JP5554863B1 - 橋梁工事の騒音低減構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】橋梁継目の近傍で行う工事に関し、安価かつ少ない手間により騒音を低減できる構造を提供すること。
【解決手段】床版5を支持する主桁4の端部に配置された端横桁8に、4つの防音パネル10を内外両面に夫々設置して騒音低減構造を形成する。防音パネル10は、マグネット層13と接着層14と鋼鈑15を有する第1の単位パネル11と、マグネット層16と接着層17と高比重樹脂層18を有する第2の単位パネル12とを重ねて形成する。この騒音低減構造は、床版5の端部に設けられた伸縮装置52の工事に伴う振動を抑制でき、騒音を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁の工事を行う際に生じる騒音を低減する構造に関する。
道路の高架橋は、例えば都市高速道路等のように、市街地に設置される場合が多いため、従来より、高架橋から生じる騒音を低減するための種々の対策が行われている。
高架橋から生じる騒音としては、高架橋を走行する車両が、床版と床版との間を接続する伸縮装置を通過する際に生じる騒音が代表的である。車両の通過時の騒音を低減するため、桁の相互間に形成される遊間に、止水ゴム膜と、この止水ゴム膜の下面に接合された吸音材とからなる排水樋を設置した伸縮装置が提案されている。(特許文献1参照)。この防音装置は、床版と床版の間を、表面が走行車両の走行面となる伸縮ゴムで接続し、この伸縮ゴムの上を車両が通過する際に生じる騒音を、下方の排水樋で吸収して、桁の下方の地表面に達する騒音を軽減するように形成されている。
ところで、伸縮装置は、車両の通過に伴う衝撃によって劣化が進みやすいため、補修や交換が行われる頻度が比較的高い。伸縮装置を交換する工事においては、伸縮装置と床版との接続部分に設けられた後打コンクリートを破壊し、この後打コンクリート内に固定されたアンカー及や鉄筋を除去する必要がある。後打コンクリートは、一般的に、コンクリートブレーカを用いて破砕されるが、コンクリートブレーカを用いた破砕作業では、車両の通過による騒音よりも、音圧が大きく、かつ、継続的な騒音が生じる。したがって、高架橋の工事における騒音を抑制することは、車両の通過に伴う騒音の低減にも増して重要である。
このような伸縮装置の工事における騒音を低減するため、例えば、後打コンクリートを高圧水の噴射圧で切断するウォータージェット工法を採用することが考えられる。
特開2006−193943
しかしながら、ウォータージェット工法は、高圧水の発生装置や、高圧水をコンクリートに所定の噴射パターンを描きながら噴射させるノズル装置や、高圧水のコンクリートへの噴射に伴って生じる廃水の処理装置等の多くの装置が必要であり、設備コストが高く、また、装置の搬入及び準備の手間がかかるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、例えば高架橋の伸縮装置の補修工事のような橋梁の床版の端部で行う工事に関し、少ない手間により安価に騒音を低減できる騒音低減構造を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の橋梁工事の騒音低減構造は、主桁によって支持された床版の端部における工事の騒音を低減する構造であって、
前記主桁の端部に設置されて直角方向に延在する端横桁に、着脱可能な板状の振動抑制体を設置してなることを特徴としている。
前記構成によれば、端横桁に設置された振動抑制体により、床版の端部で行われる工事に起因する振動が効果的に低減され、騒音が低減される。したがって、例えば、床版の端部に設置された伸縮装置の補修工事において、後打コンクリートをコンクリートブレーカで破砕しても、橋梁の周辺に与える騒音レベルを効果的に低減できる。その結果、ウォータージェット工法のような高コストの方法を採用する必要が無いから、工事費用の低廉化を図ることができる。
従来、床版の端部で工事が行われる場合、工事に起因する振動の大部分は、床版から床版を支持する主桁に伝達すると考えられていた。したがって、主桁について、剛性を増大させる等の対策を行うことが一般であった。このような状況において、本発明者は、床版の端部で行われる工事に起因する騒音は、主桁よりも、主桁の端部に配置された端横桁が多く関与していることを発見し、この見地に基づいて本発明を創作するに至ったのである。
さらに、本発明の橋梁工事の騒音低減構造は、着脱可能な振動抑制体を用いるので、複数の工事において振動抑制体を再利用でき、騒音低減構造を安価に作製できる。
本発明において、床版の端部とは、床版のうち、橋梁の橋軸方向における端の部分であり、隣接する床版に接続される部分や、橋台に接続される部分である。また、主桁とは、橋軸方向に延在して床版を支持する主要な部材である。
一実施形態の橋梁工事の騒音低減構造は、前記振動抑制体は、前記端横桁の鉛直方向に延在する部分の両面に配置されている。
前記実施形態によれば、端横桁の鉛直方向に延在する部分の両面に設置された振動抑制体により、床版の端部で行われる工事に起因する振動を効果的に低減でき、騒音を効果的に低減できる。ここで、端横桁の鉛直方向に延在する部分としては、例えば、I型鋼のウェブが該当する。
一実施形態の橋梁工事の騒音低減構造は、前記主桁の前記端横桁に近接する部分に、前記振動抑制体を設置してなる。
前記実施形態によれば、端横桁に加えて、この端横桁に接続された主桁の前記端横桁に近接する部分に振動抑制体を設置することにより、床版の端部で行われる工事に起因する振動を効果的に低減でき、騒音を効果的に低減できる。ここで、主桁の前記端横桁に近接する部分としては、例えば、I型鋼のウェブの端部が該当する。
一実施形態の橋梁工事の騒音低減構造は、前記振動抑制体が、磁力を有する吸着層と、2以上12以下の比重を有する材料で形成された高比重層と、前記吸着層と高比重層を接着すると共に前記高比重層よりも弾性率の低い接着層とを含む積層体である。
前記実施形態によれば、吸着層の磁力によって端横桁に固定された振動抑制体は、比重が2以上20以下の高比重層と、この高比重層よりも弾性率の低い接着層とにより、工事に起因する端横桁の振動を効果的に抑制でき、その結果、工事に伴う騒音を効果的に低減できる。ここで、前記接着層は樹脂で形成されるのが好まししい。また、前記接着層の比重は、0.9以上2未満であるのが好ましい。接着層を形成する樹脂としてはエラストマーが特に好ましく、例えばブチル系接着剤等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。また、振動抑制体は、吸着層と高比重層と接着層とを含む単位を、複数個積み重ねて形成してもよい。この場合、各単位に含まれる高比重層や接着層は、単位の間で異なる材料で形成されてもよい。
一実施形態の橋梁工事の騒音低減構造は、前記振動抑制体の高比重層が、鋼で形成されている。
前記実施形態によれば、鋼で形成された高比重層を含む振動抑制体により、工事に起因する端横桁の振動を効果的に低減でき、その結果、工事に伴う騒音を効果的に低減できる。前記高比重層は、種々の鋼を用いることができるが、防錆の点でステンレス鋼が好ましい。
一実施形態の橋梁工事の騒音低減構造は、前記振動抑制体の高比重層が、コンクリートで形成されている。
前記実施形態によれば、コンクリートで形成された高比重層を含む振動抑制体により、工事に起因する端横桁の振動を効果的に低減でき、その結果、工事に伴う騒音を効果的に低減できる。また、高比重層をコンクリートで形成することにより、振動抑制体を安価に製造できる。
一実施形態の橋梁工事の騒音低減構造は、前記振動抑制体の高比重層が、樹脂に無機質粉末が混合されてなる高比重樹脂で形成されている
前記実施形態によれば、高比重樹脂で形成された高比重層を含む振動抑制体により、工事に起因する端横桁の振動を効果的に低減でき、その結果、工事に伴う騒音を効果的に低減できる。また、樹脂への無機質粉末の混合量を調節することにより、高比重樹脂の比重を調整できるので、高比重層の比重に応じた所望の振動抑制特性の振動抑制体が得られる。
一実施形態の橋梁工事の騒音低減構造は、前記工事は、橋梁の橋軸方向に互いに隣接する床版と床版との間を接続する伸縮装置に関する工事である。
前記実施形態によれば、伸縮装置に関する工事を行う際に、床版の端部に伸縮装置を固定する後打コンクリートを破壊するため、コンクリートブレーカを使用する場合において、前記振動抑制体を用いた騒音低減構造により、安価かつ少ない手間で騒音を効果的に低減することができる。
本発明の橋梁工事の騒音低減構造が適用された橋梁を示す横断面図である。 図1の橋梁における橋梁継目の近傍を示す縦断面図である。 端横桁及び振動抑制体を示す断面図である。 実験における加振位置及び騒音集録位置を示す橋梁の部分横断面図である。 加振装置による騒音と工事による騒音とを比較するグラフである。 振動抑制体の配置条件を示す図である。 端横桁直下で収集した騒音を示すグラフである。 端横桁の下方で収集した騒音を示すグラフである。 他の振動抑制体を示す断面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態としての騒音低減構造が適用された橋梁を示す横断面図であり、図2は、図1の橋梁における橋梁継目の近傍を示す縦断面図である。
本実施形態では、橋梁としての高速道路用の高架橋に騒音低減構造を適用する例を説明する。図1及び2に示すように、高架橋1は、コンクリート製の橋脚2と、この橋脚2で支持される上部構造3で構成される。なお、橋梁の橋脚2は鋼製でもよい。
上部構造3は、橋軸方向に延在する4つの主桁4を備え、これらの主桁4の上フランジ43に、床版5を固定して構成されている。主桁4はI型鋼で形成され、各主桁4の端部の相互間は、橋軸直角方向に延在する端横桁8で接続されている。端横桁8は、主桁4のウェブ41の高さ方向の略中央から上フランジ43に達する高さを有し、主桁4と連結される両端部が、主桁4側に向かうにつれて桁高が増大するハンチ形状に形成されている。なお、端横桁8は、ハンチ形状の部分は無くてもよく、桁高が単一であってもよい。主桁4の端部の下フランジ42が、橋脚2の上面に設置された支承7で支持されている。主桁4のウェブ41の両側には、平面視において主桁4の支承7で支持される位置に、支点上補剛材9が設けられている。上部構造3は、隣り合う橋脚2,2の間に架け渡される床版5と、この床版5を支持する主桁4や端横桁8等で構成された径間ユニットが、橋軸方向に複数個連なって構成されている。
床版5の表面には、コンクリート又はアスファルトによる舗装51が設けられている。橋軸方向において、主桁4及び床版5の端部と、これに隣接する主桁4及び床版5の端部との間の橋梁継目には、床版5の遊間を埋めるための伸縮装置52が設けられている。すなわち、隣接する径間ユニットの床版5の間に、伸縮装置52が設けられている。
伸縮装置52は、平面視において櫛歯状の継手本体53と、一方の床版5側の継手本体53と、他方の床版5側の継手本体53との間に介設されたゴム製の止水部材54を有する。床版5の端部の表面には、遊間部から所定範囲にわたって切り欠き部が形成され、この切欠き部に伸縮装置52の継手本体53が設置されている。継手本体53の止水部材54と反対側には、図示しないアンカー鉄筋が固定されている。このアンカー鉄筋を取り囲むと共に前記床版5の切欠き部を埋めるように、後打コンクリート55が設置されて、継手本体53が床版5に固定されている。なお、本発明の騒音低減構造を適用する橋梁は、他の構造の伸縮装置を備えてもよい。
本実施形態の騒音低減構造は、前記伸縮装置52の下方に位置する端横桁8に、複数の振動抑制体としての防音パネル10が設置されて形成されている。防音パネル10は、橋軸直角方向において、後打コンクリート55のコンクリートブレーカで破砕される位置に対応する中央の主桁間の端横桁8に配置されている。防音パネル10は、端横桁8のウェブの内外両面に、夫々4枚ずつ配置されている。ここで、端横桁8の内側面とは、この端横桁8が属する径間ユニットの主桁4が延在する側をいい、端横桁8の外側面とは、同一の橋脚2に支持され、当該端横桁8が属する径間ユニットに隣接する径間ユニットの側を向いた面をいう。
この騒音低減構造は、床版5の端部の相互間に設置された伸縮装置52の工事で発生する騒音を低減するものである。詳しくは、中央の主桁間の上方に位置する後打コンクリート55の部分を、コンクリートブレーカにより破砕する際に生じる騒音を低減するものである。
防音パネル10は、図3に示すように、分離可能な2つの単位パネル11,12を重ねて形成している。第1の単位パネル11は、端横桁8側から順に、吸着層としてのマグネット層13と、接着層14と、高比重層としての鋼鈑15を有する。第2の単位パネル12は、第1の単位パネル11側から順に、吸着層としてのマグネット層16と、接着層17と、高比重樹脂層18を有する。
前記第1の単位パネル11のマグネット層13は、樹脂に磁性粉末を混合して板状に成形されたものであり、第1の単位パネル11を磁力で端横桁8に固定する。接着層14は、エラストマーとしてのブチル系接着剤で形成され、マグネット層13と鋼鈑15とを接着すると共に、鋼鈑15との相互作用により、端横桁8から伝達される振動を減衰させる。鋼鈑15は0.8mm厚の亜鉛メッキ鋼鈑である。なお、接着層14には、ブチル系接着剤のほか、スチレンブタジエンゴム系接着剤や、クロロプレンゴム系接着剤を用いることができる。また、接着層4は、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム又はウレタン等で形成された弾性シートの両面に接着剤を塗布して形成され、マグネット層13と鋼鈑15との間に配置されてマグネット層13と鋼鈑15とを接着するものであってもよい。また、高比重層としては、鋼鈑以外に、ステンレス板等、他の金属で形成されたものを用いてもよい。
前記第2の単位パネル12のマグネット層16は、樹脂に磁性粉末を混合して板状に成形されたものであり、第2の単位パネル12を磁力で第1の単位パネル11の鋼鈑15に固定する。接着層17は、基材としての織布の両面に、粘着剤としてのブチル系接着剤を設けて形成された布基材両面テープである。なお、接着層17を形成する布基材両面テープは、基材の布として不織布を用いたものでもよい。また、布基材両面テープの粘着剤は、ブチル系接着剤の他、スチレンブタジエンゴム系接着剤及びクロロプレンゴム系接着剤等を用いることができる。高比重樹脂層18は、樹脂に高比重無機質粉末を混合して板状に成形されたものであり、2〜3の比重を有する。高比重樹脂層18の樹脂は、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリスチレン、ポリエチレン及びポリプロピレン等の熱可塑性樹脂と共に使用されてもよい。高比重無機質粉末は、比重が2以上、好ましくは4以上の無機質の粉末であり、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、シリカ、雲母、グラファイト、アルミナ、リトポン、ジルコサンド、クロマイトサンド、鉄粉、酸化鉄粉、製鉄スラグ粉、硫化鉄粉、鉛粉及びガラス繊維等を用いることができる。これらは1種または2種以上を混合して使用することができる。前記接着層17は、マグネット層16と高比重樹脂層18とを接着すると共に、高比重樹脂層18との相互作用により、第1の単位パネル11から伝達される振動を減衰させる。
前記防音パネル10は、一例として、縦750mm及び横500mmの寸法と、4.8kgの質量を有し、単位面積当たりの質量は0.013g/mmである。この防音パネル10を、端横桁8の縦900mm及び横2500mmの主要領域に、一方の面について4枚設置し、騒音低減構造を形成している。したがって、端横桁8の内外両面で合計8枚の防音パネル10を配置している。ここで、端横桁8の主要領域とは、両端の下部のハンチ形状の部分を除いてなる矩形の部分である。なお、端横桁8に設置する防音パネル10の数は、端横桁8の内側と外側で異なってもよい。
本実施形態の騒音低減構造によれば、端横桁8に設置された8枚の防音パネル10により、伸縮装置52の補修工事で後打コンクリート55をコンクリートブレーカで破砕する際の騒音を、効果的に低減することができる。また、防音パネル10は、端横桁8等の鋼製部材に着脱可能であるので、複数の工事で再利用できるから、騒音低減構造を安価に作製できる。
前記実施形態において、1つの主桁間に8枚の防音パネル10を設置したが、防音パネル10の枚数は8枚に限られない。また、本発明の騒音低減構造を、橋梁の床版の端部における工事としての伸縮装置52の工事に適用したが、例えば床版5の工事や、主桁4の工事や、支承7の工事や、端横桁8の工事等に適用してもよい。すなわち、本発明は、橋梁の床版の端部に相当する位置における上部構造の工事に、広く適用できる。また、前記実施形態では、中央の1つの主桁間に騒音低減構造を設置したが、コンクリートブレーカで破砕する後打コンクリート55の位置が、複数の主桁間に亘る場合は、対応する全ての主桁間に騒音低減構造を設置してもよい。
ここで、図1の高架橋1について、防音パネル10の設置条件を複数種類設定し、防音パネル10による騒音低減効果を確認する実験を行った。実験では、コンクリートブレーカによる騒音に模して、コンクリートバイブレータにより端横桁8に振動を与えた。図4は、実験において、端横桁8にコンクリートバイブレータで加振した位置と、騒音を収録した位置を示す橋梁の部分横断面図である。コンクリートバイブレータによる振動は、端横桁8の下端かつ中央の位置Cに与えた。コンクリートバイブレータによる振動によって生成された騒音は、端横桁8の加振位置Cの直下の位置M1と、主桁4の下端から鉛直下方に約6mの離隔Lをおいた位置M2とに配置したマイクロフォンで収録した。端横桁8の加振位置Cと主桁4の下端との間には、鉛直方向において約2mの離隔が存在する。騒音の収録は、マイクロフォンに接続された騒音計を介して行った。
図5は、コンクリートバイブレータの加振装置で加振位置Cに振動を与えたときの騒音と、伸縮装置52の後打コンクリート55を実際に破砕した工事における騒音とを比較したグラフである。図7のグラフにおいて、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は騒音レベル(dBA)である。図5に示すように、工事1及び2の曲線で示される実際の工事の騒音と、加振装置による騒音とが、100Hzから800Hzまでの帯域において、同様の周波数分布特性を有する。したがって、加振装置の加振により、工事の騒音を模擬することができる。
図6は、実験における防音パネル10の配置条件を、模式図によって示した平断面図及び横断面図である。ケースP1では、端横桁8の内側に、4枚の防音パネル10を配置する。ケースP2では、端横桁8の内側と外側に、防音パネル10を4枚ずつ配置する。ケースP3では、ケースP2に加えて、防音パネル10を配置した端横桁8の両側の主桁4の内外両面に、防音パネル10を1枚ずつ配置する。ここで、主桁4の内側とは、防音パネル10を配置した端横桁8に臨む側の面をいい、主桁4の外側とは、防音パネル10を配置した端横桁8に臨む側と反対側の面をいう。
図7は、加振位置Cの直下の位置M1で収録した騒音の周波数分布を、1/3オクターブ中心周波数によって示したグラフである。図8は、加振位置Cの下方の位置M2で収録した騒音の周波数分布を、1/3オクターブ中心周波数によって示したグラフである。図7及び8のグラフおいて、横軸は1/3オクターブ中心周波数(Hz)であり、縦軸は騒音レベル(dBA)である。図7及び8のグラフ中、ORは防音パネル10を配置しない場合の騒音の周波数分布を示す曲線である。図7及び8から分かるように、端横桁8の内外両面に防音パネル10を4枚ずつ配置したケースP2が、騒音を最も低減できるといえる。
前記実施形態において、振動抑制体としての防音パネル10は、分離可能な2つの単位パネル11,12を重ね合せて形成したが、2つの単位パネル11,12のうちの一方の単位パネル11又は12によって振動抑制体を形成してもよい。また、振動抑制体としては、例えば図9の断面図に示すように、端横桁8に磁力で固定される吸着層としてのマグネット層21と、接着層22と、コンクリート層23とで形成された防音パネル20を用いてもよい。マグネット層21及び接着層22は、前記実施形態のマグネット層13,16及び接着層14,17と同様のものを用いることができる。コンクリート層23は、ポルトランドセメント及び骨材に添加剤や混和剤を適宜混合し、板状に成形されたコンクリートであり、約2.3の比重を有する。この防音パネル20は、コンクリート層23と、コンクリート層23よりも弾性の低い樹脂で形成された接着層22との作用により、床版5の端部の工事に起因する振動を抑制して、騒音を効果的に低減できる。また、この防音パネル20は、高比重層として、コンクリートで形成されたコンクリート層23を用いるので、安価に製造できる。
前記実施形態において、橋梁の上部構造3は、I型鋼で形成された主桁4を4つ備えたが、主桁4の数は何個でもよい。また、橋梁の上部構造は、橋軸直角方向において矩形断面を有し、橋軸方向に延在する箱桁を備えたものでもよい。この場合、箱桁の端部に設けられ、箱桁の断面の一部又は全部を閉じるように設けられた端横桁に、防音パネル10,20を配置すればよい。
前記実施形態において、橋梁工事の騒音低減構造を、道路用の高架橋1に適用した場合について説明したが、本発明は、人道橋、自動車道路橋及び鉄道橋のいずれの用途の橋梁における工事について適用できる。また、橋梁は、河川、海洋及び陸上のいずれの位置に設置されたものでもよい。
1 高架橋
4 主桁
5 床版
8 端横桁
10 防音パネル
52 伸縮装置

Claims (7)

  1. 主桁によって支持された床版の端部における工事の騒音を低減する構造であって、
    前記主桁の端部に設置されて直角方向に延在する端横桁に、着脱可能な板状の振動抑制体を設置してなり、
    前記振動抑制体が、磁力を有する吸着層と、2以上12以下の比重を有する材料で形成された高比重層と、前記吸着層と高比重層を接着すると共に前記高比重層よりも弾性率の低い接着層とを含む積層体であることを特徴とする橋梁工事の騒音低減構造。
  2. 請求項1に記載の橋梁工事の騒音低減構造において、
    前記振動抑制体は、前記端横桁の鉛直方向に延在する部分の両面に配置されていることを特徴とする橋梁工事の騒音低減構造。
  3. 請求項1に記載の橋梁工事の騒音低減構造において、
    前記主桁のウェブの端部に、前記振動抑制体を設置してなることを特徴とする橋梁工事の騒音低減構造。
  4. 請求項1に記載の橋梁工事の騒音低減構造において、
    前記振動抑制体の高比重層が、鋼で形成されていることを特徴とする橋梁工事の騒音低減構造。
  5. 請求項1に記載の橋梁工事の騒音低減構造において、
    前記振動抑制体の高比重層が、コンクリートで形成されていることを特徴とする橋梁工事の騒音低減構造。
  6. 請求項1に記載の橋梁工事の騒音低減構造において、
    前記振動抑制体の高比重層が、樹脂に無機質粉末が混合されてなる高比重樹脂で形成されていることを特徴とする橋梁工事の騒音低減構造。
  7. 請求項1に記載の橋梁工事の騒音低減構造において、
    前記工事は、橋梁の橋軸方向に互いに隣接する床版と床版との間を接続する伸縮装置に関する工事であることを特徴とする橋梁工事の騒音低減構造。
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JP3178783U (ja) * 2012-07-19 2012-09-27 株式会社奥野工業 ハツリ工事用防護装置

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