JP5553046B2 - 内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置 - Google Patents
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複数の気筒を有し前記複数の気筒のそれぞれに燃料噴射弁を備えた内燃機関において、前記それぞれの燃料噴射弁の燃料噴射量を別の量に設定する燃料噴射量設定手段と、
前記複数の気筒のうち第1気筒についての燃料噴射量を基準噴射量に対して第1増量噴射量となるように設定し、前記第1増量噴射量での前記第1気筒の燃焼と同じサイクルにおける前記第1気筒以外の第2気筒についての燃料噴射量を前記基準噴射量に対して第1減量噴射量となるように設定する第1設定手段と、
前記第1設定手段で設定した燃料噴射量による燃焼の後のサイクルにおいて、前記第1気筒の燃料噴射量を前記基準噴射量に対して前記第1増量噴射量と異なる量に増量した第2増量噴射量または前記基準噴射量に対して前記第1減量噴射量と異なる量に減量した第2減量噴射量に設定するとともに、前記第2気筒の燃料噴射量を前記第2増量噴射量と前記第2減量噴射量のうち前記第1気筒に設定しないほうに設定する第2設定手段と、
前記第1増量噴射量での燃焼時における発生熱量および前記第2増量噴射量での燃焼時における発生熱量それぞれと前記基準噴射量における熱発生量との間の差分を平均した増量平均値を算出する第1算出手段と、
前記第1減量噴射量での燃焼時における発生熱量および前記第2減量噴射量での燃焼時における発生熱量それぞれと前記基準噴射量における熱発生量との間の差分を平均した減量平均値を算出する第2算出手段と、
前記増量平均値および前記減量平均値に基づいて前記内燃機関の燃料のアルコール濃度を推定する推定手段と、
を備えることを特徴とする。
前記第1気筒の空燃比と前記第2気筒の空燃比とを合わせた空燃比が一定となるように、前記燃料噴射量の前記設定を行うことを特徴とする。
前記第1増量噴射量における増量分が前記第1減量噴射量の減量分により相殺されるように、前記燃料噴射量の設定を行うことを特徴とする。
前記第1気筒の燃料噴射量として設定した前記第1増量噴射量における増量分が前記第1気筒の次に点火を迎える気筒である次点火気筒に設定される燃料噴射量の減量分により相殺されるように、前記次点火気筒の燃料噴射量を設定することを特徴とする。
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置の構成を、これが適用される内燃機関の構成とともに示す図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、車両の動力源として用いられる内燃機関2を備えている。内燃機関2は、気筒4を有している。図1では1つの気筒のみが描かれているが、一般的な車両用のエンジンは複数の気筒から構成されている。そのうち少なくとも1つの気筒には筒内圧を測定するための筒内圧センサ16が取り付けられており、本実施形態では好ましい形態として複数の気筒すべてに対してそれぞれ筒内圧センサ16が取り付けられているものとする。本実施形態では、内燃機関2を直列4気筒式の内燃機関であるものとして説明する。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、直列6気筒型、V型6気筒型、水平対向気筒型を含め、少なくとも車両用内燃機関において適用される各種の気筒数かつ各種の気筒配列方式の内燃機関に対して本発明を適用することができる。
実施の形態1にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置は、次に述べる内容の計算処理を実施することにより、アルコール濃度を推定する。
この基本的処理内容を実施の形態1のハードウェア上で実行するにあたっては、より具体的には、次の構成としてもよい。まず、予め、基準とする状態における、燃料量の変化と発生熱量の変化との間の関係を、異なるエタノール濃度の燃料について複数個取得しておく。この取得した複数個の「燃料量の変化と発生熱量の変化との間の関係」を、「基準データ」として演算処理装置40内のメモリに参照可能に記憶しておく。内燃機関2の運転中その他のアルコール濃度推定実行タイミングが到来したら、アルコール濃度推定処理中において、筒内直噴インジェクタ12の燃料噴射量を所定量変化させ、この所定量変化に応じた燃焼圧(筒内圧センサ16の出力から求めた筒内圧)を求める。燃焼圧から、発生熱量を算出する。燃料噴射量の所定量変化分と、発生熱量の変化分との関係を表すデータを求める。この求めたデータを、演算処理装置40に記憶済みの上記の基準データとの間で比較し、アルコール濃度の同定を行う。
内燃機関は、燃料量(燃料噴射量)を変化させたときの影響度が、リッチ側への変化とリーン側への変化との間で異なっていることが普通である。仮に、特定の気筒に対して、リッチ側変化とリーン側変化のうち片方のみに基づいてアルコール濃度推定を行うとすると、そのようなリッチ側変化とリーン側変化の影響度の相違を考慮に入れることができない。この点、実施の形態1によれば、リッチ影響とリーン影響の両方の特性を考慮してアルコール濃度推定を行うことができるので、推定精度を向上させることができる。
このとき、実施の形態1では、上記の「少なくとも1つの気筒」と「他の気筒」は、同じ数であるものとする。例えば、1番乃至4番の4つの気筒のうち、上記の「少なくとも1つの気筒」を1番気筒とした場合には、上記の「他の気筒」は、2乃至4番の気筒から選択した1つの気筒である。例えば、1番乃至4番の4つの気筒のうち、上記の「少なくとも1つの気筒」を1番気筒および2番気筒という2つの気筒とした場合には、上記の「他の気筒」は、3番気筒および4番気筒という2つの気筒とする。
なお、燃料噴射量を増量させたり減量させたりする気筒の数が多いほど、多数のデータを取得することができる。より多数のデータに基づき平均化等を行ってアルコール濃度を推定することにより、さらに精度良くアルコール濃度を推定することができる。
個々の内燃機関の具体的構成のばらつき例えば燃焼室容積のばらつきや、エンジン水温のばらつきが燃焼に影響を与えることにより、筒内圧のばらつきが生じる。筒内圧センサの測定結果にこのばらつきが含まれることで、アルコール濃度の推定結果にもその影響が及ぶ。こういった一台ごとの内燃機関のばらつきを考慮に入れないと、推定精度の低下をまねくおそれがある。この点、実施の形態1によれば、各内燃機関において複数の検出データを用いることによって、個々の内燃機関の燃焼に関するより詳しい情報をアルコール濃度推定に算入することができ、そのような各内燃機関の間に存在するばらつきが推定精度にもたらす影響を低減することができる。
さらに、実施の形態1では、上記の全体の空燃比の一致を行うことによって、燃料噴射量すなわち燃料消費量についても、ベースの値(あるいは、アルコール濃度推定にかかる制御を開始する前の制御空燃比に応じた燃料噴射量)から変化させないようにする。つまり、燃料噴射量の増量分と減量分とを「相殺」する。このようにすることで、実施の形態1にかかるアルコール濃度推定の上記制御を開始する前後に渡って、消費燃料を同じ量に保つことができる。これにより発生トルクの変化を抑制し、ドライバビリティ悪化を抑制することができる。実施の形態1にかかるアルコール濃度推定装置で実施される上記の燃料噴射量変更は、運転者の意図(或いはアクセルペダル開度等)とは関係なく燃料噴射量を変更するものではあるが、通常状態(実施の形態1の燃料噴射量変更をしない状態)と比べてトータルの燃料消費量を同量にすることができる。従って、運転者の意図とは関係なく行われる強制的な制御ではあるものの、通常状態との相違を小さくすることができ、ドライバビリティの悪化を抑制することができる。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置において演算処理装置40が実行するルーチンのフローチャートである。
図2に示すルーチンでは、先ず、演算処理装置40が、E濃度(エタノール濃度)検出条件が成立しているか否かを判定する処理を実行する(ステップS100)。このステップにより、内燃機関2およびこれが搭載された車両の運転状態が安定しており、実施の形態1にかかる空燃比変更(燃料噴射量変更)を行ったときにそのばらつきを十分に少なくできる状態にあるかどうかが判定される。具体的には、演算処理装置40が、エンジン回転速度、エンジン負荷率、車速、およびそれらの変化率(定常判定等に利用)などを各種センサ値から取得し、これらの値に基づいて予め定めた運転状態の範囲内に該当するかどうかを判定する処理を実行する。このステップの条件が成立しない場合には、今回のルーチンが終了する。
実施の形態1では、気筒Aを1番気筒とし、気筒Bを4番気筒とする。このステップにおいて、演算処理装置40が、気筒A(1番気筒)の燃料噴射量を基本値(基準となる燃料噴射量)から所定の割合(所定値a1、所定値b1)だけ変化させる。所定値a1は、基準となる燃料噴射量(ステップS102における燃料噴射量)に、所定増量分を加えた燃料噴射量である。所定値b1は、所定値a1における所定増量分を、基準となる燃料噴射量からマイナスにした(減量した)ことにより求めた燃料噴射量である。従って、所定値a1と所定値b1は、基準となる燃料噴射量に対して、ちょうど同等量を反対の増減方向に変化させた燃料噴射量に相当している。つまり、b1はマイナスa1の値に相当する。
実施の形態1では、所定値a1は、基本値を10%増加させた値に設定する。これに応じて、所定値b1は、基本値を10%減量(つまり基本値からマイナス10%)した値に設定する。
このステップでの計算には、ステップS106で求めた「所定値a1に応じた発生熱量」および「所定値b1に応じた発生熱量」、並びにステップS110で求めた「所定値a2に応じた発生熱量」および「所定値b2に応じた発生熱量」が用いられる。これらの各発生熱量は、「基本条件における発生熱量(ステップS102で求めた発生熱量)」との間に、それぞれ異なる大きさの差分を有している。このステップでは、演算処理装置40がこれらの各差分を計算し、4つの差分値(所定値a1の発生熱量と基本条件の発生熱量との差分、所定値a2の発生熱量と基本条件の発生熱量との差分、所定値b1の発生熱量と基本条件の発生熱量との差分、所定値b2の発生熱量と基本条件の発生熱量との差分)を計算する。
次に、このステップでは、増量側(所定値a1、a2)についての2つの差分値と減量側(所定値b1、b2)についての2つの差分値とについて差分をそれぞれ平均し、増量側と減量側とで別々に「基本条件と燃料噴射量変更後との間の発生熱量差」を計算する。このようにして、気筒毎に求めた差分を平均して、その平均値と基本条件との差を計算する。このように増量側と減量側とで別々に計算を行う理由は、燃料噴射量変化に応じた発生熱量への影響度が増量側と減量側とで異なるからである。
本発明の実施の形態2にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置は、実施の形態1にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置と同様のハードウェア構成(システム構成)を有している。すなわち、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置は、実施の形態1と同様に、直列4気筒型の内燃機関2に対して、吸気系の構成、排気系の構成、各種センサおよび演算処理装置40が備えられたシステム構成に対して適用される。以下、重複を避けるために、実施の形態1で述べた構成と同一あるいは相当する構成には同じ符号を付し、適宜に説明を省略ないしは簡略化する。
実施の形態2によれば、実施の形態1にかかるアルコール濃度推定装置において、複数の気筒のそれぞれについて燃料噴射量の変更(増減)をどのように行うかについての具体的形態が提供される。図3は、本発明の実施の形態2にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置に適用される、気筒毎の燃料噴射量の増減のパターン例を示す図である。なお、実施の形態2にかかる内燃機関2の点火順は、「1番気筒→3番気筒→4番気筒→2番気筒→1番気筒・・」の順番とする。
図3(a)には、1番気筒(#1)から4番気筒(#4)までの全気筒の燃料噴射量を、基準となる燃料噴射量に一致させた状態を示している。図3(b)から(h)までのそれぞれは、各気筒において燃料噴射量を増量または減量した状態の様々なパターンを示している。
図3(c)は、図3(b)とは増量と減量の関係を逆にしたパターンを示している。
図3(e)は、図3(d)とは増量と減量の関係を逆にしたパターンを示している。
図3(g)は、図3(f)とは増量と減量の関係を逆にしたパターンを示している。
以下、実施の形態2にかかる内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置において行われる燃料噴射量変更動作の好ましい形態を、上記の図3で示した燃料噴射量変更のバリエーションの用い方とともに説明する。
(イ)図3(b)のように、1番気筒について減量を行い、2番〜4番気筒は増量を行う。
(ロ)次に、図3(c)のように、1番気筒について増量を行い、2番〜4番気筒は減量を行う。つまり、上記の(イ)の場合と反対(基準の燃料噴射量に対して対称)のパターンで、燃料噴射量の変更を行う。これにより、「1番気筒についての燃料噴射量の増減」が完了する。
(ハ)「1番気筒についての燃料噴射量の増減」が完了したため、次に、点火順が次の順番の気筒(3番気筒)に対して、図3(b)の1番気筒と同様の減量を行う。このとき、1番、2番および4番気筒に対しては、図3(b)の2番乃至4番気筒に対して行ったのと同様の増量を行う。
(ニ)さらに、3番気筒に対して、図3(c)の1番気筒と同様の減量を行う。このとき、1番、2番および4番気筒に対しては、図3(b)の2番乃至4番気筒に対して行ったのと同様の増量を行う。これにより、「3番気筒についての燃料噴射量の増減」が完了する。
(ホ)次に、「3番気筒の次に点火順の気筒」である4番気筒に対して、上記の(イ)(ロ)で1番気筒に対して適用し上記の(ロ)(ハ)で3番気筒に対して適用したのと同様に、燃料噴射量の増量と減量を行う。これに応じて、4番気筒以外の他の気筒は、4番気筒の燃料噴射量の増量や減量を平均的に相殺するための燃料噴射量変更を行う。
(へ)次に、「4番気筒の次に点火順の気筒」である2番気筒に対して、上記の(イ)乃至(ホ)で1番、3番、4番気筒に対して順次適用してきたのと同様に、燃料噴射量の増量と減量を行う。これに応じて、2番気筒以外の他の気筒は、2番気筒の燃料噴射量の増量や減量を平均的に相殺するための燃料噴射量変更を行う。
これにより、燃料噴射量の増減による空燃比変化を1気筒おきに生じさせることができ、角速度変動を小さくすることができる。
また、1つのサイクルにおいて1つの気筒の増量と他の1つの気筒の減量とを行うことができる。その結果、各気筒についてリッチ側変化とリーン側変化の双方についての筒内圧測定データを取得する場合に、1つのサイクルについて2つずつ筒内圧測定データを取得していくことができるため、アルコール濃度推定に用いるための発生熱量データの検出にかかる時間を短くすることができる。速やかにデータ収集を完了することで、強制的な燃料噴射量変更を実施する期間を短くできその影響を受ける期間を減らすことができる。
この(2−3)にかかる形態は、4気筒の場合に限られるものではない。例えば6気筒V型内燃機関ではバンク毎に1気筒ずつ、例えば8気筒V型内燃機関ではバンク毎に2気筒ずつ、それぞれ、上記の(2−2)にかかる燃料噴射量変更方法を用いることができる。
図4は、実施の形態1において演算処理装置40が実行するルーチンのフローチャートである。
図4に示すルーチンでは、先ず、演算処理装置40が、E濃度(エタノール濃度)検出条件が成立しているか否かを判定する処理を実行する(ステップS200)。このステップでは、図2におけるステップS100と同様のルーチンが実行されるものとする。このステップの条件が成立しない場合には、今回のルーチンが終了し、処理がリターンする。
本ステップにおいて、Cylinder No.=1に応じて、気筒Aとして1番気筒が設定される。また、本実施形態では、好ましい実施形態として、気筒Bを「1番気筒の対向気筒(本実施形態では、4番気筒がこれに当たる)」に設定する。なお、この「気筒A」および「気筒B」は、実施の形態1にかかる具体的処理において説明したように、それぞれ、演算処理装置40側で気筒を識別するために便宜上導入した気筒識別データである。図4のルーチンにおいても、図2のルーチンと同様、「気筒A」「気筒B」に何番の気筒を設定するかに応じて燃料噴射量変更制御の対象となる気筒を変更することができるものとする。
上記のように、本実施形態では、好ましい実施形態として、気筒Bを「1番気筒の点火順についての対向気筒である4番気筒」に設定する。ここでいう「点火順についての対向気筒(以下、単に「対向気筒」とも称す)」とは、1サイクルの中で物理的に点火順が対向する位置にある気筒を意味しており、4サイクルエンジン(4ストロークエンジン)の場合はクランク角2回転(=720°CA)の中で物理的に点火順が対向する位置にある気筒を指している。具体的には、例えば4気筒内燃機関において点火順が「1番気筒→3番気筒→4番気筒→2番気筒」である場合には、720°CAの1サイクル中で、1番気筒の点火時期と4番気筒の点火時期とが互いに対向している。さらに、720°CAの1サイクル中で、3番気筒の点火時期と2番気筒の点火時期も互いに対向している。従って、この場合には、「1番気筒と4番気筒」が対向気筒の関係にあり、「2番気筒と3番気筒」が対向気筒の関係にある。また、例えば6気筒内燃機関において点火順が「1番気筒→2番気筒→3番気筒→4番気筒→5番気筒→6番気筒」である場合には、「1番気筒と4番気筒」が対向気筒の関係にあり、「2番気筒と5番気筒」が対向気筒の関係にあり、「3番気筒と6番気筒」が対向気筒の関係にある。
また、実施の形態2によれば、前述した図3の燃料噴射パターンを利用して、アルコール濃度推定に用いる情報を得るために燃料噴射量の変更を行うに際し、内燃機関2全体の空燃比の変動を低減し、トルク変動や排気ガス空燃比の変化を抑制することができる。
4 気筒
6 ピストン
8 クランク角センサ
10 ノックセンサ
12 筒内直噴インジェクタ
14 スパークプラグ
16 筒内圧センサ
18 吸気バルブ
20 排気バルブ
21 エアクリーナ
22 吸気通路
23 吸気圧センサ
24 サージタンク
26 スロットルバルブ
30 排気経路
32 空燃比センサ
34 触媒(S/C)
36 触媒(U/F)
40 演算処理装置
Claims (4)
- 複数の気筒を有し前記複数の気筒のそれぞれに燃料噴射弁を備えた内燃機関において、前記それぞれの燃料噴射弁の燃料噴射量を別の量に設定する燃料噴射量設定手段と、
前記複数の気筒のうち第1気筒についての燃料噴射量を基準噴射量に対して第1増量噴射量となるように設定し、前記第1増量噴射量での前記第1気筒の燃焼と同じサイクルにおける前記第1気筒以外の第2気筒についての燃料噴射量を前記基準噴射量に対して第1減量噴射量となるように設定する第1設定手段と、
前記第1設定手段で設定した燃料噴射量による燃焼の後のサイクルにおいて、前記第1気筒の燃料噴射量を前記基準噴射量に対して前記第1増量噴射量と異なる量に増量した第2増量噴射量または前記基準噴射量に対して前記第1減量噴射量と異なる量に減量した第2減量噴射量に設定するとともに、前記第2気筒の燃料噴射量を前記第2増量噴射量と前記第2減量噴射量のうち前記第1気筒に設定しないほうに設定する第2設定手段と、
前記第1増量噴射量での燃焼時における発生熱量および前記第2増量噴射量での燃焼時における発生熱量それぞれと前記基準噴射量における熱発生量との間の差分を平均した増量平均値を算出する第1算出手段と、
前記第1減量噴射量での燃焼時における発生熱量および前記第2減量噴射量での燃焼時における発生熱量それぞれと前記基準噴射量における熱発生量との間の差分を平均した減量平均値を算出する第2算出手段と、
前記増量平均値および前記減量平均値に基づいて前記内燃機関の燃料のアルコール濃度を推定する推定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置。 - 前記第1気筒の空燃比と前記第2気筒の空燃比とを合わせた空燃比が一定となるように、前記燃料噴射量の前記設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置。
- 前記第1増量噴射量における増量分が前記第1減量噴射量の減量分により相殺されるように、前記燃料噴射量の設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置。
- 前記第1気筒の燃料噴射量として設定した前記第1増量噴射量における増量分が前記第1気筒の次に点火を迎える気筒である次点火気筒に設定される燃料噴射量の減量分により相殺されるように、前記次点火気筒の燃料噴射量を設定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関燃料のアルコール濃度推定装置。
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