JP5554419B2 - 炭化水素を酸素によって酸化する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルキルヒドロペルオキシドを製造するために飽和炭化水素、好ましくはシクロヘキサン等の飽和環状炭化水素を酸素で酸化する方法に関する。
より詳細には、本発明は、飽和炭化水素を酸素で酸化する方法であって、炭化水素酸化反応の進行を制御して良好なアルキルヒドロペルオキシド選択性を得るために連続した複数の工程で酸化を実施する、前記方法に関する。
前記酸化方法は、例えば、直列に若しくはカスケード式に配置された複数の反応器を含む装置や、棚段(プレート)によって画定された複数の段を含む仕切り付きバブルカラム(気泡塔)のようないくつかの装置を用いて実施することができる。このようにして酸化プロセスを実施することによって、アルキルヒドロペルオキシドについて高い選択性を得ることができる。
この酸化工程はしばしば、ケトン、アルコール、アルデヒド及び酸のような酸化された化合物を製造するための方法の第1工程を構成する。例えば、シクロヘキシルヒドロペルオキシドを生成させるための酸素によるシクロヘキサンの酸化は、シクロヘキサノール及びシクロヘキサノンを製造するための方法の第1工程であり、これらの化合物自体は例えばアジピン酸又はε−カプロラクタムの合成における中間体であることができる。
アジピン酸を製造するための方法として工業的に最も広く用いられているものの1つは、触媒の存在下又は不在下でシクロヘキサンを分子状酸素で酸化してシクロヘキシルヒドロペルオキシドにし、次いでこのヒドロペルオキシドを分解してシクロヘキサノンとシクロヘキサノールとの混合物にすることから成る。このケトン及びアルコールの混合物を次いで硝酸で酸化してアジピン酸にする。
シクロヘキサン酸化の第1工程は一般的に気体/液体2相媒体中で実施される。1つ以上の(1つより多く用いられる場合には直列に配置された)仕切り付き又は仕切りなしバブルカラムによって構成される反応器中の液状媒体中に、主として液状シクロヘキサンから成る液相の移動方向に対して並流で又は向流で、酸化用気体、即ち酸素又は酸素含有気体が導入される。この工程は、特に英国特許第777087号、英国特許第1112837号、英国特許第964869号、英国特許第1191573号、米国特許第3479394号及び米国特許第4877903号の各明細書に記載されている。
一般的に各反応器の頂部から、酸化生成物(被酸化物質)(主にアルキルヒドロペルオキシド)を含有する液状反応媒体が回収される。
各反応器はまた少なくとも1つの気相をも含有し、これが反応ゾーンの「オーバーヘッド」を形成する。
アルキルヒドロペルオキシドの好適な収率及び選択性を得るためには、各反応器又は区画中において低い炭化水素転化度で反応を実施することによって、反応媒体中の酸化生成物の濃度を低くするのが好ましい。そのためには、反応熱の発散を制御しなければならない。
酸化生成物の濃度が高いと、反応速度が加速し、アルキルヒドロペルオキシド、アルコール、ケトン等のアップグレード(価値増大)可能な物質についてのその選択性が低下する。温度上昇の制御ができないことによっても、反応速度が加速し、アルキルヒドロペルオキシドの脱過酸化が促進される。
この理由で、工業的運転に適合したアルキルヒドロペルオキシド生産率を得るためには、直列に若しくはカスケード式に配置された複数の反応器又は棚段を存在させることによって仕切られたバブルカラム等を用いて前記酸化反応を実施するのが一般的である。
かかる方法においては、一方で各反応器又は各区画中の温度を制御して反応媒体を最適範囲に保つこと、そして他方で反応媒体中の酸化生成物の濃度を制御することが重要である。この制御は例えば、1つ以上の反応器又は区画(特にカスケードの最後の反応器又はカラムの最後の区画)中に低温において炭化水素を供給する(それらに供給される炭化水素の温度をもっと低くする)ことによって、達成することができる。
プロセスのコストの理由で、反応器又は区画のオーバーヘッドを形成する気相を回収してこれらの気相中に存在する物質、例えば酸化しなかった炭化水素、並びに酸化生成物、例えばヒドロペルオキシド、アルコール及びケトン等をリサイクルすることも重要である。しかしながら、このような回収された物質をリサイクルする場合には、プロセスのパフォーマンス、特にリサイクルを行う反応器や区画の運転状況ををかき乱したり低下させたりしてはならない。
英国特許第777087号明細書 英国特許第1112837号明細書 英国特許第964869号明細書 英国特許第1191573号明細書 米国特許第3479394号明細書 米国特許第4877903号明細書
本発明の1つの目的は、例えば直列に配置された複数の反応器又は1つ以上の仕切り付きのバブルカラムのような連続した複数の工程で酸化を実施するための装置中で実施される飽和炭化水素酸化方法であって、反応器又はカラムの区画のオーバーヘッドを形成する気相を回収してリサイクルするプロセスを含み、プロセスの全体コストに関して多くの利点を有するものを提供することにある。
この目的で、本発明は、アルキルヒドロペルオキシドを製造するために飽和炭化水素を酸素で酸化するための方法を提供する。この方法は、炭化水素を液相中で酸素又は酸素含有気体と接触させることから成り、この反応は、連続した複数の工程で実施される。かかる方法において、前記飽和炭化水素は少なくとも最初の工程に、100℃〜250℃の範囲の温度、好ましくは150℃〜200℃の範囲の温度(反応を触媒の不在下で実施する場合)において供給される。さらに、アルキルヒドロペルオキシドについての好適な選択性を得るために、少なくとも最後の工程において反応媒体を冷却してこの反応媒体の温度を最初の工程の温度以下のレベルに保つ。好ましくは、少なくとも最後の工程において、反応媒体を冷却してこの反応媒体の温度を最初の工程の温度より低いレベルに保つ。
本発明の方法は、反応の各工程においてオーバーヘッドを形成する気相を回収し、複数の反応工程から誘導された気相を別々に又は混合した後に少なくとも一部凝縮させることを特徴とする。得られた凝縮液は、少なくとも1つの工程にリサイクルされる。ここで、この工程は、該工程に供給される反応媒体中の酸化生成物の濃度がリサイクルされるべき凝縮液中に含有される酸化生成物の濃度に少なくとも等しいものである。好ましくは、得られた凝縮液は、少なくとも1つの工程であって該工程に供給される反応媒体中の酸化生成物の濃度がリサイクルされるべき凝縮液中に含有される酸化生成物の濃度に少なくとも等しい前記工程に、直接リサイクルされる。本発明に関して用いた場合の用語「直接」とは、凝縮液を中間の精製処理、特に蒸留に付さないことを意味する。
本発明の1つの実施形態に従えば、1つの反応工程のヘッドにおいて回収された気相の一部を凝縮させ、得られた凝縮液を前の工程への供給物にリサイクルする。
特に、最後の反応工程のヘッドにおいて回収された気相の一部を凝縮させ、得られた凝縮液を上流に位置する工程の内の1つ、特に前の工程への供給物にリサイクルするのが有利である。
前記の凝縮液をリサイクルすることによって、特に、該反応工程における温度を上記の最適範囲内に制御して保つことが可能になり、反応媒体中の酸化生成物の濃度を上昇させることもない。これらの凝縮液の温度は、当該工程中に存在する反応媒体の温度より低く、従って酸化反応進行速度を低減させる範囲内にその温度を保つことを可能にし、従ってアルキルヒドロペルオキシドの選択性を改善することができる。実際、この選択性は反応が進行するにつれて急激に低下する。最適温度範囲は、反応に対する最小自触媒作用が得られるように決定される。
既知の方法においては、この温度の制御は、当該工程に低温の炭化水素を供給することによって達成されるのが一般的である。この低温の炭化水素の供給源は、当該プロセスの下流における未転化炭化水素のリサイクルを保証する蒸留留出物から成る。例えば、この低温炭化水素は、蒸留によって精製された物質である。
本発明の方法においては、前記工程に供給するためにリサイクル及び精製される炭化水素の必要量は一般的に少なく、場合によっては0まで減らすことさえできる。
リサイクル精製低温炭化水素供給は、さらに、当該工程中の酸化生成物の濃度を、選択性及び反応速度についての臨界値より低い値に保つことを可能にした。
この効果は、本発明に従って凝縮液をリサイクルすることによっても、得ることができる。何故ならば、これらの凝縮液は、最大でも当該工程に供給される反応媒体中に存在するものに等しい酸化生成物濃度を有するからであり、このことは、この工程における酸化生成物の濃度を制御することができることを意味する。
さらに、気相中に存在する重質物質は凝縮され、専ら反応の最後の工程にリサイクルされる。従って、最初の方の工程では酸化反応は低い重質物質濃度で実施される。この低い濃度もまた、反応の全体的な選択性を改善することを可能にする。
従って、本発明の方法は、反応の所定の工程において反応媒体を冷却するために用いられるリサイクル精製炭化水素の量を減らすことができる。従って、この精製炭化水素を酸化反応の最初の工程に直接供給することができ、反応の選択性及びプロセスの費用が改善される。
さらに、プロセスの最初の方の工程にリサイクルされる気相又は凝縮液は、「重質」物質と称される物質を殆ど含有せず、このことも酸化反応のヒドロペルオキシドについての選択性を改善できることを意味する。
全体的な選択性が改善されるので、シクロヘキサノール及びシクロヘキサノン1トン当たりに消費される炭化水素の量が少なくなる。
本発明の1つの実施形態においては、酸化反応の複数の工程からオーバーヘッドを形成する気相を回収して混合し、これらを一部凝縮させる前に混合するのが有利である。回収された凝縮液は、供給される反応混合物中の酸化生成物の濃度がリサイクルされる凝縮液中の酸化生成物の濃度以上である工程の内の1つにリサイクルするのが有利である。
しかしながら、回収される気相のすべての可能な組合せ及び結合が本発明の範囲内に包含される。
さらに、それぞれの気相を別々に凝縮させ、得られた様々な凝縮液を別々の態様でリサイクルすることもでき、また、それらを混合した後又はそれらの内にいくつかの混合を実施した後にリサイクルすることもできる。
本発明の1つの特徴に従えば、本発明の好適な飽和炭化水素は、有利にはシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン又はデカリンのような飽和環状炭化水素である。本発明にとって好適な飽和炭化水素は、好ましくはシクロヘキサンである。
シクロヘキサンは、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの製造用に用いられる炭化水素であり、このシクロヘキシルヒドロペルオキシドは特にシクロヘキサノン及び/又はシクロヘキサノールの製造における中間体である。このアルコール/ケトンの混合物は、例えば硝酸酸化によるアジピン酸の合成用に用いられる。
触媒なしでシクロヘキサンを酸化させる場合、反応の様々な工程で回収された気相の一部を、ギ酸の凝縮温度より高い温度において凝縮させるのが有利である。この酸は、酸化工程の際に生成し、ヒドロペルオキシドの脱過酸化を触媒するので反応の選択性にとって有害である。
本発明の別の特徴に従えば、様々な工程からの出口において回収された気相の一部を凝縮させ且つ凝縮相又は凝縮液を様々な酸化工程にリサイクルした後に回収される気体画分に対して、2回目の凝縮操作としての完全な凝縮を行う。次いでこの凝縮液をフラッシュ操作に付して、非凝縮性物に加えて、有機相及び水性相を回収する。この有機相は、有利には酸化の下流の様々な蒸留から導かれたリサイクルされる炭化水素と混合した後に、最初の酸化工程にリサイクルするのが有利である。水性相は、酸化の際に生成してギ酸の大部分を含有する水から成り、例えば焼却することによって処分するのが有利である。
用語「酸化生成物」とは、炭化水素の酸化によって得られ、酸素原子を含む化合物を意味する。これらの物質は、特に、アルキルヒドロペルオキシド、アルコール、ケトン、アルデヒド、酸等である。
本発明の方法は、アルキルヒドロペルオキシド、特にシクロヘキシルヒドロペルオキシドを好適な収率で製造するのに用いることができ、しかも製造されるシクロヘキサノール及びシクロヘキサノン1トン当たりのシクロヘキサンの消費量は、本発明の方法に従って採用される様々な酸化工程からのオーバーヘッドを形成する気相から導かれた凝縮液のリサイクルの代わりに酸化工程の下流のリサイクル精製低温炭化水素法を採用した場合に観察される前記消費量より少ない。
本発明の方法は、下に記載するように、様々なタイプのプラントにおいて連続式で実施することができる。用いる反応器の数及び反応器のタイプは、本発明にとって臨界的ではない。
本発明の好ましい特徴に従えば、好ましいタイプのプラントは、棚段によって仕切られたバブルカラムから成る酸化反応器を含むプラント又はカスケードとして若しくは直列に配置された複数の酸化反応器(各反応器がバブルカラムタイプのものであってもよい)を含むプラントである。かくして、2つの隣接した棚段によって画定されるそれぞれのスペース又は各反応器は、酸化反応の1つの工程に相当する。カラム中の棚段の数又は反応器カスケードを構成する反応器の数は様々であることができるが、3〜10の範囲であるのが有利である。
本発明のその他の詳細及び利点は、以下の純粋に例示として与えた実施例からより一層明らかになるだろう。
比較例1:
シクロヘキサンをシクロヘキシルヒドロペルオキシドに酸化するための、酸化用気体(空気)及び酸化されるべき反応媒体が並流で供給されるバブルカラムタイプのn個の反応器のカスケードを含むプラント中で、高温シクロヘキサン流をカラムの最初の反応器に182℃の温度において供給した。この高温シクロヘキサン流は、0.31重量%のシクロヘキシルヒドロペルオキシド、シクロヘキサノール及びシクロヘキサノンを含有していた。
酸化反応を触媒なしで実施した。1つの反応器から出て来た液状反応媒体をカスケード中の次の反応器に供給した。各反応器からの気相又は酸化気体を回収し、それらの内のいくつかを混合した後に凝縮させた。
カスケードの最後のn個目の反応器の温度は180℃だった。温度をその値に保つために、カスケードの最後の2個の反応器(n個目及びn−1個目)に、反応媒体への補充として、70℃の「低温」シクロヘキサンを供給した。各反応器に供給した「低温」シクロヘキサン流は、カスケードの最初の反応器に供給した「高温」シクロヘキサン流の8.3重量%の量だった。
最後の酸化反応器からの出口において、未反応シクロヘキサンの一部を酸化工程にリサイクルするために反応混合物から分離した。次いでこの反応混合物を水で洗浄し、シクロヘキシルヒドロペルオキシドをシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンに転化させるために触媒で処理した。次いでシクロヘキサンを蒸留によって分離し、未精製シクロヘキサノール−シクロヘキサノン混合物を蒸留によって精製した。
酸化気体を混合して一連の凝縮管を用いて凝縮させた。回収された液状画分をフラッシュ処理した。水を分離した後に回収された有機相を、カスケードの最初の反応器に供給されるシクロヘキサン中に、シクロヘキサン加熱工程の前に、リサイクルした。
例1(本発明に従う):
比較例に記載したプラント中で、同じ試薬を用いて、例1のプロセスを実施した。
しかしながら、本発明に従って、カスケードの最後のn個目の反応器において回収された酸化気体又は気相を別個に凝縮させた。こうして回収された凝縮液は、145℃の温度で、最初の反応器に供給した高温シクロヘキサン流の4.5%の量だった。これを、n−1個目の反応器に供給される反応媒体に、補充として、そしてこの反応器に供給される「低温」シクロヘキサンの一部の代わりに、供給した。
残りの反応器からの酸化気体又は気相は、混合して凝縮させた。これらの凝縮液の内の125℃の温度において回収された最も低揮発性の画分は、最初の反応器に供給される高温シクロヘキサン流の11.5%の量であり、n−2個目の反応器に入れる反応媒体にリサイクルした。凝縮液の残部は、上記比較例に記載したものと同様の態様で処理した。最後に回収した有機相と酸化の下流の様々なリサイクルから得られたシクロヘキサンとを、カスケードの最初の反応器に供給するために、このシクロヘキサンを加熱する前に、混合した。
前記凝縮液の少なくとも一部をリサイクルしたことにより、最初の反応器に供給される「高温」シクロヘキサンは0.19重量%のシクロヘキシルヒドロペルオキシド、シクロヘキサノール及びシクロヘキサノンを含有するものになった。最初の反応器の温度は185℃となり、最後の反応器の温度は180℃のままだった。
カスケードの最後の2つの反応器に供給した「低温」シクロヘキサン流はそれぞれ、最初の反応器に供給した高温シクロヘキサン流の6.5%及び5.5%の量だった。
シクロヘキシルヒドロペルオキシドの転化工程の後に計算したシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンについてのプロセス選択性は、1%上昇した。この選択性は、消費されてシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンに転化したシクロヘキサンの割合を表す。このシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンについての選択性の上昇は本質的に、カスケードの最初の反応器に供給される高温シクロヘキサン中の酸化生成物の濃度を低下させることによって、得られた。
比較例2:
シクロヘキサンをシクロヘキシルヒドロペルオキシドに酸化するための、酸化用気体(空気)及び酸化されるべき反応媒体が並流で供給されるバブルカラムタイプのn個の反応器のカスケードを含む別のプラント中で、高温シクロヘキサン流をカラムの最初の反応器に185℃の温度において供給した。この高温シクロヘキサン流は、0.20重量%のシクロヘキシルヒドロペルオキシド、シクロヘキサノール及びシクロヘキサノンを含有していた。
酸化反応を触媒なしで実施した。1つの反応器から出て来た液状反応媒体をカスケード中の次の反応器に供給した。各反応器からの気相又は酸化気体を回収し、それらの内のいくつかを混合した後に凝縮させた。
カスケードの最後のn個目の反応器の温度は179℃だった。温度をこの値に保つために、カスケードの最後の3個の反応器(n−2個目、n−1個目及びn個目)に、反応媒体への補充として、70℃の「低温」シクロヘキサンを供給した。各反応器に供給した「低温」シクロヘキサン流は、カスケードの最初の反応器に供給した「高温」シクロヘキサン流の2.7重量%、3.1重量%及び2.7重量%、即ち合計8.5重量%の量だった。
最後の酸化反応器からの出口において、未反応シクロヘキサンの一部を酸化工程にリサイクルするために反応混合物から分離した。次いでこの反応混合物を水で洗浄し、シクロヘキシルヒドロペルオキシドをシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンに転化させるために触媒で処理した。次いでシクロヘキサンを蒸留によって分離し、未精製シクロヘキサノール−シクロヘキサノン混合物を蒸留によって精製した。
酸化気体を混合して一連の凝縮管を用いて凝縮させた。回収された液状画分をフラッシュ処理した。水を分離した後に回収された有機相を、カスケードの最初の反応器に供給されるシクロヘキサン中に、シクロヘキサン加熱工程の前に、リサイクルした。
例2(本発明に従う):
比較例2に記載したプラント中で、同じ試薬を用いて、例2のプロセスを実施した。
最初からn−1個目までの反応器からの酸化気体又は気相は、混合して凝縮させた。これらの凝縮液の内の125℃の温度において回収された最も低揮発性の画分は、最初の反応器に供給される高温シクロヘキサン流の8.1%の量だった。これを、n−2個目の反応器に入れる反応媒体にリサイクルした。凝縮液の残部は、上記比較例に記載したものと同様の態様で処理した。最後に回収した有機相と酸化の下流の様々なリサイクルから得られたシクロヘキサンとを、カスケードの最初の反応器に供給するために、このシクロヘキサンを加熱する前に、混合した。
前記凝縮液の少なくとも一部をリサイクルしたことにより、最初の反応器に供給される「高温」シクロヘキサンは0.16重量%のシクロヘキシルヒドロペルオキシド、シクロヘキサノール及びシクロヘキサノンを含有するものになった。最初の反応器の温度は186.5℃となり、最後の反応器の温度は179℃のままだった。
カスケード のn−3個目、n−2個目、n−1個目及びn個目の反応器に「低温」シクロヘキサンをそれぞれ最初の反応器に供給される高温シクロヘキサン流の1%、0.5%、2.7%及び1.6%の流量で、即ち合計5.8%の流量で、供給した。
シクロヘキシルヒドロペルオキシドの転化工程の後に計算したシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンについてのプロセス選択性は、0.6%上昇した。この選択性は、消費されてシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンに転化したシクロヘキサンの割合を表す。このシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンについての選択性の上昇は本質的に、カスケードの最初の反応器に供給される高温シクロヘキサン中の酸化生成物の濃度を低下させることによって、得られた。

Claims (9)

  1. 液相中で飽和炭化水素を酸素含有気体で酸化することによってアルキルヒドロペルオキシドを製造する方法において、
    該反応を連続した複数の工程で実施し、前記炭化水素を少なくとも最初の工程に100℃〜250℃の範囲の温度において供給し、反応の少なくとも最後の工程を冷却して該工程の温度を最初の工程の温度以下のレベルに保って制御することを含む前記方法であって、
    前記反応の各工程が該工程における気体状オーバーヘッドを形成する気相と液相とを含み、このオーバーヘッドを形成する気相を取り出して排出させて少なくとも一部凝縮させること、並びに
    1つの工程の気相から回収された凝縮液を前記酸化工程の内の1つにリサイクルし、その際、該酸化工程に供給される反応媒体中の酸化生成物の濃度がリサイクルされる凝縮液又は該凝縮液の混合物中の酸化生成物の濃度に少なくとも等しいこと、並びに
    得られた凝縮液又は該凝縮液の混合物を少なくとも1つの工程に直接リサイクルし、ここで、この工程に供給される反応媒体中の酸化生成物の濃度は、リサイクルされるべき凝縮液又は該凝縮液の混合物中に含有される酸化生成物の濃度に少なくとも等しいこと、並びに
    前記飽和炭化水素がシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン及びデカリンより成る群から選択されること
    を特徴とする、前記方法。
  2. 前記の1つの工程にリサイクルされる凝縮液が、少なくとも2つの酸化工程から導かれた凝縮液又は気相を混合することによって得られたものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 1つの反応工程のヘッドにおいて回収された気相の一部を凝縮させ、得られた凝縮液を前の工程への供給物にリサイクルすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 最後の反応工程のヘッドにおいて回収された気相の一部を凝縮させ、得られた凝縮液を前の工程への供給物にリサイクルすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記飽和炭化水素がシクロヘキサンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 各工程のオーバーヘッドを形成する気相の一部を凝縮させた後に、未凝縮部分を完全に凝縮させ、次いで得られた凝縮液をフラッシュ処理して水性液状部分及び有機部分を得て、この有機部分を最初の酸化工程にリサイクルすることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. 直列に又はカスケード式に配置された複数の酸化反応器を含み、各反応器が酸化工程を構成するプラント中で前記酸化を実施することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 前記反応器がバブルカラムタイプのものであることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  9. 酸化反応器として仕切り付きバブルカラムを含み、各区画が酸化工程を構成するプラント中で前記酸化を実施することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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