JP5554433B1 - マグネット歯車及びその製造方法、これを用いた流量計 - Google Patents

マグネット歯車及びその製造方法、これを用いた流量計 Download PDF

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Abstract

【課題】羽根車の回転に確実に追従することができ、かつ長期使用におけるマグネットの脱落を防止することができるマグネット歯車及びその製造方法、これを用いた流量計を提供する。
【解決手段】回転軸線を有する軸部、軸部の一端側の外周面に複数の歯を有し、噛みあう相手歯車に回転を伝達する歯部、軸部の他端側に軸線方向に突設されたカシメ用突起、からなる樹脂製の歯車と、歯車と一体的に回転するマグネット部材と、からなり、マグネット部材が貫通孔を有し、軸部の他端側に前記貫通孔を挿通させると共に、貫通孔から突出したカシメ用突起の突出部をマグネット部材の挿通側から熱カシメして、軸部の回転軸線方向に移動可能に間隙を確保して保持されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、マグネット歯車及びその製造法、これを用いた流量計に関する。
マグネット付き歯車形成部材のマグネット受面の一部に切り欠きを設け、マグネットを装着し、切り欠きの下方から受治具でマグネットを保持し、マグネットの磁化面にかしめリブを押し付けながら熱を加えてリブをかしめるマグネット付き歯車におけるマグネット取付方法が知られている(特許文献1)。
羽根車の回転に応じて回転するように磁気的に羽根車に結合されているマグネット歯車と、羽根車とマグネット歯車の間を仕切っている合成樹脂製の隔壁と、隔壁に埋め込まれて、マグネット歯車の回転軸の先端面が回転自在の状態で乗っている平坦な軸受面を備えた合成樹脂製の軸受板とを有し、軸受板は、隔壁に対して、インサート成形、接着または圧入により、固定されており、軸受板の軸受面は、隔壁の表面から突出した位置にある流量メータも知られている(特許文献2)。
特許3618334号公報 特許4793901号公報
本発明は、羽根車の回転に確実に追従することができ、かつ長期使用におけるマグネットの脱落を防止することができるマグネット歯車及びその製造方法、これを用いた流量計を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のマグネット歯車は、
回転軸線を有する軸部、前記軸部の一端側の外周面に複数の歯を有し、噛みあう相手歯車に回転を伝達する歯部、前記軸部の他端側に軸線方向に突設されたカシメ用突起、からなる樹脂製の歯車と、
前記歯車と一体的に回転するマグネット部材と、からなり、
前記マグネット部材が貫通孔を有し、前記軸部の他端側に前記貫通孔を挿通させると共に、前記貫通孔から突出した前記カシメ用突起の突出部を前記マグネット部材の挿通側から熱カシメして、前記軸部の回転軸線方向に移動可能に間隙を確保して保持された、
ことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のマグネット歯車において、
前記カシメ用突起が、前記軸部の全周に形成され断面形状が先端に向けてテーパ状とされた環状リブである、
ことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のマグネット歯車において、
前記間隙が0.05mmないし0.5mmである、
ことを特徴とする。
前記課題を解決するために、請求項に記載のマグネット歯車の製造方法は、
回転軸線上に形成された軸部の一端側の外周面に複数の歯を有し、噛みあう相手歯車に回転を伝達する樹脂製の歯車と、
前記歯車と一体的に回転するマグネット部材と、からなり、
前記マグネット部材が貫通孔を有し、前記軸部の他端側に突設され軸線方向に断面形状が先端に向けてテーパ状とされた環状リブに、前記マグネット部材を挿通させると共に、前記貫通孔から突出した前記環状リブの突出部を前記マグネット部材の挿通側から熱カシメして前記軸部の軸線方向に間隙を確保して保持した、
ことを特徴とする。
前記課題を解決するために、請求項に記載の流量計は、
両端に流入口及び流出口を有し、前記流入口及び前記流出口に連通した計量室内に回転自在に配置された羽根車を備えた流入部外箱と、
前記流入部外箱に遮水した状態で嵌入され、歯車列を介して流量を積算表示する指示機構部と、
前記歯車列に前記羽根車の回転を伝達する請求項1ないしのいずれか1項に記載のマグネット歯車と、を備えた、
ことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、羽根車の回転に確実に追従することができ、指示機構に正確に回転を伝達することができる。
請求項記載の発明によれば、歯車へのマグネット部材の保持位置を正確にかつ確実に保ち、長期使用におけるマグネットの脱落を防止することができる。
請求項記載の発明によれば、羽根車の回転に確実に追従することができ、指示機構に正確に回転を伝達することができる。
請求項記載の発明によれば、羽根車の回転に確実に追従することができ、長期使用におけるマグネットの脱落を防止することができる。
請求項記載の発明によれば、羽根車の回転に確実に追従することができ、かつ長期使用におけるマグネットの脱落を防止することができる流量計を提供することができる。
マグネット歯車1を備えた流量計の縦断面図である。 マグネット歯車1を構成するマグネット歯車本体とマグネット5とを分離して示す斜視図である。 (a)はマグネット歯車本体の角軸4側に視点をおいた平面図、(b)はマグネット歯車本体の縦断面図、(c)はマグネット5の着磁面側に視点をおいた平面図、(d)はマグネット5の縦断面図である。 (a)はマグネット歯車1のマグネット5側に視点をおいた平面図、(b)はマグネット歯車1の縦断面図である。 マグネット歯車本体にマグネット5を熱カシメによって保持する組み立て工程の一例を説明するための工程図である。 マグネット歯車1のマグネット歯車本体に対するマグネット5の保持状態を説明するための模式図である。 (a)は比較例1に係るマグネット歯車100のマグネット5側に視点をおいた平面図、(b)はマグネット歯車100の縦断面図である。 (a)は比較例2に係るマグネット歯車200のマグネット5側に視点をおいた平面図、(b)はマグネット歯車200の縦断面図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)流量計の構成
図1はマグネット歯車1を備えた流量計10の一般的構成を示す縦断面図である。以下、図面を参照しながら、本実施形態に係るマグネット歯車1が提供された流量計10の全体構成及び指示機構部について説明する。
(1.1)流量計の全体構成及び動作
流量計10は、両端に流入口20aおよび流出口20bが形成された流入部外箱としてのメータケース20を有し、このメータケース20の内部には流入口20aおよび流出口20bに連通している計量室30が形成されている。計量室30内には、水の流れ方向に直交するように羽根車40が回転自在の状態に配置されている。計量室30の上側には計量室30と遮水した状態で指示機構部としての歯車列からなる機械式の指針ユニット50が装着されている。
指針ユニット50は、メータケース20における計量室30の真上の部位に形成した上方開口部から挿入され、上方開口部を封鎖する状態で上方開口部に取り付けた蓋ケース60とメータケース20との間に挟持されている。指針ユニット50は合成樹脂製、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)製のレジスタケース70を備え、その底壁部分70aが、計量室30と指針ユニット50の内部とを仕切っている隔壁部分である。
計量室30内の羽根車40の回転軸41はその下端部分が、メータケース20の底板部分20cの中央に垂直に取り付けたピボット軸42によって回転自在の状態で支持されている。羽根車40の回転軸41の先端部分41aは、レジスタケース70の底壁部分70aの中央に形成した円形凹部70bに挿入されており、その先端部には回転軸線cを中心として同心円上にマグネット11が埋め込まれている。
指針ユニット50の内部には、底壁部分70aを挟み、羽根車40の回転軸41に対して同軸状態でマグネット歯車1が配置されている。マグネット歯車1の軸部の下端部分にも、その回転軸線cを中心として同心円上にマグネット5が埋め込まれている。軸部の上端部は回転自在の状態でピボット軸51によって支持されており、下端部は、底壁部分70aの軸受面に回転自在の状態で支持されている。
このように、マグネット歯車1は回転自在の状態で、羽根車40と同軸状態に支持され、羽根車40とは底壁部分70aを挟み磁気的に結合(マグネットカップリング)された状態にある。その結果、羽根車40が水流によって回転すると、それに伴ってマグネット歯車1も羽根車40と同期して回転する。
係る構成の流量計10は、その流入口20aおよび流出口20bが上流側の水道管および下流側の水道管(図示せず)に接続されて使用される。流入口20aから流入した水は、計量室30内に入り、羽根車40を回転させながら流出口20bに向けて流れ、流出口20bから下流側の水道管に流出する。羽根車40は計量室30を流れる流量に応じた回転速度で回転するように設定されている。
羽根車40が回転すると、これにマグネットカップリングされている指針ユニット50側のマグネット歯車1も追従して回転する。マグネット歯車1の回転は歯車列を介して回転指標に伝達され、流量計測値が表示される。
(1.2)マグネット歯車
図2はマグネット歯車1を構成するマグネット歯車本体とマグネット部材とを分離して示した斜視図、図3(a)はマグネット歯車本体の角軸4側に視点をおいた平面図、(b)はマグネット歯車本体の縦断面図、(c)はマグネット5の平面図、(d)はマグネット5の縦断面図、図4(a)はマグネット歯車1のマグネット5側に視点をおいた平面図、(b)はマグネット歯車1の縦断面図である。以下、図面を参照しながらマグネット歯車1の構成について説明する。
図2に示すように、マグネット歯車1は、軸部の一端側に形成された歯車2と、マグネット部材としてのマグネット5を保持する保持部としてのフランジ3と、マグネット部材が挿通される角軸4と、角軸4の先端中央部に形成された半円球状の球R部4cとからなるマグネット歯車本体と、角軸4に挿通された状態で保持され歯車2と一体的に回転するマグネット5と、から構成されている。
歯車2は、軸部の一端側の外周面に複数の歯を有して、例えば射出成形によって合成樹脂を用いて一体として形成されている。合成樹脂の材料としては、ポリアセタール(POM)が好適であり、シリコンを2%〜4%含有させて摺動性を向上することもできる。軸部には軸線方向に円筒孔2aが形成され、指針ユニット50の内部に形成されたピボット軸51に挿通されて回転自在に支持される。
角軸4は断面形状が、例えば四角形や六画形等の多角形とされ、軸部の他端側に歯車2及びフランジ3と一体に形成されている。この角軸4には角軸4の断面形状に合わせて形成された貫通孔5aを有するマグネット5が挿通されて、後述するように熱カシメされて角軸4の軸線方向に間隙を確保して保持されている。
具体的には、図3(a)、(b)に示すように、角軸4の端部には軸線方向にその断面形状が先端部に向けてテーパ形状とされた環状リブ4aが突設されている。
そして、図4(a)、(b)に示すように、角軸4にマグネット5を挿通させると共に、貫通孔5aから突出した環状リブ4aの突出部をマグネット5の挿通側から熱カシメによって折り返して、折り返された環状リブ4aの折り返し部4bでマグネット5の一面が保持されている。
角軸4の外面とマグネット5の貫通孔5aの内面のそれぞれ対向する方向の間隙は0.05mmないし0.3mmとなるように調整され、マグネット5がその自重で角軸4の軸線方向に移動できる程度の嵌合状態とされている。
図3(c)に示すように、マグネット5は、羽根車40のマグネット11と対向してマグネットカップリングを形成する着磁面5bが、例えば等方4極で磁束密度として30mTないし100mTに着磁されている。そして、非着磁面5cが角軸4の軸心と直交するフランジ3の当て付け面(表面)3aに0.05mmないし0.5mmの間隙を確保して保持されている。
間隙が0.05mmよりも小さい場合は、後述するように急激な流量変化があったときに、マグネットカップリングの結合が外れ計量誤差を生じやすくなる。また、間隙が0.5mmよりも大きい場合には、軸線方向の上下振動により貫通孔5aの角部によって熱カシメして折り返された折り返し部4bが削られ、マグネット5が脱落する虞がある。
そのために、安定したマグネットカップリングが維持され、長期に亘って、マグネット5が脱落する虞がない間隙の範囲としては、0.05mmないし0.5mmが好ましく、0.1mmないし0.2mmがより好ましい。
尚、マグネット5は、中心部に形成された貫通孔5aが角軸4に挿通され、歯車2と一体的に回転するが、角軸4の断面形状は、多角形に限定されず、全体が円形で、その一部に例えば凹部が形成され、マグネット5の貫通孔5aには、対応する凸部が形成されて、互いに回転軸線cに対して回り止めされた状態で固定されていても良い。
角軸4の下端部の球R部4cは半球形状をしており、この球R部4cはレジスタケース70の底壁部分70aの表面に形成された軸受面に回転自在に支持される。
(2)マグネット歯車の組み立て
本実施形態に係るマグネット歯車1は、軸部としての角軸4の端部に軸線方向に環状リブ4aが突設され、マグネット5を挿通させると共に、貫通孔5aから突出した環状リブ4aの突出部をマグネット5の挿通側から熱カシメして折り返し部4bを形成して保持する。そして、角軸4に熱カシメされたマグネット5は、その軸線方向に0.05mmないし0.5mmの間隙を確保して保持されている。
以下、このように構成されたマグネット歯車1の組み立て要領について説明する前に、比較例1のマグネット歯車100及び比較例2のマグネット歯車200の構成と組み立てについて説明する。尚、マグネット歯車100及びマグネット歯車200において、マグネット歯車1と共通する構成要素には同一の符号を付して説明する。
(2.1)比較例1のマグネット歯車
図7(a)は比較例1のマグネット歯車100のマグネット5側に視点をおいた平面図、(b)は縦断面図である。
マグネット歯車100は、角軸400の端部のそれぞれの角部に軸線方向にリブ400aが突設され、マグネット5を挿通させると共に、貫通孔5aから突出したそれぞれのリブ400aの突出部をマグネット5の挿通側から熱カシメして固定されている。
尚、以下の説明において、熱カシメによる組み立て工程の詳細は、本実施形態に係るマグネット歯車1の熱カシメを説明した図5(a)ないし(c)と同様である。
具体的には、受け治具Jの上面に設けられたピンJ1に、軸部の軸心に形成された円筒孔2aを挿入して、マグネット歯車本体が角軸4の他端側を上方にして位置決めされる。また、受け治具Jの上面には、ピンJ1と同軸に受け部J2が設けられ、マグネット歯車本体のフランジ3の背面3bが支持される。
次に、マグネット5を角軸400のリブ400a側から挿通する。そして、その上方から熱カシメホーンHを降下させ、貫通孔5aから突出したリブ400aの突出部を所定圧で加圧しながら加熱し、折り曲げ変形させる。
その結果、熱カシメ状態においては、マグネット5の非着磁面5cがフランジ3の当て付け面(表面)3aに、熱カシメによって折り返されたリブ400aの折り返し部400bで当て付いている。
マグネット歯車100は、羽根車40の回転とマグネットカップリングされながら使用された場合、例えば、流通する流体の流量変化に応じて、羽根車40の回転数が停止状態(0rpm)から大流量時の2000rpmないし3000rpmまでの範囲内で変動することから、マグネット歯車100もその範囲内で回転・停止を繰り返し、軸線方向の上下振動が発生する。
一方、マグネット5は、磁性体を含有した樹脂を金型を用いて磁場成形することにより得られるが、金型構造上、貫通孔5aの角部にはバリが発生し易い。そのために、マグネット歯車100が長期に使用された場合、軸線方向の上下振動により貫通孔5aの角部によって熱カシメして折り返された折り返し部400bが削られ、マグネット5が脱落する虞があった。
(2.2)比較例2のマグネット歯車
図8(a)は比較例2のマグネット歯車200のマグネット5側に視点をおいた平面図、(b)は縦断面図である。マグネット歯車200は、角軸500の端部の軸線方向に環状リブ500aが突設され、マグネット5を挿通させると共に、貫通孔5aから突出した環状リブ500aの突出部をマグネット5の挿通側から熱カシメして固定されている。
その結果、マグネット5の非着磁面5cがフランジ3の当て付け面(表面)3aに、マグネット5の貫通孔5aの4辺全周を覆うように折り返された環状リブ500aの折り返し部500bで当て付いて固定されている。
そのために、比較例2に係るマグネット歯車200は、計量作動中の軸線方向の上下振動が発生した場合であっても、マグネット5が脱落を防止することができる。
一方、マグネット5には貫通孔5aの孔径や厚みにバラツキがあり、同様にマグネット歯車本体にも製造バラツキがある。その結果、マグネット歯車本体に、マグネット5が貫通孔5aの4辺全周を覆うように折り返された折り返し部500bで強固に固定された場合、マグネット5の固定位置にずれが発生することがある。
そのために、羽根車40の先端部にその回転軸線cを中心として同心円上に埋め込まれたマグネット11との中心位置ずれが発生し、マグネットカップリングの結合力が弱くなる場合がある。その状態で、例えば、瞬間的に大流量の水が流れると、羽根車40に上下振動や軸心のいわゆる首振り現象が発生し、マグネットカップリングの結合が外れ計量誤差を生ずるという問題があった。さらに、一旦マグネットカップリングが外れると、その後の計量動作中に自己復帰(再結合)できない虞もあった。
(2.3)本実施形態のマグネット歯車
図5は、マグネット歯車本体にマグネット5を熱カシメによって保持する本実施形態に係るマグネット歯車1の組み立て工程の一例を説明するための工程図である。
マグネット歯車1は、受け治具Jの上面に設けられたピンJ1に、軸部の軸心に形成された円筒孔2aを挿入して、マグネット歯車本体が角軸4の他端側に突設され、その断面形状が先端部に向けてテーパ形状とされた環状リブ4aを上方にして位置決めされる。また、受け治具Jの上面には、ピンJ1と同軸に受け部J2が設けられ、マグネット歯車本体のフランジ3の背面3bが支持される(図5(a)参照)。
次に、予め成形着磁されたマグネット5を角軸4の環状リブ4a側から挿通し、その上方から熱カシメホーンHを降下させる。熱カシメホーンHは、環状リブ4aと接触する表面が、例えば140°Cないし160°Cの温度に保持されている。
そして、熱カシメホーンHで貫通孔5aから突出した環状リブ4aを加熱・押圧しながら環状リブ4a全体を軟化状態にする。具体的には、0.4Mpaないし0.6Mpaの押圧力で8secないし12sec加熱・押圧状態を保持する(図5(b)参照)。
図5に示すように、環状リブ4aは、熱カシメホーンHで加熱・押圧されて軟化すると、その断面形状が先端に向けてテーパ状に形成されているために、確実に外側へ折り返されて、その折り返し部4bでマグネット5の着磁面5bに当て付くことになる(図5(c)参照)。
軟化して外側へ折り返される折り返し部4bの折り返し状態は、熱カシメホーンHの表面温度と押圧力と押圧時間によって変化し、環状リブ4aの折り返し状態によって、その内側面で当て付けられるマグネット5の保持状態が変化することになる。
そのために、熱カシメホーンHの表面温度、押圧力及び押圧時間と、折り返された環状リブ4aの折り返し部4bとマグネット5の軸線方向の間隙との関係を予め実験によって定めておくことにより、マグネット5の軸線方向の間隙を必要な範囲に確保することができる。
本実施形態においては、一例として、高さ0.5mmの環状リブ4aが形成されたマグネット歯車本体をポリアセタール(POM)を用いて射出成形し、熱カシメホーンHの設定温度150°C、押圧力0.5Mpa、押圧時間10secとすることで、0.1ないし0.2mmの好適な間隙を得た。
(3)作用・効果
図6は、本実施形態に係るマグネット歯車1のマグネット歯車本体に対するマグネット5の保持状態を説明するための模式図であり、説明のためにマグネット5と歯車本体との間隙を模式的に示している。以下、図面を参照しながら、羽根車40とマグネット歯車1とのマグネットカップリングの作用について説明する。
本実施形態に係るマグネット歯車1は、角軸4が軸部の他端側に歯車2と一体に形成され、対抗して回転する羽根車40とマグネットカップリングを形成するマグネット5が熱カシメによって角軸4の軸線方向に間隙を確保して保持されている。
図6に示すように、マグネット5とマグネット歯車1の回転中心となる角軸4は、角軸4の外面間距離(w2)とマグネット5の貫通孔5aの内面間距離(w1)の差にもとづいて、それぞれ対向する方向に0.05mmないし0.3mmの間隙(G1)を有して、マグネット5がその自重で角軸4の軸線方向に移動できる程度の嵌合状態とされている。そして、マグネット5は、角軸4の軸線方向にも0.05mmないし0.5mmの間隙(G2)を確保して保持されている。
そのために、角軸4に挿通されて保持されたマグネット5が、羽根車40の先端部に埋め込まれたマグネット11から磁気力を受けた場合に、角軸4の軸線と直交する方向の間隙の範囲内で、磁気結合力が最も高まるように移動(図6中 矢印参照)して調心作用が発生する。
その結果、瞬間的に大流量の水が流れて、羽根車40に上下振動や軸心の首振り現象が発生しても、羽根車40の先端部に埋め込まれたマグネット11から受ける磁気力によって、磁気結合力を高めるように移動してマグネットカップリングの外れによる計量誤差の発生が抑制される。また、一旦マグネットカップリングが外れた場合であっても、その後の計量動作中に自己復帰(再結合)しやすくなる。
さらに、マグネット5は貫通孔5aの4辺全周を覆うように折り返された環状リブ4aで保持されているために、計量作動中の軸線方向の上下振動が発生した場合であっても、長期の使用によるマグネット5の脱落を防止することができる。
1、100、200・・・マグネット歯車
2・・・歯車
3・・・フランジ
4、400、500・・・角軸
4a・・・環状リブ
4b、400b、500b・・・折り返し部
4c・・・球R部
400a・・・リブ(比較例1)
500a・・・環状リブ(比較例2)
5・・・マグネット
5a・・・貫通孔
5b・・・着磁面
5c・・・非着磁面
10・・・流量計
20・・・メータケース
30・・・計量室
40・・・羽根車
41・・・回転軸
50・・・指針ユニット
60・・・蓋ケース
70・・・レジスタケース
70a・・・底壁部分
70b・・・円形凹部
c・・・回転軸線(羽根車)

Claims (5)

  1. 回転軸線を有する軸部、前記軸部の一端側の外周面に複数の歯を有し、噛みあう相手歯車に回転を伝達する歯部、前記軸部の他端側に軸線方向に突設されたカシメ用突起、からなる樹脂製の歯車と、
    前記歯車と一体的に回転するマグネット部材と、からなり、
    前記マグネット部材が貫通孔を有し、前記軸部の他端側に前記貫通孔を挿通させると共に、前記貫通孔から突出した前記カシメ用突起の突出部を前記マグネット部材の挿通側から熱カシメして、前記軸部の回転軸線方向に移動可能に間隙を確保して保持された、
    ことを特徴とするマグネット歯車。
  2. 前記カシメ用突起が、前記軸部の全周に形成され断面形状が先端に向けてテーパ状とされた環状リブである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマグネット歯車。
  3. 前記間隙が0.05mmないし0.5mmである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネット歯車。
  4. 回転軸線上に形成された軸部の一端側の外周面に複数の歯を有し、噛みあう相手歯車に回転を伝達する樹脂製の歯車と、
    前記歯車と一体的に回転するマグネット部材と、からなり、
    前記マグネット部材が貫通孔を有し、前記軸部の他端側に突設され軸線方向に断面形状が先端に向けてテーパ状とされた環状リブに、前記マグネット部材を挿通させると共に、前記貫通孔から突出した前記環状リブの突出部を前記マグネット部材の挿通側から熱カシメして前記軸部の軸線方向に間隙を確保して保持する、
    ことを特徴とするマグネット歯車の製造方法。
  5. 両端に流入口及び流出口を有し、前記流入口及び前記流出口に連通した計量室内に回転自在に配置された羽根車を備えた流入部外箱と、
    前記流入部外箱に遮水した状態で嵌入され、歯車列を介して流量を積算表示する指示機構部と、
    前記歯車列に前記羽根車の回転を伝達する請求項1ないしのいずれか1項に記載のマグネット歯車と、を備えた、
    ことを特徴とする流量計。
JP2013080017A 2013-04-05 2013-04-05 マグネット歯車及びその製造方法、これを用いた流量計 Active JP5554433B1 (ja)

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