JP5554887B2 - 光学活性シクロペンテノンの調製プロセス及び該プロセスにより調製されるシクロペンテノン - Google Patents

光学活性シクロペンテノンの調製プロセス及び該プロセスにより調製されるシクロペンテノン Download PDF

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Description

本発明は、プロスタグランジン及びその類似体の調製に有用な式(R)−1:
Figure 0005554887
で表される光学活性シクロペンテノンの新規調製プロセスに関する。本発明はまた、該プロセスにより調製される新規シクロペンテノンに関する。
プロスタグランジン及びその誘導体は、血管拡張作用や起炎性(prophlogistic)作用、血小板凝集阻害作用、子宮筋収縮作用、腸収縮作用、眼圧低下作用等の各種生物学的作用を有し、心筋梗塞や狭心症、動脈硬化、高血圧、十二指腸潰瘍の治療又は予防薬の調製に使用することができ、ヒト及び動物への各種用途において有用である。
過去数十年間、学術研究者及び産業機関の多くが、能率的で且つコスト節約できる革新的プロスタグランジン合成プロセスのための重要な各種中間体の探求に尽力してきた(非特許文献1)。
ロルヤ(Lolja)D.らは、式(R)−1:
Figure 0005554887
(R1は非置換直鎖飽和アルキル)で表されるシクロペンテノンが、プロスタグランジン合成において有力な中間体であることを報告した(非特許文献2)。また、ベラルディ(Beraldi)P.G.らは、式(R)−1で表されるシクロペンテノン(R1はメチル)は、プロスタグランジン合成における優れた中間体であることを報告した(非特許文献3)。更に、ベインベルガ(Veinberga)I.らは、式(R)−1で表される光学活性シクロペンテノン(R1は直鎖非置換アルキル基又は低級アルキル基)とその調製について報告した(非特許文献4)。従って、式(R)−1で表されるシクロペンテノンは、プロスタグランジン合成において有用であると考えられてきた。残念ながら、更に進んだプロスタグランジン合成を行うために式(R)−1で表されるシクロペンテノンのR1基をどのように選択すべきかについては、議論も研究も全くなされていない。
コリンズ(Collines)P.W.ら、1993、Chem.Rev.93、1533 ロルヤ(Lolja)D.ら、Zh.Org.Khim 1985、21(4)、782 ベラルディ(Beraldi)P.G.ら、1987、Tetrahedron、43、4669 Latvijas Kimijas Zurnals(1995)、1〜2、116
本願は、同日出願された同時係属中の他の特許出願である米国特許出願第11/334337号「プロスタグランジンを調製するためのプロセス及び中間体」と組合せることで、プロスタグランジン化合物の全合成過程における最も重要な部分を構成する。
前記同時係属特許出願の一実施形態においては、式(R)−1で表される化合物を用いたジノプロスト合成を開示しており、この合成は次のスキーム:
Figure 0005554887
(式中、P1とP2は保護基を表す)で表される。
ジノプロストは結晶化が極めて困難であり、該プロセスの中間体のうち結晶化できる中間体がないことから、高純度ジノプロストを得るために、共役付加プロセスで生成する各種立体異性体を除去することの鍵は化合物8の良好な結晶性にある。
残念ながら、式(R)−1で表されるシクロペンテノン(R1はメチル(先行技術に報告されている))から出発すると、該化合物から生成する化合物8は結晶化できない。
一方、本発明者らの他の発明においては、R1をメチルからエチルに変えるだけで、化合物8の結晶性が著しく向上する(mp:約62℃)ことが観察されている。R1を、嵩高いアルキル基(メンチル等)、アリール基(ナフチル等)、アラルキル基(ベンジル等)、置換アルキル基、置換アリール基又は置換アラルキル基とすると、化合物8の結晶化が極めて容易になる。従って、式(R)−1で表される化合物中のより嵩高いR1が化合物8に良好な結晶性を付与して高純度ジノプロストの調製を更に促進すると結論付けられる。他のプロスタグランジンF2α化合物の調製においても同様の知見が得られる。
一方、高い光学純度を有する式(R)−1で表されるシクロペンテノンの商業的調製に関しては、解決すべき問題が依然として残る。
ベインベルガ(Veinberga)I.らは、酵素加水分解(Latv.Kim.Z.(1〜2)、122、1995、及びLatv.Kim.Z.(1〜2)、116、1995)や2段階酵素反応(Latv.Kim.Z.(1)、103、1992)等の各種酵素的方法を利用して、式(R)−1で表される光学活性シクロペンテノン(R1はメチルに限る)を得た。
しかしながら、ベインベルガ(Veinberga)I.らが用いたこれら酵素反応或いは生体触媒のうち、基質に対して良好なエナンチオ選択性を示すものはない。更に、光学純度85%e.e.超の式(R)−1で表されるシクロペンテノン(式中、R1はメチルを表す)が得られたという例もない。依然として、式(R)−1で表されるシクロペンテノンに対して高いエナンチオ選択性を有する適切な酵素を見出すことが望まれている。
酵素的分割により生成する望ましくない副生成物、即ち式(S)−1で表されるシクロペンテノンを回収するためには、式(S)−1で表される基質を式(R)−1で表されるシクロペンテノンに変換する反転反応が考えられる。
しかしながら、ローラ(Lola)D.らによれば、該反転反応は、基質が特定のγ−ケトエステル構造を含んでいる場合には、成功が特に困難であると報告されている(Zh.Org.Khim.(1985)、21(10)、2091)。
更に次に示すように、該エステルの活性なα−プロトンがOX基を脱離させてしまう場合が多い。
Figure 0005554887
先行技術には、式10、11及び12:
Figure 0005554887
(日本特許第61−83141号、同第52−156840号及び欧州特許第357009号に参照することができる)で表される4−ヒドロキシシクロペンテノンの反転に成功したという報告があるが、次に示すように4−ヒドロキシシクロペンテノンはγ−ケトエステル構造を含まないことから、これら先行技術に基づいて式(S)−1で表されるシクロペンテノンをうまく反転できると直観的に推量はできない。
光学活性シクロペンテノン(R)−1の酵素的調製においては、ジエステルである化合物7の位置選択的脱アシル化が望ましい。他の方法で行うと、次に示すように副生成物が生じる。
Figure 0005554887
また、シクロペンテノン(R)−1が特定のγ−ケトエステル構造を有することから、化学的加水分解により生じる強酸又は強塩基条件は、更なる脱離を生じさせないように回避する必要がある。次に報告されているように酵素加水分解が好ましいようである。
Latv.Kim.Z.(1〜2)、116、1995:
Figure 0005554887
ピノ(Pinot)E.ら、Tetrahedron:Asymmetry16、1893、(2005):
Figure 0005554887
しかしながら、本発明者らは、先行技術による報告と同様の反応条件で化合物7(式中、R1はエチル又はベンジルを表す)の酵素加水分解を追試したところ、相当量の副生成物13及び14が得られることが分かった。これは、先行技術によって、ジエステルである化合物7の位置選択的脱アシル化を行うための十分な解決策が提供されていないことを示している。
前記に鑑みると、式(R)−1で表される光学活性シクロペンテノンの商業的調製のための解決すべき問題は依然として残っている。
本発明は、式(R)−1で表される光学活性シクロペンテノンの商業的調製のための解決策を提供することを意図する。
更に本発明は、式(R)−1で表される新規光学活性シクロペンテノン(式中、R1は嵩高いアルキル、アラルキル又はアリール基を表し、それらの各々は非置換又は置換である)を提供することを意図し、該シクロペンテノンは、好ましくは光学純度90%e.e.超であり、より好ましくは光学純度95%e.e.超であって、目的のプロスタグランジン生成物の合成を更に促進する。
本発明は、従来プロセスが直面している問題点を有さない、光学活性シクロペンテノン(R)−1の新規調製プロセスを提供する。より重要なことには、本明細書に開示のプロセスは、実施しやすく、経済的で、且つ工業的製造目的に有用である。更に本発明は、より嵩高いか、又は光学活性シクロペンテノン(R)−1の結晶性がより高くなる新規R1基を導入することにより、エステル官能基に関して広範な選択性を有する新規シクロペンテノンも提供する。
I.定義
本明細書において使用される用語「アルキル」は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐状の炭化水素基、又はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メンチル等の炭素数3〜10の環状飽和炭化水素基を意味する。
本明細書において使用される用語「低級アルキル」は、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜6のアルキルを意味する。
本明細書において使用される用語「アルケニル」は、ペンテニル、プロペニル等の一以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素数3〜20の直鎖又は分岐状の炭化水素基、又はシクロペンテニル、シクロヘキセニル等の一以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素数5〜20の環状不飽和炭化水素基を意味する。
本明細書において使用される用語「アルキニル」は、ペンチニル、プロピニル等の一以上の炭素−炭素三重結合を有する炭素数3〜20の直鎖又は分岐状の炭化水素基、又は一以上の炭素−炭素三重結合を有する炭素数6〜20の環状不飽和炭化水素基を意味する。
本明細書において使用される用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスリル等の単環式又は多環式芳香族炭化水素基を意味する。アリールは、ハロゲン、アルコキシル、チオアルコキシル、アルキル、アリール等の一以上の置換基によって任意的に置換されていてもよく、置換基はこれらに限定されない。
本明細書において使用される用語「アラルキル」は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐状炭化水素と上述のアリール基一以上とを意味し、例としてはベンジル、ベンズヒドリル、フルオレニルメチル等が挙げられる。
前述のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びアラルキルはいずれも、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニル等から成る群から選択されるヘテロ環基によって任意的に置換されていてもよい。
用語「保護基」は、有機合成化学において従来定義されている意味を有する(即ち、官能基又は化学反応の攻撃対象となる化合物部分を保護することができる基)。保護基としては、メトキシメチル、メトキシチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジル及びSiRabc(Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立にC1-4アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル又は置換ベンジルを表す)を挙げることができるが、これらに限定されない。
Figure 0005554887
II.本発明の第一のアスペクト
II−1 式1で表されるシクロペンテノン(ラセミ体)の調製プロセス
式1で表されるシクロペンテノン(式中、R1はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はアラルキルを表し、それらの各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基、又はカルボキシル基の保護基によって置換されている)は、スキームAに示すように、2−フルアルデヒドから調製される。
Figure 0005554887
スキームAの段階(a)において2−フルアルデヒドを、式AcOR1で表される化合物(式中、R1は上に定義した通り)と反応させて、式2で表されるフランカルビノールを得る。
段階(b)において、式2で表されるフランカルビノールを転換(又は転位)させて式3及び式1で表されるシクロペンテノンの混合物を得る。段階(c)において、この混合物を更に異性化反応に付し、式3で表されるシクロペンテノンを式1で表されるシクロペンテノンに変換する。
スキームAにおいて段階(a)は、2−フルアルデヒドと式AcOR1で表される化合物(式中、R1は上に定義した通り)との間のアルドール縮合反応であり、該反応は、塩基存在下で、好ましくはリチウムジイソプロピルアミド(LDA)存在下で行うことができる。段階(b)は転換(即ち転位)反応であり、該反応は、水100%の水性媒体又は有機溶媒を少量含む水を含有する水性媒体にて行うことができる。pHは、有機又は無機の酸性又は塩基性物質、好ましくはリン酸水素二カリウム/リン酸の緩衝溶液を用いて約2.5〜約6.5の範囲に維持する。転位反応を行うための温度は、好ましくは約60℃〜約200℃の範囲であり、より好ましくは約80℃〜140℃の範囲である。好ましい一実施形態においては、転位反応により生成する式3及び式1で表されるシクロペンテノンの混合物を、更なる精製を行うことなくそのまま段階(c)に付す。段階(c)は異性化反応であり、抱水クロラールとトリエチルアミンの存在下で行うことができる。異性化反応によって、式3で表されるシクロペンテノンが式1で表されるシクロペンテノンに異性化される。得られた式1で表される粗シクロペンテノンはラセミ体である。
式1で表されるシクロペンテノン(式中、R1は上に定義した通り)はまた、式1’で表されるシクロペンテノン(式中、R2は低級アルキルを表す)からエステル交換により調製することもできる。
本発明における、式1’で表されるシクロペンテノンから式1で表されるシクロペンテノンへのエステル交換をスキームBに示す。
Figure 0005554887
スキームBの段階(d)における反応は保護反応である。保護基としては塩基に対して安定な保護基が好ましく、例えば、メトキシメチル、メトキシチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジル及びSiRabc(式中、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立してC1-4アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル又は置換ベンジルを表す)を挙げることができるが、これらに限定されない。保護を行うための反応条件は本技術分野においてよく知られている。好適な保護基の例は、T.W.グリーン(Greene)による「有機化学における保護基」("Protective Groups in Organic Synthesis")(ジョン ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)1981)に記載されている。例えば、式1’に記載のシクロペンテノンをジクロロメタンに溶解させ、p−トルエンスルホン酸を触媒量添加する。反応液を氷浴に付して、3,4−ジヒドロ−2H−ピランを適量添加し、次いで室温にて約10分〜約10時間攪拌して、式4で表される保護されたシクロペンテノンを得る。
スキームBの段階(e)における反応は、酵素存在下、好ましくはカンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)リパーゼ存在下で、水相(水又は緩衝液)及び/又は有機溶媒中で行われる加水分解反応である。スキームBの段階(f)の反応は、塩基と、カルボキシル基又はアルコール部分を活性化するために用いられる縮合試薬との存在下における、加水分解後のシクロペンテノンのカルボキシル基と式R1OHで表されるアルコールとのエステル化反応である。
縮合試薬としては、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドクロリド、2−クロロ−1−メチル−ピリジウムヨージド、2−クロロ−4,5−ジヒドロ−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド、N,N−ジフェニルクロロフェニルメチレニミニウムクロリド等を挙げることができるが、これらに限定されない。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げられ、これらは適切な溶媒(ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン及びそれらの混合物等)中で使用することができる。
スキームBの段階(g)における反応は脱保護反応であり、従来法により行うことができる。例えば、式6で表されるシクロペンテノン(式中、R1は2−ナフチルであり、Pはテトラヒドロピラニル保護基を表す)をメタノール等の適切な溶媒に溶解させ、塩酸、p−トルエンスルホン酸又はピリジウムp−トルエンスルホン酸等の適切な脱保護剤で処理し、室温にて10分〜10時間攪拌して、脱保護された式Iで表される生成物を得る。
II−2.ラセミ体のアルコール(R)−1のエナンチオ選択的(R)−エステル化
スキームCに示すように、式1で表されるシクロペンテノン(ラセミ体)を、式A:
Figure 0005554887
(式中、R3及びR4は独立して低級アルキルを表す)で表されるアシル供与体と、エナンチオ選択的なリパーゼの存在下で反応させる。この反応において、アシル供与体が優先的に(R)−体シクロペンテノンと反応することにより、式(R)−7で表される光学活性なエステルと、式(S)−1で表される未反応のアルコールとから成る混合物が生成する(スキームC)。
Figure 0005554887
本発明によれば、得られた式(R)−7で表されるエステルは、光学活性が少なくとも85%e.e.であり、少なくとも90%e.e.であることが好ましく、少なくとも95%e.eであることが最も好ましく、最大で99%e.e.である。更に、本発明の好ましい実施形態によれば、式1において、R1はC1〜C15アルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニルであっていずれも非置換又は置換であり、より好ましくは、メチル、エチル、ベンジル、ナフチル及びトリクロロエチルから選択される。
本発明の一実施形態においては、使用するエナンチオ選択的なリパーゼは、ブタの肝臓、ブタの膵臓又は微生物(例えば、アクロモバクターspp.(Achromobacter spp.)、アルカリジェネスspp.(Alcaligenes spp.)、アルペルギルスニガー(Aspergillus niger)、カンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)、カンジダルゴサ(Candida rugosa)、カンジダリポリティカ(Candida lypolytica)、クロモバクテリウムビスコスム(Chromobacterium viscosum)、ムコールジャンバニカス(Mucor janvanicus)、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)、ペニシリウムカメンベルチ(Penicillum Camenberti)、ペニシリウムロクエフォルテイイ(Penicillium roqueforteii)、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)、シュードモナスフルオレセンス(Pseudomonas fluorescence)、シュードモナスspp.(Pseudomonas spp.)、シュードモナススツズリ(Pseudomonas stutzuri)、リゾパスデルマー(Rhizopus Delmar)、リゾパスニベウス(Rhizopus Niveus)、リゾパスオリゼ(Rhizopus oryze)及びリゾパスspp.(Rhizopus spp.))由来である。より好ましくは、立体選択的なリパーゼは、カンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)、アクロモバクターspp.(Achromobacter spp.)、アルカリジェネスspp.(Alcaligenes spp.)、シュードモナスフルオレセンス(Pseudomonas fluorescence)、シュードモナススツズリ(Pseudomonas stutzuri)又はシュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)由来である。
本発明プロセスにおいてリパーゼは、エステル化における光学選択性が維持される限り、精製リパーゼ、粗リパーゼ、又はリパーゼが由来する微生物自体を伴う天然形態等の任意の形態で存在させることができる。リパーゼの化学的安定性、活性又は光学的選択性は、遺伝子組換え、DNA組換え又は固定化により更に向上させることができる。好ましい実施形態においては、リパーゼは、アクロモバクターspp.(Achromobacter spp.)由来のリパーゼ、アルカリジェネスspp.(Alcaligenes spp.)由来のリパーゼ、アマノファーマスーティカル社(Amano Pharmaceutical Company)から市販されている「AK」又は「PS」という名称のシュードモナスリパーゼ、又はノボノルディスク(Novo Nordisk)社から市販されている「リポレース(Lipolase)又は「ノボザイム(Novozyme)」という名称のリパーゼである。
エナンチオ選択的なエステル化は、単一有機溶媒中又は有機溶媒混合物中で行うことができ、これら有機溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エーテル、イソプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル及びそれらの混合物から選択される。リパーゼの使用量は、リパーゼの活性、基質の量又は使用する溶媒等、多くの因子によって変わり得る。
本発明の一実施形態においては、リパーゼは、式1で表されるシクロペンテノンの質量当量当たり0.01質量当量〜10質量当量の範囲の量で使用される。
反応混合物は、定常的に攪拌、振とう又は超音波処理して、反応物−リパーゼ間の良好な接触を確保する。また、反応に好適な温度は5℃〜50℃であり、常温で行うことが好ましい。更に、エナンチオ選択的エステル化は、出発材料の転化率が適切となった後、反応混合物からリパーゼを除去することにより停止させることができる。一実施形態においては、変換率30%〜70%、より好ましくは変換率約50%が達成された後に、リパーゼを除去して酵素的エステル化を停止させる。
一実施形態においては、本発明に使用するアシル供与体は、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、吉草酸ビニル、吉草酸イソプロペニル、酪酸ビニル、酪酸イソプロペニル及びそれらの混合物を含む。
II−3 未反応(S)−アルコールの除去
未反応(S)−アルコールの除去は、段階(h)で得られた反応混合物中に存在する、式(R)−7で表されるエステルと未反応のアルコール(S)−1を直接分離することを含む。式(R)−7で表されるエステルの構造及び性質は、式(S)−1で表されるアルコールと大きく異なることから、式(R)−7で表されるエステルは、従来法(例えば、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー)を用いて混合物から容易に単離することができる。
Figure 0005554887
或いは、本発明の一実施形態においては、適切な溶媒中、ジアルキルアゾジカルボキシレート及びトリアリールホスフィンの存在下において、式R5COOH(式中、R5はR1で定義した通りであるか、又はR3である)で表されるアシルオキシ供与体を用いてOH基をアシルオキシ基に変換することにより、未反応のアルコール(S)−1を式(R)−7又は(R)−7’で表されるエステルに変換する。好ましくは、ジアルキルアゾジカルボキシレートは、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート又はジベンジルアゾジカルボキシレートであり、及び/又はトリアリールホスフィンはトリフェニルホスフィンであり、及び/又は溶媒はトルエンであり、及び/又はアシルオキシ供与体はカルボン酸であり、及び/又はR5は低級アルキル又はR3である。段階(I−2)において、混合物中の式(S)−1で表されるアルコールのほぼ100%が、式(R)−7’で表されるエステルに変換する。
Figure 0005554887
式(R)−1で表される光学的に活性な本発明のシクロペンテノンを得るために、段階(h)で得られた混合物から式(R)−7で表されるエステルを単離することや、式(S)−1で表されるアルコールを除去することは必要とされない。代わりに、混合物を段階(I−2)の反転反応に直接付して、式(R)−7及び式R)−7’で表されるエステルの混合物を得ることができる。
II−4 式(R)−7及び/又は式(R)−7’で表されるエステルの脱アシル化
Figure 0005554887
本発明において、段階(J)は脱アシル化反応である。本発明の一実施形態においては、脱アシル化反応は、アルコールと酸性触媒(例えば、リン酸、p−トルエンスルホン酸、臭化水素酸、塩酸、硝酸や硫酸又はそれらの混合物)の存在下で行う化学的加水分解又はアルコリシスであり、(R)−7及び/又は(R)−7’で表されるエステルを分解して式(R)−1で表されるシクロペンテノンを得る。好ましくは、酸は硫酸であり、アルコールはR1OH(式中、R1は上に定義した通り)である。
本発明の他の実施形態においては、段階(J)における脱アシル化反応は酵素分解反応である。酵素分解反応は加水分解又はアルコリシスであり、加水分解は、水、緩衝液、水飽和有機溶媒又は緩衝液飽和有機溶媒の存在下で行うことができ、アルコリシスは、アルキルアルコール、アリールアルコール若しくはアルコール含有水系又は非水系の存在下で行うことができる。更に、酵素的脱アシル化のための反応系は、均一系、或いは水又は緩衝液と(一種以上の)水不溶溶媒とを含有する二相系とすることができる。エステルは、反応系中に溶解又は細分散させて、反応系内のリパーゼと良好に接触させる必要がある。必要に応じて、塩や界面活性剤等の相間移動触媒を系に添加し、反応速度を上げることができる。有機溶媒は水と非相溶、即ち水或いは緩衝液で飽和されているか、又は水溶性有機溶媒(アルコール等)であることができる。好適な緩衝液としては、ハライド、カーボネート、ホスフェート、スルフェート、ナイトレート、ビカーボネート及び/又はアセテートから調製される緩衝液であるがこれらに限定されず、pHの範囲は5〜8であることが好ましい。該反応に使用する好適な有機溶媒は、水相溶性溶媒又は水非相溶性溶媒であることができる。水相溶性溶媒としては、アルキルアルコール、アリールアルコール、アルケニルアルコール、メチルスルホキシド、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル及びそれらの混合物を挙げられるが、これらに限定されない。水非相溶性溶媒としては、ヘキサン、トルエン、エーテル、石油エーテル、イソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン及びそれらの混合物を挙げられるが、これらに限定されない。
使用する酵素は、エステルの加水分解又はアルコリシスに好適なリパーゼである。段階(J)で使用するリパーゼは、カンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)、アクロモバクターspp.(Achromobacter spp.)、アルカリジェネスspp.(Alcaligenes spp.)、シュードモナスフルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナススツズリ(Pseudomonas stutzuri)又はシュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)由来であることが好ましい。リパーゼは、カンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)、シュードモナスspp.(Pseudomonas spp.)又はアクロモバクターspp.(Achromobacter spp.)由来であることがより好ましく、カンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)由来であることが最も好ましい。
反応は、キラルカラムを用いたHPLCによりモニターして、好ましくは生成物の光学純度が約95%e.e.に低下したときにリパーゼを除去して反応を停止させる。任意的に、未反応の(R)−7及び/又は(R)−7’で表されるエステルを、脱アシル化後に除去することができる。
本発明によれば、光学活性が少なくとも95%e.e.、好ましくは少なくとも98%e.e.である式(R)−1で表されるアルコールが生成する。
II−5 式(R)−1で表される光学活性シクロペンテノンのエステル交換
本発明の一実施形態においては、シクロペンテノン中のR1が他の置換基に置換するように、式(R)−1で表されるシクロペンテノンをエステル交換反応に付す。式(R)−1で表される本発明に係る光学活性シクロペンテノンのエステル交換は、出発材料がラセミ材料ではなく光学活性シクロペンテノンであること以外はセクションII−1(スキームB)に示す方法と同様にして行う。エステル交換において、基質の光学純度は不変である。
III. 本発明の第二のアスペクト
本発明は更に式1Aで表される化合物を提供する
Figure 0005554887
(式中、X1はH又はヒドロキシ基の保護基であり;R1はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はアラルキルを表し、それらの各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基、又はカルボキシル基の保護基によって置換されている(但し、R1が直鎖非置換アルキルである場合を除く))。
一実施形態によれば、式1Aで表される化合物はR配置リッチであり、少なくとも95%エナンチオ過剰の光学純度を有する。
特に本発明は式1A(式中、R1は分岐状アルキル、アルケニル又はアルキニルを表し、それらの各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基、又はカルボキシル基の保護基によって置換されており、好ましくは、R1は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアラルキルであり、好ましくは、前記アラルキルは、非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているベンジルであり;又は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アルコキシル、チオアルコキシル、アルコキシカルボニル、カルボニル及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアリールであり;好ましくは、前記アリールはフェニル、ナフチル、ピレニル及びフェナンスレニルから成る群から選択され、それらの各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アルコキシル、チオアルコキシル、アルコキシカルボニル、カルボニル及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されている)で表される化合物を提供する。
更に本発明は、式1A(式中、R1はナフチル、ベンジル、2−シアノエチル、メンチル、メトキシベンジル、ピペロニル、フェニル、アルコキシカルボニルフェニル、トリクロロエチル又はジフェニルメチルを表す)で表される化合物を提供する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、これら実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。当業者であれば容易に達成できる本発明の如何なる変更や改変も、明細書及び添付請求項の開示に包含される。
実施例1
2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
スキームBに示した手順に従い実施例を行った。
段階(a):
反応フラスコ(2L)を真空下、火力乾燥(flame dried)し、窒素下にセットした。無水THF400mL、ジイソプロピルアミン59.68g及び1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液約352mLを反応フラスコに入れ、−20℃〜0℃の温度範囲で約1時間攪拌した。次に、ドライアイス/アセトン浴を用いて反応温度を約−70℃まで下げた。この反応液に、THF100mLで希釈した酢酸エチル(47.2g)溶液を滴下漏斗で添加した。続いて、フルフラール51.5gを反応液に添加し、反応終了後、塩化アンモニウムの飽和水溶液で反応液を急冷し、次いで1時間攪拌した。終了後分相し、水相を酢酸エチルで2回抽出した(2×500mL)。有機層を合一して食塩水(500mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過し、真空下(40℃、2mmHg)で濃縮した。暗黄色から褐色がかった油状物が得られた(約120g)。
段階(b):
段階(a)で得た生成物を、更なる精製を行わずに段階(b)で使用した。スターラーとコンデンサーとを備えた三口フラスコ中に、段階(a)の生成物、水(4800g)、リン酸水素二カリウム(5.1g)を投入し攪拌した。リン酸を用いて反応溶液のpHを約3に調整した。窒素気流下、反応液を約100℃以上の温度で還流した。還流反応終了後、反応液を冷却し、目的生成物が水相に含まれなくなるまで酢酸エチルで抽出した。抽出生成物から酢酸エチルを留去して、2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペン−1−オンと2−エトキシカルボニルメチル−3−ヒドロキシ−4−シクロペアン−1−オンとを含有する混合物を得た(総量約120g)。
段階(c):
段階(b)で得た反応液(約120g)に、トリエチルアミン6g、クローラルモノハイドレート0.6g、トルエン250mLを添加した。2−エトキシカルボニルメチル−3−ヒドロキシ−4−シクロペンテン−1−オンが2−エトキシカルボニル−メチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンに完全に変換するまで、混合液を1〜24時間室温にて攪拌した。変換は薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。反応液を更に濃縮して暗褐色がかった油状生成物を得、続いて該生成物をフラッシュクロマトグラフィーに付した。フラッシュクロマトグラフィーでは、シリカゲルをカラムに充填し、ヘキサンと酢酸エチルを各種割合で含有する溶媒混合液で溶出した。最後に、純粋な標題化合物2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペン−1−オンを得た(約57g)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.44 (s,1H), 4.98 (m, 1H), 4.16 (q, 2H), 3.25 (s,2H), 3.11 (br, 1H), 2.83 (dd, 1H), 2.34 (dd, 1H),1.27 (t, 3H).
実施例2
2−メトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンエン−1−オン
Figure 0005554887
酢酸エチルに代えて酢酸メチル(40g)を用いた以外は同様にして、実施例1の手順を繰り返した。標題化合物を純粋な暗色油状物として得た(24g)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.45 (s,1H), 5.01 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.28 (s,2H), 2.85 (dd, 1H), 2.35 (dd, 1H), 1.67 (brs, 1H)
実施例3
2−ベンゾキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
酢酸エチルに代えて酢酸ベンジル(80.8g)を用いた以外は同様にして、実施例1の手順を繰り返した。標題化合物を暗色油状物として得た(55g)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.15〜7.55 (m, 6H), 5.17 (s, 2H), 5.01 (m, 1H), 3.31 (s,2H), 2.83 (dd, 1H), 2.33 (m, 1H).
実施例4
2−エトキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン100gをジクロロメタン1000mLに溶解し、ここに3,4−ジヒドロ−2H−ピラン55gとp−トルエンスルホン酸一水和物2gを添加して、次いで室温にて約3時間攪拌した。反応終了後、反応液を飽和重曹水溶液400mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮して、2−エトキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オンを得た(138.5g)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.40〜7.68 (m, 1H), 4.70〜5.02 (m, 2H), 4.15 (q, 2H), 3.88 (m, 1H), 3.54 (m,1H), 3.23 (q, 2H), 2.79 (m,1H), 2.37 (m, 1H), 1.77 (m, 2H), 1.55 (m, 4H), 1.25 (t, 3H).
実施例5
2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例4で得た2−エトキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン50gとカンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)リパーゼ5gを、リン酸緩衝液500mL(10mM、pH6.5〜7.5)に懸濁させ室温にて攪拌した。溶液のpHを1N水酸化ナトリウム溶液で維持し、反応終了に際し最後に8.0に調整した。反応液を酢酸エチル300mLで2回洗浄した。水層のpHを更に飽和硫酸水素ナトリウム溶液を用いて3.0に調整した。水層を酢酸エチル300mLで再度2回洗浄した。有機層を合一し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペン−1−オンを得た(31.5g、収率75%)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.45〜7.61 (m, 1H), 4.73〜5.02 (m, 2H), 3,88 (m, 1H), 3.55 (m,1H), 3.31 (m, 2H), 2.82 (m,1H), 2.38 (m, 1H), 1.42〜1.88 (m, 6H).
実施例6
2−(1,1,1−トリクロロエトキシカルボニルメチル)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例5で得た2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペン−1−オン5g、2,2,2−トリクロロエタノール(4.7g)、ジクロロメタン(50mL)、4−(ジメチルアミン)ピリジン0.2gを共に、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(7g)含有ジクロロメタン溶液30mLに添加した。反応液を室温にて約4時間攪拌した後、沈澱物を濾去した。濾液を希塩酸溶液20mLと水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。粗生成物をアセトン30mL及び水6mLに溶解させ、更に3N HCl(aq)3mLを添加し一晩攪拌した。反応終了後、アセトンを留去し反応液を酢酸エチルで希釈して、重曹水溶液と食塩水溶液で洗浄した。有機層を、脱水、濾過、蒸発等の前述の後処理に付し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を得た(4.8g、80%)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.49 (m, 1H), 5.02 (m, 1H), 4.75 (s, 2H), 3.42 (s, 2H), 2.86 (dd, 1H), 2.35 (dd, 1H), 1.78 (brs, 1H).
実施例7
2−(2−ナフチルオキシカルボニルメチル)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例5で得た2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン5g(21mmol)、2−ナフトール(4.7g、32mmol)、ジクロロメタン(50mL)及び4−(ジメチルアミン)ピリジン0.2gを共に、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(7g、34mmol)含有ジクロロメタン溶液50mLに添加した。反応液を室温にて約4時間攪拌した後、沈澱物を濾去した。濾液を希塩酸溶液20mLと水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。粗生成物をアセトン30mL及び水6mLに溶解させ、更にp−トルエンスルホン酸0.3gを添加し一晩攪拌した。反応終了後、アセトンを留去し反応液を酢酸エチルで希釈して、重曹水溶液と食塩水溶液で洗浄した。有機層を、脱水、濾過、蒸発等の後処理に付し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を白色固体として得た(MP:81℃、4.2g、71%)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.82 (m,2H), 7.78 (d, 1H), 7.55 (m,2H), 7.46 (m,2H), 7.21 (dd, 1H), 5.04 (m, 1H), 3.56 (s, 2H), 2.89 (dd, 1H), 2.38 (dd, 1H), 1.60 (brs, 1H).
実施例8
(R)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オンと(S)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの混合物
Figure 0005554887
実施例3で得た2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン(ラセミ体)10g、酢酸ビニル10mL、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)由来リパーゼ1g及びメチルイソブチルケトン(以下「MIBK」と称する)100mLを、250mL反応フラスコに添加し0℃〜50℃の温度で攪拌した。エステル化反応が約45%〜55%行われた後、リパーゼを除去して反応を停止させた。反応液を真空蒸発(50℃、20mmHg)にて濃縮し、生成物を暗褐色油状物として得た。この生成物は(R)−エステル(即ち(R)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン)と未反応の(S)−アルコール(即ち(S)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン)を含有していた。任意的に、(R)−エステル(4.8g、99%ee)と未反応(S)−アルコール(4.2g、99%ee)とをフラッシュカラムで分離した。
実施例9〜26
アシル供与体、溶媒、リパーゼの種類を変えた以外は実施例8に記載の方法と同様にして実施例9〜26を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005554887
Figure 0005554887
実施例27及び28
(R)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例27
実施例8で得た未反応(S)−アルコール(即ち(S)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペン−1−オン(4.2g、98%e.e.)、酢酸(1.54g、1.5mol.Eq.)及びトリフェニルホスフィン(6.74g、1.5mol.Eq.)を共に、密閉反応フラスコ中でトルエンに溶解させた。続いて、反応液を約0〜10℃の温度に冷却し、次いでジイソプロピルアゾカルボキシレート(4.5g、1.3mol.Eq.)をゆっくり添加した。反応が終了するまで温度を0〜10℃に維持し、次いで反応液の温度を室温にした。得られた沈澱物を濾去し、真空下で濾液を蒸発させトルエンを除去し、粗生成物(即ち(R)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オンを得た(5.4g、98%e.e.)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.43 (m, 1H), 7.33 (m, 5H), 5.78 (m, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.31 (s, 2H), 2.87 (dd, 1H), 2.37 (dd, 1H), 2.06 (s, 3H).
実施例28
実施例15で得た(R)−エステル:2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペン−1−オンと未反応(S)−アルコール:2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンとを含有する混合物(5.75g)を、トルエン(50mL)、酢酸(1.06g、1.5mol.eq.)及びトリフェニルホスフィン(4.6g、1.5mol.eq.)と合一した。反応液を、均一な反応液が得られるまで室温にて攪拌した。反応液を冷却し、ジイソプロピルアゾカルボキシレート(約3.1g、1.3mol.eq.)を徐々に添加した。反応終了後、反応液を常温まで加熱して一日攪拌した。得られた沈澱物を濾過し、真空下で濾液を蒸発させトルエンを除去した。(R)−エステルと、残渣と、光延反応から生じる副生成物とを含有する粗生成物(9.7g)を得た。粗生成物は、次反応においてそのまま使用するか、又はフラッシュカラムで少し精製してから使用した。光学純度約99%e.e.を有する標題化合物(約4.8g)を得た。
実施例29
(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
(R)−エステル:2−エトキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オンと(S)−アルコール:2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンとを含有する混合物を、実施例28に記載の手順に付し標題化合物を得た(7.2g)。
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.44 (s, 1H), 5.79 (d, 1H), 4.15 (q, 2H), 3.25 (s, 2H), 2.88 (dd, 1H), 2.37 (dd, 1H), 2.07 (s, 3H), 1.25 (s, 3H).
実施例30
Figure 0005554887
酢酸に代え酪酸を反応に用いた以外は実施例28の手順に従い実施例29を行った。標題混合物を暗色油状物として得た(収率:約90%)。
実施例31〜33
(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例31:(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン(96%e.e.)5gをエタノール40mLに溶解させた。反応液に硫酸5gを徐々に添加し、次いで40℃で4〜5時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、溶液のpHを飽和重曹水溶液で約4〜6に調整した。真空下でエタノールを留去し反応液を濃縮後、更に酢酸エチル300mLで希釈抽出して、放置し分層せしめた。水層を酢酸エチル約100mLで2回洗浄した。有機溶液を合一し、飽和重曹溶液と食塩水溶液をそれぞれ用いて洗浄した。反応液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を油状物として得た(4.1g、96%e.e.)。
実施例32:(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン(96%e.e.)5gに、MIBK50mL、エタノール5g及びカンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)リパーゼ0.5g(ノボインダストリー(Novo Industry)より入手)を添加し、室温にて反応フラスコ内で共に攪拌した。反応はHPLCでモニターして、反応基質の光学純度が99%e.e.に低下するまで行って、リパーゼを濾去することにより反応を停止させた。反応液を濃縮し溶媒を除去して、更にショートカラムに付し未反応エステルを除去して光学純度の高い標題化合物を得た(4.2g、99%e.e.)。
実施例33:カンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)リパーゼに代えアクロモバクター(Achromobacter)由来のリパーゼを用いた以外は実施例32の手順に従って実施例33を行った。光学純度の高い標題化合物を得た(4.1g、99%e.e.)。
実施例34及び35
(R)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例34:(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−アセトキシ−2−シクロペンテ−1−オンとエタノールに代えて、出発物質に(R)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン(4g、97%e.e.)とベンジルアルコールを用いた以外は実施例32の手順に従い実施例34を行った。光学純度の高い標題化合物を得た(3.4g、99%e.e.)。
実施例35
実施例34:(R)−2−ベンズオキシカルボニルメチル−4−アセチルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン(5g、98%e.e.)5g、カンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)リパーゼ0.5g、リン酸緩衝液50mL(10mM、pH7)を共に添加し室温にて攪拌した。反応液のpHを0.1N水酸化ナトリウム溶液で約6.5〜7.5に維持した。約3〜4時間後、リパーゼを濾去して反応を停止させた。酢酸エチル(50mL)を用いて水相から2回生成物を抽出した。続いて、集めた有機層を、飽和重曹溶液と食塩水溶液をそれぞれ用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を油状物として得た(3.2g、98%e.e.)。
実施例36
(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−トリエチルシリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン(5g、98%e.e.)25gを酢酸エチルに溶解させ、この溶液を窒素置換したフラスコ内に入れ、イミダゾール(13.87g、204mmol)を添加した。溶液を0℃に冷却して、トリエチルクロロシラン(26.6g、176mmol)をゆっくり添加した。反応液を室温まで温め、更に15時間攪拌した。濾過後、濾液を飽和重曹溶液と食塩水溶液をそれぞれ用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して標題化合物を得た(38.5g、95%)。
[α]D:+27.8°(c1.0、CH3CN)
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.36 (s, 1H), 4.96 (m, 1H), 4.16 (q, 2H), 3.23 (dd, 2H), 2.84 (dd, 1H), 2.32 (dd, 1H), 1.26 (t, 3H), 0.99 (t, 9H), 0.65 (q, 6H).
実施例37
(R)−2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−トリエチルシリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例35で得た(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−トリエチルシリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン20gとカンジダアンタルシティカ(Candida antarcitica)リパーゼ2gを、リン酸緩衝液(10mM、pH6.5〜7.5)200mLに懸濁させ室温にて攪拌した。溶液のpHを1N水酸化ナトリウム溶液で維持して、反応終了に際し最後に7.0に調整し、リパーゼを濾過により除去した。反応液を、酢酸エチル100mLを用いて2回抽出した。水相のpHを、飽和硫酸水素ナトリウム溶液で更に6.0に調整した。水相を、酢酸エチル100mLを用いて再度2回抽出した。有機相を合一し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)−2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−トリエチルしシロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを得た(12g、収率65%)。
[α]D:+19.8°(c1.0、CH3CN)
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.35 (m,1H), 4.93 (m,1H), 3.26 (m, 2H), 2.78 (dd, 1H), 2.31 (dd, 1H), 0.95 (t, 9H), 0.64 (q, 6H).
実施例38
(R)−2−[2−(4−モルホリンエトキシカルボニルメチル)]−4−トリエチルシリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例37で得た2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−トリエチルシロキシ−2−シクロペン−1−オン(21mmol)5g(18.5mmol)、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン(2.9g、22.1mmol)、ジクロロメタン(50mL)及び4−(ジメチルアミン)−ピリジン0.2gを共に、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(6g、29mmol)含有ジクロロメタン溶液30mLに添加した。反応液を室温にて約4時間攪拌後、沈澱物を濾去した。濾液を飽和重曹溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を油状物として得た(4.4g、62%)。
[α]D:+26.0°(c1.0、CH3CN);
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.40 (m, 1H), 4.97 (m, 1H), 4.28 (t, 2H), 3.75 (t, 4H), 3.28 (q, 2H), 2.80 (dd, 1H), 2.69 (t, 2H), 2.57 (s, 4H), 2.33 (dd, 1H), 1.01 (t, 9H), 0.68 (q, 6H).
実施例39
(R)−2−(2−シアノエトキシカルボニルメチル−4−トリエチルシリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリンに代えて3−ヒドロキシプロピオニトリルを反応に用いた以外は実施例38の手順に従って実施例39を行った。標題化合物を油状物として得た(収率:64%)。
[α]D:+30.9°(c1.0、CH3CN);1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.37 (s, 1H), 4.96 (m, 1H), 4.30 (t, 2H), 3.30 (q, 2H), 2.79 (dd, 1H), 2.72 (t, 2H), 2.31 (dd, 1H), 0.98 (t, 9H), 0.65 (q, 6H).
実施例40
(R)−2−(3−エトキシカルボニルフェノキシカルボニルメチル)−4−トリエチルシロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリンに代えてエチル3−ヒドロキシベンゾエートを反応に用いた以外は実施例38の手順に従って実施例40を行った。標題化合物を油状物として得た(収率:67%)。
[α]D:+21.0°(c1.0、CH3CN);1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.96 (m, 1H), 7.79 (m, 1H), 7.49 (m, 2H), 7.32 (m, 1H), 5.03 (m, 1H), 4.41 (q, 2H), 3.56 (q, 2H), 2.87 (dd, 1H), 2.40 (dd, 1H), 1.43 (t, 3H), 1.03 (t, 9H), 0.70 (q, 6H).
実施例41
2−[(1R,2S,5R)−メントキシカルボニルメチル]−(4R)−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例37で得た2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−トリエチルシロキシ−2−シクロペン−1−オン(21mmol)5g(18.5mmol)、(1R,2S,5R)−(−)−メントール(3.44g、22.0mmol)、ジクロロメタン(50mL)、4−(ジメチルアミン)ピリジン0.2gを共に、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(6g、29mmol)含有ジクロロメタン溶液30mLに添加した。反応液を室温にて約4時間攪拌し、沈澱物を濾去した。濾液を飽和重曹溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。粗生成物をTHF50mL及び水5mL中に溶解させ、更に3N HCl(aq)1mLを添加し、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、重曹水溶液と食塩水溶液で洗浄した。有機液を、濾過及び蒸発等の前述の後処理に付した。得られた残渣を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を油状物として得た(4.3g、79%)。
実施例42
(R)−2−(4−メトキシフェニルメトキシカルボニルメチル)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテンテン−1−オン
Figure 0005554887
(−)−メントールに代え4−メトキシベンジルアルコールを反応に用いた以外は実施例41の手順に従って実施例42を行った。標題化合物を油状物として得た(収率:67%)。
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.39 (s, 1H), 7.25 (d, 2H), 6.87 (d, 2H), 5.06 (s, 3H), 4.95 (m, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.26 (s, 2H), 2.81 (dd, 1H), 2.31 (d, 1H).
実施例43
(R)−2−(2−ナフトキシカルボニルメチル)−4−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
(R)−2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン5g(27.1mmol、98%e.e.)を酢酸エチルに溶解し、得られた溶液を窒素置換したフラスコに入れ、イミダゾール(2.77g、40.7mmol)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、tert−ブチルジメチルクロロシラン(5.3g、35mmol)を分割して加えた。反応液を室温まで温め、15時間攪拌した。濾過後、濾液を飽和重曹溶液と食塩水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、蒸発乾固させた。残渣とカンジダアンタルティカ(Candida antartica)リパーゼ1gをリン酸緩衝液100mL(10mM、pH6.5〜7.5)に懸濁させ、室温にて攪拌した。溶液のpHを1N水酸化ナトリウム溶液で維持し、反応終了に際し最後に7.0に調節し、リパーゼを濾別した。反応液をトルエン50mLで2回抽出した。水層のpHを更に飽和硫酸水素ナトリウム溶液を用いて6.0に調節した。再度、水層を酢酸エチル100mLを用いて2回抽出した。有機層を合一し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣と2−ナフトール(5.0g、34.7mmol)をジクロロメタン50mLに溶解した。4−(ジメチルアミン)ピリジン0.2gを、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(7.5g、36mmol)含有ジクロロメタン溶液30mLに加えた。反応液を室温で約4時間攪拌した。沈澱物を濾別した。濾液を飽和重曹溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を白色固体として得た(5.2g、48%)。
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.78 (m, 2H), 7.74 (d, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.42 (m, 3H), 7.17 (dd, 1H), 4.95 (m, 1H), 3.50 (q, 2H), 2.77 (dd, 1H), 2.30 (dd, 1H), 0.82 (s, 9H), 0.08 (s, 6H).
実施例44
(R)−2−ヒドロキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例44は、ラセミ体の2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの代わりに、光学活性の2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン(98%e.e.)を反応に用いた以外は同様にして、実施例4及び実施例5の手順に従って行なった。標題化合物を油状物として得た。
実施例45
(R)−2−(2−ナフトキシカルボニルメチル)−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
実施例44で得られた2−ヒドロキシカルボニルメチル−4(R)−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン(5g、21mmol)、2−ナフトール(4.7g、32mmol)、ジクロロメタン(50mL)、4−(ジメチルアミン)ピリジン0.2gを共に、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(7g、34mmol)含有ジクロロメタン溶液50mLに加えた。反応液を室温で約4時間攪拌し、沈澱物を濾去した。濾液を20mLの希塩酸溶液、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を白色固体として得た(3.8g、64%)。
MP: 75℃; [α]D + 29.3° (c 1.0, CH3CN); 1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.10〜7.90 (m, 8H), 4.72〜5.11 (m, 2H), 3.90 (m, 1H), 3.60 (m, 3H), 2.89 (m, 1H), 2.35〜2.60 (m, 1H), 1.40〜1.92 (m, 6H).
実施例46
2−メトキシカルボニルメチル−4(R)−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
2−ナフトールの代わりに、等モルの(1R,2S,5R)−(−)−メントールを反応基質として用いた以外は実施例45に記載の手順と同様にして、標題化合物を調製することができ、油状物として得られる。
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.44〜7.58 (m, 1H), 4.65〜5.04 (m, 3H), 3.91 (m, 1H), 3.57 (m,1H), 3.24 (m, 2H), 2.74〜2.88 (m, 1H), 2.35〜2.54 (m, 1H).
実施例47
(R)−2−ジフェニルメトキシカルボニルメチル−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン
Figure 0005554887
2−ナフトールの代わりに、等モルのベンズヒドロールを反応基質として用いた以外は実施例45に記載の手順と同様にして、標題化合物を油状物として調製することができる。
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.20〜7.42 (m, 11H), 6.81 (s, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.68 (m, 1H), 3.79 (m, 1H), 3.46 (m, 1H), 3.30 (m, 2H), 2.74 (m, 1H), 2.20〜2.41 (m, 1H), 1.15〜1.90 (m, 6H).
実施例48
(R)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニルメトキシカルボニルメチル)−4−テトラヒドロピラニルオキシ−2−シクロペン−1−オン
Figure 0005554887
2−ナフトールの代わりに、等モルのピペロニルアルコールを反応基質として用いた以外は実施例45に記載の手順と同様にして、標題化合物を調製することができ、油状物として得られる。
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.42〜7.60 (m, 1H), 6.81 (m, 3H), 5.98 (s, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.97 (m, 1H), 4.80 (m, 1H), 3.91 (m, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.31 (m, 2H), 2.80 (m,1H), 2.30〜2.55 (m, 1H), 1.45〜2.04 (m, 6H).

Claims (18)

  1. 少なくとも95%エナンチオ過剰の光学純度を有する(R)−エナンチオマーリッチな式1:
    Figure 0005554887
    (式中、R1はC1−C10アルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニルを表し、それらの各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基、若しくはピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換されている)
    で表される化合物の調製プロセスであって、
    (a)アシル供与体と、カンジダ アンタルシティカ(Candida antarcitica)、アクロモバクター spp.(Achromobacter spp.)、アルカリジェネス spp.(Alcaligenese spp.)、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス スツズリ(Pseudomonas stutzri)又はシュードモナス セパシア(Pseudomonas cepacia)に由来する第一のリパーゼとを用いて、式1で表されるラセミ体アルコール混合物をエナンチオ選択的に(R)−エステル化することにより(R)−エステルと未反応の(S)−アルコールを得る段階と、
    (b)未反応の(S)−アルコールを除去する段階と、
    (c)式R1OH(式中、R1は上に定義した通り)で表されるアルコール存在下で、シュードモナス spp.(Psudomonas spp.)、アクロモバクター spp.(Achromobacter spp.)及びカンジダ アンタルシティカ(Candida antarcitica)に由来する第二のリパーゼを用いるか、又は式R1OH(式中、R1は上に定義した通り)で表されるアルコール存在下で触媒を用いて(R)−エステルを脱アシル化する段階と
    を含む調製プロセス。
  2. 未反応の(S)−アルコールの除去は、ジアルキルアゾジカルボキシレート及びトリアリールホスフィンの存在下において、未反応の(S)−アルコールをアシルオキシ供与体と反応させることにより、該(S)−アルコールを(R)−エステルに変換することを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. アシル供与体は、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、吉草酸ビニル、吉草酸イソプロペニル、酪酸ビニル又は酪酸イソプロペニルである、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. アシルオキシ供与体はカルボン酸である、請求項2又は3に記載のプロセス。
  5. ジアルキルアゾジカルボキシレートは、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート又はジベンジルアゾジカルボキシレートである、請求項2〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. トリアリールホスフィンはトリフェニルホスフィンである、請求項2〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 触媒は、リン酸、p−トルエンスルホン酸、臭化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸及びそれらの混合物から成る群から選択される酸を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 少なくとも95%エナンチオ過剰の光学純度を有する(R)−配置リッチな式1A:
    Figure 0005554887
    (式中、X1はH又はヒドロキシ基の保護基を表し;R1はC3-10環状アルキル、アリール又はアラルキルを表し、それらの各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、若しくはピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換されている)で表される化合物。
  9. ヒドロキシ基の保護基は塩基に対して安定であり、メトキシメチル、メトキシチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジル及びSiRabc(式中、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立してC1-4アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル又は置換ベンジルを表す)から選択される、請求項8に記載の化合物。
  10. 1は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アルコキシル、チオアルコキシル、アルキルアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル及びアルキルアミノカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているC3-10環状アルキルを表す、請求項8又は9に記載の化合物。
  11. 前記C3-10環状アルキルがメンチルである、請求項10に記載の化合物。
  12. 1は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル及びアルキルアミノカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアラルキルを表す、請求項8又は9に記載の化合物。
  13. 前記アラルキルがベンジルである、請求項12に記載の化合物。
  14. 1は非置換か、ハロゲン、アルキル、アルコキシル、チオアルコキシル、アルコキシカルボニル及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアリールを表す、請求項8又は9に記載の化合物。
  15. 前記アリールがフェニル、ナフチル、ピレニル及びフェナンスレニルから成る群から選択される、請求項14に記載の化合物。
  16. 少なくとも95%エナンチオ過剰の光学純度を有する(R)−配置リッチな式1A:
    Figure 0005554887
    (式中、X1はH又はヒドロキシ基の保護基を表し;R1は置換アルキルを表し、該置換アルキルは、ハロゲン、炭素数3〜10の環状飽和炭化水素基、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換されている)で表される化合物。
  17. ヒドロキシ基の保護基は塩基に対して安定であり、メトキシメチル、メトキシチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジル及びSiRabc(式中、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立してC1-4アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル又は置換ベンジルを表す)から選択される、請求項16に記載の化合物。
  18. 1は2−シアノエチル又はトリクロロエチルである請求項16又は17に記載の化合物。
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