圧接してニップ部を形成しているヒートローラと加圧ローラとのローラ対を有する。そして、未定着画像を形成した記録材をニップ部で挟持搬送して、ヒートローラの熱とニップ圧とで画像を熱圧定着させるものである。
近年では、クイックスタートや省エネルギーの観点からベルト(フィルム)加熱方式が実用化され、加熱源として電磁誘導加熱方式の装置が提案されている。従来のベルト加熱方式の装置として特許文献1の装置は、装置筐体に加圧ローラの両端部を挿入するための嵌合溝と、ベルトを含む定着部材の両端部を挿入するためのスライドガイドが形成されている。この構成により、定着部材の記録材搬送方向およびスラスト方向の位置を規制している。
また、この構成において、加圧ローラは、嵌合溝の底に軸受部材を介して設置され、定着部材はスライドガイドに挿入され可動方向が規制されている。定着部材は加圧ローラの上に設置され、スライドガイドは定着部材が加圧ローラの方向に押圧されることによって形成される水平方向のニップ線に垂直方向に形成される。
上記従来のベルト加熱方式において、さらに高速化、高画質化を行うにあたり、記録材が定着部材と加圧ローラによって形成される定着ニップ部を通過後、ベルトに巻き付きベルトから分離ができないという問題が生まれる。これは、記録材に付着したトナーがベルトより与えられる熱により溶け、粘着性が発生して、記録材をベルトの表面に付着させようとするため発生する。
この問題に対して、ベルト内に設けられた圧接部材のニップ部対応部の記録材搬送方向下流側(ニップ部の記録材出口側)に、ニップ部の面よりも加圧ローラ側へ突出させた段差部を設ける方法がある(特許文献2)。この段差部により、記録材をベルトから離れる方向に矯正させて曲率分離を行い、記録材の分離性を確保する。
特開2003−084605号公報 特開2003−282230号公報
特許文献2の圧接部材の構成を特許文献1の装置構成で使用した場合には下記のような事項の改善が望まれる。即ち、分離性確保のために圧接部材に段差部を設け、ベルトを含む定着部材の両端部に取り付けられているスライド部材を、ベルトと加圧ローラの軸心を結ぶ直線方向に加圧する。このとき、圧接部材がベルトを挟んで加圧ローラに圧接されることにより、加圧ローラから加圧ローラと圧接部材とが圧接する面に対して垂直方向にニップ反力が働く。圧接部材の下面には平面部と段差部が設けられているので、ニップ反力は加圧ローラに圧接している圧接部材の平面部と段差部の2つの面に対して発生する。
圧接部材の平面部に対するニップ反力をYa、圧接部材の段差部に対するニップ反力をYbとすると、スライド部材は、この2つのニップ反力YaとYbの合力Yの方向に最も大きな力を受ける。このときニップ反力Ybには、水平方向に働く力の成分が含まれている。ニップ反力Ybの水平方向の分力に対する反力とスライド部材と該スライド部材の可動方向を規制しているスライドガイドとの間の摩擦係数μにより、スライド部材とスライドガイドとの間に摩擦力Fが生じる。
この摩擦力Fは、加圧力に対する方向に働く。また、摩擦係数μはスライドガイドおよびスライド部材の表面性状により変化し、その値は変動するので、摩擦力Fの値も変動する。したがって、摩擦力Fの値が変動するため、加圧力によって生まれるニップ反力Yの値が不安定になり、定着部材の長手方向で圧のバランス差が発生してしまう。そして結果として、記録材において定着ムラ等の問題が生じてしまう。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、可撓性を有し回転可能な無端状のベルトと、前記ベルトの内側に配設されておりベルト内面と摺動する摺動面を有する圧接部材と、前記ベルトを挟んで前記圧接部材に当接して前記ベルトとニップ部を形成する弾性を有する加圧部材と、前記圧接部材の端部に配設されたスライド部材と、前記スライド部材が係合するスライドガイドであって、前記スライド部材を前記加圧部材に近づく方向と逆に遠のく方向とに移動案内するスライドガイドと、前記スライド部材を前記加圧部材に近づく方向に付勢して前記圧接部材を前記ベルトを挟んで前記加圧部材に弾性に抗して圧接させる付勢部材と、を有し、画像を担持した記録材を前記ニップ部で挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、前記圧接部材のニップ部形成面には、前記圧接部材の断面において、平面部と、前記平面部よりも記録材搬送方向に関して下流側に前記加圧部材の側に突出している段差部と、が設けられており、前記スライド部材の可動方向が、前記ニップ部における前記平面部と前記段差部に対するニップ反力の合力方向と同一方向およびそれとは逆方向であるように前記スライドガイドと前記スライドガイドに係合する前記スライド部材とが構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、スライド部材とスライドガイドとの間に発生する摩擦力を軽減するとともに、ベルトと加圧部材の長手方向の圧バランスの崩れ、装置構成部材の寿命ばらつきを軽減することができる。
本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の概略構成を示す縦断面模式図 (a)は定着装置を正面側から見た外観斜視図、(b)は定着装置の一部分解斜視図 定着装置の要部の拡大横断面模式図と制御系統のブロック図 定着装置の途中部分省略の縦断正面模式図 (a)は定着装置の全体的な分解斜視図、(b)は定着パッドの拡大横断面模式図 (a)は左側のスライド部材の左側面図(外面図)、(b)は同部材の右側面図(内面図)、(c)は同部材の正面図、(d)は左側のスライド部材と、定着パッド及びステーの左端部と、コアと、の分解斜視図 定着ベルトユニットの加圧ローラに対する加圧構成図 定着ニップ部の拡大図 記録材搬送方向のニップ圧力分布の一例 実施の形態2における装置の加圧構成図 実施の形態2における装置の要部の斜視図 従来の装置の左端部側の要部の斜視図 従来の装置の加圧構成図
[実施の形態1]
《画像形成装置例の説明》
図1は本発明に従う画像加熱装置21を定着装置として搭載した画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタ1の概略構成を示す縦断面模式図である。プリンタ1は制御回路部(制御基板:CPU)100と通信可能に接続した外部ホスト装置200からの入力画像情報に応じて作像動作して、シート状の記録材Pにフルカラー画像を形成してハードコピーとして出力することができる。装置200はコンピュータ、イメージリーダー、ファクシミリ等である。制御回路部100は装置200と信号の授受をする。また、プリンタ1側の各種の作像機器と信号の授受をして作像シーケンス制御を司る。
記録材Pはトナー画像が形成されるものである。普通紙、樹脂製シート状物、厚紙、OHTシート(オーバーヘッドプロジェクター用シート)、封筒、はがき、ラベルなどが挙げられる。
プリンタ1内には図面上左側から右側にかけて、第1乃至第4の4つの画像形成部Y・M・C・Bkが水平方向に並べられて配設されている。各画像形成部はいずれもレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、現像器に収容の現像剤(トナー)の色が異なるだけで、互いに同様な構成である。
即ち、各画像形成部は、それぞれ、矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動されるドラム型の電子写真感光体(像担持体:以下、ドラムと記す)2を有する。また、各ドラム2の周囲には、ドラム2に作用するプロセス手段としての、一次帯電器3、レーザスキャナ4、現像器5、一次転写ブレード6、クリーナ7が配置されている。
画像形成部Y・M・C・Bkの下側には中間転写ベルトユニット8が配設されている。ユニット8は、無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)9と、ベルト9を懸回張設している駆動ローラ10・テンションローラ11・二次転写対向ローラ12を有する。各画像形成部Y・M・C・Bkの一次転写ブレード6はベルト9の内側に配設されていて、ベルト9のローラ11とローラ10との間の上行側ベルト部分を介して対応するドラム2の下面に圧接している。各ドラム2とベルト9との当接部が一次転写部である。
ローラ12にはベルト9を介して二次転写ローラ13が圧接している。ベルト9とローラ13との当接部が二次転写部である。ベルト9はローラ10により矢印の時計方向にドラム2の回転速度に対応した速度にて循環移動される。
本実施例において、第1の画像形成部Yは現像器5にイエロー(Y)色の現像剤(有彩色カラートナー)が収容されていて、ドラム2にY色トナー画像を形成する。第2の画像形成部Mは現像器5にマゼンタ(M)色の現像剤が収容されていて、ドラム2にM色トナー画像を形成する。第3の画像形成部Cは現像器5にシアン(C)色の現像剤が収容されていて、ドラム2にC色トナー画像を形成する。第4の画像形成部Bkは現像器5にブラック(Bk)色の現像剤が収容されていて、ドラム2にBk色トナー画像を形成する。
制御回路部100は装置200から入力したカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部Y・M・C・Bkを作像動作させる。これにより各画像形成部において回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、それぞれ、Y色、M色、C色、Bk色の色トナー画像が形成される。なお、ドラム2にトナー画像を形成する電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
各画像形成部のドラム2の面に形成される上記のトナー画像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト9の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト9の面に上記のY色、M色、C色、Bk色の4つのトナー画像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。
一方、所定の給紙タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下複数段のカセット給紙部14A・14Bのうちの選択された段位の給紙カセットの給紙ローラ15が駆動される。これにより、その段位の給紙カセットに積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙されて搬送路16を通ってレジストローラ対18に搬送される。手差し給紙が選択されているときには、給紙ローラ19が駆動される。これにより、マルチ給紙トレイ20に積載セットされている記録材Pが1枚分離給紙されて搬送路16を通ってローラ対18に搬送される。
ローラ対18は、記録材Pを一旦受け止めて、記録材が斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、ローラ対18は、ベルト9上のトナー画像と同期を取って、記録材Pをベルト9とローラ13との圧接部である二次転写部に送り込む。これにより、二次転写部において、ベルト9上のフルカラーの合成トナー画像が一括して記録材Pの面に二次転写される。即ち、記録材Pの面に、複数の有彩色カラートナー画像の重畳画像である未定着トナー画像が形成される。
二次転写部を出た記録材Pはベルト9の面から分離されて、定着装置21に導入される。この装置21により、記録材P上の複数色のトナー画像が溶融混色されて記録材面に固着画像として定着される。二次転写部にて記録材分離後のベルト8の面はベルトクリーナ22により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノ黒などの単色プリントモード或いは2次色若しくは多次色のプリントモードの場合には対応する色の画像形成部が作像動作制御される。片面プリントモードの場合においては、装置21を出た記録材Pは、予めの指定に従って切り換えフラッパ23により進路切り換えされて、プリンタ側面に配置されているフェイスアップ排紙トレイ25に排出される。あるいは、第2の排紙ローラ27により、プリンタ上面に配置されているフェイスダウン排紙トレイ28に排出される。
トレイ25への排紙の場合は、装置21を出た記録材Pは第1の姿勢に転換されているフラッパ23の下面側を通って直進し、第1の排紙ローラ24によりトレイ25上に画像面上向きで排出される。トレイ28への排紙の場合は、装置21を出た記録材Pは第2の姿勢に転換されているフラッパ23の上面側を通って上方に案内され、搬送路26により上方搬送される。そして、第2の排紙ローラ27によりトレイ28上に画像面下向きで排出される。
両面プリントモードの場合は、装置21を出た第1面に対する画像形成・定着済みの記録材Pが、第2の姿勢に転換されているフラッパ23の上面側を通って上方に案内され、搬送路26により上方搬送される。その記録材Pの搬送途中で後端が反転ポイントRに達したとき、搬送路26が逆搬送駆動に転換される。これにより、記録材Pがスイッチバック搬送されて両面搬送路29に入る。そして、搬送路29から再び搬送路16に入って、表裏反転された状態にて二次転写部に再搬送される。これにより、記録材Pは第2面に対する画像転写を受ける。
二次転写部を出た記録材Pは再び装置21に導入される。装置21を出た両面プリント済みの記録材Pが、片面プリントモードの場合と同様に予めの指定に従って切り換えフラッパ23により進路切り換えされてトレイ25又はトレイ28に排出される。フラッパ23、スイッチバック搬送路26等で構成される部分は反転手段の一例である。
《定着装置》
本実施例の定着装置21はベルト加熱方式のIH定着装置であり、記録材Pを加熱する加熱部材として、磁束の作用により発熱し、可撓性を有する回転可能な無端状のベルト(定着ベルト、定着フィルム)を用いている。ベルトを加圧部材としての加圧回転体により回転させ、ベルトの外側に配設した磁界発生手段(磁束発生手段)により電磁誘導加熱する加圧回転体駆動方式(フリーベルト方式)の定着装置である。
以下の説明において、装置21又は装置21を構成している部材に関し、正面とは装置21を記録材(記録材)入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左又は右である。また、長手方向とは、記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に平行な方向である。また短手方向とは長手方向に直交する方向である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。記録材の通紙幅とは、記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
図2の(a)は装置21を正面側から見た外観斜視図、(b)は装置21の一部分解斜視図である。図3は装置21の要部の拡大横断面模式図と制御系統のブロック図である。図4は装置21の途中部分省略の縦断正面模式図である。図5の(a)は装置21の全体的な分解斜視図、(b)は定着パッドの拡大横断面模式図である。
装置21は、装置筐体(枠体、シャーシー、フレーム)50の左右の対向側板51L・51R間に、加圧部材(加圧回転体)としての加圧ローラ32が配設されている。本実施例において、ローラ32は、芯金32aと、芯金回りに同心一体にローラ状に形成被覆された耐熱性・弾性材層32bと、表層としての離型層32cと、で構成されている。層32bはシリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などである。層32cはフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。
ローラ32は、芯金32aの左右両端の軸部32dが、それぞれ、側板51L・51Rに半円型の軸受部材52L・52Rを介して回転可能に支持されて配設されている。軸受部材52L・52Rは、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂製であり、側板51L・51Rに形成された嵌合溝53L・53Rに装着されている。また、芯金32aの左端側の軸部32dにはドライブギアGが固定されて配設されている。
ローラ32の上側には、側板51L・51R間に長手方向両端部を保持させて定着ベルトユニット(定着部材)31がローラ32に対して並行に配列されている。そして、ユニット31がローラ32に対して圧接されて、ユニット31側のベルト34とローラ32との間に記録材搬送方向Zにおいて所定幅の定着ニップ部Nが形成されている。ユニット31のローラ32に対する加圧構成については(4)項で詳述する。
ローラ32の上側には、磁束を発生する磁界発生手段としての励磁コイルユニット(誘導加熱装置)33が配設されている。ユニット33は、ベルト34の回転方向Bと直交する方向を長手方向とする横長に形成された部材であり、装置21の上部フレーム板55の下面にブラケット56を介して保持されている。上部フレーム板55は筐体50に対して連結部材(不図示)を介して所定に位置決めされて配設されている。
この状態において、ユニット33は、ユニット31のベルト34の外側において、ベルト34に対して非接触にほぼ一定のギャップαを保持して対向している。本実施例ではベルト34の回転最大軌跡を考慮してユニット33をユニット31に対して設置している。
(1)定着ベルトユニット31
ユニット31において、ベルト34は、磁束の作用により発熱する導電層(誘導発熱体)を有する無端状の薄肉の無端状ベルトであり、全体に可撓性を有る。導電層として鉄等の強磁性の金属(透磁率の高い金属)を使うことで、ユニット33から発生する磁束を金属内部により多く拘束させることができる。即ち、磁束密度を高くすることができることにより、金属表面に渦電流を発生し、効率的にベルト34を発熱させることができる。ユニット31は、ベルト34の内側に挿通して配設された、圧接部材(バックアップ部材、圧力付与部材)としての定着パッド35と、剛性部材としてのステー36を有する。
パッド35は記録材搬送方向Zに交差する方向を長手とする耐熱性・断熱性の部材であり、ベルト内面と摺動する摺動面(ニップ部形成面35Nを含む)を有する。パッド35は、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、LCP樹脂等の絶縁性及び耐熱性の良い材料が用いられる。
パッド35は、ベルト34を挟んでローラ32との間にニップ部Nを形成する部材である。ベルト34のバックアップ(ベルトの支持部材)、ニップ部Nの加圧、ニップ部内の記録材搬送方向Zにおける必要なプロファイル(加圧分布)の形成、ベルト34の回転時の搬送安定性を図る等の役目をする。
図5の(b)に示すように、パッド35の下面のベルト摺動面におけるニップ部形成面35Nには、パッド断面において、平面部35aと、段差部35bと、が設けられている。、段差部35bは平面部35aよりも記録材搬送方向Zに関して下流側に平面部35aに連ねてローラ32側に突出して設けられている。この段差部35bにより、ベルト34からの記録材Pの分離性、およびニップ幅拡大という効果が得られる。
段差部35bの突出量hは、平面部35aの面を基準に0.1mm以上1.0mm以下であれば良い。突出量hが0.1mm未満であると、記録材分離性が不十分となり、ベルト34に対する記録材巻き付きジャムが発生してしまう問題がある。逆に、突出量hが1.0mmより大きいと、画像定着された記録材のカール量が非常に大きくなってしまう問題がある。さらに、突出量hが大きいほどベルト34への屈曲応力が増大するため、ベルト34の疲労破壊が発生しやすくなる。よって、より好ましくは、突出量hは0.5mm以下とするのが良い。本実施例において、突出量hは0.5mmとしている。
ステー36は、比較的柔軟な樹脂製のパッド35の裏面に押し当てることでパッド35に長手強度を持たせ、かつパッド35を矯正させるための剛性部材である。ステー36は、約1〜2.5mm厚の板金を横断面下向きU字形状にプレス加工して一対の突き当て部36aを形成し、突き当て部36aを記録材搬送方向Zにおいてパッド35の上面の上流側と下流側にそれぞれ突き当てて使用する。また、ユニット31は、ステー36の外側を覆って配設された、磁気遮蔽部材としての横断面下向きU字型の強磁性体からなるベルト内磁性コア(磁気遮蔽コア)37を有している。
コア37は、ベルト34の内側にあってユニット33と対向しており、ユニット33からベルト34へ作用する誘導磁場の大きさを調整する。コア37はベルト34の発熱効率を向上させる働きを有する。また、金属材であるステー36の外面を覆うことで、ステー36への磁束を遮断し、ステー36が誘導加熱で温まることを抑制する働きもしている。コア37は高透磁率かつ低損失のものを用いる。コア37は磁気回路の効率を上げるためと、ステー36に対する磁気遮蔽のために用いている。代表的なものとしてはフェライトコアが挙げられる。
パッド35とステー36の長さはベルト34の長さよりも長く、パッド35とステー36の左右の両端部はそれぞれベルト34の左右の両端部から外方に突出している。そして、その左右の突出端部に対してそれぞれスライド部材(端末部材、キャップ部材、支持部材)38L・38Rが嵌着されている。左側のスライド部材38Lと右側のスライド部材38Rは耐熱性樹脂等の断熱性部材であり、左右対称形状の耐熱樹脂成型体である。図6の(a)は左側のスライド部材38Lの左側面図(外面図)、(b)は右側面図(内面図)、(c)は正面図である。
スライド部材38L・38Rは、パッド35とステー36の左端部と右端部に対して被さって嵌着する受圧部(キャップ部)38aを有する。また、受圧部38aと一体で、ベルト34の左端面と右端面に対向するフランジ部38bを有する。受圧部38aとフランジ部38bには、パッド35とステー36の端部を差し込むための穴部38cを有する。穴部38cはフランジ部38bの内面側に開口している。また、フランジ部38bの内面側にはベルト34の端部をベルト内側から支持してベルト34の回転軌跡を規定するベルト回転ガイド部38dを有する。
また、受圧部38aの正面側と背面側には、フランジ部38bとの連設部(受圧部38aの根元側)に、垂直線に対して前後方向に傾斜している並行2条のガイド溝38eを有する。
左側と右側のスライド部材38L・38Rは、それぞれ、パッド35とステー36の左端部と右端部とに受圧部(キャップ部)38aを被せて嵌着される。ベルト34は、スライド部材38L・38Rの間において、パッド35、ステー36、コア37の外回りに回転可能に外嵌されている。ベルト34の両端部の内側はそれぞれスライド部材38L・38Rのガイド部38dにより支持されている。図6の(d)は、左側のスライド部材38Lと、パッド35とステー36の左端部と、コア37と、の分解斜視図である。
そして、ユニット31の左右のスライド部材38L・38Rのガイド溝38eが、それぞれ、側板51L・51Rに形成されている、垂直線に対して前後方向に傾斜しているスライドガイド(スリット部、嵌合溝部)54L・54Rに対して係合されている。即ち、側板51L・51Rに支持させたローラ32の上側に、ユニット31がパッド35側を下向きにして、かつ、左右のスライド部材38L・38Rを側板51L・51Rのスライドガイド54L・54Rに係合させて配置されている。
これにより、左右のスライド部材38L・38Rは、それぞれ、スライドガイド54L・54Rに沿って移動案内されて、側板51L・51Rに対して、ローラ32に近づく方向と逆に遠のく方向とにスライド移動可能に配設されている。即ち、ユニット31が側板51L・51Rに対してローラ32に近づく方向と逆に遠のく方向との移動可能に配設されている。
ベルト34の内側には、ベルト34の温度制御のためにベルト温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタTHが配設されている。サーミスタTHは、基部をパッド35に保持させた弾性部材39の先端部に保持させて温度検知部をベルト34の内面に弾性部材39のバネ性により弾性的に接触させてある。サーミスタTHはベルト34の外側に配設し、温度検知部をベルト外面に弾性的に接触させた構成にすることもできる。
(2)励磁コイルユニット33
ユニット33は、横断面において、ほぼ円筒状のベルト34の外周面の略半周範囲に沿うように湾曲している湾曲部を有する。本実施例では、ユニット33は、励磁コイル41と、コイル41の巻き中心部に設けられる第1の磁性コア42aと、コイル41のベルト34側とは反対側に設けられる第2の磁性コア42bを有する。コイル41とコア42a・42bは支持部材としてのホルダー(ケーシング)43に格納されている。コア42a・42b、及びコア37は、強磁性体からなる。フェライト等の高透磁率残留磁束密度の低いものを用いると良い。
コイル41は、長手方向に略楕円形状(横長舟形)をしており、ベルト34の外周面に沿うようにホルダー43の内部に配置されている。コイル41の芯線としては、φ0.1〜0.3mmの細線を略80〜160本程度束ねたリッツ線を用いている。細線には絶縁被覆電線を用いている。又、コア42a・42bを周回するように8〜12回巻回して、コイル41を構成したものが使われる。
コイル41には励磁回路(電磁誘導加熱駆動回路、高周波コンバータ)101が接続されており、交番電流をコイル41へ供給できるようになっている。コア42a・42bは、コイル41の巻き中心部と周囲を囲むように構成されていて、コイル41より発生した交流磁束を効率よくベルト34の導電層に導く役目をする。すなわち回路101の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。
上部フレーム板55の左右のばね受け座55aと、左右のスライド部材38L・38Rの各受圧部38aと、の間には、それぞれ、加圧ばね(付勢部材、加圧弾性部材)57L・57Rが縮設されている。このばね57L・57Rの所定の突っ張り力(加圧力)が、スライド部材38L・38Rの受圧部38a、ステー36を介してパッド35に作用する。即ち、スライド部材38L・38Rがばね57L・57Rによりローラ32に近づく方向に付勢されてステー36を介してパッド35に作用する。
これにより、パッド35がベルト34を挟んで弾性層32bの弾性に抗してローラ32に圧接して、ベルト34とローラ32との間に記録材搬送方向Zに関して所定幅の画像定着加熱部としての定着ニップ部Nを形成させている。即ち、ローラ32はベルト34の外側に配設されており、パッド35とベルト34を挟んで相互圧接してベルト34との間に記録材搬送方向Zに関して所定幅のニップ部Nを形成する。
(3)定着動作
制御回路部100は装置200から入力する画像形成開始信号に基づく所定の制御タイミングにおいて、装置21のベルト34の温度を、トナー画像を加熱溶融するのに適した温度まで立ち上げるいわゆるウォーミングアップを行う。プリンタ1は、ベルト34の表面温度が所定温度例えば180℃に達した後に画像形成可能な状態となる。装置21のウォーミングアップは、まずローラ32が駆動を開始し、ベルト34が従動して周回を開始するのとほぼ同時あるいは開始直後に、ユニット33のコイル41に回路101から交流電流が供給される。
ローラ32の駆動は、定着モータM(加圧回転体を回転駆動する駆動手段)がオンにされることでなされる。モータMの駆動力が動力伝達系(不図示)を介してギアGに伝達されて、加圧回転体であるローラ32が図3において矢印の反時計方向Aに所定の速度で回転駆動される。このローラ32の回転により、ニップ部Nにおけるローラ32の表面とベルト34の表面との摩擦力でベルト34に回転力が作用する。
これにより、ベルト34はその内面がニップ部Nにおいて、パッド35のニップ形成面35N(図5の(b))に密着して摺動しながら、パッド35、ステー36、コア37の外回りを矢印の時計方向Bにローラ32の回転速度とほぼ同じ速度で従動回転する。ベルト34の回転に伴う長手方向への寄り移動は、左側のスライド部材38Lのフランジ部38bによりベルト左端面が受け止められる、或いは右側のスライド部材38Rのフランジ部38bによりベルト右端面が受け止められることで規制される。
パッド35とベルト34の間に潤滑剤としてシリコンオイルやグリスを塗布して両者の摺動抵抗をより低減化させてもよい。
制御回路部100は、回路101をオンする。これによりAC電源102からコイル41に20〜50kHzの交流電流(高周波電流)が供給される。そうすると、コイル41の周囲に図3のHで示される磁束が生成消滅を繰り返す。そして、この磁束Hがコア42a・42bに導かれてベルト34の導電層を横切るとき、その磁界の変化を妨げる磁界を生じるように、導電層には渦電流が発生する。その渦電流は導電層の固有抵抗によってジュール熱を発生させる。
即ち、導電層の表皮抵抗及び導電層を流れる電流の大きさに比例してジュール熱が発生する。この導電層の発熱により、回転するベルト34が昇温する。一方、ベルト34の導電層は表皮深さよりも薄い為に磁束は導電層を貫通し、貫通した磁束は、ベルト34の内部配置されたコア37に向かって閉じた経路を形成する。この際、コア37はベルト34に一定の距離を保持し、最近接配置されている為、閉磁路としては最も閉じられた状態となり、効果的に磁束密度を高め、ベルト34を温度ムラなく、誘導加熱している。
本実施例において、ベルト34とコイル41は0.5mmのモールドにより電気絶縁の状態を保ち、ベルト34とコイル41との間隔は1.5mm(モールド表面とベルト表面の距離は1.0mm)で一定であり、ベルト41は均一に加熱される。
そして、ベルト34の温度がサーミスタTHで検知され、検知温度に関する電気的な情報がA/Dコンバータ103を介して制御回路部100へ入力する。制御回路部100はサーミスタTHからの検知温度情報に基づいてベルト34が所定の設定温度(定着温度)に昇温して維持されるように回路101を制御する。即ち、電源102からコイル41に対する供給電力を制御(通電制御)する。上記のようにして、ローラ32が駆動され、また、ベルト34が所定の定着温度に立ち上がって温調される。
この状態において、ニップ部Nに、未定着トナー画像tを担持した記録材Pがトナー画像担持面側をベルト34側にして導入される。記録材Pはニップ部Nにおいてベルト34の外面に密着し、ベルト34と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。これにより、記録材Pにベルト34の熱が付与され、またニップ圧を受けて未定着トナー画像tが記録材Pの表面に固着画像として加熱加圧で定着される。ニップ部Nを通った記録材Pはベルト34の外面から分離されて定着装置外へ搬送される。
コイル41を含むユニット33が、高温になるベルト34の内部ではなく外部に配置されている。これにより、コイル41の温度が高温になりにくく、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また、コイル41を外部に配置したことでベルト34の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、ひいては省エネルギー性にも優れていると言える。
(4)ユニット31のローラ32に対する加圧構成
図7の模式図を用いて説明する。図7は装置21の左側面側である。右側面側は図には省略したけれども、左側面側と左右対称の構成である。側板51L・51Rが具備しているスライドガイド54L・54Rは、ローラ32からのパッド35の平面部35a(図5の(b))と段差部35bに対する2つのニップ反力の合力Y方向に設けられている。スライド部材38L・38Rはこのスライドガイド54L・54Rに対してガイド溝38eが係合していて可動方向が規制されている。
即ち、ユニット31が側板51L・51Rに対してローラ32に近づく方向とその逆の遠のく方向とにスライドガイド54L・54Rに沿ってスライド移動可能に配置されている。
上記の構成によりスライド部材38L・38Rとスライドガイド54L・54R間に発生する摩擦力Fを軽減できる。例えば、いまニップ反力Ybがベルト34とローラ32の軸心を結ぶ直線方向X(ステー106の左右対称線(ステー106の左右対称線がローラ32の軸心を通る):以下同じ)から記録材搬送方向Zの下流側に角度θ+θ=15°の方向に働いている。そして、ニップ反力Yaと前記ニップ反力Ybの合力Yが前記直線方向Xから角度θ=10°傾いた方向に働いているとする。
ここで、対比のために従来構成を図12と図13の模式図により説明する。図12は従来の装置の左端部側の斜視図、図13は左端部側の模式図である。スライドガイド54L・54Rはユニット31がローラ32の方向に押圧されることによって形成される水平方向のニップ線に垂直方向に形成される。
即ち、スライド部材38L・38Rの可動方向を規制しているスライドガイド54L・54Rの方向がベルト34とローラ32の軸心を結ぶ直線方向Xに設けられている。そして、スライドガイド54L・54Rとスライド部材38L・38R間の摩擦係数μ=0.3、ニップ反力Yaと前記ニップ反力Ybの合力Yを600Nであるとする。
そうすると、従来構成における、スライドガイド54L・54Rとスライド部材38L・38Rとの間に生じる摩擦力Fは、
F=μ×Yb×sinθ=0.3×600×sin10°=31.26(N)
となる。
これをいま少し詳しく説明する。図13に示すように、分離性確保のためにパッド35に段差部35bを設け、ユニット31の両端部に配設されているスライド部材38L・38Rを、ベルト34とローラ32の軸心を結ぶ直線方向Xに加圧する。このとき、パッド35がローラ32に圧接されることにより、ローラ32からローラ32とパッド35とが接する面に対して垂直方向にニップ反力が働く。したがって、いまパッド35の下面には平面部35aと段差部35bが設けられているので、ニップ反力はローラ32に接しているパッド35の平面部35aと段差部35bの2つの面に対して発生する。
パッド35の平面部35aに対するニップ反力をYa、パッド35の段差部35bに対するニップ反力をYbとすると、スライド部材38L・38Rは、この2つのニップ反力の合力Y方向に最も大きな力を受ける。このときニップ反力Ybには、水平方向に働く力の成分が含まれている。ニップ反力Ybの水平方向の分力に対する反力とスライド部材38L・38Rとスライド部材38L・38Rの可動方向を規制しているスライドガイド54L・54Rとの間の摩擦係数μにより摩擦力Fが生じる。
この摩擦力Fは、加圧力に対する方向に働く。また、摩擦係数μはスライドガイド54L・54Rおよびスライド部材38L・38Rの表面性状により変化し、その値は変動するので、摩擦力Fの値も変動する。したがって、摩擦力Fの値が変動するため、加圧力によって生まれるニップ反力Yの値が不安定になり、ユニット31の長手方向で圧のバランス差が発生してしまう。そして結果として、記録材において定着ムラ等の問題が生じてしまう。
このような従来構成に対して、本実施例の図7のように、スライド部材38L・38Rの移動方向を規制するスライドガイド54L・54Rの方向をニップ反力YaとYbの合力Y方向に揃える(θ=θ)。即ち、スライド部材38L・38Rの可動方向がニップ反力方向と同一方向であるようにスライドガイド54L・54Rとこのスライドガイドに係合するスライド部材38L・38Rとを構成するのである。これにより、理論上、スライドガイド54L・54Rに対向する力はなくなる。そのために、スライドガイド54L・54Rとスライド部材38L・38Rとの間に生じる摩擦力Fを軽減できる。
スライドガイド54L・54Rの方向はニップ反力YaとYbの合力Y方向(直線方向Xから角度θだけ傾いた方向)と一致させることが望ましい(θ=θ)。しかし、スライドガイド54L・54Rの方向は、0<θ<2θの間であれば、直線方向Xに設けられているときよりも摩擦力Fは軽減できる。
これは、つまり、スライドガイド54L・54Rが直線方向Xに設けられているとき、ニップ反力YaとYbの合力Yとスライドガイド54L・54Rの角度差がθである。そのため、スライドガイド54L・54Rの方向の振り角度がニップ反力YaとYbの合力Y方向から片側θ以下であれば、摩擦力F軽減の効果が得られる、ということである。
[実施の形態2]
図8に定着ニップ部の拡大図を示す。また、図9に記録材搬送方向Zのニップ圧力分布の一例を示す。図9より、パッド35の下面下流側に設けられている段差部35bの個所で局部的にニップ反力が高くなっていることが見受けられる。これはつまり、段差部35bがローラ32に面する曲面の垂直抗力が大きいことを示す。このとき、筐体50が具備しているスライドガイド54L・54Rを記録材搬送方向Zのニップ反力の高い方向に設けて、スライド部材38L・38Rの可動方向を規制する。さらにスライド部材38L・38Rを、記録材搬送方向Zのニップ圧力分布が高い方向から加圧する。
即ち、記録材搬送方向Zにおいてローラ32からのニップ反力が一部局部的に高くなっており、付勢部材57L・57Rはそのニップ反力が高くなっている方向にスライド部材38L・38Rを加圧する。この構成により、スライド部材38L・38Rの可動方向を規制しているスライドガイド54L・54Rの方向および加圧力方向Xと主なニップ反力方向を一致することができる。これにより、スライド部材38L・38Rとスライドガイド54L・54Rと間に発生する摩擦力を軽減できる。この構成の断面図を図10に、斜視図を図11に示す。
[その他の構成]
(1)上記の実施の形態において、ベルト34の加熱は電磁誘導加熱方式に限られない。その他、例えば、パッド35のニップ部形成面に対応する部分にセラミックヒータを配設してベルト34を加熱する構成にすることもできる。ベルト34の外側または内側に設けた赤外線ランプで加熱する構成にすることもできる。
(2)ベルト34は駆動ローラを含む複数本のベルト懸架部材間に懸回張設して駆動ローラで回転駆動する構成にすることもできる。この場合は、加圧ローラ32は従動回転するローラ、あるいは非回転のパッド状の加圧部材とすることもできる。
21・・画像加熱装置、32・・加圧部材、34・・ベルト、35・・圧接部材、35a・・平面部、35b・・段差部、38L・38R・・スライド部材、54L・54R・・スライドガイド、N・・ニップ部、35N・・ニップ部形成面、P・・記録材、t・・画像、57L・57R・・付勢部材

Claims (2)

  1. 可撓性を有し回転可能な無端状のベルトと、前記ベルトの内側に配設されておりベルト内面と摺動する摺動面を有する圧接部材と、前記ベルトを挟んで前記圧接部材に当接して前記ベルトとニップ部を形成する弾性を有する加圧部材と、前記圧接部材の端部に配設されたスライド部材と、前記スライド部材が係合するスライドガイドであって、前記スライド部材を前記加圧部材に近づく方向と逆に遠のく方向とに移動案内するスライドガイドと、前記スライド部材を前記加圧部材に近づく方向に付勢して前記圧接部材を前記ベルトを挟んで前記加圧部材に弾性に抗して圧接させる付勢部材と、を有し、画像を担持した記録材を前記ニップ部で挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、
    前記圧接部材のニップ部形成面には、前記圧接部材の断面において、平面部と、前記平面部よりも記録材搬送方向に関して下流側に前記加圧部材の側に突出している段差部と、が設けられており、前記スライド部材の可動方向が、前記ニップ部における前記平面部と前記段差部に対するニップ反力の合力方向と同一方向およびそれとは逆方向であるように前記スライドガイドと前記スライドガイドに係合する前記スライド部材とが構成されていることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記付勢部材は前記合力方向とは逆方向の加圧力をもって前記スライド部材を加圧することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
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