JP5552791B2 - 透明複合シートの製造方法および透明複合シート - Google Patents

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Description

本発明は、構造発色性を有する透明複合シートの製造方法および透明複合シートに関するものである。
従来、樹脂シートを着色するためには着色顔料、色素、染料等の各種着色材を含有させることが必要であった。しかしながら、顔料として粒径が大きいものを使用すると樹脂シートは不透明になり、一方、粒径がナノスケールと小さいものを使用した場合は、粒子が凝集し易くなり、やはり樹脂シートは不透明になる。また、色素、染料は耐熱性が劣り、さらに経時変化が大きいという問題もある。
これに対し、上述したような着色材を含有させる方法以外の着色方法として、球状ナノ微粒子のコロイド微結晶の構造発色を利用した光学発色体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、かかる光学発色体は、透明でない、または透明性が低いものであり、透明性を維持したままの構造発色を示す光学発色体(透明シート)は得られていなかった。
特開2007−182392号公報
本発明の目的は、高い透明性を有するとともに、顔料、色素、染料等の従来の着色材を用いることなく特定の波長で発色する透明複合シートおよびその製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) 透明な樹脂材料と、一次粒子の平均粒径が可視光の波長より小さい粒子とを含む透明複合シートの製造方法であって、
前記粒子として、一次粒子の平均粒径が50〜250nmであり、かつ、一次粒子の粒径の標準偏差が一次粒子の平均粒径の81.2%以下であるものを用い、
前記粒子の含有量を前記透明複合シートの10〜40体積%の範囲内で調整することにより、全光線透過率80%以上、ヘイズ率15%以下、最大反射率30%以上、および最大反射率波長340〜400nmの範囲内で、全光線透過率およびヘイズ率の透明性、並びに、最大反射率および最大反射率波長の構造発色性をそれぞれ制御することを特徴とする透明複合シートの製造方法。
(2) 前記粒子は、一次粒子が球形をなすものである上記(1)に記載の透明複合シートの製造方法。
(3) 前記粒子は、シリカで構成されたものである上記(1)または(2)に記載の透明複合シートの製造方法。
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の透明複合シートの製造方法により製造されたことを特徴とする透明複合シート。
(5) 透明な樹脂材料と、一次粒子の平均粒径が可視光の波長より小さい粒子と、を含む透明複合シートであって、
前記粒子は、一次粒子の平均粒径が50〜250nmであり、かつ、一次粒子の粒径の標準偏差が一次粒子の平均粒径の81.2%以下というそれぞれの条件を満足するものであり、
前記粒子の含有量は、前記透明複合シートの10〜40体積%であり、
全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘイズ率が15%以下の透明性を有するとともに、最大反射率が30%以上であり、かつ、最大反射率波長が340〜400nmである構造発色性を有することを特徴とする透明複合シート。
(6) 透明な樹脂材料と、平均粒径が可視光の波長より小さい粒子とを含む透明複合シートであって、
前記粒子は、一次粒子の平均粒径が50〜250nmであり、かつ、一次粒子の粒径の標準偏差が一次粒子の平均粒径の81.2%以下というそれぞれの条件を満足するものであり、
前記粒子の含有量は、前記透明複合シートの10〜40体積%であり、
シンクロトロン放射光X線を用いた小角X線散乱法により得られた散乱強度スペクトルにおいて、当該透明複合シートの前記粒子の形状に起因するピークの数が5個以上であることを特徴とする透明複合シート。
(7) 前記粒子は、粒径が400nm以上である一次粒子の含有量が5体積%以下のものである上記(5)または(6)に記載の透明複合シート。
(8) 全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘイズ率が15%以下の透明性を有する上記(6)に記載の透明複合シート。
(9) 最大反射率が30%以上であり、かつ、最大反射率波長が340〜400nmである構造発色性を有する上記(6)に記載の透明複合シート。
(10) 平均粒子間距離が100〜220nmである上記(5)ないし(9)のいずれかに記載の透明複合シート。
(11) 前記樹脂材料は、脂環式エポキシ樹脂または脂環式構造を含む(メタ)アクリレートを含み、光硬化性を有する樹脂材料である上記(5)ないし(10)のいずれかに記載の透明複合シート。
本発明によれば、高い透明性を有するとともに、着色材を用いることなく特定の波長で発色する透明複合シートが得られるので、例えば、透明板、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池用基板、タッチパネル用基板、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に利用可能な透明複合シートが得られる。また、着色材を用いていないので、着色材の変質・劣化による発色の特性変化が発生せず、透明性、発色性、耐熱性、耐久性が安定した透明複合シートが得られる。
実験例8で得られた透明複合シートについての散乱強度スペクトルである。 各実験例で得られた透明複合シートについての散乱強度スペクトルである。 各実験例で得られた透明複合シートにおいて、シリカの含有量と粒子間距離との関係を示すグラフである。 実験例6、実験例8、実験例10および実験例12で得られた透明複合シートの走査型電子顕微鏡による観察像である。 実験例1〜12で得られた透明複合シートのシリカ含有量と全光線透過率との関係、および、シリカ含有量とヘイズ率との関係をそれぞれ示すグラフである。 実験例1〜12で得られた透明複合シートのシリカ含有量と最大反射率との関係、および、シリカ含有量と最大反射率波長との関係をそれぞれ示すグラフである。
以下、本発明の透明複合シートの製造方法および透明複合シートについて添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<透明複合シート>
本発明の透明複合シートは、透明な樹脂材料と、球状ナノ微粒子(粒子)とを含む透明複合シートであって、光照射下で、透明性を有しつつ、特定の波長の光を構造発色する透明複合シートである。
以下、本発明の透明複合シートの各部について順次詳述する。
(樹脂材料)
本発明で用いられる樹脂材料は、透明であれば特に制限されないが、2つ以上の官能基を有する化合物を含有する樹脂組成物を熱、光等により硬化・架橋して得られるものが好ましい。2つ以上の官能基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、エポキシ化合物、グリシジル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキセタン化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらの樹脂材料は、特に透明性が高いため、透明複合シートに用いられる樹脂材料として好適である。
なお、本発明における透明とは、光透過性を有し、透かして見ることができる状態をいうが、透過率の低い半透明の状態も含む。
上記樹脂材料のうち、グリシジル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはこれらの水添化物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂、カルド骨格を有するエポキシ樹脂、ポリシロキサン構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
また、脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端にそれぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの、水添ビフェニル骨格、および水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
さらに、耐熱性、線膨張係数の点で、脂環式構造を有し、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。このような(メタ)アクリレートは、脂環式構造を含む2つ以上の官能基を有するものであれば特に制限されないが、耐熱性や透明性の点から、下記の一般式(1)および一般式(2)より選ばれた少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 0005552791
(式(1)中、RおよびRは、互いに異なっていてもよく、水素原子またはメチル基である。aは1または2であり、bは0または1である。)
Figure 0005552791
式(1)、式(2)で示される(メタ)アクリレートの中でも、反応性、熱安定性の面から、式(1)、式(2)より選ばれた少なくとも1種のアクリレートが好ましい。
また、一般式(1)において、RおよびRが水素であり、aが1であり、bが0である構造を有するジシクロペンタジエニルジアクリレート、一般式(2)において、Xが−CHOCOCH=CHであり、RおよびRが水素であり、Pが1である構造を有するパーヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン−2,3,7−(オキシメチル)トリアクリレート、一般式(2)において、X、RおよびRがすべて水素で、Pが0または1である構造を有するアクリレートより選ばれた少なくとも1種以上のアクリレートがより好ましい。
さらに、粘度等の点を考慮すると、X、RおよびRがすべて水素であり、Pが0である構造を有するノルボルナンジメチロールジアクリレートがさらに好ましい。
なお、一般式(2)で示される(メタ)アクリレートは、例えば特開平5−70523号公報において示される公知の方法で得ることができる。
以上のような官能基を有する化合物中には、柔軟性を付与する等の目的で、要求される特性を極端に損なうことのない範囲で、単官能の化合物を含有させることができる。
(球状ナノ微粒子)
本発明で用いられる球状ナノ微粒子は、特に制限されるものではないが、例えば、ケイ素を含有する金属酸化物の微粒子、半導体微粒子などが挙げられる。このうち、ケイ素を含有する金属酸化物の微粒子としては、乾燥された粉末状のシリカ(酸化ケイ素)微粒子、有機溶媒に分散されたコロイダルシリカ(シリカゾル)等が挙げられる。また、分散性の点で、有機溶媒に分散されたコロイダルシリカ(シリカゾル)が好ましく用いられる。
ここで、コロイダルシリカ(シリカゾル)を分散させる有機溶媒としては、樹脂材料中に使用する有機成分が溶解するものを用いることが好ましく、例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類が挙げられる。このうち、脱溶媒のしやすさから、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の有機溶媒が好ましく用いられ、イソプロピルアルコールがより好ましく用いられる。イソプロピルアルコールを用いた場合、脱溶媒後の粘度が他の溶剤系に比べて低くなるので、原材料の粘度が低くなり、透明複合シート製造用の組成物を安定して作製することができる。
また、コロイダルシリカ(シリカゾル)等のシリカ微粒子は、要求される特性を極端に損なうことのない範囲で、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理されたものであってもよく、有機溶媒に分散させるために、界面活性剤等の分散剤を使用しているものであってもよい。
一方、半導体微粒子としては、光や電子線のようなエネルギーを吸収することにより、2つのエネルギー準位の差に反比例する波長の光を発する性質を有するものであれば、特に制限されないが、カルコゲン化物を含有する微粒子が好適に用いられる。
このカルコゲン化物は、カルコゲン(周期表のVI族元素のうち、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、ポロニウム(Po)の5元素の総称)を含む化合物のことであるが、特に、周期表のII族元素とVI族元素との化合物であるII−VI族化合物等であるのが好ましい。さらに好ましくは、ZnS、CdS、ZnSe、CdSe、ZnTe、CdTe、ZnOから選択される少なくとも1種のカルコゲン化物含有化合物とされる。
また、半導体微粒子としては、ボーア半径の2倍よりも小さな粒径の半導体超微粒子が好ましい。このような半導体超微粒子をマトリックス中に凝集させることなく均一に分散させることにより、透明複合シートの発光効率をより高めることができる。マトリックスとしては、種々の無機物、種々の有機物を用いることができる。このうち無機物としては、ケイ素系の化合物などが挙げられる。一方、有機物としては、耐熱性の面から、ポリイミドや脂環式構造を有する樹脂などが挙げられる。マトリックス中にケイ素やチタンを含有するカップリング剤を使用することもできる。
透明複合シート中の球状ナノ微粒子の含有量は、好ましくは5〜50体積%、より好ましくは10〜40体積%、さらに好ましくは20〜40体積%、特に好ましくは20〜30体積%である。この範囲であれば、透明複合シート作成前の複合体組成物が、流動性および分散性に優れたものとなるため、製造が容易であり、透明性を維持しつつ構造発色を示す透明複合シートが得られる。
球状ナノ微粒子の一次粒子の平均粒径は、可視光の波長より小さい(350nm以下)粒子であればよいが、50〜250nmが好ましく、透明性と流動性とのバランスの観点から、さらに好ましくは50〜150nm、最も好ましくは80〜120nmである。なお、平均粒径が下限値未満では、作製した複合体組成物の粘度が極端に増大するため、球状ナノ微粒子の充填量が制限されるとともに分散性が悪化し、十分な透明性を得ることができない場合がある。一方、上限値を超えると透明性が著しく悪化するおそれがあるので好ましくない。
なお、球状ナノ微粒子の一次粒子の平均粒径は、次のような方法で測定することができる。
測定方法としては、例えば、動的光散乱法、パルス磁場勾配核磁気共鳴(PFG−NMR)法のような拡散法、光学顕微鏡、電子顕微鏡のような顕微鏡で観察して測定する顕微鏡法、レーザー光回折法のような光散乱回折法等が挙げられる。
また、波長400〜500nmの光線透過率を低下させないために、一次粒子の平均粒径が400nm以上の微粒子の含有量を5体積%以下に抑えた微粒子を用いることが好ましく、含有量が0体積%であることがより好ましい。
また、球状ナノ微粒子は、その一次粒子がいかなる形状をなしていてもよいが、球形であるのが好ましい。球状ナノ微粒子の一次粒子が球形をなしていることにより、透明複合シート中に充填される球状ナノ微粒子の充填性が向上するとともに、粒子間距離が均一になる。その結果、透明複合シートの透明性および構造発色性を高めることができる。
なお、球形とは、真球の他、楕円球、面数の多い(例えば16面以上)多面体等を含む。このような形状であっても、上記と同様の作用が得られる。
さらに、球状ナノ微粒子としては、一次粒子の粒径分布ができるだけ狭いものがよいが、具体的には、一次粒子の粒径の標準偏差が、一次粒子の平均粒径の100%以下であるのが好ましく、50%以下であるのがより好ましく、30%以下であるのがさらに好ましい。このような粒径の標準偏差を有する球状ナノ微粒子は、粒径分布が狭く、粒径の揃ったものとなる。このため、構造発色の原理からして透明性、構造発色性(発色の濃度)および単色性に優れた透明複合シートが得られる。
以上のような樹脂材料および球状ナノ微粒子を含む透明複合シートは、前述したように、球状ナノ微粒子が充填配列構造をなしていることを特徴とするものであり、透明性を有しつつ、球状ナノ微粒子が光照射下で、特定の波長の光を構造発色する透明複合シートである。
本発明の透明複合シートにおいて、透明性とは、前述したように光透過性のことであるが、より具体的には、シートを透過する光線量のことであり、透明性が高い透明複合シートは透過する光線量が多いことを意味する。なお、透明性の有無の判定は、透明複合シートのD65標準光源における全光線透過率を測定することにより行い、70%以上である場合に透明性があると判定する。この測定方法としては、例えば、JIS K 7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に規定された方法が挙げられる。
また、本発明の透明複合シートにおいて、充填配列とは、一次粒子または高次粒子が規則正しく配列している状態を指し、かつ不均一な凝集構造が見られない状態をいう。
ここで、構造発色とは、構造色とも呼ばれ、規則的に並んだ立体構造に起因して光が散乱・回折・干渉し、特定の波長の光が選択的に観察される現象のことである。構造発色性がある透明複合シートは、特定の波長で発光するものとなる。
また、この発光の結果、上記波長領域における全光線透過率は、構造発色を生じない場合に比べて10%以上減少するものの、絶対的には70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。これにより、透明複合シートは優れた透明性をも有するものとなり、前述したような各種用途に用いられる際に、優れた性能を発揮し得るものとなる。
透明複合シートに含まれる球状ナノ微粒子は、前述したような充填配列構造をなしているため、この構造に起因する光の散乱・回折・干渉が生じると考えられるが、単に粒子が規則的に並んでいたとしても、必ずしも構造発色するとは限らない。特定の光が散乱され、回折・干渉するためには、球状ナノ微粒子の粒径のみならず、形状、粒度分布、充填率等の多くの因子が複雑に関連しており、これらの因子全体が統一的に最適化される必要がある。この最適化には、従来、各因子を徐々に変化させつつ構造発色の有無を繰り返し評価して行っていたが、多数の試料を用意して、各試料について全光線透過率や発光の有無を評価する必要があり、多大な手間を要していた。
上記のような課題に鑑み、本発明者は、構造発色するための簡便かつ定量的な評価方法について鋭意検討を重ねた。そして、透明複合シートに対して小角X線散乱測定を行い、得られた散乱強度スペクトルにおいて、形状に起因するピークが少なくとも1つ以上存在し、高次のピークまで一定間隔でピークトップが観察されるか否かを評価することにより、構造発色する透明複合シートが確実に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
より具体的には、構造発色する透明複合シートは、小角X線散乱法により得られた散乱強度スペクトルにおいて、粒子の形状に起因するピークの数が5個以上観察し得るものである。このような透明複合シートは、一次粒子または高次粒子が特に規則正しく配列しているため、高い透明性を有しつつ、発色性(最大反射率)、透明性(全光線透過率、ヘイズ率)、発色の単色性等に優れたものとなる。
なお、従来の透明複合シートでは、小角X線散乱法により得られた散乱強度スペクトルにおいて、粒子の形状に起因するピークの数が4個以下もしくは強度が低く確認できないものであった。このような透明複合シートでは、構造発色が認められても透明性が低かったり、透明性が高くても構造発色が認められない等の欠点があり、このため、そのようなシートは各種用途に適さないものであった。
なお、上記小角X線散乱法の条件としては、X線のエネルギーが10keV以上であるのが好ましく、15keV以上であるのがより好ましい。このようなエネルギー範囲のX線を用いることにより、X線を小角で入射しても、短時間でS/N比の高い散乱強度スペクトルを取得することができる。よって、より広い粒径範囲について、散乱強度の情報を取得することができ、測定の精度を高めることができる。したがって、構造発色する透明複合シートの構造を特定する際に必要な測定条件が得られる。
また、小角X線散乱法に用いるX線には、シンクロトロン放射光X線を用いるのが好ましい。シンクロトロン放射光X線であれば、上述したようなエネルギー範囲で、かつ単色で指向性の高いX線となるので、上述したような効果がより顕著なものとなる。シンクロトロン放射光X線は、高輝度光科学研究センターのSPring−8、高エネルギー加速器研究機構のPFリング、分子科学研究所のUVSOR、広島大学放射光科学研究センターのHiSOR等の各放射光施設において利用することができる。
なお、前述したような高エネルギーのX線を用いることができれば、小角X線散乱法に用いるX線は必ずしもシンクロトロン放射光X線に限定されない。
また、透明複合シートに含まれる球状ナノ微粒子の粒子間距離は、平均で100〜220nm程度であるのが好ましく、120〜200nm程度であるのがより好ましい。粒子間距離が前記範囲内であれば、高い透明性を有しつつ、構造発色性および単色性に優れた透明複合シートが得られる。
また、本発明の透明複合シートは、ヘイズ率が15%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。このような透明複合シートは、散乱することなく直進する光の割合が多くなるため、このシートから映像等を透かして見たときには、高精細の映像を視認することができる。なお、ヘイズ率(%)は、(拡散透過率/全光線透過率)×100で定義されており、その数値が大きいほど光が散乱する割合が大きくなり、透けて見える映像等がぼやけて見えることとなる。
また、本発明の透明複合シートは、構造発色する特定の波長の最大反射率が30%以上であるのが好ましく、40%以上であるのがより好ましい。本発明の透明複合シートでは、一方向から光を照射したとき、構造発色の現象により、その照射光のうち、特定の波長の光が反射することになるが、その反射光の最大反射率が前記範囲内であれば、発色の光量が十分に大きいものとなる。
なお、最大反射率が得られる特定波長は、前述した各種因子に応じて異なるものの、一例として340〜400nm程度である。このような波長範囲は、可視光領域の青色に相当しており、この場合には、照射光の光量の30%以上が構造発色の青色の光となり、透明複合シートから発光することとなる。
以上のように本発明の透明複合シートは、全光線透過率が高いにもかかわらず、照射光の光量に対して高い割合の構造発色が得られる。このため、透明複合シートは、透明性を維持しつつ、特定の波長の光を発光し得るものとなり、前述したような各種用途に用いられる際に、優れた性能を発揮し得るものとなる。
透明複合シートの平均厚さは、特に限定されないものの、好ましくは10μm〜10mm程度、より好ましくは30μm〜5mm程度とされる。
<透明複合シートの製造方法>
本発明の透明複合シートの製造方法は、上述したような透明な樹脂材料と、一次粒子の平均粒径が可視光の波長より小さい粒子とを含む透明複合シートの製造方法であるが、構造発色する透明複合シートの製造にあたっては、透明複合シートの用途に応じて、構造発色の波長(最大反射率の波長)、発色性(最大反射率)、透明性(全光線透過率、ヘイズ率)等の特性を目的とする特性に合わせる必要がある。
しかしながら、構造発色には前述したような複数の因子が関連しており、いずれの因子が構造発色の特性を左右しているのか、これまでは十分な知見が得られていなかった。
そこで、本発明者は、構造発色における特性と、透明複合シートの製造条件との関係について鋭意検討を重ねた。その結果、透明複合シートにおける球状ナノ微粒子の含有量を調整することにより、透明複合シートの全光線透過率、ヘイズ率、最大反射率および最大反射率波長の少なくとも1つを制御し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の透明複合シートの製造方法によれば、透明複合シートに含まれる球状ナノ微粒子の含有量を調整しさえすれば、透明複合シートの全光線透過率、ヘイズ率、最大反射率および最大反射率波長の各特性が、それぞれ所定の関係をもって変化するため、これによりこれらの特性を効率よく制御することが可能になる。その結果、前述したような各特性に優れた透明複合シート(前述した本発明の透明複合シート)を効率よく確実に製造することができる。
このような本発明の透明複合シートは、[1]透明な樹脂材料の原料として、官能基を有する化合物を含有する樹脂組成物を用意し、かかる樹脂組成物と球状ナノ微粒子とを混合してなる複合体組成物を得る工程と、[2]複合体組成物をシート状に成形するとともに、成形体を熱、光等により硬化・架橋させる工程とを経て製造される。
以下、各工程について順次詳述する。
[1]複合体組成物は、樹脂組成物と球状ナノ微粒子とを混合することにより製造されるが、具体的には、以下のような方法が挙げられる。なお、ここでは、球状ナノ微粒子としてシリカ(シリカゾル)を用いる場合を例に説明する。球状ナノ微粒子としてシリカを用いた場合には、青色として視認される波長の光が構造発色する。
(1)有機溶媒に分散されたコロイダルシリカ(シリカゾル)と樹脂組成物およびその他の配合物を混合し、必要に応じて、撹拌しながら減圧することにより有機溶媒を除去する方法
(2)有機溶媒に分散されたコロイダルシリカ(シリカゾル)と樹脂組成物およびその他の配合物を混合し、必要に応じて、脱溶媒した後、キャストし、さらに脱溶媒する方法
(3)粉末状のシリカ微粒子と樹脂組成物およびその他の配合物を混合し、分散能力の高い混合装置を用いて乾燥しつつ分散させる方法
なお、(3)において分散能力が高い装置としては、例えば、特殊機化工業(株)製のフィルミックスや種々のビーズミル等が挙げられる。分散能力が高い装置を使用するときは、混合または混練中に、反応が急速に進まないように、かつ温度が上昇しすぎないよう注意する必要がある。
ここで、複合体組成物中にシリカを混合する際には、最終的に得られる透明複合シートの目的とする特性に応じて、シリカの含有量を調整する。これにより、得られる透明複合シートにおける構造発色の波長(最大反射率の波長)、発色性(最大反射率)、透明性(全光線透過率、ヘイズ率)等の特性を制御することができ、目的とする特性の透明複合シートが得られる。
具体的には、シリカの含有量を徐々に増やすことにより、最大反射率の波長を徐々に(連続的に)短波長側にシフトさせることができる。したがって、透明複合シートにおける構造発色の色もそれに従って変化する。前述したように、球状ナノ微粒子としてシリカを用いた場合には、青色の光が構造発色するものの、波長のシフトにより、やや紫色側の色の光が発色する。このような波長のシフトを利用することにより、目的とする波長の構造発色をする透明複合シートを容易に製造することができる。なお、波長のシフト量が小さい場合には、色の変化が目視で認識できない程度のわずかな変化になる場合もある。
また、透明複合シートの特定波長の最大反射率は、構造発色の明るさや濃さを左右するが、複合体組成物中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、極大値と極小値とを順次とりながら、徐々に(連続的に)上昇するよう変化する。一例として、シリカの含有量が20〜30体積%であるときに最大反射率が極大値をとり、50体積%程度であるときに最大反射率が極小値をとる。そして、シリカの含有量が50体積%超になると、最大反射率が徐々に上昇するよう変化する。最大反射率がシリカの含有量に対して上述したような相関関係(傾向)を有しているため、これを利用する(踏まえる)ことにより、目的とする明るさまたは濃さの構造発色をする透明複合シートを容易に製造することができる。
また、透明複合シートの全光線透過率は、透明複合シートの透明性を左右するが、複合体組成物中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、極小値と極大値とを順次とりながら、徐々に(連続的に)低下するよう変化する。一例として、シリカの含有量が5体積%程度であるときに全光線透過率が極小値をとり、40体積%程度であるときに全光線透過率が極大値をとる。そして、シリカの含有量が40体積%超になると、全光線透過率が徐々に低下するよう変化する。全光線透過率がシリカの含有量に対して上述したような相関関係を有しているため、これを利用することにより、目的とする透明性を有する透明複合シートを容易に製造することができる。
さらには、透明複合シートのヘイズ率も、透明複合シートの透明性を左右するが、複合体組成物中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、極大値と極小値とを順次とりながら、徐々に(連続的に)上昇するよう変化する。一例として、シリカの含有量が5体積%程度であるときにヘイズ率が極大値をとり、40体積%程度であるときにヘイズ率が極小値をとる。そして、シリカの含有量が40体積%超になると、ヘイズ率が徐々に上昇するよう変化する。ヘイズ率がシリカの含有量に対して上述したような相関関係を有しているため、これを利用することにより、目的とする透明性を有する透明複合シートを容易に製造することができる。
以上のように、複合体組成物中に混合するシリカの含有量を適宜設定することにより、透明複合シートの各特性を制御することができ、目的とする特性の透明複合シートを容易に効率よく製造することができる。
例えば、シリカの含有量を40体積%程度に設定すれば、全光線透過率が比較的大きく、かつ、ヘイズ率が比較的小さくなるため、特に高い透明性を確保しつつ、特定の波長の構造発色をする透明複合シートを製造することができる。
一方、シリカの含有量を10体積%程度に設定すれば、全光線透過率は比較的小さくなり、かつ、ヘイズ率は比較的大きくなるため、透明性を低くして透けて見え難いものの、特定の波長の構造発色をする透明複合シートを製造することができる。
ところで、複合体組成物の原料として有機溶媒に分散したコロイダルシリカを用いる場合、この有機溶媒を複合体組成物中に残存させてもよい。この場合、熱処理等の後処理工程を設け、最終的に複合体組成物から有機溶媒を脱離させればよい。有機溶媒の複合体組成物中における含有量は、10重量%以下であるのが好ましく、5重量%以下であるのがより好ましく、3重量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、架橋工程や熱処理等によって揮発成分を除去する工程において、複合体組成物が発泡する、シートにうねりが発生する、意図しない着色が発生するなどの問題を回避することができる。
なお、本発明で作製される複合体組成物中には、複合体組成物作製時に重合反応が進行し、粘度が上昇することを防ぐ目的で、重合禁止剤を含有させてもよい。
また、複合体組成物中には、必要に応じて、透明性、耐溶剤性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、熱可塑性または熱硬化性のオリゴマーやポリマーを併用することができる。さらには、必要に応じて、透明性、耐溶剤性、耐液晶性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、他の無機フィラー等の充填剤等を含んでいてもよい。
なお、上記では、球状ナノ微粒子がシリカである場合について説明したが、シリカ以外の球状ナノ微粒子についても、シリカと同様の傾向を示すものと考えられるので、球状ナノ微粒子の含有量を調整することにより、各種特性の制御が可能になる。
[2]次いで、得られた複合体組成物をシート状に成形するとともに、得られた成形体を熱、光等により硬化・架橋させる。
成形方法としては、複合体組成物をキャストし、必要に応じ乾燥させる方法、表面平滑性を持つガラス板、プラスチック板、金属板等の間に所望のシート厚さが得られるようにスペーサーを挟み、複合体組成物を挟み込む方法等がある。
前者のキャスト法は、複合体組成物をダイより押し出して支持体上に流延し、乾燥、剥離して基板を得る方法である。キャスト後または乾燥後には、熱、光等により成形体を硬化・架橋して透明複合シートを得る。
後者の方法では、ガラス板等の間に複合体組成物を挟んだ後、熱、光等により成形体を硬化・架橋して透明複合シートを得る。なお、この場合には、光(活性エネルギー線)により複合体組成物を硬化させる場合には、2枚のうちの少なくとも一方に、透明なガラス板、プラスチック板を使用する必要がある。
複合体組成物を架橋させる方法としては、前述したように、活性エネルギー線により硬化させる方法、熱をかけて熱重合させる方法等が挙げられるが、これらを併用してもよい。
このうち、活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、例えば、メタルハライドタイプ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
また、硬化反応の完結、揮発分の除去をする等の目的で、さらに高温での熱処理工程を併用することが好ましい。
複合体組成物を紫外線等の活性エネルギー線により硬化させる場合は、複合体組成物中にラジカル、カチオン等を発生する光重合開始剤を含有させることが好ましい。その際に用いる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのような各種ラジカル発生剤、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩のような各種カチオン発生剤等が挙げられる。なお、これらの光重合開始剤は2種以上を併用するようにしてもよい。
光重合開始剤の複合体組成物中における含有量は、適度に硬化させる量であればよい。具体的には、複合体組成物中の官能基を含有する有機成分100重量部に対し、0.01〜2重量部であるのが好ましく、0.02〜1重量部であるのがより好ましく、0.1〜0.5重量部であるのがさらに好ましい。光重合開始剤の添加量が前記上限値を上回ると、重合が急激に進行し、複屈折の増大、意図しない着色、硬化時の割れ等の問題が発生するおそれがある。一方、光重合開始剤の添加量が前記下限値を下回ると、複合体組成物を十分に硬化させることができず、また架橋後に複合体組成物が成形型に付着し、除去できなくなる等の問題が発生するおそれがある。
一方、複合体組成物に熱をかけて熱重合させる場合は、必要に応じて、複合体組成物中に熱重合開始剤を含有させることができる。その際に用いる熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)のような各種ラジカル発生剤、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体のような各種カチオン発生剤等が挙げられる。熱重合開始剤の複合体組成物中における含有量は、複合体組成物中の官能基を含有する有機成分100重量部に対し、3重量部以下が好ましい。
また、活性エネルギー線による硬化および/または熱重合による架橋後に高温で熱処理する場合は、その熱処理工程の中に、線膨張係数を低減する等の目的で、窒素雰囲気下または真空状態で、200〜300℃の温度で、1〜24時間の熱処理工程を有することが好ましい。
本発明の透明複合シートを、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル等として用いる場合は、シートの厚みが特に50〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜400μmである。
以上のようにして本発明の透明複合シートを製造することができる。
このような透明複合シートは、例えば、透明板、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池用基板、タッチパネル用基板、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に利用可能である。これらは、いずれも透明性を要するものであるため、本発明の透明複合シートが好適に用いられる。その上、本発明の透明複合シートは、透明性を維持しつつ、構造発色するものであるため、そのような付加価値を有するものとして有用である。しかも、その発色は、着色材によるものではないので、着色材の変質・劣化による発色の特性変化が発生せず、本発明の透明複合シートは、透明性、発色性、耐熱性、耐久性に安定したものとなる。
また、美的外観に優れるという観点から、例えば、建物、乗り物(自動車、航空機、電車等)等の内装材および外装材、電気製品、家具、宝飾品等の外装材等にも好適に用いられる。
その場合、必要に応じて、透明複合シートの両面または片面に、樹脂のコート層を設けるようにしてもよい。コートする樹脂としては、優れた透明性、耐熱性、耐薬品性を有していることが好ましく、具体的には多官能アクリレートやエポキシ樹脂などが挙げられる。コート層の厚みは0.1〜50μmが好ましく、0.5〜30μmであるのがより好ましい。
さらには、必要に応じて、水蒸気や酸素に対するガスバリア層や透明電極層等を設けるようにしてもよい。
以上、本発明の透明複合シートの製造方法および複合体の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば透明複合シートには、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の透明複合シートの製造方法は、前記実施形態に任意の目的の工程を付加したものでもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。なお、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。
1.透明複合シートの作製
(実験例1)
[1]複合体組成物の作製
まず、前記一般式(2)において、X、RおよびRがすべて水素であり、Pが0である構造を有するノルボルナンジメチロールジアクリレート(TO−2111:東亞合成株式会社製)5重量部、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン1重量部、イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカ0.04重量部(シリカ含量30重量%、平均粒径100nm、日産化学製)を配合し、得られた混合物を40℃で撹拌しながら、減圧下において揮発分を除去した。その後、混合物中に、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバスペシャリティケミカル製、イルガキュア184)0.03重量部を添加して溶解させた後、さらに減圧下揮発分を除去し、複合体組成物を得た。複合体組成物中の溶剤含有量は10重量%未満であった。
また、得られた複合体組成物の一部について、400℃の温度で1時間加熱する硬化アニール処理を行い、残さの重量からシリカ体積分率を見積もったところ、0.1体積%であった。
[2]シート成形
次に、[1]で得られた複合体組成物をオーブンで所定の温度(60〜80℃)に加熱した。次いで、加熱した複合体組成物を、ガラス板上に作成した厚み0.4mmの枠内に注入し、上部よりガラス板を載せることにより、枠内に複合体組成物を充填した。これにより複合体組成物をシート状に成形した。
[3]架橋
次に、[2]で得られた、ガラス板に挟んだ複合体組成物に、両面から約500mJ/cmのUV光を照射した。これにより複合体組成物を硬化させた。その後、ガラスから硬化物を剥離した。
[4]熱処理
次に、[3]で得られた硬化物を、真空オーブン中により、約100℃で3時間加熱した後、さらに約275℃で3時間加熱した。これにより、透明複合シートを得た。得られた透明複合シートの中央部(リタデーション測定点)の厚さをマイクロメーターを用いて測定したところ、厚さは232nmであった。
(実験例2)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を0.41重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、1体積%であった。
(実験例3)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を1.26重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、3体積%であった。
(実験例4)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を2.14重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、5体積%であった。
(実験例5)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を4.51重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、10体積%であった。
(実験例6)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を7.17重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、15体積%であった。
さらに、コロイダルシリカの一次粒子の粒径の標準偏差を測定したところ、97.2μmであり、平均粒径(119.7μm)に対する割合は、81.2%であった。
(実験例7)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を10.2重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、20体積%であった。
(実験例8)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を20重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、33体積%であった。
さらに、コロイダルシリカの一次粒子の粒径の標準偏差を測定したところ、10.6μmであり、平均粒径(112.6μm)に対する割合は、9.4%であった。
(実験例9)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を27.1重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、40体積%であった。
(実験例10)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を40.6重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、50体積%であった。
さらに、コロイダルシリカの一次粒子の粒径の標準偏差を測定したところ、9.71μmであり、平均粒径(113.4μm)に対する割合は、8.6%であった。
(実験例11)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を49.6重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、55体積%であった。
(実験例12)
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの配合量を60.9重量部に変更した以外は、前記実験例1と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、60体積%であった。
(実験例13)
実験例13では、異形状のコロイダルシリカが含まれたイソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカを用い、それ以外は前記実験例8と同様にして複合体組成物を得た後、これを用いて透明複合シートを得た。
なお、得られた複合体組成物の一部についてシリカ体積分率を見積もったところ、33体積%であった。
さらに、コロイダルシリカの一次粒子の粒径の標準偏差を測定したところ、123.5μmであり、平均粒径(115.3μm)に対する割合は、107%であった。
2.透明複合シートの評価
各実験例で作製した透明複合シートについて、下記に示す評価方法により、各種特性を測定した。
(2−1)小角X線散乱測定
まず、以下の測定条件により小角X線散乱(SAXS)測定および極小角X線散乱(U−SAXS)測定を行い、散乱強度スペクトルを得た。なお、小角X線散乱測定は、放射光施設で発生させたシンクロトロン放射光X線と、回転Cu陰極のX線管から発生させたX線とを、それぞれ用いて行った。
<小角X線散乱測定の条件(シンクロトロン放射光X線)>
X線源 :高輝度光科学研究センター SPring-8 兵庫県ビームラインBL08B2
検出器 :イメージングプレート
X線エネルギー :12keV
<小角X線散乱測定の条件(回転Cu陰極特性X線)>
X線源 :回転Cu陰極
検出器 :X線回折装置((株)リガク社製、Ultima IV)
X線波長 :1.5418Å
X線エネルギー :8.04keV
以上の評価結果をグラフとして図1に示す。
図1(a)には、実験例8で得られた透明複合シートについてのシンクロトロン放射光X線による散乱強度スペクトルを示す。
図1(b)には、実験例8で得られた透明複合シートについての回転Cu陰極X線による散乱強度スペクトルを示す。
いずれのスペクトルにおいても、横軸は散乱ベクトルq(nm−1)を示し、縦軸は散乱強度I(q)を示す。なお、縦軸は任意単位である。
図1(a)では、散乱強度スペクトルに多数の明瞭なピークが認められた。このピークは、粒子の形状に依存する情報を含むピークであるが、図1(a)において矢印で示されているように、ほぼ等間隔で9個以上並んでいることがわかる。その結果から、各透明複合シートでは、球状ナノ微粒子(コロイダルシリカ)が均一に分散しており、かつ各粒子の形状および粒径が揃っていることが推察される。よって、粒子間距離も均一になっており、その結果、これらの透明複合シートは、透明性を有しつつ、構造発色すると推察される。
一方、図1(b)では、散乱強度スペクトルには明瞭なピークが認められなかった。
ここで、図2(a)には、各実験例で得られた透明複合シートについての散乱強度スペクトルを示す。図2(a)から明らかなように、実験例8以外の実験例で得られた透明複合シートについても、シンクロトロン放射光X線によるスペクトルにおいては9個以上の明瞭なピークが認められた。
ところで、図2(a)にAで示す領域は、球状ナノ微粒子の粒子間干渉に依存する情報を含む領域であるが、この粒子間干渉に依存する情報は、一般にS(q)と表わされる構造因子と呼ばれる。一方、前述した複数のピークが認められた領域Bは、粒子の形状や大きさに依存する情報を含む領域であり、この情報は一般にF(q)で表わされる形状因子と呼ばれる。
図2(a)の散乱強度I(q)は、S(q)とF(q)の積であることから、I(q)のスペクトルからF(q)のスペクトルを差し引くことにより、S(q)のスペクトルを導くことができる。F(q)のスペクトルは、粒子間干渉が無視できる系におけるスペクトルであるが、実験例1で得られた透明複合シートは、粒子間距離が十分に長く、粒子間干渉が無視できる。そこで、ここでは、実験例1で得られた透明複合シートについてのスペクトルをF(q)のスペクトルとみなし、I(q)をF(q)で除したものをS(q)のスペクトルとして図2(b)に示す。
図2(b)に示す領域には、各実験例でそれぞれ1つのピークが認められるが、この矢印で示されたピークの位置は、シリカの含有量が増えるにつれて徐々に右側にシフトしている。このことは、シリカの含有量が増えるにつれて、q(散乱ベクトル)が大きくなっており、すなわち粒子間距離が短くなっていることを示している。なお、図2(b)における各ピークには、矢印とともに、実験例の番号に対応した丸数字を付している。
ここで、qの値から粒子間距離dを算出することができる(d=(2π)/q)ので、各実験例で得られた透明複合シートのシリカ含有量と粒子間距離dとをプロットすることで、図3に示すグラフが得られる。
図3の横軸はシリカ含有量(体積%)を示し、縦軸は粒子間距離d(nm)を示す。
図3から明らかなように、透明複合シート中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、粒子間距離dが徐々に(連続的に)短くなることが認められた。これは、シリカの含有量を増やすにつれて、シリカが均一かつ最密に充填し得ることを示唆するものであり、ひいては、透明複合シートが良好に構造発色し得ることを示唆するものである。
よって、散乱強度I(q)のスペクトルに多数のピークが認められることはもちろん、構造因子S(q)のスペクトルにおいて、シリカの含有量増大に伴って散乱ベクトルqが徐々に大きくなっているような特徴を有する透明複合シートは、とりわけ良好に構造発色し得るものであることが明らかとなった。
なお、図4には、実験例6、実験例8、実験例10および実験例12で得られた透明複合シートの走査型電子顕微鏡による観察像を示す。この観察像からは、シリカの含有量を徐々に増やすことにより、粒子間距離が徐々に短くなるが、その際、凝集等が生じることなく、シリカが均一に充填されていることが確認できた。
一方、実験例13で得られた透明複合シートについて、上記と同様にしてシンクロトロン放射光X線による散乱強度スペクトルを取得した。
その結果、散乱強度スペクトルにピークは認められたものの、分散性の低い周期的な2つ以上のピークは認められなかった。また、透明複合シートを走査型電子顕微鏡により観察したところ、シリカの分散が一部不均一になっていることが認められた。
(2−2)全光線透過率およびヘイズ率
次に、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH2000)を用いて、全光線透過率およびヘイズ率を測定した。
測定結果をグラフとして図5に示す。
図5(a)には、実験例1〜12で得られた透明複合シートのシリカ含有量と全光線透過率とをプロットしてなるグラフを示す。なお、横軸はシリカ含有量(体積%)を示し、縦軸は全光線透過率(%)を示す。
図5(b)には、実験例1〜12で得られた透明複合シートのシリカ含有量とヘイズ率とをプロットしてなるグラフを示す。なお、横軸はシリカ含有量(体積%)を示し、縦軸はヘイズ率(%)を示す。
図5(a)では、透明複合シート中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、シリカ含有量が5体積%程度にあるとき全光線透過率が極小値をとり、40体積%程度にあるとき極大値をとることが認められた。そして、シリカ含有量が40体積%超になると、全光線透過率が徐々に低下することが明らかとなった。以上の結果から、シリカ含有量を適宜調整することにより、透明複合シートの透明性を制御し得ることが明らかとなった。
一方、図5(b)では、透明複合シート中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、シリカ含有量が5体積%にあるときヘイズ率が極大値をとり、40体積%程度にあるとき極小値をとることが認められた。そして、シリカ含有量が40体積%超になると、ヘイズ率が徐々に上昇することが明らかとなった。以上の結果から、シリカ含有量を適宜調整することにより、透明複合シートの透明性を制御し得ることが明らかとなった。
(2−3)波長依存性の全光線透過率
次に、分光光度計((株)日立製作所製、U3200)を用いて、波長依存性の全光線透過率を測定した。そして、その測定結果から、最大反射率および最大反射率の波長を求めた。
算出結果をグラフとして図6に示す。
図6(a)には、実験例1〜12で得られた透明複合シートのシリカ含有量と最大反射率とをプロットしてなるグラフを示す。なお、横軸はシリカ含有量(体積%)を示し、縦軸は最大反射率(%)を示す。
図6(b)には、実験例1〜12で得られた透明複合シートのシリカ含有量と最大反射率波長とをプロットしてなるグラフを示す。なお、横軸はシリカ含有量(体積%)を示し、縦軸は最大反射率波長(nm)を示す。
図6(a)では、透明複合シート中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、シリカ含有量が20〜30体積%にあるとき最大反射率が極大値をとり、50体積%程度にあるとき極小値をとることが認められた。そして、シリカ含有量が50体積%超になると、最大反射率が徐々に上昇することが明らかとなった。以上の結果から、シリカ含有量を適宜調整することにより、透明複合シートの構造発色の明るさまたは濃さを制御し得ることが明らかとなった。
一方、図6(b)では、透明複合シート中のシリカの含有量を徐々に増やすことにより、最大反射率の波長が徐々に短波長側にシフトすることが認められた。以上の結果から、シリカ含有量を適宜調整することにより、透明複合シートの構造発色の波長を制御し得ることが明らかとなった。
なお、実際に、各実験例で得られた透明複合シートに白色光を照射したところ、構造発色の特性がそれぞれ異なるものの実験例1〜12で得られた透明複合シートでは構造発色が認められ、透明性も有していた。特に、実験例5〜9で得られた透明複合シートから特に強い青色の発光が認められ、透明性にも優れていた。
一方、実験例13で得られた透明複合シートでは、構造発色が認められず、また透明性も低かった(全光線透過率70%未満)。
A、B 領域

Claims (11)

  1. 透明な樹脂材料と、一次粒子の平均粒径が可視光の波長より小さい粒子とを含む透明複合シートの製造方法であって、
    前記粒子として、一次粒子の平均粒径が50〜250nmであり、かつ、一次粒子の粒径の標準偏差が一次粒子の平均粒径の81.2%以下であるものを用い、
    前記粒子の含有量を前記透明複合シートの10〜40体積%の範囲内で調整することにより、全光線透過率80%以上、ヘイズ率15%以下、最大反射率30%以上、および最大反射率波長340〜400nmの範囲内で、全光線透過率およびヘイズ率の透明性、並びに、最大反射率および最大反射率波長の構造発色性をそれぞれ制御することを特徴とする透明複合シートの製造方法。
  2. 前記粒子は、一次粒子が球形をなすものである請求項に記載の透明複合シートの製造方法。
  3. 前記粒子は、シリカで構成されたものである請求項1または2に記載の透明複合シートの製造方法。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の透明複合シートの製造方法により製造されたことを特徴とする透明複合シート。
  5. 透明な樹脂材料と、一次粒子の平均粒径が可視光の波長より小さい粒子と、を含む透明複合シートであって、
    前記粒子は、一次粒子の平均粒径が50〜250nmであり、かつ、一次粒子の粒径の標準偏差が一次粒子の平均粒径の81.2%以下というそれぞれの条件を満足するものであり、
    前記粒子の含有量は、前記透明複合シートの10〜40体積%であり、
    全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘイズ率が15%以下の透明性を有するとともに、最大反射率が30%以上であり、かつ、最大反射率波長が340〜400nmである構造発色性を有することを特徴とする透明複合シート。
  6. 透明な樹脂材料と、平均粒径が可視光の波長より小さい粒子とを含む透明複合シートであって、
    前記粒子は、一次粒子の平均粒径が50〜250nmであり、かつ、一次粒子の粒径の標準偏差が一次粒子の平均粒径の81.2%以下というそれぞれの条件を満足するものであり、
    前記粒子の含有量は、前記透明複合シートの10〜40体積%であり、
    シンクロトロン放射光X線を用いた小角X線散乱法により得られた散乱強度スペクトルにおいて、当該透明複合シートの前記粒子の形状に起因するピークの数が5個以上であることを特徴とする透明複合シート。
  7. 前記粒子は、粒径が400nm以上である一次粒子の含有量が5体積%以下のものである請求項5または6に記載の透明複合シート。
  8. 全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘイズ率が15%以下の透明性を有する請求項に記載の透明複合シート。
  9. 最大反射率が30%以上であり、かつ、最大反射率波長が340〜400nmである構造発色性を有する請求項6に記載の透明複合シート。
  10. 平均粒子間距離が100〜220nmである請求項ないしのいずれか1項に記載の透明複合シート。
  11. 前記樹脂材料は、脂環式エポキシ樹脂または脂環式構造を含む(メタ)アクリレートを含み、光硬化性を有する樹脂材料である請求項5ないし10のいずれか1項に記載の透明複合シート。
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