JP5554718B2 - ナノ粒子を含む金属系複合コーティングの電解デポジット - Google Patents

ナノ粒子を含む金属系複合コーティングの電解デポジット Download PDF

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Description

本発明は、一般に、金属及び金属合金の電解デポジット(deposition)に関する。より詳しくは、本発明は、表面の機能特性を強化するための非金属ナノ粒子を含む金属系複合コーティングの電解デポジットに関する。
金属の腐食は、金属表面上での少量の水の吸着から始まる。濡れは周囲の酸、ハライド及び他の腐食性物質の運搬手段をもたらす。撥水性である疎水性表面は、周囲の水分の吸着を妨げ、めっき金属デポジット(deposit)及び表面下層又は基材の腐食を著しく減じる。
ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン(登録商標)として市販)等のフッ素化ポリマーは表面上に疎水性を与え、それ故に撥水性を与えることで知られている。典型的には、フッ素化ポリマーを粒子として金属表面に適用し、高温で固めることによって共に焼結する。
近年、金属系複合コーティングにフッ素化ポリマー粒子を直接デポジット(deposit)する方法が開発され、これはフッ素化ポリマー粒子の高温焼結を避ける。例えば、ヘンリーその他(米国特許第4,830,889号)及びフェルドスタイン(米国特許第5,721,055号)が、フッ素化ポリエチレンと無電解ニッケルめっき浴からのニッケルとの共デポジット(co-deposition)を記載している。小林その他(米国特許6,878,461号)も参照のこと。
無電解工程と区別するように、アビス(abys)その他(米国特許第6,274,254号)は電解めっきによるPd、Co及びPTFE(ポリテトラフルオロエチル)を共デポジットして、電気コネクタの耐摩耗性を増大させる方法を開示している。
可視光の波長(すなわち、約380nmから約780nm)に相当する直径を有するPTFE粒子を含む電解めっき金属系複合コーティングは、暗灰色、艶消し面を生じさせる。外観が外見的な理由で望まれるか、或いは耐摩耗性等の性能が要求される、例えば、装飾的な自動車部品や電子コネクタ等のかかる合金は、装飾的な電子応用技術で粗末な仕上げをする。その上、比較的大きなPTFE粒子を含む複合コーティングは、粒度分布、閉塞粒子の濃度及び取り込まれた粒子の比表面積に基づいて様々な程度に水をはじく。さらに、大きなサイズの粒子は、金属系複合コーティング中で均一に分布しないおそれがある。
従って、平滑で、明るく、光沢のある仕上げで高度な撥水性と耐腐食性、並びにデポジットの外観に影響を及ぼすことなく耐摩耗性を改善する滑らかな表面を有する金属系複合コーティングを生産するめっき工程の必要性が求められ続けている。
従って、本発明の種々の特徴の中で、高度な撥水性、耐腐食性、耐摩耗性を有する金属系複合コーティングが得られ、また摩擦係数と挿入力を下げる電解金属デポジット工程の提供に注目することができる。
従って、端的に言うと、本発明は基材の表面上に耐腐食性を付与する方法に関する。該方法は、基材の表面を、(a)亜鉛、パラジウム、銀、ニッケル、銅、金、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、クロム及びこれらの合金からなる群より選ばれるデポジット(deposition)金属のデポジット金属イオン源、及び(b)約10〜約500ナノメーターの平均粒径を有し、その表面に界面活性剤分子の予混合コーティングを有する非金属ナノ粒子の予混合分散体を含む電解めっき溶液と接触させる工程;並びに外界の電子源を電解めっき溶液に適用して、それによってデポジット金属及び非金属ナノ粒子を含む金属系複合コーティングを表面上に電解デポジット(deposit)する工程を含む。
さらに、本発明は基材の表面上に耐腐食性を付与する方法に関する。該方法は、金属表面を、(a)亜鉛、パラジウム、銀、ニッケル、銅、金、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、クロム及びこれらの合金からなる群より選ばれるデポジット金属のデポジット金属イオン源、及び(b)界面活性剤分子あたり+0.1〜+1との間の平均電荷を有する界面活性剤コーティングを有する非金属粒子を含む電解めっき組成物と接触させる工程;並びに外界の電子源を電解めっき組成物に適用して、それによってデポジット金属及び非金属粒子を含む複合コーティングを金属表面上に電解デポジットする工程を含む。
さらに、本発明は基材の表面上に耐腐食性を付与する方法に関する。該方法は、金属表面を、(a)亜鉛、パラジウム、銀、ニッケル、銅、金、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、クロム及びこれらの合金からなる群より選ばれるデポジット金属のデポジット金属イオン源、及び(b)約10〜約500ナノメーターの平均粒径を有し、その表面に界面活性剤分子の予混合コーティングを有する非金属ナノ粒子の予混合分散体を含む電解めっき組成物と接触させる工程;並びに外界の電子源を電解めっき組成物に適用して、それによってデポジット金属及び約1〜約5質量%の非金属ナノ粒子を含む複合コーティングを金属表面上に電解デポジットする工程を含む。
さらに、本発明は依然として基材の表面上に耐腐食性を付与する方法に関する。該方法は、金属表面を、(a)亜鉛、パラジウム、銀、ニッケル、銅、金、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、クロム及びこれらの合金からなる群より選ばれるデポジット金属のデポジット金属イオン源、及び(b)100nm未満の粒径を有する少なくとも約30容量%の粒子の粒度分布で特徴づけられる非金属ナノ粒子を含む電解めっき組成物と接触させる工程;並びに外界の電子源を電解めっき組成物に適用して、それによってデポジット金属及び非金属ナノ粒子を含む複合コーティングを金属表面上に電解デポジットする工程を含む。
本発明の他の目的及び特徴は、以下において示し、当該開示から明らかになるであろう。
本発明によれば、向上された表面特性を有する金属系複合コーティングは、基材の表面上に電解デポジットされる。向上された表面特性としては、高度な撥水性、耐腐食性、硬度、耐摩耗性及び潤滑性が挙げられる。さらに、該表面コーティングを減じられた摩擦係数によって特徴づけることもできる。金属系複合コーティングは、金属系複合コーティングで被覆されたコネクタが摩耗を減ずる低減された挿入力を必要とするため、特にコネクタ表面を被覆するのに魅力的である。
本発明の金属系複合コーティングは種々の基材に適用し、そして保護することができる。本発明の金属系複合コーティングで被覆するための基材としては、コネクタ及びその他の電子部品、自動車部品、金属化プラスチック及び射出成型金型で用いられる付着防止部品が挙げられる。
金属系複合コーティングでの電解デポジットのための典型的な金属としては、亜鉛、パラジウム、銀、ニッケル、銅、金、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、クロム(装飾用で硬い)及びこれらの金属のいずれかを含む合金が挙げられる。また、スズ及びスズ合金が好適である。一の実施態様では、金属系複合コーティングは銅合金である。典型的な銅合金としては、Cu−Sn−Zn青銅及びCu−Sn青銅が挙げられる。
金属系複合コーティングの向上された表面特性は、金属と非金属ナノ粒子との共デポジットに起因する。可視光の波長よりも小さい平均粒径を有する非金属ナノ粒子を本発明の金属系複合コーティングに取り込むことによって、コーティングの外観に影響を与えることなく、増大した撥水性、耐腐食性、硬度、耐摩耗性及び潤滑性の有利性が得られる。言い換えれば、非金属ナノ粒子を有することなく明るく、光沢のあるコーティングを生産する電解デポジット方法は、非金属ナノ粒子を有する明るく、光沢のあるコーティングを生産する。同様に、非金属ナノ粒子を有することなく半分明るいコーティングを生産する電解デポジット方法は、非金属ナノ粒子を有する半分明るいコーティングを生産する。
本発明の金属系複合コーティングへの包含用非金属ナノ粒子の一つの種類は、フルオロポリマーからなる非金属ナノ粒子である。フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFE、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとのコポリマー)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロ−トリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、及びポリビニルフルオリド(PVF)の中から選択され、これまでのところ、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。一の好適な実施態様では、ナノ粒子はPTFE粒子である。
フルオロポリマーからなる非金属ナノ粒子の平均粒径は、好ましくは可視光の波長、すなわち380nm(0.38μm)〜780nm(0.78μm)と類似し、或いは実質的にそれよりも小さい。平均粒径は、約0.50μm(500nm)未満、典型的には約0.25μm(250nm)未満、より典型的には約0.20μm(200nm)未満、及びさらに典型的には約0.15μm(150nm)未満である。平均粒径は0.005μm(5nm)よりも大きく、典型的には約0.01μm(10nm)よりも大きく、より典型的には約0.05μm(50nm)よりも大きい。従って、平均粒径は約0.50μm(500nm)〜約0.005μm(5nm)、好ましくは約0.150μm(150nm)〜約0.05μm(50nm)、より好ましくは約0.20μm(200nm)〜約0.01μm(10nm)である。一の実施態様では、非金属ナノ粒子は約0.05μm(50nm)〜約0.1μm(100nm)の平均粒径を有する。一の実施態様では、非金属ナノ粒子は約0.01μm(10nm)〜約0.05μm(50nm)の平均粒径を有する。一の好適な実施態様では、非金属ナノ粒子は約0.08μm(80nm)及び約0.05μm(50nm)の平均粒径を有し得る。
上述の平均粒径は、フルオロポリマー粒子の母集団内の粒子直径の算術平均に言及される。非金属ナノ粒子の母集団は、幅広い種々の直径を含む。従って、粒径は追加的に粒度分布なる用語、すなわち特定の限界より下回る直径を有する粒子の最小容量割合で記載する。従って、一の実施態様では、少なくとも約50容量の粒子%が200nm未満の粒径を有し、好ましくは少なくとも約70容量%の粒子が200nm未満の粒径を有し、より好ましくは少なくとも約80容量%の粒子が200nm未満の粒径を有し、及びさらに好ましくは少なくとも約90容量%の粒子が200nm未満の粒径を有する。
他の実施態様では、少なくとも約30容量%の粒子が100nm未満の粒径を有し、好ましくは少なくとも約40容量%の粒子が100nm未満の粒径を有し、より好ましくは少なくとも約50容量%の粒子が100nm未満の粒径を有し、さらに好ましくは少なくとも約60容量%の粒子が100nm未満の粒径を有する。
さらなる一の実施態様では、少なくとも約25容量%の粒子が90nm未満の粒径を有し、好ましくは少なくとも約35容量%の粒子が90nm未満の粒径を有し、より好ましくは少なくとも約45容量%の粒子が90nm未満の粒径を有し、さらに好ましくは少なくとも約55容量%の粒子が90nm未満の粒径を有する。
他の実施態様では、少なくとも約20容量%の粒子が80nm未満の粒径を有し、好ましくは少なくとも約30容量%の粒子が80nm未満の粒径を有し、より好ましくは少なくとも約40容量%の粒子が80nm未満の粒径を有し、さらに好ましくは少なくとも約50容量%の粒子が80nm未満の粒径を有する。
他の実施態様では、少なくとも約10容量%の粒子が70nm未満の粒径を有し、好ましくは少なくとも約20容量%の粒子が70nm未満の粒径を有し、より好ましくは少なくとも約30容量%の粒子が70nm未満の粒径を有し、さらに好ましくは少なくとも約35容量%の粒子が70nm未満の粒径を有する。
本発明で用いるフルオロポリマー粒子は、1グラムの粒子の総表面積を指すいわゆる「比表面積」を有する。粒径が減少するにつれ、粒子の所定の質量の比表面積が増加する。従って、一般的な判断として、より小さな粒子はより高い比表面積をもたらす。そして、特定の機能を達成するための粒子の相対活性は、露出した面積を豊富に有するスポンジが平滑な外観を有するものと比べて向上した吸収度を有するのと同様に、一つには粒子の表面積の一機能である。本発明では、表面積特性を有する粒子を用いて、種々の他の要因に対してバランスを取るように、特定の腐食抑制機能を達成するのを容易にする。特にこれらの粒子は、ある実施態様では溶液中でより低い濃度のナノ粒子を用いることを可能とする表面積特性を有し、これがデポジット中の溶液の安定性、並びに均一な粒子分布及び均一な粒径を促進する。より大きなPTFE濃度はめっき工程の変更によって対応し得ると考えられるが、この好適な実施態様の特定の表面特性が、安定性及び均一性の問題に実質的にはそれほど重要性なく対応することが望まれる。さらに、PTFE等の粒子のより高い濃度が硬度及び延性に有害な影響を有するおそれがあると予見され、また仮にこれが真実であっても、その後好適な表面積特性がこれを防ぐ手助けをする。
一の実施態様では、本発明は、少なくとも約50重量%、好ましくは少なくとも約90重量%の粒子が少なくとも約15m2/gの比表面積(例えば、15m2/g〜35m2/g)を有するフルオロポリマー粒子を用いる。フルオロポリマー粒子の比表面積は、約15m2/gから約35m2/gのように約50m2/gと同じくらいの高さであってもよい。本発明のこの好適な実施態様で用いる粒子は、別の側面において、比較的高い表面積対容量比を有する。これらナノサイズの粒子は、1粒子における原子数あたり比較的高い表面原子の割合を有する。例えば、たった13原子しか有さないより小さな粒子は、表面上に約92%の原子を有する。対照的に、1415の総原子数を有するより大きな粒子は、表面上にたった35%の原子しか有さない。粒子の表面上での原子の高い割合は、高い粒子表面エネルギーに関係し、特性及び反応性に大いに影響を与える。より大きな粒子に比べて比較的小さな割合のフルオロポリマー粒子を複合コーティングに取り込むことができるので、比較的高い比表面積と高い表面積対容量比を有するナノ粒子が有利であり、同じ表面積を達成し、さらに向上した耐腐食性を達成する粒子がより望まれる。他方、より高い表面活性は、均一分散等の特定の実在する課題を防ぐ。従って、複合コーティング中でわずか10重量%のフルオロポリマー粒子が所望の効果を達成し、いくつかの実施態様では、フルオロポリマー粒子成分は、約1重量%と約5重量%との間のようにわずか5重量%である。比較的より純粋なコーティングは、実質的によりフルオロポリマー粒子を含むコーティングよりもより硬く、より延性があり得る。しかしながら、所望の特性は、複合コーティング中に比較的少量のナノ粒子を取り込むことによっては損なわれない。
非金属ナノ粒子は、凝集を抑制する溶媒系中で分散する。電解組成物用の溶媒は、一般に水である。多くのナノ粒子が疎水性であるので、水中で分散するナノ粒子は、個々のナノ粒子の平均粒径よりも大きな平均粒径を有する塊に凝集する傾向にある。これは、装飾的観点からは不利である。凝集したナノ粒子を含む金属系複合コーティングは上述した撥水性、耐腐食性、硬度、耐摩耗性及び潤滑性の長所を有する一方、逆により大きく凝集したナノ粒子は金属系複合コーティングの外観に影響を与える。言い換えれば、ナノ粒子のない光沢のある金属系複合コーティングは、仮にナノ粒子の凝集塊を含むと、くすむおそれがある。従って、ナノ粒子を分散させるための溶媒系は、界面活性剤を含んで水溶液中でナノ粒子の凝集を抑制する。
界面活性剤を電解めっき組成物に添加して追加的に基材表面の濡れを促進し、電解めっき溶液の表面張力を約40ダイン/cm〜約70ダイン/cmの範囲に修正する。めっき工程に関して、低い表面張力は、基材表面の濡れを強化する;気泡を除去する溶液の能力を強化する;及び表面上の窪み/空隙を抑制するのに有利であり;結晶成長抑制剤、漂白剤及び他の浴添加剤等の有機物質の溶解性を向上させ、均一デポジット及び合金を可能とする種々の金属のデポジット電位を低める。より低い表面張力は、これがめっき組成物中の非金属ナノ粒子の分散性を高めるので、非金属ナノ粒子に関しては有利である。
フルオロポリマー粒子は、一般に溶媒中に分散させた形態で市販されている。典型的な分散したフルオロポリマー粒子源としては、テフロン(登録商標)PTFE 30(デュポンより入手)が挙げられ、これはほぼ可視光の波長か若しくはより小さいPTFE粒子の分散体である。すなわち、PTFE 30は、水中において約60重量%(100グラムの溶液あたり60グラムの粒子)の濃度のPTFE粒子の分散体を含み、該粒子は約50nm〜約500nmの範囲の粒度分布、及び約220nmの平均粒径を有する。他の典型的な分散したフルオロポリマー粒子源としては、テフロン(登録商標)TE−5070AN(デュポンより入手)が挙げられ、これは水中において約60重量%の濃度のPTFE粒子の分散体であり、該分子は約80nmの平均粒径を有する。典型的には、これらの粒子は水/アルコール溶媒系中で分散する。通常、アルコールは水溶性アルコールであり、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール及びtert−ブタノール等の1〜4の炭素原子を有する。典型的には、水のアルコールに対する比(mol:mol)は、アルコール1モルあたり約10モル〜約20モルの水であり、より典型的には、アルコール1モルあたり約14モルの水〜約18モルの水である。
また、乾燥PTFE粒子源から溶液を調製し、次いで電解めっき浴に添加してもよい。典型的な乾燥PTFE粒子源としては、テフロン(登録商標)TE−5069ANが挙げられ、これは約80nmの平均粒径を有する乾燥PTFEからなる。他のPTFE粒子源としては、イタリアのSolvay Solexisから入手可能な商標名Solvay Solexisで市販されているもの、及びセントポール、ミネソタ州(米国)のスリーエム(3M)から入手可能な商標名Dyneonで市販されているものが挙げられる。
好ましくは、フルオロポリマー粒子を予混合コーティングとともに、すなわち被覆された粒子として、電解デポジット組成物に添加し、ここで該コーティングは、非金属ナノ粒子と電解デポジット組成物の他の成分(すなわち、デポジット金属イオン、酸、水、抗酸化剤等)とを混合する前に適用される界面活性剤コーティングである。また非金属ナノ粒子を被覆するのに用いる界面活性剤を電解組成物に添加して、組成物の表面張力を減じてもよい。フルオロポリマー粒子は、水性分散体中で超音波攪拌及び/又は高圧流によって界面活性剤で被覆してもよい。次いで、その表面に界面活性剤コーティングを有するフルオロポリマー粒子を含む分散体を電解めっき組成物に添加してもよい。界面活性剤コーティングは粒子の凝集を抑制し、フルオロポリマー粒子及び中空微小球体の溶液中での溶解性/分散性を向上させる。
界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両イオン性であってもよい。特定の界面活性剤を単独で、又は他の界面活性剤と組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の1種は親水性先端基及び疎水性末端からなる。アニオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、例えば、カルボキシレート、スルフォネート、スルフェート、ホスフェート及びホスフォネートが挙げられる。カチオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、例えば、第四級アミン、スルホニウム及びホスホニウムが挙げられる。第四級アミンとしては、例えば、第四級アンモニウム、ピリジニウム、ビピリジニウム及びイミダゾリウムが挙げられる。非イオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、例えば、アルコール及びアミドが挙げられる。両イオン性界面活性剤に関連する親水性先端基としては、例えば、ベタインが挙げられる。疎水性末端は、典型的には炭化水素鎖からなる。該炭化水素鎖は典型的には約6〜約24の炭素原子、より典型的には約8〜約16の炭素原子を含む。
典型的なアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルホスホネート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、カルボン酸エーテル、カルボン酸エステル、アルキルアリールスルホネート及びスルホサクシネートが挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウレススルフェート(2EO)、ナトリウムラウレス、ナトリウムラウレススルフェート(3EO)、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、TEA−ラウリルスルフェート、TEA−ラウレススルフェート、MEA−ラウリルスルフェート、MEA−ラウレススルフェート、ポタジウムラウリルスルフェート、カリウムラウレススルフェート、ナトリウムデシルスルフェート、ナトリウムオクチル/デシルスルフェート、ナトリウム2−エチルヘキシルスルフェート、ナトリウムオクチルスルフェート、ナトリウムノンオキシノール−4スルフェート、ナトリウムノンオキシノール−6スルフェート、ナトリウムクメンスルフェート及びアンモニウムノンオキシノール−6スルフェートを含むULTRAFAX社が市販しているもの等のスルフェートエステル;ナトリウムα−オレフィンスルホネート、アンモニウムキシレンスルホネート、ナトリウムキシレンスルホネート、ナトリウムトルエンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート及びリグノスルホネート等のスルホネートエステル;ジナトリウムラウリルスルホサクシネート、ジナトリウムラウレススルホサクシネート等のスルホサクシネート界面活性剤;及びナトリウムココイルイセチオネート、ラウリルホスフェート、ホスフェートエステルのULTRAPHOSシリーズのいずれか、Cytec社から入手可能なCyastat(登録商標)609(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3'−ドデシルオキシ−2'−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムメトスルフェート)及びCyastat(登録商標)LS((3−ラウラミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェート)を含む他のものが挙げられる。
典型的なカチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、臭素及び塩素のセチルトリメチルアンモニウム塩、臭素及び塩素のヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、塩素及び臭素のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等のような第四級アンモニウム塩が挙げられる。この点、Lodyne(登録商標)S-106A(フルオロアルキルアンモニウムクロリドカチオン性界面活性剤28〜30%、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社から入手可能)及びAmmonyx(登録商標)4002(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドカチオン性界面活性剤、ステパン・カンパニー、ノースフィールド、イリノイ州から入手可能)等の界面活性剤が特に好ましい。
非イオン性界面活性剤の種類としては、例えばエチレンオキシド(EO)繰り返し単位及び/又はプロピレンオキシド(PO)繰り返し単位を基にしたポリエーテル基を含むものが挙げられる。これらの界面活性剤は一般的に非イオン性である。ポリエーテル鎖を有する界面活性剤は、約1〜約36のEO繰り返し単位、約1〜約36のPO繰り返し単位、又は約1〜約36のEO繰り返し単位とPO繰り返し単位との組み合わせを有していてもよい。より典型的には、ポリエーテル鎖は、約2〜約24のEO繰り返し単位、約2〜約24のPO繰り返し単位、又は約2〜約24のEO繰り返し単位とPO繰り返し単位との組み合わせからなる。さらに典型的には、ポリエーテル鎖は、約6〜約15のEO繰り返し単位、約6〜約15のPO繰り返し単位、又は約6〜約15のEO繰り返し単位とPO繰り返し単位との組み合わせからなる。これらの界面活性剤はEO繰り返し単位とPO繰り返し単位とのブロック、例えば2つのPO繰り返し単位のブロックによって取り囲まれた1つのEO繰り返し単位のブロック、或いは2つのEO繰り返し単位のブロックによって取り囲まれた1つのPO繰り返し単位のブロックを含んでいてもよい。ポリエーテル界面活性剤の他の種類は、交互PO及びEO繰り返し単位からなる。これら界面活性剤の種類の中には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールがある。
さらに非イオン性界面活性剤の他の種類は、例えば、グリセロールエーテル、ブタノールエーテル、ペンタノールエーテル、へキサノールエーテル、ヘプタノールエーテル、オクタノールエーテル、ノナノールエーテル、デカノールエーテル、ドデカノールエーテル、テトラデカノールエーテル、フェノールエーテル、アルキル置換フェノールエーテル、α−ナフトールエーテル及びβ−ナフトールエーテル等のアルコール又はフェノール基準基に基づくEO、PO、又はEO/PO繰り返し単位を含む。アルキル置換フェノールエーテルに関しては、フェノール基は、8の炭素原子(オクチルフェノール)又は9の炭素原子(ノニルフェノール)等の、約1〜約10の炭素原子を有する炭化水素鎖で置換されている。ポリエーテル鎖は、約1〜約24のEO繰り返し単位、約1〜約24のPO繰り返し単位、又は約1〜約24のEO及びPO繰り返し単位の組み合わせからなる。より典型的には、ポリエーテル鎖は、約8〜約16のEO繰り返し単位、約8〜約16のPO繰り返し単位、又は約8〜約16のEO及びPO繰り返し単位の組み合わせからなる。さらにより典型的には、ポリエーテル鎖は、約9、約10、約11、又は約12のEO繰り返し単位;約9、約10、約11、又は約12のPO繰り返し単位;或いは約9、約10、約11、又は約12のEO繰り返し単位及びPO繰り返し単位の組み合わせからなる。
典型的なβ−ナフトール誘導体非イオン性界面活性剤はLugalvan BNO12であり、これはナフトールヒドロキシ基に結合した12エチレンオキシドモノマー単位を有するβ−ナフトールエトキシレートである。類似の界面活性剤はPolymax NPA-15であり、これはポリエトキシレート化ノニルフェノールである。他の界面活性剤はTriton(登録商標)-X100であり、これは典型的にはおよそ9又は10のEO繰り返し単位を有するオクチルフェノールエトキシレートである。追加的な入手可能である非イオン性界面活性剤としては、BASFから入手可能であるPluronic(登録商標)シリーズの界面活性剤が挙げられる。Pluronic(登録商標)界面活性剤としては、BASFから入手可能なP65、P84、P85、P103、P104、P105及びP123を含むEO/POブロック共重合体のPシリーズ;BASFから入手可能なF108、F127、F38、F68、F77、F87、F88、F98を含むEO/POブロック共重合体のFシリーズ;及びBASFから入手可能なL10、L101、L121、L31、L35、L44、L61、L62、L64、L81及びL92を含むEO/POブロック共重合体のLシリーズが挙げられる。
入手可能である追加的な非イオン性界面活性剤としては、水溶性でエトキシレート化非イオン性フルオロ界面活性剤である、Zonyl(登録商標)FSN(ポリエチレングリコール非イオン性界面活性剤を有するTelomar Bモノエーテル)、Zonyl(登録商標)FSN-100、Zonyl(登録商標)FS-300、Zonyl(登録商標)FS-500、Zonyl(登録商標)FS-510、Zonyl(登録商標)FS-610、Zonyl(登録商標)FSP及びZonyl(登録商標)URを含むデュポンから入手可能な商品名Zonyl(登録商標)が挙げられる。Zonyl(登録商標)FSN(ポリエチレングリコール非イオン性界面活性剤を有するTelomar Bモノエーテル)が特に好ましい。他の非イオン性界面活性剤としては、ココアミドDEA及びココアミドMEA等のULTRAFAX社が市販しているアミン凝縮物が挙げられる。非イオン性界面活性剤の他の種類としては、典型的には約1〜約36のEO繰り返し単位を有するポリエーテル基でエステル化された脂肪酸を含む酸エトキシ化脂肪酸(ポリエトキシ−エステル)が挙げられる。グリセロールエステルは、1グリセロール基準で1つ、2つ、又は3つの脂肪酸基を有している。
一の好適な実施態様では、非金属ナノ粒子は他の浴成分と混合する前に、粒子上に非イオン性コーティングを有しつつ予混合分散体中に存在する。次いで、分散体を酸、デポジット金属イオン及びカチオン性界面活性剤を含む他の成分と混合する。さらなる界面活性剤コーティングを全コーティング電荷、この場合正電荷をフルオロポリマー粒子上に与える方法で非金属粒子上にデポジットする。好ましくは、界面活性剤コーティングは大部分が正に荷電した界面活性剤分子を含む。正に荷電した界面活性剤コーティングは、電解デポジットの間、金属及び任意の合金化金属との共デポジットを強化するカソード基材の方へ粒子を追いやる傾向にある。該界面活性剤コーティングの全電荷を定量化することができる。特定の界面活性剤分子の電荷は、典型的には−1(アニオン性)、0(非イオン性又は両イオン性)、又は+1(カチオン性)である。従って、界面活性剤分子の個体群は、界面活性剤分子あたり−1(全個体群がアニオン性界面活性剤分子を含む)と+1(全個体群がカチオン性界面活性剤分子を含む)との間で変動する平均電荷を有する。全体で0電荷を有する界面活性剤分子の個体群は、例えば、50%のアニオン性界面活性剤分子と50%のカチオン性界面活性剤分子とを含んでいてもよく、全体で0電荷を有する個体群が100%の両イオン性界面活性剤又は100%の非イオン性界面活性剤とを含んでいてもよい。
一の実施態様では、界面活性剤コーティングは単独で、或いは他のカチオン性界面活性剤と組み合わせて用いたカチオン性界面活性剤を有するので、界面活性剤分子あたりの平均電荷は実質的に+1に等しく、すなわち、界面活性剤コーティングは実質的に完全にカチオン性界面活性剤分子からなる。
しかしながら、界面活性剤コーティングが完全にカチオン性界面活性剤からなる必要はない。言い換えれば、界面活性剤コーティングは、カチオン性界面活性剤分子と、アニオン性界面活性剤分子、両イオン性界面活性剤分子及び非イオン性界面活性剤分子との組み合わせを含んでいてもよい。好ましくは、非金属ナノ粒子を被覆する界面活性剤分子の個体群の界面活性剤分子あたりの平均電荷は、0よりも大きく、特に好適な実施態様では、界面活性剤コーティングは、単独で用いたカチオン性界面活性剤、又は1つ或いはそれ以上の追加的なカチオン性界面活性剤及び1つ或いはそれ以上の非イオン性界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤分子及び非イオン性界面活性剤分子の個体群を含む界面活性剤コーティングは、好適には界面活性剤分子あたり約0.01(99%非イオン性界面活性剤分子と1%カチオン性界面活性剤分子)と1(100%カチオン性界面活性剤分子)との間、好ましくは約0.1(90%非イオン性界面活性剤分子と10%カチオン性界面活性剤分子)と1との間の平均電荷を有する。非金属粒子上の界面活性剤コーティングを構成する界面活性剤分子の個体群の界面活性剤分子あたりの平均電荷は、例えば少なくとも約0.3(70%非イオン性界面活性剤分子と30%カチオン性界面活性剤分子)等の少なくとも約0.2(80%非イオン性界面活性剤分子と20%カチオン性界面活性剤分子)、少なくとも約0.4(60%非イオン性界面活性剤分子と40%カチオン性界面活性剤分子)、少なくとも約0.5(50%非イオン性界面活性剤分子と50%カチオン性界面活性剤分子)、少なくとも約0.6(40%非イオン性界面活性剤分子と60%カチオン性界面活性剤分子)、少なくとも約0.7(30%非イオン性界面活性剤分子と70%カチオン性界面活性剤分子)、少なくとも約0.8(20%非イオン性界面活性剤分子と80%カチオン性界面活性剤分子)、又はさらに少なくとも約0.9(10%非イオン性界面活性剤分子と90%カチオン性界面活性剤分子)であってもよい。これら実施態様の各々において、界面活性剤分子あたりの平均電荷は1を超えない。
界面活性剤の濃度は、粒子−マトリックス界面総面積によって測定する。粒子の一定重量濃度にわたり、平均粒径が小さいほど、粒子表面の総面積が高くなる。総表面積は、比粒子表面積(m2/g)に溶液中の粒子重量(g)を乗じることによって計算する。計算は、m2の総表面積で得られる。所定の濃度の非金属ナノ粒子は、高い比粒子表面積を有しており、同じ重量濃度のマイクロメータサイズに比べてより大きな粒子総数を含む。その結果、粒子間の平均距離が短くなる。ファン・デル・ワールス力のような粒子間の相互作用がより際立つ。従って、高濃度の界面活性剤は、凝集したり又は互いに凝固したりする粒子の傾向を減少させるのに用いられる。従って、界面活性剤濃度は粒子の質量と比表面積との関数である。従って、組成物は、好ましくはフルオロポリマー粒子の約100m2から200m2の表面積あたり約1グラムの界面活性剤、より好ましくはフルオロポリマー粒子の約120m2から150m2の表面積あたり約1グラムの界面活性剤を含む。
例えば、テフロン(登録商標)TE−5070ANの分散体(総質量750グラム)は、約23.0m2/gの比表面積と約10350m2の総表面積を有する約450グラムのPTFE粒子を有している。この総表面積を被覆し、かつ分散させるための界面活性剤の質量は、好ましくは約50グラム〜約110グラム、より好ましくは約65グラム〜約90グラムの範囲である。例えば、これら約450グラムのPTFE粒子を分散させるための組成物は、約5グラム〜約25グラムのAmmonyx(登録商標)4002(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドカチオン性界面活性剤)、約5グラム〜約25グラムのZonyl(登録商標)FSN(ポリエチレングリコール非イオン性界面活性剤を有するTelomar Bモノエーテル)、約40グラム〜約60グラムのLodyne(登録商標)S-106A(フルオロアルキルアンモニウムクロリドカチオン性界面活性剤28−30%)、約30グラム〜約50グラムのイソプロピルアルコール、及び約150グラム〜約250グラムとの間のH2Oを含有してもよい。界面活性剤コーティングは、カチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との組み合わせを含んで、溶液中のフルオロポリマー粒子を安定化する。そこで、例えば、以下の成分で該分散体を形成することができる:PTFE粒子(450グラム)、Ammonyx(登録商標)4002(10.72g)、Zonyl(登録商標)FSN(14.37g)、Lodyne(登録商標)S-106A(50.37g)、イソプロピルアルコール(38.25g)、及び水(186.29g)。
本発明の電解めっき組成物において、フルオロポリマーからなるナノ粒子は約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の濃度で存在する。この濃度で非金属ナノ粒子を電解めっき組成物に添加することによって、デポジットされた金属系複合コーティングが、少なくとも約1重量%のナノ粒子〜約50重量%のナノ粒子を含むことができる。
ナノ粒子源がテフロン(登録商標)PTFE 30又はテフロン(登録商標)TE−5070ANである場合、例えば、電解めっき組成物での濃度は、電解めっき組成物1Lあたり60質量%のPTFE分散体を約1.5gと約350gとの間で、より好ましくは電解めっき組成物1Lあたり60重量%のPTFE分散体を約15g〜約170gの範囲で添加することによって達成してもよい。容量条件では、電解めっき組成物での濃度は、電解めっき組成物1LあたりPTFE分散体を約0.5mL〜約160mLの範囲の容量で、より好ましくは電解めっき組成物1Lあたり約6mL〜約80mLの範囲の容量でPTFE分散体を溶液に添加することによって達成してもよい。フルオロポリマー粒子源がテフロン(登録商標)TE−5069AN等の乾燥PTFE粒子源である場合、電解めっき組成物での濃度は、電解めっき組成物1Lあたり約1g〜約200g、より好ましくは約10g〜約100gの範囲の乾燥PTFE粒子を添加することによって達成することができる。
本発明の電解めっき組成物は、非金属ナノ粒子及び界面活性剤に加えて、個々の金属イオンの電解めっきに関係する当業界で知られているようにデポジット金属及び他の添加剤のデポジット金属イオン源を含む。かかる添加剤の一般的な種類としては、導電性塩、光沢剤、錯化剤、pH調整剤及び緩衝剤が挙げられる。
ナノ粒子と共デポジットして本発明の金属系複合コーティングを形成することができるデポジット金属としては、パラジウム、亜鉛、ニッケル、銀、銅、金、プラチナ、ロジウム、ルテニウム及びこれらの金属のいずれかを含む合金が挙げられる。以下に、これらデポジット金属のデポジットに適用可能な電解デポジット化学反応をより詳細に論じる。
電解デポジットは、基材の表面が電解めっき組成物と接触することによって起こる。カソード基材とアノードは、配線によって、及び各々整流器(外界の電子源、すなわち電力供給)に電気的に接続される。該カソード基材は正味の負電荷を有しているので、溶液中のデポジット金属イオンが、カソード表面上に金属系複合コーティングをデポジットしたカソード基材で還元される。酸化反応はアノードで起こる。カソードとアノードはタンク中に水平に、又は垂直に配置してもよい。
電解めっきシステムの作動中、整流器に電圧を加えたときにデポジット金属イオンがカソード基材の表面上で還元される。パルス電流、直流電流、周期的逆電流又は他の適切な電流を用いることができる。電解溶液の温度をヒーター/クーラーを用いて保持することができ、それによって電解溶液がヒーター/クーラーを介して貯蔵タンク及びフローから除去され、次いで貯蔵タンクに再利用される。
デポジットのメカニズムは、ナノ粒子とデポジット金属イオンとの共デポジットである。ナノ粒子は還元されないが、ナノ粒子周辺で還元されかつデポジットされる金属イオンの還元によってナノ粒子は界面で捕捉される。界面活性剤を選択してナノ粒子に電荷を付与してもよく、これはナノ粒子をカソードへ掃引しかつ金属イオンを還元することによって表面でカプセル化されて捕捉されるまで、ナノ粒子を一時的に素早く表面へ付着させるのに役立つ。付与される電荷は典型的には正である。
電解パラジウム
ナノ粒子を含むパラジウム系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき溶液はパラジウムイオン源を含む。ナノ粒子を含むパラジウム系複合コーティングは種々の応用分野における用途を有する。例えば、耐腐食性が非常に重要なコネクタ及びリードフレーム等の電子部品用、めがね等の修飾応用分野用、及び筆記用具用コーティングとして、並びに表面張力の低下も重要なインクジェット等の機能品用コーティングとして。
パラジウム系複合コーティングのデポジット用電解めっき組成物は、追加的に導電性電解質、光沢剤、配位子及び界面活性剤を含んでいてもよい。フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むパラジウム系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
追加的なパラジウムめっき化学反応については、米国特許第6,274,254号、米国特許第6,139,977号、米国特許第5,976,344号、米国特許第5,024,733号、米国特許第4,911,799号、米国特許第4,911,798号、米国特許第4,486,274号、米国特許第4,468,296号及び米国特許第4,427,502号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
ナノ粒子を含むパラジウム系複合物をめっきするための電解めっき組成物は、用いる組成物の化学的性質によって、明るく、光沢のあるコーティング、セミブライト(sem-bright)コーティング、又は艶消しコーティングをめっきするのに用いることができる。外観が装飾的理由で望まれるか或いは耐摩耗性等の性能に要求されるいくつかの応用分野では、明るく、光沢のあるコーティングが好ましい。パラジウム系複合物をめっきするための典型的なめっき操作において、めっきパラメータは以下のとおりであってもよい。
20℃〜60℃(例えば、25℃〜35℃)の範囲のめっき温度
1amp/dm2〜100amp/dm2の範囲の電流密度
0.05μm/min〜50μm/minの範囲のめっき速度
パラジウム系複合コーティングは、約4重量%〜約10重量%、より典型的には約4.5重量%〜約8.5重量%の範囲のナノ粒子含量を含んでいてもよい。好ましくは、ナノ粒子はめっきされたデポジット全体にわたって充分に均一に分布する。
電解亜鉛
ナノ粒子を含む亜鉛系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき浴はZnイオン源を含む。ナノ粒子を含む亜鉛系複合コーティングは種々の応用分野での用途を有する。例えば、亜鉛及び亜鉛合金を自動車部品用の腐食コーティングとしてめっきしてもよい。
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含む亜鉛系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含む亜鉛系複合コーティングをデポジットするための追加の典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
追加的な亜鉛めっき化学反応については、米国特許第5,435,898号及び米国特許第6,080,447号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
電解スズ
ナノ粒子を含むスズ系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき浴はSnイオン源を含む。ナノ粒子を含むスズ系複合コーティングは種々の応用分野での用途を有する。例えば、スズ及びスズ合金をはんだとして、又はリードフレーム及びコネクタ上のコーティングとして用いてもよい。
スズ系複合コーティングのデポジットのための電解めっき組成物は、追加的に導電性塩、特に強酸のpH調整剤、界面活性剤、結晶成長抑制剤及び抗酸化剤を含んでいてもよい。
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むスズ系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むスズ系複合コーティングをデポジットするための他の典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むスズ系複合コーティングをデポジットするための他の典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
追加的なスズめっき化学反応については、米国特許第5,061,351号、米国特許出願公開第20030025182号及び米国特許出願公開第20050249968号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
電解ニッケル
ナノ粒子を含むニッケル系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき浴はNiイオン源を含む。ナノ粒子を含むニッケル系複合コーティングは種々の応用分野での用途を有する。例えば、ニッケル及びニッケル合金は銅リードフレーム等の銅基材上の保護用コーティングとして用いてもよい。
ニッケル系複合コーティングのデポジットのための電解めっき組成物は、追加的に緩衝剤及び湿潤剤、特にフッ素化アルキル第四級アンモニウムヨージド又はパーフルオロドデシルトリメチルアンモニウムフルオリドを含んでいてもよい。
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むニッケル系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むニッケル系複合コーティングをデポジットするための他の典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
追加的なニッケルめっき化学反応については、米国特許第6,399,220号、米国特許第6,090,263号、米国特許第5,916,696号、米国特許出願公開第20030025182号及び米国特許出願公開第20050249968号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
電解銀
ナノ粒子を含む銀系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき浴はAgイオン源を含む。ナノ粒子を含む銀系複合コーティングは種々の応用分野での用途を有する。例えば、銀及び銀合金は銅基材上の保護用コーティングとして用いてもよい。
銀系複合コーティングのデポジットのための電解めっき組成物は、追加的に錯化剤、界面活性剤、導電性電解質、結晶成長抑制剤及び変色抑制剤を含んでいてもよい。
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含む銀系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含む銀系複合コーティングをデポジットするための他の典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含む銀系複合コーティングをデポジットするための他の典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
追加的な銀めっき化学反応については、米国特許第4,478,691号及び米国特許出願公開第20060024430号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
電解金
ナノ粒子を含む金系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき浴はAuイオン源を含む。ナノ粒子を含む金系複合コーティングは種々の応用分野での用途を有する。例えば、金及び金合金は宝飾品での装飾コーティングとして、及びエレクトロニクス産業での電気接点仕上げ(硬質金を含む)として用いてもよい。
金系複合コーティングのデポジットのための電解めっき組成物は、追加的に酸化を防ぐための脱酸素剤又はアルカリ金属ピロリン酸、光沢剤及び錯化剤を含んでいてもよい。
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含む金系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
追加的な金めっき化学反応については、米国特許第6,126,807号及び米国特許第6,423,202号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
電解プラチナ
ナノ粒子を含むプラチナ系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき浴はPtイオン源を含む。ナノ粒子を含むプラチナ系複合コーティングは種々の応用分野での用途を有する。例えば、プラチナ及びプラチナ合金はめっき宝飾品では広範囲にわたって用いられる。電気業界では、プラチナ製の保護フィルムは電気回路での伝導経路として、及び電気接点を有するデバイスの接触面として用いられる。
プラチナ系複合コーティングのデポジットのための電解めっき組成物は、追加的に錯化剤及び導電性塩を含んでいてもよい。
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むプラチナ系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むプラチナ系複合コーティングをデポジットするための他の典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
追加的なプラチナめっき化学反応については、米国特許第4,427,502号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
電解ロジウム
ナノ粒子を含むロジウム系複合コーティングのデポジットのために、電解めっき浴はRhイオン源を含む。ナノ粒子を含むロジウム系複合コーティングは種々の応用分野での用途を有する。例えば、ロジウム及びロジウム合金はめっき宝飾品で広範囲にわたって用いられる。さらに、ロジウムめっきは電気接点に用いられる。
フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むロジウム系複合コーティングをデポジットするための典型的なめっき組成物は、以下を含んでいてもよい。
Figure 0005554718
ロジウムめっき化学反応及びロジウムめっきの方法については、米国特許第6,241,870号等の従来技術に開示され、これらの開示は全て本明細書に取り込まれる。
合金
2つ又はそれ以上の上述した金属を含む種々の金属系複合コーティングは、ナノ粒子と共デポジットしてもよい。一の実施態様では、金属系複合コーティングはナノ粒子と共デポジットした銀及びスズを含む。一の実施態様では、金属系複合コーティングはナノ粒子と共デポジットした金及びスズを含む。
一の実施態様では、金属系複合コーティングは追加的に、W、Mo又はRe等の熱的安定性、耐腐食性及び拡散抵抗を向上させる働きをする耐火性金属イオンを含む。耐火性金属イオンの包含は、特にニッケル系複合コーティングに適している。
典型的なWイオン源は、タングステントリオキシド、タングステン酸、アンモニウムタングステン酸塩、テトラメチルアンモニウムタングステン酸塩及びアルカリ金属タングステン酸塩、リンタングステン酸、シリコタングステン酸、他のヘテロポリタングステン酸及びその他これらの混合物である。例えば、一つの好適なデポジット浴は約0.1g/L〜約10g/Lの範囲のタングステン酸を含む。典型的なモリブデン源としては、TMAHで予め溶解させたMoO3、(NH42MoO4、(NH42Mo27、(NH46Mo724・4H2O、(NH42Mo310・2H2O、(NH46Mo827・4H2O、ジモリブデート(Me2Mo27・nH2O)、トリモリブデート(Me2Mo310・nH2O)、テトラモリブデート(Me2Mo413)、メタモリブデート(Me210-m[H2(Mo27)6]・nH2O、ここでmは10未満)、ヘキサモリブデート(Me2Mo619・nH2O)、オクタモリブデート(Me2Mo825・nH2O)、パラモリブデート(Me2Mo722・nH2O及びMe10Mo1241・nH2O)が挙げられ、ここで上記Meはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム及びアルカリ金属カチオンの中から選択される対イオンであり、nは水和酸化物;モリブデン酸;アンモニウムのモリブデン酸塩、テトラメチルアンモニウム及びアルカリ金属;モリブデンのヘテロポリ酸;並びにこれらの他の混合物の安定な又は準安定な形態に対応する価数を有する整数である。典型的なRe金属源としては、レニウムトリオキシド、過レニウム酸、アンモニウム過レニウム酸塩、テトラメチルアンモニウム過レニウム酸塩、アルカリ金属過レニウム酸塩、レニウムのヘテロポリ酸及びその他これらの混合物が挙げられる。
耐腐食性及び表面潤滑性を示すパラメータ
純スズコーティングに比べて増大した耐腐食性は、一つには、本発明の金属系複合コーティングのコーティング/大気/水の界面での界面接触角の増加によって測定することができる。非常に疎水性で、このように耐腐食性の表面は、約70°を超える接触角によって特徴づけられる。例えば、純パラジウムデポジットの接触角は、約38°〜約44°の範囲であり、比較的非疎水性のコーティングであることを示す。約0.3μm(300nm)〜約0.5μm(500nm)の範囲の平均粒径を有するフルオロポリマーからなるナノ粒子を約0.01重量%〜約2.6重量%の範囲で含むパラジウム系複合コーティングは、約40°〜約120°の範囲のより高い界面接触角を有し、比較的より高い疎水性を示した。高疎水性のコーティングは、約0.05μm(50nm)〜約0.1μm(100nm)の範囲の平均粒径を有するフルオロポリマーからなるナノ粒子を約4.5重量%〜約8.5重量%の範囲で含むパラジウム系複合コーティングを含み、約80°〜約130°の範囲のかなり高い界面接触角を有していた。
ナノ粒子を含む金属系複合コーティングの質を測定するための他の試験としては、ASTM B799 SO2蒸気試験によって測定されるような多孔性試験、及び反射率試験が挙げられる。
さらに次の実施例で本発明を例証する。
実施例1:フルオロポリマーからなるナノ粒子を含むパラジウム系複合物
デポジットのための3つの浴 A)パラジウム、B)フルオロポリマーからなる比較的大きなナノ粒子を含むパラジウム系複合物、及びC)本発明のフルオロポリマーからなるナノ粒子を含むパラジウム系複合物を調製した。
A)パラジウム浴
Figure 0005554718
B)約0.3μm(300nm)〜約0.5μm(500nm)の範囲の平均粒径を有するフルオロポリマー粒子を含むパラジウム系複合物浴
Figure 0005554718
C)約0.05μm(50nm)〜約0.07μm(70nm)の範囲の平均粒径を有するフルオロポリマー粒子を含むパラジウム系複合物浴
Figure 0005554718
コーティングを各浴から同様の条件下でデポジットし、EDS測定、接触角測定、多孔性試験及び反射率測定を行った。結果を表Iに示す。
Figure 0005554718
上述の観点から、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が実現されたと理解されるであろう。
本発明の構成要素又はその好適な実施態様を紹介する場合、「ある」、「該」及び「前記」なる語は、1つ又はそれ以上の要素があることを意味するのを意図している。「含む」、「からなる」及び「有する」なる用語は、列挙した要素以外の追加的な要素があるかもしれないことを意味するのを意図している。
本発明の範囲を逸脱することなく、上述のように種々の変更をなすことができるように、上述の明細書及び示された付随の表中に含まれる内容は、実例であって制限されるものではないと解釈されるであろうことを意図している。

Claims (10)

  1. 基材の表面を、
    (a)亜鉛、パラジウム、銀、ニッケル、銅、金、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、クロム及びこれらの合金からなる群より選ばれるデポジット金属のデポジット金属イオン源、及び
    (b)0〜150ナノメーターの平均粒径を有し、少なくとも30容量%の粒子が100nmより小さい粒径を有すること(以下「所定の粒径分布」と言う)を特徴とし、フルオロポリマーのナノ粒子が、その表面に界面活性剤分子の予混合コーティングを有し、 面活性剤分子あたり+0.1から+1の平均電荷を有するフルオロポリマー粒子の予混合分散体で、前記電解めっき溶液中に前記金属イオン源以外の金属イオン源を含まず、前記平均粒径、前記所定の粒径分布および前記平均電荷を有するフルオロポリマーのナノ粒子以外の、前記電解めっき溶液に不溶性のフルオロポリマー粒子を含まないもの、
    を含む電解めっき溶液と接触させる工程、並びに
    外界の電子源を前記電解めっき溶液に適用して、それによって前記フルオロポリマーのナノ粒子を含む金属系複合コーティングを表面上に電解デポジットする工程
    を含むことを特徴とする基材の表面上に耐腐食性を与える方法。
  2. 前記電解めっき組成物が、電解めっき組成物の1〜10重量%の濃度のフルオロポリマーのナノ粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記フルオロポリマーのナノ粒子が、200nm未満の粒径を有する少なくとも80容量%の粒子の粒度分布を有すること特徴とするフルオロポリマー粒子からなる請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記複合コーティングがデポジット金属および、1重量%〜5重量%のフルオロポリマーのナノ粒子からなる請求項1〜の何れかに記載の方法。
  5. 前記デポジット金属がパラジウムからなる請求項1〜の何れかに記載の方法。
  6. 前記デポジット金属が亜鉛からなる請求項1〜の何れかに記載の方法。
  7. 前記デポジット金属が銀からなる請求項1〜の何れかに記載の方法。
  8. 前記デポジット金属がニッケルからなる請求項1〜の何れかに記載の方法。
  9. 前記フルオロポリマーのナノ粒子が、50〜100nmの平均粒子径を有するフルオロポリマーナノ粒子である請求項1〜の何れかに記載の方法。
  10. コネクタおよびその他の電子部品、自動車部品、金属化プラスチック、並びに射出成形金型で用いられる付着防止部品から選ばれる基材で、前記基材は請求項1〜の何れかの方法によって塗布された金属系複合コーティングを有する。
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